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育成複二倍体作物とその両親作物との生理生態学的性質の差異について XXIII 生育に伴う全窒素および全糖の消長ならびに耐寒性-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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第13巻第2号(1962)

育成複二倍休作物とその両親作物との

生理生態学的性質の差異について

ⅩⅩⅠⅠⅠ生育に伴う金宝素および全糖の消長ならびに耐寒性

桑 田 晃 111 Ⅰ 緒 p 叫般紅倍数体の生育は原穐またほ両親に比し遅延する.しかして種子の発芽より生育末期に至る間において,生育 の段階により,種々の生理生態的性質を異にすることは当然のことである.筆者ほさきに,生育に伴う種々の生理作 用の消長について報告(10)したが,本報では,同一粂件紅て栽培管理した櫨二倍体とその両親作物とが生育の経過に 伴って,体内主要成分である金宝素,全糖が如何に消長するかを比較検討した結果を報嘗する− また倍数体が原種あるいほ両親に対し,若干の例外ほあるが,耐寒性は強いといわれているい そこで全窒乱全糖 の消長の比較研究を兼ねて,耐寒性濫関係ある乾物乱診透圧ならび紅凍結被害もあわせて測定し,耐寒性を比較検 討した, 本稿を草するに当たり,御指導を賜わつた香川冬夫博士に対し,また植物体の全窒素,全糖の定鼠に膚本学土壌肥 料学研究室の玉置教授を,凍害検定試験にほ高知大学農学部山崎教授をわずらわしたことに対し,共に深甚の謝意を 表する次欝である. Ⅱ 実験材料および方法 供試材料は従来と同様,オクラ(A∂βJ桝0gC加ばβ・SC〟Jβ邦わ‘・∫)(2n=124),トロロアオイ(A…肋押立如才)(2n= る8)およびその後二倍体である糊麻(A.gJ〟才まゎ・紬.ガfよJ査\s)(2n=192)(9)の.5作物である‖ これらを5月12日に 播種し,以後慣行法に従って栽培管理したい 調査ならびに測定はる,7,8,9および10月の各中旬に行なった5作物共紅その生育の様相を異にするが,大体 占月中旬ほ幼植物時代,7月中旬は開花前期,8月中旬は開花最盛期,9月中旬は開花末期,10月中旬は成熟期とい うことが出来よう. 仝窒素ならびに仝糖の含鼠測定ほそれぞれK膵LDAnL法ならびにBERTRAND法により定鼓した材料は各作物共 に個体の全英を使用した… 珍透圧の測定ほ原形質分離法に従った.測定個所は展開した上より第5枚日の新鮮菜の裏の中肋の表皮である.こ れより切片せ作り,検鏡常便ならしめるため,中性赤の2万倍溶液中に短時間試料を浸潰し,後各種濃度の分離液中 に入れ,限界濃度を決定した.原形質分離材としで,精製した純庶糖を用いた、 凍結被害の測定ほ低温恒温器を用いて供試温度(凍害検定瀧皮)を種々変えることにより,該濁度における凍害時 間により行なった.本測定ほ占月25日より7月2日に亘り行なった.本法の詳細は井上,山崎,松浦(8)と全く同一・で ある Ⅱ 実 験 結 果 1.生 育 各調査時期における生育状況を第1表に示すい 占月15日でほ,糊麻の草丈は必ずしも高くはないが,7月15日以降 では著しく高い.糊麻の英数はオクラと類似して,共に守口ロアオイよりやゝ少ないが,9月15日以降はトロロアオ イが早く落葉して少ないい 乾物重についてはる月15EIより8月15日迄ほ糊麻はオクラと類似して,共にトロロアオイ より少ないが,9月15日以降では5著聞に将に差異ほ認められない‖ 2.藩透圧 各謂賓時期紅おける蓼透圧を欝2表に示すd月15日ではう作物共に参考圧は煩く,しかも5作物間に特匿大老略

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112 香川大学農学部学術報告 第1表 生 育 状 況 認められないり 7月1r5日以降では5作物共に鯵透圧は高くなり,7月15日rではち作物問に大差は認められないや;,8 月15日でほオクラが最も高い.しかし9月および10月の各15日では,糊麻が最も高くなり,トロロアズイが最も低い 傾向を示す 第′2 表 蓼 透 圧 こす 去〉雷管詑 こした細胞と然ら とが半々 −± −と±とが半々 一 原形質分離を起こさない る.全窒衰および全糖 各調査時期における金宝素ならびに仝糖の含量の変化を第5表に示す.金宝素は占月15日ではトロロアオイが最も 多く,次にオ■クラ,最後に糊麻であり,7月15日ではオクラ,トロロアオイは減少するが,糊麻はやゝ増加し,5者 は殆んど同じになる,.8月15日では金宝素は5作物共にやゝ減少し,5作物間に大差は認められない.9月および10 月の各15日では仝窒素は5作物共に増加の傾向を示し,しかも5作物間に特に著しい差異は認められない.なお10月 15日において,トロロアオイの金宝素がやゝ多いのは,該作物の側枝より出た新薬のためと思われる 仝糖はる月15日ではトロロアオイが最も多く,次にオクラ,戊後に糊麻の順であるが,7月15日ではトロロアオイ はや⊥減少し,オクラは変化なく,糊麻ほやゝ増加の傾向を示し,しかも5作物間に特に大差ほ認められない∴8月 15日では全糖ほ5作物共にごく性かではあるが減少が見られるが,9月,10月となるに従い増加し,特に10月15日で は増加が著しい.しかもその間,5作物間の合逼に大差ほ認められない.

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節13巻第2雪(1982) 二1二13 第5 表 全窒素,全糖含量(生体百分中) 項

目l作 物 名【る月15日l7月15日l8月15日l9月15日‡10月15日

()内ほ可溶性糖分 4‖ 凍害検定 、 冥験結果を第4表に示す本表によると,凍寄に対しては,明らかにオクラが最も強く,次はトロロケ芽イで,糊 麻ほ巌も弱いといえよう目 しかも凍害斑点の現われ方も糊麻が最もほげしく,柴全体が侵された 第4 表 凍害検定(凍苔斑点の現われる迄の時間を示す)

作 物 名l叫70c【−60C IN50C l−4Oc l−50c I N20C l−10C

Ⅳ 考 察 生育経過中の全窒素は生育の初期でほ明らかに5作物間に差異が認められ,しかも糊麻が最も少ない.しかレて巷 育の途中において−,オクラ,†ロロアオイでほ.占月より7,8月となるに従って全窒素は叫眉減少し,以後多少鱒加 の傾向が見られるが,糊麻は著しい減少は見られず,むしろ増加の傾向を示した 生育経過中の全糖は生育の初期でほ明らかに5作物間に差異が認められ,しかも糊麻が属も少ない… しかして早作

■ 物の仝糖ほ共に8月15日はや⊥少ないが,生育と共に糊麻は増加の傾向をたどり,オクラは途中で増減のない状感か

ら増加の傾向を示し,トロロアオイはむしろ,生育途中で鵬点滅少して,以後増加の傾向を示し串 従来の実験結果によると,岡野倍数体ではその原種匿臆し,金宝窮,金牌含量のいずれ直っい’ても,増加する場谷 (219空0),減少する場合(151き)および増減のない場合(1112)とが報告されて. 2∬と4エとの金堂素,全糖の合鼠の増減の関係は生育の時期により違っている故,ある時期の成分の多少を由ちた 4ェの特性として取り扱うことほ.出来ない点な指摘している複二倍体作物の両親作物に対する仝窒素,全廃含舅の 増減についrて−の実験は見られないが,異質店数体の場合についても岡野倍数体の場合と同様に考えることが出寒よ う なお,村上く14)浸よれぼ,2ヱと4γのソバ紅おいて,金宝素ほ仝生育期間を通して,個体全体としてほ本質的の 差はないが,時期たより,また器官によって差のあることが示されている 本実験では,糊麻の金宝瓢仝糖は生育のごく初期でほ明らか紅両親より少ないが,7月15日以後では両翠と大畠 は認められない.また水分合駁も生育の初期では糊麻はカ・クラと殆んと周じで,共にトロロアオイより少ない嘉ミ,以 後5作物間に大差は認められなくなる 耐寒性について」関係する諸性質を検討すると次の如くである.糊麻の鯵透圧は両親に比し,る,7月でほ大差は ないが,9,10月では偲かではあるが高い本鯵透圧庭ついては,従来の実験結果紅よると,4∬は2Jに比し,変 らない場合(34)と低くなる場合(5)と高くなる場合く1l12)とがあるが,異質倍数体についての実験は見られない..本実 験では糊麻の鯵透圧が両親より高いのほ生育の後期のみであるなお,凍害試験にほ糊麻が良も弱い結果を示した. 元来,耐寒性についてほ,含有される糖分ならびに乾物頚などが関与し(¢721),また本実験における凍害検定の結 果も耐寒性の強弱と完全にほ一哉しないかも知れないが,−・応耐寒性決定の大きな指櫻になることは間違いはなかろ う,その結果によると,糊麻は生育初期では,両親に比し乾物重ならぴに糖分は必ずしも多くなく,惨透圧も高くは

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香川大学農学部学術報告 114 ないが,後期では,これらの諸性質は両親と殆んど変わらないかあるいはやゝ多く,またほ高い傾向を示したが,凍 害検定では糊麻ほ両親より劣る結果を示した なお耐無性については,4ヱが2方より強いことが報告(1=617・18)されているが,異質倍数体についての英験ほ見 られない.しかして本実験においては糊麻の耐寒性ほ両親より必ずしも弓削、とはいえない また水島,村上(910)は耐寒性には水分,金宝索,全糖ではなく,可溶性糖分の多寡が関係すると述べているが,本 天顔たおいて,糊麻の可溶性糖分はる月ではトロロアオイと同じで,共にオクラより多かったが,7月でほ両親より 多かった.したが一つて本実験の範囲内では可溶性糖分も耐寒性の強弱濫大きく関与するものとは思えない Ⅴ 摘 要 (1)育成復二倍休である糊麻の生育に伴う金堂素,仝糖の消長ならびに耐寒性を,その両親であるオクラおよびト ロロアオイとの比較において研究を行なった ミ2)糊麻の金堂茶,全糖共に生育のとく初期においては両親より少ないが,生育の後期でほ両親と大差ほ認められ ない. (3)糊麻の乾物壷ほ生眉の初期ではオクラと同様で,共にトロロアオイより少ないが,中期以後では両親と大差は 認められない. (4)糊麻の溶透圧ほ生育の初期では両親と同じかあるいほやゝ低いが,9月15日以後でほ両親と同様かあるいほや 」高くなる (5)低温による凍害斑点の現われる試験の結果では,耐寒性はカ■クヲが最も強く,次はトロロアオイで,最後は糊 麻である (6)耐寒性にほ乾物重,診透圧,全窒素,仝糖および可溶性糖分の多少は特に大きな関係をもたないようである 引 用 文 献 (1)AvERY,GS.JR.,PoTTOF,L.:AmeYJ 及扉..,52(1945) (2)BARR,C.G小,NEWCOMER,E.H.:J.Agr小 定g・ざ.,る7(1945). (3)FABERGE,A.C.:J。Genet…,55,565(1956a) (4)− :〃∫d.,55,585(195占b) (5)GREIS,H.:Z滋c如♂r,12(1940) (6)原田重雄,中山仰,三ツ井稔:日作紀,28,105 (1959). (7)−…−−,−− ,加納照崇,酒井憤介:仝上,29, 149(19る0). (8)井上重陽,山崎九 松浦正視=高知大研報,自然 科学,(2),59(1952). (9)香川冬夫:日本作物学会講演会発表及び個人出版 (1944), (10)桑田晃:香川大農学事凱11,25(1959) (11)水島字三郎,村上偏十・:日作紀,19,171(1950) (12】− ‥ 仝上,19,174(1950) (13)村上寛一・,水島宇三郎:育弧1,7占(1951). (14)叫:仝上,2,105(1952) (15)NISHIYAMA,Ⅰ∴肋桝.C仇〃Ag㌢,考γ¢ね′椚♪ Univ,(52)(Genet・Series5),1(1954) (16)西山市三:植及軌10,577(1942a) (17)−:園弧15,245(1942b) (18)NoGUTI.Yn,OKA,Hl,OTSUKA,T,:Jap。J. β〃f,10,545(1940) (1朝 岡英人:柏及軌 7,4る1(1959) 別)一岬】− :遺雑,18,118(1942). (21)志村喬,渡辺明,加納照崇:日作紀,2る,121 (1954)

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第13巻第2号(1962) 115

Studies on the differences of physiologicaland ecologicalcharacteristics of the artificially raised amphidiploidin comparison with those ofits parents XXIIIOn the variations of totalnitrogen and sugar at various peIiods of

growth and on the cold resistance Hikaru KuwADA

Summary(1)Studies were made onthe variations of totalnitrogen and sl噌ar,and on the cold resist・ ance of〝Nori−Asa〝(glutinous・hemp),an amphidiploid crop raised between Abelmoschus esculentus and A.・Manihot,at Various periods of growth.

(2)The amount of the totalnitIOgenand sugarin〝Nori−Asa〝were smaller than those of parentsatthe Very early stage of growth,but weIealmost equalto those of parents at thelate stage of growth

(3)The absolute weight oithe dry matter of/′Nori・Asa〝 was smaller・than that of ManihotIeSembling to that of esculenius at the eaEly stage of growth,but was almost equalto those of parents at thelate Stage Of gIOWth,

(4)The?SmOticpIeSSureOf〝NorトAsa′′wasequalorlowcompared withparentsattheeaIlystage of growth,but was equaloIhighcompared with parents at thelate stage of growth

(5)By the results of the freezing spot examination undetlow tempeIature,the cold resistance was the StrOngeStin elSCulentus,mediumin Ma捌hot,the weakestin〝Nori・・Asa〝

(6)It seems to be that the dry matter,OSmOtic pressure,tOtalnitIOgen,tOtalsugaIand soluble sugar may be not concerned to the coldIeSistance

参照

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