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経済産業省委託調査

平成 23 年度商取引適正化・製品安全に係る事業

(クレジット取引に係る問題の調査)

《最終報告書》

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本調査研究について

Ⅰ 調査の目的

近年、情報商材の販売や出会い系サイト等、インターネットを通じた詐欺的な取引に 係る消費者苦情の問題が内閣府の消費者委員会等において取り上げられ、その際に、こ うした取引においては包括加盟店型の決済代行業者が介在することにより、クレジット カードによる代金決済が利用されているとの指摘がなされた。また、美容エステのよう な対面型取引においても、同様の問題が生じている。 日本国内においてクレジットカード会社は通常、悪質な業者を加盟店にすることがな いよう加盟店の審査・管理を行い、また、国内では包括加盟店型決済代行業者を介する 場合でも、クレジットカード会社は直接の加盟店である決済代行業者に対し、傘下の加 盟店の審査・管理を適切に行うことを契約の条件とするのが原則である。 しかしながら、クレジットカード会社による加盟店の審査・管理については、個社ご との審査・管理基準に委ねられていることから、業界全体の実態は把握されていない。 このため本調査では、国内クレジットカード会社による包括加盟店型決済代行業者の 審査・管理状況、および包括加盟店型決済代行業者による店子の管理状況等を調査し、 その実態を明らかにすること、また、海外のアクワイアラーや決済代行業者と契約関係 にある店子について調査することを目的とする。

Ⅱ 調査研究の項目

本調査では、包括加盟店契約を締結している国内のクレジットカード会社(アクワイ アラー)及びその主な包括加盟店の合計約40 社のご協力のもとに、下記の項目それぞ れについてヒアリング調査を実施した。 1. アクワイアラーによる加盟店審査・管理の現状 (包括加盟店契約の契約状況、包括加盟店に対する初期審査・途上審査状況、店 子に対する初期審査・途上管理の状況、消費者トラブル対応状況など) 2. 包括加盟店型決済代行業者の実態 (包括加盟店の概要、包括加盟店の店子の初期審査・途上審査の状況、包括加盟 店契約に係る消費者トラブルの対応状況など) 3. 海外決済代行業者と契約している店子の実態 4. 決済代行業者(包括加盟店型決済代行業)に関する基本的な事項

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目 次

はじめに 1 包括加盟店型決済代行業者を介したクレジットカード取引について ... 1 2 包括加盟店型決済代行業者を介したクレジットカード取引への海外事業者の関与形態 .. 2 第1章 アクワイアラーによる加盟店審査・管理の現状 ... 4 1 包括加盟店型決済代行業者との契約状況 ... 5 (1) 非対面取引における包括加盟店契約 ... 5 (2) 対面取引における包括加盟店契約... 5 2 包括加盟店型決済代行業者に対する加盟申込審査の状況 ... 5 (1) 新規契約の締結状況 ... 5 (2) 審査項目 ... 6 (3) 審査方法 ... 7 (4) 審査にあたって重視している点 ... 7 (5) 通常の加盟店契約と包括加盟店契約との相違点 ... 8 (6) 非対面取引と対面取引との相違点... 9 3 包括加盟店型決済代行業者の店子に対するカード取扱開始時審査の状況 ... 10 (1) アクワイアラーによるカード取扱開始時審査の実施状況 ... 10 (2) 審査項目・審査方法 ... 10 (3) 特に重視している点 ... 12 (4) アクワイアラーによるカード取扱拒否の状況 ... 12 4 包括加盟店型決済代行業者および店子に対する途上管理の状況 ... 14 (1) 決済代行業者に対する途上管理の状況 ... 14 (2) 店子に対する途上管理の状況 ... 14 (3) 途上管理によって検知される問題... 15 (4) 検知される問題への対処状況 ... 15 5 包括加盟店型決済代行業者の店子に係る消費者トラブルへの対応状況 ... 16 (1) 消費者トラブル対応のための体制... 16 (2) 決済代行業者の店子に関連したクレームの状況 ... 17 (3) 主なクレームの内容 ... 17 (4) 店子の商品・サービスの内容や販売方法に係るクレームへの対応 ... 18 6 包括加盟店型決済代行業者との包括加盟店契約に関するアクワイアラーの問題意識 ... 19 第2章 包括加盟店型決済代行業者による店子審査・管理の現状 ... 20 1 包括加盟店型決済代行業者の概要 ... 21 (1) 事業実績 ... 21

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(2) 店子の状況 ... 21 (3) 包括加盟店契約の締結状況 ... 22 2 包括加盟店契約に関する業務の体制・特徴 ... 23 (1) 担当部署と担当者数 ... 23 (2) 包括加盟店型の決済代行業務を行う理由 ... 23 3 包括加盟店型決済代行業者の店子の審査・管理の状況 ... 24 (1) クレジットカード取扱開始時の店子の審査実施状況... 24 (2) クレジットカード取扱開始後の途上管理の状況 ... 29 4 包括加盟店型決済代行業者の店子に係る消費者トラブルへの対応状況 ... 32 (1) 消費者トラブル対応の体制 ... 32 (2) 店子に関連したクレームの発生件数 ... 33 (3) 主なクレームの内容 ... 35 (4) 特にクレームが多い分野 ... 35 (5) クレームに対する対応 ... 35 (6) 消費者トラブルの解決が難しい理由 ... 36 5 アクワイアラーとの包括加盟店契約に関する包括加盟店型決済代行業者の問題意識 ... 37 第3章 海外決済代行業者やアクワイアラーと契約している店子の実態 ... 38 1 インターネット取引 ... 40 (1) 情報商材販売 ... 40 (2) 教育教材販売 ... 42 (3) 出会い系サイト... 44 (4) アダルトサイト... 47 2 対面取引 ... 50 (1) エステティックサロン ... 50 3 海外決済代行業者が契約している店子の概要 ... 52 第4章 決済代行業者(包括加盟店型決済代行業)に関する基本的な事項 ... 54 おわりに ... 56

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はじめに

包括加盟店型決済代行業者を介したクレジットカード取引について 今回の調査対象とした包括加盟店型決済代行業者が介在する場合のクレジットカー ド取引の仕組みについて、契約関係を示すと図1 のようになる。 図 1 包括加盟店型決済代行業者が介在する場合のクレジットカード取引の仕組み カード会社B (イシュアー) カード会員 包括加盟店契約 加盟店契約 国際ブランド メンバーシップ 会員規約 売買契約 国際ブランド 国際ブランド 規約 国際ブランド 規約 決済代行業者 店子/提携販売店 カード会社A (アクワイアラー) 山本正行「クレジットカードの仕組と決済代行業者の位置づけ」よりMURC 作成 後述する経済産業省からの通達のとおり、今回対象とする提携販売店等(本案件では、 “店子”と称す)は、直接アクワイアラーと加盟店契約を締結していない販売店であり、 いわゆる枝番・子番にあたり、本来は避けるべき取引であるため、公式な取引類型名が あるわけではなく、“包括加盟店契約”についても、カード会社や決済代行会社によっ て様々な呼び方や定義があることがわかった。基本的に、今回範疇とした“包括加盟店 契約”の要件は以下のとおりである。 ・ アクワイアラーであるカード会社は、決済代行業者と包括加盟店契約を締結して いるが、決済代行業者の傘下の店子とは直接の契約関係がないこと。 ・ 決済代行業者は、店子と加盟店契約を締結していること。 つまり、次のような業務は対象としていない。 ・ 店子に代わって、アクワイアラーと決済データや顧客データ等の授受や管理等を 行う情報処理業務 ・ クレジットカードの取扱を希望する店子企業や個人をカード会社に取り次ぐだけ の斡旋業務

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包括加盟店型決済代行業者を介したクレジットカード取引への海外事業者の関与形態 消費者庁の研究会1 図2 において指摘されているように、決済代行業者が介在する取引に関 する消費者トラブルでは、海外の事業者が関与している事例も存在する。そこで、アク ワイアラー、決済代行業者、店子のそれぞれが国内の事業者なのか海外の事業者なのか という視点から、三者の関係を類型化したものが である。 ①のパターンのように三者全てが国内事業者であれば、問題の特定がまだ容易である が、海外の事業者が含まれると(図中のみどり部分が海外部分)問題の所在が一挙に不 透明になるということである。 図 2 包括加盟店型決済代行業者を介したクレジットカード取引における海外事業者関与形態 アクワイアラー イシュアー 決済代行業者 店子 カード会員 アクワイアラー イシュアー 決済代行業者 店子 カード会員 ①決済代行業者・アクワイアラーとも国内事業者 ②国内の決済代行業者が海外アクワイアラーと契約 アクワイアラー イシュアー 決済代行業者 店子 カード会員 ③決済代行業者・アクワイアラーとも海外事業者 アクワイアラー イシュアー 決済代行業者 店子 カード会員 ④店子・決済代行業者・アクワイアラーとも海外事業者 (海外の販売事業者による日本向け販売) アクワイアラー イシュアー 決済代行業者 店子 カード会員 1 消費者庁「インターネット取引に係る消費者の安全・安心に向けた取組について」(平成 23 年3 月)。詳細は、本報告書第 3 章「海外決済代行業者やアクワイアラーと契約している店子 の実態」をご参照。

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なお、ここで、包括加盟店契約を考える上で必要な2 つの国際ブランドのルールとそ の現状について概観しておく。 【クロスボーダーアクワイアラー禁止ルール】 ビザ、マスターカード、アメリカンエキスプレスなどの国際ブランドには、「クロス ボーダー禁止ルール」等と呼ばれる、アクワイアラーが国を跨いで加盟店や決済代行業 者と直接契約しカード取引を仲介することを原則として禁止しているルールがある。 アクワイアラーは、契約する加盟店ないし決済代行業者の元で、カードが不正や犯罪 に利用されないよう厳格な管理義務を課せられている。クロスボーダー禁止ルールは国 を跨ぐ契約を許容することによって管理が行き届かなくなるリスクを回避するなどの 目的から制定された。(決済場所や地域の特定が出来ない国際通運会社、航空会社など はこのルールの適用からは除外。) ただし、クロスボーダーアクワイアリング禁止ルールは、国際ブランドとアクワイア ラーの契約条項に過ぎず、法的な強制力を持つものではない。またルール違反のペナル ティも無いために不徹底のままとなった。欧米ではビジネス上の理由でこれを無視する アクワイアラーが増えているのも事実である。 日本の決済代行業者が、形骸化したクロスボーダーアクワイアリング禁止ルールをよ いことに、海外アクライアラーと契約しているのは、このような実態を利用したものと 考えられる。 【AA(アクワイアラーエージェント)登録制度】 ビザの国際ブランドルールであるAA(アクワイアラーエージェント)登録制度は、アク ワイアラーが加盟店業務の一部を決済代行業者、包括加盟契約先、情報処理会社などの 委託事業者に業務委託する場合、アクワイアラーが事前に委託事業者をビザに申請し、 承認(登録)を得ることを義務付けているものであり、国単位で施行されている。 日本ではEC サイト向け決済代行業者、地域で商店を束ねる組合組織、主に対面加盟 店開拓を専業とする決済代行業者など、非対面包括加盟店契約、対面包括加盟店契約と もこのAA 制度の対象にあたる。 海外のアクワイアラーと提携している決済代行業者は、アクワイアリング所在国に AA 登録されているものと思われるが、AA 登録制度についても遵守義務や内容は各国 の国際ブランドの方針により異なり、クロスボーダー取引を禁止する条項が盛り込まれ ていない可能性もある。 以上のようなことから、結果的にクロスボーダーアクワイアリング禁止ルール、AA 登録制度のどちらも、必ずしもルールの実効性が確保されていないことから、クロスボ ーダー取引を行う悪質な決済代行業者が結果的に排除されないおそれがある。

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第1章

アクワイアラーによる加盟店審査・管理の現状

包括加盟店契約のアクワイアリング業務を行っている国内のクレジットカード会社 18 社2 【調査項目】 にご協力いただき、包括加盟店である決済代行業者およびその傘下の店子の審 査・管理状況について現状を確認した。主な調査項目は以下のとおりである。なお、非 対面の包括加盟店取引を軸としながらも、できるだけ対面取引もカバーした。  包括加盟店型決済代行業者との契約状況  包括加盟店型決済代行業者に対する加盟申込審査の状況  包括加盟店型決済代行業者の店子に対するカード取扱開始時審査の状況  包括加盟店型決済代行業者および店子に対する途上管理の状況  包括加盟店型決済代行業者の店子に係る消費者トラブルへの対応状況 調査項目ごとの調査結果は以下のとおりである。 2 本調査では、国内で包括加盟店契約を行っているアクワイアラーの全てを調査対象にできたわ けではないが、実際の包括加盟店を介したクレジットカード取引に占める調査対象アクワイア ラーは、非対面取引、対面取引とも、かなりの割合にのぼると思われる。これは、加盟店をグ ループ企業や自社物販施設内に出店している事業者に限定しているケースや、そもそも包括加 盟店形態での加盟店契約を締結していないカード会社が多いためである。

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包括加盟店型決済代行業者との契約状況 (1) 非対面取引における包括加盟店契約 非対面取引における包括加盟店契約の締結先は、国内のEC 向け決済代行業者が主で ある。EC 向け決済代行業には、決済代行業を専業とする事業者のほか、インターネッ トモール、通信事業者、宅配事業者、システム会社(ウェブサイトの構築を含む)など が参入している。 アクワイアラー各社は、これらの決済代行業者5~25 社程度との間に包括加盟店契約 を締結している。なお、全てのアクワイアラーから情報を得られたわけではないが、提 携している包括加盟店先はかなり重複しているものと思われる。 (2) 対面取引における包括加盟店契約 対面取引における包括加盟店契約は、二種類に大別できる。1つは、百貨店、ショッ ピングセンターなど大型商業施設の運営会社や商店街組合、専門店会などとの包括加盟 店契約であり、非対面の包括加盟店に比べて小規模・ローカルであることが多く件数が 比較的多い。 もう1つは、小規模店舗向けにクレジットカード決済サービスを提供する専門の決済 代行業者との間で包括加盟店契約を締結するケースで、複数のアクワイアラーで見受け られた。このような専門の決済代行業者は、大手では2 社あり、アクワイアラーは飲食 店等の小規模な加盟店開拓推進を目的として、これらの決済代行業者と包括加盟店契約 を行っている。なお、加盟店を紹介するだけの小規模な包括契約の仲介業者も多くいる とのことで、その数字がまぎれていることもあるようである。

包括加盟店型決済代行業者に対する加盟申込審査の状況 (1) 新規契約の締結状況 多くのアクワイアラーでは、特に非対面取引での包括加盟店契約事業者数について現 状維持の方針をとっており、積極的な新規開拓は行っていない。これは、各アクワイア ラーの目的にあわせて大手の包括加盟店とは既に契約済みであり、今後新規の包括加盟 店と契約する際に、加盟店管理が難しい、包括加盟店が経営破たんした場合の店子に対 する支払責任など、アクワイアラーにとってリスクを考えると、アクワイアラーが包括 加盟店契約に対して積極的になれないようである。 対面取引では、アクワイアラーによっては、新規に開業する商業施設等を中心に年間 数件~数十件程度の新規契約を行っている。一方で、対面取引でも新規の包括加盟店契

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約は行っていないというアクワイアラーもある。 また、アクワイアラーが包括加盟店契約を締結する決済代行業者は主要大手事業者に 限られているが、決済代行業のマーケットは既に大手事業者による寡占状態となってい るため、今後、包括加盟店契約が大幅に増える可能性はあまりないと言える。 (2) 審査項目 アクワイアラーが包括加盟店契約を締結する決済代行業者への審査の項目としては、 主に以下のような点があげられている。 分類 審査項目 経営基盤 ○ 出資母体等のチェック ○ 業歴 ○ 経営者の資質 ○ 行政処分履歴 など 財務状況 ○ 決算情報、有価証券報告書 ○ 信用調査会社の情報 店子の管理能力 ○ 店子の審査基準 ○ 店子との契約書ひな形 ○ 店子の審査・管理部門の担当者数の確認 ○ 反社会勢力チェック、マネーローンダリング規制対 応 情報セキュリティ ○ 顧客情報管理ポリシーの確認 ○ システム面でのセキュリティ対応状況 他社取引の状況 ○ 他のクレジットカードブランドとの契約状況 店子の状態 ○ 店子の業態範囲 ○ 取扱商材・価格など ○ 取扱不可項目のチェック (店子が国内限定か、再販でないか、など) 法令順守関連 ○ 反社会勢力チェック ○ マネーローンダリングポリシーの確認 その他 ○ ホームページの状況 ○ 加盟店情報交換制度(※)でのネガチェック ○ 不芳情報のチェック

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(※)加盟店情報交換制度について 加盟店情報交換制度は、2008 年の割賦販売法の改正によって創設された制度で、 加盟店情報交換制度に加盟している会員(カード会社等)の利用者等の保護に欠け る行為に関する情報の登録および利用を図ることにより、会員の加盟店契約時又は 途上の審査の精度向上を図り、悪質加盟店を排除し、健全な加盟店を育成すること を目的としている。本制度を運営している社団法人日本クレジット協会の JDM セ ンターの業務は、会員から登録された加盟店情報の蓄積・管理・提供すること、行 政機関等から情報収集すること等である。 会員が、JDM センターに登録する情報は、加盟店に起因する問題がある苦情の発 生情報、苦情の原因分類情報、苦情調査情報、強制解除情報であり、会員は情報を 遅滞無く登録することとなっている。JDM センターに加盟している会員は、包括加 盟店契約信用購入あっせん業者、個別信用購入あっせん業者などを中心に344 社(平 成24 年 2 月 1 日現在)である(日本クレジット協会加盟店情報交換制度運営規則 等より)。 (3) 審査方法 審査は、書類審査と実地審査によって実施している。 書類審査のための提出書類としては、商業謄本、印鑑証明、会社案内、決算書、包括 加盟店-店子間の契約書類などを徴求している。 実地審査は、商談の過程で営業担当者が包括先企業を訪問し、会社の実在および営業 状況の確認や、審査項目についてのヒアリングを実施するという形で行っている。包括 加盟店契約の場合には、実地審査を必須にしているアクワイアラーも多い。 (4) 審査にあたって重視している点 包括加盟店契約の場合、特に重視されている点としては次のようなものがある。  店子の管理能力 経済産業省の通達(平成14 年 5 月 15 日付「割賦購入あっせん業者における 加盟店管理の強化について」)では、包括加盟店契約の元の店子について、「実 質的な販売店等を直接、審査・管理を行うことなく、加盟店と同様に取り扱 う、いわゆる枝番・子番については、原則として、これを行わないこと」と した上で、包括加盟店方式によるクレジットカードの取扱が認められる条件 として、個々の販売店(店子)について包括加盟店の責任の下に、アクワイ

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アラーの直接の加盟店と同等の審査・管理が行われることが要求されていた。 このためアクワイアラーは、包括加盟店契約を締結するに当たり、包括先が 自社の責任の下に店子の審査・管理を行えるだけの管理能力・管理体制を備 えているかどうかの確認を行ってきている。具体的には、店子の審査体制や、 契約書ひな型・審査基準等の確認を実施している。なお、この通達に基づき、 日本クレジット協会では、下記のような自主規制規則を定めている。 日本クレジット協会「包括信用購入あっせんに係る自主規制規則」(抜粋) (平成21 年 12 月 1 日) (枝番・子番先販売店等の取引の制限) 第77 条 会員(カード会社等)は、会員の加盟店が提携する枝番・子番先の販売店 等(以下「提携販売店等」という)との取引を行わないことする。ただし次の各号 のいずれかに該当する場合は、この限りではない。 (1)提携販売店等について、加盟店と同等の審査を行っている場合 (2)提携販売店等を有する加盟店が、当該加盟店の責任の下に当該提携販売店の 審査を行っており、当該提携販売店等に生じた事由により、会員から当該加盟店と の加盟店契約の解除及び当該加盟店への賠償請求が行い得る場合。ただし、当該加 盟店が賠償請求に対応し得る資力があることを前提とする。  財務状況 上記の経済産業省の通達や日本クレジット協会の自主規制規則にあるとおり、 包括加盟店には店子に問題が発生した場合に連帯責任を負えるだけの経済基 盤、事業規模を有していることが求められるため、アクワイアラーは包括加 盟店の審査を行うにあたり、財務状況の確認に重点を置いている。 加えて、包括加盟店が破綻すると店子に対する支払が行われなくなるリスク があるので、そのような事態の発生を防止する意味でも、財務状況のチェッ クは重要である。  店子の業務範囲 包括加盟店の個々の店子の業種や商品・サービスについて、審査が不十分と なることがないよう、アクワイアラーの側でも厳しくチェックを行っている。 (5) 通常の加盟店契約と包括加盟店契約との相違点 上述のとおり、包括加盟店契約の場合は店子の管理能力や財務状況の点で、通常の加 盟店契約よりも厳しい審査基準が適用されている。確認できた全てのアクワイアラーで は、アクワイアラーと決済代行業者との包括加盟店契約において、包括加盟店が店子の

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管理に全責任を持ち、店子による義務(商品引渡しなど)の不履行については、包括加 盟店と店子との連帯責任となることが明記されており、アクワイアラーの側では、決済 代行業者がこれらの責任を果たすことができると確認した上で、包括加盟店契約を締結 している。 また、アクワイアラーによっては、包括加盟店に対する審査の際に、包括加盟店と店 子との契約において、①アクワイアラーが店子への審査権やクレジットカード取扱を拒 否する権利を保有すること、②店子の取引に係るトラブルに係る責任について契約上規 定していることなどについてのチェックを行っている場合もある。 (6) 非対面取引と対面取引との相違点 非対面取引の場合、包括加盟店からの情報漏洩リスクが大きいため、対面取引の場合 よりも情報セキュリティ面でのチェックを厳しくしているというアクワイアラーが多 い。システム概要、ネットワーク構成やファイアウォールの設定状況など、具体的な情 報セキュリティ対応状況についてのチェックを実施しているというアクワイアラーも ある。 また、アクワイアラーによっては包括加盟店に対し、PCI DSS3への準拠や 3-Dセキ ュア4

3 PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、クレジットカード会員

データを安全に取扱う事を目的として5 つの国際カードブランド(American Express、 Discover、JCB、MasterCard、VISA)が共同で策定した国際的なセキュリティ基準である。 への対応を必須としていたり、包括加盟店や店子がクレジットカード情報を保有 しない形でのシステム構築を行うよう要求するといった対応も行っている。 4 3-D セキュアはインターネット上の取引においてクレジットカードの無権限利用を防止する ための本人確認システムで、購入手続きの際にカード会員が入力するパスワードを、国際ブラ ンドのシステムを通じてイシュアーが認証することにより本人確認を行う。

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包括加盟店型決済代行業者の店子に対するカード取扱開始時審査の状況 (1) アクワイアラーによるカード取扱開始時審査の実施状況 アクワイアラー各社では、決済代行業者の店子が新規にクレジットカードの取扱を開 始する際に、決済代行業者による審査とは別に、自社で独自の基準による審査を実施し ている。一般的には、決済代行業者が一次審査を実施し、これを通過したものに対して アクワイアラーが最終的に審査を実施するという手順をとる。 新規の店子に対する審査実施件数は、提携している包括加盟店の種類や規模によるが、 月間1,000~2,000 件程度というアクワイアラーが多い。 (2) 審査項目・審査方法 アクワイアラー各社では原則として、直接の契約関係がない包括加盟店の店子に対し ても、一般の加盟店(アクワイアラーと直接、加盟店契約を締結している加盟店)と同 等の審査を実施している。 具体的な審査項目は次のような点である。 分類 審査項目 経営基盤 ○ 会社の実在・営業の実態 ○ 業歴 ○ 経営者のバックグラウンド ○ 行政処分履歴 など 財務状況 ○ 決算情報、有価証券報告書など ○ 信用調査会社の情報 ただし店子に対しては、信用調査会社への照会は行 わないというアクワイアラーもある 情報セキュリティ ○ 顧客情報管理ポリシーの確認 ○ システム面でのセキュリティ対応状況 他社取引の状況 ○ 他のクレジットカードブランドとの契約状況 取扱商品・販売方法 ○ 取扱商材・価格など ○ 販売方法(対面/非対面) ○ ウェブサイト上の表示内容(誇大広告がないか、な ど) 法令順守関連 ○ 営業許可が必要な業種の場合、必要な許可を取得し ているか ○ 特商法関連の表記等のチェック(※)

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○ 反社会勢力チェック ○ マネーローンダリングポリシーの確認 その他 ○ 加盟店情報交換制度でのネガチェック ○ 不芳情報、風評のチェック (※)「特定商取引に関する法律(特商法)」に関連した要求事項について 特商法は通販販売を行う者に対して広告表示等に係る規制をかけており、包括加盟店の店子 による非対面取引は同法の規制対象となる。なお、店子が個人であっても特定商取引上の「事 業者」にあたる。 通信販売を行う事業者にかかる規制で、今回の案件に関係のある内容は以下のとおり。 1. 広告の表示(法第 11 条) 1) 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要) 2) 代金(対価)の支払時期、方法 3) 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期) 4) 商品の売買契約の申込の撤回又は解除に関する事項(返品の特約がある場合はその旨 含む。) 5) 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号 6) 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、 当該販売業者等代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名 7) 申込の有効期限があるときには、その期限 8) 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容および その額 9) 商品に隠れた瑕疵がある場合に、販売業者の責任についての定めがあるときには、そ の内容 10)いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境 11)商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときには、その 内容 12)請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額 13)電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス 2. 誇大広告などの禁止(法第 12 条) 誇大広告や著しく事実と相違する内容の広告による消費者トラブルを防止するため、著しく 事実に相違する表示や、実際のものより優良であり、もしくは有利であると誤認させるよう な表示を禁止している。 3. 前払式通信販売の承諾等の通知(法第 13 条) 4. 契約解除に伴う債務不履行の禁止(法第 14 条) (消費生活安心ガイド/消費者庁)

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なお、包括加盟店の店子に対しては実地審査を行わず、包括先である決済代行業者か ら提出される書類に基づく審査と、ウェブサイトのチェックとによってクレジットカー ド取扱の可否を判断しているというアクワイアラーが多い。ただし、対面取引の店子の 場合には、所在確認のために実地審査を行っているというアクワイアラーもある。 (3) 特に重視している点 アクワイアラー各社では、どの審査項目も重要であると考えているが、包括加盟店の 店子に関して特に厳しくチェックしている点として、次のようなものがあげられている。  取扱商品の内容 取扱商品に不適切なものが含まれていないかどうかについて、念入りにチェ ックを行っている。取扱不可とする商品の範囲はアクワイアラーによって異 なっており、デジタルコンテンツは一切不可というアクワイアラーや、役務 は基本的に扱わないというアクワイアラーもある。  ウェブサイトの内容 非対面取引では、特商法の要求に沿った表示がなされているか、ウェブサイ トの内容やショッピングカートシステムの動作等を細かく確認している。 また、特商法に基づく要求事項5  会社の実在や営業の実態 不正契約を防止するため、当該店子が実在する会社であり、クレジットカー ド決済の裏づけとなる商取引が存在していることを確認している。 やウェブサイト上の商品説明が誇大広告にあ たらないかについてのチェックも行っている。 (4) アクワイアラーによるカード取扱拒否の状況 アクワイアラー各社は、自社の審査基準を満たしていない店子についてはクレジット カードの取扱を拒否している。 非対面取引の店子の場合、取扱拒否となる割合が申請数の 1~2 割以上というアクワ イアラーも少なくないが、対面取引の店子では、非対面取引よりも拒否率が低くなって いる(3~5%前後)。 5 特商法に基づく要求事項については、第 1 章 3.決済代行業者の店子に対するカード取扱開始時 審査の状況にまとめている。

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アクワイアラーが店子のクレジットカード取扱を拒否する主な事由としては、次のよ うなものがあげられている。  業種・取扱商品が自社の基準に合わない6  特商法関連表記が不十分 具体的に却下となったものとしては、医薬品、健康食品・ダイエット食品、 生体物、アダルト関連に抵触するもの、などがあげられている。  店子の企業内容・業務内容に問題がある 反社会勢力チェック、加盟店情報交換機関への照会、自社の保有する情報と の照合などで店子の企業内容や業務内容に問題があることが検知され、クレ ジットカード取扱を拒否することがある。 また、審査の過程で営業実態のないことが判明したり、インターネット上の 風評チェックで問題が発覚することもある。  ウェブサイトが不適切 誇大広告にあたるような表示がされている場合には、取扱を拒否している。 また、申請されたウェブサイトから、他の良からぬ内容のウェブサイトに誘 導している場合も却下している。  商品単価が低い 低単価商品(1,000 円以下など)は扱わないというアクワイアラーもある。 6 包括加盟店や国内アクワイアラーの取扱禁止商品の典型的項目については、第 2 章 3.店子の審 査・管理の状況にまとめている。

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包括加盟店型決済代行業者および店子に対する途上管理の状況 (1) 決済代行業者に対する途上管理の状況 途上管理においては包括加盟店も一般加盟店と同様に扱っているというアクワイア ラーが多く、売上データのモニタリング(常時監視、日次チェックなど)、チャージバ ックやリトリーバルリクエスト(伝票請求)7 また、通常、決済代行業者が非稼動になることはあまりないため、毎月の精算書の送 付の際などに連絡をとったり、担当営業が業務目的で訪問したりする際に、決済代行業 者の状況についての確認を行っている。 件数の状況確認、定期的な財務状況のチ ェック(信用調査会社への照会など。1 年に 1~2 回程度)等を実施している。各社ご とにロジックを設定して異常値を検出したり、消費者やイシュアーからのクレームが過 多となっているような場合には、包括加盟店である決済代行業者に確認するなどの対応 を取っているアクワイアラーが多い。 一部のアクワイアラーでは、検討中のところも含め、包括加盟店に対しては一般加盟 店よりも管理を強化しようとする動きもある(年 1 回の定期報告書の提出を求めるな ど)。 (2) 店子に対する途上管理の状況 売上データのモニタリングやチャージバック状況については、包括加盟店の店子につ いても、一般の加盟店と同等の管理を実施しているというアクワイアラーが多い。 業態変更や商材変更などの店子の異動情報については、多くのアクワイアラーが包括 加盟店に対し、店子からの申告等によって異動を認識したら、その都度アクワイアラー にも報告するよう求めている。一部のアクワイアラーでは、包括加盟店である決済代行 業者に、店子情報の更新について定期的に報告するよう求めている(半年に1 度、3 年 に1 度、など)。基本的に、店子の業種・業態が変わった場合には再度、新規カード取 扱開始時と同等の審査を実施したり、ウェブサイトのチェックを実施している。 また、消費者からの問い合わせや、他のクレジットカード会社からの通報も、店子に 係る問題を検知させる大きなきっかけとなっている(特に、現金化の問題や、手数料上 乗せの問題など)。 7 リトリーバルリクエストはイシュアーからアクワイアラーへ取引内容の照会を行うものであ る。消費者トラブルに対してチャージバックではなく、店子や決済代行業者が取消返品処理を 行っている場合、トラブルが増加してもチャージバック件数には反映されないが、リトリーバ ルリクエストの件数は増加する。このため、決済代行業者や店子におけるトラブル発生状況の 目安として、リトリーバルリクエストの件数が用いられているものと思われる。

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(3) 途上管理によって検知される問題 途上管理によって検知される問題としては、店子の業態変更や取扱商品の変更、現金 化(ただし、最近では減っている)、販売方法上の問題(誇大広告など)、高額請求、倒 産等による商品・サービスの未提供などがある。これらの問題は、売上モニタリングや 会員からの問い合わせなどから判明することが多い。 (4) 検知される問題への対処状況 店子に係る問題を検知した場合、アクワイアラーはまず包括加盟店である決済代行業 者に調査を依頼して事実確認を行い、その結果に基づいて、どのような対応を取るかに ついての判断を行っている。通常、問題のある売上が発覚した場合には、包括加盟店に 対して店子への支払を止めるように依頼した上で、包括加盟店や店子に対して改善指導 を行う。ただし、同じ問題が継続的に発生していたり、問題が悪質な場合には、クレジ ットカードの取扱を禁止することもある。アクワイアラーが店子のクレジットカード取 扱を禁止するような悪質な問題としては、次のようなものがあげられている。  アクワイアラーの了解なしに業態変更や取扱商品の変更が行われた場合 (リラクゼーションショップがいつの間にかエステスクールになっていた、事前 の報告がないまま宝石の取扱いを始めていた、といった事例があげられている)  店子が行政処分を受けた場合  明らかに不法な取引である場合 など なお、アクワイアラーは包括加盟店契約において、包括先と協議せずに自社の独自の 判断で店子を強制解約できる権利を有している。

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包括加盟店型決済代行業者の店子に係る消費者トラブルへの対応状況 (1) 消費者トラブル対応のための体制 決済代行業者の店子と消費者との間でトラブルが発生した場合、通常、消費者はまず 店子に連絡し、それで満足な対応が得られない場合にクレジットカード会社(自分のカ ードを発行しているイシュアー)に連絡することが多い。四者間取引のカードブランド の場合、消費者トラブルへの基本的な対応は図3 のように行われている。 ① カード発行会社(イシュアー)が、自社カード会員からのクレームを受付 ② イシュアーから、問題とされている店子およびその決済代行業者の契約先である アクワイアラーにクレームの内容を連絡し、調査を依頼 ③ アクワイアラーによる調査の結果、店子に瑕疵がある場合には、アクワイアラー から包括加盟店に連絡して取消・返品などの処理をするように要請するか、アク ワイアラーからチャージバック処理を行う ④ アクワイアラーからイシュアーに対して状況を報告し、イシュアーはカード会員 への請求取消や返金のための処理を行う 図 3 消費者トラブルへの基本的な対応(四者間カードの場合) カード会社A (アクワイアラー) カード会社B (イシュアー) 決済代行業者 店子 カード会員 ①相談 (解約返金希望、 不当請求など) ③クレームの内容連絡・調査依頼 ⑤調査 ④調査 ⑦回答 店子に瑕疵がある場合には 請求の取消・返金 ②請求の一旦停止 ⑥店子の瑕疵が判明した場合、 ・決済代行業者に 取消・返品処理を要請 ・イシュアーとの間で チャージバックを実施 このように、クレジットカード会社の消費者トラブル対応の体制はイシュアーとして のものが主で、アクワイアラーとしての消費者トラブル対応は、イシュアーおよび包括 加盟店との連絡等が主となる。各クレジットカード会社では、自社の行っている業務(イ シュアー業務とアクワイアラー業務の両方を実施、アクワイアラー業務のみ実施、など)

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に応じて、それぞれの担当部門を定めて担当者を配置するなど、社内体制の整備を行っ ている。 なお、三者間取引(オンアス取引)のカードブランドの場合には、イシュアーとして の対応とアクワイアラーとしての対応をいずれも自社内で実施するため、スムーズな対 応が可能となっている。 (2) 決済代行業者の店子に関連したクレームの状況 ほとんどのアクワイアラーで、自社がアクワイアリングを行っている決済代行会社の 店子に関連したクレームは、年に5 件、多くとも月に1件程度ということで、それほど 多く発生しているという認識はない。自社の包括加盟店の店子に係るクレームを受ける ことはまったくないというアクワイアラーもある。一部のアクワイアラーでクレーム件 数が多いところも見受けられるが、クレームの7~8 割は対面取引における高額請求で 非対面は1 割未満であり、悪質である店子も対面取引のほうが多いという声も聞かれた。 (非対面でのクレームの多くは、第三者による不正利用が多い。) (3) 主なクレームの内容 決済代行業者の店子に関連したクレームとしては、次のようなものがあげられている。 全般的に、店子の商品やサービスに係る問題で悪質なものは、寄せられるクレームの中 でもごくわずかとのことであった。  商品未達、サービスの未提供(主に店子の倒産などによるもの)  商品の瑕疵(偽ブランドなど)  対面取引(特に飲食店)における高額請求、手数料上乗せ  業務提供誘引販売(在宅ワークへの申込み時に、高額の教材を買わされたも の)  一度の購入の後、継続課金された例

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(4) 店子の商品・サービスの内容や販売方法に係るクレームへの対応 多くのアクワイアラーでは、会員やイシュアーからクレームについての連絡を受けた ら、包括加盟店を通じてトラブルの実態について調査を行い、内容が明らかに不適切で あれば売上取消やチャージバックなどの処理を行うなど、自社での対応を行っている ((1)項をご参照)。 消費者に対し、店子や決済代行業者と交渉するように求めたり、消費者センターに送 ったりするような対応はしないというアクワイアラーが多いが、ケースバイケースで対 応する、あるいは自社が事実確認を行うと同時に消費者には店子と直接交渉するように 求める、といった対応を行っているアクワイアラーもある。 また、トラブル対応の過程で、店子によるカードの取扱に不適切な点のあることが判 明した場合には、包括加盟店に通知し、必要に応じて当該店子の解約の処理を行ってい る。

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包括加盟店型決済代行業者との包括加盟店契約に関するアクワイアラーの問題意識 今回調査を行った国内のアクワイアラーの問題意識としては、包括加盟店契約につい ては、日本のカード会社(アクワイアラー)と契約できない決済代行業者が海外のアク ワイアラーに流れているという認識で共通している。いくら国内のアクワイアラーが問 題のある業界や加盟店を排除したとしても、海外のアクワイアラーと契約した決済代行 業者の店子において消費者被害の発生が多くなってしまうということである。 そのため、国内のアクワイアラーからは国際ブランドへの期待が大きく、それは、例 えば以下のような内容である。 1)(一部を除き)国際ブランドには既にクロスボーダーアクワイアラー禁止ルール(3 ページご参照)があるため、当該ルールの遵守状況に関して、国際ブランドによる監視 をより強化して欲しい。 2)一部の国際ブランドでは包括加盟店にチャージバックの件数に応じたペナルティを 課している。これは、包括加盟店が売上取消によってトラブルを早期に解決しようとい うインセンティブになっているので、積極的にこのような運用を行ってほしい。 3)国際ブランドでは不良加盟店の情報を収集しているので、これをもっと分析して、 情報をアクワイアラーに展開してほしい。 以上のように、国内外の不良加盟店や店子の情報交換を、カード会社間でも、国際ブ ランド間でもより密にすべきではないかという意見が多かった。

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第2章

包括加盟店型決済代行業者による店子審査・管理の現状

本調査では、日本のクレジットカード会社(アクワイアラー)と包括加盟店契約を締 結している決済代行業者のうち、主に非対面取引を行う店子を中心に業務展開を行って いる20 社にご協力をいただいて、包括加盟店型決済代行業者の業務実態、店子の審査・ 管理の状況、及び店子に係る消費者トラブル解決のためにどのような対応をとっている かについてのヒアリング調査を行った。 【調査項目】  包括加盟店型決済代行業者の概要  包括加盟店契約に関する業務の体制・特徴  包括加盟店型決済代行業者の店子の審査・管理の状況  包括加盟店型決済代行業者の店子に係る消費者トラブルへの対応状況 調査項目ごとの調査結果は以下のとおりである。

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包括加盟店型決済代行業者の概要 (1) 事業実績 大手の決済代行業者では、クレジットカード以外の決済手段を含めた年間の決済額8 数千億円近くに、決済件数は 1 億件以上9 中小規模の決済代行業者では、年間の決済件数が数百万~数千万件、決済金額が数十 億~数百億円程度であるが、他の事業と兼業している決済代行業者では、これよりも小 さい規模で運営しているケースもある。これらの決済代行業者では、クレジットカード 以外の決済手段による支払を主力商品としている事業者もあり、クレジットカードで決 済される割合も、10%程度という事業者から、ほぼ 100%クレジットカードで決済され るという事業者まで幅が広い。 にのぼっている。このうち、年間決済額に占 めるクレジットカード決済の比率については、大手ではほぼ100%近くがクレジットカ ードで決済されているという事業者が多く、低い場合でも 60~70%程度がクレジット カード決済となっている。その他の決済手段としては、コンビニ支払、口座引落等があ る。 (2) 店子の状況 契約している店子の数は決済代行業者によって幅があり、多い事業者では数万件10 今回調査を行った決済代行業者は非対面取引を扱う業者が中心で、並行して対面取引 を扱っている事業者は少なく、ほとんどの決済代行業者は非対面取引の店子に特化して サービスを提供している。これは、決済代行業者にとって非対面取引と対面取引では、 ノウハウが大きく異なるためである。なお、非対面取引を行う店子のうち、定期課金・ 、 少ない事業者では500 件以下となっている。大手の決済代行業者はおおむね 1 万件以上 の店子を持っている。中規模の決済代行業者では数千件程度のことが多いが、中には決 済代行業者としては中規模であっても、1 万件以上の店子と契約しているケースがある。 8決済代行業者によっては、この他に、包括加盟店契約ではないクレジットカード決済の決済代 行処理を行っているものが、年間2,000 億~5,000 億円程度ある。決済代行業者が自社の取り 扱い実績を言う場合、このような代行情報処理分も含めているケースが多い。なお、大手決済 代行会社において情報処理部分の割合が大きいことが多い。 9 ネット通販分の件数は、オーソリ時と売上データ送信時とダブルカウントされていることが多 い。 10 通常、店子の数は企業数ではなく、サイト数で管理されている。ブランドや商品が異なると、 別サイトにしたいという店子側のマーケティング上の希望と、商材が異なると異なる管理を行 いたいという包括加盟店側との双方の事情により、1つの企業でも複数のサイトを有すること が少なくない。

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会費などの定期的支払11 店子の年間売上規模はさまざまであるが、特に中小規模の決済代行業者では、年間売 上高3,000 万円未満の中小・零細事業者が店子の中核となっている。大手の決済代行業 者では、年間売上高が1 億円を超えるような大企業との契約も見られ、取扱額の大半は このような大企業が占めていることが多いようだが、店子の数でいうと中小事業者が大 層を占めているケースが多い。 による販売を行っている店子は多くても1 割程度で、大半はイ ンターネット通販が主流の店子であった。 店子の取扱商品としては物販が 8~9 割を占めるという決済代行業者が多く、中には 取扱を物販のみに限定している決済代行業者もある。その他の取扱商品としては、デジ タルコンテンツやサービス料金(通信料、クーポン・チケット、旅行・宿泊サービス、 検定試験の受験料など)がある。通信事業者系など、サービス料金の分野に強みを持っ ている決済代行業者もある。役務は皆無ではなかったが、取扱うケースは非常に少ない。 なお、デジタルコンテンツの中でもオンラインゲームは、業界で3D セキュアが義務に なっているため、抵抗なく扱うという事業者と、それでも扱わない事業者とがあった(た だし、この判断は、アクワイアラーの審査基準の影響もあると思われる)。 (3) 包括加盟店契約の締結状況 いずれの決済代行業者も複数のアクワイアラーと包括加盟店契約を締結しており、契 約しているアクワイアラーの数は数社~十数社であった。 ほとんどの決済代行業者は国内のアクワイアラーのみと包括加盟店契約を締結して いる。しかし、今回の調査で、海外のアクワイアラー(銀行)と包括加盟店契約を締結 しているという決済代行業者も存在した。ただし、本調査では海外アクワイアラーの実 態(国名、銀行名等)まではトレースできていない。 11月単位、半年単位、年単位等、継続的に課金をすることで、定額の場合と非定額の場合とがあ る。物販では、化粧品や食品等の継続購入、デジタルコンテンツではゲーム等の会費徴収、サ ービスでは保険料徴収などがある。

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包括加盟店契約に関する業務の体制・特徴 (1) 担当部署と担当者数 大手を中心に多くの決済代行業者では、店子の開拓を行う営業部門と、店子の初期審 査・途上管理を行う部門とを分けているが、中には開拓・初期審査・途上管理をすべて 同じ部門で行っているという決済代行業者もある。また、初期審査のみ別の部門が担当 し、新規開拓と途上管理とを営業部門が担当しているという事業者もあった。 店子の審査・管理を担当する人員は、大手決済代行業者の場合、数名から 20~30 名 程度となっている。中小規模の決済代行業者でも、店子の審査・管理のために2~3 名 から10 名程度の担当者を置いている事業者もある。 (2) 包括加盟店型の決済代行業務を行う理由 包括加盟店型の決済代行業務を行う理由としては、次のような点があげられている。  インターネット通販のためのウェブサイト構築やASP サービス、インターネ ットモール等の付加価値として、中小事業者が利用しやすい決済機能を提供 するため  幅広い課金方法への対応を希望する事業者に向けて、カード決済を含めた決 済代行サービスを提供するため  本業(通信事業、運送事業など)との関連で高い信用力や店子の審査能力を 持っており、決済代行サービスを提供しやすいポジションにあるため それぞれの決済代行業者で、強み・事業基盤や包括加盟店契約を手がけるようになっ た経緯が大きく異なるため、包括加盟店契約に対する考え方や、実態(店子との関係、 店子数、取扱高等)もまた大きく異なり、包括加盟店型の決済代行業者を分類するのは 困難となっている。ただ少なくとも、専業の包括加盟店型の決済代行業者にとっては、 かなり厳しいマーケットである。

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包括加盟店型決済代行業者の店子の審査・管理の状況 (1) クレジットカード取扱開始時の店子の審査実施状況 (ア)アクワイアラーの関与状況 いずれの決済代行業者においても、店子が新規にクレジットカードの取扱を開始する 際には、決済代行業者とアクワイアラーの双方がそれぞれ独自の基準で審査を実施して いる。通常は、①まず決済代行業者が審査を行い、②通過した案件をアクワイアラーに 回付、③アクワイアラーの承認が出た後に店子との契約に至る、という手順で審査が進 められる。 アクワイアラーは決済代行業者に対し、具体的な審査基準についての指示はしていな いが、取扱不可の商材や業種についての通知や、特商法の観点から店子の販売方法等に 関する確認事項(11 ページの(※)「特定商取引に関する法律(特商法)」に関連した 要求事項について をご参照)の提示・確認要求は行っているようである。 アクワイアラーによる審査のレベルは、一部に他社よりも厳しいといわれるアクワイ アラーもあるものの、全般的にはアクワイアラー間で大きな違いはない模様である。た だし、アクワイアラーによっては特定の商材や業種に対する契約に消極的であったり (例えば、デジタルコンテンツは取り扱いたがらない、など)、審査の際に重視するポ イントが異なる(店子の信用度を重視、ビジネススキームを重視、など)といった差異 はあるようである。

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(イ)審査項目・審査方法 審査の項目、及び各項目の審査方法としては、以下のような点があげられている。 審査の項目 審査方法 会社の実在・ 営業の実態 ○ 書面審査(申込書の記載内容・会社案内、商業謄本、印鑑証明書、 住民票(個人の場合)等) ご参考として、申込書の典型的な項目は後掲(※1) ○ 経営者との面談 電話ヒアリングのみ実施するという決済代行業者もある。 ○ 事業所訪問 決済代行業者により、実施状況には差がある(全件について事業 所訪問を実施する事業者もある一方、まったく行っていないとい う事業者もある)。 財務状況 ○ 書面審査 財務諸表の提出を求めている事業者もあるが、申込書に記載され た情報(売上高など)のみで財務状況の確認を行っている事業者 もある。 ○ 信用調査会社への照会 取扱商材・ 販売方法 ○ 書面審査(商品カタログ、説明書など) ご参考として、取扱禁止商品の典型的な項目を後掲(※2) ○ ウェブサイトのチェック 取扱商品、価格帯、広告表示の状況(誇大広告がないか、記述が 正確か)等を確認する。 ○ 面談・ヒアリング 業務フローの確認などを実施。 法令順守状況 ○ ウェブサイトのチェック 特商法、景表法、薬事法等に照らして、適切な表示がされている かを確認する。 特商法関連では、価格表示のしかた、明細の交付など、実際の注 文~支払フローに沿って細かくチェックしている。 ○ 営業許可等が必要な業種・商材の場合、営業許可証や監督官庁へ の届出書等をチェックする。 風評 ○ 信用調査会社への照会 ○ インターネットでの検索 など

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反社会勢力 チェック ○ データベースでのチェック (ただしアクワイアラーに頼っている面はあり) (※1)クレジットカード取扱申込書の典型的な項目 クレジットカード取扱申込書の典型的な項目は以下のとおりである。 <会社情報> ・ 会社名、会社所在地、電話番号、資本金、設立年月日、年商、従業員数 ・ 店舗名、Web 店舗名等(Web 開設済みの場合) <代表者情報> ・ 代表者名、役職名、自宅住所、生年月日、電話番号等 <取扱商品情報> ・ 事業内容、取扱商品、必要に応じて営業免許番号や有効期限 ・ 商品の平均単価、カード取扱予定額、カード取扱予定件数 ・ 販売形態(ネット通販、カタログ通販、店頭販売等) ・ ネット通販の場合には、PC サイト URL、モバイルサイト URL <振込先口座情報> ・ 口座名義、金融機関、支店、口座番号 基本的情報ではあるが、それぞれに、例えば振込先金融機関についても、口座名義は、 申込会社や代表者の名義に限るとか、金融機関は全銀協の加盟銀行に限るなどの限定条 件をつけていることが多いようである。

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(※2)取扱禁止商品の典型的項目 通常、包括加盟店が店子に対する利用規定で定めている取扱禁止商品等は以下のよう なものである。この取扱禁止商品は、ほぼ提携アクワイアラーとの包括加盟店規約に準 じたものである。 ① 公序良俗に反するもの ② 銃刀法・麻薬取締法・ワシントン条約、その他関連法令の定めに違反するもの ③ 医薬部外品、健康食品、化粧品等で薬事法に抵触するもの ④第三者の肖像権、著作権、商標権、意匠権および特許権等知的財産権を侵害するもの ⑤その他、当社が不適当と判断したもの ※旅行商品・酒類・米類等、販売にあたって関係諸機関の許認可が必要な場合には、あらか じめこれを証明する関係証書類を提示する。 ※商品券、プリペイドカード、印紙、切手、回数券、有価証券等を取り扱うことはできない。 ※役務(サービス)の提供でその代金を前払いする方法の商品等を取り扱うことはできない。 なお、審査実施上は、“⑤その他、当社が不適当と判断したもの”に含まれる商材に、 包括加盟店の裁量があり、包括加盟店によっては、より具体的に規約に記していること もある。生体物や射幸心をあおるもの、あるいはデジタルコンテンツを明確に禁止商材 としてあげているところもあるようである。 (ウ)審査にあたり重視している点 決済代行業者によって異なるが、取扱商材の内容、ウェブサイト上の表示・記載内容 に関する特商法の遵守状況、財務状況などを重視しているという事業者が多い。 特に、特商法の遵守(既述)に関しては、具体的な要求事項が店子には難しいことか ら、店子のウェブサイト上の表示等を添削して返す等、手のかかる指導を行っている包 括加盟店もいくつかあった。

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(エ)自社による契約拒否の状況 多くの決済代行業者では、実際に申込がなされる前の営業の段階で既にある程度のス クリーニングを行っているため、初期審査の結果として契約拒否となる割合は数%以下 と、低い割合になっている。ただし一部の決済代行業者では、審査段階での契約拒否率 が10%程度になっているケースもある。 契約拒否となる事由としては、申込書等での申請内容に虚偽があった場合、特商法関 連での問題があった場合、反社会勢力への該当や犯罪歴があった場合、などがあげられ ている。 (オ)アクワイアラーによるカード取扱拒否の状況 包括加盟店型決済代行業者がアクワイアラーからカード取扱を拒否される割合は、決 済代行業者によって、ほとんどないというケースから、10~20%程度が拒否されるとい うケースまで、多少のばらつきがある。 取扱拒否となる理由について、アクワイアラーは通常、決済代行業者への開示を行っ ていないが、決済代行会社側では次のような理由によるのではないかと推測している。  商材の内容 具体的に拒否された商材としては、デジタルコンテンツ、オンラインゲーム、 パワーストーン、サプリメント(効果・効能についての誇大記述が問題視さ れた)などがあげられている。  小額単価 単価が小さいとクレジットカード会社にとっての収益性が低いと判断され、 拒否されることがある。  事業者間(B-to-B)取引  信用調査会社の情報や、アクワイアラー独自のデータベースで問題があった 場合 一部のブランドにのみカード取扱を拒否された場合の対応は決済代行業者によって 異なる。①その他のカードのみでカード決済を導入するかどうかを店子が判断する、と いう事業者が多いが、②その他のカードのみでカード決済を導入する、③その他のカー ドのみでカード決済を導入するかどうかを決済代行業者が判断する、④その店子との契 約は行わない、という事業者もある。

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(2) クレジットカード取扱開始後の途上管理の状況 (ア)途上管理の方法・実施頻度 途上管理の方法としては、以下のようなものがあげられている。  取引データのモニタリング 多くの決済代行業者では、日次、あるいは月次で、売上金額、売上件数、チ ャージバックの件数や金額、分割・リボ払いの契約状況等についてのモニタ リングを実施し、売上高の大幅な増減などの異常がある場合には、営業の状 況や財務状況等についての確認を行っている。事業者によっては自動的にモ ニタリングを行い、異常値を検出した場合にはアラームが出るようなシステ ムの構築を行っている。  ウェブサイトのチェック 取扱商材や営業内容について、審査時点の状況と変化がないかどうかのチェ ックを行う。 ウェブサイトチェックの実施状況は決済代行業者によって異なる。全ての店 子について 1 年に 1 回程度、定期的に実施するという事業者も存在するが、 不定期に実施しているという事業者、取引データのモニタリング等で異常が 検出された場合にチェックするという事業者や、ウェブサイトチェックは実 施していないという事業者も存在する。  非稼動店舗に対する営業確認 一定期間(半年、1 年など)売上がない店子には連絡を取り、連絡がつかなく なっていたり、ウェブサイトに接続できなくなっていないかを確認している。  風評のチェック インターネットでの利用者レビューなどを参考にして実施している。  信用調査会社への照会  店子からの報告・通知による異動情報の把握 多くの決済代行業者では店子に対し、会社情報の変更や取扱商材の追加・変 更等があれば報告・通知するように求めている。ただし、実際には徹底が難 しく、これらの異動についてはウェブサイトのチェックなど、別の手段で確 認を行わざるを得ないようである。 現状では決済代行業者の間で、途上管理への取組の姿勢にかなりの差があり、中には、 実質的に途上管理を実施していない決済代行業者もある。ただし、このような事業者の 多くが途上管理の必要性について認識しており、今後は取組を進めていきたいとしてい る。

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(イ)店子の種類による途上管理方法の相違 ほとんどの決済代行業者では、店子の種類によって途上管理の方法・頻度を変えるこ とはなく、一律に管理を行っている。ただし一部の決済代行業者では、定期的支払の形 態をとる店子や、自社で問題の多い特定の業種について、チェックの頻度を上げている とのことであった。 また、個別の店子について消費者からのクレームが多いなどの事情があれば、ウェブ サイトチェックを念入りに行うなど注意して管理しているという決済代行業者もある。 (ウ)途上管理によって検知される問題 途上管理によって検知される問題としては、次のような点があげられている。  現金化の疑い  取扱商材の変更  店子の経営状態の悪化(倒産の危機など)  連絡無しのサイト修正  手数料上乗せ  効果効能の誇大広告等 このような問題が検知された場合、決済代行業者では、実態を確認の上で運用改善の 指導や売上代金の入金停止等を実施している。問題が深刻な場合は契約を解除する可能 性もある。 (エ)アクワイアラーからの問題の指摘状況 多くの決済代行業者では、アクワイアラーから店子の取引について問題の指摘を受け ることがある、とのことである。ただしその件数は、それほど多くはない模様である。 具体的に、指摘される問題としては次のようなものがあり、決済代行業者側ではその 内容に応じた対応をとっている。  手数料上乗せの疑い 決済代行業者では事実確認の上、店子に対して是正の要求・交渉を行ってい る。 また、上乗せして徴求した手数料については、店子から消費者に返金するよ うに要求している。  現金化の疑い 現金化が疑われる場合、まずは取扱を一時停止したり、店子への売上金の入 金をストップするなどの対応を実施している。 一方で店子に対して警告を行い、改善されない場合にはアクワイアラーとも

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