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オノマトペから想起される自伝的記憶

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Academic year: 2021

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DOI: http://doi.org/10.14947/psychono.36.34

オノマトペから想起される自伝的記憶

1

郷 原 皓 彦

a, b,

*・佐 々 木 恭 志 郎

a, b, c

・山 田 祐 樹

a

a 九州大学,b 日本学術振興会,c 早稲田大学

Autobiographical memory triggered by onomatopoeia

Akihiko Gobara

a, b,

*, Kyoshiro Sasaki

a, b, c

, and Yuki Yamada

a

a Kyushu University, b Japan Society for the Promotion of Science, c Waseda University

We investigated whether the characteristics of autobiographical memory recalled by Japanese onomatopoeia are different from those recalled by non-onomatopoetic Japanese words with similar meanings. One hundred twenty participants were instructed to recall an autobiographical memory corresponding to the meaning of word cues, as well as answer a questionnaire containing 11 items associated with the recalled autobiographical memory. The word cues were eight onomatopoetic or non-onomatopoetic words of similar meanings. The results showed that the ono-matopoeia-induced autobiographical memories were more recent compared to the non-onoono-matopoeia-induced memories. This suggests that the image information inherent in onomatopoeia helps people in recalling more recent autobiographical memories.

Keywords: autobiographical memory, onomatopoeia, cue-word method, age of memory

私たちは過去の出来事を振り返るとき,例えば「幼稚 園年長のころに生まれて初めてソフトクリームを買って もらったのだけど,暑さでクリームがぽたぽた垂れて大 変だったなあ」のように表現する。このようにある個人 が体験した過去の出来事に関する記憶は自伝的記憶と呼 ばれる。 自伝的記憶は「幼稚園年長のころ」のような時間に関 する情報や「大変だったなあ」のような感情に関連する 情報を含み,エピソード記憶の一つに分類される。自伝 的記憶の研究ではさまざまな研究手法が取られているが, その1つに手がかり語法 (e.g., Crovitz & Schiffman, 1974) がある。まず,調査参加者に「砂浜」などの手がかり語 を呈示し,その意味に合致するような自伝的記憶を想起 させる。その後,自伝的記憶の内容や記憶の検索方法, 想起した時の感情状態などの特性について尋ねる方法で ある。手がかり語には主に単語が用いられるが,単語で なく「最も幸福な記憶を想起して下さい」などの教示文

を手がかりとする場合もある (e.g., Berntsen & Rubin, 2002)。 このように,自伝的記憶の言語手がかりとしては,これ まで単語や文章が用いられてきた。そして言語手がかり を操作することで,自伝的記憶の想起が影響を受けるこ とが,多くの研究から明らかになっている。例えば, “Happy”などの感情語を手がかりとして使用した場合, 物体に関する語 (“Book”など) や行動に関する語 (“Run” など) を手がかり語にしたときに比べて,より最近の出 来事に関する自伝的記憶が想起される (Robinson, 1976)。 ほかにも,ネガティブあるいはポジティブな自伝的記憶 を想起させる教示や (Rasmussen & Berntsen, 2009, 2013), 調査参加者個人の心配事に関する自伝的記憶を想起させ る教示 (Johannessen & Berntsen, 2010),手がかり語自体 のイメージ喚起力の差異 (e.g., Fitzgerald & Lawrence, 1984; Mortensen, Berntsen, & Bohn, 2015; Rasmussen & Berntsen, 2014; Rubin & Schulkind, 1997b; Williams, Healy, & Ellis, 1999) など,手がかりの操作により想起される自伝的記憶の特 性が異なることが明らかになっている。そうした自伝的 記憶の基本的な特性としては,自伝的記憶の鮮明さや一 貫性など内容に関するものや,記憶を想起している間の 心の落ち着きなど参加者自身の状態に関するもの,自伝 的記憶が自然と心に浮かんできたかなど記憶の検索方法 に関するものなどが挙げられる (e.g., Conway & Pleydell-Copyright 2018. The Japanese Psychonomic Society. All rights reserved. * Corresponding author. Graduate School of

Human-Environment Studies, Kyushu University, 6–19–1 Hakozaki, Higashi-ku, Fukuoka 812–8581, Japan. E-mail: ackey0299@ gmail.com

1 本研究はJSPS科研費 JP16J02023, JP17J05236, JP15H05709

の助成を受けたものです。

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Pearce, 2000; Rubin, 2006; Tulving, 2002)。 ところで,冒頭の例にある「ぽたぽた」のような語は オノマトペと呼ばれている。オノマトペは鳴き声などの 聴覚情報を言語音によって模した擬音語と,触感など音 声以外の感覚情報を言語音により模した擬態語の総称で ある。オノマトペは「擬音語・擬態語は情動を帯びた認 知や行動を的確に,また動的に表出するユニークなこと ばである」 (苧阪,2010, p. 156),「擬音語・擬態語とは, さまざまな情報源 (例えば,視覚,聴覚,触覚,嗅覚, 感情,運動,空間的思考など) から得られた情報を命題 化せずに『生のまま』でとらえ,ある状態または出来事 を表現したものである」 (喜多,2002, p. 72) など,特に 感覚やイメージ情報の伝達という点で他の語にない特徴 を有していることが主張されている。このような特徴か ら,オノマトペは言語学において活発な研究が進められ てきただけでなく (筧・田守,1993を参照),発達心理 学や工学など非常に多くの分野から注目を集めている (坂本・渡邊,2016; 篠原・宇野,2013を参照)。 オノマトペのこのような特徴は,オノマトペとそれ以 外の語における認知処理のどのような違いに基づくので あろうか。神経科学領域の研究では,オノマトペの認知 処理における脳活動を計測することでその特異性を検討 している。例えば,聴覚呈示されたオノマトペを処理す る際に,脳の言語処理に関連する部位のみならず環境音 の処理に関連する部位も賦活することが知られている (Kanero, Imai, Okuda, Okada, & Matsuda, 2014)。ほかにも, 「チクチク」のように痛みを表すオノマトペを処理する

際に賦活する脳部位に痛覚に関わる領域が含まれるこ とや (Osaka, Osaka, Morishita, Kondo, & Fukuyama, 2004), 「じろじろ」のように凝視に関連するオノマトペを処理

する際に前頭眼野や上側頭溝が賦活することが明らかに なっている (Osaka & Osaka, 2009)。これらの研究成果は, オノマトペの認知処理において,言語を司る脳部位のみ ならず,その表す感覚を実際に体験している時と同様の 脳部位が賦活することにより,先述のようなオノマトペ の特異性が生じることを示唆している。

また,近年では行動実験によってもオノマトペの特異 性が実証されている。Gobara, Yamada, & Miura (2016) では運動刺激の消滅した位置を定位する課題において 「ビュン」や「ピタリ」といった速い運動や停止を表す オノマトペを同時呈示し,運動に関連するオノマトペが 運動刺激の定位を変調するかを検討した。このような 課題では一般的に運動刺激が運動方向前方に誤定位され るが (e.g., Freyd & Finke, 1984),「ピタリ」の呈示時には 「ビュン」や無意味綴りを呈示した統制条件の時に比べ 前方誤定位の量が減少することが明らかになった。一方 「高速」や「停止」といったオノマトペ以外の語を同時 呈示したときには,無意味綴りを呈示した統制条件と比 べて,刺激の誤定位の量に差は生じなかった。つまり, 運動に関する言語の単純な意味情報ではなく,オノマト ペにより伝達された速度に関するイメージ情報が運動刺 激の定位に利用されることで,誤定位の変調が生じたと 考えられる。この結果は,オノマトペの認知処理情報そ れ自体に特異性が存在するのみならず,他の処理情報と 統合される際にもその特異性が利用され,知覚に影響を 与えうることを示唆している。 このようなオノマトペの特異性に関する実証研究に加 えて,オノマトペの認知処理に関連した理論的なモデル も提唱されている。その一つとして,苧阪 (1999) は擬 音語・擬態語の認知モデルによる説明を試みている。こ のモデルでは五感を通して入力された情報が言語表現系 において感性伝達と知識伝達の2つのルートに分かれる ことが想定されている。感性伝達では感性フィルタの存 在を仮定しており,このフィルタを通して擬音語・擬態 語,つまりオノマトペによる表現がなされるとしてい る。一方,知識伝達系では感性フィルタを介さず,程度 を表す副詞によって量的,質的な知識が表現されるとし ている。このモデルにおいて重要な役割を担っている機 能の一つが感性フィルタであるが,これについてはどの ような機能であるか具体的には言及されていない。 二つ目に,Kita (1997) および喜多 (2002) はイメージ情 報の言語化におけるオノマトペの機能について述べてい る。Kita (1997) および喜多 (2002) では,感覚,感情,空 間的認知,運動制御からくるイメージ情報を言語化し発 話する際に,周囲の状況に応じて動作を行うために必要 な情報の取捨選択を行うことを「からだ的思考」と呼ん でいる。そして,この「からだ的思考」によってイメー ジ情報を組織化し,組織化した情報を直接言語化して表 出する際にオノマトペが用いられると考えられている。 このようなオノマトペの機能の前提として,オノマトペ が情報を抽象化せず,イメージとして生のまま伝えるこ とが想定されている。これらはいずれも情報の伝達につ いてのモデルであり,感性やイメージに関する情報を伝 達する際にオノマトペが使われることを想定している点 で共通している。また,このようなオノマトペと感性や イメージ情報との結びつきは実証研究の知見 (Gobara et al., 2016; Kanero et al., 2014; Osaka & Osaka, 2009; Osaka et al., 2004) とも整合している。

このように,オノマトペの持つ感覚やイメージ情報の 特異性については,多くの実証研究や理論的モデルによ

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り主張されている。それでは,このようなオノマトペの 持つ特異性は自伝的記憶の想起にも影響を与えるのだろ うか。つまり,冒頭の例にあった「ぽたぽた」から想起 される自伝的記憶の特性は,「滴り落ちる」のような同 様の意味を持つオノマトペ以外の語句から想起される自 伝的記憶と異なるのであろうか。自伝的記憶におけるイ メージの重要性は多くの研究で主張されており (Brewer, 1986; Rubin, 2005, 2006; Rubin, Schrauf, & Greenberg, 2003), 手がかり語のイメージ喚起力 (imageability) の高低によっ て想起される自伝的記憶の特性に差異が生じることが知 られている (e.g., Fitzgerald & Lawrence, 1984; Mortensen et al., 2015; Rasmussen & Berntsen, 2014; Rubin & Schulkind, 1997b; Williams et al., 1999)。しかしながら,イメージ喚 起力は対象からどれだけイメージを想起しやすいかを指 す語であり (Kosslyn, Ganis, & Thompson, 2001),その高 低の差異が,喚起されるイメージの質の差異につながる とは言い切れない。これらを考慮すると,オノマトペか ら想起される自伝的記憶の特性は,意味的に類似してい る他の語句により想起される自伝的記憶と異なることが 予想されるが,その差異はイメージ喚起力の高低を操作 した研究とは異なるものである可能性がある。 本研究では,オノマトペを手がかり語として想起され る自伝的記憶について調査を行い,その特性について検 討する。これにより,自伝的記憶の想起という観点にお いてオノマトペがどのような特異性を有しているかを解 明することを本研究の目的とする。そのために,調査で 使用するオノマトペと同様の意味を持つ語句を統制刺激 として使用し,意味情報の差異を可能な限り統制して調 査を行う。これまでオノマトペそれ自体の認知処理に関 する研究はなされてきているが,オノマトペと他の知覚 や認知との関係について検討した研究は多くない。特 に,オノマトペと自伝的記憶との関連については我々の 知る限り研究が行われていないことから,自伝的記憶の 諸特性を切り口としてこの問題について検討すること は,オノマトペの特異性のさらなる解明という点におい て非常に意義のあるものと考えられる。 本研究では手がかり語から想起された自伝的記憶の特 性として,Rasmussen & Berntsen (2014) を参考に,検索 の随意性 (Search),時間的回帰 (Travel in time),想起時 の安心度 (Relieving),記憶の一貫性 (Coherence),記憶 全体の鮮明度 (Vividness),出来事の鮮明度 (See),周囲 の鮮明度 (Setting),第三者性 (Perspective),記憶の感情 価 (Emotional valence),記憶の年齢 (Age of memory) に 着目した。なお,Age of memoryは調査協力者の現在の 年齢から出来事を体験した当時の年齢を引いた値のこと を意味しており,この値が小さいほど想起した出来事を 体験した当時の年齢と調査協力者の現年齢との差が小さ い,つまり新しい自伝的記憶であることを示す。オノマ トペが情動に関連した認知や行動を表現する語であると い う指摘に従えば (苧阪,2010), Relieving や Emotional valence項目に関して統制条件とは異なる結果が見られ る可能性が考えられる。また,Kita (1997) および喜多 (2002) の指摘するようにオノマトペがイメージを生の まま伝達するならば,オノマトペからより鮮明な自伝的 記憶が想起される,つまり Travel in time, Vividness, See, Setting項目において統制条件より時間的回帰 (その出来 事の経験時点に戻ったかのような感覚) を強く感じ,ま た自伝的記憶が鮮明と評定されることが予測される。さ らにイメージ喚起力の高い語においてより古い自伝的記 憶が想起されることが知られており (Fitzgerald & Lawrence, 1984; Rasmussen & Berntsen, 2014; Rubin & Schulkind, 1997b), もしオノマトペのイメージ喚起力が統制刺激より高いな らば,オノマトペを手がかり語とした時により古い自伝 的記憶が想起されることが予測される。ただし,もしオ ノマトペが一般的な語とは質的に異なるイメージを喚起 するのであれば,このようなイメージ喚起力に基づく予 測とは異なる結果となる可能性も考えられる。一方で, 感情やイメージと直接関連しない Coherence, Perspective 項目ではオノマトペと統制刺激との間で一定の傾向が見 いだせないだろうと予測した。 予備調査1 予備調査1では,本調査で使用するオノマトペの選定 を行った。まず,苧阪・ (1999) より「くねくね」の ようにCVCV 形の音節を持ち,あ行の文字を含まない 102個のオノマトペを選定した。次に,Yahoo!クラウド ソーシングにて募集された調査協力者のうち回答の不備 により除外された 21名を除く33名に対し (男性21名, 女性12名,平均年齢40.36歳,SD=7.87,年齢範囲24歳 から63歳),102個のオノマトペについてその意味を知っ ているかを尋ねた。その結果,1名以上が知らないと回 答した 48個のオノマトペが除外された。次に,Yahoo! クラウドソーシングにて募集された123名の調査協力者 に (男性78名,女性45名,平均年齢42.46歳,SD=8.40, 年齢範囲19–65歳),残った54個のオノマトペに対して その感情価および覚醒度を 9件法にて尋ねた (感情価: 1=非常に快い,9=非常に不快だ; 覚醒度: 1=非常に 心が興奮しているように感じられる,9=非常に心が落 ち着いているように感じられる)。その結果,感情価お よび覚醒度のいずれかの平均値が4未満あるいは6より

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大きい33個のオノマトペが除外された。そして,Yahoo! クラウドソーシングにて募集された調査協力者のうち回 答の不備で除外した6名を除く127名に対し (男性82名, 女性45名,平均年齢41.94歳,SD=9.32,年齢範囲16–70 歳),残った21個のオノマトペについてその親近性を9 件法にて尋ねた (1=全くなじみがない,9=非常になじ みがある)。その結果,すべてのオノマトペの親近性評 定値の平均値から標準偏差±1SDの範囲内にあり,かつ 苧阪・ (1999) において「動作」,「液体・雨」,「湿度・ 水分」,「勢力・心的状態」の因子に属するものを本調査 のオノマトペ刺激として二つずつ選定した。結果として, 本調査で使うオノマトペ刺激として「すかすか」,「ぺた ぺた」 (動作),「ぱらぱら」,「ぽたぽた」 (液体・雨),「て かてか」,「ぱさぱさ」 (湿度・水分),「くねくね」,「ぷ りぷり」 (勢力・心的状態) の計8個が選定された。な お,これらのオノマトペとカテゴリとの対応は苧阪・ (1999) および 他(1987) の因子分析における分類に基 づいている。選定されたオノマトペの感情価,覚醒度, 親近性の平均値および標準偏差は,それぞれ5.49 (SD= 0.42), 4.94 (SD=0.46), 5.97 (SD=0.31) であった。 予備調査2 予備調査2では,予備調査1で選定したオノマトペと 同様の意味を持つ語句を統制条件として用いるための選 定を行った。まず,予備調査1で選定した各オノマトペ について大辞林第三版 (松村,2006) にてその意味につ いての記述を確認したうえで,オノマトペの意味と対応 した語句として「すき間の多い」,「貼り付ける」,「散ら ばる」,「滴り落ちる」,「つやがある」,「乾いた」,「曲が りくねる」,「弾力のある」の計8個を選定した。これら 8個の語句についても,予備調査1と同様の方法にて感 情価・覚醒度・親近性について回答不備による3名を除 いた107 名の調査協力者に尋ねた (男性 67 名,女性 40 名,平均年齢 42.51歳,SD=10.86,年齢範囲22–69歳)。 その結果得られたすべての語句の感情価・覚醒度・親近 性の平均値および標準偏差は,それぞれ4.99 (SD=1.14), 4.75 (SD=0.47), 5.04 (SD=0.61) であった。予備調査1お よび2により選定されたオノマトペおよび語句とその各 種評定平均値および標準偏差をTable 1に示す。 これらの値について,オノマトペの各平均値と対応の ないt検定を行った。その結果,感情価および覚醒度に ついては有意差が見られなかったが (感情価: t(14)= 1.15, p=.27; 覚醒度: t(14)=0.81, p=.43),親近性につい てはオノマトペ条件の方が有意に高かった(t(14)=3.83, p<.01)。 Table 1.

The verbal cues and their ratings of emotional valence, arousal, and familiarity.

Selected stimuli Emotional valence Arousal Familiarity

Onomatopoeia Control Onomatopoeia Control Onomatopoeia Control Onomatopoeia Control ぱさぱさ (pasapasa) (dry)乾いた 5.99 5.20 5.20 5.32 6.33 5.36 ぱらぱら (parapara) (scatter)散らばる 4.82 6.48 5.24 4.21 6.04 4.93 すかすか (sukasuka) すき間の多い (chinky) 5.80 5.83 5.41 5.38 5.68 3.97 ぷりぷり (puripuri) (resilient)弾力のある 4.95 3.58 4.14 4.17 6.19 5.65 ぺたぺた (petapeta) 貼り付ける (paste) 5.70 4.95 4.88 5.07 6.17 5.61 くねくね (kunekune) 曲がりくねる (wind) 5.76 5.54 4.88 4.50 6.02 4.50 ぽたぽた (potapota) 滴り落ちる (trickly) 5.32 5.31 5.36 4.78 6.02 4.76 てかてか (tekateka) (burnished)つやがある 5.54 3.06 4.43 4.61 5.36 5.57 Mean 5.49 4.99 4.94 4.75 5.97 5.04 SD 0.42 1.14 0.46 0.47 0.31 0.61

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本 調 査 方 法 調査参加者 120名 (男性81名,女性39名,平均年齢 43.31歳,SD=9.39, 年齢範囲18–71歳) が調査に参加した。 参加者はYahoo!クラウドソーシングにて募集され,調査 の内容について了解および同意の上で調査に参加した。 刺激 手がかり語として,予備調査にて選定した各8 種類のオノマトペおよび語句を使用した。なお,オノマ トペはすべて平仮名にて呈示した。 手続き 120名の調査協力者のうち,オノマトペ条件 に57名 (男性35名,女性22名,平均年齢42.11歳,SD= 9.41,年齢範囲18–71歳),統制群に63名 (男性46名,女 性17名,平均年齢44.40歳,SD=9.31,年齢範囲22–67歳) が無作為に割り当てられた。調査はGoogle formsにより Web上にて実施された。そのため,参加者はすべてPC 上でキーボードを用いて回答を行った。最初のページで 性別および年齢を記入し,次ページより調査が行われ た。ページの最初に手がかり語が呈示され,その下に手 がかり語の意味に合うような自身の過去の出来事につい ての記憶を1つ,なるべく詳細に思い出す旨の教示文が 呈示された。その後,想起した自伝的記憶を保持しつつ 10 個の質問項目に回答した。質問項目は Rasmussen & Berntsen (2014) を参考に,「過去の出来事の記憶をどの ようにして思い出したか」 (Search項目: 1=自然に心に 浮かんできた,7=該当する記憶を頭のなかで探した), 「記憶を思い出すことによって,まるで出来事を体験し た時に戻ったかのように感じられたか」 (Travel in time項 目: 1=全く感じられなかった,7=非常に強く感じた), 「出来事を思い出している間,どの程度心が落ち着いた ように感じられたか」 (Relieving 項目: 1=全く落ち着 かなかった,7=非常に落ち着いたように感じられた), 「思い出した記憶は,どの程度一貫性のある,ひと続き の出来事として思い出されたか」 (Coherence項目: 1=全 く一貫性がなかった,7=非常に一貫性があった),「記 憶を思い出す時に,どの程度鮮明に,はっきりと思い出 されたか」 (Vividness項目: 1=全く鮮明に思い出されな かった,7=非常に鮮明に思い出された),「記憶を思い 出している間,その出来事の映像がどの程度心の中で浮 かんできたか」 (See項目: 1=全く浮かんでこなかった, 7=非常に鮮明に浮かんできた),「記憶を思い出してい る間,周囲の物体 (建物など) をどの程度思い出すこと ができたか」 (Setting項目: 1=全く思い出すことができ なかった,7=非常にはっきりと思い出すことができた), 「出来事を思い出している間,自分自身の視点で出来事 を見ているように感じられたか,それとも第三者の視点 で見ているように感じられたか」 (Perspective項目: 1= 自分自身の視点で見ているように感じられた,7=第三 者の視点で見ているように感じられた),「思い出した記 憶は楽しさや喜び,嬉しさなどに関する快い記憶であっ たか,それとも怒りや悲しみ,苦しみなどに関する不快 な記憶であったか」(Emotional valence項目: 1=非常に 快い記憶だった,7=非常に不快な記憶だった),「思い 出した出来事が起こった時,何歳であったか」 (Age項目: 年齢を直接回答) が設定された。これらのうちAge項目 では年齢を直接回答することが求められ,それら以外の 項目については,すべて7件法での回答が求められた。 なおAge項目では1年以下の場合に日数単位での回答が 求められた。ここで365以上の数値などの矛盾した回答 を行った参加者については,回答の不備とみなし分析か ら除外した。すべての質問項目に回答した後,次ページ にて次の手がかり語および質問項目が呈示された。手が かり語はオノマトペ条件,統制条件のいずれも8種類呈 示された。手がかり語の呈示順序は,オノマトペ条件で は「ぱさぱさ」,「ぱらぱら」,「すかすか」,「ぷりぷり」, 「ぺたぺた」,「くねくね」,「ぽたぽた」,「てかてか」の 順で呈示され,統制条件では「弾力のある」,「貼り付け る」,「すき間の多い」,「曲がりくねる」,「滴り落ちる」, 「つやがある」,「乾いた」,「散らばる」の順で呈示され た。すべての手がかり語について回答が終わった後に, 呈示された手がかり語の中で意味のわからない語があっ たかを尋ねた。 結 果 参加者の調査参加時の年齢回答欄およびAge項目での 回答の不備により,オノマトペ条件で3名,統制条件で 9名の参加者が分析から除外された。また,7件法にて 回答された質問項目について,1つ以上の手がかり語で すべて同じ数値で回答した参加者についてもSatisficing として (三浦・小林,2015), 分析から除外した (オノマ トペ条件にて6名,統制条件にて5名)。さらに,調査の 最後に行った手がかり語の意味についての質問にて,オ ノマトペ条件で1名の参加者が「ぱさぱさ」の意味がわ からないと回答し,統制条件では「乾いた」,「弾力のあ る」,「貼り付ける」にて各 1名,「すき間の多い」にて 2名がそれらの語句の意味がわからないと回答していた。 そのため,これらの参加者の回答についても分析から除 外した。その結果,オノマトペ条件で47名 (男性26名, 女性21名,平均年齢41.47歳,SD=9.07,年齢範囲18–62 歳),統制条件で 44 名 (男性 32名,女性12名,平均年

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齢44.55歳,SD=8.56,年齢範囲22–66歳) のデータが分 析に利用された。分析に利用した参加者の年齢分布を Figure 1に示す。なお,オノマトペ条件と統制条件との 間で参加者の平均年齢に差があるかを対応のないt検定 により検討したところ,条件間に有意な年齢差は見られ なかった (t(89)=1.66, p=.10)。 各質問項目の評定値を従属変数として,手がかり語の 種類を参加者間要因とした対応のないt検定を各項目に 対して行った。その結果をまとめたものを Table 2に示 す。 分析の結果,Age of memoryにおいて,オノマトペ条件 と統制条件との間に有意差が見られた (t(89)=3.02, p< .01)。これより,統制条件に比べオノマトペ条件にてよ り最近の自伝的記憶が想起されることが明らかになった (Figure 2)。その他の項目については,オノマトペ条件と 統制条件との間に有意差は見られなかった (ts(89)<1.54, ps>.13)。 考 察 本研究ではオノマトペを手がかり語として想起された 自伝的記憶の持つ諸特性が,同様の意味を持つオノマト ペ以外の語句を手がかり語とした場合と異なるかを検討 した。その結果,オノマトペを手がかり語として想起さ れた自伝的記憶は,オノマトペ以外の語句を手がかり語 とした時より新しい自伝的記憶が想起された。一方で予 測と異なり,その他のすべての質問項目に関しては両群 Figure 1. The age distribution in the main survey.

The “20” bin includes the participant who was aged 18.

Table 2.

The rated values of the variables in each condition and the statistics comparing these conditions.

Variables Onomatopoeia Control Statistic Effect size

M SD M SD t Cohen’s d Search 3.60 1.04 3.95 1.25 1.43 0.31 Travel in time 4.13 1.07 4.18 0.94 0.20 0.05 Relieving 4.02 1.15 4.17 0.83 0.72 0.15 Coherence 4.13 1.08 4.05 0.94 0.37 0.08 Vividness 4.52 1.00 4.47 0.96 0.23 0.05 See 4.55 0.99 4.59 0.97 0.18 0.04 Setting 4.11 1.15 4.13 1.10 0.08 0.02 Perspective 2.71 0.96 2.83 1.23 0.49 0.11 Emotional Valence 4.20 0.69 3.99 0.66 1.54 0.31 Age of memory 7.07 7.33 12.53 9.84 3.02** 0.63

Age of memory=Current age̶Age at the event participants experienced. ** p<.01.

Figure 2. The results for Age of memory in the main sur-vey. Error bars represent standard errors of the mean.

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間での差が見られなかった。この結果は,新しい自伝的 記憶を想起させるという点で,オノマトペが他の語にな い特異性を有することを示唆している。 この結果には,オノマトペのどのような特徴が寄与し ているであろうか。まず考えられるのはオノマトペの持 つイメージ情報である。オノマトペの認知処理において オノマトペの表す感覚を体験した時と同じ脳部位が賦活 することから (Kanero et al., 2014; Osaka & Osaka, 2009; Osaka et al., 2004),オノマトペを手がかりとして自伝的記憶を 検索する際にもオノマトペの意味のみならず,喚起され たイメージに基づいて検索されると考えられる。この際, イメージの鮮明な,つまり比較的新しい自伝的記憶が検 索されやすかった可能性がある。しかしながら, 手がか り語のイメージ喚起力が高い場合に,イメージ喚起力の 低い場合に比べより古い自伝的記憶が想起されることが 知られている (Fitzgerald & Lawrence, 1984; Rasmussen & Berntsen, 2014; Rubin & Schulkind, 1997b)。この理由とし て,Rubin & Schulkind (1997b)はイメージ喚起力の高い 語が自伝的記憶の検索において感覚や知覚に関する情報 を直接活性化させるためと主張している。仮にオノマト ペが相対的に高いイメージ喚起力を有しているのみであ る,つまりよりイメージが容易に浮かびやすいのみなら ば,本研究の結果は先行研究の結果を支持していない。 だとすると,本研究の結果はオノマトペのイメージ喚起 力の差異によるものではなく,オノマトペの持つイメー ジ情報の質的な差異,つまりオノマトペとそれ以外の語 を介して浮かぶイメージの特性の差異に起因していると 考えられる。その質的な差異が具体的にどのようなもの であるかを,今後の研究でさらに検討していく必要があ る。 一方で,オノマトペを手がかり語とした場合のRelieving 項目やEmotional valenceといった想起された自伝的記憶 や想起時の参加者自身の感情に関する項目においては, 統制条件との有意な差が見られなかった。このことか ら,たとえ苧阪 (2010) が主張するようにオノマトペが 情動を含む認知や行動を表す語であったとしても,その 感情価を統制した場合には自伝的記憶の想起に影響を与 えないものと考えられる。だが快 (ポジティブ) あるい は不快 (ネガティブ) な感情価を持つ「にこにこ」や「む かむか」といったオノマトペを手がかり語とした場合に は,快・不快なオノマトペ以外の語とは異なる影響が生 じる可能性がある。 予備調査1において,本研究で用いたオノマトペ刺激 が統制刺激に比べ有意に親近性が高いと評定された。こ のことから,本研究の調査におけるAge of memoryへの オノマトペの影響は,オノマトペのイメージ情報による ものではなく,むしろ親近性の高さに起因するのではな いかいう指摘が可能である。そこで,オノマトペ条件と 統制条件のそれぞれで,手がかり語ごとの全参加者の Age of memoryと親近性を変数としたピアソンの積率相 関分析を行った。もしも親近性の高さがAge of memory を決定づけているのならば,有意な相関が得られるはず である。だが結果として,オノマトペ条件と統制条件の 双方で手がかり語の親近性とAge of memoryとの間に有 意な相関は見られなかった (オノマトペ条件: r=.06, p= .25; 統制条件: r=−.01, p=.84)。したがって,本研究に おける想起されたAge of memoryへのオノマトペの影響 は,言語手がかりの親近性に起因するものではないと考 えられる。 本研究では,18歳から72歳とさまざまな年齢の参加 者を対象として調査を行い,全年代の参加者の結果を総 合して分析を行った。しかしながら,自伝的記憶は調査 参加者の年齢と密接に関係している。例えば,参加者の 調査参加時の年齢と近い,つまり比較的新しい自伝的記 憶が想起されやすい新近性効果や (Rubin & Schulkind, 1997a),40代以上の調査参加者において10代から30代ま での自伝的記憶が想起されやすいレミニセンス・バンプ (Rubin, Wetzler, & Nebes, 1986) といった現象が知られて

いる。本研究ではオノマトペ条件と統制条件とで参加者 の平均年齢の有意な差が見られなかったことから,Age of memoryにおけるオノマトペ条件と統制条件との差異 にこれらの現象が寄与した可能性は低いと考えられる。 しかしながら,オノマトペがレミニセンス・バンプや新 近性効果の発生を促進あるいは減衰している可能性も考 えられる。この点について直接的に検討する方法とし て,年代ごとに分析を行い,どの年代の参加者に対して オノマトペの影響がより強く生じているかを調べること が挙げられる。本研究では 30–40代の参加者数が多く, 一方で20代以下や60代以上の参加者数が少なかったた め参加者の年代ごとでの検討ができなかったが,今後の 課題として各年代で均等なサンプルサイズで調査を行 い,年代ごとでの分析を行うことで,自伝的記憶の想起 に対するオノマトペの影響についてより迫ることができ ると考えられる。 手がかり語としてのオノマトペは自伝的記憶の想起の メカニズムにおけるどの段階に影響を与えているのだ ろうか。Conway (1996) およびConway & Pleydell-Pearse (2000) で提唱された自伝的記憶の階層構造モデルは, 自伝的記憶が3水準の階層からなると想定している。本 人にとって重要な人物,行動,場所に関する時間情報で

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ある「人生の時期 (lifetime periods)」を最上層として, その下層に出来事についての一般的知識である「一般的

な出来事 (general event)」,そして最下層には出来事にお

ける具体的かつ詳細な情報である「出来事固有の知識 (event specific knowledge)」が仮定されている。またこれ

らの階層はそれぞれ数年程度,数日から数カ月,数秒か ら数時間の時間幅で認識される出来事で構成されてい る。そして手がかりが呈示されると上位の階層から下位 の階層へと検索が行われ,自伝的記憶が想起されると考 えられている。本研究では想起された自伝的記憶の年単 位での時間情報において手がかり語の影響が見られたこ とから,オノマトペを手がかりとした場合には最上層の 「人生の時期」での検索段階においてより最近の時期の 記憶が検索されやすくなると考えられる。一方で自伝的 記憶の他の特性では条件間での差が見られなかったこと から,「一般的な出来事」および「出来事固有の知識」 の検索段階には影響を及ぼしていない可能性が考えられ る。 本研究では想起された自伝的記憶のさまざまな特性に 焦点を当てて検討を行った。しかしながら,想起した自 伝的記憶の内容を具体的に記述させたうえで,その内容 を対象として分析を行う研究も存在する (e.g., Bruhn & Davidow, 1983)。オノマトペから想起された自伝的記憶 の具体的な内容についても,オノマトペ以外の語を手が かり語とした場合の内容と何らかの差異が見られる可能 性がある。また,本研究では自伝的記憶という過去に関 する記憶を対象としていたが,将来起こりうる出来事に 対する記憶,つまり展望的記憶についても手がかりの感 情価やイメージ喚起力によって特性に差異が生じること が知られている (Rasmussen & Berntsen, 2013, 2014)。オ ノマトペを手がかり語とした展望的記憶の特性を調べた 上で自伝的記憶の特性と比較することで,オノマトペと 記憶との関係性についてさらに多角的な検討が可能にな ると考えられる。 本研究の結果から,オノマトペの持つ感覚やイメージ に関する情報がより新しい自伝的記憶を想起させたと考 えられる。しかしながら,オノマトペのイメージ情報を 利用した場合と実際の感覚情報を直接利用した場合とで は,想起される自伝的記憶にどのような差異が存在する かは不明である。自伝的記憶には言語手がかりのみなら ず,動画や音楽,匂いなどさまざまな非言語手がかりが 存在する (e.g., Chu & Downes, 2000; McDonald, Sarge, Lin, Collier, & Potocki, 2015; Platz, Kopiez, Hasselhorn, & Wolf, 2015; Willander & Larsson, 2007)。オノマトペの表す感覚 やイメージを実際に非言語手がかりとして用いて比較す る,例えば柔らかいゴムボールを握りながら想起される 自伝的記憶と「ぷりぷり」から想起される自伝的記憶の 特性を比較することで,両者の差異を検討することがで きる。これにより,オノマトペとその模した感覚やイ メージそのものとの差異について,自伝的記憶という視 点から迫ることができると期待される。 引用文献

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Figure 2. The results for Age of memory in the main sur- sur-vey. Error bars represent standard errors of the mean.

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