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熊本県におけるユニバーサルデザインの取組み(応用編)

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(1)

熊 本 県

け る

ユ ニ

サ ル

デ ザ

ン の

The

 

policy

 of 

Universal

 

Design

 

in

 

Kumamoto

 

Prefecture

 

     Hayashi

 

Seiichiro

熊 本県 総合 政策局 政 策調 整課特 定政 策推 進室 Specific Policy Ornce

Policy Coordination Division

Kumamoto  Prefecture

1 ,

熊 本 県にお け るユニ バ

サ ル デ ザ イン (

UD

  

導入 の

経緯

位置付

け   現 代 社 会は

急 速な少子高 齢化

情 報 化

グロ

バ ル化

そ し て男 女 共 同 参 画 社

到 来

の豊か さ」か ら 「の豊か さ」へ

ま た

集 団 へ の帰 属」 か ら 「個 人の尊 重」 へ と人々 の価 値 観は

様 化し てお り

、一

人ひ と りのク オ リ ティ

オブ

ラ イフが尊 重さ れ る時 代で あ る

 

その よ う な中

平 成

12

4

れ に もい 熊 本 づく り

UD

の推 進」を公 約の

つ と し て掲

げ、

潮 谷 義 子 知 事が就 任した。

 

直ちに

定され た 「

総 合 計

トナ

シ ッ プ

21

く ま も と」 で は

基 本目標と し て 「

      い のち あ ふ れ

生命が脈うつ

く ま も と」が定め ら れ る と と も に

その公 約が位 置づけられた。   「創 造にあふ れ

生 命が脈 うつ

まもと」 と は

県 民

人 ひ と りの生 命

、存在

切に さ れ

さ まざま な芽吹 き が はぐく ま れ

、創

な取り組み が 行わ れ る社 会の ことであ る。  そ れ ま で も高 齢 者 や 障 害 者に対 する様々な障 壁 を 取 り除 く といっ た視 点で 「やさ しいま ちづくり」 を 目

げ バ リ アフリ

に取り組んでき た が

さ ら に

UD

に取り 組 む こと に よ り

、高齢者、

障 害

を は じ め

県 民 だれ も い う視 点で県 政 全 般 を進め ること と したので あ る。  こ のように

熊 本 県では

県 総 合 計画の基 本目標 である 「

にあ ふ れ

生命が

うつ

く ま も と」 の実 現に

、年齢、

性 別

、障害

無などに関 係 な く

、一

人ひと りの存 在を大 事に し

すべ て の人 が 生活しや すい社 会をつ くるという 「

UD

行 政 を はじめ と して

県 民

企 業

団体

大 学

ボラ ン テ ィア や

NPO

などが

さ まざま な形で互 いの

つ 性 質

特 性を 生 か し

認め

いな が ら

、協

、連携

し てい く 「

プ (

PS

こ の

2

つ の キ

ドを県 政 運 営の基 本と して位 置づけて い る。

 

ま た

平 成

16年

にお け る高

化 率 (

総務省統

計 局 推 計人 口)は

全国 が

19 .

5

% で あ るの に 対 し

県は

23 .

2

% で あ り

これ は熊 本 県の 高 齢 化が全 国の

7

年 先に あ ること を示し ている。

20

年 後に は

30

% を 超 える と予測されてお り

も うすで に

過 疎 地 域や 中 山間地 域で は

、40

%を超えて い る ところ も あ る

この高

化の

状は

UD

を進め る

景の

1

つ と して 特に 重要と考え てい る ところ である。

2 .

く ま も と

UD

振 興 指 針 (

1

指針策

定の

経緯

 

しか し

UD

え方は

こ れ ま での行 政に な か っ たもので あ り

これを 普 及し県 政に根 付 かせ る に は

県 職 員

そして県 民に

、UD

が 「べ て の人 が 生 活 しやすい社 会を 形成 する」 ものであること を理

、確

信して も ら うこ と が大切であっ た

 

そこで

まずは県

員に対し て 理解を深め る た め の研 修、特に幹 部 職 員 を対 象と した研 修 会 を実 施し、 庁 内に部 局 横 断 的な研 究 会 を 立ち 上げ た

 ま た

県民の意 見を聞 く場と し て

UD

懇 話 会を設 置し

そ こ で出さ れ た意 見 等を踏ま え

平 成

14

2

月 に 「く ま も と

UD

振 興 指 針」 を策 定し た

「だれ もが 暮ら しや す く豊 か な くまも と」 の実 現 を 目指し、 県 民

企 業

団 体

行 政等 がお 互いパ

トナ

シッ プを結 び

県全 体で

UD

を推 進し てい くこと が出 来 る よ う に

その むべ き方

と そ れぞれ に

め ら れ る役

割等

を明らか に し たので あ る

2

) 目標 と 基 本 姿 勢   振 興 指 針で は

「『れ も がら し や ま も と』 の実 現 を めざす姿 (目標 )と し

よ り具 体 的な姿と し て は

「だれ も が社

に自 由に参 加で き、 積 極 的にチャ レ ンジできる環 境の実 現」、 「使い やすいものに満 たさ れて い る生 活の実 現」

人ひ 68 SPECIAL  ISSUE  OF  JSSD  V()1

13 N⊂)

4 2006   デ ザ イン学 研 究 特 集 号

(2)

と りの 個 性が大切 に さ れ てい る

会の

現」 を 目

し て い る

 それ を実 現 するた めに

「まち」

「もの 」

ビス 」 という

3

つ の分 野 と

れ ら り巻く意 識」 につ いての

UD

を進め ること と し てい る

(図

1

)   次に

、UD

推 進の基 本 姿 勢をキ

ド的に表 現 す れば

対 話に よる

ザ イン 」

「さ り

ない デザ イン」

「追い求 めるデ ザイ ン」 となる

  

対 話 に よ る

イ ン 」 と は

、製

使す さ を追

する に は

その

係者

が十 分なコ ミュニ ケ

対 話が不 可 欠

利 用 者とサ

ビス提 供 者

利 用 者 同士のコ ミュニ ケ

ン に 形 づく られデ ザイ ンの こ

 

ま た

さ り

ザイン 」 と は

利 用 する 人 の特 権 意 識 や 特 別 扱い につな が ら ないよ う な さ りげ ない配 慮が な さ れ た

ザ イン の ことであ り

い 求めるデ ザ イン 」 とは

、 1

人で も多 くのニ

に応 え られ る よ う

常に見

、改善

を図っ てい く

姿勢

を持ち続け るデ ザインの こ と で あ る

(図

2

) だ れ も が 暮 らし やす く豊かな くまもと 図

1

  取 組み の基 本 方 向 図

2

 

UD

推 進の基 本 姿 勢 (

3

)「プロスの重 視」 の原 則 と

4

つ の視 点   次に

UD

を様々な取 組み に導入 し ていく う え で

気をつ け な け ればな ら ない こ と を原 則と

視点

とい う 形で 整 理 し ている

製 品

環 境

ビス等の使い や すさは、 デ ザ インを産み出す 過 程、 改 善して い く 過 程

つ ま り プロセ ス に大 き く左 右される

その意 味で

何よ り重 要なのは そこに 至 る ま でのプロセ ス であり

こ の 「プロセスの 重 視」 を原則 と し

、 4

つ の視 点で進め ること に し て い る

 

般 的には 「

UD

 

7

原 則有 名であるが

熊 本 県ではこ の

7

原 則との対 応 を 考 慮しなが ら

もの (

品)づ く り以外の分野 で も使いやすい

よ り

般 化さ れ た

か りやすい もの を めざし て

原則 と

4

つ の視 点と し て ま と め ている

  「ロセス の重 視」 に おい て は、 利 用 者のニ

ズ や 意見 を徹 底して把 握 する 「徹 底したユ

(利 用者 ) 志 向」

納 得 するデ ザイ ン と な る ま で

ま た その 事後評価に おいて も

作る側と使う側が繰り返 し対 話を行う 「コ ミュ ニケ

シ ョ ン の重 視」

個々 の取 組みを単 独で捉 える の では な く、 そ れ ぞ れ がつ な がる ことで ノウハ ウ を蓄 積

より使いや すい も のをつ くっ てい く大きな プロセ スの

部と し て位置 づ け る 「テ ム的 な

チ」 の観 点を大 事に し て い る

 また

4

つ の視 点と は

べ て の人に簡 単」 「す べ て の人に快 適」 「すべ て の人に安 全」 「すべ て の人 と状 況に柔 軟」 である が

べ て の人に簡 単」 と は

施 設や製 品といっ た有形の もの だ けではな く

情報

や サ

ビス といっ た無形 の も の も

め て

で き る

けすべ ての に入 手しや すく

分か りや すく

SPECIAL  ISSUE  OF JSSD Vo1

13  No

4 2006  デ ザイ ン究 特 集 号 69

(3)

利用 しやすい こ と で あ り

べ て の人に快 適」 と は

で き るだけ楽な

姿

勢で

ま た十

な スペ

ス で といっ た観 点か らの使い勝 手の良さ に配 慮さ れ てい る こ とである

「すべ て の 人に安全」 とは

一、

間違っ た使い方や操 作 を行っ たと して も事 故につ な が ら ないよ う

慮さ れて い ることであ り

べ て の人 と状況 に柔 軟」 と は

で き るだけ

人 ひ と りの 人に合わ せ な が ら も

汎 用 性のあ る形での解 決 策を 考えて い くことで ある

(図

3

)   振 興 指 針では

こ の よ うな 考 え 方の も とに

ち づ く り」

の (

品) づ く り」

情報 ・

ビ スづ く り」

「意

づ く り」とい う

4

つ の分野 につ い て

、UD

推 進へ の施 策の方 向 性と取 組みを示 すと と もに

県 民

企 業

団体

行 政 等に求めら れる役 割 につ い て も示して いる ところである。

UD

推進

の原 則と

4

つ の

視点

視 点

1

;すべ て の 人 に簡 単

2

:すべ ての 人 に

適 視 点

3

;すべ て の人 に安 全

4

:すべ ての入と状 況に柔

原 則

 

プロセス (過程) の 重

3

 

ロ セス の重 視」の 原 則と

4

つ の視 点

3 .

熊 本 県にお け る

UD

の主 な 取 組み (

1

) 庁 内におけ る

進 体 制

 

庁 内に お け る

UD

の推 進 体 制 だが

平 成

12 年度

か ら

UD

に取り組む た め

専 門 部 署を設 置し て お り

平 成

14

年 度に は

、UD

振 興 指 針を踏ま え

全 庁 的な 取 組み と して具 現 化 して い く た め

「パ

トナ

シ ップ

ユ ニ バ

サ ルデ ザイ ン (

PS ・UD

進 会

」 を 設 置 し た

これ は 知

事、

副 知

事、

出納 長

局 長 等で構 成さ れてお り

県 政の大き な

2

つ の柱で あ る

PS

UD

に関 する推 進 方 針 や 具 体 的なプロ ジェ ク トを決 定 する と と も に

評 価 な どをして い く もの で あ る

 

さ ら に

局や県の出先

関で あ る各地域 振 興 局に 「

PS ・UD

推 進 員 設 置し て

実 務 的に推 進 する体 制も 取っ ている

2

) 各 種 ガイ ドラ イン の策 定  

UD

を具 体 的に推 進 するため、 振 興 指 針に基づき、

種 ガイ ドラ イ ン を

定し て い る

 

平成

15 年 2

月 に定め た 「

UD

建 築 ガイ ド ラ イ ン

公 共 施 設を は じ め

多 数の人が利 用す る民 間の 建 物につ い て

、UD

による設 計の進め方

考え方

参 考 となる基 準 等を示 して いる。

 

ま た

、建築

では

住 宅にお ける

UD

企画指 針 「や さ し さ の

まいづ く り」 や 「

存 建

築物

UD

評 価マ ニ ュ ア ル」

「既 存 建 築 物の視 覚 情 報サイン改 善 マ ニ ュ ア ル 」 を作 成して い る

 こ のほ か

県 民に読み やす く分か りやすい広 報を

っ て い く た めの

項を ま と め た

「わ か りや すい

点」や ホ

ムペ

ジのガイ ド ラ イ ン

また

外 国 人 向 けの案 内表 示モデル を示した 「熊 本

4

力 国語に よ る案 内 表示事 例 集」な どを作ってお り

最 近は

農 業 農 村 整 備

UD

」 や 「道 路 関す る

UD

指 針」 な ど も作って いる

3

UD

によ る 施 設 整 備 例  

UD

を 県 民に具体 的に示すため

県が率 先し て

公 共 施 設の

UD

化に取り組ん でおり

県 営 住 宅や県 庁

こ ど も総 合 療 育セ ンタ

な ど を

UD

に よ り整 備 し て い る

ま た

既 存の県 有 施 設につ い て も 全施 設 を対 象に評 価 を行 うための マニ ュ ア ルを作 り

現 在 評価に取り組んでお り

評価 結果はハ

ド面及 び ソ フト面

期及び短

的な 対応 等に分 類

整理 し

対 応し てい くこ と に し ている

 さ ら に

既 設 駅の改 築 や 新 幹 線 駅の整備に お い て も

、UD

に配 慮した 施 設 整 備 を推 進して い る。

1

) 熊

県営 古 庭 坊団地   熊 本 県 営 古 庭 坊 団 地は

平 成

15

6

月に建て替 えた 高 層マ ン シ ョンタ イ

の県 営 住 宅

立 て替 えの時に

これまで

1

階にしか住 め なかっ た 高 齢 者 や

障害者

上層

屋 を

る よ う

上層

屋 を

UD

に配 慮し た

仕様

に し た

戸は 引 き戸

70SPECIAL  ISSUE OF JSSD VoL13  No

4 2006  デイン学研 究特集号

(4)

屋の中はフ ラッ トな床に なっ てお り

台 所

洗 面 台 は車いすで も利 用で きるよ うになっ て い る

また

将 来

電動 車いすが 必要に なっ た と きのた め に

玄 関 に電動車い す用の コ ンセン トを 設 置 し た部屋 も あ り

身 長の低いお年 寄りや 車いすの人に も使いや す い物 干し台や トイレ

緊 急 通 報シ ステム な ど

安 心 して安 全に生 活が続 け られる機 能を数 多 く設 置し

を取っ て も

病気

に なっ て もいつ ま で も住み慣れ た

所で

ら せ る よ う にするこ と を 目

し てい る

(写 真

1 、

2

          \

      

写真

1 

県 営 古 庭 坊団地 写 真

2

  玄 関 (引 き 戸 )

2

) 熊

県 庁 舎

本館

 

熊 本 県 庁

本 館は

昭 和

42

年に竣工 し た

13

階 建 て の建 物 だが

平 成

11

年 度か ら

14

年 度にかけて大 規 模 改 修 を行い

移 動 空 間

情 報 空 間 など総 合 的に

UD

に配 慮し た建 物と し た

例えば

受 付 カウ ン タ

部 分部 分

で も 障な く利 用で き る し

、高

が座っ て話を す る場

に は

子を置くこと も 可能で あ る

  他に も

手 すり が

2

高さの違う ものを平 行に 設 置 した階 段

分か りやすいサイ ン や多 目的 トイ レ

授 乳 室 などた くさ んの

UD

県 庁 舎で採 用して い る

(写 真

3

、 4

) 写

3

 

カ ウ ン タ

写真

4

  階 段

3

) 子 ども総

合療育

セ ン タ

  子ど も総 合 療 育センタ

身 体 や 知 的に障 害を 持っ た子ど も た ち が通園

入所し

住み慣れた地 域 での生 活を めざ して治 療

訓 練に励んで いる施 設で あ り

ソ フ ト

ドの両 面か ら

UD

に取り 組 んで いる施 設で あ る

。建

設に あ たっ て は

プロセス重

の観 点で

センタ

職 員と県の担 当課 等 が

どの よ うに したら

対 象である障 害及 び障 害の疑い のある 児 童の立 場に立 ち

子 ど もたちの視 線で職 務を行 う こと がで き る か といっ た

討 会や

親の会 関

係、学

校 関係

児 童 福 祉 施 設

地域 団

体等

と の意 見

交換

会 等 を 合 計

50

回以上実 施 すると と も に

実 物 大 模型 (モッ ク アッ プ)をつ くっ て ワ

クシ ョ ッ プを開 催 し

そ の際は子 ど もたちにも参 加 しても らっ た。 ま さ にプロセス重 視の

代表的

な例と言え る

(写 真

5 、

6

) 写 真

5

  熊 本 県 子 ど も総 合 療 育セ ンタ

SPECIAL  ISSUE OF JSSD Vo1

13 No

4 2006  デ ザイ ン学 研 究 特 集 号  71

(5)

写 真

6

 

モ ック アッ

の様 子

4

) 九 州 新 幹 線 新八代 駅   平 成

15

3

八代

鹿 児 島 間に開通 した九 州 新 幹 線 新八代駅舎ので あ る

(写

7

)   少 子 高 齢 社 会の中で

高 齢 者 や 障害 者も含め、 す べ ての人々が旅 行しや すく なるため には

駅 自体 が やさ し くな け れ ば な らない

国土 交通省と

JR

九 州

当時の鉄 道 建 設 公 団 (現 :鉄 道

運 輸 機 構 )お 願 い し て

、新幹線

の駅

に も

防止 のた め乗 客の 乗 降 時のみ開 閉 するホ

ム ドアや、 多 目的 トイレな どの

UD

を取り入れても らっ た

特に

新八代 駅と 新 水 俣 駅は

既に設 計 図が引か れ ている

階であっ た に も関 わらず

関 係 者の 々 に

生 懸 命取 り組ん で い ただき

UD

に配 慮し た施 設に し ていた だいた

  新 幹 線 は ま だ 八 代 か ら鹿 児 島 まで の部 分 開業のた め

在 来 線 か らの乗 り換 えが必 要になる が

新八代 駅 で は

当初の計画 で は

新幹

線を

り て下のホ

ム に行き在 来 線に乗り換え る とい う

だっ た もの を

更し て

対 面 乗り換え に し ていた だき

3

分 間で乗 り換 え られるということで高齢 者や障害 者 だけでな く

ビ ジネスマ ン にもたいへ 好 評

ま た

乗り換え時に最 短の移 動

む よ う な座

指 定の配 慮や乗 務

員 ・

員に よ る

障害者

等へ の乗り

え サ ポ

トな ど ソフ ト面で の配 慮も な されて い る

(写 真

8

)  こ の よ うな 取 組み が評 価 され

鉄 道

運 輸 機 構と

JR

九 州 が

16

年 度の 「バ リ ア

化 推 進 功 労者

彰 (

房 長

表 彰)」 を受 賞さ れ た

 さ ら に

新 たに整 備さ れ る熊 本 駅 につ い て も

UD

を取り入れた駅 舎と し ていただく た め

駅周 辺 を含め た

UD

化を行う た めの 専 門 委

を設 置し

討を

っ て い る ところ で あ り

新玉名 駅につ いて も

、UD 導

入に向 けた検 討を行っ て い る

写 真

7

  九 州 新 幹 線 新八代 駅 写

8

 

対 面

え の

子 (

4

UD

に よ るま ち づ く り例   「の森」 という 団 地を

UD

の モ デル地区 と し て 位 置づけ

まち 全 体を

UD

視 点で 整 備を進めて い る

道 路や

便

ショ ッ ピ ングセ ン タ

ー、

設な ど

民 間

設も

め ま ち 全体を

UD

に よる 整 備で進めてお り

住 民に も大 変 好 評である

  団地の造 成にあたって は

道 路と敷 地の段 差を で き るだけなくすと共に

道 路の 勾 配を で き る

り緩 やか に し て

車 椅 子での通 行 や 高 齢 者が移 動しや す い よ う に配 慮して い る

  団 地 中 央 を 走る シ ンボ ルロ

ドは

両 側に幅 員

7.

5m

の歩 道 部

を 設 け

歩 道と自

転車

道に 区分し ている

歩 道は

歩き やすく

全な透水性の ム チ ップ舗装と し

自転 車 道は

振 動が少な く滑り に く い透 水 性のある舗 装と して お り

歩 道に は ベ ンチの 設 置 を行 うと共に

四季が感 じられる植 栽や外 灯の 設 置など

誰も が安 全で

適な道 路 空 間と し ている

(写真

9

)  ま た

団地 内に は

県 住 宅 供 給 公 社 が

UD

モデル 住宅を

2

棟 展示 してお り

県 産 材を使い

中は フラ ッ トとなっ て いる

(写真

10

 

居 室の出入口は 引 き戸と し

間口

も広め に し て お り

、玄

関に は腰

け や手す り を付 けて

車いすで も

あるいは お年 寄りで も楽に利 用できるようにな って い る

ま た

台 所は

車いすで も座っ て作 業が 72SPECIAL  ISSUE  OF JSSD V〔)1

13  NQ

4 2006  デザ イン学研 究特 集 号

(6)

できるよ うに配 慮されて い る。 ほかに も滑り に くい 素 材で仕上げた スロ

プや

低め に設 定 した大 型ス イ ッチ

高め に配置 し たコ ンセ ン トな どいろいろな

UD

設 備を備え ている

(写

11

12

) 写

9

 

シ ンボル ロ

ド 写 真

10

 

UD

住 宅 写

真 11 

玄関 の

子 写真

12

  台 所の様 子 (

5

UD

に よ る

設 整

(ハ

ド) と

事 業

展 開     (ソ フ ト) を 行って いる例   今 後の各 地 域にお ける

UD

を 考える うえで の参 考 と し て

ド と と も に

ソフ トも

UD

で行っ て い る

例を紹 介 する

 

熊 本 市に あ る県 営 健 軍 団地 を

UD

に よって

え たが

その

階 を福 祉 サ

ビス拠 点 施 設 「健 軍く らし ささえ 愛工房」 と して 整 備した。 その施 設を

NPO

人 に貸し

民間の持つ ノ ウハ や 自 由 な発 想

、創

意工夫を 活 か し な が ら

地 域と

体とな っ た 当事 者 中心の総 合 的な福 祉サ

ビスを展 開し て いる。  そ こ では

地 域 住 民や商 店 街

校 区 社 協 等とのパ

トナ

ッ プに よ り

誰も が地 域の 人 とのふれ あ い の

すごや か に楽し く生 活がで き

いつ で も 気 軽に利 用で き る地 域の拠 点 づく り で あ る 「地域の 縁がわづく り」

住み慣 れ た 地 域で 自分ら し く自立 した 日常 生 活が送 れるよ う

地 域の方々との結びつ き を大切 にする

え合いに よ る取 組み づ く りである 「地域の

づ く りや地 域が元々っ ている力を 発 揮で き る よ う

地 域の多 様な資 源や豊 富な 人

を 活 用 した事 業 展 開で ある 「地 域のち から おこし」等 の事 業 展 開を図ってお り

すべ て の人のためのサ

ビス を

実施

し ている

 今

後も 地域

民 や商 店 街

校区社 協 等との 意 見 交 換 を重ね ながら

地 域 福 祉サ

ビス の モ

ル と し て

培っ た成 果や ノウハ ウは県 内 を はじ め、 全 国に普 及 さ せて いき たい と考 えて い る

6

) 県 民や企

業等

へ の

UD

1

UD

住 まいづ く り支援   「の森」 団 地 内に

UD

住 宅の指 針に沿っ て住 宅 を建て た場 合には

その

UD

の設 計 内 容につ い て

公 開を

件と し て

県が最 初の

1

年 間 分の利 子 相 当 額を

補助

して い る

 

また

平 成

17

10

月か ら

全国

の取 組み と し て

県 と住 宅 金 融 公 庫と地 元 民 間金 融 機 関 が連 携し て

熊 本 県

UD

住 宅 推 進 制 度 を 設 けて いる。 これ は

、動

き やすい間 取りや手 すりの設 置 等

熊 本 県の

UD

た し た住 宅の新 築や購入者を対 象に

SPECIAL  ISSUE  OF JSSD V()L13 No

4 2006  デ ザイ ン 学 研究 特 集 号  73

(7)

金利

軽減

な どの 優 遇 措 置を実 施 する もので あ る。

2

UD

製 品 開 発 や 販 路 拡 大へ 支 援   県工業 技 術セ ンタ

UD

製 品の 開 発 技 術に関 す る研 究を企 業 等と

緒に行っ た り

民 間が独 自に

UD 製

品を開 発す る場 合に経 費の

部 を 助 成 する事

や 展 示

へ の出展 経 費の助 成 を行っ て い る

  また、 本 年 度 は新 たに

「く ま も と

UD

商 品 化 支 援 委 員 会」を 設 置した

これは

産 学 官の

UD

専 門 家で構 成 する

委員

会が

か ら

UD

を目指 す

品を募 集し

、UD

観 点か ら

よ り良い商 品 化に

け た具 体 的な改 善 事 項な どの ア ドバイス を 行い

熊 本 発の優 れ た

UD

商 品 と して発 信で き る よ う支

を行 う もの である

 

UD

と地 場 産 業が

びつ いた例と し て

 

UD

陶 器 が あ る

熊 本 県の伝 統 的な工芸 品と して、 小 代 焼と い うのが あ る が

平 成

14

年 度 から窯 元 が

UD

を学 習 し、 陶 器の

UD

化に取り組んで い る

利用者との対 話による商 品 改 良により

高い評 価を得る もの も で て き て お り

販売につ い て は

NPO

と連 携 し

販 路 拡 大に取り組んでい る。

3

) 観 光にお ける

UD

  観 光につ い ても

UD

に力を 入 れ よ う とい うことで

齢者

障害者

な ど をモ ニ タ

と し て

熊 本に お招 き し

県 内の観 光 地 を回って いた だ き

ご意 見をい ただく 「観 光くまも と

UD

推 進 事 業」 を実 施 して い る。 これは

高齢 者や障

者を

め た すべ ての人 が 楽 し く

しか も自 由に旅 行で き る よ う に

、UD

の視

で の

し い旅 行 商 品をつ く ること を目指 すもの で あ り

既に旅 行 会 社 が 商 品 化 した もの もある

4

UD

ア ドバ イザ

派 遣

 

企 業 あるいは団 体に お け る

UD

進を図るた め

ア ドバ イザ

派 遣 事 業を実 施して い る

これ は

UD

の視 点 からのア ドバイス を希 望 する企 業 あるい は団 体に対し

県の予 算で

UD

の専 門 家 等を派 遣し

各 種ア ドバ イ ス を行う もので あ る

。本

年 度は

11

件 の企 業

団体に派 遣

ま た は派

を予

してお り

泉街

の活

化 や 木 材 加工分 野に おける

UD

の取 組 みなど に専 門的 なア ドバイス をいた だい て いる とこ ろである

7

UD

啓発、

材養

成   これ ま で各 種 講 演 会 や 広 報 誌 等を通じ

、UD

の県 民へ の普 及 啓 発を実 施 してきた。   平 成

13

2

月に実 施 した県民 ア ン ケ

ト調査で は

UD

の 言 葉を知っ てい る 人の率 (

UD

認 知

) は

52

1

% で あっ た が

成17

2

月に

施し た 調査 で は

81

5

% と な り

全 体の

8

割 を超え

県 民 に

UD

の言 葉は浸 透 しつ つ ある。 し か し

 

UD

の考 え 方や意 味を知っ て い る人の 率 (

UD

理解 率 )は

38

1

% で あ り

、未

分と は言え な い状 況で あ る

 

その た め

、今後、

県 民に

UD

の考え方 や 意 味を伝 え てい くこと が課 題で あり

県 民に

UD

の考 え 方 や 意 味を伝 える取 組み の

環と し て

年 2

月 に は

UD

に関 する講 演 会や製品の 示等を行う 「く ま も

UD

フ ォ

ラ ム

2006

」 を開催し た

 

その

子ど も

に対する

UD

の普 及 啓 発を図 るため

子ど も達に

UD

に関 する壁 新 聞や アイ デア 画 な どの作品 を提 出し て も らい

品に は

彰を行う 「こ ども

UD

大 賞」 を実 施 し た とこ ろ

、多

数の応

が あっ た ところ で あ る

 

ま た

、UD

を学 びたい学 校や 団体 等に対して

職 員 が 出 か け

、UD

の講 義を行 う県 庁 出 前 講 座 等 も実 施し ている

 

人材 育 成に関し

地 域や企

業、

体 内

で の

UD 推

進 リ

を養 成 する た め

市 町 村 職 員

企 業

NPO

等の方々を対 象に

UD

専 門 講 座を 開 設して い る

参 加 者には

UD

に関 し

ク シ ョ ップ形式を 含め た数回の講 座を受 講し ていただいて お り

これ ま で約

90

人 が 受講し てい る

4 .

民 間における

UD

の主 な 取 組み   熊 本 市にある健 軍 商 店 街は

ユ ニ バ

サ ルデ ザイ ン ショ ップ

あ るいはユ ニ ショ ッ プのま ち と

ばれ て お り

これ ま で

も が

心 して買い

し め る よ う電 動スク

を無 料で貸し出したり

地 元の タ クシ

ー会

社と連 携して

客の購入品を安い料 金で 自宅 まで配 達 するな どの取 組み を行っ てき た が

さ 74 SPECIAL ISSUE  OF JSSD V〔)1

13 NQ

4 2006  デザイ ン学研 究 特集 号

(8)

ら に

NPO

法人 と

連携

し て

買い物 ボランテ ィアヘ ル パ

を育 成 するな どの取 組み に よ り商店 街で の買 い物を ト

タル でサポ

トする仕 組み を構 築 する こ と と して いる。 (写真

13

) 写真

13

 健軍商 店 街

 

ま た

熊 本 市 内に あ る タ クシ

ー会

社は

誰も が利 用し や すいサ

ビス の実 現を目指し て

車 両に工夫 を 重ね

車いすな ど様々なニ

ズに対 応で きる

UD

タ クシ

を全国で初め て導入し

運 行し て い る

ワ ゴ ン タ イプの車両 に

スロ

がつ いた ものや電 動 リフ トがつ いた もの と か が あ り

車いす だ けで な く 自転 車も

にのせ ること が で き

し か も

普 通の タ クシ

料 金で運 行して い る とい うの が 特 徴であ り

現 在

非 常に人気があるタ クシ

になっ て い る

こ の

UD

タ ク シ

に よ り

タ ク シ

会 社は

平 成

15

年 度の 「バ リ アフリ

化 推 進 功 労 者 表 彰 (内 閣官 房 長

表 彰)」 を受

し て い る

(写 真

14

5

,今

後の課 題 等につ い て   本 県にお ける

UD

の取 組みは 「く ま も と

UD

振 興 指 針

i

に沿っ て行わ れてき た が

、指

後、 3

年 経過 し たこと も あ り

県政 全 般に わ たっ て

UD

を さ ら に推 進し ていく た め

平 成

17

10

指 針の 各 分 野

44

項 目につ い て

目標 年 度 や 目標 数 値 を新 たに定 め、 現 状の把 握

分 析を行っ た。

 

その結果

県 民の

UD

認知 率は

年、着

実に 上 がっ て お り

県民 に

UD

葉は 浸透しつ つ あ る が

UD

理 解 率は

未 だ 十 分と は言え

ず、

 

UD

県 民 もっ と身 近で分か り易く伝え る取 組み を

層 協 力に 進 めて い くことや、 既 存の公 共 交 通 機 関 等の

UD

化 は や や

れぎみで あ り

係事業者

や 民間にお け る

UD

化の取組み を さ ら に積 極 的に進め る 必要が あ る こ と等が指 摘さ れ

今 後の 各 種

UD

施 策に反 映さ せ ていくこと と し ている

  最 後に、 熊 本 県では、 第

4

UD

全 国 大 会を平 成

19 年

はじめに開催 する予定で あ り

ユ ニ バ

サ ル 社 会の形成に向け

有 意 義な大 会に し たいと考え て い るので

全 国のさ ん に は多 数ご参 加い た

きた く

お待ち申し 上げている

  熊 本 県

UD

ムペ

ジ ア ドレス

 http

://www

pref

ユcumamoto

jp

/ud / 写 真

14

 

UD

タ クシ

SPECIAL  ISSUE  OF  JSSD  V〔)L13  No

4 2006 デ ザイ ン学研究特 集号 75

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