法 華 宗 要 に お け る 一 乗 説 に つ い て ( 任) 一 六 二
法
華
宗
要
に
お
け
る
一
乗
説
に
つ
い
て
任
禺
植
法
華
宗
要
は
韓
半
島
で
著
述
さ
れ
た
四
編
の
現
存
法
華
註
釈
書
の
中
で、
法
華
数
学
史
上
に
お
け
る
三
一
権
実
・
会
三
会
二
な
ど
に
言
及
し
て
い
る
唯
一
の
も
の
で
あ
る。
と
こ
ろ
で
法
華
宗
要
(
以
下
宗
要
と
称
す)
の
著
者
で
あ
る
元
暁
は
仏
意
の
至
公
を
開
い
て、
百
家
の
異
諄
を
和
解
す
る
こ
と
に
つ
と
め
た
と
い
う
こ
と
で
学
界
で
和
謹
思
想
家
と
し
て
知
ら
れ
て
い
る。
そ
の
彼
が
中
国
と
日
本
に
お
い
て
大
論
争
と
な
つ
た
上
記
の
よ
う
な
問
題
に
ど
の
よ
う
な
理
解
を
示
し
て
い
た
か
を
宗
要
に
お
け
る
一
乗
説
を
通
じ
て
考
え
て
見
た
い。
宗
要
は
五
門
に
分
別
し
て
述
べ
ら
れ
て
い
る。
そ
の
第
二
弁
経
宗
に
お
い
て
法
華
経
は
﹁
一
乗
実
相
﹂
を
所
詮
の
宗
と
な
す
と
い
い、
一
乗
実
相
を
能
乗
人
と
所
乗
法
と
に
二
分
し、
所
乗
法
を
更
に
ま
た
四
分
し
て
一
乗
の
の
意
味
を
解
釈
す
る。
即
ち
人
一
・
理
教
一
・
因
一
・
果
一
の
五
一
で
あ
る。
こ
れ
は
道
生
の
﹃
法
華
経
疏
﹄
に
お
け
る
因
果
人
或
は
桟
教
理
の
三
一、
法
雲
の
﹃
法
華
経
義
記
﹄
に
お
け
る
理
教
機
人
(大
33
備
上)
の
四
一、
天
台
の
﹃
法
華
文
句
﹄
に
お
け
る
教
行
人
理
の
四
一
(大
34
51
上)
等
の
一
乗
義
の
分
説
に
相
当
す
る。
以
上
諸
家
の
一
乗
説
の
綱
目
だ
け
を
見
て
も
わ
か
る
よ
う
に
一
乗
の
意
味
の
解
釈
が
各
々
異
な
る
こ
と
が
う
か
が
え
る。
こ
れ
ら
の
教
学
的
比
較
は
紙
数
の
都 合 上 省 略 し、 純 ら 宗 要 の 一 乗 が そ の 根 拠 と す る と こ ろ は 何 か を 見 る こ と に す る。 宗 要 は 法 華 一 乗 即 ち 一 切 皆 成 の 根 拠 を 上 記 五 一 中 ﹁ 理 一 ﹂ ( 一 理 性) と 見 て い る こ と が 次 の 例 で 明 ら か で あ る。 即 ち 第 三 門 能 詮 用 の 三 分 説 中、 同 時 開 示 の 四 勝 用 の ﹁ 破 三 立 一 ﹂ に お い て 四 種 の 三 ( 三 教 ・ 三 人 ・ 三 因 ・ 三 果 の 所 執 の 相) を 破 し て、 四 種 の 一 ( 一 教 ・ 一 人 ・ 一 因 ・ 一 果 の 能 執 の 見) を 遣 え て 一 乗 真 実 を 建 立 す る と い い、 テ ヲ ジ テ ヌ ノ ヲ テ ノ ノ ジ ク ヲ ニ 続 い て ﹁ 立 二 一 理 性 一通 破 二 四 三 一以 二 四 一 皆 同 一 乗 理 一故 ﹂ (大 34 脳 シ テ ノ ノ ヲ 上) と 述 べ て い る し、 又 会 三 帰 一 に つ い て ﹁ 会 ご 昔 所 レ 説 三 乗 因 果 ↓ セ シ ム ガ ノ ニ ニ 帰 二 於 本 一 乗 理 一故 ﹂ ( 脇 上) と い い、 又 開 義 の 所 開 の 門 に お い て テ ニ リ ニ ク ハ ヲ ズ ニ 三 乗 方 便 の 四 義 に つ い て ﹁ 於 一二 乗 理 一権 説 二 方 便 一 非 -一 真 実 説 一 ( 躍 下) と も 述 べ て い る と こ ろ か ら 察 す る に、 宗 要 の 一 乗 説 は 一 乗 理 た る 一 理 性 に 基 づ て い る こ と が 明 ら か で あ る。 こ の 一 理 性 と は い か な る 意 味 か。 宗 要 は 一 乗 理 を 一 法 界 ・ 法 身 ・ 如 来 蔵 の 同 意 語 で あ る と い い、 そ の 説 明 に 当 り ﹁ 法 界 の 性 ﹂ ・ ﹁ 法 身 の 性 ﹂ ・ ﹁ 如 来 蔵 の 性 ﹂ 等 と な ら べ て い る と こ ろ か ら 見 る と こ れ ら の 上 記 三 用 語 の 同 一 共 通 概 念 と し て ﹁ 性 ﹂ を 認 め、 こ れ を ﹁ 理 性 ﹂ と 言 い か え、 そ し て 一 乗 の 性 と 言 つ た こ と が わ か る。 と こ ろ で 五 一 の 因 一 に は 仏 性、 こ の 理 一 に は 如 来 蔵 を 当 て て い る の を 見 る と 仏 性 と 如 来 蔵 の 両 用 語 を 使 い 分 け て い る こ と に 気 が つ く。 仏 性 と 如 来 蔵 の 両 用 語 は 普 通 同 じ 意 味 に 使 わ れ る こ と が 多 い が 元 暁 は 別 に 見 る こ と が 他 の 著 述 に も 見 ら れ る。 即 ち ﹃ 浬 墾 宗 要 ﹄ の 仏 性 門 に お い て 仏 性 の 本 質 を 論 じ る 中 で ノ ハ ニ レ ナ リ ノ ハ テ ヲ ス ル ガ ヲ ニ テ ク ル キ ガ ﹁ 仏 性 体 正 是 一 心 一 心 性 遠 二離 諸 辺 一遠 二 離 諸 辺 一故 都 無 レ 所 レ 当 無 ル ニ シ ザ ル ラ レ 所 レ 当 故 無 レ 所 レ 不 レ 当 ﹂ (大 38 胸) と 仏 性 の 体 を 一 心 で あ る と い う。 ト ハ ヅ ク こ の 一 心 と は い か な る 意 味 か。 彼 の 著 ﹃ 起 信 論 疏 ﹄ に 一 心 者 名 二如-647-ト 来 蔵 こ (大 44 踊 下) と い う の で 前 文 と 照 合 せ ば 仏 性 の 体 を 如 来 蔵 と 考 え て い た こ と が わ か る。 こ の こ と は 元 暁 が 仏 性 と 如 来 蔵 の 原 義 を 区 別 し て 理 解 し て い た こ と を 示 す も の と 思 わ れ る。 以 上 で 宗 要 の 一 乗 五 一 説 の 意 味 の 関 連 を ま と め る と 理 と し て 如 来 蔵 ( 理 一) が 一 切 衆 生 ( 人 一) に 平 等 に 備 わ っ て い る の が 仏 性 ( 因 一) で あ り、 仏 の 教 え (教 一) に よ っ て そ れ に 目 ざ め て 成 仏 (果 一) す る の で あ る、 と い う こ と に な ろ う。 こ れ よ り 見 る に 元 暁 は 法 華 一 乗 道 の 根 拠 を 理 と し て は 如 来 蔵、 因 と し て は 仏 性 と 見 て い た こ と が わ か る。 ﹃ 法 華 経 ﹄ に 仏 性 の 語 は ま だ 現 わ れ て い な い の に、 法 華 一 乗 を 仏 性 に ま で 拡 大 解 釈 し て い る の は 引 用 文 献 か ら 見 て ﹃ 法 華 論 ﹄ に よ る も の と 思 わ れ る。 次 に 一 乗 と 三 乗 と の 関 係 に つ い て、 元 暁 は ど の よ う な 見 解 に 立 っ て い た か そ の 一 端 を 見 る こ と に す る。 一 乗 と 三 乗 と の 関 係 は 妙 法 と の 関 連 に お い て 初 述 大 意 門 中 で す で に 論 じ ら れ て お り、 こ こ に 元 暁 が 考 え て い た 一 乗 と 三 乗 と の 関 係 が 端 的 に 示 め さ れ て い る と 思 わ れ る の で、 先 ず そ れ よ り 見 る こ と に す る。 ﹁ 文 巧 義 深。 辞 敷 理 泰 ﹂ の 八 字 を 組 み 合 わ せ な が ら ﹃ 法 華 経 ﹄ が ﹁ 妙 法 蓮 華 ﹂ と 称 せ ら れ る わ け を 述 べ た 後、 乗 身 権 実 と そ の 実 相 の 理 に つ い て、 ト モ ハ ナ レ バ レ ヵ ユ シ テ レ カ ナ ル ハ ナ レ バ カ ニ シ テ カ ナ ル ノ ニ ハ