2-category
alg-d
http://alg-d.com/math/kan_extension/
2019
年
1
月
1
日
※ このPDFではf ◦gのように,一部の記号で色を使用していますが,色が分から なくても問題無いようにはなっています.定義はここやここを参照.圏の圏Cat では,対象C, D ∈ Cat に対してHomCat(C, D) も圏になるのであった
(関手が対象,自然変換が射).このようにHomがまた圏となるような圏を2-categoryと いう.
目次
1 定義 1 2 米田 32 3 Coherence 71 4 lax, oplax 73 5 2-categoryの中での随伴・Kan拡張 801
定義
まずは定義を述べ,詳しい説明は追々していくことにする.(1) 集まりOb(B)が与えられている.Ob(B)の元を対象(もしくは0-cell)と呼ぶ.
(2) 各対象a, b∈ Bに対して圏B(a, b)が与えられている.
(3) 各対象a, b, c ∈ B に対して関手Mabc: B(b, c) × B(a, b) → B(a, c)が与えられて いる. (4) 各対象a∈ Bに対して関手Ia: 1→ B(a, a)が与えられている. (5) 各対象a, b, c, d∈ Bに対して次の自然同型αabcdが与えられている. B(c, d) × B(b, c) × B(a, b) B(b, d) × B(a, b) B(c, d) × B(a, c) B(a, d) ===⇒ αabcd ∼ Mbcd×id Mabd id×Mabc Macd (6) 各対象a, b∈ Bに対して次の自然同型λab, ρabが与えられている. 1× B(a, b) B(a, b) B(b, b) × B(a, b) λab = ⇒ ∼ ∼ = Ib×id Mabb B(a, b) × 1 B(a, b) B(a, b) × B(a, a) ρab = ⇒ ∼ ∼ = id×Ia Maab (7) 次の自然変換の等式が成り立つ.(スペースの都合上,Bcba := B(b, c) × B(a, b)等 の略記を行った.) Bedcba Becba Bedca Bedba Beba Beda Bea Mcde×id × id Mbce×id id×Mbcd×id id× id ×Mabc id×Macd ===⇒ αbcde×id ===⇒ id×αabcd Mbde×id Mabe id×Mabd Made ===α ⇒ abde = Bedcba Becba Bedca Bace Beba Beda Bea Mcde×id × id id×Mabc id× id ×Mabc Mcde×id === Mbce×id Mabe Mace id×Macd Made ===α ⇒ abce ===α ⇒ acde
(8) 次の自然変換の等式が成り立つ. Bcba Bcbba Bcba Bcba Bca Mbbc×id Mabc id×Mabb Mabc ===α ⇒ abbc id id id×Ib×id ===⇒ (ρbc)−1×id ===⇒ id×λab = Bcba Bcba Bcba Bca Mabc Mabc id id ===
またαabcd, λab, ρabが全て恒等変換のとき,strict 2-categoryという.*1
Bをbicategory,a, b ∈ Bを対象とするときB(a, b)は圏である.この圏の対象f をB
の1-morphism (もしくは1-cell)と呼ぶ.このときaをf のdomain,bをfのcodomain
と呼び,記号ではf : a → bと表す.また圏B(a, b)の射 β をBの2-morphism (もしく
は2-cell)と呼ぶ.β の(圏B(a, b)の射としての) domainがf,codomainがgのとき記
号ではβ : f ⇒ gと表す.f, g : a → bであることも明示する場合はβ : f ⇒ g : a → bと 表す.図式では次のように書く. a ⇐β b f g f, g, h : a→ bを1-morphism,β : f ⇒ g,γ : g⇒ hを2-morphismとする.β, γ は圏
B(a, b) の射だから合成することができる.この合成を垂直合成(vertical composition)
と呼び,ここではγ∗ β と書く*2.図式で書くと次のようになる. a ⇐ b β ⇐ γ f g h = a γ∗β ⇐= b f h
*1strict 2-categoryを単に2-categoryという事も多い.
*2垂直合成(や後に述べる水平合成)の決まった記号というのは特に無いようで,論文によっても記号が異 なる.
今度はf, g : a → bとk, l : b→ cを1-morphism,β : f ⇒ g,γ : k⇒ lを2-morphism
とする.関手 Mabc により Mabc(γ, β) : Mabc(k, f ) ⇒ Mabc(l, h)を考えることができ る.これを水平合成(horizontal composition)と呼ぶ.k ◦ f := Mabc(k, f ),γ • β := Mabc(γ, β)と書く. a ⇐β b ⇐ γ c f g k l = a ⇐γ•β c k◦f l◦g
またMabc(k,−): B(a, b) → B(a, c),Mabc(−, f): B(b, c) → B(a, c)も関手である.こ
れをk• − := Mabc(k,−),− • f := Mabc(−, f)のように書くことにする.この記号を 使えばk• β = idk•β,γ • f = γ • idf である.
Mabc(γ,−): Mabc(k,−) ⇒ Mabc(l,−),Mabc(−, β): Mabc(−, f) ⇒ Mabc(−, g) は 自然変換である.これもγ• − := Mabc(γ,−),− • β := Mabc(−, β)のように書くこと にする.(γ• −)f = γ• f,(− • β)k = k• βである. また次の図式の状況の時 a β ⇐ b c ⇐ γ ⇐ σ ⇐ τ f g h k l m
Mabc: B(b, c)×B(a, b) → B(a, c)が関手であることから(τ∗σ)•(γ ∗β) = (τ •γ)∗(σ •β) が成り立つことが分かる.(これをinterchange lawという.) a b c ⇐ = γ∗β ⇐ = τ∗σ f h k m = a σ•β ⇐ c ⇐ τ•γ k◦f l◦g m◦h さて,bicategoryの定義の条件7は自然変換の等式だから,自然変換の各成分が等しけ ればよい.即ち,任意の対象⟨k, h, g, f⟩ ∈ B(d, e) × B(c, d) × B(b, c) × B(a, b)に対して, 圏B(a, e)における射の等式
Made(idk, αabcdhgf )◦ α abde
k,Mbcd(h,g),f ◦ Mabe(αbcdekhg, idf) = αacdek,h,Mabc(g,f )◦ α
abce
が成り立つという条件と同等である.これは上記の記号を使うと
(k• αabcdhgf )∗ αabdek,h◦g,f ∗ (αbcdekhg • f) = αacdek,h,g◦f ∗ αabcek◦h,g,f
となる.これは圏B(a, e)における図式として書けば,次の可換性を示している. ((k◦ h) ◦ g) ◦ f (k◦ (h ◦ g)) ◦ f (k◦ h) ◦ (g ◦ f) k◦ ((h ◦ g) ◦ f) k◦ (h ◦ (g ◦ f)) αbcdekhg•f αabdek,h◦g,f k•αabcd hgf αabcek◦h,g,f αacdek,h,g◦f 同様に,8は (g• λf)∗ αabbcg,idb,f = ρg• f となり,図式として書けば次の可換性を示している. (g◦ idb)◦ f g◦ (idb◦f) g◦ f αabbcg,idb,f g•λf ρg•f bicategoryでは,αにより同型(h◦ g) ◦ f ∼= h◦ (g ◦ f) 等が与えられることになる.こ のαにより,例えば同型((l◦ k) ◦ (h ◦ g)) ◦ f ∼= l◦ (k ◦ ((h ◦ g) ◦ f))などが得られるの であるが,一般にこのような同型をα から得る方法は複数あることになる.というのも, 射が4つの場合でも既に,同型((k◦ h) ◦ g) ◦ f ∼= k◦ (h ◦ (g ◦ f))は上記の五角形の図 式のように二つあるからである.つまり,何も条件が無ければこのような同型は自然には 定まらないことになる.λとρについても同様である.そこでbicategoryの条件として 「α, λ, ρによって複数の同型が得られる場合,それらは常に一致する」という条件を付け 加えたいわけである.これをcoherence条件という.ところが実は,coherence条件は上 記の(五角形と三角形の)二つの図式の可換性さえ認めてしまえば,証明できることが分 かっている(coherence定理).そこでbicategory の条件としてこの二つを入れているの である.coherence定理は後で証明する(系28).
例 1. Catはstrict 2-categoryになる.まず圏A, Bに対してCat(A, B) := BAと定義
換の水平合成で定義する.即ち A ⇐ β B ⇐ γ C F G K L のとき,a ∈ Aに対して MABC(γ, β)a := γGa◦ K(βa)である.このとき次の図式は可 換である. DC × CB× BA DB× BA DC × CA DA MBCD×id MABD id×MABC MACD 1× BA BA BB× BA = IB×id MABB BA× 1 BA BA× AA = id×IA MAAB よってαABCD, λAB, ρAB として恒等変換を取ることができる.故にbicategory の定義 の条件7, 8は明らかに成り立つからCatはbicategoryである.αABCD, λAB, ρAB が恒 等変換だからCatはstrict 2-categoryである.
例 2. 圏はHomを離散圏と見なすことでstrict 2-categoryになる.
例 3 (fundamental 2-groupoid). 位相空間X に対して以下のように定めるとbicategory
Π2(X)が得られる.このbicategoryをfundamental 2-groupoidという.
• 点a∈ X を対象とする.即ちOb(Π2(X)) := X である. • a ∈ X からb∈ X への道f : [0, 1]→ Xをaからbへの1-morphismとする. • 道f : a → b から g : a → b へのホモトピーを 2-morphism とする (但しホモト ピー同値な2-morphismは同じものと見なす).これによりa, b ∈ X に対して圏 Π2(X)(a, b)が定まる. • f : a → b,g : b→ cに対して合成g◦ f : a → cを g◦ f(t) := f (2t) ( 0≤ t ≤ 1 2 ) g(2t− 1) ( 1 2 < t≤ 1 )
で定義する.これは関手Mabc: Π2(X)(b, c)× Π2(X)(a, b) → Π2(X)(a, c) を与 える. • a f −→ b g − → c h −→ dとする.連続写像αhgf: [0, 1]× [0, 1] → X を αhgf(s, t) := f ( 4t 2− s ) ( 0≤ t ≤ 2− s 4 ) g(4t− 2 + s) ( 2− s 4 < t≤ 3− s 4 ) h ( 4t− 3 + s 1 + s ) ( 3− s 4 < t≤ 1 ) により定める. 0 t s 1 1 1 2 3 4 f g h これはαhgf: (h◦ g) ◦ f ⇒ h ◦ (g ◦ f)である.このαhgf はf, g, hについて自然 な同型である. • a ∈ X に対してida: a → aはida(t) := aで定まる道ida: [0, 1]→ X とする. • f : a → bに対してλf: idb◦f ⇒ f とρf: f◦ ida ⇒ f を λf(s, t) := f ( 2t 1 + s ) ( 0≤ t ≤ 1 + s 2 ) a ( 1 + s 2 < t≤ 1 ) ρf(s, t) := a ( 0≤ t ≤ 1− s 2 ) f (2t− 1 + s) ( 1− s 2 < t≤ 1 ) により定める.これはf について自然な同型である. • これらは条件7,8を満たす. 以上によりΠ2(X)はbicategoryである.
例 4. C をpullbackを持つ圏とする.このとき圏Cのspanがなすbicategory Span(C)
を以下のように定めることができる.
• Ob(Span(C)) := Ob(C)とする.
• aからbへの1-morphismはaからbへのspan,即ち図式a ←− ff0 −→ bf1 とする.
• 2-morphismはspanの射とする.これにより対象a, b∈ Cに対してSpan(C)(a, b)
は圏になる. • a f0 ←− f f1 −→ bとb←− gg0 −→ cg1 の合成a← g ◦ f → cを,pullbackを使って次の図 式で定める. g◦ f f g a b c f0 f1 g0 g1 p.b.
これは関手Mabc: Span(C)(b, c)× Span(C)(a, b) → Span(C)(a, c)を与える. . ..) β : f ⇒ g : a → b,γ : k⇒ l : b → cに対してMabc(γ, β) をpullbackの 普遍性で得られる次の点線の射で定義する. k◦ f f k a b c g l l◦ g β γ pullbackの普遍性から,このMabc が関手となることは容易に分かる. • a −→ bf −→ cg h −→ dとする.αhgf: (h◦ g) ◦ f ⇒ h ◦ (g ◦ f)をpullbackの普遍性に
より定める. (h◦ g) ◦ f h◦ (g ◦ f) g◦ f h◦ g f g h a b c d αhgf これはf, g, hについて自然である. . ..) β : f ⇒ f′,γ : g⇒ g′,δ : h⇒ h′ として (δ• (γ • β)) ∗ αhgf = αh′g′f′ ∗ ((δ • γ) • β) を示せばよいが,それは普遍性により分かる. (h◦ g) ◦ f h◦ (g ◦ f) g◦ f h◦ g f g h a b c d f′ g′ h′ g′◦ f′ h′◦ g′ (h′◦ g′)◦ f′ h′◦ (g′◦ f′) αhgf β γ δ αh′ g′ f ′ γ•β δ•γ (δ•γ)•β δ•(γ•β) また普遍性から明らかに,αhgf は同型である. • a ida ←−− a ida −−→ aをidaとする. • f : a → bに対してλf: idb◦f ⇒ f とρf: f ◦ ida ⇒ f をpullbackの射影により
定める. idb◦f f idb a b b λf f◦ ida ida f a a b ρf λf,ρf はf について自然な同型である. • pullbackの普遍性により,条件7,8が成り立つ. 以上によりSpan(C)はbicategoryである. 例 5. Bをbicategoryとする.このとき,次のように定めた⟨Bop, Mop, αop, λop, ρop⟩は bicategoryを与える. • Ob(Bop) := Ob(B). • a, b ∈ Bに対してBop(a, b) :=B(b, a).
• a, b, c ∈ Bに対して,関手(Mop)abc: Bop(b, c)× Bop(a, b)→ Bop(a, c)を B(c, b) × B(b, a) = B(b, a) × B(c, b) Mcba −−−→ B(c, a) で定める. • a, b, c, d ∈ Bに対して,自然同型 Bop(c, d)× Bop(b, c)× Bop(a, b) Bop(b, d)× Bop(a, b) Bop(c, d)× Bop(a, c) Bop(a, d) ===⇒ (αop)abcd ∼ (Mop)bcd×id (Mop)abd id×(Mop)abc (Mop)abd を B(b, a) × B(c, b) × B(d, c) B(b, a) × B(d, b) B(c, a) × B(d, c) B(d, a) ===⇒ (αdcba)−1 ∼ id×Mdcb Mdba Mcba×id Mdca
で定義する. • (λop)ab := ρba,(ρop)ab := λba とする. また,次のように定めたBcoもbicategoryである. • Ob(Bco) := Ob(B) • Bco(a, b) :=B(a, b)op よってBcoop := (Bco)opもbicategoryである. さて,後で必要となる補題をいくつか証明しておく.(これらの補題はcoherence条件 の例である.)
補題 6. bicategory Bの1-morphism f : a → b,g : b → cに対して,圏B(a, c) におけ
る次の図式は可換である. (g◦ f) ◦ ida g◦ (f ◦ ida) g◦ f αaabcg,f,ida g•ρabf ρacg◦f 証明. ρac が自然同型だから,次の三角柱の図式の側面となる四角は全て可換である. ((g◦ f) ◦ ida)◦ ida (g◦ f) ◦ ida (g◦ (f ◦ ida))◦ ida (g◦ f) ◦ ida g◦ f g◦ (f ◦ ida) αaabcg,f,ida g•ρabf ρacg◦f αaabcg,f,ida•ida
(g•ρabf )•ida ρacg◦f•ida ρac(g◦f)◦ida ρacg◦(f◦ida) ρacg◦f 今示したいのは底面部分の三角形の可換性だから,上面部分の三角形の可換性を示せばよ
い.その為に次の図式を考える.((∗∗)が今可換性を示したい部分である.) ((g◦ f) ◦ ida)◦ ida (g◦ (f ◦ ida))◦ ida g◦ ((f ◦ ida)◦ ida) g◦ (f ◦ (ida◦ ida)) (g◦ f) ◦ (ida◦ ida) (g◦ f) ◦ ida g◦ (f ◦ ida) αaabcg,f,ida•ida
αaabcg,f◦ida,ida
g•αaaabf,ida,ida αaaacg◦f,ida,ida αaabcg,f,ida ◦ ida
ρacg◦f•ida (g•ρabf )•ida αaabcg,f,ida g•(ρab f •ida) (g◦f)•λaaida g•(f•λaaida) (α) (α) (∗∗) (∗) (∗) (α)の部分はα が自然変換だから可換である.また(∗)の部分はbicategoryの定義の条 件8により可換である.また外側の五角形はbicategoryの定義の条件7により可換であ る.故に(∗∗)の部分も可換である. また,同様にして次の補題が成り立つ. 補題 7. f : a→ b,g : b→ cに対して次の図式は可換である. (idc◦g) ◦ f idc◦(g ◦ f) g◦ f αabccidc,g,f λacg◦f λbcg •f 証明. 補題6と同じように次の図式から分かる.(ここで,上付きの添え字は省略した.以 降,上付きの添え字は省略することがある.) idc◦((idc◦g) ◦ f) idc◦(idc◦(g ◦ f)) idc◦(g ◦ f) (idc◦g) ◦ f idc◦(g ◦ f) g◦ f αidc,g,f λg◦f λg•f idc•αidc,g,f idc•λg◦f idc•(λg•f) λ(idc ◦g)◦f idc•λ(g◦f) λg◦f
((idc◦ idc)◦ g) ◦ f
(idc◦(idc◦g)) ◦ f idc◦((idc◦g) ◦ f)
idc◦(idc◦(g ◦ f)) (idc◦ idc)◦ (g ◦ f) (idc◦g) ◦ f idc◦(g ◦ f) αidc,idc,g•f αidc,idc ◦g,f id•αidc,g,f
αidc ◦ idc,g,f αidc,idc,g◦f
(ρidc•g)•f (id•λg)•f αidc,g,f id•(λg•f) ρidc•(g◦f) id•λg◦f 補題 8. λida = ρida: ida◦ ida ⇒ idaである. 証明. 補題6と同様に,ida•λida = ida•ρida を示せばよい.まずρの自然性から ida◦ ida (ida◦ ida)◦ ida ida◦ ida ida ida◦ ida ida ρida ◦ ida ρida ρida•ida ρida ρida
となるが,ρida は同型だからρida◦ ida = ρida• idaが分かる.よって,bicategoryの定義
の条件8と補題6を使えば
(ida◦ ida)◦ ida
ida◦(ida◦ ida) ida◦(ida◦ ida)
ida◦ ida ρida•ida ρida ◦ ida
αida,ida,ida
ida•λida
αida,ida,ida
ida•ρida
が可換となる.αida,ida,ida が同型であることからida•λida = ida•ρida が分かる.
関手のbicatgory版がpseudofunctorである.
定義. B, C を bicategory とする.pseudofunctor (もしくは weak 2-functor もしくは
homomorphism) F :B → C とは以下を満たすことである.
(1) 関数F : Ob(B) → Ob(C)が与えられている.
(3) 各対象a, b, c∈ Bに対して次の自然同型φabc が与えられている. B(b, c) × B(a, b) C(F b, F c) × C(F a, F b) B(a, c) C(F a, F c) Fbc×Fab MF a,F b,F c =⇒ φabc ∼ Mabc Fac よって⟨g, f⟩ ∈ B(b, c) × B(a, b)に対してφabcgf : F g◦ F f ⇒ F (g ◦ f)はC の同型 な2-morphismである. (4) 各対象a∈ Bに対してC の同型な2-morphism ψa: idF a ⇒ Faa(ida)が与えられ ている. (5) Bの1-morphism a −→ bf −→ cg −→ dh に対して次のC(F a, F d)の図式が可換である. (F h◦ F g) ◦ F f F (h◦ g) ◦ F f F ((h◦ g) ◦ f) F h◦ (F g ◦ F f) F h◦ F (g ◦ f) F (h◦ (g ◦ f)) φhg•F f φh◦g,f F (αhgf) αF h,F g,F f F h•φgf φh,g◦f これは,αを省略して書けば,次のC の図式で表される. F b F c F a F d = =⇒ φabcgf = = =⇒ φacdh,g◦f F f F g F h F (g◦f) F (h◦(g◦f)) F b F c F a F d =⇒ φbcdhg = = =⇒ φabdh◦g,f F f F g F h F (h◦g) F ((h◦g)◦f) (6) Bの1-morphism f : a→ bに対して次のC(F a, F b)の図式が可換である. idF b◦F f F f F (idb)◦ F f F (idb◦f) λF f F (λf) ψb•F f φabbidb,f F f ◦ idF a F f F f ◦ F (ida) F (f◦ ida) ρF f F (ρf) F f•ψa φaabf,ida
これはC の図式で書けば次のようになる. F b F a F b = = ⇒ ψb = = =⇒ φabbidb,f =⇒ F (λf) F f idF b F (idb) F (idb◦f) F (f ) F b F a F b = = = = =⇒ λF f F f idF b F (f ) F a F a F b = =⇒ψa = = =⇒ φaabf,ida =⇒ F (ρf) F (ida) idF a F f F (f◦ida) F f F a F a F b = = = = =⇒ ρF f idF a F f F f
更に,各φabc とψaがidとなるとき,F をstrict 2-functor (もしくはstrict
homomor-phism)と呼ぶ.
pseudofunctorでは,関手の条件(F (g◦f) = F g◦F f,F (id) = id)が同型であればよい
というように弱められており,代わりに条件5, 6が追加されている.条件5は,bicategory の構造の1つであるαをF が保つという条件である.つまり,a −→ bf −→ cg −→ dh をBの 1-morphismとしたときαは2-morphism αhgf: (h◦ g) ◦ f ⇒ h ◦ (g ◦ f)を与えるが,こ れをF で写したF (αhgf)がαF h,F g,F f: (F h◦ F g) ◦ F f ⇒ F h ◦ (F g ◦ F f)と一致する という条件である.但し,F (αhgf)とαF h,F g,F f ではdomainとcodomainが一致して いないのでφを使った調整が必要で,結果として定義の条件が得られる. 条件6についても同様である. 例 9. B, C をbicategory,F : B → Cをpseudofunctorとする.Fop を次のように定義 する. • a ∈ B に対してFop(a) := F (a).
• a, b ∈ Bに対して(Fop)ab を Bop(a, b) =B(b, a)−−→ C(F b, F a) = CFba op(F a, F b) により定める. • a, b, c ∈ Bに対して,同型 Bop(b, c)× Bop(a, b) Cop(F b, F c)× Cop(F a, F b) Bop(a, c) Cop(F a, F c) (Fop)bc×(Fop)ab (Mop)F a,F b,F c ====⇒ (φop)abc ∼ (Mop)abc (Fop)ac を B(b, a) × B(c, b) C(F b, F a) × C(F c, F b) B(c, a) C(F c, F a) Fba×Fcb MF c,F b,F a ====⇒ φcba ∼ Mcba Fca により定める. • a ∈ Aに対して(ψop)a:= ψaとする. このFop はpseudofunctor Bop→ Copを定める.
自然変換のbicategory版となるのがpseudonatural transformationである.
定義. F, G : B → C をpseudofunctor とする.F からG へのpseudonatural
transfor-mation θ : F ⇒ Gとは以下を満たすことである. (1) 各a∈ Bに対してC の1-morphism θa: F a→ Gaが与えられている. (2) 各a, b∈ Bに対して,次の自然同型θab が与えられている. B(a, b) C(Ga, Gb) C(F a, F b) C(F a, Gb) Gab −•θa ===⇒ θab ∼ Fab θb•−
故にf : a→ bのときθfab: Gf◦ θa⇒ θb◦ F f は同型な2-morphismである. F a Ga Gb Gb ⇐∼=θabf θa Gf F f θb (3) Bの1-morphism a −→ bf −→ cg に対して,次のC(F a, Gc)の図式は可換である. (Gg◦ Gf) ◦ θa Gg◦ (Gf ◦ θa) Gg◦ (θb◦ F f) (Gg◦ θb)◦ F f (θc◦ F g) ◦ F f θc◦ (F g ◦ F f) θc◦ F (g ◦ f) G(g◦ f) ◦ θa α ∼ Gg•θf α−1 ∼ θg•F f α ∼ θc•φgf φgf•θa θg◦f これは,αを省略して書けば,次のC の図式で表される. F a Ga F b Gb F c Gc θa Gf = ⇒ θf F f θb Gg = ⇒ θg F g θc F (g◦f) ⇐=φgf = F a Ga Gb F c Gc Gf Gg ⇐=φgf G(g◦f) θa = ⇒ θg◦f F (g◦f) θc (4) a∈ Bに対して次の等式が成り立つ. F a Ga F a Ga θa idGa = ⇒ λθa idF a θa θa = ⇒ ρ−1 θa F (ida) ⇐ ψa = F a Ga F a Ga idGa ⇐ ψa G(ida) θa = ⇒ θida F (ida) θa
pseudonatural transformationも,自然変換の条件となる可換図式が同型であればよ
いというように弱められていて,代わりにθab が合成等と可換になるという条件が付け加
わっている.
命題 10. B, Cをbicategory,F, G, H : B → Cをpseudofunctorとする.pseudonatural
transformation θ : F ⇒ G,σ : G ⇒ H に対して垂直合成σb◦ θ *3を,対象a ∈ B に対 して(σb◦ θ)a := σa◦ θaで定めれば,σb◦ θはpseudonatural transformation F ⇒ H と なる. 証明. まず θ, σ がpseudonatural transformation だから,次の自然同型が与えられて いる. B(a, b) C(Ga, Gb) C(F a, F b) C(F a, Gb) G −•θa =⇒ θab ∼ F θb•− B(a, b) C(Ha, Hb) C(Ga, Gb) C(Ga, Hb) H −•σa =⇒ σab ∼ G σb•− 次にbicategory C の定義から次の自然同型が得られる. C(Ga, Gb) C(Ga, Hb) C(F a, Gb) C(F a, Hb) σb•− −•θa =⇒ ασb,−,θa ∼ −•θa σb•− これらをあわせて次の図式を得る. B(a, b) C(Ha, Hb) C(Ga, Gb) C(F a, F b) C(Ga, Hb) C(F a, Gb) C(F a, Hb) =⇒ σab ∼ =⇒ θab ∼ =⇒ ασb,−,θa ∼ =⇒ α−1−,σa,θa ∼ =⇒ α−1 σb,θb,− ∼ H −•σa G σb•− −•θa F θb•− −•θa σb•− −•(σa◦θa) (σb◦θb)•− *3この命題や以降の命題で定義する合成の記号は,この後定義するbicategoryBbにおける◦, •, ∗がb◦,b•,b∗ となるように定義している.このようにbを付けて区別しなければいけない理由はない(文脈から判断で きるため)が,明示して区別した方が分かりやすいという主観的な感想からこのようにしている.
この合成により(σb◦ θ)ab を定める.即ちf ∈ B(a, b)に対して (σb◦ θ)abf := α−1σ b,θb,F f ∗ (σb• θ ab f )∗ ασb,Gf,θa ∗ (σ ab f • θa)∗ α−1Hf,σa,θa である.α を省略して書けば,(σb◦ θ)abf は次の図式の合成で与えられる2-morphismで ある. F a Ga Ha F b Gb Hb ⇐=θabf ⇐=σabf θa Gf F f θb σa Hf σb このσb◦θがpseudonatural transformationとなることを示そう.まず条件3を示す.そ
の為には次の図式が可換であることを示せばよい. H(g◦ f) ◦ (σa◦ θa) (H(g◦ f) ◦ σa)◦ θa (σc◦ G(g ◦ f)) ◦ θa σc◦ (G(g ◦ f) ◦ θa) σc◦ (θc ◦ F (g ◦ f)) (σc◦ θc)◦ F (g ◦ f) (Hg◦ Hf) ◦ (σa◦ θa) ((Hg◦ Hf) ◦ σa)◦ θa (Hg◦ (Hf ◦ σa))◦ θa (Hg◦ (σb◦ Gf)) ◦ θa ((Hg◦ σb)◦ Gf) ◦ θa ((σc◦ Gg) ◦ Gf) ◦ θa (σc◦ (Gg ◦ Gf)) ◦ θa σc◦ ((Gg ◦ Gf) ◦ θa) σc◦ (Gg ◦ (Gf ◦ θa)) σc ◦ (Gg ◦ (θb◦ F f)) σc ◦ ((Gg ◦ θb)◦ F f) σc ◦ ((θc◦ F g) ◦ F f) σc ◦ (θc◦ (F g ◦ F f)) Hg◦ (Hf ◦ (σa◦ θa)) Hg◦ ((Hf ◦ σa)◦ θa) Hg◦ ((σb◦ Gf) ◦ θa) Hg◦ (σb◦ (Gf ◦ θa)) Hg◦ (σb◦ (θb ◦ F f)) Hg◦ ((σb◦ θb)◦ F f) (Hg◦ (σb◦ θb))◦ F f ((Hg◦ σb)◦ θb)◦ F f ((σc ◦ Gg) ◦ θb)◦ F f (σc ◦ (Gg ◦ θb))◦ F f (σc ◦ (θc◦ F g)) ◦ F f ((σc ◦ θc)◦ F g) ◦ F f (σc ◦ θc)◦ (F g ◦ F f) α−1 σg◦f•θa α σc•θg◦f α−1 α−1 α•θa (Hg•σf)•θa α−1•θa (σg•Gf)•θa α•θa α σc•α σc•(Gg•θf) σc•α−1 σc•(θg•F f) σc•α Hg•α−1 Hg•(σf•θa) Hg•α Hg•(σb•θf) Hg•α−1 α−1 α−1•F f (σg•θb)•F f α•F f (σc•θg)•F f α−1•F f α φ•(σa◦θa) (φ•σa)•θa (σc•φ)•θa σc•(φ•θa) σc•(θc•φ) (σc◦θc)•φ α α α α−1 α−1 α−1 (α) (σ) (α) (θ) (α) (B) (α) (∗) (α) (B) (α) はα が自然変換であるから可換である.(B) はbicategoryの定義より可換である. (θ),(σ)はθ, σがpseudonatural transformationであるから可換である.(∗)は次の図
式により可換であると分かる.((α),(B)は上記と同じで,(∗∗)は明らかに可換である.) (Hg◦ (σb◦ Gf)) ◦ θa ((Hg◦ σb)◦ Gf) ◦ θa ((σc◦ Gg) ◦ Gf) ◦ θa (σc◦ (Gg ◦ Gf)) ◦ θa σc◦ ((Gg ◦ Gf) ◦ θa) σc◦ (Gg ◦ (Gf ◦ θa)) σc◦ (Gg ◦ (θb◦ F f)) σc◦ ((Gg ◦ θb)◦ F f) (Hg◦ σb)◦ (Gf ◦ θa) (σc◦ Gg) ◦ (Gf ◦ θa) (Hg◦ σb)◦ (θb◦ F f) (σc◦ Gg) ◦ (θb◦ F f) Hg◦ ((σb◦ Gf) ◦ θa) Hg◦ (σb◦ (Gf ◦ θa)) Hg◦ (σb◦ (θb◦ F f)) Hg◦ ((σb◦ θb)◦ F f) (Hg◦ (σb◦ θb))◦ F f ((Hg◦ σb)◦ θb)◦ F f ((σc◦ Gg) ◦ θb)◦ F f (σc◦ (Gg ◦ θb))◦ F f α−1•θa (σg•Gf)•θa α•θa α σc•α σc•(Gg•θf) σc•α−1 σg•(Gf◦θa) (σc◦Gg)•θf (Hg◦σb)•θf σg•(θb◦F f) Hg•α Hg•(σb•θf) Hg•α−1 α−1 α−1•F f (σg•θb)•F f α•F f α α α α−1 α−1 α−1 α α α−1 α−1 (B) (α) (B) (α) (∗∗) (α) (B) (α) (B) 次に条件4を示す.即ち,a ∈ Bに対して F a Ha F a Ha (σb◦θ)a idGa = ⇒ λ (σb◦θ)a idF a (σb◦θ)a (σb◦θ)a = ⇒ ρ−1 (σb◦θ)a F (ida) ⇐ψ = F a Ha F a Ha idGa ⇐ψ G(ida) (σb◦θ)a = ⇒ (σb◦θ)ida F (ida) (σb◦θ)a
を示す.その為には次の図式が可換であることを示せばよい. H(ida)◦ (σa◦ θa) (H(ida)◦ σa)◦ θa (σa◦ G(ida))◦ θa σa◦ (G(ida)◦ θa) σa◦ (θa◦ F (ida)) (σa◦ θa)◦ F (ida) idHa◦(σa◦ θa) (idHa◦σa)◦ θa (σa◦ idGa)◦ θa σa◦ (idGa◦θa) σa◦ (θa◦ idF a) (σa◦ θa)◦ idF a σa◦ θa α−1 σida•θa α σa•θida α α−1 α α ψ•(σa◦θa) (ψ•σa)◦θa (σa•ψ)•θa σa•(ψ•θa) σa•(θa•ψ) (σa•θa)•ψ λσa◦θa λσa•θa ρ−1σa•θa σa•λθa σa•ρ−1θa ρ−1 σa◦θa (α) (7) (σ) (α) (B) (θ) (α) (6) (α) はα が自然変換であるから可換である.(B) はbicategoryの定義より可換である. (θ),(σ)はθ, σ がpseudonatural transformationであるから可換である.(6) は補題6 から,(7)は補題7から可換である.
bicategoryの場合には更に,pseudonatural transformationの間の射である
modifica-tionを定義することができる.
定義. F, G : B → C をpseudofunctor,θ, σ : F ⇒ G をpseudonatural transformation
とする.θ からσ へのmodification Γ : θ⇛ σ とは以下を満たすことである. (1) 各a∈ Bに対してC の2-morphism Γa: θa⇒ σaが与えられている. (2) Bの1-morphism f : a → bに対して,C の2-morphismに関する次の等式が成り 立つ. F a Ga F b Gb θa Gf F f θ b = ⇒ θabf σb ⇒ Γb = F a Ga F b Gb σa Gf F f σb = ⇒ σab f θa ⇒ Γa
命題 11. F, G : B → C をpseudofunctor,θ, σ, τ : F ⇒ Gをpseudonatural transfor-mation,Γ : θ⇛ σ,∆ : σ ⇛ τ をmodificationとする.modificationの垂直合成∆b∗ Γ
を,a ∈ Bに対して(∆b∗ Γ)a := ∆a∗ Γa で定めれば,∆b∗ Γはmodification θ ⇛ τ と なる. 証明. Bの1-morphism f : a→ bに対して F a Ga F b Gb θa Gf F f θb = ⇒ θf σb ⇒ Γb τb ⇒ ∆b = F a Ga F b Gb θa ⇒ Γa σa Gf F f σb = ⇒ σf τb ⇒ ∆b = F a Ga F b Gb θa ⇒ Γa σa⇒ ∆ a τa Gf F f τb = ⇒ τf である.
定義. pseudonatural transformation F ⇒ Gを対象,modificationを射として,垂直合
成を射の合成とすれば圏となることが分かる.(θ : F ⇒ Gの恒等射idθ は(idθ)a := idθa
で与えられる.) この圏をNatps(F, G)と書くことにする.
命題 12. F, G, H : B → Cをpseudofunctor,θ, σ : F ⇒ G,τ, ξ : G⇒ H を pseudonat-ural transformation,Γ : θ⇛ σ,∆ : τ ⇛ ξをmodificationとする.modificationの水 平合成∆b• Γを,a∈ Bに対して(∆b• Γ)a := ∆a• Γaで定めれば,∆b• Γはmodification τb◦ θ ⇛ ξ b◦ σとなる. 証明. 次の等式を示せばよい. F a Ha F b Hb (τb◦θ)a Hf F f (τb◦θ) b = ⇒ (τb◦θ)abf (ξb◦σ)b ⇒ (∆b•Γ)b = F a Ha F b Hb (ξb◦σ)a Hf F f (ξb◦σ)b = ⇒ (ξb◦σ)abf (τb◦θ)a ⇒ (∆b•Γ)a 即ち ((∆b• Γb)• F f) ∗ α−1τ b,θb,F f ∗ (τb• θ ab f )∗ ατb,Gf,θa ∗ (τ ab f • θa)∗ α−1Hf,τa,θa = α−1ξ b,σb,F f ∗ (ξb• σ ab f )∗ αξb,Gf,σa ∗ (ξ ab f • σa)∗ αHf,ξ−1 a,σa ∗ (Hf • (∆a• Γa))
を示す.その為には次の図式が可換であることを示せばよい. Hf ◦ (τa◦ θa) (Hf ◦ τa)◦ θa (τb ◦ Gf) ◦ θa τb ◦ (Gf ◦ θa) τb◦ (θb◦ F f) (τb◦ θb)◦ F f Hf ◦ (ξa◦ θa) (Hf ◦ ξa)◦ θa (ξb ◦ Gf) ◦ θa ξb ◦ (Gf ◦ θa) ξb◦ (θb◦ F f) (ξb◦ θb)◦ F f Hf ◦ (ξa◦ σa) (Hf ◦ ξa)◦ σa (ξb◦ Gf) ◦ σa ξb◦ (Gf ◦ σa) ξb ◦ (σb◦ F f) (ξb ◦ σb)◦ F f α−1 τf•θa α τb•θf α−1 α−1 ξf•θa α ξb•θf α−1 α−1 ξf•σa α ξb•σf α−1 Hf•(∆a•θa) (Hf•∆a)•θa (∆b•Gf)•θa ∆b•(Gf◦θa) ∆b•(θb◦F f) (∆b•θb)•F f Hf•(ξa•Γa) (Hf◦ξa)•Γa (ξb◦Gf)•Γa ξb•(Gf•Γa) ξb•(Γb•F f) (ξb•Γb)•F f (α) (α) (∆) (∗) (α) (α) (∗) (Γ) (α) (α) (α)はαが自然変換であるから可換である.(∆),(Γ)は∆, Γがmodificationであるか ら可換である.(∗)は明らかに可換である.
命題 13. F, G, H : B → Cをpseudofunctorとするとき,pseudonatural transformation
の垂直合成は関手Natps(G, H)× Natps(F, G)→ Natps(F, H)を与える.
証明. modification Γ : θ⇛ σ : F ⇒ Gと∆ : τ ⇛ ξ : G ⇒ H に対してM (∆, Γ) := ∆b•Γ と定める.このM が関手になることを示せばよい. まずidτb• idθ = idτb◦θ を示す.それはa ∈ Bに対して (idτb• idθ)a = idτa• idθa = idτa◦θa = id(τb◦θ)a だから成り立つ. 後は(∆b∗ ∆′)b• (Γ b∗ Γ′) = (∆b• Γ) b∗ (∆′b• Γ′)を示せばよい.それはa∈ Bに対して ( (∆b∗ ∆′)b• (Γ b∗ Γ′))a = (∆b∗ ∆′)a• (Γ b∗ Γ′)a = (∆a∗ ∆′a)• (Γa∗ Γ′a) = (∆a• Γa)∗ (∆′a• Γa′) = (∆b• Γ)a∗ (∆′b• Γ′)a =((∆b• Γ) b∗ (∆′b• Γ′))a だから成り立つ.
定理 14. bicategory B, C に対してbicategory Funps(B, C)を以下のように定義すること
ができる.
• pseudofunctor B → C を対象とする.
• Funps(B, C)(F, G) := Natps(F, G) とする.即ち pseudonatural transformation
が1-morphismでmodificationが2-morphismである.また1-morphismの合成
はb◦であり,2-morphismの水平合成・垂直合成はb•, b∗である.
証明. F, G, H, K : B → C をpseudofunctor,θ : F ⇒ G,σ : G ⇒ H,τ : H ⇒ K を
pseudonatural transformation とする.対象a ∈ Bに対して θa, σa, τa は1-morphism である.よって同型な2-morphism ατa,σa,θa: (τa◦ σa)◦ θa⇒ τa◦ (σa◦ θa)が得られる. (Γτ σθ)a := ατa,σa,θa とすれば,これはmodification Γτ σθ: (τb◦ σ) b◦ θ ⇛ τ b◦ (σ b◦ θ) を与 える. . ..) f : a→ bに対して F a Ka F b Kb (τa◦σa)◦θa Kf F f (τ b◦σb)◦θb = ⇒ ((τb◦σ)b◦θ)f τb◦(σb◦θb) ⇒ (Γτ σθ)b = F a Ha F b Hb τa◦(σa◦θa) Kf F f τb◦(σb◦θb) = ⇒ (τb◦(σb◦θ))f (τa◦σa)◦θa ⇒ (Γτ σθ)a を示せばよい.定義より(但し,演算子の優先順位は∗が一番低いものとしておく) ((τb◦ σ) b◦ θ)f = α−1 (τb◦σ)b,θb,F f ∗ (τ b◦ σ)b• θf ∗ α(τb◦σ)b,Gf,θa ∗ (τ b◦ σ)f • θa∗ α −1 Kf,(τb◦σ)a,θa = α−1τ b◦σb,θb,F f ∗ ((τb◦ σb)• θf)∗ ατb◦σb,Gf,θa ∗ [α−1τb,σb,Gf ∗ (τb• σf)∗ ατb,Hf,σa ∗ (τf • σa)∗ α −1 Kf,τa,σa]• θa ∗ α−1 Kf,τa◦σa,θa = α−1τ b◦σb,θb,F f ∗ (τb◦ σb)• θf ∗ ατb◦σb,Gf,θa∗ α −1 τb,σb,Gf • θa∗ (τb• σf)• θa ∗ ατb,Hf,σa • θa∗ (τf • σa)• θa∗ α −1 Kf,τa,σa • θa∗ α −1 Kf,τa◦σa,θa
(τ b◦ (σ b◦ θ))f = α−1 τb,(σb◦θ)b,F f ∗ τb• (σ b◦ θ)f ∗ ατb,Hf,(σb◦θ)a ∗ τf • (σ b◦ θ)a∗ α −1 Kf,τa,(σb◦θ)a = α−1τ b,σb◦θb,F f ∗ τb• [α−1σ b,θb,F f ∗ (σb• θf)∗ ασb,Gf,θa ∗ (σf • θa)∗ α −1 Hf,σa,θa] ∗ ατb,Hf,σa◦θa ∗ τf • (σa◦ θa)∗ α −1 Kf,τa,σa◦θa = α−1τ b,σb◦θb,F f ∗ τb• α −1 σb,θb,F f ∗ τb• (σb• θf)∗ τb• ασb,Gf,θa ∗ τb• (σf • θa) ∗ τb• α−1Hf,σa,θa ∗ ατb,Hf,σa◦θa ∗ τf • (σa◦ θa)∗ α −1 Kf,τa,σa◦θa である.故に次の図式が可換であることを示せばよい. Kf ◦ ((τa◦ σa)◦ θa) (Kf ◦ (τa◦ σa))◦ θa ((Kf ◦ τa)◦ σa)◦ θa ((τb◦ Hf) ◦ σa)◦ θa (τb◦ (Hf ◦ σa))◦ θa (τb◦ (σb◦ Gf)) ◦ θa ((τb◦ σb)◦ Gf) ◦ θa (τb◦ σb)◦ (Gf ◦ θa) (τb◦ σb)◦ (θb◦ F f) ((τb◦ σb)◦ θb)◦ F f Kf ◦ (τa◦ (σa◦ θa)) (Kf ◦ τa)◦ (σa◦ θa) (τb ◦ Hf) ◦ (σa◦ θa) τb ◦ (Hf ◦ (σa◦ θa)) τb ◦ ((Hf ◦ σa)◦ θa) τb◦ ((σb◦ Gf) ◦ θa) τb◦ (σb◦ (Gf ◦ θa) τb◦ (σb ◦ (θb◦ F f)) τb◦ ((σb ◦ θb)◦ F f) (τb◦ (σb ◦ θb))◦ F f α−1 α−1•θa (τf•σa)•θa α•θa (τb•σf)•θa α−1•θa α (τb◦σb)•θf α−1 α−1 τf•(σa◦θa) α τb•α−1 τb•(σf•θa) τb•α τb•(σb•θf) τb•α−1 α−1 Kf•α α α α α α α α•F f これはαの自然性とbicategoryの条件7により明らか.
このΓτ σθはτ, σ, θについて自然である. . ..) Θ : θ ⇛ θ′,Σ : σ ⇛ σ′,Φ : τ ⇛ τ′をmodificationとしたとき,次の図式が可 換であることを示せばよい. (τ b◦ σ) b◦ θ τ b◦ (σ b◦ θ) (τ′b◦ σ′)b◦ θ′ τ′b◦ (σ′b◦ θ′) ≡≡ ⇛ (Φb•Σ)b•Θ ≡≡⇛ Φb•(Σb•Θ) ≡≡≡≡⇛Γτ σθ ≡≡≡≡⇛ Γτ ′ σ′ θ′ 即ちa∈ Bに対して (τa◦ σa)◦ θa τa◦ (σa◦ θa) (τa′ ◦ σ′a)◦ θ′a τa′ ◦ (σa′ ◦ θa′) = =⇒ (Φa•Σa)•Θa = =⇒ Φa•(Σa•Θa) ====⇒ ατa,σa,θa ====⇒ ατ ′ a ,σ′a ,θ′a が可換であることを示せばよいが,それはαが自然変換であるから明らか. 次にidF を • a ∈ B に対して(idF)a := idF a. • f : a → bに対して(idF)f := (F f◦ idF a ρF f −−→ F f −−→ idλ−1F b F b◦F f). と定義するとこれはpseudonatural transformation idF: F ⇒ F を与える. . ..) まず(idF)f が自然同型 B(a, b) C(F a, F b) C(F a, F b) C(F a, F b) F −•idF a ===⇒ idF ∼ F idF b•−
を与えることを示そう.そのためにはβ : f ⇒ g : a → bに対して F f◦ idF a F f idF b◦F f F g◦ idF a F g idF b◦F g ρF f F β F β•idF a ρF g λF f idF b•F β λ−1F g が可換となればよいが,それはλ, ρの自然性より明らか. さて,この idF がpseudonatural transformation の条件を満たすことを示そう. まず条件3,即ちBの1-morphism a−→ bf −→ cg に対して次の図式が可換であること を示す. (F g◦ F f) ◦ idF a F (g◦ f) ◦ idF a F g◦ (F f ◦ idF a) F (g◦ f) F g◦ F f F g◦ (idF b◦F f) (F g◦ idF b)◦ F f F g◦ F f (idF c◦F g) ◦ F f idF c◦(F g ◦ F f) idF c◦F (g ◦ f) φgf•idF a F g•λ−1 F f α−1 ρF g•F f idF g◦F f λ−1F g•F f α λ−1F g◦F f idF c•φgf α ρF g◦F f ρF (g◦f) F g•ρF f φgf λ−1F (g◦f) (6) (ρ) (8) (7) (λ) (λ),(ρ)はλ, ρの自然性により可換である.(6),(7) は補題6, 7より可換である. (∗)はbicategoryの条件8により可換である.以上により条件3は成り立つ.
最後に条件4を示す.即ちa ∈ Bに対して F a F a F a F a idF a idF a = ⇒ λidF a idF a idF a idF a = ⇒ ρ−1 idF a F (ida) ⇐ ψa = F a F a F a F a idF a ⇐ ψa F (ida) idF a = ⇒ λ−1 F (ida) F (ida) idF a F (ida) = ⇒ ρF (ida) を示す.まず補題8により(左辺) = idF a•ψaである.一方,λ, ρは自然同型だから idF a◦ idF a idF a idF a◦ idF a
F (ida)◦ idF a F (ida) idF a◦F (idF a) ρidF a ψa ψa•id F a ρF (ida) λ−1 idF a idF b•ψa λ−1 F (ida) は可換である.故に (右辺) = F a F a F a F a idF a idF a = ⇒ ρidF a idF a idF a idF a = ⇒ λ−1 idF a F (ida) ⇐ ψa = idF a•ψa= (左辺) が分かる. 次に (Λθ)a := λθa: idGa◦θa ⇒ θa,(Ψθ)a := ρθa: θa◦ idF a ⇒ θaと定義する.これ らはmodification Λθ: idGb◦θ ⇛ θ,Ψθ: θb◦ idF ⇛ θを与える. . ..) f : a→ bに対して等式 F a Ga F b Gb idGa◦θa Gf F f id Gb◦θb = ⇒ (idGb◦θ)f θb ⇒ (Λθ)b = F a Ga F b Gb θa Gf F f θb = ⇒ θf idGa◦θa ⇒ (Λθ)a
F a Ga F b Gb θa◦idF a Gf F f θb◦idF b = ⇒ (θb◦idF)f θb ⇒ (Ψθ)b = F a Ga F b Gb θa Gf F f θb = ⇒ θf θa◦idF a ⇒ (Ψθ)a を示せばよい.つまり (λθb • F f) ∗ α −1
idGb,θb,F f ∗ (idGb•θf)∗ αidGb,Gf,θa∗ ((idG)f • θa)∗ α
−1
Gf,idGa,θa
= θf ∗ (Gf • λθa)
(ρθb • F f) ∗ α
−1
θb,idF b,F f ∗ (θb• (idF)f)∗ αθb,F f,idF a ∗ (θf • idF a)∗ α
−1 Gf,θa,idF a = θf ∗ (Gf • ρθa) を示せばよい.そのためには次の図式が可換であることを示せばよい. Gf◦ (idGa◦θa) Gf ◦ θa θb◦ F f (Gf◦ idGa)◦ θa (idGb◦Gf) ◦ θa idGb◦(Gf ◦ θa) idGb◦(θb ◦ F f) (idGb◦θb)◦ F f Gf•λθa θf (idG)f•θa α idGb•θf α−1 α−1 ρGf•θa λGf•θa λGf◦θa λθb◦F f λθb•F f (∗) (id) (7) (λ) (7) Gf ◦ (θa◦ idF a) Gf ◦ θa θb◦ F f (Gf ◦ θa)◦ idF a (θb◦ F f) ◦ idF a θb◦ (F f ◦ idF a) θb◦ (idF b◦F f) (θb ◦ idF b)◦ F f Gf•ρθa θf θf•idF a α θb•(idF)f α−1 α−1 ρGf◦θa ρθb◦F f θb•ρF f θb•λF f λθb•F f (6) (ρ) (6) (id) (7) (λ),(ρ) はλ, ρの自然性により可換である.(id) はidF の定義により可換である. (6),(7)は補題6, 7より可換である.(∗)はbicategoryの条件により可換である. このΛθ, Ψθ はθについて自然である.
. ..) Θ : θ ⇛ σをmodificationとしたとき,次の図式が可換であることを示せばよい. idGb◦θ θ idGb◦σ σ ≡≡ ⇛ idGb•Θ ≡≡⇛ Θ ≡≡≡≡⇛Λθ ≡≡≡≡⇛ Λσ θb◦ idF θ σb◦ idF σ ≡≡ ⇛ Θb•idF ≡≡ ⇛ Θ ≡≡≡≡⇛Ψθ ≡≡≡≡⇛ Ψσ 即ちa∈ Bに対して idGa◦θa θa idGa◦σa σa = =⇒ idGa•Θa = =⇒ Θa ====⇒ λθa ====⇒ λσa θa◦ idGa θa σa◦ idF a σa = =⇒ Θa•idF a = =⇒ Θa ====⇒ ρθa ====⇒ ρσa が可換であることを示せばよいが,それはλ, ρが自然変換であるから明らか. 最後にΓ, Λ, Ψがbicategoryの条件7, 8を満たすことを示せばよい. まず条件7を示すためには ((βb◦ τ) b◦ σ) b◦ θ (βb◦ (τ b◦ γ)) b◦ θ (βb◦ τ) b◦ (γ b◦ θ) βb◦ ((τ b◦ γ) b◦ θ) βb◦ (τ b◦ (γ b◦ θ)) Γβτ σb•θ Γ β,τb◦σ,θ β•Γτ σθ Γ βb◦τ,σ,θ Γ β,τ,σb◦θ が可換であることを示せばよい.即ちa ∈ Bに対して ((βa◦ τa)◦ σa)◦ θa (βa◦ (τa◦ γa))◦ θa (βa◦ τa)◦ (γa◦ θa) βa◦ ((τa◦ γa)◦ θa) βa◦ (τa◦ (γa◦ θa)) αβa,τa,σa•θa αβa,τa◦σa,θa βa•ατa,σa,θa αβa◦τa,σa,θa αβa,τa,σa◦θa
が可換であることを示せばよいが,これはC がbicategoryであるから可換である. 条件8についても (σb◦ idG)b◦ θ σb◦ (idGb◦θ) σb◦ θ Γσ,idG,θ σb•Λθ Ψσb•θ の可換性を示せばよいが,これもa∈ Bに対して (σa◦ idGa)◦ θa σa◦ (idGa◦θa) σa◦ θa ασa,idGa,θa σa•λθa ρσa•θa が可換であるからよい.
定理 15. C がstrict 2-categoryならばFunps(B, C)もstrict 2-categoryである.
証明. 定理14の証明から明らか.
系 16. bicategory Bに対してB := Funb ps(Bop, Cat)はstrict 2-categoryである.
2
米田
さて,Bbが定義できたので,米田埋込y : B → bBも定義できるのではないか,という期
待が出てくるが,実際これは定義できて「米田の補題」が成り立つ(定理25).それを示
すのがこの節の目的である.まず米田埋込yを定義しよう.
Bをbicategoryとしてa∈ B を対象とする.s ∈ Bに対してF s :=B(s, a) ∈ Catと
する.随伴HomCat(A× B, C) ∼= HomCat(B, CA)を思い出せば,t ∈ Bに対して関手 Mtsa: B(s, a) × B(t, s) → B(t, a)から
Fst: Bop(s, t) =B(t, s) → Cat(B(s, a), B(t, a)) = Cat(F s, F t)
が得られる.f : t→ sとするとき,定義よりFst(f ) =− • f : B(s, a) → B(t, a)である. 即ち,Bのδ : k ⇒ l : s → aに対してFst(f )(k) = k ◦ f,Fst(f )(δ) = δ • f となる.
またβ : f ⇒ g : t → sとするとき Fst(β) = − • β : − •f ⇒ − • g は自然変換であり, Fst(β)k = k• β : k • f ⇒ k • gとなる.
命題 17. 上記のFst によりpseudofunctor F : Bop → Catが得られる. 証明. ※ その為にはs, t, r∈ Bに対して自然同型 Bop(t, r)× Bop(s, t) Cat(F t, F r)× Cat(F s, F t) Bop(s, r) Cat(F s, F r) Ftr×Fst MF sF tF r =⇒ φ ∼ Mstr Fsr を定義しなければならない.このようなφがもし存在すれば,p : t→ s,q : r→ tに 対して φgp: (− • q)◦(− • p) ⇒ − • (p ◦ q): F s → F r は自然同型である.(ここで,関手の合成を緑色の記号◦で表した.以下,関手・自然 変換の合成は緑色で表す.) 即ちg ∈ F s = B(s, a)に対して (φqp)g: (g◦ p) ◦ q ⇒ g ◦ (p ◦ q): c → a はBの同型な2-morphismである. また ψs: idF s ⇒ F (ids) : F s → F sも定義する必要がある.これは即ち自然変換 idB(s,a)⇒ − • idsである. s, t, r ∈ Bを対象,r −→ tq −→ sp −→ ag をBの1-morphismとしたとき(φqp)g := αgpq と 定義する.α が自然同型だからφqp = α−pq: (− • q)◦(− • p) ⇒ − • (p ◦ q)も自然同型 である.更にφも自然同型である. またψs := (ρsa)−1と定める. 条件5を示す.即ち次の可換図式を示す. (F h◦ F q) ◦ F p F (q◦ h) ◦ F p F (p◦ (q ◦ h)) F h◦ (F q ◦ F p) F h◦ F (p ◦ q) F ((p◦ q) ◦ h) φhq•F p φh◦q,p F (α−1pqh) αF h,F q,F p F h•φqp φh,q◦p
つまり,g : s→ aに対して次の可換図式を示せばよい. ((g◦ p) ◦ q) ◦ h (g◦ p) ◦ (q ◦ h) g◦ (p ◦ (q ◦ h)) ((g◦ p) ◦ q) ◦ h (g◦ (p ◦ q)) ◦ h g◦ ((p ◦ q) ◦ h) αg◦p,q,h αg,p,q◦h g•α−1pqh αgpq•h αg,p◦q,h これはbicategoryの定義の条件7から成り立つ. 条件6を示す.即ちp : t → sに対して次の二つが可換であることを示せばよい. idF t◦F p F p F (idt)◦ F p F (p◦ idt) λF p F (ρp) ψ•F p φidt,p F p◦ idF s F p F p◦ F (ids) F (ids◦p) ρF p F (λp) F p•ψ φp,ids 定義から,g : s→ aに対して次の図式の可換性を示せばよい. g◦ p g◦ p (g◦ p) ◦ idt g◦ (p ◦ idt) g•ρp ρ−1g◦p αg,p,idt g◦ p g◦ p (g◦ ids)◦ p g◦ (ids◦p)) g•λp ρ−1g •p αg,ids,p 右の図式はbicategoryの定義の条件8であり,左の図式は補題6である. 命題17のF をy(a)もしくはB(−, a)で表す.証明から明らかに
系 18. Bがstrict 2-categoryのときy(a) : Bop→ Catはstrict 2-functorである.
B の1-morphism f : a → bとs ∈ B を取る.Msab: B(a, b) × B(s, a) → B(s, b)は関 手だからy(f )s:= Msab(f,−) = f • −: B(s, a) → B(s, b)も関手である.
命題 19. y(f ) : y(a)⇒ y(b)はpsuedonatural transformationである.
※s, t∈ Bに対して自然同型
Bop(s, t)
Cat(B(s, b), B(t, b)) Cat(B(s, a), B(t, a)) Cat(B(s, a), B(t, b)) y(b) −•y(f)s ====⇒ y(f )st ∼ y(a) y(f )t•− を定義しなければならない.もしこのようなy(f )st が存在すれば,p : t → sに対し てy(f )stp : (− • p)◦(f • −) ⇒ (f • −)◦(− • p)は自然同型である.よってg : s→ a に対して(y(f )stp )g: (f ◦ g) ◦ p ⇒ f ◦ (g ◦ p)はBの2-morphismである. s, t∈ Bを対象,t −→ sp −→ ag を1-morphismとする.(y(f )p)g := αf gp と置く.αが自 然同型だからy(f )p は自然同型であり,y(f )も自然同型である. 条件3を示す.p : t→ s,q : r→ tに対して次の自然変換の等式を示せばよい. B(s, a) B(s, b) B(t, a) B(t, b) B(r, a) B(r, b) f•− −•p = ⇒ y(f )p −•p f•− −•q = ⇒ y(f )q −•q f•− −•(p◦q) ⇐=φqp = B(s, a) B(s, b) B(t, b) B(r, a) B(r, b) −•p −•q ⇐=φqp −•(p◦q) f•− = ⇒ y(f )p◦q −•(p◦q) f•− 即ち,g : s→ aに対してBでの等式 (f• αgpq)∗ αf,g◦p,q∗ (αf gp• q) = αf,g,p◦q∗ αf◦g,p,q を示せばよいが,これはbicategoryの定義の条件7から成り立つ. 条件4を示す.s∈ Bに対して自然変換の等式 B(s, a) B(s, b) B(s, a) B(s, b) f•− id = id f•− f•− = −•ids ⇐ ρ−1 = B(s, a) B(s, b) B(s, a) B(s, b) id ⇐ ρ−1 −•ids f•− = ⇒ y(f )ids −•ids f•−
を示せばよい.即ちg : s→ aに対してf• ρ−1g = αf,g,ids ∗ ρ −1 f◦g を示せばよい. (f ◦ g) ◦ ida f◦ (g ◦ ida) f ◦ g αf,g,ida f•ρg ρf◦g これは補題6より成り立つ.
定理 20. 上記で定めたy(a), y(f )はpseudofunctor y : B → bBを与える.これを米田埋
込と呼ぶ. 証明. ※ その為にはまずφabc とψa を定義しなければならない.φabc は次の自然同型で あった. B(b, c) × B(a, b) b
B(y(b), y(c)) × bB(y(a), y(b)) B(a, c)
b B(y(a), y(c)) y×y My(a)y(b)y(c) =⇒ φabc ∼ Mabc y
よってBの1-morphism f : a→ b,g : b → cに対してφabcgf はmodification y(g)◦
y(f )⇛ y(g ◦ f)である.yの定義より,s ∈ Bに対して
(φabcgf )s: (g• −)◦(f• −) ⇒ (g ◦ f) • −: B(s, a) → B(s, c)
は自然変換で,h : s→ aに対して
((φabcgf )s)h: g◦ (f ◦ h) ⇒ (g ◦ f) ◦ h: s → c
はB の2-morphism である.また ψa: idy(a) ⇛ y(ida) はmodification idy(a) ⇛ ida•−: y(a) ⇒ y(a) である.よって s ∈ B に対してψas: id ⇒ ida•−: B(s, a) →
B(s, a)は自然変換である.
s −→ ah −→ bf −→ cg に対して ((φgf)s)h := (αgf h)−1 と定義する.α が自然同型だから (φgf)sも自然同型である.
. ..) 1-morphism p : t → sに対して次の自然変換の等号を示せばよい. B(s, a) B(s, b) B(s, c) B(t, a) B(t, b) B(t, c) f•− g•− −•p −•p −•p f•− g•− = ⇒ y(f )p = ⇒ y(g)p (g◦f)•− ⇒ (φgf)t = B(s, a) B(s, b) B(s, c) B(t, a) B(t, c) (g◦f)•− −•p −•p (g◦f)•− = ⇒ y(g◦f)p f•− g•− ⇒ (φgf)s 即ち,h∈ B(s, a)に対してα−1g,f,h◦p∗ (g • αf hp)∗ αg,f◦h,p = αg◦f,h,p∗ (α−1gf h• p)を 示せばよいが,それはbicategoryの定義の条件7から成り立つ. φは自然同型である. . ..) β : f ⇒ f′: a → b,γ : g ⇒ g′: b → cとする.次が可換であることを示せば よい.
y(g)b◦ y(f) y(g◦ f)
y(g′)b◦ y(f′) y(g′◦ f′)
≡≡
⇛
y(γ)b•y(β) ≡≡⇛ y(γ•β) ≡≡≡≡⇛ φgf ≡≡≡⇛ φg′ f ′ 即ちs∈ Bに対して,自然変換の図式 (g• −)◦(f • −) (g◦ f) • − (g′• −)◦(f′• −) (g′◦ f′)• − ⇐ = y(γ)u•y(β)s ⇐ =y(γ•β)s ===⇒ (φgf)s =⇒ (φg′ f ′)s の可換性を示せばよい.故に,k : s→ aに対して g◦ (f ◦ k) (g◦ f) ◦ k g′◦ (f′◦ k) (g′◦ f′)◦ k ⇐ = γ•(β•k) ⇐ =(γ•β)•k =⇒ α−1 gf k =⇒ α−1 g′ f ′ k