ホワイト ペーパー W H I T E P A P E R
NetBackup™ 6.0 の技術概要
目次
NetBackup™ 製品の概要...5 NetBackup 6.0 の主要な機能...5 NetBackup のその他の特長 ...6 NetBackup 管理コンソール ...7 NetBackup サーバーとクライアント...8 NetBackup の集中管理 ...8NetBackup Operations Manager...8
NetBackup Desktop and Laptop Option ...10
ディスクベースのバックアップとリカバリ ...11
合成バックアップ ...11
合成バックアップの利点...11
合成バックアップの例...12
ディスク ステージング ...13
NetBackup と Network Appliance の統合 ...15
NearStore ディスク ストレージ ユニット ...15
NearStore ストレージ ユニットの利点 ...15
SnapVault ディスク ストレージ ユニット ...16
バックアップとリカバリのチェックポイント再始動 ...17
NetBackup Advanced Client ...18
NetBackup Advanced Client とファイル システムのオンライン バックアップ ...19
ローカル スナップショット方式 ...19
FlashBackup ...19
NetBackup Advanced Client とディスク アレイのサポート ...21
NetBackup Advanced Client とインスタント リカバリ ...22
NetBackup Advanced Client とオフホスト バックアップ...23
代替クライアント バックアップ方式 ...23
サードパーティ コピー デバイスとNetBackup メディア サーバー方式 ...24
NetBackup Advanced Client とブロック レベルインクリメンタル バックアップとリカバリ ...26
NetBackup Advanced Client と NAS のサポート ...26
NAS Snapshot の概要 ...26
NetBackup と Network Appliance の SnapVault ...27
NetBackup Advanced Client に関する追加情報...27
継続的なデータ アベイラビリティのための機能 ...28 リレーショナル データベース管理システム (RDBMS) のオンライン バックアップ ...28 Oracle と DB2 のデータベース保護...29 RMAN および DB2 の自動スクリプト生成...30 データのアーカイブ (Oracle データベースのみ) ...31 Microsoft SQL Server のオンライン データベース保護...31
Microsoft Exchange Server のバックアップとリカバリ ...32
Microsoft SharePoint Portal Server のバックアップとリカバリ ...33
SAP NetWeaver のオンライン バックアップとリカバリ ...33
NetBackup 6.0 の新機能 ...33
ハイパフォーマンスの Lotus バックアップとリカバリ...34
サポートされる NDMP 構成...36
NDMP バックアップ...36
Direct Access Recovery (DAR)...36
NetBackup と NDMP ホスト間のライブラリ共有...36 NDMP の共有ストレージ オプション (SSO)...37 NDMP 接続デバイスの自動検出 ...37 NetBackup のバックアップとリカバリの基本概念...38 ストレージ ユニット...38 NetBackup ポリシー ...38 スケジュール設定 ...40 NetBackup のカタログ保護 ...43 NetBackup カタログ バックアップ設定 ...43 NetBackup カタログ バックアップを確実に成功させる戦略 ...44 データベースのバックアップ方法...45 多重バックアップ ...46 自動マルチストリームクライアント ...47 バックアップ データの圧縮 ...47 ネットワーク (CIFS/NFS) ファイルのバックアップ...48 リストアの基本概念 ...49 ディスク ベースのリストア ...49 リストアのマルチプレキシング...49 代替クライアントへのリストア ...50 サーバーに依存しないリストア...50 複数サーバー環境でのリストア ...51 True Image リストア...52 移動されたディレクトリやファイルのバックアップとリストア ...52
NetBackup Bare Metal Restore Option ...53
セキュリティ ...55
認証 ...55
認可 ...55
暗号化...56
デバイスとメディアの管理 ...57
Enterprise Media Manager ...57
NetBackup カタログ...57
ボリューム管理の基本プロセス...57
Shared Storage Option (ダイナミック ドライブ共有)...58
テープ ライブラリの共有 ...59 ロボット インベントリの管理...59 スクラッチ プール ...59 サイズの大きいイメージを複数のボリュームに分散する ...59 メディアの使用期間およびマウント回数の追跡...59 メディアの上書きを防止...60 メディアの検証 ...60 NetBackup Vault...60 メディアのインポート ...62
管理と操作...62 管理者用インタフェース ...62 ユーザー インタフェース...64 インストール...65 設定 ...66 アクティビティの監視 ...66 サポートされるハードウェアとソフトウェア ...67 まとめ ...68 付録 A...69 FAQ ...69 付録 B...71 ...71 用語集
NetBackup™ 製品の概要
NetBackup Enterprise Server は、大規模な UNIX、Windows、Linux 環境に合わせて拡張でき、高いパフォーマン スでデータ保護を実現します。NetBackup は、デスクトップからデータ センター、そしてボールトにいたるまで、最先端 の管理、アラート、レポート機能、およびトラブルシューティング技術を提供するほか、すべてのバックアップおよびデー タ リカバリ操作を集約する管理ツールを提供します。NetBackup の先進的なディスクベースおよびスナップショットベ ースの保護、オフサイトのメディア管理、および自動障害回復により、組織はテープ ストレージとディスク ストレージを 活用することができます。究極的なデータ保護策として、NetBackup は市場で最新の暗号化技術を使用し、データの 送信や保存を行います。ビジネス クリティカルなシステムへの影響を抑えるため、NetBackup では、主要なデータベ ースおよびアプリケーションすべてに対して、オンライン バックアップおよびリカバリ ソリューションを提供します。 NetBackup Desktop and Laptop Option は、企業環境においてデスクトップおよびラップトップのバックアップを集中 管理する、スケーラブルで実用的なソリューションを提供します。NetBackup Desktop and Laptop Option については 別のホワイトペーパーで説明されています。また、追加情報については弊社Web サイト (www.veritas.com) をご参 照ください。
NetBackup 6.0 の主要な機能
NetBackup 6.0 には、NetBackup のスケーラビリティと機能性を向上させる新機能や機能強化が多数実装されてい ます。これらの機能により、大手企業顧客の要件に対応することができます。 NetBaukup 6.0 が特に重視するポイントは以下のとおりです。 • NetBackup のディスク バックアップおよびリカバリ機能をさらに強化する• Network Appliance 社と連携し、NetBackup と競合製品を差別化するために、NetApp の NearStore 装 置にデータを直接バックアップする機能を実装する
• NetBackup の管理とレポート機能を強化する
ベリタスソフトウェアでは、NetBackup のスケーラビリティ、ディスク バックアップ機能、および製品統合の向上に取り 組み続けます。以下に、NetBackup ユーザーに提供される、NetBackup 6.0 の新機能や機能強化を示します。 • NetBackup Advanced Client の機能強化
• NetBackup Bare Metal Restore (BMR) NetBackup との統合
Linux クライアントのサポート
VERITAS Foundation Suite のサポート • NetBackup Database Agent の機能強化
SAP と Oracle RMAN のバックアップ統合 Lotus Notes エージェント
Microsoft SQL Server 2005 のサポート SharePoint 2003
• NetBackup のディスク ベースのデータ保護機能
Network Appliance NearStore Disk Storage Unit Network Appliance SnapVault Disk Storage Unit
ディスク バックアップのパフォーマンス
ディスク ストレージ ユニット (DSU) グループの活用 • NetBackup Media Manager
Enterprise Media Manager (EMM)
マルチパスの Shared Storage Option (SSO)
ACS および TLM Robotics 向けに強化されたデータ検出 Media Manager のスケーラビリティ
• NetBackup の主要な機能強化
Intelligent Resource Manager (IRM)
ポート数の削減
NetBackup カタログ強化 • NAS および NDMP
NetApp SnapVault 統合
スナップショットのセットアップの簡素化
• NetBackup Operations Manager の管理およびレポート機能の強化
上記の、NetBackup 6.0 の主要機能の多くについては、本書で説明します。ベリタスソフトウェアでは、これらの機能に ついて、さらに詳しい解説を提供するホワイトペーパーも作成する予定です。
NetBackup のその他の特長
NetBackup の主な特長として、障害回復機能のサポートと、直感的な Java および Windows 管理インタフェース があります。その他の主な特長としては、合成バックアップ、ディスク ステージング、バックアップおよびリカバリを行 う Advanced Client やチェックポイント再始動などがあります。NetBackup は、UNIX や Microsoft Windows が混 在する環境でデータを保護する以外に、Oracle、IBM DB2、SAP、Microsoft SQL Server、Microsoft Exchange Server、Microsoft SharePoint Portal Server、Lotus Notes & Domino Server、Sybase など、すべての主要なアプ リケーションに対応できる、高度なアプリケーション対応ソリューションを提供します。NetBackup は、クライアント/ サーバー ネットワークの UNIX、Linux、Windows、および PC クライアントに対応する、高性能のバックアップ、 アーカイブ、およびリカバリ サービスを提供します。また、スタンドアロン システムからエンタープライズ システム全 体にいたるまで、あらゆる規模の処理に低コストで対応することができます。 定期的に、またはカレンダーベースのスケジュールを設定すると、管理者は、ネットワーク全体のクライアントを対象 に、自動的に無人バックアップ処理を実行することができます。バックアップ処理には、フル バックアップとインクリメ ンタル バックアップがあります。フル バックアップはすべてのファイルに対して処理を行いますが、インクリメンタル バックアップは、最後のフル バックアップやインクリメンタル バックアップ以降変更されたファイルのみを処理します。 自動バックアップを入念にスケジュール設定すると、管理者は系統的で完全なバックアップを行うことができ、ピーク 時間外のネットワーク トラフィックを最適化することができます。 ネットワークに高い作業負荷を課さない迅速なリストアおよびバックアップを必要とするユーザーには、合成バックアップ が必要です。合成バックアップは、1 回のフル バックアップまたは合成フル バックアップと任意数のインクリメンタル バックアップから自動的に作成されます。合成バックアップにより、単一のバックアップ イメージから迅速にクライアント をリストアすることができます。合成バックアップはネットワーク帯域幅の消費が少ないため、アプリケーション ホストへ の影響を最小限に抑えることができます。 管理者は、定期バックアップに加え、自動バックアップと同じ基準をもとにクライアント データを手動でバックアップす ることもできます。手動バックアップ操作は、前回の定期バックアップの機会を逃したクライアントをバックアップしたり、 新しいソフトウェアのインストールに先立ってシステム構成を保護したりする場合に便利です。 NetBackup クライアントのユーザーは、オペレータや管理者の手を借りずに、クライアントに保存されているデータを バックアップ、アーカイブ、およびリストアすることができます。ユーザー自身が手動でバックアップを作成すると、ユー ザーは必要に応じて、即座に自分のデータを保護することができます。ファイルが破損していたり、誤って削除された りした場合、バックアップされたファイルやアーカイブされたファイルをプライマリ ディスク領域にリストアすることで、 迅速に、そして簡単に復元することができます。
NetBackup 管理コンソール
以下の図 1 に示す NetBackup 管理コンソールでは、NetBackup の管理カテゴリに簡単かつ直感的にアクセスする ことができます。主な管理項目は、「NetBackup Management」、「Media and Device Management」、「Vault Management」、「Access Management」、および「Bare Metal Restore Management」の 5 つの管理領域に分けら れています。「NetBackup Management」では、管理者はレポートの作成、バックアップ ポリシーやストレージ ユニット の作成、カタログの管理、またはマスター サーバー、メディア サーバー、クライアントのホスト プロパティなどを設定で きます。「Media and Device Management」では、NetBackup ユーザーはテープ メディアやデバイスを管理すること ができます。これには、テープ メディア グループやプールの作成や、テープ デバイスの監視が含まれます。「Vault Management」では、メディア管理を自動化し、オフサイト テープ ボルティングのすべてを制御します。「Access Management」では、NetBackup の使いやすいセキュリティ機能を提供します。「Bare Metal Restore Management」 では、ユーザーはマシンのリカバリを集中的に管理することができます。さらに、NetBackup 管理コンソールでは、さま ざまな日常業務を簡略化する、数々の設定ウィザードも提供します。
NetBackup サーバーとクライアント
NetBackup には、クライアント ソフトウェアとサーバー ソフトウェアが含まれます。サーバー ソフトウェアは、セカンダ リ ストレージ用として使用される物理デバイスを管理するプラットフォームにのみ存在します。クライアント ソフトウェア は、バックアップされるデータが保存されている、個別のクライアント システムに存在します。たとえば、NetBackup 環 境のクライアントをサーバーとして使用することができます。このアーキテクチャでは、クライアント ソフトウェアが、バッ クアップされるデータ ストリームを生成し、サーバー ソフトウェアがデータ ストリームをセカンダリ ストレージ デバイ スに送信します。NetBackup の集中管理
NetBackup の環境では、いずれか 1 つのサーバーの管理下で複数のサーバーが連携して動作します。この関係に おいては、NetBackup の管理、制御サーバーは「マスター」サーバーに指定され、ほかのサーバーは、マスター サー バーの制御下で動作する「メディア」サーバーとなります。マスター サーバーも、メディア サーバーとして機能できま す。NetBackup のすべての管理機能は、マスター サーバーから集中的に実行され、マスター サーバーは各メディア サーバーのすべてのバックアップ スケジュールを管理します。メディア サーバーは、それぞれマスターからの指示に 応じて実際のバックアップ処理を実行します。バックアップ データはメディア サーバーと、各ストレージ デバイスでロ ーカルに保存されます。1 つのマスター サーバーとその関連するメディア サーバー全体は、NetBackup ストレージ ドメインとも呼ばれ、大規模なネットワークには複数のドメインがある場合もあります。クライアント システムは、 NetBackup サーバーにデータをバックアップします。NetBackup Operations Manager
ローカルまたはリモート NetBackup ドメインが複数実装されている環境では、NetBackup Operations Manager (NOM) を使用すると、監視およびレポート作成を劇的に簡略化することができます。Operations Manager は、企業 の構内はもとより、世界中にある複数の NetBackup ドメインを集中的に管理したり、監視やレポート作成を行ったりす る、NetBackup の重要な機能です。
Operations Manager では、Web ベースのユーザー インタフェースを使用し、NetBackup 環境をアクティブに管理し ます。利用可能な情報には、複数の NetBackup マスター サーバーから得られる基本的なドライブ制御、ジョブ制御、 ポリシー管理、およびログ管理などがありますが、これだけに限りません。
Operations Manager は、特定の NetBackup マスター サーバーからそれぞれ適切な情報を抽出することで、強力な 管理機能と監視機能を提供します。Operations Manager が、NetBackup ドメイン全体の情報を収集すると、ユーザー は自分の環境全体を確認したり、特定の NetBackup マスター サーバーをドリルダウンしたりできます。Operations Manager コンソールは、NetBackup の構成や配備に関する詳細情報だけではなく、24 時間以内に失敗したジョブに 関する詳細や、24 時間以内に完了したジョブに関する詳細など、さまざまなリアルタイム統計も表示します。
図 2: NetBackup Operation Manager の集中的な Web ベースのインタフェース。ユーザーのワールドワイド エンタープライズに 配置されたすべての NetBackup サーバーを表示する、単一の管理ビュー
図 3: リアルタイム アラートおよび通知管理の集約により、環境全体の健全性が単一のビューに表示される
NetBackup Operations Manager に関する詳細情報については、『Management, Alerting and Reporting for NetBackup 6.0』を参照してください。
NetBackup Desktop and Laptop Option
クリティカルなデータを扱うデスクトップ ユーザーやラップトップ ユーザーを抱える企業のニーズに対応するため、ベリ タスソフトウェアでは NetBackup Desktop and Laptop Option を提供します。NetBackup Desktop and Laptop Option は、ユーザーがオフィス内にいても、または社外にいても、ディスクベースのデータ保護を継続的に提供するこ とができます。この新しい NetBackup オプションを利用すると、ユーザーは自分自身のファイルをリストアし、複数の デスクトップやラップトップ間で同期を保つことができます。ユーザー データを既存のネットワーク ストレージやローカ ル マシンに自動的にコピーすると、NetBackup Desktop and Laptop Option は既存の IT インフラストラクチャおよ びポリシーに簡単に統合することができるので、TCO (総所有コスト) を削減することができます。
NetBackup Desktop and Laptop Option は、ネットワーク共有を利用した、負荷の低い、ディスクベースのデータ保護 ソリューションであり、ファイル同期も提供します。ユーザーは、データが安全であることが分かっているので、安心して 作業したり移動したりできます。ユーザーの必要に応じて、継続的バックアップ、あるいは定期バックアップや手動バッ クアップなど、NetBackup Desktop and Laptop Option では自由に選択できます。
複数のデスクトップ コンピュータを抱える組織では、NetBackup Desktop and Laptop Option を利用すると、ネット ワーク共有を通じてデータを自動的に同期させることができるので、どのコンピュータを使用していても、もっとも必要な 場所で最新バージョンのファイルが提供されます。さらに効率性を高めるため、NetBackup Desktop and Laptop Option ユーザーは、オフィス内でも社外でも、直感的なユーザー インタフェースを通じて自分のデータやファイルを簡 単に取得することができます。
NetBackup Desktop and Laptop Option はシンプルに設計されているため、専用のアプリケーション サーバーを用 意する必要はありません。そのため、ソリューションを既存のインフラに簡単に適合させることができ、会社の既存の運 用ポリシーに簡単に適合できます。さらに、NetBackup Desktop and Laptop Option は、既存のデータ ストレージを 活用し、個々のユーザー データをすべて保存します。これにより、企業はハードウェアや人員、または大規模な投資を 追加することなく、デスクトップやラップトップを保護することができます。
ディスクベースのバックアップとリカバリ
合成バックアップ
NetBackup を利用すると、ユーザーは合成バックアップを作成することができます。このプロセスを開始するには、 NetBackup のユーザーは、まず従来の (合成型でない) フル バックアップを作成する必要があります。これが一度完 了すると、ユーザーは二度と従来のフル バックアップを作成する必要はありません。NetBackup ユーザーは、合成フ ル バックアップから新たな合成フル バックアップを作成できるようになります (以下の図 4 を参照)。NetBackup は、 必要に応じ、累積的インクリメンタル バックアップと任意数の差分的インクリメンタル バックアップを利用し、累積的な 合成インクリメンタル バックアップを作成することができます。NetBackup クライアントは、合成バックアップを使用し、 従来のバックアップからデータをリストアするのと同じ方法で、ファイルやディレクトリをリストアすることができます。 合成バックアップの利点 合成バックアップを実行すると、NetBackup ユーザーには以下のようないくつかのメリットがもたらされます。 バックアップ処理は、クライアントではなく NetBackup マスター サーバーやメディア サーバーで実行される フル バックアップを合成することでもたらされる利点の 1 つは、バックアップの処理は NetBackup クライアントでは なく、NetBackup マスター/メディア サーバーで実行される点です。従来のフル バックアップでは、最後のインクリメン タル バックアップ以降、ファイルに何も変更が加えられていなくても、すべてのファイルは NetBackup クライアントか ら NetBackup マスターまたはメディア サーバーにコピーされていました。 NetBackup ユーザーが合成フル バックアップを作成すると、NetBackup は、最後のインクリメンタル バックアップに おいて新規ファイルや変更済みファイルがメディア サーバーにコピーされているという利点を最大限活用することがで きます。NetBackup では、インクリメンタル データをメディア サーバーに集約し、正確なフル バックアップを新規作成 するという処理において、クライアントを実行する必要もありません。 リカバリ処理を向上する 合成バックアップでは、一連のバックアップ イメージからクライアント システムやデータをリストアしなくても、単一の バックアップ イメージからリストアすることができます。この機能により、リカバリ速度とパフォーマンスが大幅に向上し ます。 ネットワーク トラフィックを削減する 合成バックアップのもう 1 つの利点は、ファイルはネットワーク上で 1 度しか転送されないので、ネットワーク トラ フィックを削減することができるほか、データの保存に必要となるテープの数も節約することができます。 ドライブをより効果的に使用する バックアップは、ドライブが頻繁に使用されていないときに合成することができます。たとえば、バックアップが主に夜間 に実行される場合、ドライブでは、日中にフル バックアップを合成することができます。合成バックアップの例 以下の図は、既存のフル バックアップ (A) から合成フル バックアップ (B と C) を作成し、フル バックアップ間でイ ンクリメンタル バックアップを作成する方法を示します。 従来型のテープへのフル バックアップ (2003 年 9 月 28 日 (日)) テープへの合成フル バックアップ (2003 年 10 月 5 日 日曜日) A B 日曜日 (2003 年 10 月 5 日) の合成フル バックアップ ディスクへの インクリメンタル バックアップ 9 月 29 日 (月∼金) の週 新規合成フル バックアップ (2003 年 10 月 12 日 (日)) B C ディスクへのインクリメンタル バックアップ 10 月 6 日 (月∼金) の週 図 4: NetBackup 合成バックアップの例 上記の例で示すように、従来のフル バックアップ (A) とインクリメンタル バックアップは、クライアントのファイル シス テムからディスク ステージング領域にデータをコピーし、そのデータをテープに移してインクリメンタル バックアップ イ メージ (合成フル バックアップ B と C) を作成するという、従来のバックアップ方法によって作成されています。合成 バックアップはクライアント システムとの対話なしに実行され、代わりに NetBackup メディア サーバー上で合成され ます。
合成バックアップが有益となるケース 合成バックアップが有益となる環境の例として、バックアップの対象となる一連の NetBackup クライアントのファイル システムにおいて、毎日中程度から少量の変更が発生する場合が挙げられます。 クライアントで毎日大量の変更が発生するとインクリメンタル データも大きくなるので、インクリメンタル バックアップが 従来のフル バックアップよりも有益となることはありません。たとえば、NetBackup クライアントに患者記録が保存され ている医療機関などは、この例に当てはまります。医療記録ファイルへの変更が付加され、NetBackup クライアントが 新たに追加される割合は低くなります。
合成バックアップに関する詳細情報については、『NetBackup Disk Capabilities』のホワイト ペーパーを参照してくださ い。
ディスク ステージング
ディスク ステージングは、NetBackup 管理者がまずディスクにバックアップ イメージを作成し、次にそのイメージを後 から別のメディア タイプに移動するというバックアップ方法です。NetBackup のディスク ステージングは、NetBackup バックアップ イメージをディスクで作成し、その後、そのバックアップ イメージを都合のいいときに別のメディア タイプ に移動するという 2 段階で実行されます。さらに、Disk Staging は高速なバックアップとリストアを簡便化することがで きる上、NetBackup ユーザーはディスク ステージングを利用し、多重化を行うことなく、データをテープ デバイスに効 率的にストリーミングすることができます。 ディスク ステージングは、以下の目的を達成したい場合に NetBackup 環境に導入すると有益です。 • ディスクから迅速にリストアを行う • テープのマルチプレキシングが不要になり、テープへのデータ転送が効率化する • テープ ドライブが残り少なくなっているか、手元にないときにバックアップを実行する ディスク ステージングの動作 ディスク ステージングの仕組みを、以下に示します。 ある NetBackup ユーザーが、以下のような量のバックアップ データを生成するとします。 月曜日: 200MB 火曜日: 300MB 水曜日: 300MB 木曜日: 200MB 金曜日: 500MB この NetBackup ユーザーは、ディスク ストレージ ユニットへのバックアップを毎日行うことにしているほか、ディスク ストレージ ユニットから最後のストレージ ユニットへのリロケーションも毎日行うことにしています。 このユーザーには、少なくとも 500MB のステージング用のディスク ストレージ ユニットが必要です。このサイズがあ ると、1 日で生成されるデータ量に十分に対応することができます。NetBackup 管理者が、ディスク ストレージ ユ ニットに 1 日分のデータ量のみを保存するとした場合は、500MB のディスク ストレージ ユニットで十分です。ただし その場合、リロケーションのスケジュールが正常に実施され、データが毎日テープに移動されることが前提になります。 1 日以上にわたってデータをディスクに保存したい場合は、管理者は容量要件を調整する必要があります。 ディスク ステージングは、2 段階で処理されます。 • ステージ 1: バックアップが、ディスク ストレージ ユニットにイメージを作成する • ステージ 2: リロケーション スケジュールにより、ディスク ストレージ ユニットのイメージを、送り先のストレージ ユ ニットにいつ移動するかを決定するNetBackup のディスク ステージング手順を以下に示します。 ポリシー: ステージ 1 、 スケジュール 保管先ストレージ ユニット ステージ 1: NetBackup ポリシー は、ステージ 1 のポリシー スケジュー ルに従い、クライアント データをディス ク ステージング ストレージ ユニットに バックアップする ディスク ストレージ ユニット ステージ 2: ディスク ストレージ ユ ニット (DSU) は、リロケーション スケ ジュールに従い、データを最終の保管先 ストレージ ユニットにリロケートする ポリシー: ステージ 2 、 リロケーション スケジュール ステージ 2 クライアント ステージ 1 図 5: NetBackup のディスク ステージング手順の例 バックアップの第 1 ステージでは、クライアントは、ディスク ストレージ ユニットを送り先ストレージ ユニットとして指定 するポリシーによってバックアップされます。ステージ 1 のスケジュールは、ほかのバックアップと同様に設定されま す。 ディスク ステージングの第 2 ステージでは、イメージはディスク ストレージ ユニットから、保管先ストレージ ユニット にリロケートされます。 イメージは、セットアップ時に指定されたリロケーション スケジュールに基づいてリロケートされます。これは、「Disk Staging Schedule」ボタンをクリックすることで行われます。
ディスク ステージングに関する詳細情報については、『NetBackup Disk Capabilities』のホワイト ペーパーを参照して ください。
NetBackup 6.0 の新機能: NetBackup High Water Mark および Low Water Mark 設定
NetBackup では、High Water Mark (上限値) 設定と Low Water Mark (下限値) 設定を利用し、NetBackup ディス ク ステージング ストレージ ユニットの空き領域を維持します。
High Water Mark
「High Water Mark」設定とは、ディスク ストレージ ユニットがフルであると見なされるしきい値であり、この値に到達す ると NetBackup に通知が送られます。NetBackup では、デフォルトで 98% に設定されています。
NetBackup では、フルであると見なされるストレージ ユニットには、新しいジョブは割り当てません。ストレージ ユニッ トの容量が「High Water Mark」以下になると、ジョブを再度そのストレージ ユニットに割り当てることができます。 NetBackup が、ジョブを割り当てるストレージ ユニットを見つけることができない場合は、そのジョブは失敗します。ス トレージ ユニットがディスク ステージング ストレージ ユニットである場合、ジョブの実行中に「High Water Mark」値を 超過した場合は、必要に応じて古いイメージが削除されます。
Low Water Mark
「Low Water Mark」は、一時的なステージング ストレージ ユニットとして使用されるディスク ストレージ ユニットにの み関連する値です。NetBackup のデフォルト値は 80% です。
「High Water Mark」値に到達すると、「Low Water Mark」値になるまでディスク ストレージ ユニットに空き領域が作成 されます。このために、NetBackup はイメージをほかのストレージ ユニットにコピーしたり、(古いイメージから順に) イメージを削除したりして、空き領域を作成します。「Low Water Mark」は、「High Water Mark」 以上には設定できま せん。
NetBackup と Network Appliance の統合
Nearstore ディスク ストレージ ユニット
NetBackup 6.0 は、Network Appliance (NetApp) の NearStore ディスク ストレージ ユニットを導入しています。 基本的な動作としては、NetBackup はクライアント バックアップ データを tar 形式で NearStore ディスクに書き込 みます。tar イメージの書き込みが完了すると、tar イメージからスナップショットが抽出され、NetBackup マシンの WAFL qtree に変換されます。
NetBackup NearStore ディスク ストレージ ユニットの構成において理解しておくと便利な用語は以下のとおりです。 o WAFL (Write Anywhere File Layout): Network Appliance 製のすべてのストレージ サーバーで使用
されているファイル システム。WAFL は、スナップショットの作成をサポートします。 o qtree (クオータ ツリー): NearStore ボリュームのサブディレクトリで、特別な属性、プライマリ クオータ、 および権限を持つ仮想サブボリュームとして使用されます。 o スナップショット: 読み取り専用の、ボリューム全体のポイントインタイム コピー。スナップショットは、ファイ ルの内容を複製せずに、ファイルの修正内容を捕捉します。 NearStore ストレージ ユニットの利点 NetBackup NearStore ストレージ ユニットの主な利点は以下のとおりです。 o NetBackup と NearStore 環境の革新的な統合
NearStore ストレージ ユニットへのクライアント バックアップでは、NearStore が tar イメージを WAFL 形 式に変換するためのメタデータを提供するメディア サーバーが必要になります。
NearStore ストレージ ユニット (Data ONTAP 7.1.1) からファイルをリストアする場合、NetBackup クライア ントは WAFL qtree を直接 NFS/CIFS にマウントし、バックアップ イメージをリストアすることができます。 バックアップ、アーカイブ、およびリストア クライアント インタフェースも使用することができます。(このインタ フェースは、Data ONTAP 7.1.1 以前 を使用し、イメージをリストアする場合は必須です。) o シングル インスタンス ストレージ NearStore は、最新のスナップショットとアクティブなファイル システムを比較することで、ディスク ブロックの 重複を回避します。スナップされるアクティブなファイル システムのブロックが修正されたり、削除されたりしな い限りは、スナップショットがディスク領域を使用することはありません。 o ポイントインタイム スナップショットを使用する NearStore が作成するスナップショットは、ポイントインタイム スナップショットです。
NetBackup および Network Appliance NearStore 環境の例は、以下の図 6 に示します。 NetBackup メディア サーバー Exchange Server Oracle Database Server SQL Server LAN NetBackup イメージ TAR 形式 NetApp ネイティブ形式 (WAFL) クライアントから直接リストア NetBackup クライアント NetApp NearStore ディスク ストレージ ユニッ 冗長データの 削除 図 6: NetBackup および NearStore の例
NetBackup NearStore ディスク ストレージ ユニットを設定する方法に関する詳細については、『NetBackup システ ム管理者ガイド』を参照してください。
SnapVault ディスク ストレージ ユニット
NAS ホストでクライアント データのスナップショットを作成する以外にも、NetBackup は NAS スナップショット デー タをディスクベースの SnapVault セカンダリ ホストにコピーできるようになりました。これにより、セキュリティ、リモート オフィスのバックアップ機能、およびリストア速度が向上されます。この場合、NAS スナップショットを含む NAS ファイ ラがプライマリ ホストとなり、スナップショットのディスク バックアップを含む SnapVault サーバーがセカンダリ ホスト になります。SnapVault バックアップは頻繁に作成することができ、必要な限りディスクに保持することができます。 SnapVault については、本書 27 ページ以降、「Advanced Client」項目内で詳述します。
その他の詳細情報については、『NetBackup/NetApp Integrated NAS Protection』および『NetBackup/NetApp Optimized Disk-Based Data Protection』のホワイト ペーパーを参照してください。
バックアップとリカバリのチェックポイント再始動
チェックポイント再始動を利用すると、失敗したバックアップまたはリカバリ ジョブを、最後のチェックポイントから再開す ることができます。チェックポイントは、バックアップまたはリカバリのときに、定期的に抽出されます。したがって、バック アップやリカバリ ジョブが失敗しても、それらのジョブを初めからやり直すのではなく、失敗の原因となった点を正して から、最後のチェックポイントから再開することができます。その結果、時間とリソースを大幅に節約することができます。 さらに、アクティブなバックアップまたはリカバリ ジョブを中断し、後から最後のチェックポイントから再開することもでき ます。これにより、管理者は必要に応じてバックアップやリカバリを中断し、より重要なバックアップやリカバリ ジョブ、お よび処理を優先させることができます。 バックアップとリカバリのチェックポイント再始動は、以下の処理で利用可能です。 • ファイル境界での再開。つまり、バックアップやリカバリが、最後のチェックポイントが設定されたファイルの次のファ イルから再開されます。ファイルの途中から再開することはできません。• ファイルシステムのバックアップのバックアップとリカバリ (つまり、NetBackup Standard または NetBackup Microsoft Windows ポリシー タイプのみを使用するバックアップおよびリカバリ) • ファイル システムのローカルおよび代替クライアント スナップショット バックアップおよびリカバリ o バックアップ: ファイル システムのローカルおよび代替クライアント スナップショット バック アップがサポートされます。ただし、ほかのオフホスト バックアップ方法 (メディア サー バー コピーやサード パーティ コピーなど) はサポートされません。 o リカバリ: 標準ポリシー タイプを使用するサード パーティおよびメディア サーバー コピー イメージは、リカバリではサポートされますが、バックアップ イメージがブロックを変えると、 中断/再開機能は使用することができません。FlashBackup 方式はサポートされません。 NetBackup のチェックポイント再始動機能を、以下の図 7 に示します。 図 7: NetBackup のチェックポイント再始動機能の例 管理者によるキャンセル またはクリーニングされた ジョブ 一時停止 不完全
終了
新規ジョブ
アクティブ
ジョブ失敗 管理者による 一時停止 管理者によるキャンセルまたは スケジューラがクライアントの 新規バックアップを開始 自動または管理者 による再開 管理者に よる再開キュー送信
「INCOMPLETE」パラメータを残す 最大時間 リスタート ジョブ 管理者に よる再開 同一 同一 同一 JOBID JOBID JOBID 同じ ジョブ ID 同じ ジョブ ID またはジョブの消去 キューに登録 同じ ジョブ ID 新規 JOBID ジョブ ID ジョブの再起動NetBackup Advanced Client
NetBackup Advanced Client は、あらゆる高度なバックアップとリカバリ方法を単一のライセンス パッケージに集約し たものであり、データをスナップショットする包括的なアプローチを提供し、バックアップとリカバリ処理を支援します。こ れらの方法を利用すると、NetBackup ユーザーに以下のようなメリットをもたらすバックアップとリカバリ パフォーマン スを設計することができます。 • 高速リストア • 高速バックアップ • バックアップによる影響の低減
NetBackup Advanced Client は、NetBackup ユーザーが、この製品とともに提供される高度なバックアップとリカバリ 方法を設定し、利用できるよう設計されています。新しい NetBackup Advanced Client に組み込まれたバックアップと リカバリ方法は以下のとおりです。 • ローカル スナップショット • FlashBackup • インスタント リカバリ • ブロック レベル増分 (BLI) バックアップとリカバリ • オフホスト (ServerFree) バックアップ 代替クライアント メディア サーバー コピー サードパーティ コピー アレイのサポート
• Network Attached Storage (NAS)
NetworkAppliance SnapVault、Snapshot、および SnapRestore のサポート
NetBackup 6.0 の新機能
以下の Advanced Client の新機能は、NetBackup 6.0 で提供されます。 • Network Appliance SnapVault
• Windows でのディスク アレイ スナップショットのサポート • スナップショット ポリシー設定ウィザード • インスタント リカバリの機能強化 ディスクベースのスナップショット機能の概要 スナップショットとは、クライアントのデータのディスク イメージであり、ほぼ即時に作成することができます。NetBackup はクライアントのプライマリ ディスクからではなく、スナップショット イメージからデータをバックアップします。データのス ナップショットを利用すると、バックアップ プロセスが実行されている間も、クライアント操作やユーザー アクセスを中断 することなく継続的に行えます。 スナップショット イメージは Advanced Client のすべての機能に必要となるものです。スナップショットは、いくつかの 方法で作成できます。NetBackup ユーザーは、NetBackup 管理コンソールの「ポリシー」ダイアログからスナップ ショットの方法を手動で選択することができます。または、NetBackup が最適なスナップショットを選択することも可能 です。
Netbackup Advanced Client とファイル システムのオンライン バックアップ
ローカル スナップショット方式 この基本的なスナップショット方式では、どの NetBackup メディアサーバーにもバックアップできるスナップショットが 生成されます。以下の図は、スナップショットのローカル バックアップのネットワーク構成を示します。このネットワーク 構成は、通常の NetBackup 処理と同じものです。ただし、ここでは従来のファイル単位のアプローチではなく、スナッ プショットはポイントインタイムでまず作成されてから、メディア サーバーに移されます。 NetBackup メディア サーバー NetBackup Advanced Client ミラー プライマリ図 8: NetBackup Advanced Client でローカル スナップショット バックアップを行う
FlashBackup
重要なエンタープライズ サーバーが主要な機能を実行している間、NetBackup Advanced Client を利用すると、ユー ザーは FlashBackup によって、従来のバックアップ方式よりも数倍も速く、高速でバックアップを作成することができま す。これにより、データの整合性が失われることはなく、個別のファイルのリストアも可能です。 FlashBackup では、個々のファイルやディレクトリのリストアを可能にしつつ、マウントされたファイル システム1のハイ パフォーマンスのオンライン「ファイル イメージ」バックアップを提供します。ファイル システムがあり、多数の小さなファ イルを格納したファイル サーバー、Web サーバー、およびインターネット メール サーバーのバックアップ パフォーマ ンスは、FlashBackup 方式を利用することで劇的に向上します。高パフォーマンスなバックアップは、バックアップされ るホスト システムのオーバーヘッドを最小限に抑えて実現されます。FlashBackup 方式は、個々のファイルやディレク トリのレベルでのリストアの柔軟性を失わずに、Raw ファイル システムのパフォーマンスを提供します。このスナップ ショット方式は、ディスクまたはテープ ストレージ ユニットで利用できます。 1
FlashBackup でも、フル バックアップとインクリメンタル バックアップがサポートされ、いずれもソース ディスクを一回 移動するだけで実行できるので、ヘッドの不要な動作を減らすことができます。すべてのリストア (テープからの) は、メ ディアを一回パスするだけで実行されるので、リストアにかかる時間が最適化されます。 高速テープ デバイス 高速テープ デバイス 高速イメージ バックアップ ファイル システム ファイル システム 個々のファイルと ディレクトリ、 または Raw パーティションの リストア キャッシュ
図 9: NetBackup Advanced Client の FlashBackup
上記の図 9 は、FlashBackup のバックアップとリカバリ プロセスを示します。FlashBackup は、ファイル システムの I/O でバッファに格納された部分は対象から外すため、バックアップ プロセスの CPU 利用率を大幅に削減するので、 Raw パーティション バックアップの高いパフォーマンスがもたらされます。ディスクの「スナップショット」機能は、バック アップ中にライブ ディスクの一貫したビューを提供します。これにより、バックアップ処理中に、ユーザーがディスクの内 容に修正を加える間も、ディスクのポイントインタイム バックアップを実行することができます。FlashBackup では、 NetBackup は個々のファイルやディレクトリ、または Raw パーティションをリカバリできるので、ユーザーはパフォー ンスの精度を犠牲にせずに済みます。 マ FlashBackup は、特に小さなファイルが多数存在する環境でバックアップ パフォーマンスを劇的に高めることができま す。NFS ファイル サーバー、Web サーバー、および Post Office Protocol (POP) メール サーバー環境では、6 ∼ 10 倍のパフォーマンス向上がもたらされることも珍しくはありません。たとえば、以下の図 10 では、ファイル システ ムに多数のファイルがあるユーザーのバックアップ時間をグラフ化したものです。標準的なバックアップでは 72 時間も かかっていたバックアップが、FlashBackup 方式を利用するとわずか 11 時間に短縮されています。 時間 540 万個のファイル 例: カリフォルニアの大企業 通常のバックアップ FlashBackup 72 時 11.5 時間 89 GB のファイル システム
図 10: Advanced Client の FlashBackup によるパフォーマンスの向上
NetBackup Advanced Client とディスク アレイのサポート
ディスク アレイを利用する今日の大手企業では、従来のバックアップ方式では十分に対応することができません。デー タの可用性を最大の状態に保ち、バックアップが実稼動システムに与える影響を最小限にとどめる必要があります。主 要なストレージ製造業者は革新的な方法を開発しており、これらのバックアップおよびリカバリ アプリケーションを組み 合わせると、このような課題にも対処することができます。NetBackup Advanced Client は、ディスク アレイ向けに設 計されたスナップショット方式を提供します。NetBackup は、広く使用されているこれらのハードウェア データ スナップ ショット技術を有効に活用することができます。 多くの場合、ディスク アレイに作成されたデータの 3 番目のミラーは、バックアップ オブジェクトとして機能します。 Advanced Client は 3 番目のミラーをプライマリ ミラーとセカンダリ ミラーから切り離し、データをバックアップに備え ます。その後、NetBackup がバックアップを実行し、データ トラフィックを NetBackup サーバーに送信します。そこで、 データはテープ デバイスに保存されます。Advanced Client は、オフホストバックアップ方式により、バックアップをディ スクからテープに直接移すこともできます。バックアップが完了すると、NetBackup は 3 番目のミラーとプライマリ ミ ラーを同期させ、データの整合性を確保します。これは、即時実施するか、次回のバックアップ直前に行えます。 新機能! NetBackup 6.0 Advanced Client は、Windows のディスク アレイスナップショットをサポート
NetBackup メディア サーバー NetBackup Advanced Client プライマリ セカンダリ 3 番目のミラー ディスク アレイ テープ ライブラリ
図 11: NetBackup Advanced Client でミラー バックアップの分割
上記の図 11 では、Advanced Client は代替クライアントバックアップ機能を使用しています。この機能については後 述します。3 番目のミラーは、ほかのホストにマウントされます。この場合では、NetBackup メディア サーバーです。 黒の点線がこの機能を示します。データは、テープにバックアップされます。赤の点線は、データがテープにバックアッ プされる様子を示します。バックアップされる NetBackup Advanced Client マシンは、このオフホストのバックアップ処 理による影響を受けません。Advanced Client は、ディスク アレイから LAN を通じ、テープに移すよう設定することも できます。この場合、3 番目のミラーは Advanced Client にマウントされ、NetBackup メディア サーバーを通じて バックアップされます。
Advanced Client は、以下のサードパーティのディスク アレイ スナップショット方式をサポートします。 • HP StorageWorks Business Copy XP
• EMC TimeFinder • EMC Clariion
• 日立データシステムズ ShadowImage • Sun StorEdge ShadowImage
NetBackup Advanced Client とインスタント リカバリ
NetBackup ソフトウェアは、ディスクからポイントインタイム コピーを取得できるので、高速のリカバリが可能になりま す。Advanced Client を利用すると、バックアップ管理者はエンド ユーザー エラーやアプリケーションの破損に対処す ることができます。
Advanced Client のポイントインタイム機能を利用すると、ユーザーに最適な方法を選択することができます。たとえば、 ユーザー環境のバックアップおよびリカバリ要件を満たすことができるのがスナップショット方式であれば、VERITAS Volume Manager のボリューム スナップショット機能を使用することができます。Advanced Client で利用可能なすべ てのスナップショット方式において、データをネットワーク上で転送したり、テープにコピーしたりせずに、クライアントのデ ータを取り込むことができます。NetBackup マスター サーバーにはカタログ エントリのみが送信され、NetBackup で 使用するために作成、または指定されたポイントインタイムを正確に追跡することができます。 LAN メタデータのみをカタログ NetBackup Advanced Client NetBackup マスター サーバー
VERITAS Volume Manager
B
C
A
2:00 pm 3:00 pm 1:00 pm
図 12: VERITAS Advanced Client とインスタント バックアップおよびリカバリ方法
NetBackup のインスタント リカバリによってサポートされるスナップショット方法は、VERITAS Storage Foundation 製品 (VERITAS File System、VERITAS Volume Manager、または VERITAS Volume Replicator)、 Fast File Resync、および Network Appliance のスナップショットです。インスタント リカバリ方法は、Oracle、SQL、および DB2 デ ー タ ベ ー ス で も サ ポ ー ト さ れ ま す 。 NetBackup 6.0 の サ ポ ー ト 要 件 に 関 す る 最 新 情 報 に つ い て は 、
NetBackup Advanced Client とオフホスト バックアップ
NetBackup Advanced Client を使用したオフホスト バックアップの主な目的は、I/O 処理をプライマリ NetBackup ク ライアント (アプリケーション ホスト) からバックアップ エージェントに移すことです。NetBackup Advanced Client に は、3 つのオフホスト バックアップ方法があります。 • 代替クライアント バックアップ: このバックアップは、ミラー分割またはデータ リプリケーション構成の別のクライア ントによって行われます。 • NetBackup メディア サーバー: このバックアップは、NetBackup のメディア サーバーによって行われます。 • サードパーティ コピー デバイス: このバックアップは、Extended Copy コマンドを使用する、独立したデバイスに よって実行されます。
• 新機能! Microsoft Exchange のサポート – NetBackup は、MS Exchange のサーバーのオフホスト バック アップを実行することで、バックアップの影響を抑え、パフォーマンスを高めることができます。
• 新機能! AIX と Linux のサポート: バックアップの影響を抑えるオフホスト バックアップを、AIX と Linux プラッ トフォームでも行えるようになりました。 代替クライアント バックアップ方式 代替クライアント バックアップ方式では、バックアップ処理の負荷を別のクライアント マシンに移します。別の代替クラ イアント マシンに作業負荷を移すと、元のクライアント マシンのコンピューティング リソースを節約することができます。 スナップショットは代替クライアントに作成されるので、バックアップは元のクライアントにはまったく影響を与えません。 代替クライアント バックアップ方式では、2 台のクライアントに接続された NetBackup サーバーと NetBackup メディ ア サーバーを使用します。プライマリ (または元の) NetBackup クライアントにはバックアップされるデータが格納され ており、代替クライアントにはそのデータがコピーされます。NetBackup メディア サーバーは、代替クライアントからア クセスすることができます。その結果、NetBackup メディア サーバーは、代替クライアントをローカル ホストとしてバッ クアップすることができます。
図 13 は、Advanced Client オフホスト代替クライアント バックアップを実行する NetBackup ポリシーを構成する方 法を示します。
NetBackup Advanced Client の代替バックアップ方式は、Oracle、DB2、および Microsoft SQL Server データベー スをサポートします。
図 13: Advanced Client によりオフホスト代替クライアント バックアップを実行するための NetBackup ポリシーの設定
サードパーティ コピー デバイスと NetBackup メディア サーバー方式
NetBackup Advanced Client では、スナップショット、マッピング、およびサードパーティ コピーといったデータ移動技 術によるオフホスト バックアップを実行することができます。この技術は、NetBackup Advanced Client サーバーから、 バックアップ負荷を別のバックアップ エージェント (代替クライアント、NetBackup メディア サーバー、またはサード パーティコピー デバイス) に移動します。バックアップ処理中に、クライアント マシンのオーバーヘッドが取り除かれる ので、バックアップ中のクライアント マシンを使用するユーザーのパフォーマンスが大幅に向上します。
NetBackup Advanced Client とオフホスト バックアップ方式は、3 つのステップから構成されます。これらについては、 図 14 で解説します。
ステップ 1 データ スナップショット – アプリケーションやデータベースを使用せずにバックアップを実行するには、 NetBackup では、データのポイントインタイム スナップショットを作成する必要があります。フローズン イメージまたは スナップショットを作成するプロセスの最初のステップとして、クライアント マシンをバックアップ モードに切り替え、アプ リケーションやデータベースを一時的に中断します。このプロセスにより、すべてのバッファがフラッシュされ、あるポイン トインタイムで一定したデータを得ることができます。このポイントが確立すると、NetBackup Advanced Client の機能 を利用し、スナップショット バックアップを実行することができます。複数のスナップショット方式があると、ユーザーには 最高の柔軟性がもたらされます。
ステップ 2 論理ディスク オブジェクト マッピング – スナップショットとサーバーフリー データ移動の基礎となる技術レ イヤは、論理ディスク オブジェクト マッピングです。物理的な位置が分かるようにデータを確実にマッピングすることは 必要不可欠であることから、ベリタスソフトウェアはこの技術を開発しました。スナップショットが抽出されると、 Advanced Client は I/O スタックを介してドリルダウンし、論理ファイル名を実際の物理データ ブロックにリンクするこ とで、データをマッピングします。ファイル システムを再編成する場合は、セクタのずれや RAID 5 がパフォーマンスを 劣化させていました。しかし、このデータは再マッピングされ、一貫性が保たれます。この技術レイヤは、オフホスト (サーバーフリー) のデータ移動には欠かすことができません。これがなければ、データをサーバーにリストアする必要 性があるときに、データが破損する可能性が高くなります。マッピング (ブロック リスト) が完了すると、データをサード パーティコピー エンジンに送信することができます。 ステップ 3 真のオフホスト データ移動 – スナップショットとマッピング処理が完了すると、データは SCSI Extended Copy Command2 によって移動することができます。こも機能は、ストレージ エリア ネットワーク (SAN) または NetBackup メディア サーバーでサポートされています。どちらのアーキテクチャでも、データはアプリケーションやデー タベースによって移されるのではなく、他の装置 (SAN ハードウェア デバイスまたは NetBackup メディア サーバー) に負荷が移動されます。SCSI Extended Copy エンジンは、ディスクから SAN のテープにバックアップ データを直接 移動する処理を行います。 NetBackup サーバー 2. 論理ディスク オブジェクト マッピング データのマッピング データの書き込み 1. データ スナップショット 3. 真のオフホストのデータの動き NetBackup Advanced Client
図 14: NetBackup Advanced Client と、3 つのステップで実行されるオフホスト バックアップ プロセス
サードパーティ コピー デバイスと NetBackup メディア サーバー バックアップ方式は、HP-UX および Sun Solaris で使用できます。
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NetBackup Advanced Client とブロック レベルインクリメンタル バックアップとリカバリ
NetBackup Advanced Client とブロック レベルインクリメンタル バックアップとリカバリ方式については、29 ページ以 降で詳述します。
NetBackup Advanced Client と NAS のサポート
VERITAS Software と Network Appliance は、NAS とヘテロジニアス環境の両方をサポートする、一連の統合的な データ保護ソリューションを提供します。組織では、すべてのデータ保護ステージを単一インタフェースから管理すること で、データ保護戦略を簡略化することができます。これには、短期的な保護とインスタント リカバリを行うためのスナッ プショット管理、当面の保護のためのディスク間バックアップ、そして長期的なストレージのための NDMP テープ バッ クアップがあります。NetBackup 6.0 リリースでは、NDMP の機能強化と、Network Appliance の Snapshot、 SnapRestore、および SnapVault 技術など数々の革新的なソリューションを提供します。
NAS Snapshot の概要
Advanced Client と NetBackup NDMP Option のスナップショット機能により、NetBackup は NAS (NDMP) ホスト にクライアント データのスナップショットを作成することができます。クライアント データは NAS ホストにあり、UNIX では NFS、Windows では CIFS によってクライアントにマウントする必要があります。
NAS スナップショットはポイントインタイム ディスク イメージであり、必要な期間だけディスクに維持しておくことができ ます。Advanced Client のインスタント リカバリ方法を利用すると、データを効率的にリストアすることができます。この 様子を図 15 に示します。
Advanced Client を実装した NetBackup for NDMP マスター サーバー Advanced Client を 実装した NetBackup クライアント NDMP ホスト (NAS ファイラ) CIFS または NFS マウント Windows クライアントの場合: \\ndmp_hostname\volume UNIX クライアントの場合: \\NFS_mountpoint データはクライアントにマウントされ、NAS (NDMP) ホスト上に置かれる NetBackup ポリシーで、以下のいずれかを入力する。 クライアント データのスナップ ショットは、NAS 接続された ディスク上で作成される
注意: Windows パス名は、UNC (Universal
Naming Convention) を使用する必要が
あります。
図 15: NetBackup と NDMP スナップショット環境
NetBackup は、NAS に接続されたディスクでのみスナップショットを作成し、NetBackup サーバーやクライアントに接 続されたストレージ デバイスでは作成しません。
NetBackup と Network Appliance の SnapVault
NAS ホストでクライアント データのスナップショットを作成する以外にも、NetBackup は NAS スナップショット デー タをディスクベースの Network Appliance SnapVault セカンダリ ホストにコピーできるようになりました。これにより、 セキュリティとリストア速度が向上されます。この場合、NAS スナップショットを含む NAS ファイラがプライマリ ホスト となり、スナップショットのディスク バックアップを含む SnapVault サーバーがセカンダリ ホストになります。 SnapVault バックアップは頻繁に作成することができ、必要に応じてディスクに保持することができます。 この様子を 図 16 に示します。 SnapVault サーバー、プライマリ (NAS ファイラ) LAN / WAN NetBackup Advanced Client CIFS または NFS マウント まず、クライアント データの スナップショットが NAS 接続 されたディスク (SnapVault プライマリ) に作成される 最後に、同一クライアント データ のコピーが SnapVault セカンダリに作成されます SnapVault サーバー、 セカンダリ (NearStore) NetBackup Advanced Client
NetBackup NDMP マスター サーバー
図 16: NetBackup と Network Appliance SnapVault の概要
Network Appliance とベリタスソフトウェアは、何年にもわたって築き上げた協力関係と専門技術を、業界をリードする ディスク統合とデータ保護の作業に集約しています。2 社の関係から革新的なソリューションや、卓越した協調的な サービスやサポートが実現されます。両社は 1 年にわたって共同開発に従事し、独自のディスクベースのデータ保護 統合を実現しました。Network Appliance 技術の NetBackup のサポートと統合について詳しくは、ベリタスと Network Appliance の Web サイトを参照してください。
詳細については、『NetBackup/NetApp Integrated NAS Protection』と『NetBackup/NetApp Optimized Disk-Based Data Protection』のホワイト ペーパーを参照してください。
NetBackup Advanced Client に関する追加情報
NetBackup 6.0 に関する追加情報については、『NetBackup Advanced Client Overview』のホワイト ペーパーを参 照してください。このホワイト ペーパーは、www.veritas.com にあります。