• 検索結果がありません。

テスト

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "テスト"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

9 9 回 慶 應 E U 研 究 会 2 0 1 7年 7 月 8 日 慶 應 義 塾 大 学 大 学 院 法 務 研 究 科 非 常 勤 講 師 佐 藤 真 紀

インターネットの自由と不自由

(2)

本書の概要

慶應義塾大学法科大学院の「EUビジネス法務ワークショッ

プ・プログラム」において、「インターネットにおける個人

情報保護と競争法」というテーマに取り組んだことを契機と

して、以下のメンバーで執筆したもの。

編者

庄司 克宏

執筆者

史彦

市川 芳治

宮下 紘

山田 浩

佐藤 真紀

2

(3)

本書の視点

インターネットの自由が危ない?  ネット・ショッピングのトラブルは誰の責任か?  個人情報は世界中どこでも保護されるのか?  個人情報保護は基本的人権か?  忘れられる権利と表現の自由はどっちが上か?  個人情報保護か?テロ対策の監視か?  EUの個人情報保護法は日本にまで及ぶか?  個人データはネット時代の「通貨」か?  人工知能のカルテルは罪になるか?  ビックデータを活用した競争は「卑怯」か? インターネットにかかるルール インター ネット・ガ バナンス 電子商取引 個人データ 保護 競争法 イノベー ション ビックデー タ ネット中立 性 インターネットに関わる既存の法令をいわゆる「情報法」や「インターネット 法」として括りだし、それらを解説するのではなく、インターネットを身近に 利用するステークホルダーの立場から、インターネットの自由を確保しつつ、 現在および将来におけるインターネットを取り巻く問題に対応したルールをど のように作っていくべきか。 電気通信事 業法 プロバイ ダー責任制 限法 表現の自由 プライバ シー 3

(4)

インターネット

インターネットとは、世界各地に散在する多数の組織が ネットワークを相互接続したネットワークの集合体である。 (単独の組織が世界規模で運営しているわけではない。) そのため、ボーダレスでトランスナショナルな存在である。 また、自立・分散・協調型のシステムであり、レイヤー型 であり、エンド・ツー・エンドであり、中立であり、匿名 性があり暗号化されているという特性を持つ。 インターネットにより、私たちは世界中から様々な情報を いつでも入手でき、逆に世界中の人々に伝えたい情報を発 信することができるようになった。 「インターネットの自由」とは非常に広い概念である。本 書では、国家の支配によらず自主的なルールにより運営さ れるインターネットに制約なくアクセスでき、またイン ターネット上(いわゆるサイバー空間)において、表現の 自由や知る権利、プライバシー権、知的財産権など、オフ ラインおいて認められる権利が利用者に保障されることと した。 世界におけるインターネット普及率は、47%(2016年度) 前年比で4%上昇。国連は2020年には60%を目指す。 先進国においては、平均81% 個人普及率が最も高い国は、アイスランドで98.2% 続いて、ルクセンブルグ、アンドラ、ノルウェー、デンマーク・・ 日本は8位

国連ICU「ICT Facts and Figures 2016」http://www.itu.int/en/ITU-D/Statistics/Pages/facts/default.aspx 参照。

(5)

インターネットの自由度

インターネットの自由度を「アクセス障害(意図 的な遮断等の有無)」、「コンテンツの制限(コ ンテンツの検閲や多様性の有無」、「ユーザーの 権利侵害(プライバシー等法的な権利保護の有 無)」という3つ観点から判断したレポートがある。 スコアが低いほど、インターネットの自由があり、 スコアが高いほどインターネットが不自由である ことを示す。 日本は、65カ国中、アイスランド、エストニア、 カナダ、アメリカ、ドイツ、オーストラリアに次 ぐ、7位で22ポイントであった。内訳は、「アクセ スの障害」が4ポイント、「コンテンツの制限」が 7ポイント、「ユーザーの権利侵害」が11ポイント。 最下位は、中国で88ポイント。(2016年) 中国は最下位ながら、2015年時点で世界最大の インターネット利用者(7億2100万人)を抱えてい る。

国際NGOフリーダム・ハウス「Freedom on the Net 2016」https://freedomhouse.org/report-types/freedom-net 参照。

(6)

国家によるアクセス制限

中国では、Google、Facebook、Twitter、YouTube等が利用でき ないだけでなく、政府に批判的なサイトや政府が有害とする 情報へのアクセスを遮断する「ネット検閲」が行われている という。 「サイバー空間に国家主権と国家の安全および社会の公共利 益を維持するため」に制定された「インターネット安全法*」 は、対象となる事業者に国家の安全維持や捜査活動のため、 技術的サポートや技術協力することを求める。さらに、社会 の安全を脅かす重大な突発事故が起きた際には、安全保障お よび社会公共秩序の維持のため、特定地域の通信を制限する 臨時措置に応じことが義務付けられている。中国向けにイン ターネット・サービスを提供する外国企業にも適用されるも ので、多方面から強い批判を受けている。 他にもロシアやトルコのSNS遮断も批判を受けているが、この ようなインターネットにかかるサービスやコンテンツへのア クセスを制限する国の多くに、報道を制限する傾向も見られ るといわれる。 *中华人民共和国网络安全法、2016 年 11 月 7 日公布、2017 年 6 月 1 日施行(中華人民共和国主席令第 53 号) 6

(7)

インターネットガバナンス

インターネットの特性を利用した様々な問題

・サイバーテロ/犯罪

・個人データの流出/違法な収集

・知的財産権の侵害

・プライバシー・肖像権の侵害

・児童ポルノ/有害情報

・ヘイトスピーチ

・フェイクニュース

・ステルスマーケティング

これらの問題に対応するため、インターネッ

トにも一定の規制が必要と認識されつつある。

特に、サイバーテロや犯罪への対応としての

サイバー・セキュリティには、政府間の国際

的な取決めが必要であると主張され、ITU*を

通じた国家の介入が正当化されている。

それぞれの役割を担う複数の任意団体が、マルチステークホルダー・ア プローチで意思決定を行い、インターネットガバナンスを検討してきた。 各国政府は、ITU憲章を解釈することにより、各国政府の電気通信分野へ の規制権限がインターネットを介した通信にも及ぶとし、インターネッ ト政策において政府間協力を強化し、インターネットのルールへの影響 力を強めた。 しかし、ITUの目的に「セキュリティ確保の規定、スパム拡散防止の規 定」を追加し、各国にセキュリティ強化のための措置を義務付けること については、それがコンテンツ規制を正当化する懸念があったため、欧 米および日本は反対し、インターネット規制に対する考え方について各 国政府の意見は分かれた。 このような各国政府の動きやスノーデン事件等を受け、インターネット を担う任意団体が強い懸念を示し、国連人権理事会においても、市民に よるインターネットアクセスを各国政府が意図的に遮断する行為を非難 する決議が、ロシア、中国、サウジアラビア等が反対する中で可決され た。 *国際電気通信連合:電気通信ネットワークの利用に係る国際的秩序の形成に貢献する国連専門機関 7

(8)

インターネットのルール

既に、私たちにとって生活の一部であるサイバー空間のルー ルについて、今一度、インターネットの特性に立ち返り、利 用者の立場から、インターネットの自由を確保しつつ、現在 および将来における問題に対してどのようなルールを設ける べきか考えていくべきだろう。 マルチステークホルダー・アプローチにより、利用者の意見 を汲み取り、優先して実現していく仕組みが必要だと思われ る。ボーダレスでトランスナショナルなインターネットに対 して、何らか規制を考える上では、自主規制と政府規制バラ ンスが重要である。 その意味では、トランスナショナルな域内市場を実現を目指 すEUが、インターネットにおける自主規制を尊重しつつも、 各国に先駆けて、インターネットの自由を確保する規制を導 入または強化していることは、必然であり注視していく必要 がある。

EU

では、「インターネットが、教育ならびに表現の

自由および情報アクセスを実際に行使することに

とって必要不可欠であるとの認識から、これら基本

権の行使に課される制限は、欧州人権条約に従うべ

き」との前提に立ち、以下のようなインターネット

にかかる規制を制定または改正を検討している。

・ネット中立性に関する規制

・オンラインにおける表現の自由の確保とプライ

バシーの保護

・オンラインにおける著作権保護と利活用

・電子商取引に関する規制の簡素化と統一化

・サイバー・セキュリティ

8

(9)

本書の意義

9

本書は、インターネットにかかる法令の解説ではなく、インターネットの自由を構成する

それぞれの権利(特にプライバシー権と個人データ保護権に注目)がどのような特徴をも

ち、これまでどう発展してきたかを通して、規制の内容を評価し、現状の問題を明らかに

している。

インターネットでやり取りされるデータ、その蓄積であるビックデータがどのような経済

活動を生み出し、それを介して私たちの生活にどんな影響を与えるのか、それらを踏まえ

て、競争法のこれまでの手法で対応できるのか、競争当局および規制当局はどうすべきか

を問う。

現在または将来、どのようなインターネットにかかるルールが必要になるのかは、イン

ターネットの自由を構成する権利とサイバー空間における経済活動によるものである。

そのため、すでに当たり前となったインターネットの特性に返り、今一度、現在の私たち

にとってインターネットの自由とは何か、インターネットの不自由とは何かを考えてもら

う機会となることを期待する。

(10)

今後の課題

10  インターネットの情報やコミュニケーションがマスコミ をも時に超えるような政府をも揺るがす影響力を持つこ とはもはや疑いようがない。民主主義にとっても欠くこ とのできないツールとなっている。  本格的なIOTの時代を向かえ、ありとあらゆるデバイス がインターネットにつながり、サイバー空間はますます 広がりを見せ、そこでの選択がオフラインにおける行動 を決定付け、バーチャルとリアルとの境は曖昧になって いくかもしれない。  インターネットの自由を構成する権利は、イノベーショ ンにより新たなサービスやデータの収集が可能になる度 に発展し、新たな権利を生み出していくだろう。  それらを保護するため、またビックデータ時代の情報の 圧倒的な格差により新たな問題を生じさせないためにも、 各国政府が協調しつつも直接の介入を最小限度とした 「協調と自立」のルールを考えていかなければならない。

参照

関連したドキュメント

S SIEM Security Information and Event Management の 略。様々な機器のログを収集し、セキュリティ上の脅 威を検知・分析するもの。. SNS

当社は「世界を変える、新しい流れを。」というミッションの下、インターネットを通じて、法人・個人の垣根 を 壊 し 、 誰 もが 多様 な 専門性 を 生 かすことで 今 まで

自閉症の人達は、「~かもしれ ない 」という予測を立てて行動 することが難しく、これから起 こる事も予測出来ず 不安で混乱

統制の意図がない 確信と十分に練られた計画によっ (逆に十分に統制の取れた犯 て性犯罪に至る 行をする)... 低リスク

いられる。ボディメカニクスとは、人間の骨格や

となってしまうが故に︑

威嚇予防・統合予防の「両者とも犯罪を犯す傾向のある社会への刑法の禁

人の自由に対する犯罪ではなく,公道徳および良俗に対する犯罪として刑法