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大学祭における栄養アセスメント参加前後における健康意識の変化

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Academic year: 2021

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58  生活習慣病の改善やその意識レベルの向上には、適切な栄養アセスメント(以下アセスメント)とその結果に基づく栄養 指導が重要である。栄養クリニックでは、食物栄養学科と合同で毎年、学園祭(藤花祭)期間中に、藤花祭来場者を対象に 栄養アセスメントを実施し、アセスメントの結果に基づく栄養相談等の企画を行っている。今回、藤花祭来場者に対しアセ スメント前後で健康に関する行動変容に関する意識レベルの変化についての調査を行い、大学祭におけるアセスメント企画 の有用性について検討した。 【対象と方法】  2017年11月に実施された藤花祭(学園祭)栄養アセスメント会場来場者において、アセスメント前後に健康意識に関す るアンケート調査を行った。本研究について文書による承諾を得ることができた219名(平均年齢42.0±20.3歳、男性66名、 女性151名)を対象とした。  対象者に対してアセスメント前に健康意識に関するアンケートを実施した。生活習慣の改善意識を5段階別で回答しても らった。生活習慣の改善を現在行っていない「無関心期」及び「関心期」を選択した者に対しては、その理由を記述しても らった。その後、本人の希望するアセスメント(体組成・内臓脂肪測定、血圧測定、簡易貧血検査、超音波骨密度測定、握 力測定、ロコモ度テスト)及びアセスメントの結果に基づく5〜10分程度の栄養相談等を行った。栄養相談は栄養クリニッ クの指導教員および指導員が行った。栄養相談後に、アセスメント後のアンケート項目として、アセスメントを受けたこと により生活習慣の改善をしようと思ったかについて、「とても思った」〜「思わない」の5段階で評価を行った。アセスメ ントで改善をしようと思った者に対しては、どのアセスメント項目でそのように思ったかという設問項目を設けた。  アセスメント前のアンケート項目として、行動変容意識ステージの程度は、Prochaskaによる「行動変容ステージモデル」1) を用いて解析した。  本研究は、京都女子大学臨床研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。 【結果】  アセスメント前後のアンケートの結果を検討し、アセスメントや栄養相談を受けたことによる健康に関する意識変化等を 検討した。  対象者のアセスメント前の行動変容意識ステージ別の分布を行動変容ステージモデル1)にして、図1に示した。「関心期」 が42.9%と最も多く、次に「準備期」、「無関心期」と共に16.4%であった。アセスメント前のアンケートで、生活習慣改 善に向けての行動を行っていない理由として最も多かったのは図2に示すように「時間がない」であり、次に「何をどうす ればよいかがわからない」が続いた。次に、栄養アセスメント後の生活習慣の改善についての意識調査の結果を図3に示す。 「アセスメントを受けたことにより生活習慣の改善をしようと思ったか」という問いについては、「とても思った」が 55.7%と最も多く、次に「やや思った」が32.9%と続き、88.6%の対象者が生活習慣の改善に取り組む意識が認められた。  アセスメント前の行動変容意識ステージ別にアセスメント後の意識変化を図4に示す。「アセスメントを受けたことによ り生活習慣の改善をしようと思ったか」という問いについて「とても思った」と回答した者の割合は、アセスメント前の意 識レベルが「維持期」の方が最も多く、アセスメント前の行動変容意識ステージが下方の集団ほど、アセスメント後に「と ても思った」と思う割合が低い傾向にあった。また、アセスメント前は「関心期」の方がアセスメント後に「やや思った」 と回答した割合が最も多かった。アセスメント前は「無関心期」であっても、アセスメント後に「とても思った」と回答し た方の割合が約40%であった。一方、「無関心期」でもアセスメント後に「変化なし」「あまり思わない」と回答した方の 割合は合わせて3割程度認められた。(図4)

研究活動

大学祭における栄養アセスメント参加前後における健康意識の変化

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59  アセスメント後の生活習慣の改善についての意識調査(図3)で「とても思った」「やや思った」と回答した194名の対 象者に対して図5に示すように、「どのようなアセスメントが改善しようと思うきっかけになったか」という問いについては、 「骨密度」が最も多く、次に、「栄養相談」、「体組成・内臓脂肪」が続いた。 無関心期 (36名, 16.4%) 維持期 (26名, 11.9%) 実行期 (27名, 12.3%) 準備期 (36名, 16.4%) 関心期 (94名, 42.9%) 図1 栄養アセスメント前の対象者の行動変容意識ステージ別の分布 (n=219) 時間がない 施設や機会がない 一緒にやる 仲間がいない 特に理由はない 経済的な ゆとりがない その他 何をどうすれば よいか わからない健康なので特に何もする必要がない 50 40 30 20 10 0 人数 図2 アセスメント前の質問、生活習慣改善に向けての行動を行って いない理由(複数回答) アセスメント前のレベル 維持期(26名) 実行期(27名) 準備期(36名) 関心期(94名) 無関心期(36名) とても思った やや思った 変化なし あまり思わない 0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% (維持期、準備 期、関心期は該 当者なし) 図4 ステージ別、栄養アセスメント後の意識変化(n=219) 変化なし (22名, 10.0%) あまり思わない (3名, 1.4%) 思わなかった (該当者なし) やや思った (72名, 32.9%) とても思った (122名, 55.7%) 図3 栄養アセスメント後の生活習慣の改善についての意識調査の結 果(n=219) n=186 (%) 骨密度 栄養相談 体組成 内臓脂肪 握力 血圧 ロコモ度 ★ テスト ★ロコモ度テストは、50歳未満の希望者のみ実施 貧血 n=132 n=184 n=186 n=183 n=77 n=187 60 50 40 30 20 10 0 図5 アセスメント後、生活習慣に改善意識のある対象者の改善意識につながったアセスメント(複数回答)

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60 【まとめと考察】  本研究から、アセスメントに参加した約9割の方が、図3に示すように「健康のために生活習慣の改善をしようと思った」 を選択した。また、改善しようと思ったきっかけとなった項目は、図5に示すように「骨密度」「栄養相談」「体組成・内臓 脂肪」が多く、これらのアセスメントの実施は生活習慣の改善意識を高める寄与度が高いことが示唆された。しかし、アセ スメント前の意識ステージが高いほど、アセスメント後の意識も高い傾向にあり、一方でアセスメント前が「無関心期」の 者は、アセスメント後も意識の変化がない方の割合が高かった。また、生活習慣の改善を現在行っていない方の理由として は、図2の結果から「時間がない」こと、「改善の具体的な方法がわからない」ということが多く、栄養指導において、日 常の生活の中で、どのように生活習慣の改善を取り入れるかを具体的に個々の生活背景に沿って指導することが大切である と考えられた。  今後、男女別や年齢別などの対象者の属性を考慮し更に詳細に検討する必要があると考えられるが、今回、大学祭のイベ ントにおける1回だけのアセスメント参加者の評価から、生活習慣改善の意識レベルを上げることができる可能性が示唆さ れた。 【文献】 1.ProchaskaJ.O.,VelicerW.F.Thetranstheoreticalmodelofhealthbehaviorchange.AmericanJournalofHealth Promotion12(1),p38-48,1997.  (宮脇尚志)

参照

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