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柏崎刈羽原子力発電所 6 号及び 7 号炉
設置許可基準規則等への適合性について
（浸水防止設備の変更）
2019 年 2 月
東京電力ホールディングス株式会社
資料 2－8
i
柏崎刈羽原子力発電所 6 号及び 7 号炉の浸水防止設備の変更（以下「本変更」
という。）について「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備 の基準に関する規則（以下「設置許可基準規則」という。）」への適合方針を示 す。
なお，本変更に伴う原子炉設置変更許可申請書での関係条文等を整理した結 果を「別添 1 浸水防止設備の変更に伴う関係条文等の整理表」に示す。
1
ii
＜目 次＞
3 条 設計基準対象施設の地盤
4 条 地震による損傷の防止
5 条 津波による損傷の防止
添付資料 1 地下水に対する内郭防護について
添付資料 2 浸水防護重点化範囲の境界における浸水対策の設置位置，
実施範囲及び施工例
9 条 溢水による損傷の防止等
添付資料 1 防護対象設備が設置されているエリア外からの溢水影響評価 について
添付資料 2 「防護対象設備が設置されているエリア外からの溢水影響評価」
に関する補足
40 条 津波による損傷の防止
別添 1 浸水防止設備の変更に伴う関係条文等の整理表 別添 2 まとめ資料変更内容一覧（5 条，40 条）
別添 3 まとめ資料変更内容一覧（9 条）
3
3 条-1
3 条
設計基準対象施設の地盤
3 条-2 1. 適合性説明
本変更に伴い設置する水密扉は耐震重要施設であることから，「設置許可基 準規則第三条 設計基準対象施設の地盤」に適合することを以下に示す。
【設置許可基準規則の要求事項】
（設計基準対象施設の地盤）
第三条 設計基準対象施設は、次条第二項の規定により算定する地震力（設 計基準対象施設のうち、地震の発生によって生ずるおそれがあるその安全 機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度が特に大きいも の（以下「耐震重要施設」という。）にあっては、同条第三項に規定する 基準地震動による地震力を含む。）が作用した場合においても当該設計基 準対象施設を十分に支持することができる地盤に設けなければならない。
2 耐震重要施設は、変形した場合においてもその安全機能が損なわれるお それがない地盤に設けなければならない。
3 耐震重要施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならな い。
【適合のための設計方針】
1 について
水密扉は，基準地震動による地震力が作用した場合においても，接地圧に 対する十分な支持力を有し，基準地震動による地震力が作用することによっ て弱面上のずれが発生しないことを含め，基準地震動による地震力に対する 支持性能を有する地盤上に設置するタービン建屋内に設置する。
2 について
水密扉は，地震発生に伴う地殻変動によって生じる支持地盤の傾斜及び撓 み並びに地震発生に伴う建物・構築物間の不等沈下，液状化及び揺すり込み 沈下等の周辺地盤の変状により，その安全機能が損なわれるおそれがない地 盤上に設置するタービン建屋内に設置する。
3 について
水密扉は，将来活動する可能性のある断層等の露頭がない地盤上に設置す るタービン建屋内に設置する。
5
4 条-1
4 条
地震による損傷の防止
4 条-2 1. 適合性説明
本変更に伴い設置する水密扉は耐震重要施設であることから，「設置許可基 準規則第四条 地震による損傷の防止」に適合することを以下に示す。
【設置許可基準規則の要求事項】
（地震による損傷の防止）
第四条 設計基準対象施設は、地震力に十分に耐えることができるものでな ければならない。
2 前項の地震力は、地震の発生によって生ずるおそれがある設計基準対象 施設の安全機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度に応 じて算定しなければならない。
3 耐震重要施設は、その供用中に当該耐震重要施設に大きな影響を及ぼす おそれがある地震による加速度によって作用する地震力（以下「基準地震 動による地震力」という。）に対して安全機能が損なわれるおそれがない ものでなければならない。
4 耐震重要施設は、前項の地震の発生によって生ずるおそれがある斜面の 崩壊に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならな い。
5 炉心内の燃料被覆材は、基準地震動による地震力に対して放射性物質の 閉じ込めの機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
【適合のための設計方針】
3 について
水密扉は，基準地震動による地震力に対して，浸水防止機能が保持できる ように設計する。
基準地震動による地震力は，基準地震動を用いて，水平 2 方向及び鉛直方 向について適切に組み合わせたものとして算定する。
なお，水密扉が，耐震重要度分類の下位のクラスに属する施設の波及的影 響によって，浸水防止機能を損なわないように設計する。
4 について
水密扉は，基準地震動による地震力によって生じるおそれがある周辺の斜 面の崩壊に対して，浸水防止機能が損なわれるおそれがない場所に設置する。
7
5 条-1
5 条
津波による損傷の防止
5 条-2 1. 適合性説明
本変更は，「設置許可基準規則第五条 津波による損傷の防止」に係る浸水防 止設備等を変更するものであることから，上記条文に適合することを以下に示 す。
なお，適合のための具体的な設計を「2. 適合のための具体的設計」に示す。
【設置許可基準規則の要求事項】
（津波による損傷の防止）
第五条 設計基準対象施設は、その供用中に当該設計基準対象施設に大きな 影響を及ぼすおそれがある津波（以下「基準津波」という。）に対して安 全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
【適合のための設計方針】
基準津波は，最新の科学的・技術的知見を踏まえ，波源海域から敷地周辺ま での海底地形，地質構造，地震活動性等の地震学的見地から想定することが適 切なものとして策定する。
入力津波は基準津波の波源から各施設・設備の設置位置において算定される 時刻歴波形として設定する。
耐津波設計としては，以下の方針とする。
(1) 設計基準対象施設の津波防護対象設備（非常用取水設備を除く。）を内包 する建屋及び区画の設置された敷地において，基準津波による遡上波を地上 部から到達又は流入させない設計とする。また，取水路，放水路等の経路か ら流入させない設計とする。
(2) 取水・放水施設，地下部等において，漏水する可能性を考慮の上，漏水に よる浸水範囲を限定して，重要な安全機能への影響を防止する設計とする。
(3) 上記(1)及び(2)に規定するもののほか，設計基準対象施設の津波防護対象 設備（非常用取水設備を除く。）を内包する建屋及び区画については，浸水 防護をすることにより津波による影響等から隔離する。そのため，浸水防護 重点化範囲を明確化するとともに，津波による溢水を考慮した浸水範囲及び 浸水量を保守的に想定した上で，浸水防護重点化範囲への浸水の可能性のあ る経路及び浸水口（扉，開口部，貫通口等）を特定し，それらに対して必要 に応じ浸水対策を施す設計とする。
9
5 条-3
(4) 水位変動に伴う取水位低下による重要な安全機能への影響を防止する。そ のため，非常用海水冷却系については，基準津波による水位の低下に対して，
津波防護施設を設置することにより，海水ポンプが機能保持でき，かつ冷却 に必要な海水が確保できる設計とする。また，基準津波による水位変動に伴 う砂の移動・堆積及び漂流物に対して 6 号及び 7 号炉の取水口及び取水路の 通水性が確保でき，かつ 6 号及び 7 号炉の取水口からの砂の混入に対して海 水ポンプが機能保持できる設計とする。
(5) 津波防護施設及び浸水防止設備については，入力津波（施設の津波に対す る設計を行うために，津波の伝播特性，浸水経路等を考慮して，それぞれの 施設に対して設定するものをいう。以下同じ。）に対して津波防護機能及び 浸水防止機能が保持できる設計とする。また，津波監視設備については，入 力津波に対して津波監視機能が保持できる設計とする。
(6) 津波防護施設，浸水防止設備及び津波監視設備の設計に当たっては，地震 による敷地の隆起・沈降，地震（本震及び余震）による影響，津波の繰返し の襲来による影響，津波による二次的な影響（洗掘，砂移動，漂流物等）及 びその他自然現象（風，積雪等）を考慮する。
(7) 津波防護施設，浸水防止設備及び津波監視設備の設計における荷重の組合 せを考慮する自然現象として，津波（漂流物を含む。），地震（余震）及びそ の他自然現象（風，積雪等）を考慮し，これらの自然現象による荷重を適切 に組み合わせる。漂流物の衝突荷重については，各施設・設備の設置場所及 び構造等を考慮して，漂流物が衝突する可能性がある施設・設備に対する荷 重として組み合わせる。
その他自然現象による荷重（風荷重，積雪荷重等）については，各施設・
設備の設置場所，構造等を考慮して，各荷重が作用する可能性のある施設・
設備に対する荷重として組み合わせる。
(8) 津波防護施設，浸水防止設備及び津波監視設備の設計並びに非常用海水冷 却系の取水性の評価に当たっては，入力津波による水位変動に対して朔望平 均潮位を考慮して安全側の評価を実施する。なお，その他の要因による潮位 変動についても適切に評価し考慮する。また，地震により陸域の隆起又は沈 降が想定される場合，想定される地震の震源モデルから算定される敷地の地 殻変動量を考慮して安全側の評価を実施する。
5 条-4 2. 適合のための具体的設計
「設置許可基準規則第五条 津波による損傷の防止」に適合するための具体 的設計を以下に示す。
本変更以前の柏崎刈羽原子力発電所 6 号及び 7 号炉の「設置許可基準規則第 五条 津波による損傷の防止」に適合するための具体的設計については「発電 用原子炉設置変更許可申請（原管発官 25 第 192 号）に係る審査資料『KK67-0090 設計基準対象施設について』の『第 5 条 津波による損傷の防止』」において【検 討方針】及び【検討結果】として示している。
したがって，以下では本変更に伴う【検討方針】及び【検討結果】の「変更 有無」及び「変更が有る場合の変更内容」を示すことで「設置許可基準規則第 五条 津波による損傷の防止」に適合することを確認するものとする。
なお，【検討方針】及び【検討結果】の変更有無の整理にあたっては，「発電 用原子炉設置変更許可申請（原管発官 25 第 192 号）に係る審査資料『KK67-0090 設計基準対象施設について』の『第 5 条 津波による損傷の防止』」において示 した【検討方針】及び【検討結果】の主要な内容に変更が無い場合は「変更無 し」として扱うものとする。
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5 条-5 2.1 基本事項
2.1.1 津波防護対象の選定
【規制基準における要求事項等】
第五条 設計基準対象施設は，その供用中に当該設計基準対象施設に大きな 影響を及ぼすおそれがある津波（以下「基準津波」という。）に対して安全 機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
第四十条 重大事故等対処施設は，基準津波に対して重大事故等に対処する ために必要な機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
【検討方針の変更有無】
本変更は，基準津波から防護する設備を変更するものではないため，既許可 において確認された検討方針に変更は生じない。
【検討結果の変更有無】
本変更は，基準津波から防護する設備を変更するものではないため，既許可 において確認された検討結果に変更は生じない。
5 条-6
2.1.2 敷地及び敷地周辺における地形及び施設の配置等
【規制基準における要求事項等】
敷地及び敷地周辺の図面等に基づき，以下を把握する。
敷地及び敷地周辺における地形，標高，河川の存在 敷地における施設（以下，例示）の位置，形状等
① 津波防護対象設備を内包する建屋及び区画
② 屋外に設置されている津波防護対象設備
③ 津波防護施設（防潮堤，防潮壁等）
④ 浸水防止設備（水密扉等）※
⑤ 津波監視設備（潮位計，取水ピット水位計等）※
※ 基本設計段階で位置が特定されているもの
⑥ 敷地内（防潮堤の外側）の遡上域の建物・構築物等（一般建物，鉄 塔，タンク等）
敷地周辺の人工構造物（以下は例示である。）の位置，形状等
① 港湾施設（サイト内及びサイト外）
② 河川堤防，海岸線の防波堤，防潮堤等
③ 海上設置物（係留された船舶等）
④ 遡上域の建物・構築物等（一般建物，鉄塔，タンク等）
⑤ 敷地前面海域における通過船舶
【検討方針の変更有無】
本変更により，「柏崎刈羽原子力発電所の敷地及び敷地周辺における地形及 び施設の配置等を示す。」とした既許可における検討方針に変更は生じない。
【検討結果の変更有無及び変更内容】
本変更は，「敷地及び敷地周辺の地形，標高，河川」及び「敷地周辺の人工 構造物の位置，形状等」を変更するものではない。
一方で，敷地における施設の位置，形状等のうち，浸水防止設備について変 更を行うため，変更後の施設の配置（大湊側敷地の詳細）を第 2.1.2-1 図に示 す。
13
第2.1.2-1図柏崎刈羽原子力発電所大湊側敷地詳細配置
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5 条-8 2.1.3 基準津波による敷地周辺の遡上・浸水域
(1) 敷地周辺の遡上・浸水域の評価
【規制基準における要求事項等】
遡上・浸水域の評価に当たっては，次に示す事項を考慮した遡上解析を実 施して，遡上波の回り込みを含め敷地への遡上の可能性を検討すること。
敷地及び敷地周辺の地形とその標高 敷地沿岸域の海底地形
津波の敷地への侵入角度
敷地及び敷地周辺の河川，水路の存在 陸上の遡上・伝播の効果
伝播経路上の人工構造物
【検討方針の変更有無】
本変更は，遡上解析の手法及び考慮事項等を変更するものではないため，既 許可において確認された検討方針に変更は生じない。
【検討結果の変更有無】
本変更は，遡上解析の手法及び考慮事項等を変更するものではないため，既 許可において確認された検討結果に変更は生じない。
(2) 地震・津波による地形等の変化に係る評価
【規制基準における要求事項等】
次に示す可能性が考えられる場合は，敷地への遡上経路に及ぼす影響を検 討すること。
地震に起因する変状による地形，河川流路の変化
繰り返し襲来する津波による洗掘・堆積による地形，河川流路の変化
【検討方針変更有無】
本変更は，地震及び津波による地形等の変化が遡上経路に与える影響及びそ の考慮方法を変更するものではないため，既許可において確認された検討方針 に変更は生じない。
【検討結果の変更有無】
本変更は，地震及び津波による地形等の変化が遡上経路に与える影響及びそ の考慮方法を変更するものではないため，既許可において確認された検討結果 に変更は生じない。
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5 条-9 2.1.4 入力津波の設定
【規制基準における要求事項等】
基準津波は，波源域から沿岸域までの海底地形等を考慮した，津波伝播及び 遡上解析により時刻歴波形として設定していること。
入力津波は，基準津波の波源から各施設・設備等の設置位置において算定さ れる時刻歴波形として設定していること。
基準津波及び入力津波の設定に当たっては，津波による港湾内の局所的な海 面の固有振動の励起を適切に評価し考慮すること。
【検討方針の変更有無】
本変更は，入力津波の設定方法を変更するものではないため，既許可におい て確認された検討方針に変更は生じない。
【検討結果の変更有無】
本変更は，入力津波の設定方法を変更するものではないため，既許可におい て確認された検討結果に変更は生じない。
5 条-10 2.1.5 水位変動，地殻変動の考慮
【規制基準における要求事項等】
入力津波による水位変動に対して朔望平均潮位（注）を考慮して安全側の評 価を実施すること。
注）：朔（新月）及び望（満月）の日から 5 日以内に観測された，各月の最高満潮面
及び最低干潮面を 1 年以上にわたって平均した高さの水位をそれぞれ，朔望平 均満潮位及び朔望平均干潮位という
潮汐以外の要因による潮位変動についても適切に評価し考慮すること。
地震により陸域の隆起または沈降が想定される場合，地殻変動による敷地の 隆起または沈降及び，強震動に伴う敷地地盤の沈下を考慮して安全側の評価を 実施すること。
【検討方針の変更有無】
本変更は，水位変動及び地殻変動の考慮方法を変更するものではないため，
既許可において確認された検討方針に変更は生じない。
【検討結果の変更有無】
本変更は，水位変動及び地殻変動の考慮方法を変更するものではないため，
既許可において確認された検討結果に変更は生じない
2.1.6 設計または評価に用いる入力津波
本変更は，入力津波を変更するものではない。
17
5 条-11 2.2. 設計基準対象施設の津波防護方針
2.2.1 敷地の特性に応じた津波防護の基本方針
【規制基準における要求事項等】
敷地の特性に応じた津波防護の基本方針が敷地及び敷地周辺全体図，施設配 置図等により明示されていること。
津波防護施設，浸水防止設備，津波監視設備等として設置されるものの概要 が網羅かつ明示されていること。
【検討方針の変更有無】
本変更により，「敷地の特性に応じた津波防護の基本方針を明示する。」とし た既許可における検討方針に変更は生じない。
【検討結果の変更有無及び変更内容】
本変更は，津波防護の基本方針を変更するものではないが，重要な安全機能 を有する施設の隔離（内郭防護）に関する基本方針に基づき設置する浸水防止 設備を水密扉，床ドレンライン浸水防止治具及び貫通部止水処置に変更する。
上記変更の基準適合性の詳細は，「2.2.4 重要な安全機能を有する施設の隔 離（内郭防護）」において示す。
なお，上記変更に伴い変更となる津波防護の概要及び津波防護対策の設備分 類と設置目的を第 2.2.1-1 図及び第 2.2.1-1 表に示す。
5 条－12
第2.2.1-1図敷地の特性に応じた津波防護の概要（大湊側詳細）
19
5 条-13
第 2.2.1-1 表 津 波 防 護 対 策 の 設 備 分 類 と 設 置 目 的
津 波 防 護 対 策 設 備 分 類 設 置 目 的
６／７号炉
タービン建屋
補機取水槽
上部床面 取 水 槽 閉 止 板
浸 水 防 止 設 備
取 水 路 か ら タ ー ビ ン 建 屋 へ の 津 波 の 流 入 を 防 止 す る
６／７号炉
タービン建屋内
浸水防護重点化範囲
境界（※）
水 密 扉
地 震 に よ る タ ー ビ ン 建 屋 内 の 循 環 水 配 管 や 他 の 海 水 系 機 器 の 損 傷 に 伴 う 溢 水 及 び 損 傷 箇 所 を 介 し て の 津 波 の 流 入 に 対 し て ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 浸 水 を 防 止 す る
床 ド レ ン ラ イ ン 浸 水 防 止 治 具
貫 通 部 止 水 処 置
海 水 貯 留 堰 津 波 防 護 施 設
（ 非 常 用 取 水 設 備 ）
引 き 波 時 に お い て ， 非 常 用 海 水 冷 却 系 の 海 水 ポ ン プ の 機 能 を 保 持 し ， 同 系 に よ る 冷 却 に 必 要 な 海 水 を 確 保 す る
津 波 監 視 カ メ ラ
津 波 監 視 設 備
敷 地 へ の 津 波 の 繰 り 返 し の 襲 来 を 察 知 し ， そ の 影 響 を 俯 瞰 的 に 把 握 す る
取 水 槽 水 位 計
※：境 界 の 詳 細 は「 2. 2.4 重 要 な 安 全 機 能 を 有 す る 施 設 の 隔 離（ 内 郭 防 護 ）」
に お い て 示 す 。
5 条-14 2.2.2 敷 地 へ の 浸 水 防 止 （ 外 郭 防 護 1）
(1) 遡 上 波 の 地 上 部 か ら の 到 達 ， 流 入 の 防 止
【 規 制 基 準 に お け る 要 求 事 項 等 】
重 要 な 安 全 機 能 を 有 す る 設 備 等 を 内 包 す る 建 屋 及 び 重 要 な 安 全 機 能 を 有 す る 屋 外 設 備 等 は ，基 準 津 波 に よ る 遡 上 波 が 到 達 し な い 十 分 高 い 場 所 に 設 置 す る こ と 。
基 準 津 波 に よ る 遡 上 波 が 到 達 す る 高 さ に あ る 場 合 に は ，防 潮 堤 等 の 津 波 防 護 施 設 ， 浸 水 防 止 設 備 を 設 置 す る こ と 。
【 検 討 方 針 の 変 更 有 無 】
本 変 更 は ， 遡 上 波 の 地 上 部 か ら の 到 達 及 び 流 入 を 防 止 す る 方 法 を 変 更 す る も の で は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 検 討 方 針 に 変 更 は 生 じ な い 。
【 検 討 結 果 の 変 更 有 無 】
本 変 更 は ， 遡 上 波 の 地 上 部 か ら の 到 達 及 び 流 入 を 防 止 す る 方 法 を 変 更 す る も の で は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 検 討 結 果 に 変 更 は 生 じ な い 。
(2) 取 水 路 ， 放 水 路 等 の 経 路 か ら の 津 波 の 流 入 防 止
【 規 制 基 準 に お け る 要 求 事 項 等 】
取 水 路 ，放 水 路 等 の 経 路 か ら ，津 波 が 流 入 す る 可 能 性 に つ い て 検 討 し た 上 で ， 流 入 の 可 能 性 の あ る 経 路 （ 扉 ， 開 口 部 ， 貫 通 部 等 ） を 特 定 す る こ と 。
特 定 し た 経 路 に 対 し て 浸 水 対 策 を 施 す こ と に よ り 津 波 の 流 入 を 防 止 す る こ と 。
【 検 討 方 針 の 変 更 有 無 】
本 変 更 は ， 取 水 路 及 び 放 水 路 等 の 経 路 か ら の 津 波 の 流 入 を 防 止 す る 方 法 を 変 更 す る も の で は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 検 討 方 針 に 変 更 は 生 じ な い 。
【 検 討 結 果 の 変 更 有 無 】
本 変 更 は ， 取 水 路 及 び 放 水 路 等 の 経 路 か ら の 津 波 の 流 入 を 防 止 す る 方 法 を 変 更 す る も の で は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 検 討 結 果 に 変 更 は 生 じ な い 。
21
5 条-15
2.2.3 漏 水 に よ る 重 要 な 安 全 機 能 へ の 影 響 防 止 （ 外 郭 防 護 2）
(1) 漏 水 対 策
【 規 制 基 準 に お け る 要 求 事 項 等 】
取 水 ・ 放 水 設 備 の 構 造 上 の 特 徴 等 を 考 慮 し て ， 取 水 ・ 放 水 施 設 や 地 下 部 等 に お け る 漏 水 の 可 能 性 を 検 討 す る こ と 。
漏 水 が 継 続 す る こ と に よ る 浸 水 の 範 囲 を 想 定 （ 以 下 ， ｢ 浸 水 想 定 範 囲 ｣と い う 。） す る こ と 。
浸 水 想 定 範 囲 の 境 界 に お い て 浸 水 の 可 能 性 の あ る 経 路 ，浸 水 口（ 扉 ， 開 口 部 ， 貫 通 口 等 ） を 特 定 す る こ と 。
特 定 し た 経 路 ，浸 水 口 に 対 し て 浸 水 対 策 を 施 す こ と に よ り 浸 水 範 囲 を 限 定 す る こ と 。
【 検 討 方 針 の 変 更 有 無 】
本 変 更 に よ り ，「 漏 水 が 継 続 す る 場 合 は ，浸 水 想 定 範 囲 を 明 確 に す る と と も に ，浸 水 経 路 に 浸 水 対 策 を 施 す 。」と し た 既 許 可 に お け る 検 討 方 針 に 変 更 は 生 じ な い 。
【 検 討 結 果 の 変 更 有 無 及 び 変 更 内 容 】
本 変 更 は ， 漏 水 対 策 に 係 る 基 本 方 針 を 変 更 す る も の で は な い が ， 基 本 方 針 に 基 づ き 設 定 す る 漏 水 が 発 生 す る 場 合 の 浸 水 想 定 範 囲 を 変 更 す る 。
た だ し ， 既 許 可 に お い て 整 理 し た 漏 水 発 生 の 可 能 性 を 変 更 す る も の で は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 漏 水 対 策 に 関 す る 基 準 適 合 性 に 影 響 を 与 え る も の で は な い 。
な お ， 変 更 後 の 浸 水 想 定 範 囲 を 第 2.2.3-1 図 に 示 す 。
5 条-16
RSWP(C)/A RSWP(A)/A RSWP(B)/A
タービン建屋地下1階 平面図
タービン建屋地下2階 平面図
RCWHx(C)/A
PC/A TSWP/A
CWP/A ：循環水ポンプエリア
RSWP(A)/A ：原子炉補機冷却海水ポンプA系エリア RSWP(B)/A ：原子炉補機冷却海水ポンプB系エリア RSWP(C)/A ：原子炉補機冷却海水ポンプC系エリア TSWP/A ：タービン補機冷却海水ポンプエリア PC/A ：B系非常用電気品室
RCWHx(C)/A ：原子炉補機冷却水系熱交換器C系エリア
CWP/A
CWP/A
循環水ポンプを設置する床面で 漏水が継続した 場合の浸水想定範囲 原子炉補機冷却海水ポンプ（A系）を 設置する床面で漏水が継続した場合
の浸水想定範囲 原子炉補機冷却海水ポンプ（B系）及び タービン補機冷却海水ポンプを設置する床面
で漏水が継続した場合の浸水想定範囲
原子炉補機冷却海水ポンプ（C系）を 設置する床面で漏水が継続した場合
の浸水想定範囲
第 2.2.3-1 図 漏 水 の 発 生 を 想 定 す る 床 面 と 浸 水 想 定 範 囲
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5 条-17 (2) 安 全 機 能 へ の 影 響 確 認
【 規 制 基 準 に お け る 要 求 事 項 等 】
浸 水 想 定 範 囲 の 周 辺 に 重 要 な 安 全 機 能 を 有 す る 設 備 等 が あ る 場 合 は ， 防 水 区 画 化 す る こ と 。
必 要 に 応 じ て 防 水 区 画 内 へ の 浸 水 量 評 価 を 実 施 し ，安 全 機 能 へ の 影 響 が な い こ と を 確 認 す る こ と 。
【 検 討 方 針 の 変 更 有 無 】
本 変 更 に よ り ，「 浸 水 想 定 範 囲 が 存 在 す る 場 合 ， そ の 周 辺 に 重 要 な 安 全 機 能 を 有 す る 設 備 等 が あ る 場 合 は ，防 水 区 画 化 す る 。必 要 に 応 じ て 防 水 区 画 内 へ の 浸 水 量 評 価 を 実 施 し ，安 全 機 能 へ の 影 響 が な い こ と を 確 認 す る 。」 と し た 既 許 可 に お け る 検 討 方 針 に 変 更 は 生 じ な い 。
【 検 討 結 果 の 変 更 有 無 及 び 変 更 内 容 】
本 変 更 は ， 漏 水 対 策 に 係 る 基 本 方 針 を 変 更 す る も の で は な い が ， 基 本 方 針 に 基 づ き 設 定 す る ， 循 環 水 ポ ン プ を 設 置 す る 床 面 に お い て 漏 水 が 発 生 す る 場 合 の 浸 水 想 定 範 囲 及 び 上 記 漏 水 に 対 す る 防 水 区 画 境 界 を 変 更 す る 。
た だ し ， 上 記 漏 水 は 内 郭 防 護 の 設 計 の 中 で 想 定 す る 循 環 水 ポ ン プ エ リ ア に お け る 溢 水 影 響 に 包 含 さ れ る こ と に 変 更 は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 安 全 機 能 へ の 影 響 確 認 に 関 す る 基 準 適 合 性 に 影 響 を 与 え る も の で は な い 。
な お ， 変 更 後 の 浸 水 想 定 範 囲 を 第 2.2.3-2 図 に 示 す 。
5 条-18
浸水想定範囲
防水区画（境界）
タービン建屋地下2階 平面図
設計基準対象施設の 津波防護対象設備
①原子炉補機冷却水ポンプ(A),(D)
②原子炉補機冷却水系熱交換器(A),(D)
③原子炉補機冷却海水ポンプ(A),(D)
④原子炉補機冷却海水ポンプ(C),(F)
⑤循環水ポンプ(A),(B),(C)
⑥タービン補機冷却海水ポンプ(A),(B),(C)
⑦原子炉補機冷却海水ポンプ(B),(E)
⑧B系非常用電気設備
⑨原子炉補機冷却水系熱交換器(B),(E)
⑩原子炉補機冷却水ポンプ(B),(E)
⑪熱交換器建屋B系非常用送風機
⑫原子炉補機冷却水ポンプ(C),(F)
⑬原子炉補機冷却水系熱交換器(C),(F)
⑭熱交換器建屋C系非常用送風機
⑮タービン補機冷却水系熱交換器(A),(B),(C)
⑯タービン補機冷却水ポンプ(A),(B),(C)
⑬
⑮
⑯ ⑫
⑦
A-A断面
⑥
⑤
④ ③
B-B断面
⑩ ⑨ ①
②
⑫
⑯ ⑮ ⑬
RCWHx(C)/A
CWP/A
RCWHx(C)/A
エリア名称
○CWP/A：循環水ポンプエリア
○RSWP(A)/A：原子炉補機冷却海水ポンプA系エリア
○RSWP(B)/A：原子炉補機冷却海水ポンプB系エリア
○RSWP(C)/A：原子炉補機冷却海水ポンプC系エリア
○TSWP/A：タービン補機冷却海水ポンプエリア
○RCWHx(C)/A：原子炉補機冷却水系熱交換器C系エリア
〇PC/A：B系非常用電気品室
水密扉 設置例
⑭
第 2.2.3-2 図 浸 水 想 定 範 囲 （ CWP/A） に 対 す る 防 水 区 画 化 範 囲
（ 6 号 炉 ）
25
5 条-19 (3) 排 水 設 備 設 置 の 検 討
【 規 制 基 準 に お け る 要 求 事 項 等 】
浸 水 想 定 範 囲 に お け る 長 期 間 の 冠 水 が 想 定 さ れ る 場 合 は ，排 水 設 備 を 設 置 す る こ と 。
【 検 討 方 針 の 変 更 有 無 】
本 変 更 は ， 排 水 設 備 の 設 置 要 否 を 変 更 す る も の で は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 検 討 方 針 に 変 更 は 生 じ な い 。
【 検 討 結 果 の 変 更 有 無 】
本 変 更 は ， 排 水 設 備 の 設 置 要 否 を 変 更 す る も の で は な い た め ， 既 許 可 に お い て 確 認 さ れ た 検 討 結 果 に 変 更 は 生 じ な い
5 条-20
2.2.4 重 要 な 安 全 機 能 を 有 す る 施 設 の 隔 離 （ 内 郭 防 護 ） (1) 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 設 定
【 規 制 基 準 に お け る 要 求 事 項 等 】
重 要 な 安 全 機 能 を 有 す る 設 備 等 を 内 包 す る 建 屋 及 び 区 画 に つ い て は ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 と し て 明 確 化 す る こ と 。
【 検 討 方 針 の 変 更 有 無 】
本 変 更 に よ り ，「 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 を 明 確 化 す る 。」と し た 既 許 可 に お け る 検 討 方 針 に 変 更 は 生 じ な い 。
【 検 討 結 果 の 変 更 有 無 及 び 変 更 内 容 】
本 変 更 は 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 そ の も の を 変 更 す る も の で は な い た め ， 基 本 的 に は 検 討 結 果 に 変 更 は 生 じ な い 。
た だ し ，浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 概 略 と し て 示 し た 図 が 変 更 と な る こ と か ら ，変 更 後 の 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 概 略 図 を 第 2.2.4-1 図 に 示 す 。
な お ，上 記 の 変 更 は 既 許 可 で 確 認 さ れ た 検 討 結 果 に 影 響 を 与 え る も の で は な い 。
27
第2.2.4-1図浸水防護重点化範囲概略図
5 条-22
(2) 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 境 界 に お け る 浸 水 対 策
【 規 制 基 準 に お け る 要 求 事 項 等 】
津 波 に よ る 溢 水 を 考 慮 し た 浸 水 範 囲 ，浸 水 量 を 安 全 側 に 想 定 す る こ と 。
浸 水 範 囲 ，浸 水 量 の 安 全 側 の 想 定 に 基 づ き ，浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 へ の 浸 水 の 可 能 性 の あ る 経 路 ， 浸 水 口 （ 扉 ， 開 口 部 ， 貫 通 口 等 ） を 特 定 し ， そ れ ら に 対 し て 浸 水 対 策 を 施 す こ と 。
【 検 討 方 針 の 変 更 有 無 】
浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 境 界 に お け る 浸 水 対 策 に つ い て は ，検 討 の 方 針 が 変 更 と な る こ と か ら 以 下 に 変 更 後 の 検 討 方 針 を 示 す 。
な お ，本 項 に つ い て は 包 括 的 に 基 準 適 合 性 を 確 認 す る 観 点 か ら ，「 発 電 用 原 子 炉 設 置 変 更 許 可 申 請 （ 原 管 発 官 25 第 192 号 ） に 係 る 審 査 資 料 『 KK67-0090 設 計 基 準 対 象 施 設 に つ い て 』 の 『 第 5 条 津 波 に よ る 損 傷 の 防 止 』」 に お い て 示 し た 検 討 方 針 か ら 変 更 と な ら な い 事 項 に つ い て も 改 め て 検 討 方 針 を 示 す 。
ま た ， 本 項 に お い て は 「 発 電 用 原 子 炉 設 置 変 更 許 可 申 請（ 原 管 発 官 25 第 192 号 ）に 係 る 審 査 資 料『 KK67-0090 設 計 基 準 対 象 施 設 に つ い て 』 の『 第 5 条 津 波 に よ る 損 傷 の 防 止 』」に 示 し た 内 容 か ら 変 更 と な る 箇 所 に つ い て 青 字 下 線 に て 示 す 。
【 変 更 後 の 検 討 方 針 】
津 波 に よ る 溢 水 を 考 慮 し た 浸 水 範 囲 ， 浸 水 量 を 安 全 側 に 想 定 す る 。 浸 水 範 囲 ，浸 水 量 の 安 全 側 の 想 定 に 基 づ き ，浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 へ の 浸 水 の 可 能 性 の あ る 経 路 ，浸 水 口（ 扉 ，開 口 部 ，貫 通 口 等 ）を 特 定 し ， そ れ ら に 対 し て 浸 水 対 策 を 実 施 す る 。
津 波 に よ る 溢 水 を 考 慮 し た 浸 水 範 囲 ，浸 水 量 に つ い て は ，地 震 に よ る 溢 水 の 影 響 も 含 め て ， 以 下 の 方 針 に よ り 安 全 側 の 想 定 を 実 施 す る 。
地 震 ・ 津 波 に よ る 建 屋 内 の 循 環 水 系 等 の 機 器 ・ 配 管 の 損 傷 に よ る 建 屋 内 へ の 津 波 及 び 系 統 設 備 保 有 水 の 溢 水 ， 下 位 ク ラ ス 建 屋 に お け る 地 震 時 の地 下 水 排 水 設 備の 停 止を 想 定 し た 場 合 の地 下 水 の 流 入 等 の 事 象 を 考 慮 す る 。
地 震 ・ 津 波 に よ る 屋 外 循 環 水 配 管 や 敷 地 内 の タ ン ク 等 の 損 傷 に よ る 敷 地 内 へ の 津 波 及 び 系 統 保 有 水 の 溢 水 等 の 事 象 を 考 慮 す る 。 循 環 水 系 機 器 ・ 配 管 等 損 傷 に よ る 津 波 浸 水 量 に つ い て は ， 入 力 津 波 の 時 刻 歴 波 形 に 基 づ き ， 津 波 の 繰 り 返 し 襲 来 を 考 慮 す る 。 ま た ， サ イ フ ォ ン 現 象 も 考 慮 す る 。
機 器 ・ 配 管 等 の 損 傷 に よ る 溢 水 量 に つ い て は ， 内 部 溢 水 に お け
29
5 条-23
る 溢 水 事 象 想 定 を 考 慮 し て 算 定 す る 。
地 下 水 の 流 入 量 は ， 対 象 建 屋 周 辺 の地 下 水 排 水 設 備に よ る 排 水 量 の 実 績 値 に 基 づ き ， 安 全 側 の 仮 定 条 件 で 算 定 す る 。ま た ， 地 震 時 の 地 下 水 の 流 入 が 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 へ 与 え る 影 響 に つ い て 評 価 す る 。
施 設 ・ 設 備 施 工 上 生 じ 得 る 隙 間 部 等 が あ る 場 合 に は ， 当 該 部 か ら の 溢 水 も 考 慮 す る 。
【 検 討 結 果 の 変 更 有 無 】
浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 境 界 に お け る 浸 水 対 策 に つ い て は ，検 討 の 結 果 が 変 更 と な る こ と か ら 以 下 に 変 更 後 の 検 討 結 果 を 示 す 。
な お ，本 項 に つ い て は 包 括 的 に 基 準 適 合 性 を 確 認 す る 観 点 か ら ，「 発 電 用 原 子 炉 設 置 変 更 許 可 申 請 （ 原 管 発 官 25 第 192 号 ） に 係 る 審 査 資 料 『 KK67-0090 設 計 基 準 対 象 施 設 に つ い て 』 の 『 第 5 条 津 波 に よ る 損 傷 の 防 止 』」 に お い て 示 し た 検 討 方 針 か ら 変 更 と な ら な い 事 項 に つ い て も 改 め て 検 討 結 果 を 示 す 。
ま た ，本 項 に お い て は 「 発 電 用 原 子 炉 設 置 変 更 許 可 申 請（ 原 管 発 官 25 第 192 号 ）に 係 る 審 査 資 料『 KK67-0090 設 計 基 準 対 象 施 設 に つ い て 』 の『 第 5 条 津 波 に よ る 損 傷 の 防 止 』」に 示 し た 内 容 か ら 変 更 と な る 箇 所 に つ い て 青 字 下 線 に て 示 す 。
【 変 更 後 の 検 討 結 果 】
前 項 ま で に 述 べ た と お り ，設 計 基 準 対 象 施 設 の 津 波 防 護 対 象 設 備 を 内 包 す る 建 屋 及 び 区 画 が 設 置 さ れ た 敷 地 へ の 津 波 の 地 上 部 か ら の 到 達 ・ 流 入 に 対 す る 外 郭 防 護 は ， 敷 地 高 さ に よ り 達 成 し て お り ， ま た ， 取 水 路 ，放 水 路 等 の 経 路 か ら の 流 入 に 対 す る 外 郭 防 護 は ，浸 水 防 止 設 備 を 設 置 す る こ と に よ り 実 現 し て い る 。こ れ よ り ，津 波 単 独 事 象 に 対 し て は ，浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 へ の 浸 水 の 可 能 性 の あ る 経 路 は 存 在 し な い 。
一 方 ，【 検 討 方 針 】に 示 さ れ る「 地 震 に よ る 溢 水 の 影 響 」に つ い て ， 6 号 及 び 7 号 炉 に 対 し て 「 地 震 に よ る 溢 水 」 を 具 体 化 す る と 次 の 各 事 象 が 挙 げ ら れ る 。 こ れ ら の 概 念 図 を 第 2.2.4-2 図 に 示 す 。
① タ ー ビ ン 建 屋 内 の 復 水 器 を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水
地 震 に 起 因 す る タ ー ビ ン 建 屋 内 の 復 水 器 を 設 置 す る エ リ ア に 敷 設 す る 循 環 水 配 管 伸 縮 継 手 の 破 損 及 び 低 耐 震 ク ラ ス 機 器 の 損 傷 に よ り ，保 有 水 が 溢 水 す る と と も に ，津 波 が 取 水 槽 及 び
5 条-24
放 水 庭 か ら 循 環 水 配 管 に 流 れ 込 み※1，循 環 水 配 管 の 損 傷 箇 所 を 介 し て ，タ ー ビ ン 建 屋 内 の 復 水 器 を 設 置 す る エ リ ア に 流 入 す る 。
② タ ー ビ ン 建 屋 内 の 循 環 水 ポ ン プ を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水
地 震 に 起 因 す る タ ー ビ ン 建 屋 内 の 循 環 水 ポ ン プ を 設 置 す る エ リ ア に 敷 設 す る 循 環 水 配 管 伸 縮 継 手 の 破 損 及 び 低 耐 震 ク ラ ス 機 器 の 損 傷 に よ り ，保 有 水 が 溢 水 す る と と も に ，津 波 が 取 水 槽 及 び 放 水 庭 か ら 循 環 水 配 管 に 流 れ 込 み※ 1，循 環 水 配 管 の 損 傷 箇 所 を 介 し て ，タ ー ビ ン 建 屋 内 の 循 環 水 ポ ン プ を 設 置 す る エ リ ア に 流 入 す る 。
③ タ ー ビ ン 建 屋 内 の タ ー ビ ン 補 機 冷 却 水 系 熱 交 換 器 を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水
地 震 に 起 因 す る タ ー ビ ン 補 機 冷 却 水 系 熱 交 換 器 を 設 置 す る エ リ ア に 敷 設 す る タ ー ビ ン 補 機 冷 却 海 水 配 管 及 び 低 耐 震 ク ラ ス 機 器 の 損 傷 に よ り ，保 有 水 が 溢 水 す る と と も に ，津 波 が 補 機 取 水 槽 か ら タ ー ビ ン 補 機 冷 却 海 水 配 管 に 流 れ 込 み ，タ ー ビ ン 補 機 冷 却 海 水 配 管 の 損 傷 箇 所 を 介 し て ，タ ー ビ ン 建 屋 内 の タ ー ビ ン 補 機 冷 却 水 系 熱 交 換 器 を 設 置 す る エ リ ア に 流 入 す る 。
な お ，低 耐 震 ク ラ ス 機 器 で あ る タ ー ビ ン 補 機 冷 却 海 水 ポ ン プ 及 び 同 ポ ン プ と 同 一 エ リ ア（ 非 常 用 海 水 冷 却 系 を 設 置 す る エ リ ア ）に 敷 設 さ れ て い る タ ー ビ ン 補 機 冷 却 海 水 配 管 は 基 準 地 震 動 Ss に 対 す る 健 全 性 を 確 認 し て い る た め ， 地 震 に よ る 損 傷 は な い も の と し て い る 。
④ 屋 外 タ ン ク 等 に よ る 屋 外 に お け る 溢 水
地 震 に よ り 敷 地 内 に あ る 低 耐 震 ク ラ ス 機 器 で あ る 屋 外 タ ン ク 等 が 損 傷 し ， 保 有 水 が 敷 地 内 に 流 出 す る 。
⑤ 建 屋 外 周 地 下 部 に お け る 地 下 水 の 上 昇
建 屋 周 辺 の 地 下 水 は ，建 屋 周 囲 四 隅 に 設 け た サ ブ ド レ ン ピ ッ ト に 集 水 さ れ ，地 下 水 排 水 設 備 に よ り 排 出 さ れ て い る 。地 震 に よ り 排 水 設 備 が 停 止す る こ と を 想 定 し た 場 合，建 屋 周 囲 の 地 下 水 位 が 上 昇 す る 。
※1： 取 水 路 と 放 水 路 は 配 管 及 び 復 水 器 を 介 し て つ な が っ て お り ， 6 号 及 び 7 号 炉 の 取 水 口 前 面 及 び 放 水 口 前 面 の 水 位 の 高 い 方 か ら ， 循 環 水 配 管 の 損 傷 箇 所 と の 水 頭 差 に よ り 海 水 が 流 入 す る 。（ 第 2 .2 .4- 2- 2 図 ）
31
5 条-25
○RSW/A ：非常用海水冷却系を設置するエリア
○Hx/A ：タービン補機冷却水系熱交換器を設置するエリア
○CWP/A ：循環水ポンプを設置するエリア
○C/A ：復水器を設置するエリア
○R/B ：原子炉建屋
○T/B ：タービン建屋
○RSWP ：原子炉補機冷却海水ポンプ
○TSWP ：タービン補機冷却海水ポンプ
○CWP ：循環水ポンプ
T/B
R/B
屋外タンク
CWP
復水器
RSWP TSWP
① 循環水配管の損傷に 伴う海水流入
③ タービン補機冷却海水配管の 損傷に伴う海水流入
＜C/A＞
＜CWP/A＞
＜RSW/A＞
④ 屋外タンク等の損傷 に伴う保有水流出 構内排水路
サブドレン
⑤ サブドレン停止に 伴う地下水位上昇
＜Hx/A＞
② 循環水配管の損傷に 伴う海水流入
第 2.2.4-2-1 図 地 震 に よ る 溢 水 の 概 念 図
○CWP/A ：循環水ポンプを設置するエリア
○C/A ：復水器を設置するエリア
○T/B ：タービン建屋
○CWP ：循環水ポンプ
T/B
CWP
復水器
① 循環水配管の損傷に 伴う海水流入
＜C/A＞
＜CWP/A＞
② 循環水配管の損傷に 伴う海水流入
放水路 取水路
第 2.2.4-2-2 図 地 震 に よ る 溢 水 の 概 念 図
以 上 の 各 事 象 の 中 で ，「 津 波 に よ る 溢 水 」 に 該 当 す る 事 象 （ 津 波 襲 来 下 に お い て 海 水 が 流 入 す る 事 象 ）， あ る い は 「 津 波 に よ る 溢 水 」 へ の 影 響 が 考 え ら れ る 事 象（ 津 波 に よ る 溢 水 の 浸 水 範 囲 内 で ，同 時 に 起 こ り 得 る 溢 水 事 象 ）と し て は ，① ～ ③ が 挙 げ ら れ ，こ れ ら の 各 事 象 に つ い て ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 へ の 影 響 を 以 下 に 評 価 し た 。
な お ， 上 記 の 「 地 震 に よ る 溢 水 」 の う ち ④ ， ⑤ に つ い て は ， こ れ ら に よ る 影 響 に 対 し て「 設 置 許 可 基 準 規 則 第 9 条（ 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 ）」 へ の 適 合 の た め に 評 価 及 び 対 策 を 行 う こ と と し て お り ， そ の 結 果 ，「 津 波 に よ る 溢 水 」に は 影 響 し な い 地 震 単 独 事 象 と な っ て い る 。 本 内 容 に つ い て は ，同 条 に 対 す る 適 合 性 に お い て 説 明 し て お り ，以 下 で は そ の 概 要 も 合 わ せ て 示 す 。
5 条-26 a. 浸 水 量 評 価
① タ ー ビ ン 建 屋 内 の 復 水 器 を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水
本 事 象 に よ る 浸 水 量 評 価 に つ い て は ，「 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 」 2.2 に お い て 「 タ ー ビ ン 建 屋 （ 循 環 水 ポ ン プ エ リ ア 及 び 海 水 熱 交 換 器 エ リ ア を 除 く 。） に お け る 溢 水 」 と し て 説 明 し て い る 。 評 価 条 件 ，評 価 結 果 等 の 具 体 的 な 内 容 を 添 付 資 料 1 に 抜 粋 し て 示 す 。
添 付 資 料 1 に 示 さ れ る と お り ，本 事 象 に よ る 浸 水 水 位 及 び 浸 水 イ メ ー ジ は 第 2.2.4-1 表 及 び 第 2.2.4-3 図 の と お り と な る 。（ そ れ ぞ れ「 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 」 第 2.1.2-9 表 及 び 第 2.1.2-2 図よ り 転 載 ）
第 2.2.4-1 表 浸 水 水 位
第 2.2.4-3 図 浸 水 イ メ ー ジ （ 6 号 炉 の 例 ）
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5 条-27
② タ ー ビ ン 建 屋 内 の 循 環 水 ポ ン プ を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水 本 事 象 に よ る 浸 水 量 評 価 に つ い て は ，「 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 」 2.2 に お い て 「 タ ー ビ ン 建 屋 循 環 水 ポ ン プ エ リ ア に お け る 溢 水 」 と し て 説 明 し て い る 。 評 価 条 件 ， 評 価 結 果 等 の 具 体 的 な 内 容 を 添 付 資 料 1 に 抜 粋 し て 示 す 。
添 付 資 料 1 に 示 さ れ る と お り ，本 事 象 に よ る 浸 水 水 位 及 び 浸 水 イ メ ー ジ は 第 2.2.4-2 表 及 び 第 2.2.4-4 図 の と お り と な る 。（ そ れ ぞ れ「 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 」 第 2.2.2-2 表 及 び 第 2.2.2-2 図よ り 転 載 ）
第 2.2.4-2 表 浸 水 水 位
第 2.2.4-4 図 浸 水 イ メ ー ジ （ 6 号 炉 の 例 ）
5 条-28
③ タ ー ビ ン 建 屋 内 の タ ー ビ ン 補 機 冷 却 水 系 熱 交 換 器 を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水
本 事 象 に よ る 浸 水 量 評 価 に つ い て は ，「 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 」 2.2 に お い て 「 タ ー ビ ン 建 屋 海 水 熱 交 換 器 エ リ ア に お け る 溢 水 」 と し て 説 明 し て い る 。 評 価 条 件 ， 評 価 結 果 等 の 具 体 的 な 内 容 を 添 付 資 料 1 に 抜 粋 し て 示 す 。
添 付 資 料 1 に 示 さ れ る と お り ，本 事 象 に よ る 浸 水 水 位 及 び 浸 水 イ メ ー ジ は 第 2.2.4-3 表 及 び 第 2.2.4-5 図 の と お り と な る 。（ そ れ ぞ れ「 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 」 第 2.3.2-7 表 及 び 第 2.3.2-2 図よ り 転 載 ）
な お ，本 溢 水 に お け る 浸 水 想 定 範 囲 で あ る タ ー ビ ン 補 機 冷 却 水 系 熱 交 換 器 を 設 置 す る エ リ ア は ， 浸 水 水 位 が 地 下 1 階 床 面
（ T.M.S.L.+3.5 m） 以 上 と な る と ， 溢 水 が 滞 留 可 能 な 範 囲 が ダ ク ト シ ャ フ ト ， 階 段 室 及 び パ イ プ ス ペ ー ス の み に 限 定 さ れ る た め ， 水 位 が 上 昇 し 易 く ，浸 水 水 位 が 海 水 位 と 同 程 度 と な る と 想 定 さ れ る こ と か ら ， 当 該 エ リ ア で の 漏 え い を 検 知 し ， 津 波 が 到 達 す る ま で に 破 損 想 定 箇 所 と 海 を 隔 離 す る イ ン タ ー ロ ッ ク を 設 置 す る こ と で 浸 水 水 位 を 地 下 1 階 床 面 未 満 に 抑 制 す る 設 計 と す る 。
第 2.2.4-3 表 浸 水 水 位注
注
(1)： 地 震 発 生 ～ タ ー ビ ン 補 機 冷 却 海 水 ポ ン プ 停 止 ま で の 溢 水 量 (2)： タ ー ビ ン 補 機 冷 却 海 水 ポ ン プ 停 止 ～ 破 損 箇 所 隔 離 ま で の 溢 水 量 (3)： 耐 震 B,C ク ラ ス 機 器 の 保 有 水 量
35
5 条-29
第 2.2.4-5 図 浸 水 イ メ ー ジ （ 7 号 炉 の 例 ）
5 条-30
④ 屋 外 タ ン ク 等 に よ る 屋 外 に お け る 溢 水
本 事 象 に よ る 浸 水 量 評 価 に つ い て は ，「 発 電 用 原 子 炉 設 置 変 更 許 可 申 請 （ 原 管 発 官 25 第 192 号 ） に 係 る 審 査 資 料 『 KK67-0090 設 計 基 準 対 象 施 設 に つ い て 』の『 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 』」 第 10 章 10.1 及 び 10.2）に お い て「 屋 外 タ ン ク の 溢 水 」及 び「 淡 水 貯 水 池 の 溢 水 」 と し て 説 明 し て い る 。
本 事 象 に よ る 溢 水 に つ い て は ， 溢 水 源 と し て 屋 外 に 設 置 さ れ た タ ン ク ・ 貯 槽 類 及 び 淡 水 貯 水 池 を 挙 げ た 上 で ， こ れ ら か ら の 溢 水 に よ る 浸 水 深 は No.3 及 び No.4 純 水 タ ン ク（ 容 量 各 2,000kL）並 び に No.3 及 び No.4 ろ 過 水 タ ン ク（ 容 量 各 1,000kL）が 同 時 に 損 傷 す る 際 の 浸 水 深 に 包 含 さ れ る と し ， そ の 浸 水 深 を 最 大 で も 地 表 面 上 1.5m
（ T.M.S.L.＋ 13.5m） 程 度 と 評 価 し て い る 。
本 事 象 に よ る 溢 水 伝 播 挙 動 の イ メ ー ジ 及 び 浸 水 深 の 時 刻 歴 を 第 2.2.4-6 図 及 び 第 2 .2.4-7 図 に 示 す 。（「 発 電 用 原 子 炉 設 置 変 更 許 可 申 請 （ 原 管 発 官 25 第 192 号 ） に 係 る 審 査 資 料 『 KK67-0090 設 計 基 準 対 象 施 設 に つ い て 』 の 『 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 』」第 10.1.1-2 図 及 び 第 10.1.1-3 図 よ り 転 載 の 上 ， 一 部 ， 青 字 で 補 足 を 追 記 ）
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5 条-31
第 2.2.4-6 図 溢 水 伝 播 挙 動 の イ メ ー ジ
第 2.2.4-7 図 浸 水 深 時 刻 歴
6号 炉
原 子 炉 建 屋
7号 炉
原 子 炉 建 屋
屋 外 タ ン ク
※4つ の タ ン ク を 合 算 し た 解 析 上 の 模 擬 タ ン ク
5 条-32
⑤ 建 屋 外 周 地 下 部 に お け る 地 下 水 位 の 上 昇※
本 事 象 に よ る 浸 水 量 評 価 に つ い て は ，「 KK67-0004 内 部 溢 水 に よ る 管 理 区 域 外 へ の 漏 え い の 防 止 に つ い て 」（ 添 付 資 料 4）に お い て「そ の 他 の 溢 水 （ 地 下 水 ） に 係 る 防 護 対 策 の 設 計 方 針 に つ い て」 と し て 説 明 し て い る 。 評 価 条 件 ， 評 価 結 果 等 の 具 体 的 な 内 容 を 添 付 資 料 1 に 抜 粋 し て 示 す 。
添 付 資 料 1 に 示 さ れ る と お り ，各 建 屋 周 辺 の 地 下 水 は ， 建 屋 周 囲 に 設 置 さ れ た サ ブ ド レ ン ピ ッ ト に 集 水 さ れ る 。
地 下 水 排 水 設 備が 停 止 す る こ と に よ り 生 じ る 建 屋 周 囲 の 地 下 水 位 の 上 昇 に つ い て は ，「 建 屋 周 囲 の 地 下 水位 が上 昇す る こ と を 想 定 し， 周 辺 の 地 下 水 位 と 平 衡 し た 水 位 で 上 昇 が 止 ま る と 考 え ら れ る 」 と し て い る 。 そ の 上 で ， 浸 水 対 策 を 考 慮 す る 際 の建 屋 周 囲 の 地 下水 位 と し て は 保 守 的 に ，地 表 面 下（ T.M.S.L.+12m 以 下 ）が す べ て 浸 水 す る も の と し て 設 定 し て い る 。
こ の と き ， 建 屋 外 周 部 に お け る 壁 ， 扉 ， 堰 等 に よ り ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 を 内 包 す る 建 屋 内 へ の 流 入 を 防 止 す る 設 計 と し て い る こ と に よ り ， 有 意 な 浸 水 は 生 じ な い も の と 考 え ら れ る が ， 地 震 に よ る 建 屋 外 周 部 か ら の 流 入 を 安 全 側 に 考 慮 し ，保 守 的 な 浸 水 量 を 仮 定 す る 。
さ ら に ， 耐 震 性 を 有 す る 地 下 水 排 水 設 備 が ， 地 震 時 及 び 地 震 後 に お い て も 排 水 可 能 で あ る こ と ， 及 び 地 下 水 排 水 設 備 の 排 水 実 績 か ら ， 十 分 な 排 水 能 力 を 有 す る こ と を 確 認 す る こ と で ，地 下 水 が 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 に 影 響 し な い こ と を 評 価 す る 。
※ 地 下 水 に 対 す る 設 計 に つ い て は ，「 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 」 を 達 成 す る た め に 設 計 変 更 を 行 う も の で あ り ，「 浸 水 防 止 設 備 の 変 更 」に 伴 い 設 計 変 更 を 行 う も の で は な い が ， こ こ で は 設 計 変 更 後 の 状 態 を 記 載 す る 。
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5 条-33
b. 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 境 界 に お け る 浸 水 対 策
「 a. 浸 水 量 評 価 」 で 示 し た 各 事 象 に よ り 想 定 さ れ る 浸 水 範 囲 ， 浸 水 量 に 対 し ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 へ の 浸 水 の 可 能 性 の あ る 経 路 ， 浸 水 口 （ 扉 ， 開 口 部 ， 貫 通 口 等 ） を 特 定 し ， そ れ ら に 対 し て 浸 水 対 策 を 実 施 し た 。 な お ， 浸 水 の 可 能 性 の あ る 経 路 ， 浸 水 口 の 特 定 に あ た っ て は ， 施 設 ・ 設 備 施 工 上 生 じ う る 隙 間 部 等 と し て ， 貫 通 口 に お け る 貫 通 物 と 貫 通 口 （ ス リ ー ブ ， 壁 等 ） と の 間 に 生 じ る 隙 間 部 や 建 屋 間 接 合 部 に 生 じ る 隙 間 部 に つ い て も 考 慮 し た 。
浸 水 対 策 の 実 施 範 囲 を ① ～ ⑤ の そ れ ぞ れ に つ い て 以 下 及 び 第 2.2.4-8 図 に ， 浸 水 経 路 ・ 浸 水 口 に 応 じ た 浸 水 対 策 の 種 類 を 第 2.2.4-4 表 に 示 す 。
各 浸 水 対 策 の 仕 様 に つ い て は 「 4.2 浸 水 防 止 設 備 の 設 計 」， そ の 設 置 位 置 ， 施 工 範 囲 に つ い て は 添 付 資 料 3 に 示 す 。
な お ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の う ち ， そ の 境 界 部 に 安 全 側 に 想 定 し た 浸 水 が 及 ば ず ， 結 果 と し て 浸 水 対 策 が 不 要 で あ っ た 範 囲 に つ い て は ， 第 2.2.4-8 図 に お い て ，「 浸 水 対 策 」 の 図 示 の な い 範 囲 と し て 示 さ れ る 。 こ の 概 略 を 建 屋 の 階 層 単 位 で 整 理 し て 示 す と 第 2.2.4-5 表 と な る 。 各 津 波 防 護 対 象 設 備 に お い て ， 浸 水 が 生 じ 得 る 箇 所 に 設 置 さ れ る も の で あ る か 否 か（ 浸 水 対 策 が 求 め ら れ る 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 内 に 設 置 さ れ て い る か 否 か ） は ， 同 表 に よ り 確 認 さ れ る 。
① タ ー ビ ン 建 屋 内 の 復 水 器 を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水
本 溢 水 に よ る 浸 水 水 位 は前 項 で 示 し た と お り で あ り ，浸 水 対 策 の 実 施 範 囲 は こ れ に 保 守 性 を 見 込 ん で 定 め る こ と と し ， 6 号 炉 ； T.M.S.L.+1.0m， 7 号 炉 ； T.M.S.L.+3.5m と し た 。
② タ ー ビ ン 建 屋 内 の 循 環 水 ポ ン プ を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水 本 溢 水 に よ る 浸 水 水 位 は 前 項 で 示 し た と お り ，循 環 水 ポ ン プ の 電 動 機 が 浸 水 す る ま で ポ ン プ の 運 転 が 継 続 す る も の と し ，電 動 機 が 浸 水 す る 高 さ （ 電 動 機 停 止 に よ り 水 位 上 昇 が 止 ま る 高 さ ） に 対 し て 余 裕 を 見 込 ん だ 値 と し て ， 電 動 機 の 上 端 高 さ に よ り 設 定 し て い る 。
上 記 が タ ー ビ ン 建 屋 の 地 下 一 階 部 に あ る こ と か ら ，浸 水 対 策 の 実 施 範 囲 は ， 地 下 一 階 の す べ て の 範 囲 （ 6 号 炉 ： T.M.S.L.＋ 12.3m ま で ， 7 号 炉 ： T.M.S.L.＋ 12.3m ま で ） と し た 。
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③ タ ー ビ ン 建 屋 内 の タ ー ビ ン 補 機 冷 却 水 系 熱 交 換 器 を 設 置 す る エ リ ア に お け る 溢 水
本 溢 水 に よ る 浸 水 水 位 は 前 項 で 示 し た と お りで あ り ，浸 水 対 策 の 実 施 範 囲 は こ れ に 保 守 性 を 見 込 ん で 定 め る こ と と し ， 6 号 炉 ； T.M.S.L.+0.5m， 7 号 炉 ； T.M.S.L.±0m と し た 。
④ 屋 外 タ ン ク 等 に よ る 屋 外 に お け る 溢 水
屋 外 タ ン ク 等 に よ る 屋 外 に お け る溢 水 に よ る 浸 水 水 位 が 最 大 で も 地 表 面 上 1.5m（ T.M.S.L.＋ 13.5m） 程 度 で あ る こ と か ら ， 浸 水 対 策 は ，「 発 電 用 原 子 炉 設 置 変 更 許 可 申 請 （ 原 管 発 官 25 第 192 号 ） に 係 る 審 査 資 料 『 KK67-0090 設 計 基 準 対 象 施 設 に つ い て 』 の 『 第 9 条 溢 水 に よ る 損 傷 の 防 止 等 』」に お い て 説 明 し て い る と お り ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 境 界 に お け る 建 屋 外 周 部 に つ い て は 地 表 面 下 も 含 む 地 表 面 上 2.0m 以 下（ T.M.S.L.＋ 14m 以 下 ）の 範 囲 を 実 施 範 囲 と し て い る 。 ま た ， 屋 外 設 備 で あ る 燃 料 設 備 （ 軽 油 タ ン ク ， 燃 料 移 送 ポ ン プ ）に つ い て は ，当 該 位 置 に お け る 浸 水 水 位（ 1.5m 以 下 程 度 ）よ り も 高 い 防 油 堤 等 に よ り 囲 う こ と に よ り ， 溢 水 の 影 響 を 防 止 す る 。
⑤ 建 屋 外 周 地 下 部 に お け る 地 下 水 位 の 上 昇
「 KK67-0004 内 部 溢 水 に よ る 管 理 区 域 外 へ の 漏 え い の 防 止 に つ い て 」（ 添 付 資 料 4 ） に お い て 「 そ の 他 の 溢 水（ 地 下 水 ） に 係 る 防 護 対 策 の 設 計 方 針 に つ い て 」 と し て 説 明 し て い る と お り ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 を 内 包 す る 建 屋 外 周 部 に お け る 壁 ， 扉 ， 堰 等 の 浸 水 対 策 を 実 施 す る 範 囲 に つ い て は 地 表 面 下 （ T .M.S.L.＋ 12m 以 下 ） と し て い る 。 な お ， 地 震 に よ る 建 屋 の 地 下 部 外 壁 の ひ び 割 れ 等 か ら の 流 入 を 安 全 側 に 考 慮 し ， 保 守 的 な 浸 水 量 を 仮 定 し た 場 合 に お い て も ， 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 安 全 機 能 へ 影 響 が 及 ば な い よ う に 浸 水 対 策 を 実 施 す る 。
さ ら に ， 各 サ ブ ド レ ン ピ ッ ト に 集 水 さ れ た 地 下 水 は ， 耐 震 性 を 有 す る サ ブ ド レ ン ポ ン プ に よ っ て ，地 震 時 及 び 地 震 後 に お い て も 地 上 の 雨 水 排 水 系 統 へ 排 水 す る こ と が 可 能 で あ る 。 ま た ， サ ブ ド レ ン ポ ン プ の 電 源 は ， 非 常 用 電 源 系 統 よ り 供 給 さ れ て い る こ と か ら ， 外 部 電 源 喪 失 時 に も 排 水 が 可 能 と な っ て お り ，水 位 が 上 昇 し 続 け る こ と は な い 。 具 体 的 な 内 容 を 添 付 資 料 1 に 抜 粋 し て 示 す 。
地 下 水 の 流 入 に つ い て は ，1 日 当 た り の 湧 水 (地 下 水 ）の 排 水 量 の 実 績 値 に 対 し て ， サ ブ ド レ ン ポ ン プ の 排 出 量 は 大 き く 上 回 る こ と ， ま た サ ブ ド レ ン ポ ン プ は 耐 震 性 を 有 す る こ と か ら ，外 部 の 支 援 を 期 待 す る こ と な く 排 水 可 能 で あ る 。
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従 っ て 地 下 水 が 浸 水 防 護 重 点 化 範 囲 の 設 計 基 準 対 象 施 設 へ 影 響 を 及 ぼ す こ と は な い 。
(サ ブ ド レ ン ポ ン プ 仕 様 )
流 量 ： 45 ㎥ /h（ 750L/min.） 揚 程 ： 44m 台 数 ： 2 台 （ 1 ピ ッ ト 当 た り ）
（ 参 考 年 間 運 転 実 績 ）
6 号 機 最 大 排 出 量 ： 約 43 ㎥ /d 7 号 機 最 大 排 出 量 ： 約 145 ㎥ /d
