明治期国定﹃高等小学読本﹄の可能表現形式
小
木
曽
智
信
はじめに 明治期においては、広く受け入れられた書き言葉の規範がいまだ 成立しておらず、そのために表記・語彙・語法・文法等さまざまな 方面で、多くの揺れが存在した。それは、言文一致運動の起こりか ら間がない口語文においてのみならず、明治普通文と呼ばれる文語 文においても同様であった。このような混沌とした状況は徐々に整 理され落ち着いていくが、明治末期においてもいまだ多くの揺れが 残っていることは 、﹃太陽コーパス﹄の調査結果からも裏付けられ る︵国立国語研究所編二〇〇五︶ 。 可能表現形式も、そのような揺れが存在するものの一つである。 文語文 ・口語文ともに 、伝統的な形式から 、﹁言葉の乱れ﹂として 指摘されるような破格の形式まで、多くの形が併存していた。たと えば、文語文においては、同じ﹁能ふ﹂を用いる場合だけでも﹁す ること能ふ﹂ ﹁する能ふ﹂ ﹁し能ふ﹂といった形式がともに用いられ ていたし、口語文においては助動詞﹁れる﹂の可能用法と可能動詞 が併存し、漢語サ変動詞に﹁できる﹂が続く形にも揺れがあった。 言語の規範性という観点からこれを見るならば、このような多数 の形式のうちいずれを選択するべきなのかということが問題となる。 また、文語文のなかで可能動詞のような比較的新しい形式を用いる べきかどうかといった文体と形式の関わり、形式の位相差も問題と なってくる。 明治期の言語規範を反映する資料の一つとして、国定教科書の国 語読本が挙げられる。一般に教科書は極めて高い規範意識の下に書 かれており、同時代の一般的なテキストに比べて統制され整理され た表現が用いられている。 本研究は、可能表現形式を例に、言語の揺れの大きかった明治期 に強い規範意識をもって書かれた教科書のテキストがどのような形 式を選択していたのか調査し、それが当時一般のテキストでの使用 状況やその後の変化とどのような関係にあるのかを探ろうとするも のである。 明治期国定﹃高等小学読本﹄ 本稿で調査対象とした教科書は、明治三七︵一九〇四︶年に発刊され全国の高等小学校で用いられた国定の﹃高等小学読本﹄である。 高等小学校は 、明治一九 ︵一八八六︶年から昭和一六 ︵一九四 一︶年まで設置された教育機関で、尋常小学校を卒業した者が学ん だ学校である。今日の学制でいえば小学校高学年から中学校に相当 する。明治三七年当時は四年間の尋常小学校を終えたのち二∼四年 間の課程であった。 高等小学校の国語教科書は、当初は検定を受けた複数のものが用 いられていたが、明治三七年以降、国定教科書 1種に統一された。 この国定の﹃高等小学読本﹄には第一期から第四期までの 4種類が 存在するが、今回対象としたものは第一期の四学年ぶん全 8冊であ る 。当然のことながら 、﹃高等小学読本﹄は尋常小学校の国定読本 よりも高度な内容の文章を含んでおり、文語体のテキストも多く含 まれている。 この教科書で目を引く点の一つに、字音語の表記に棒引き仮名遣 いが採用されていることが挙げられる。明治三三︵一九〇〇︶年の ﹁小学校令施行規則﹂に基づくもので 、長音の表記にあたって煩瑣 な字音仮名遣いを退け、発音に基づいた簡略化を行ったものである。 この仮名遣いは明治四一年には廃止されているため、第一期の読本 に特徴的なものである。 ﹃高等小学読本﹄コーパス 筆者らはこの﹃高等小学読本﹄の本文を電子化し、文書構造をタ グ付けした上で、形態素解析を施して単語情報つきのコーパスとし た ︵近藤 ・小木曽 ・加藤二〇一〇︶ 。形態素解析とはコンピュータ による品詞分解の自動処理技術であり 、﹁近代文語 U n i D i c ﹂ を用いることで明治期の文語文であっても九五パーセント以上の精 度で解析することが可能になっている ︵小木曽二〇〇九︶ 。この技 術を用いて﹃高等小学読本﹄のすべての単語に品詞や読みなどの情 報を付与し、その後、自動処理による誤りを人手で修正した。この ようにして作成した﹃高等小学読本﹄コーパスは、高度な検索が可 能な全文テキスト付き総索引とい えるものとなっている。 テキストの量は表 1に示す通り、 全体で約一〇万語になる︵語数は ﹁近代文語 U n i D i c ﹂の解析 単位である ﹁短単位﹂にもとづ く︶ 。学年を追うごとにテキスト の量は増えていく。口語・文語の 割合は、第一、第二学年ではほぼ 拮抗しているが、高学年になるほ ど文語が増えてゆき、第四学年で は文語文が七割以上を占めている。 表 1 「高等小学読本」の学年別テキスト量 学年 字数(語数) 口語 文語 計 1 15626(10357) 14922(9579) 30548(19936) 2 18515(12235) 18752(12513) 37267(24748) 3 16380(10675) 26177(16937) 42557(27612) 4 14298(9632) 34364(22769) 48662(32401) 計 64819(42899) 94215(61798) 159034(104697)
明治期の可能表現形式 明治期の書き言葉で一般に用いられていた可能表現形式として、 次のものがある。※印を付けたものは今日では用いられない、専ら 文語で用いられる形式である。 助動詞﹁れる﹂ ﹁られる﹂ 、﹁る﹂ ﹁らる﹂ 可能動詞 できる ∼できる︵サ変動詞語幹+できる︶ ∼することができる 能ふ ∼すること能ふ︵連体形+こと+能ふ︶※ ∼する能ふ︵連体形+能ふ︶※ ∼し能ふ︵連用形+能ふ︶※ 得る ∼することを得︵連体形+こと+得る︶※ ∼するを得︵連体形+を+得る︶※ ∼得る︵連用形+得る︶ 以上で当時の主な可能表現を尽くしていると思われるが、可能表 現を担う形式は、語彙的なものも含め幅が広いため、ここに挙げた 形式で全てであるというわけではない。これ以外に、たとえば助動 詞﹁べし﹂や動詞﹁なる﹂も可能の表現を担っている可能性がある。 また、意味上文体上の違いから、これらの形式が常に相互に置き換 え可能なわけではない。 今回はこれらの形式の全例を調査した。単語情報付きコーパスを 利用することができるため、表記や活用形の別によらず、辞書見出 しで検索することができる。検索後、用例の文脈を確認し、分類・ 集計した。 ﹃高等小学読本﹄の可能表現形式 以下、調査結果から各可能表現形式ごとに用例を見たのち、全体 を確認することにする 。用例に続く数字は 、﹁ 巻 ︱ 課番号﹂であり 、 その次に課の題名・文体を付けている。なお、原文には、漢字ひら がな交じり文で書かれたテキストと漢字カタカナ交じり文で書かれ たテキストが混在しており、全体の約二割ほどの課は漢字カタカナ 交じり文であるが、ここでは全て漢字ひらがな交じり文に直して掲 載している。 助動詞﹁る﹂ ﹁らる﹂ 、﹁れる﹂ ﹁られる﹂ 文語の助動詞 ﹁る﹂ ﹁らる﹂ 、口語の ﹁れる﹂ ﹁られる﹂は 、受 身・尊敬・自発とならぶ用法の一つとして、可能用法となることが ある。現在の形態素解析では用法分類まで行うことはできないため、 用法にかかわらず全例を検索した後、手作業による分類を行った。 ﹁る﹂ ﹁らる﹂ ﹁れる﹂ ﹁られる﹂全体での用法の分布は表 2のように
なっている。自発用法には文語文 中の典型的なものだけを認めた。 このうち、五段活用動詞に付く ﹁れる﹂は 、可能動詞で表される 可能性も持っている。表 2から明 らかなように、可能動詞の可能性 を持たない﹁られる﹂の方が可能 用 法 の 割 合 が 高 い ︵﹁ ら れ る ﹂ 1/ 15に対し ﹁れる﹂ 1/ 33︶。 ﹁れる﹂が担当するはずの可能用 法のうちの大部分が可能動詞に よって担当されているため、その割合が低くなっている。 可能用法と判断されるのは次の一七例である 。﹁る﹂三例 、﹁ れ る﹂一例、 ﹁らる﹂一一例、 ﹁られる﹂二例であった。 ﹁る﹂ ︵文語︶ 海に、無盡の富ありて、波路に、行かれぬ所なし。怒れる波は高 くとも、吹きまく風はあらくとも、 2︱ 9遠洋漁業・文語 ﹁うじじにあり 。﹂と聞きしほかは 、何事も知られざりき 。 3︱ 9すたんりー、りびんぐすとんのゆくへをさがす︵一︶ ・文 語 秋の末になりては 、遂に 、一字も書かれずなりぬ 。﹁盲となりて は、生けるかひなし。 4︱ 5瀧澤馬琴著作の苦心・文語 ﹁れる﹂ ︵口語︶ また、價もやすくて、一包、十二箇が、三錢ぐらゐで買はれる。 しかし 、 もし 、これを 、一人で造るとしたら 、どうであらう か。 3︱ 2分業・口語 ﹁らる﹂ ︵文語︶ 恐れず、進む勇氣こそ、幼き時の練習によりて、えらるる身の寶。 泳の業も怠るな。 2︱ 21海國男子・文語 危き道をおかさずば、勝れし功は立てられじ。島かげ見えぬ所ま で、漕げや、家なるわが舟を。 2︱ 9遠洋漁業・文語 價は、その物に効用あることと、その物の、勞して、はじめて得 らるゝこととによりて生ずるものなり。 3︱ 5物の價・文語 されば、大いに勞して得らるゝものなりとも、効用なきものは價 あることなく、 3︱ 5物の價・文語 効用あるものなりとも、勞せずして得らるゝものなれば、また、 價あることなし。 3︱ 5物の價・文語 一種の石あり。きはめてまれなるものにして、大いに勞して、は じめて得らるゝものなりとも、實用にも、裝飾にもならざるも のなれば、 3︱ 5物の價・文語 地球上に、あまねく存在して、すこしも勞せずして得らるゝもの なれば、これを買ふ必要なく、したがって、また、價あること なし。 3︱ 5物の價・文語 じつに、國家の安寧は、ただに、城の堅固なるのみによりて得ら るゝにはあらずして、 3︱ 6萬里の長城・文語 表 2 「る」「らる」「れる」「られる」の 用法別用例数 可能 自発 受身 尊敬 口 語 られる 4 0 9 1 れる 1 0 30 2 文 語 らる 10 1 119 5 る 3 1 145 12 計 18 2 303 20
おもに、國民の一致、共同する力によりて得らるゝものなること を知るべし。 3︱ 6萬里の長城・文語 又、安眠も得られずなりしかば、ある日、之を醫に謀りしに、醫 驚きて 4︱ 5瀧澤馬琴著作の苦心・文語 御老人は、家の重寶と申すものにて、金にも、玉にもかへらるる ものにこれなく候。 4︱ 9松田松陰・文語 ﹁られる﹂ ︵口語︶ まるで、屏風を立てたよーな、けはしいがけで、たやすく、おり られる所ではありません。 1︱ 17一谷の戰︵二︶ ・口語 思のほかに、金銀、財寶のえられんばかりか、かへって、新殖民 地の基礎を固めるために勞働せねばならなんだので、 3︱ 14こ ろんぶす︵三︶ ・口語 口語の五段活用動詞では可能動詞が使われることもあり、大部分 は文語の用例である 。﹁れる﹂の可能用法の例はわずかに一例だけ 見られた。 可能動詞 可能動詞の用例は、次の一二例である。 それだから、そんな、命がけの仕事には、どうしても、やる氣に はなれないのである。 1︱ 5助船・口語 ﹁鹿も四足 、馬も四足 。鹿に通れる所が 、馬に通れんことがある ものか。さあ。案内せよ。 ﹂ 1︱ 17一谷の戰︵二︶ ・口語︵※二 例あり︶ ﹁あれ 。ごらんなさい 。乘れる驢馬に乘りもせず 、二人ながら歩 いて來ますよ 。まあ 。をかしな人ではございませんか 。﹂ 2︱ 19老人と驢馬との話・口語 たとひ、休まず働いても、一日に、一包は造れまい。かりに造れ たとしても、それを、三錢ぐらゐで賣って、どのくらゐまうか るであらうか。 3︱ 2分業・口語︵※二例あり︶ からだは、その各部分が、それぞれ職務を盡すので、保っていけ るのでありますから、 3︱ 3胃の説諭・口語 したがって、 ﹁直接、いんどに行ける航路を開きたい。 ﹂といふこ とは 、よーろっぱ諸國いっぱんの希望であったのである 。 3︱ 12ころんぶす︵一︶ ・口語 ころんぶすの説は 、もとより 、﹁ことごとく正しい 。﹂ とは いへ ん。 3︱ 12ころんぶす︵一︶ ・口語 病氣の子どもがあって、なにぶん、手がはなせないので、長男に、 よく〳 〵いひふくめて 、父の看病によこしたのである 。 4︱ 11子どもの看病︵一︶ ・口語 おかあさんがおいでなされるのでしたけれど、弟が病氣で、手が は な せ な い か ら 、 私 が 來 た の で す 。 4︱ 11子 ど も の 看 病 ︵一︶ ・口語 良吉は﹁おとうさん。私は歸れません。歸ると、あの人がかはい さうです。 4︱ 12子どもの看病︵二︶ ・口語
可能動詞は文語文には現れず、全て口語文中の用例である。しか も、会話文中の用例が多く、会話を示す括弧中のものが半数以上と なっている。口頭語的な性格が強かったことがうかがわれる。 ﹃太陽コーパス﹄の調査などでは文語文中の可能動詞の用例もあ る程度見られるが 、﹃高等小学読本﹄では全く見られない 。これは 、 語の位相差の問題から、口頭語的な性格の可能動詞が避けられたも のであろう。 文語文中では、 語形の上で命令形+完了の助動詞﹁り﹂ と衝突し区別ができなくなることも、文語文中の可能動詞を避ける 動機になっているものと思われる。 なお、当然ともいえるが、 ﹁ら抜き言葉﹂の用例は見られない。 できる 可能表現形式としての ﹁できる﹂は 、﹁ ∼することができる﹂の 形と 、漢語サ変動詞語幹に直接続くもの 、﹁する﹂の可能形として 単独で使われるものが考えられる。 このうち、漢語サ変動詞語幹に直接つく用例は全く見られない。 この形は 、﹃太陽コーパス﹄の調査 ︵小木曽二〇〇五︶でも明治期 には少ないものである。 ﹁することができる﹂は六四例見つかった︵ ﹁こともできる﹂など 別の助詞になるものも含む︶ 。全て口語文中の用例である 。用例数 が多いので一〇例のみ挙げる。 十日あまりもかかって、やうやう、江戸なり、京都なりに着くこ とができるのであった。 1︱ 9昔の旅行・口語 わづかな錢、わづかな日數で、やすやすと、旅行することができ る。 1︱ 9昔の旅行・口語 逃げるひまもなく、手に、何も持ってゐませんので、防ぐことも できません。 1︱ 19二人の旅人と熊・口語 昆虫は 、 多くは 、 はねがあって 、空中を飛ぶことができる 。 2︱ 6昆虫の變態・口語 わっとは、幼いときは、からだが弱くて、學校に通ふこともでき なんだので、うちで、兩親から、讀書、算術、習字などを教へ られてゐたが、 2︱ 14蒸氣機關の發明・口語 植物は、動物によって、その花粉を他の花に傳達することができ るのである。 3︱ 1動物と植物の關係・口語 じぶんに、もっとも適した仕事にばかりかゝることができる。 3︱ 2分業・口語 その仕事に熟練して、出來のよいものを、たくさん造ることがで きる。 3︱ 2分業・口語 すると、はりーは﹁もう。おかあさんの所へ歸ることはできない んだ。 ﹂といふ。めーは、またも泣き出した。 4︱ 5輕氣球に 乘った子どもの話︵一︶ ・口語 法律、勅令を執行し、安寧、秩序を維持するために、又は、特別 の委任によって 、省令を發することができる 。 4︱ 19政務の 組織︵二︶ ・口語
単独で用いられた﹁できる﹂のうち可能表現形式と認めたものは 次のような例で、計一二例ある。 ﹁これまで 、ひとが 、工夫してみて 、できなんだものを 、じぶん で、工夫してみよう。 ﹂と思った。 1︱ 11じょーじ、すちぶん そん︵二︶ ・口語 數のかんがへが、進んでをらなかったので、こみいった計算など もできなかったが、 1︱ 18アイヌ・口語 いっしょーけんめいに勉強し、立派な成績で卒業して、わたしの 手助のできるよーになってくれ 。﹂ と 、うってかはって 、おだ やかにいふ。 4︱ 8小書記勉三︵二︶ ・口語 このなかに、文語文中の用例が次の一例のみある。ただし、候文の 手紙文中という特殊な用例である。 手習、讀物などはこゝろがけ候へ。正月には、一日は、やぶいり でき申すべきか。兄樣の御休日を選び、まゐり候て、心得にな るはなしども聞き候へ。 4︱ 9松田松陰・文語 以上のように、通常の文語文の中には﹁できる﹂は全く見られな い。ほぼ全てが口語文中の用例である。 能ふ ﹁能ふ﹂は計二三例見られる 。すべてが文語文中の用例であり 、 かつ二二例までが ﹁すること能ふ﹂である 。﹁する能ふ﹂が一例の みあるが 、﹁し能ふ﹂は全く見られない 。また 、全てが不可能の用 例であり、肯定可能の用例は見られない。 なお、一例のみ見られた﹁敵するあたはず﹂は、別の課で﹁敵す ることあたはず﹂という形で、同じ動詞、同じ意味で使われており、 この形を取ることに積極的な意味があったとは思われない。 ねどこに入れば、呼吸つまりて、よく、ねむることあたはず。 1︱ 19富士登山︵二︶ ・文語 家康の諸將、必死となりて戰へども、城堅固にして、おとすこと あたはず。 4︱ 1大阪の役・文語 飲料水乏しくして、勞することなくては、得ることあたはざるこ とあればなり。 5︱ 5物の價・文語 虎などのごとき猛獸も、よーいに、その勢に敵することあたはず といふ。 5︱ 10象・文語 象は、頸、はなはだ短くして、口を地上に達せしむることあたは ざるがゆゑに、食物は、鼻の先にてつかみて、 05︱ 10象・文語 この理を正しとは思ひたれども、よーいに、これを證明すること あたはざりしが、その後、十六年を經て、 5︱ 14にゅーとん・ 文語 かゝる方法にては、多數の人口をさゝふることあたはざるにいた りしかば、 6︱ 2わが國の農業・文語 大いに、諸國を征せしが、みな、その鋒先にあたることあたはず、 あるひは、領土を割き、 6︱ 5なぽれおんのろしや遠征・文語
なぽれおんこれに敵するあたはず、つひに、帝位よりおとされて、 こるしか島の東なるえるば島に 6︱ 5なぽれおんのろしや遠 征・文語︵※﹁する能ふ﹂ ︶ 月は、地球のために、光を受くることあたはずして、月蝕を生じ、 新月のとき、 6︱ 6太陽ト月・文語 これなきときは、地球上の生物は、一日も生存することあたはざ るなり。 6︱ 6太陽ト月・文語 ことごとくは 、地球上に生存することあたはず 。 7︱ 9動物の 進化・文語 かくて、五日の後にいたれば、ほとんど、計算することあたはざ るほどの數に達して、 7︱ 10バクテリヤ・文語 普通の植物のごとき方法にて、みづから、營養分をとることあた はざれば 、かならず 、他物に寄生す 。 7︱ 10バクテリヤ ・文 語 ばくてりやは、健全なる身體に入りては、繁殖することあたはず して死滅すれども、虚弱なる身體に入りては、 7︱ 10バクテリ ヤ・文語 いぎりす、大いに、不同意を唱へしかば、よーいに、着手するこ とあたはざりしが、 7︱ 20スエズ運河・文語 師に問はれし時、一同、顏を見合せて答ふることあたはざりき。 08︱ 4本居宣長・文語 書肆も、後々まで、利を全うすることあたはずして、遺憾に思ふ なるべし。 8︱ 5瀧澤馬琴著作の苦心・文語 がらす、水晶、骨、角、多くの金屬などは、透過することあたは ず。 8︱ 13電氣の利用︵二︶ ・文語 かくの如く便利なるものなれども、之によって談話することあた はず。 8︱ 13電氣の利用︵二︶ ・文語 此義務は 、病によりてそむくことあたはず 。 8︱ 15井上毅とぼ あそなーど・文語 本國に歸らんとするや、毅は病のために、其送別會に出席するこ とあたはざりしかば 、人をして 、特に 、此事を述べしめ 、 8︱ 15井上毅とぼあそなーど・文語 父死したるとき、家を去りたるとき、又は、親權を行ふことあた はざるときは、家に在る母、親權を行ふ。 8︱ 16親族・文語 得る ﹁得る﹂には 、現在も用いられる ﹁連用形+得﹂の他に 、専ら文 語文で用いられた ﹁することを得﹂ ﹁するを得﹂という形がある 。 なかでも 、﹁することを得﹂が圧倒的に多く四八例ある 。﹁するを 得﹂が一〇例、 ﹁連用形+得﹂は一三例である。 ﹁連用形+得﹂は口 語文中でも用いられてよい形式であるが、これを含む全ての可能の ﹁得る﹂の用例が文語文中のものであった。 ﹁能ふ﹂の場合ほど画一的ではないが 、やはり ﹁こと﹂を含む形 式がもっともよく用いられている 。後述するとおり 、﹃太陽﹄では ﹁するを得﹂の方がはるかに多く用いられており 、際だった違いを 見せている。 ﹃高等小学読本﹄の﹁するを得﹂は、 ﹁ 1︱ 13廢物利用﹂
﹁ 4︱ 2わが國の活版印刷術の起原﹂のように特定の記事にまとまっ て現れる傾向がある。 用例数が多い﹁することを得﹂は一〇例のみを、そのほかは全例 を挙げる。 ﹁することを得﹂ 車中に、安坐しながら、たちまち、すぎ去ることをうるにいたれ り。 1︱ 8箱根山・文語 巡洋艦は、いづれも、その艦體大にして、多量の石炭を積み、は やき速力にて、長時間、航海することをうるよーに、造られた り。 2︱ 22ワガ國ノ海軍・文語 忠敬、率先して、勤儉を行ひ、つひに、ふたゝびゆたかならしむ ることをえたり。 2︱ 10伊能忠敬・文語 これを發行せる銀行に持ち行けば、ただちに、貨幣と交換するこ とを得ればなり。 3︱ 4貨幣・文語 種々の香料と染料とを加ふれば、そのあぶらくさきを去り、美し き色をつくることを得。 3︱ 18しゃぼん・文語 四肢の運動よろしきにかなふがゆゑに、身體、つねに健全にして、 長壽を保つことを得べし。 3︱ 2わが國の農業・文語 深さ二十六七尺ありて、吃水深き船艦も、優に通過することを得。 4︱ 20スエズ運河・文語 活字印刷は 、こゝに 、はじめて大成する ことをえたるなり 。 4︱ 2わが國の活版印刷術の起原・文語 しかるに、ある距離の間にては、自由に談話することを得るもの あり。電話機是れなり。 4︱ 13電氣の利用︵二︶ ・文語 男子滿十七年、女子滿十五年に達するときは、婚姻をなすことを 得。 4︱ 16親族・文語 ﹁するを得﹂ 仲麻呂は、さいはひに、命は助りしかども、なほ、日本に、歸る をえずして、やみたり。その遺憾思ひやるべきなり。 第五課 1︱ 4阿倍仲麻呂・文語 酒は、醋に、製するをうべく、貝殻は、燒きて、石灰に、製する をうべく、石炭を蒸して、がすを製する時に、出づる、油のご とき、黒き汁よりは、種種の藥品と染料とを製するをうべし。 1︱ 13廢物利用・文語︵※三例あり︶ かへって、和をすゝめ、つひに、城の總堀を埋むることを約する をえて、媾和せり。 2︱ 1大阪の役・文語 その活字は、多くは木製にして、印刷精巧なるをえざりしゆゑに や、徳川時代の半頃より、ほとんどすたれて、 4︱ 2わが國の 活版印刷術の起原・文語 これにならひて製造せしかど、なほ、十分なるをえざりき。より て、あめりか人、ふるべっきにはかり、 4︱ 2わが國の活版印 刷術の起原・文語 牛の角などを用ひて、工夫をこらしゝが、なほ、意のごとくなる をえざりき。 4︱ 2わが國の活版印刷術の起原・文語 その製法を學ばしめ、つひに、あまたの鐵砲を造り出すをうるに
いたれり。 4︱ 13鐵砲の傳來・文語 電車を通じ、紡績業を盛にし、種々の製造業をもおこすをうるに いたれり。 4︱ 19琵琶湖疎水・文語 ﹁し得﹂ つねに、飲める井の水は、土地の中より、産するものといひえず や 。﹂教師 ﹁井の水 、泉 、温泉など 、みな 、土地の中より 、産 するものといひうべし。 ﹂ 1︱ 14地中の話 ・ 文語︵※二例あり︶ 太き黒線あり。されば、はなはだ、鮮明にして、よーいに、認め うべきがごとくなれども、虎は、多く、竹林の中にすむものな れば 2︱ 18虎・文語 知事などは、いづれも官吏なれば、公民、みづから議決し、執行 し得る自治團體は 、ただ 、市 、町 、村あるのみなり 。 2︱ 20 市、町、村・文語 されど、不幸にして、織物を有するものをたづねえずば、漁夫は、 また、さらに、所々に奔走して、 3︱ 4貨幣・文語 兩海の水面は 、ほとんど 、あひ平均せることを 知り得たり 。 4︱ 20スエズ運河・文語 多量の火藥を、きはめて多數の毛皮、革などと交換しえたれば、 ﹁今は用なし 。﹂とて 、いそぎ 、この村を去りたり 。 4︱ 15不 正直なる商人の話︵二︶ ・文語 貧困に苦むものあれば、財を惜まずして、これを救ひ、租税を納 めえずして歎くものあれば 、金を與へて 、將來を戒むるなど 、 4︱ 17松居遊軒・文語 業を營む間に要する衣 、食 、住も資本といひうべし 。 4︱ 16資 本・文語 ぜんじに減損すれども、なほ、幾回も使用しうべきものあり。こ れを固定資本といふ。 4︱ 16資本・文語 兩極間に、絶縁せる針金を巻ける、軟鐵の圓筒を裝置して、廻轉 し得るよーにせるものなり。 4︱ 12電氣の利用︵一︶ ・文語 蘭學階梯といふ書を著せり。これより、世人も、洋書の讀み得べ きものなることを悟り、其門に入るもの、きはめて多かりき。 4︱ 10洋學ノ發達・文語 わかれたるをば 、いかにして 、おほよそ人の なしうべき 。 4︱ 6 勸學の歌・文語 各形式の分布 以上の用例数を文体別に表にまとめると表 3のようになる。 文体によって使われる形式がはっきり区別されており、両方で用 いられる ﹁る﹂ ﹁らる﹂ ﹁れる﹂ ﹁られる﹂を除くと 、口語の ﹁でき る﹂と可能動詞、文語の﹁能ふ﹂と﹁得る﹂という分布が確認でき る︵例外となる﹁できる﹂一例は前述した候文中のものである︶ 。 各形式の分布を学年別に見ると表 4のようになる。学年を追うご とに文語文が増えることを考慮に入れると、形式の分布上、特に注 意される点は見当たらない。 なお 、肯定 ・ 否定 ︵不可能︶の観点から見た場合にも 、﹁能ふ﹂ が肯定に限られる点をのぞき、際だった偏りはない。
﹃太陽コーパス﹄との比較 これまでにも何度か触れてきたが、この時期の書き言葉の実態を 探ることのできる資料として国立国語研究所の﹃太陽コーパス﹄が ある。これは、明治・大正期の代表的な総合雑誌﹃太陽﹄を電子化 し 、言語研究用のデータベースとしてまとめたものである 。﹃太陽 コーパス﹄には基本的に八年おき一年分のテキストが収録されてい るが、今回対象とした高等小学読本︵一九〇四年刊︶に近い年とし ては、一九〇一年と一九〇九年のデータがある。これは、高等小学 読本が刊行された当時、実際の社会で広く読まれていた文章であり、 この読本で学んだ生徒たちが実社会で目にしたであろう文章である。 強い規範意識の下に書かれた教科書に現れる可能表現形式と、実 社会における可能表現形式の使用実態とを比較することは、さまざ まな形式が併存する中で、教科書がどのような形式を規範として選 択していたのかを探ることになる。 ﹃太陽コーパス﹄の可能表現形式については 、小椋 ・小木曽 ・近 藤 ︵二〇〇二︶で調査を行ったことがある 。この中では 、助動詞 ﹁る﹂ ﹁ らる﹂ ﹁ れる﹂ ﹁ られる﹂については調査を行っておらず 、 ﹁できる﹂についても単独で用いられる例を対象としていないが 、 可能な範囲で今回の調査結果と比較した結果が表 5である。テキス トの量が大きく違うため用例数に開きがある 。形式の割合で ﹁ 能 ふ﹂類、 ﹁得る﹂類を比較してみると、両者には大きな違いがある。 ﹁能ふ﹂類では、 ﹃太陽コーパス﹄では﹁する能ふ﹂が最も多く、 ﹁すること能ふ﹂の 2倍に近いのに対し 、﹃高等小学読本﹄では 、 表 3 高等小学読本の可能表現形式用例数 (文体別) 可能表現形式 口語 文語 能ふ すること能ふ 22 する能ふ 1 得る することを得 48 するを得 10 し得 13 できる ことができる 64 できる 11 1 れる・ら れる (る・ら る) (れ)る 1 3 ら(れ)る 2 11 可能動詞 12 計 90 109 表 4 高等小学読本の可能表現形式用例数 (学年別) 可能表現形式 年1 年2 年3 年4 能ふ すること能ふ 1 1 8 12 する能ふ 1 得る することを得 1 6 17 24 するを得 4 1 5 し得 2 2 1 8 できる ことができる 18 10 20 16 できる 9 3 れる・ら れる (る・ら る) (れ)る 1 2 1 ら(れ)る 1 2 8 2 可能動詞 3 1 5 3 計 39 24 62 74
﹁すること能ふ﹂ が圧倒的多数で あ る。 ま た、 ﹁し能ふ﹂とい う 形 式 は 、﹃ 高 等小学読本﹄に は一例も見られ ない。 渋谷︵一九九 三︶は夏目漱石 の論文や日記に おける文語の可 能表現形式を調 査しているが、 ここでは﹁する こと能ふ﹂一一 例 、﹁する能ふ﹂一七例 、﹁し能ふ﹂一五例であって 、﹁する能ふ﹂ がやや優勢ながら、三つの形式が同じような割合で用いられている。 ﹃高等小学読本﹄は 、当時いずれも広く用いられていた ﹁能ふ﹂ の三形式の中から﹁すること能ふ﹂という長い形式をことさらに選 んで用いていることがわかる。 ﹁能ふ﹂類は漢文訓読由来の形式である 。齋藤 ︵一九九八 、二〇 一一︶が指摘するように、一斎点などの近世に広まった簡略化され た訓読法は近代に入って批判を受けるが 、﹁し能ふ﹂もこのような 非伝統的な形であった 。﹁こと﹂を補読する ﹁すること能ふ﹂が最 も古くからある訓読法であり 、﹃高等小学読本﹄はこの伝統的な訓 読法に一致する形を正当なものとして意識的に選択しているものと 考えられる。 ﹁得る﹂についても同様である 。﹃太陽コーパス﹄では 、﹁するを 得﹂と ﹁し得﹂が多く 、﹁することを得﹂はこれらの三分の一程度 しか用いられていない。前述の渋谷︵一九九三︶による漱石の用例 数でも 、﹁することを得﹂三例 、﹁するを得﹂一〇例 、﹁し得る﹂一 一七例となっており 、﹁することを得﹂は最も少なくなっている 。 これに対して、 ﹃高等小学読本﹄では逆に、 ﹁することを得﹂が四倍 以上の用例数となっている 。これも 、﹁能ふ﹂の場合と同様 、﹁ こ と﹂を補読する伝統的な形式を選択した結果だと考えるべきであろ う。当時の一般の文章における使用実態とは異なり、あえて古くか らある語形を用いていたものと考えられる 。ただし 、﹁能ふ﹂の場 合ほど徹底しておらず 、他の形式も用いられている 。﹁ するを得﹂ が、しばしば偏った課に現れることを考慮すると、執筆者の違いに よる揺れである可能性がある。 ﹁できる﹂は 、サ変動詞語幹に続く用例が ﹃太陽﹄では見られる のに対し 、﹃高等小学読本﹄では見られない 。サ変動詞語幹に続く 用例は後の時代に増えていくことになるが、この時期には、 ﹃太陽﹄ でも割合としてまだ少ない︵小木曽二〇〇五︶ 。﹃高等小学読本﹄は このような新しい形式を用いることは避けている。 表 5 太陽と高等小学読本の可能表現形式用例数 可能表現形式 太陽(1901・ 1909) 高等小学読本 能ふ すること能ふ 674 22 する能ふ 1207 1 し能ふ 83 0 得る することを得 765 48 するを得 2146 10 し得 2542 13 できる することがで きる 1487 63 サ変動詞語幹 40 0 可能動詞 586 12
まとめ 各種の可能表現形式が併存する中 、﹃高等小学読本﹄では 、当時 の一般的な使用実態とは異なって、伝統的な形式である﹁すること 能ふ﹂や﹁することを得﹂が選択的に用いられていた。また、可能 動詞は口頭語的な場面で用い、文語文中では可能動詞ではなく助動 詞﹁れる﹂を用いるなど、文体による使い分けも徹底していた。さ らに 、﹁し能ふ﹂や漢語サ変動詞語幹に続く ﹁できる﹂など 、非伝 統的な用法は使用が避けられていた。高い規範意識に基づく﹁正し い﹂言葉遣いへの志向が、可能表現形式の選択からも見て取ること ができる。 しかし、必ずしも明示的ではなかったと思われるこのような形式 選択が、どの程度の影響力を持ったのかはわからない。この教科書 で学んだ生徒たちが、その後用いた可能表現形式がどのようなもの であったかは興味深いが、一九二五年で終わる﹃太陽コーパス﹄で は確認できない。当該教科書を用いたことが確かな人物の著作を調 査することで確認することができるかもしれない。今後の課題とし たい。 本稿は二〇〇八∼二〇一〇年度成蹊大学研究助成 ︵研究テーマ ﹁︿ 戦 前﹀の日本語 ︱ 表記 ・語法 ・文体からの多面的考察 ︱ ﹂︶をうけて なされた研究成果である。 参考文献 渋谷勝己 ︵一九九三︶ ﹁日本語可能表現の諸相と展開﹂ ﹃大阪大学文学部紀 要﹄三三 ︱ 一 齋藤文俊︵一九九八︶ ﹁近世・近代の漢文訓読﹂ ﹃日本語学﹄一七 ︱ 七 小椋秀樹 ・小木曽智信 ・近藤明日子 ︵二〇〇二︶ ﹁﹃太陽コーパス﹄を使っ た近代語表現の通時的研究 ︱ 口語文体・可能表現・待遇表現について ︱ ﹂ ﹃国語学会二〇〇二年度春季大会予稿集﹄ 小木曽智信︵二〇〇三︶ ﹁近代日本語における﹁能ふ﹂の用法 ︱ ﹃太陽コー パス﹄の用例から ︱ ﹂﹃明海大学外国語学部論集﹄一五 国立国語研究所編 ︵二〇〇五︶国立国語研究所資料集 15﹃﹁太陽コーパス﹂ 雑誌﹃太陽﹄日本語データベース﹄博文館新社 国立国語研究所編 ︵二〇〇五︶国立国語研究所報告一二二 ﹃雑誌 ﹁太陽﹂ による確立期現代語の研究 ︱ ﹁太陽コーパス﹂研究論文集 ︱ ﹄博文館新 社 小木曽智信 ︵二〇〇五︶ ﹁漢語サ変動詞の可能の形 ︱ ﹁ ∼できる﹂の展開 ︱ ﹂﹃雑誌﹁太陽﹂による確立期現代語の研究 ︱ ﹁太陽コーパス﹂研究論 文集 ︱ ﹄博文館新社 小木曽智信︵二〇〇九︶ ﹃近代文語文を対象とした形態素解析のための電子 化辞書の作成とその活用﹄科研費報告書 19720110 近藤明日子 ・小木曽智信 ・加藤文明子 ︵二〇一〇︶ ﹁﹃高等小学読本﹄の形 態論情報付きコーパス﹂ ﹃人文科学とコンピュータシンポジウム論文集 人文工学の可能性 ︱ 異分野融合による ﹁実質化﹂ の 方法 ︱ ﹄ 情報処理学会 齋藤文俊 ︵二〇一一︶ ﹃漢文訓読と近代日本語の形成﹄ ︵第五章 ﹁近世漢文 訓読と可能表現﹂ ︶勉誠出版 小木曽智信 ・小椋秀樹 ・近藤明日子 ・ U n i D i c コンソーシアム ﹁形態 素解析辞書・近代文語 U n i D i c ﹂ http://www2.ninjal.ac.jp/lrc/index.php?UniDic ︵おぎそ・としのぶ 本学非常勤講師・国立国語研究所准教授︶