4611本小児放射線学会雑誌
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15歳女児の原発性腸腰筋膿瘍の1例
酒井正人,里見昭,村井秀昭,須藤謙一,高橋浩司,三角みその
谷水長丸,川瀬弘一,高橋茂樹,平山廉三
嶬玉|夷科大'学小児外科 ACaseo「l5year-old-girlwithPTimaryPsoaSAbscess MasatoSakai,AkiraSat〔)mi,I-Ii(leakiMurai,KenichiSu(louj lliroshiTakalTashi,MisonoMisumi,TakemaruTanimizu,KouichiKawase,SigekiTakahashiRenzouHiravama
PediatricSI1rgeTy,SaiLamaMedicalSchoo] A6sZ)てZet 6sZ『αCtlWedcscriboacaSe()laljyogcnicpsoasabscoss、Psoasabscesshasbocn1℃Ia-LivG1yrared【IetothedevelopmentofanljbioljcdrugsinJapan、Howovor,inthecase inwhorninllammationisnot1℃、a】、kable,itisdif1'icuhljodiagnose・ A15-yoar-oldgil・IwasadmittedLoourllospitfIlwiLhbackpainandhyporpy1℃xia、 Computodtomography(CT)andmagnoLicrosonancoimaging(MRI)rovoa1oda widespreadabscossinthelempsoasmuscle、Surgicaldrainagewasperformed・ SincerepeaLedculturesol、pussl)ocimonswo1℃nogativo,wodiagnosedthccaseas primarypsoasabscess、CTandMRIwereusefulforthedifferentialdiagnosisand con「iTmaLionoflocationorthepsoasabscGBS. Keymo7dIs Psoasabscess,CT,MRl われわれは!CT,MRIが本症の診断に有用で あった1例を経験したので画像診断を中心に若 干の文献的考察を加え報告する. はじめに 腸腰筋膿瘍は放置すれば化膿性関節炎や敗血 症など重篤な合併症をきたすことがあり,早期 診断,早期治療が大切である.しかし,炎症が 潜在的な場合は膿瘍としての特徴的な臨床所見 を呈さないため,診断に苦慮することもある'). 症例 惠児:15歳,女児 現病歴:入院の10カ月前より腰痛があった 原稿受付曰:1996年9月41=1,鹸終受付日:1996年111112日 別刷請求先:〒350-04埼二E県入間郡二Eh1山町毛呂本郷38崎玉医科入学小児外科酒)1:lE人 ギ6Vol・l3Xo」.199747 表1,血液検査 が,湿布で軽'決していた.人院の3カ月前,39 ℃の発熱が出現し,3週間にわたって解熱剤, 抗生剤の投与を受けた.16日前より再び39℃に 発熱し,左腰痛は増強,股関節痛も出現したの で近医を受診した.CTで左後腹腹腔にlow (10,割Ivf1roaが認められ,精査,加療目的で 当科へ紹介,入院した. 既往歴,家族歴:特記すべきことはない 入院時身体所見:左腰部から下腹部にかけて 11ミリiWがあるが,Blllmberg徴候,筋性防御はみ られない.左股関節は屈曲し伸展制限が認めら れ,いわゆる腸腰筋肢位(psoasposition)を とっていた. 血液検査所見:白血球増多と赤沈値の冗進が 著しかったが,PCR(polymerasochnin roaCtion)は陰性であった(表1). 画像検査所見:腹部超音波検査では左腎下極 から腸腰筋に沿った後腹膜腔に,-部線状の highechoを伴ったhypoechoicaroaが認めら れ,その領域は骨盤腔まで達していた(図11 形状から後11夏膜腔膿瘍または腫瘍が疑われた. 腹部単純X線写真で臆瘤陰影,骨破壊像を認め なかった.経静脈性腎孟造影で左尿管が外側へ '軽度|iii位していたが水将症もなく,通過も良好 であった.注腸造影では下行結腸が内側に軽度 圧排されている以外.憩室や潰瘍性病変などの 19.190/mIi 386xlO&/Inii lO4g/dl 31.3% () 異常なし WBC RBC 11b llt l)Cl《 尿検箇 GOT GPT T-Bil CRP 巾沈 32111/‘ 34[u/C q6Ⅲg/‘( 13.6鴫/〃 65[、l/1111. ルImH1/2hr UT兄はなかった.単純CTでは内部が均一の l()wd(lnsiLyを呈し,造影CTでは辺縁がhigh (I()nsilyを示す部位が腸骨前面の腸腹筋に認め られた(図2).同部位はMRI検査のTl強調画 像では辺縁がhighinLensityで内部がlowill-Lensityに,T2強調画`像では辺縁がlowint()、‐ sily,内部がhighinLensityを示す直径6.6cm のnlasH1esionとして描出され,内容は水の成 分に近いものであった.またmassrcgionは T2強調画像の冠状断で骨盤腔まで達するのが 判|リルプこ(図3). 以lZの検査所見より腸腰筋膿瘍と診断し,超 音波下で経皮的ドレナージ術を施行した.しか しドレーンよりの排膿がうまくゆかず,71-1後, 全身麻酔卜に観、I的切開排膿,1ルナージ術を 施行した.内容は無色,白色,粘稠で,細菌培 養では好気性菌,嫌気性菌ともに陰性であった. 術後経過は良好で,術後25日目にドレーンを抜 ユ宮H1 F -岱
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図1. 腹部超音波検査 ‘748川Iえ小児放射線学会雑誌 去し退院した.現在までの1年2カル]間,再 発の徴候はない. 後.多くの症例が報告されている.しかし鹸近 では抗生物質の発達,普及にともない本症は比 較的稀な疾患になっているわれわれの調べ得 た限りでは本邦における報告例は過去15年間で 24例にすぎない.11119場の原肉としては他病巣か 考察 腸腰筋膿瘍は1881年のMyIIL(11イ’の報告以 生 J-Umb -mm~一.」
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可 仏■ 図3.MRlT2強調画像 (冠状断) FD 、二二 ,/8Vol.]3N().1.199749 らの血行感染,外傷,骨髄炎や腎周lllllI柵およ び後腹膜腔の化11MMソ|:リンパ節炎からの炎Ⅲiiの波 及などが報待されている'1.また硬膜タトブ,:」ツ ク局注注射による感染などの報告もみられ るい、われわれの症例には誘因となる純尿病, Crohn病,肝炎などの基礎疾患はなく,liU液 検査およびIHji像診断においても明らかな病因や 原発巣の同定はできなかった.このため原発性 腸腰筋膿鋸と診'|リ了しプこ. 本症の年齢別蹴度はLowら聯の原発性111鵬60 例の集計によると15歳以下の小児の割合が高 く,Firor:'は約50%を占めると述べている 起炎菌として以前は結核菌が多かったが,最 近の報告では競色ブドウ球菌が最も多く,次に 大腸菌,連鎖球IlIiiが占めている?).しかし今回 は数1可の検査にもかかわらず菌を検'1lできな かった.これは忠児が抗生育'1を入院前より長!'J] 間服用し,I|」えて入院後も多斉llIji:用の化学療法 を受けたことによると考えられた. 腸腰筋膿瘍の確定診断には,l)IP,(}aシン チグラム,超音波検査,CTなどが参考になる といわれている.腹部単純X線写真は腰筋陰影 の膨隆や消失などの所見が病変の何無の検索に 有用なこともあるが正常でも存在することが多 く,難点がある.その点,CTは決め手になる 画像検査とされる$'.しかし後藤ら釘は,腸腰 筋膿瘍について画像の詳細な検討を行い,その 結果,CTは血腫との鑑別が困難な場合がしば しばあるとその弱点を指摘している.そしてこ の点はMRI検査で解決できるとそのfjlll性を 強調している.われわれの症例でも(11,とMRI が有効であった.CTでは腸腰筋の腫大像と内 部にlowdensitVaroaを,そしてMRIでは腸 腰筋内に膿瘍に特徴的なT1強調像で低信号, T2強調像でliii信号を認めた.さらにMRIは骨 髄の変化についてもlLil時に観察でき,11〔発巣と しての竹I1iH炎を「イト定するうえでも優れていた. また両検汽とも'|脚易の診断や部位だけでなく, 広がりを)iⅡることができ,治療方針をきめるう えでも極めて有用であった. おわりに 比較的IWiな原発性腸腰筋膿瘍のl例を経験し た.11易腰筋''1脇の診IITにCrr,MRIがイj用であっ た. (本論文の婆旨は第32回日本小児放射線学会に て報告した) ●文献 l)Mtlll〕()Iral<,SinghKD,I〕hanS,(】L〔11: P,.i1wlI・y1)y()gcnicabscoss()flll(、I)月()as muHc1(1.JB(〕I】0J(〕iI]tSurg7`'八:278-28'1, 1992. 2)MvI】〔(wll:AcuIepsoi(is・JB111TaloMed Surg21:202-210.1881. 3)内納正一.,I`liド光弘,中村雅彦.他:腸腰筋 膿賜の治療維験.整形外科と災l1iI`I:683- 687,1995. `l)’111/|<』!i仏-2宅祷男,中111秀11Ⅱ,他:'1鮴||嘆 筋lMWのlifi験|ダ'1.|]臨外医会誌56:840- 850,1995. 5)|`owL,BA,SIniihAY:Pl・imaryl)s()nsaI)‐ scess・JUr()logyl37:485-18611987. 6)FirorllV:Aclltcpsoas2ll)SCO&siI1chil- dren、Clinl〕0〔111:228-23L1972. 7) ̄Iと作修,古111112人。中上11俊!(||,Ilu:Arjiil:療 法がI;〔|人|と勝えられた腸||班筋IliMU斑の21薩例. 1-1鯛タト医会誌55:1980-198`1,199`1. 8)三宅補jと,1111野敦,k屋文P,他:lMrofa‐ scialspa(・('1Iij変のCT、臨放線27:1339-1345,1982. 9)後藤幸一.湯浅肇,大場党:腸腰筋群膿 瘍のlIIli像診MlfJpnJlle〔11,,1aging画像医 学:誌11:333-345.1992. ‘9