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(1)

噴射砥粒による超硬合金の被加工性に就て

谷口紀男

五味清人

斎藤義彦

On Machinability of Super Hard Alloy by Blasting Abrasives

NarioTaniguchi KiyotoGomi YoshihikoSaito

Synopsis:This report concerns the characteristics of new designed nozzle and the micro−bri− ・ttleness of super hard alloy. The new nozzle is illustrated in Fig.1 and its port is abrasion free. By using this nozzle we have done following experiments.   1.Machined quantities by unit weight of abrasives are saturated at the point of abrasives feeding   rate O.5 gr/sec. and maximum value is obtained by putting the test piece at the 70 mm apart   from nOzzle port.   2.From七he data of machined quantities by normally blasted、abrasives we have found that in   the testpieces having resembling composition machlned quantities decrease with the increase   of indentation hardness, and with the decreaSe of breaking stress, but varies largely by the   composition of tes七piece even if its indentation hardness and breaking stress are the same.   It is the lnain object of・thig experiment to study the mechanism of this work, but only by above results it is unsufficient. So we have m6asured the crystal grain size of the test piece and its areal percentage, and we have found that machined quantity becomes greater at the larger grain size. This means that the machining by this narmal b1,ast wark is done by the direct ・・crashing off of crystal grain, not by the separation of the bo1ユndary layer(bond)・   Consequentl y the machined quantity by this work reveals the micro−brit観eness(】nean brittle− ・ness of crystal grains), and the breaking stress of the value of P2/E(where P is breaking stress, Eis Young’s Modulus)is contrary related to the brittleness of boundary layers, namely the :1atter reveals macro brittleness.     1.緒  言   硬質質脆性物質の畷射加工(液体ホ・・一ニングとし て)に就ては既に一部報告を行つた(1)。本報告は新ら しく試作したノッズルの特性と関連した問題及びそれ ,による超硬合金の加工結果に就て述べる。

2.新ノツズルの空気速度分布

  噴射装置は前報告と全く同じものを用ひたが、ノツ ・ズルはeg 1図Aに示す如きものを試作して使用した。 、之は第1図Bに示す前回使用したものがその噴出孔の 摩耗が甚しいため測定に際して注意を必要とするので 噴出口の摩耗を無くするため砥粒の加速は専らノツズ ル外で行ふ如くしたものである。その結果は第2図に 、示す如くで速度分布は前回のものよりや入急峻にはな alY NatZ}e

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(2)

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、」  \ 泌込  \NX        to l‘揃“    Fig.2 Distribution of air speed.     Valve opening.1Air press 6 atm. りピトー管を垂直に立てて底面よりの距離を変化して その速度分布にたいする変化を測定した。この結果は 第3図に示す如くであり、この程度では底面よりの高 Pltst ヨoo ∠ ノ Moscle、       200

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一・直__ 一一民一・ 一←o」一一 供給すべきかについては余り一般的な研究は行はれて いないが之はノツズルの型式、室気供給量、吹付角度 及び試料等によつてその最適値が可成り変動するため と思はれる。而し本実験では実験精度を高める上から して一応この関係を求めてみたものである。試料とし ては光学硝子BK7の20mm角のものを用ひ、吹付距離 は20mm,噴射室気圧6at血,ノツズル出口室気速度 360m/secの条件で水800grにたいしc砥粒(100の 200grを懸濁したものを用ひた。砥粒液の供給は砥粒 供給タンク中に空気を吹きこんで常に撹拝を行ひつつ 出来る限り均一な流速でノツズル中に砥粒液を流し込 む方式をとり、供給量の加減はタソクの底のニードル 弁によつて行つた。供給速度は従つて懸濁液800ccの 供給の完了する時間をもつて表はしたものである。そ の結果は第1表の如くで第4図に示すも0)である。  郎ち砥粒供給速度が200gr/400sec程度で加工率部 ち砥粒(単位重量)当りの加工量は飽和することが示         されてゐる。換言すれば供給速度が        多少変動しても加工率は変化しない £=ヨ字守㈲“

 2gn

 2●7  刻・6. \i)・・NFn Lt t tO 9 含 7 6 5 雫 3 2 t O t 2 3 4 5 6 7 8 9 10,’       Di9十qltee SrOPt杭書謬佐(:n”Ltva 囲㌦     Fig.3 Ditribution of air speed with bacK pl ale         Valve opening 1, Air press 6 atm. さによる差は顯著には表はれてゐない。 (ピトー管の 構造に制限されて広い範囲を動かせなかつたため。) 而し底面のない場合に比べて著しい速度の減少がある こと及び速度分布曲線が緩かになつてゐることがわか る。従つて実際の噴射加工(垂直)では試料の支持方 法に可成り研究を要するものと思はれる。殊に広い面 をもつ試料で挾い面積を加工せんとする時等室気流に ついての配慮が重大な影響をもつものと思はれる。パ ことをいみしてゐるのであつて我々 の目的が主として加工率を問題にし てゐるのであるので、大体之を目安 にして之より遅い速度で砥粒を供給 することにした。このことは砥粒が 夫々一杯に働いてゐることをいみ し、これより早い場合は充分に働か ない砥粒があることを示してゐる。 この限界を砥粒液の流速で求めてみ ればノツズル砥粒口径が4φであるこ とから計算すれば約20cm/secとな る。然し実際にはこの程度の場合ノ ツズル砥粒口径一杯で流れてゐると は考へられないで寧ろ砥粒口の管壁 第 1    砥粒供給速度と加工速度、加工量比 噴射距離20mm,噴射室気圧6 atm, C砥粒200gr. 100#,光学硝子BK7

罐已騨加蹟比羅葦巾工率昔

 3.砥粒供給速度と加工量比加工速度

噴射加工に際して室気量にたいして砥粒をどの程度 80      1

O.19991  1.00』.49XlO−・ 0.999XlO−3 135 P95 o・2915i L460.35951  1.80 2.16 P.85 1.46 P.80 207 0.4647{ 2.32 2.24 2.33 260 0.4827  2,42 1.85 2.42 335 R80 S05 0.4958  2.48     | W:;{男ぼ:;;

L49

P.37

k27

2.48 Q.60 Q.63 610 0・52191 2・61 0,855 2.61

(3)

噴射砥粒による超硬合金の被加工性就て

3,0

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   ・ze ) ”     Fd・d‘” RtU Sec/2・Ogr  Fig.4 Abra8ives feedingrate&machin6d    quantities. BK7. Distance 20mm. Air    press.6atm. C grain 100#.200gr. に浩つて流れていると思はれるので室気量との比を求 める可きものと考へられる。この考へによれば限界値 はノツズル空気孔径面積及び空気速度より概算して約 0.1∼0.2gr(砥粒)/1(室気)になる。猶加工速度は当 然砥粒供給速度が遅くなれば直線的に減少することが 考へられ、又其れに一致する結果が示されているので 実際の加工に対しては砥粒の経済性と加工時間の両者 を勘案せねばならないと思はれる。

  4.吹付距離と加工量比

 実際に加工するに際しては砥粒が室気流によつて加 速されるのに時間がかkり、従つて又距離も必要であ るのでノツズルロからどの程度の距離で砥粒が充分の 速度をもつかを知る必要がある。従つて本実験として は実際に則した結果をえるためにノツズルロから試料 までの距離を10mmよの100まで変化させて各距離に. おける加工量比を求めた。試料は光学硝子BK7.砥粒 はCIOO幹200grを用ひ他の条件は前項と全く同じとし た。その結果は第2表及び第5図に示す如くである。        第   2   表        吹付距離と加工量比 噴射室気圧6atm. C砥粒200gr.100磐光学硝子BK7

轟鵠雅量{加酬加藷沖蓋鞘喬讐

4

 e,82ca R・e.71 葱α6 ’s

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81;;/ 1.00 1.24 1.62 2.28 3.24 3.47 3.13 4.87 6.64 4.90 4.59 3.38 54.lI 98.3 93.0 151.8 228.0 272.5i 350.11 374.0 501.0 652.0 638.0 665.0 5.3「 4.3ヨ 3.2 う.05「 2.65 2.65 2.2 2.0 2.9

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い2 0.8 404 36S 317 229 194 125 117 96.7 87.5 77.1 \lt 尻N

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   Fig.5 Blating distance&machind  quantities C grain 100#200gr. BK7 Glass  この結果を考察すれば吹付距離70mmのところに加、 工量比の最大点が生じて居りこれより砥粒が一応最大 に加速される距離と考へられる。之を室気流による砥 粒の加速といぶ点から考察してみれば     D.u.ρ        …・一…一・一………・…(1)   Re=      μ

  昨c節芸………・・一一…一(2)

  イ丑・芸一=・w−一・…………・・一(3)  弦にD==tt径cm, u==相対速度cm/sec,μ==粘度  gr/cm.sec,ρ == th体密度gr/cm3, R,==レイノー  ルズ数、〆=砥粒密度qr/cm3, X=距離cm.  げ==t*抗力(加速力)dyne.  C=抵抗係数Reの函数であり、又粒径の及び粒形   函数でもある。  F=粒子の射影面積 cm2

 t=粒子厚 cm

 この場合球形粒子を考へ100‖のものでD÷120μ虜 ρ=1.3×10−3,IL ・= 1.83×10’“4,ρ’=32としa=50m/’ sec程度でReを考へてCを求めれば、 C÷ユ0となる。 之を用ひて、(2)(3)より導入した加速距離を計算 すれば吹式

105

(4)

  ÷α音一卿・/v……一・一(4)

  ρo=室気速度(一定として)

  V=砥粒の対室気速度

に示す如き結果よりVo/v== 2になる距離が約4 cmの 結果をえ大体実験結果を裏付けることができる。  猶70cmのところで偶然と思はれるが加工深さが急 に大となつてゐることが弦に加工量比の最大値が来た ことと多少関連があると思はれるが、之は空気流の影 響が弦の距離に砥粒が牧敏したのではないかと想像さ れるのであるが、別の問題として取り上げたいので加 工量比は之がなくても曲線の傾向としてこの辺に最大 値のでることは予想されるのである。  叉前回のノツズルに比して加工速度が落ちてゐるが 之はノツズルロを出てから砥粒が加速されるからと思 はれるが、その点挾い孔を加工する如き場合と広い面 積を加工する場合とノツズル構造に工夫を要するもの の如くである。唯広い面積を大量に加工する時は本方 式のノツズルがよいことは自明である。        第 3 表

5.超硬合金の垂直噴射加工に

  たいする被加工性

 本装置によって前回と同様の垂直噴射加工を超硬合 金にたいして行つたのであるが大要としては殆ど同様 の結果をえた。唯本実験は特殊な試料について行つた ので余り一般的な結論は期待しえられないが、超硬合 金の組織の粒度と本加工法にたいする被加工性が可成 り密接な関係があることが言へそうである。之は既に 前回指摘したところではあるが、今回は直接噴射加工 せる試料について粒度を測定して判断したものであ る。試料はダイヤモソドラップ仕上を施し、赤血塩ア ルカリ溶液にてエツチし、それを200∼300°Cで10∼ 20mm室気中で加熱し酸化着色によつて組織を明白に して顯微鏡にて粒径、粒数等を測定した(2)。を試料は rVC, Tic等の重なモザイク組織にたいして結合剤と してのCoが種々な形に入つてゐるので之を顯微鏡視野 内で一応不正確ではあるが区別して整頓したものであ る。この結果を第3表及び第6図に示す。

超硬合金粒径、噴射加工性

司粒径(wc)μ1粒径σ‘c)μ囑価蟹割

抗折副麟⇒面積当醐工蹴

kg/cm2

52

7.6土5.6 5.2土2.3 5・59{ 137 91.0 0,798 1,466 S1−1 4.1土1.8 3.8土 1.4 4・26i 136 91.9 0,507 1,326 S1−2 1  120 92.2 1,249 S3−1 3.2土0.6 3.5土1.3 3.44

[ 162

90.9 0,386 1,390 53−2 3.1士0.96 2.9土0.94 2.92 1「   145 9.1.4 0,303

L167

STi 1 3.3土1.8 3.3±0.9 3.30 118 92.2 0,392 l I.…

Gl

2.6士1.2 2.7士0.6 2.70 140  1

9L8

0,291 「  1.000 〃4η 3.5 3.2土0.7 3.30 138 88.9 0,458 0,993

M4

2.9士0.26 2.8土1.7      | 2.81 209 89.1 0,381 1,424 9 8 気7 苫6 窃5 ξ w午§ 芝:3 2 粒子測定面積÷600μ2        ・一直一 K』JxesS.        一・…jt− Aveq 1∼qtt。.        一一 《?mtw Siie        

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 Fig.6Machinabitity&Gran Size.

92 9闇 璽 9評 89 S8  この結果は粒径の大きいほど被加工量比が大とな り、結晶粒(モザイク)の面積比が大きいほど被加工 量比が大となつてゐる。叉押込硬度RA,が小で、従っ て叉抗折力の大さきいものほど被加工比が大となって ゐる。猶G1, S3の系列、 STi1, S1, S2の系列、 M4 の系列と硬度についても粒度についても面積比につい ても相対的な関係を保つたまふ変動して居り、逆にい へばそれらの間に一貫した関連があるものの如く思は れるのである。叉η相の発生してゐるものは脆いとい はれているがこの試料の場合硬度、抗折力には余り差 が出ないで被加工量比に大きな差異が出て居り、常識 と逆になつてゐるのは一寸説明に苦しむのであるが之 は地となつてゐる結合剤の影響が強く出てゐるためで はないかと思ふ。M4系統では面積比が可成り小に出

(5)

噴射砥粒による超硬合金の被加工性就て

てゐて地合ひの如く判然と結晶粒の見えない部分が多 い。(或は非常に細かいものの集合かもしれないが)  以上の事を判断するにはまず超硬合金のRA硬度は WC, TiC等の結晶粒自体の塑性硬度を表はすより寧 ろそれらを結合してゐる結合剤(ボソド)の強さを示 してゐることを考へねばならないと思ふ。即ちR4硬 度計は尖端が0.2mmRであり、一方結合粒は数ミク ロソであるからして押込等が数十ミクロソあればその 間に入る結晶粒数は可成り多い(数百以上)であるか ら結晶粒自身滑るより結晶粒界で亡ると考へる方が結 晶粒の硬度(別に測定される)から考へて当然であ る。この事は抗折力が硬度の高いものに於いて小さい 事も抗折破壌面が主として結晶粒界で生じてゐること からみて当然のことである。 (亡りやすいものは引張 破壊は却つて強いのであるから。)  この事は直ちに粗粒の疎の組織の方が微粒の密な組 織のものより境界層が厚くなつて来て従つて硬度が低 くなり、又抗折力も高くなることがいえるものと思は れる。このことを本噴射加工で粗粒の方が被加工量比 が大となつてゐることと睨み合せて考へ、又100‖のC 砥粒は平均径が約100μ前后であるのにたいして結晶 粒は数μで脆いものであること等も考慮すれば、本加 工は砥粒が直接結晶粒を破砕してゐるものであつてボ ソドを切り離してゐるものではないであろうといふこ とが推察されるのである。勿論ある程度はボンドの強 さが関連するのが当然である。  この意味で本加工法は試料のミクロ脆挫(結晶粒の 脆性破砕のされ易さ)ともいふ可きものを示すもので はあるまいかと考へるものである。之にたいして米国 のカーボロイカソパニーのP2/E(弦にPは抗折力、 Eは弾性係数)の如きものはボソドのところの剥離エ ネルギーを示すもので、寧ろマクロ脆性とでもいふ可 きものでシヤルピー試験等ではこのいみに近いものが 当然表はれるものと思はれる。このマクロ脆性は大き い外力がこのもの全体としてかXる時には意味がある が切削とか摩耗とかの現象の如く、小さい衝撃を局部 的にうける場合については弦にいふミクロ脆性がいみ があるものと思はれる゜  ガラス等の如く一様な材質では両者が当然一致して 然る可きであり、又事実そうであることが示されてゐ る。

6.結  語

 以上本報告はノツズルよりのある距離において加工 速度の最大値があること、又超硬合金の粒度の粗いも のが本加工においては加工され易いと考へられる二点 についてのべたものである。 文 献

1.谷ロ:山梨大学研究報告第7号

2・西 山:住友電気工業彙報

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