取
締
役
会
の
機
能
に
関
す
る
考
察
及
川
尚且生
一 は じ ・ め に 株 式 会 社 論 で は 、 株 主 総 会 が 会 社 制 度 上 の 支 配 機 関 で あ り 、 取 締 役 会 は そ の 代 理 機 関 で あ る と み な し て い る 。 し た が っ て 、 取 締 役 会 は 、 株 主 総 会 が 任 命 す る 取 締 役 に よ っ て 構 成 さ れ 、 そ の 受 託 責 任 を 担 う 会 社 経 営 の 最 高 機 関 で あ る こ と に な (1 ) 一 , 、 -る 。 し か し な が ら 、 わ れ わ れ が 周 知 の よ う に 、 も は や 株 主 総 会 は 支 配 機 関 と し て の 機 能 を 果 さ な い も の と な っ て い る 。 同 様 に 、 経 営 者 支 配 と 呼 ば れ る 状 況 の も と で は 、 取 締 役 会 も 株 主 の 代 理 機 関 と し て の 機 能 を 充 分 に は 果 し え な く な っ て い る の で あ る 。 こ の 第 一 の 原 因 は 、 " 所 有 と 経 営 の 分 離 ク あ る い は " 経 営 の 専 門 化 " に よ る の で あ り 、 企 業 発 展 の 結 果 な の で あ る 。 す な わ ち 、 こ の 発 展 が 専 門 経 営 者 (経 営 執 行 者 ) へ 責 任 な ら び に 機 能 を 高 度 に 委 譲 す る よ う に な っ た こ と に よ る の で (2 ) あ る 。 こ エ で 、 こ の " 責 任 な ら び に 機 能 の 委 譲 ( あ る い は 分 担 ) " に つ い て 、 . ホ ー ル デ ン ( ゆ 国 ・ 雷 。 一山 窪 ) ら と 、 ゴ ー ド ン (3 ) (閃 ・ ︾ ・ O 。 ﹁匹 8 ) の 見 解 を み て み よ う 。 ホ ー ル デ ン ら は 、 企 業 の ト ッ プ ・ マ ネ ー ジ メ ン ト を 、 . ω 受 託 経 営 者 ( 取 締 役 会 ) 、 ② 総 括 経 営 層 ( ㈲ 部 門 経 営 層 に 三 区 分 し て い る 。 そ し て 、 そ れ ぞ れ の 機 能 を つ ぎ の よ う に 説 明 し て い る 。 ω は ﹁ 株 主 の 利 益 を 代 表 、 保 護 ( 促 進 し 、 事 業 の 基 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 七 一し 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 、 七 二 ・ 本 政 策 お よ び 進 路 を 決 定 し 、 全 体 的 経 営 成 果 を 評 価 し 、 ド ま た 、 会 社 資 産 の 保 護 お よ び 効 果 的 運 用 を 行 う 。 L -② は ﹁ 取 締 役 へる . 会 が 定 め た 基 本 政 策 と 取 締 役 会 が 委 譲 し た 権 限 の 筍 囲 内 で 、 事 業 を 具 体 的 に 計 画 し 、 命 令 し 、 調 整 し 、 統 制 す る 。 ﹂ ( ㈲ ほ 割 愛 す る 。 ) か れ ら の 説 明 で は 、 取 締 役 会 は 基 本 政 策 お よ び 進 路 の 決 定 と い う 機 能 (経 営 管 理 の 機 能 ) を 果 す の で あ り 、 総 括 経 営 層 の 上 位 機 関 と し て 位 置 づ け ら れ て い る こ と に な る 。 -他 方 、 ゴ ー ド ン は 、 後 述 す る よ う に 、 取 締 役 会 は 経 営 執 行 者 ( け 総 括 経 営 層 ) σ 助 言 者 (﹀ 山 ︿ 一器 じ 、 監 査 人 (﹀ 巳 ぎ ﹁) で ﹂ あ る べ き と 考 え て い る 。 か れ は 、 取 締 役 会 が 経 営 管 理 機 能 を 果 す と は 考 え て お ら ず 、 ま た 、 経 営 執 行 者 の 上 位 機 関 で あ る と も 考 え て い な い 。 な ぜ な ら か れ は 、 一 九 四 〇 年 代 前 半 の ア メ リ カ 企 業 は 経 営 者 支 配 と 呼 べ る 状 態 に あ る と み な し た の で あ り 、 こ こ で は 取 締 役 会 は 経 営 執 行 者 の 上 位 機 関 と し て 機 能 し え な く な っ て い る と み た の で あ る 。 こ の よ う な 、 ホ ー ル デ ン ら と ゴ 1 ド ン と の 取 締 役 会 の 機 能 お よ び 地 位 に 対 す る 見 解 の 相 違 は 、 制 度 的 に 考 え ら れ て い る こ の 機 能 が 、 必 ず し も 現 実 の 企 業 に お い て 果 さ れ て は い な い と い う こ と を 示 す の で あ る 。 す な わ ち 、 株 式 会 社 に お け る 取 締 役 会 の 機 能 、 あ る い は 取 締 役 会 と 経 営 執 行 者 と の 関 係 は 、 現 実 の 企 業 で は 、 制 度 的 に 考 え ら れ て い る よ う に は な っ て い な い と い う こ ど で あ る 。 周 知 の よ う に 、 今 日 ま で の 経 営 管 理 に 関 す る 研 究 で は 、 ゴ ー ド ン 的 な 理 解 が 重 視 さ れ 、 取 締 役 会 の 責 任 な ら び に 機 能 の 問 題 は 軽 視 遷 れ が ち で あ っ 允 。 こ れ ら 研 究 で は 、 " 経 営 の 専 門 化 ク を 重 視 し 、 取 締 役 会 を 制 度 的 規 定 で の み 考 慮 す る か 、 , 場 合 に よ っ て は 、 無 機 能 化 し た も の と し か 考 え て い な か っ た 。 例 え ば 、 モ ン セ ン ( 即 9 ζ 8 ・⋮ ) ら が 大 企 業 の 音 心志 決 定 論 を 考 察 す る に 当 っ で 所 与 の 条 件 と し た も の を み て み よ う 。 か れ ら は 六 条 件 を あ げ て い る が 、 そ の 第 二 で ﹁ 企 業 に は 株 主 が 選 任 し た 取 締 役 会 が あ り 、 こ れ が 企 業 方 針 の 最 終 決 定 権 を も つ の で あ り 、 ま た 経 営 執 行 者 を 取 替 る (5 ) 之 と が で き る ( た 呈 し 、 取 締 役 会 が 経 営 執 行 者 に 支 配 さ れ る 場 合 も あ る ) 。 ﹂ と 述 べ て い る 。 こ 瓦 で は 取 締 役 会 の 現 状 を 充 分 に 確 認 す る こ と な く 取 締 役 会 の 選 任 お よ び 機 能 を 所 与 の 条 件 と し て い る 点 に 注 目 し た い 。 取 締 役 会 の 実 態 は 不 問 に さ れ
、 て い る の で あ る 。 こ の た め 、 わ れ わ れ は 取 締 役 会 の 本 質 的 意 義 を 充 分 に 斟 酌 し 、 し か も 現 実 に 即 く し た 機 能 に つ い て 再 検 討 す る こ と が 必 要 で あ る と 考 え る 。 .・ 本 稿 は 、 ア メ リ カ 企 業 の 取 締 役 会 に つ い て 、 そ の 責 任 な ら び に 機 能 の 実 態 を 明 ら か に ㌧ 、 つ ぎ に 、 取 締 役 会 機 能 を 有 効 化 す る た め に 解 決 し な け れ ば な ら な い 問 題 点 を 指 摘 し よ う と す る も の で あ る 。 と く に 後 者 の 場 合 、 経 営 者 支 配 論 で 有 名 な (6 ) ゴ ! ド ン と 有 効 化 を 主 張 す る ク ー .ン ツ (国 ・ 訳 8 コ ε と を 比 較 し 、 両 者 の 相 違 と し て 現 わ れ て く る 問 題 点 を 重 視 し た い と 考 え る 。 す な わ ち 、 画 ゴ ー ド ン と ク ー ン ツ で は 、. 4 経 営 者 支 配 " に 対 す る 見 解 が 著 る し く 相 違 し て お り 、 わ れ わ れ は 、 こ の こ と を 手 掛 り と し て 取 締 役 会 の 問 題 に ア プ ロ ー・ チ し た い と 考 え て い る の で あ る 。・ (1 ) 株 式 会 社 に お け る 取 締 役 会 の 役 割 、 あ る い は 、 ア メ リ カ 、 ド イ ツ お よ び わ が 国 に お け る 取 締 役 会 の 特 徴 な ど に つ い て 、 つ ぎ の 文 献 な ど を 参 照 。 国 弘 員 人 著 ﹁ 株 式 会 社 論 ﹂ ヅ イ ヤ モ ソ ド 社 。 同 上 著 ﹁ 企 業 形 態 論 ﹂ 泉 文 堂 。 高 宮 晋 著 ﹁ 経 営 組 織 論 ﹂ ダ イ ヤ モ ン ド 社 。 グ ー テ ン ベ ル グ (国 . O ロ 8 口 び Φ 蹟 ) 著 、 小 川 洌 ・ 二 神 恭 一 訳 一, 企 業 の 組 織 と 意 思 決 定 ﹂ ダ イ ヤ モ ン ド 社 。 ( 2 ) ℃ . 国 . 踏 o 置 ① P り . 0薩 ' 局 一 ω ﹃ 。。 昌 島 国 . ピ . ω ヨ 膠 質 ↓ o ℃ -言 § 磯 ① ヨ Φ 口 梓 O ﹃ σq 程 冒 緯 δ 渇 言 Ω O o 暮 ﹁ o r 言 o O 田 ≦ -出 一 貫 冨 巳 ℃ 岸 上 英 吉 訳 ﹁ ト ッ プ ・ マ ネ ! ジ メ ソ ト ﹂ ダ イ ヤ モ ン ド 社 。 ( 3 ) 閑 ● ﹀ ■ O 。 ﹃ 山 。 P しd 島 ぎ ① ω 。。 ピ $ α ① 誘 三 ℃ ぎ ピ 碧 σq 位 O o 麟 δ 賊 四 ユ o P ↓ ず Φ bd 同 o o 三 口 ㎎ 冒 ω 一 一ε 江 o P 一 謹 9 平 井 泰 太 郎 ・ 森 昭 夫 訳 ﹁ ビ ジ ネ ス ・ リ ー ダ ー シ ッ プ ﹂ 東 洋 経 済 新 報 社 。 ( 4 ) ℃ . 国 ■・ 出 o 冠 o 目 窪 Ω 0 9 臼 ρ o P o 一∼ U 。 一 伊 訳 書 一 九 -二 〇 頁 。 ( 5 ) 図 ● 、い § ・ 器 p 匂 ・ ● Ω。 巳 ﹀ ﹄ 。 ≦ ・ 。・ " . 、﹀ 類 8 蔓 。 h 写 α・ 。 言 § α・ 。 ・ 一・ ヨ § 塑 . . 塁 。 喜 § § 霊 三 8 島 ・ § 塁 冒 ・ ま ㎝ ン 。 聾 ( 6 ) 出 9。 8 一 幽 閑 o o 三 斜 ↓ ず o じd o 母 ユ o 剛 ︼) ぢ ① 9 0 鵠 聾 口 島 国 睦 ① o け オ ⑦ 記 岩 m ぴq Φ ∋ Φ β r と 6 Ω 冨 ≦ -出 一拝 一 霧 S 永 島 敬 識 訳 ﹁ 取 締 役 会 ﹂ 東 洋 経 済 新 報 社 、 昭 和 四 七 年 。 な お 、 ク ー ソ ツ は こ う い つ て い る 。 ﹁ 経 営 管 理 の 重 要 性 に 対 す る 認 識 が 深 ま る に つ れ て 、 取 締 役 会 の 役 割 が い っ そ う 重 要 に な っ て き て い る の は 当 然 で あ る 。 し か し 、 社 会 に 対 し て 重 大 な 責 任 を 負 い 、 ま た 社 会 に 対 し て 機 会 を 提 供 す る 、 知 的 技 術 と し て の 経 営 管 理 の 重 要 性 が 、 と く に 第 二 次 大 戦 以 来 広 く 認 め ら れ る よ う に な っ た に も か か わ ら ず 、 取 締 役 会 は い ま だ 一 般 的 に は こ の 経 営 者 革 命 に お け る 重 要 な 組 織 要 因 と み な さ れ て い ・ な い 。 ﹂ ( 一 三 島 . 眉 ● N 訳 書 、 三 頁 。 ) 、 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 ., ﹂-→ う ρ 、 七 三 、
取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 七 四 二 取 締 役 会 の 実 態 ア メ リ カ 模 範 事 業 会 社 法 、 第 三 三 条 ( 取 締 役 会 ) で は 、 ' ﹁ 会 社 の 営 業 お よ び 業 務 は 取 締 役 会 に よ っ て 執 行 さ れ る 。 ( 後 略 ) ﹂ ・ と を 規 定 し て い 華 会 社 法 で は ・ 制 度 的 考 え か ら 取 締 役 会 は 受 託 責 任 塞 つ い て ・ 企 業 の 鼠 高 経 営 管 理 を 担 う も の と 規 定 し て い る の で あ る 。 こ の 法 的 規 定 で は 最 高 経 営 管 理 と い う こ と の 意 味 に 意 志 決 定 な ら び に 執 行 の 統 制 を 含 む も の と 考 え て い る 。 し か し な が ら 、 取 締 役 会 は 制 度 上 の 機 能 を 果 さ な く な っ て い る こ と を 述 べ た の と 同 じ よ う に 、 法 的 に 規 定 さ れ た 取 締 役 会 の 機 能 も 現 実 に 即 く し な く な っ て い る こ と は 一 般 に 認 み ち れ て い る 。 こ の 点 は 、 つ ぎ の ド ラ ッ カ ー ( " ﹁ 一) 2 葵 Φ ﹁) が 述 べ る と こ ろ に 明 ら か で あ る 。 ﹁ 取 締 役 会 は 、 会 社 法 の 考 え て い る よ う な ︿ 統 制 機 関 ﹀ で は な い し 、 ま た そ う で あ っ て は な ら な い 。 そ れ は く 審 査 ﹀ と 、 バ 評 価 >-と 、 ︿ 控 訴 ﹀ の 機 関 で あ る 。 取 締 役 会 が ︿ 行 動 の 機 関 ﹀ と な る の は 、 危 局 に 面 し た と き だ け 、 そ れ も 失 敗 し た 業 務 執 行 者 を 解 任 し た り 、 あ る い は 、 辞 退 、 引 退 な い し 死 亡 し た 業 務 執 行 者 の 後 任 を 見 つ け た り ヘヨ す る と き だ け で あ る 。 こ れ ら の 問 題 が 片 付 け ば 、 取 締 役 会 は ま た 、 再 び 審 査 の 機 関 と な る 。 ﹂ 同 様 に 、 ゴ ー ド ン も ビ ジ ネ ス ・ リ ー ダ ー シ ッ プ の 責 任 は 経 営 執 行 者 に よ っ て 担 わ れ る の で み っ て 西 会 社 法 の こ の 責 任 に 関 す る 部 分 は ︽ 適 当 に 改 正 す る る 必 要 が あ る と 述 べ て い る 。 た し か に 、 ド ラ ッ カ ー 、 ・ゴ ー ド ン は 専 門 経 営 者 の 役 割 を 重 視 し て い る の で あ り 、 取 締 役 会 を ︿ 行 動 の 機 関 ﹀ と は 考 え て い な い 。 ご の 点 ク ー ン ツ と は 相 違 す る の で あ る が 、 た だ し ク ー ン ツ も 、 取 締 役 会 が 経 営 執 行 者 の 日 常 的 経 営 管 理 に 干 渉 す る ほ ど の 統 制 を 行 う も の と は 考 え て い な い 。 ク ー ン ツ は 取 締 役 会 の 統 制 機 能 を ω 標 準 設 定 、 ② 業 績 評 価 、 ﹁ ⑧ 是 正 措 置 と い う 過 程 で 理 解 し て い る 。 し か 七 、 こ の 場 合 で も 、 ﹁ 経 営 管 理 に お け る " 人 " の 側 面 は 、 大 部 分 (5 ) が 経 営 執 行 者 の 責 任 に ゆ だ ね ら れ る 。 ﹂ と み て お り 、 ま た 、 取 締 役 会 は 経 営 す る (ヨ ・。葛 u・ 一コ σq ) よ り も む し ろ 監 視 す る ( 。・8 一謎 ノ
. 〆 (6 ) δ 凶け) 立 場 に お か れ る も の と 考 え て い る 。 こ の よ う に 、 現 代 企 業 の 取 締 役 会 は 、 法 的 に 規 定 さ れ て い る 以 上 に 、 経 営 執 行 者 に よ り 高 度 な 権 限 を 委 譲 す る よ ケ に な っ て い る 。 そ し て 、 こ の よ う な 権 限 委 譲 の 拡 大 は 、 ま す ま す 取 締 役 会 を 無 機 能 化 さ せ る こ と に な っ た の で あ る 。 企 業 発 展 が 取 締 役 会 無 機 能 化 の 理 論 的 原 因 で あ る が 、 こ の 無 機 能 化 の よ り 本 質 的 な 原 因 は " 経 営 者 支 配 ク な の で あ る 。 つ ぎ に 、 こ の よ う な 経 営 執 行 者 の 台 頭 に よ る 、 取 締 役 会 の 無 機 能 化 に と っ て よ り 本 質 的 な 原 因 を み て み る こ と に す る 。 ア 一 九 五 八 年 の ﹀ 竃 ﹀ " 冨 9・ 碁 σq Φ ヨ Φ 三 郎 ① 唱 o 誹 ︾ Z ρ μ 戯 " に お い て 、 ス ミ ス (国 ・ 国 ・ 。。 ヨ 喜 ) は 、 専 門 経 営 者 の 台 頭 に 基 因 す る き 取 締 役 会 無 機 能 化 の 根 本 理 由 を 次 の 二 点 に 求 め て い る 。 ω 経 営 者 が 取 締 役 会 の 本 質 的 役 割 を 充 分 に 認 識 し な か っ た こ と 、 ω 経 営 者 支 配 の 状 態 で は 、 最 高 経 営 者 が 批 判 的 な 取 締 役 会 を 形 成 し な く な っ た こ ど で あ る 。 前 者 は 、 経 営 管 理 発 展 の 結 果 、 専 門 経 営 者 の 日 常 業 務 は 多 忙 と な り 、 専 門 的 知 識 や 技 術 を 持 た な い 取 締 役 会 は 無 視 さ れ る よ う に な っ た こ と を 指 摘 し て い る の で あ る 。 し た が っ て 、 ス 、ミ ス は 、 こ の 原 因 を ア メ リ カ 経 営 管 理 の 発 展 に と っ て 皮 肉 な こ と で あ る と み て い る 。 同 時 に 、 か れ は 、 経 営 管 理 の 文 献 で も 取 締 役 会 の 責 任 な ら び に 機 能 に 対 す る 充 分 な 研 究 が な さ れ て こ な か っ た こ と も 指 摘 し て い る 。 (10 ) (9 ) 後 者 は 、 バ ー リ ・ ミ ー ン ズ (﹀ ・ ﹀ ・ 国 号 し 二 巴 O ・ O ・ ζ $ ロ ・) 、 ゴ ー ド ン 、 最 近 で は う ー ナ ー ( 切 こ ・ ﹃ ∋ ①︻ ) な ど の 研 究 に 示 さ れ た 、 現 代 大 企 業 に お け る 経 営 者 支 配 の 状 態 に 関 連 す る の で 臥 魏 。 バ ー リ ・ ミ ー ン ズ の 定 義 に み れ る よ う に 、 経 営 者 支 配 の 状 態 で は 、 最 高 経 営 執 行 者 が 取 締 役 会 を 構 成 す る 最 大 の 権 力 を も つ の で あ る 。 こ の 結 果 、 最 高 経 営 執 行 者 は か れ に 批 判 的 な 取 締 役 を 選 任 し な く な り 、 こ れ に よ ウ て 単 な る 承 認 の 機 関 に し か す ぎ な い ﹁ ゴ ム ス タ ン プ 取 締 役 会 ( 2 げ 葺 -旨 旨 o (21 ) げ 8 ﹁α ) ﹂ が 形 成 さ れ る よ う に な る の で あ る 。 ス ミ ス は 、 最 高 経 営 者 の 権 力 獲 得 に よ る 取 締 役 会 の 無 機 能 化 と い う こ と が 、 会 社 の 現 実 に 即 く し た 取 締 役 会 実 態 の 正 し い 認 識 で あ ろ う と 考 え て い る 。 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 - 七 五 \
で レ 、 、 ﹁ 、 、 ρ 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 , . 一 七 六 以 上 の よ う に 、 会 社 の 経 営 管 理 に お け る 実 態 は 、 取 締 役 会 が 無 機 能 化 し て い る と い う こ と で あ る 。 こ の 原 園 は 、 大 規 模 株 式 会 社 の 発 展 が 4 株 式 の 高 度 な 分 散 ど 経 営 の 専 門 化 ク と を も た ら 七 た 結 果 、一 株 主 の 代 理 機 関 と し て の 取 締 役 会 は 法 律 的. ( あ る い は 制 度 的 ) 責 任 な ら び 忙 機 能 を 必 然 的 に 減 退 せ ざ る を 得 な か っ た こ と に よ る の で あ る 。 し か も さ ら に 、 専 門 経 営 者 の 台 頭 は 、 ま す ま す 、 取 締 役 会 を 無 機 能 化 さ せ る よ う に な っ た の で あ る 。 し た が っ て 、 取 締 役 会 の 無 機 能 化 ば 、 今 世 紀 一 初 頭 、 と く に 第 一 次 大 戦 後 の ア メ リ カ 企 業 の 発 展 、 お よ び 、 、" 経 営 の 専 門 化 " を 促 進 し て き た 経 営 管 理 の 発 展 に 基 づ く 必 然 葡 な 結 果 で あ っ た と い え あ の で あ る 。 : . ﹂ / . .ー が 慰 ㍊ 懸 事 業 会 社 法 .竃 。 α Φ . 切 口 、. 口 。 、・, 。 。 .唱 。 冨 。 。 β 諺 。. ) 。 。 . て は 、 並 木 俊 守 著 . ア ー カ 嚢 ﹂ 東 洋 経 済 ・ 建 . 昭 和 四 五 雫 を ( 2 ) 同 上 書 、 二 九 四 頁 。 ( 3 ) P . F ・ ド ラ ッ カ コ 著 ・ 野 田 一 失 監 修 ﹁ 現 代 の 経 済 一 上 ﹂ ダ イ ヤ モ ン ド 社 、 二 六 三 頁 。 ( 4 ) 菊 ・ ﹀ ・ O o H α o P o 唱 ・ 島 け こ ロ . 巽 Q。 M 訳 書 、 三 七 三 頁 。 r ( 5 ) 即 国 。 8 ド 8 ■ 葺 二 噂 や 8 ⊥ 。 ρ 訳 書 、 二 三 三 ⊥ 一 三 五 頁 。 ( ⑥ ) 沖 薮 二 や ・。 匂 訳 書 、 三 頁 。 ( 7 )・ 国 ﹄ ・ 。。 邑 け 貫 、 、富 国 屋 鷺 ヨ Φ 馨 .ω い $ 。。 け -器 9 > 。。 器 汀 翠 Φ じd 8 a 。 h 票 § § ω .. ﹀ 竃 ♪ ζ § 。q ① 目 貫 閑 音 。 皆 z 。 . 一 ♪ 景 ¢ ∪ 醤 葺 。 ω o 楠 と § ぴq ① ヨ o μ ∬ δ 帆 QQ 覧 " 噂 ■ 心 ⑩ ! 0 ρ ﹂ ( 8 ) 一げ 己 己 層 層 。 盟 -認 " ( 9 ) ﹀ ・ ﹀ ・函 Φ 畦一 〇 ・, 匂 ﹃-mβ α O ・ O ・ 言 8 口 ρ ↓ 冨 ζ 。号 ﹁ロ O o 弓 o 冨 寓 o 口 程 山 中 一通 冨 ℃ 容 ℃ 巽 けざ 一¢ ωさ。 " 北 島 忠 男 訳 、 現 代 経 済 学 名 著 選 集 V ﹁ 近 代 株 式 会 社 と 私 有 財 産 ﹂ 文 雅 堂 銀 行 研 究 裡 。 . . . . ( 10 ) 担 い 冨 ﹃ 口 Φ き 、 、O ミ ロ Φ 拐 三 層 碧 α 9 口 け 3 一 言 芽 。 8 0 盲 慶q 。 。・ け Z 8 臨 § 。 芭 9 ﹁ ℃ 。 ﹁ 註 。 塁 お 遷 匿 自 一 ㊤ ① ω . .層 ↓ 冨 ﹀ 日 9 8 昌 国 8 き 巨 。 国 o く 一 ① き く o 一 ・ ピ ≦ on Φ ℃ け . お 8 ・ Z p 剃 " ℃ 既 θ 一 騎 娼 7 圃 謡 -刈 Q。 メ パ n ) ス 、・ ス は "最 高 経 営 者 に 計 る 努 獲 得 と 称 し て い る が 、 筆 者 は ・ こ れ を 経 営 者 支 配 と 同 義 語 と し て 理 解 し た ・ ( 12 ) 即 や ω 自 身 8 ■ 且 什 ニ サ q 一 ・ 、 ノ
三 取 締 役 会 有 効 化 へ の 要 請 と 意 義 ア メ リ カ 大 企 業 に お け る 取 締 役 会 は 、 多 く が 実 質 的 に 無 機 能 化 し て い る の で あ る 。 し か し な が ら 、 わ れ わ れ は 、 実 態 は こ の ま う な も の で あ っ て も 、 取 締 役 会 を 有 効 化 し よ う と す る 要 請 も 継 続 釣 に 主 張 さ れ て き て い る こ と を 理 解 し な げ れ ば な ら な い 。 た と え ば 、 ゴ ー ド ン は 、 経 営 者 支 配 の 状 態 に お け る 株 主 を 軽 視 し た 取 締 役 会 に 対 し 、 企 業 外 部 か ら 批 判 が あ る こ と を 述 べ て い る 。 ま た 、 が れ 自 身 も 、 こ う し た 批 判 と 観 点 は 異 な る が 、 取 締 役 会 が 一 定 の 機 能 を 果 す こ と は 必 要 で あ る と ユ 認 め て い る 。 通 常 、 こ う し た 取 締 役 会 を 有 効 化 し よ う と す る 主 張 は 、 経 営 者 支 配 に 対 す る 批 判 な ら び に 反 省 か ら 生 じ て い る と い え る 。 あ る い は 、 ク ー ン ツ の よ う に 、 経 営 者 支 配 の 状 態 が 変 化 し て き た こ と に よ っ て 、 取 締 役 会 に 対 す る 新 し い 要 ヨ . 請 が 生 じ て き て い る と み な す 見 地 も あ る 。 こ こ で は 、 経 営 者 支 配 に 対 す る 批 判 な ら び に 反 省 か ら 生 ま れ た 取 締 役 会 有 効 化 (3 ) へ の 要 請 を み て み る こ と に す る 。 こ れ を 要 約 す る と つ ぎ の 二 点 と な る 。 ω 日 常 業 務 活 動 に 忙 殺 さ れ が ち な 経 営 者 の た め に も 、 企 業 お よ び 利 害 関 係 集 団 の た め に も 、 企 業 外 的 要 因 を も 考 慮 し う る 、 公 平 ・ 健 全 な 判 断 が で き る 上 位 機 関 が 必 要 で あ る 。 ② 経 営 者 に よ る 、 株 主 お よ び 利 害 関 係 集 団 か ら の 受 託 責 任 を 無 視 し た 、 権 力 の 濫 用 を 防 止 す る 。 こ こ で 、 ω の 主 張 の 意 義 を 考 察 す る に 当 っ て つ ぎ の こ と が 明 ら か に さ れ ね ば な ら な い 。 す な わ ち ギ こ れ ま で 述 べ て き た 取 締 役 会 の 無 機 能 化 と い う 場 合 、 取 締 役 会 は 株 主 の 代 理 機 関 で あ る と 考 え て き た 。 ・ だ が し か し 酒 株 主 の 代 理 機 関 と し て の 取 締 役 会 は 無 機 能 化 し て い て も 、 法 律 的 規 定 に よ っ て 、 企 業 は 取 締 役 会 の 制 度 を 維 持 し な け れ ば な ら な い 。 こ の た め 、 .株 式 会 社 の 現 実 で は 、 株 主 の 代 理 機 欄 と し て の 取 締 役 会 と は 性 格 の 異 な る 取 締 役 会 が 機 能 し て い る こ と に な る の で あ る 。 こ の 性 格 が 異 な る 取 締 役 会 と は 、 つ ぎ の よ う な 場 合 に み ち れ る 。 取 締 役 会 が 株 主 あ る い は 利 害 関 係 集 団 な ど か ら の 代 表 ( 外 取 締 役 会 の 機 能 に 潤 す る 考 察 七 毛 . ノ 丁 O 、
取 締 役 会 の 機 鮨 に 既 ナ る 考 察 . , 七 八 部 取 締 役 ) に よ っ て 構 成 さ れ て W る の で あ っ て も 専 門 経 営 執 行 者 の 承 認 の 機 関 に し か す ぎ な い 場 合 、 あ る い は 、 取 締 役 会 が 経 営 執 行 者 (吋 部 取 締 役 ) に よ っ て 多 く 構 成 さ れ る 場 合 に 明 白 で あ る 。 前 者 の 場 合 に つ い て は 、 ﹁ つ ぎ の 働 の 主 張 に お い て 考 察 す る が 、 後 者 の 場 合 が ω の 主 張 に 関 連 し て く る 。 す な わ ち 、 経 営 執 行 者 に よ っ て 取 締 役 会 が 数 多 く 構 成 さ れ る よ う に な る と 、 社 内 業 務 に お け る 上 ・ 下 関 係 が 取 締 役 会 で の 意 見 ・ 討 議 に 反 映 さ れ る こ 止 に な り 、 最 高 経 営 執 行 者 に 批 判 的 な 意 見 は 少 な く な る 。 同 時 に 、 こ の よ う な 場 合 . 最 高 経 る 営 者 に は 自 己 管 理 の 権 利, (膏 詰 算 8 ω二 需 ヨ 。・。 夢 ① 霧 ① ぞ 窃 ) が 与 え ら れ 、 最 高 経 営 執 行 者 を 牽 制 し 、 統 制 す る 機 会 が 失 な わ れ る の で あ る 。 ま た 、 社 内 取 締 役 ( 経 営 執 行 者 ) は 、 社 内 業 務 に よ り 多 く の 時 附 を 消 費 す る の で 、 敢 締 役 と し て の 機 能 を 充 分 に 遂 行 し え な く な る の で あ る 。 し た が っ て 、 こ の よ う な 問 題 点 へ の 批 判 ・ 反 省 と し て ω の 主 張 が な さ れ る の で み る 。 ② に つ い て み る な ら 、 経 営 者 の 権 力 濫 用 と は 、 株 主 に と っ て は 配 当 の 問 題 、 企 業 資 金 の 運 用 に 関 す る 問 題 な ど 、 利 害 関 係 集 団 に と っ て は 貸 付 金 の 問 題 、 価 格 の 問 題 あ る い は 賃 金 の 問 題 な ど 、 経 営 者 と 株 主 あ る い は 利 害 関 係 集 団 と の 利 害 の 対 立 す る 問 題 に 関 連 し て 生 ず る 。 す で に 述 べ た よ う に 、 法 的 に は 、 取 締 役 会 は 株 主 の 利 益 獲 得 に 貢 献 す べ き も の で あ っ た ⑩ ら し か し 、 ク ■ ン ツ が 受 託 責 任 に つ い て 述 べ る よ う に 、 大 会 社 で は 、 社 会 一 般 ・ 従 業 員 な ど の 支 持 な く し て は 会 社 の 維 持 . ヘ ヘ へ 成 長 は あ り え な い の で 、 利 害 関 係 集 団 の 利 益 を 保 護 す る こ と も 会 社 の 責 任 と な っ て い る の で あ る 。 し た が っ て 、 ② の 主 張 で は 、 株 主 の 利 益 保 護 、 さ ら に は 、 会 社 責 任 と し て の 利 害 関 係 集 団 の 利 益 保 護 の た め に 取 締 役 会 が 有 効 に 機 能 す べ き で あ る と 考 え て い る の で 診 る 。 こ の 点 に 関 レ て 、 ス ・・、 ス は 、 会 社 の 経 営 管 理 に 対 す る チ ェ ッ ク (。 密 集 ) と バ ﹂ラ ン ス (置 き 8 ) の 体 制 が 維 持 さ れ な け れ ば 会 社 に 対 す る 社 会 か ら の 不 信 が 生 ず る で あ ろ 2 と を 述 べ て い 麓 以 上 は 、 取 締 役 会 を 有 効 化 す る こ と の 要 請 と そ の 意 義 に 関 す る 一 般 的 主 張 に つ い て 述 べ た の で あ る つ一 こ こ で 、 わ れ わ れ は 、 こ の 有 効 化 に 対 す る 、 ゴ ー ド ン と ク ー ン ツ の 見 解 に つ い て 比 較 ・ 検 討 し て み よ う 。 6
ま ず 、 ク ー ソ ツ に つ い て で あ る が 、 ク ー ソ ツ の 見 解 が 前 述 の 一 般 論 に 属 す る こ と は い う ま で も な い 。 ・ク ! ソ ツ は 取 締 役 ﹁会 の 機 能 に つ い て 、 ﹁ 取 締 役 会 は 、 企 業 が 良 好 に 経 僧 さ れ る よ う 、 そ し て か れ ら が 代 表 す る 人 々 の 利 益 が 忠 実 に 追 求 さ れ る よ う 監 視 す る (・一 ) と い う 、 重 要 な 社 会 的 経 済 的 機 能 を も つ も の で あ 配 と 述 べ て い る ・ つ ま り ・ 取 締 役 会 を 有 効 に 機 能 さ せ よ う と す 惹 こ と で は 、 株 主 お よ び 利 害 関 係 集 団 の 利 益 保 護 と そ の た め の 経 営 執 行 に 対 す る 監 椰 と を 行 う て と を 考 ・ え て い る 。 つ ぎ に 、 ゴ ー ド ン で あ る が 、 次 第 で 述 べ る よ う に 、 ゴ ー ド ン は 取 締 役 会 を 経 営 執 行 者 の 上 位 機 関 と し て 機 能 す る も の と は 考 え て い な い 。 ゴ ! ド ン は 、 専 門 経 営 者 が ビ ジ ネ ス ・ リ ー ダ ! シ ッ プ を 担 当 す る よ う に な っ た 経 営 管 理 発 展 の 必 然 性 か ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ へ ら 、 取 締 役 会 は 助 言 者 ・ 監 査 人 で あ る べ き も の と 考 え て い る の で あ る ﹄ し か し な が ら 、 ゴ ー ド 7 は 、 ﹁ 利 害 関 係 集 団 の 利 益 保 護 が 遂 行 さ れ る よ う に 取 締 役 会 が 一 定 の 機 能 を 果 す こ と は 必 要 で あ る と 認 め て い る 。 こ の た め 、 ゴ ー ド ン は 、 経 営 者 支 配 の 状 態 で 、 も し も 、 こ の 機 能 を 積 極 的 に 遂 行 さ せ る に は 、 取 締 役 会 に 公 益 代 表 を 送 る べ き と 考 え る の で あ る 。 な ぜ な ら ゴ ー ド ン の 研 究 で は 、 公 益 代 表 に よ る 以 外 に は 専 門 的 経 営 者 を 統 制 で き る よ う な 利 害 関 係 集 団 (株 主 も 含 む ) は 存 在 し な い こ と が 明 ら か と な っ て い る か ら で あ る 。 し か し 、 結 論 と し て 、 ゴ ー ド γ は 、 公 益 代 表 に よ る 政 府 統 制 を 行 わ な く と も 、 取 締 役 会 が 経 営 執 行 者 か ら 独 立 し て お い 、 経 営 執 行 者 に 助 言 を 与 え う る な ら 、 こ の 利 害 関 係 集 団 の 利 益 は 保 護 さ れ る と 考 (9 ) え て い る の で あ る 。 こ の よ う に 、 ク ー ン ツ と ゴ ! ド ン で は 、 利 害 関 係 集 団 の 利 益 を 保 護 す る た め 、 取 締 役 会 が 一 定 の 騰 能 を 果 す こ と は 必 要 で あ る と 考 、見 て い る 点 で は 一 致 し て い る 。 し か し な が ら 、 こ の 責 任 を 発 揮 す る 機 能 に 関 し て 、 す な わ ち 、 取 締 役 会 が 経 営 執 行 者 の 上 位 機 関 と し て 機 能 す べ き か ど う か に 関 し て 、 両 者 の 見 解 は 相 違 し て い る の で あ る 。 し た が っ て 、 ゴ ー ド ン と ク ー ン ツ と を 比 較 し た 場 合 、 取 締 役 会 を 有 効 化 す る た め に 、 取 締 役 会 の 機 能 を ど の よ う に 考 え る べ き か 、 あ る い は 取 締 役 会 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 七 九
辱 . 取 締 役 会 σ 機 能 に 関 す る 考 察 ・ , 八 ○ と 経 営 執 行 者 と の 責 任 な ら び に 機 能 分 担 の 現 状 は ど の よ う に な っ て お り 、 ま た そ れ を ど の よ う に 考 え る べ き か と い う 問 題 の 存 在 す る こ と が 判 明 す る の で あ る 。 ( 1 ) 因 . ︾ ・ O o 乙 o P o ㍗ 9 骨 こ ℃ " ω 継 切 m 昌 ユ や ω O ρ 訳 書 七 〇 頁 お よ び 三 七 六 頁 。 、 、 ( 2 ) こ の 点 に つ い て は 五 節 で 詳 述 す る 。 ・ ・ p ( 3 ) こ こ で は 、 つ ぎ の 文 献 を 参 照 し た 。 出 . 函 o o 巨 N " o 戸 9 叶 二 訳 書 ( 要 約 で は 、 ク ー ソ ツ の 考 え を 重 視 し て い る 。 ) 国 ■ 国 . ω 日 淳 ﹃ o や 9 什 ." 閑 ・ ﹀ ・ .O o a o 炉 o ℃ . 瓜 貯 .噸 訳 書 。 ( 4 ) 閃 ・ ︾ . O o a o P o ℃ . 9 け こ ℃ . 旨 9 訳 書 、 一 二 八 頁 。 ( 5 ) = ' ,宍 o o 暮 N " 8 . 9 ∼ ℃ . N 伊 訳 書 、 三 八 -三 九 頁 。 - ( 6 ) 国 ・ 国 ■ ω 艮 葺 呂 . 9 鈴 こ や 経 . ( 7 ) 国 ・ 国 o o 口 け N . o ℃ ■ 9 け こ 戸 b。 α 噛 訳 書 、 三 七 頁 。 ( 8 ) 男 ・ ﹀ . O o a o P o P 9 ∼ 娼 . ω お 、 訳 書 、 三 四 七 頁 。 ( 9 ) 旨 達 . サ 繊 ド 訳 書 、 三 七 七 頁 。 四 取 締 役 会 を 有 効 化 す る た め の 問 題 ● 前 節 で み た よ う に 、 取 締 役 会 を 有 効 化 す る こ と を 主 張 す る の で あ っ て も 、 こ の た め に 解 決 さ れ て な け れ ば な ら な い 問 題 が ま だ 不 明 確 の ま 瓦 な の で あ る 。 そ の 一 つ は 、 取 締 役 会 は 何 を な す べ き で あ り 、 取 締 役 会 の 機 能 と は 何 な の か と い う 問 題 で あ る 。 他 の 一 つ は 、 取 締 役 会 は 何 を し え る の か 、 取 締 役 会 が 実 行 で き る 機 能 と は 何 な の か と い う 問 題 で あ る 。 と く に 後 者 に は 、 " 経 営 者 支 配 ク が 現 代 企 業 に お い て ど の よ う な 状 況 に な っ て い る の か を 明 ら か に す る こ と が 必 要 で あ る 。 し た が 、 っ て 、 取 締 役 会 を 有 効 な も の と す る に は 、 こ の よ う な 前 提 と も な る 問 題 を 解 決 す る こ と が 必 要 な の で あ る 。 こ う し た 問 題 を 明 確 に せ ず に 有 効 化 の 方 法 を 論 じ て も そ れ は 非 現 実 的 な も の と な る の で あ り ギ 過 去 の 主 張 が 実 現 さ れ な か っ た の は ま さ に こ の 問 題 に よ る の で あ る 。 わ れ わ れ は 、 こ の 問 題 を さ ら に ゴ ー ド ン ・と ク ー γ ツ を 比 較 し な が ら み て み よ う 。
- ゴ ー ド ン は ﹁ 大 会 社 の 経 済 状 態 は 常 勤 の 経 営 役 職 者 (ヨ § σq § ①葺 。 簑 。巨 ) の 手 に 積 極 的 リ レ ダ ー シ ッ プ が 集 中 す る こ と を 不 可 避 な も の と し て い る 。 そ れ ゆ え 、 取 締 役 会 を リ ! ダ ー シ ッ プ 機 能 の 遂 行 に 積 極 的 、 継 続 的 に 参 加 さ せ 齢 う と す る こ (1 ) と は 、 無 意 味 で あ る し 、 お そ く ら そ れ は 有 効 な 、 調 整 さ れ た 意 志 決 定 に と っ て 有 害 と な る で あ ろ ヶ 。 ﹂ と 述 べ て い る の で あ る ゆ 大 規 模 産 業 の 発 展 、 所 有 と 経 営 の 分 離 す る 状 態 で ぽ 、 経 営 執 行 者 は 企 業 の リ ー ダ ー シ ッ プ を 担 う の は 自 分 達 で あ り 充 分 な 経 営 知 識 を も た な い 取 締 役 会 の 責 任 で は な い と 考 え て い る で あ ろ う 、 と ゴ ー ド ン は み て い る 。 こ の よ う に 、 か れ は ド 経 営 専 門 化 へ の 発 展 を 重 視 す る の で あ り 、 企 業 の 実 質 的 な 経 営 管 理 は 経 営 執 行 者 に よ っ て し か 担 当 し え な い と 考 え て い る の で あ る 。 し た が っ て 、 か れ は 、 ビ ジ ネ ス に 無 関 係 の 人 々 が 言 う よ う な 、 取 締 役 会 に 有 能 な 人 材 を 用 い よ と か 、 積 極 的 に 機 能 す る よ う な 誘 因 を 提 供 せ よ と か い う こ と は 、 必 ず し も 経 営 管 理 に と っ て 有 効 で は な い と 考 え て い る の で あ る 。 .、 ゴ ー ド ン は 、 株 式 が 高 度 に 分 散 し た 企 業 で は 、 経 営 者 支 配 と 呼 べ る 状 態 に あ る こ と を 明 ら か に し た こ と で 有 名 で あ る 。 か れ の 研 究 は 、 経 営 執 行 者 が ビ ジ ネ ス ・ リ ー ダ ー シ ッ プ を 担 当 す る よ う に な っ た 、 経 営 管 理 発 展 の 必 然 性 を 示 し た も の で あ る 。 す な わ ち 、 か れ は 、 経 営 者 支 配 の 状 態 で は 、 取 締 役 会 は 最 高 経 営 者 の 任 命 お よ び 業 績 監 査 に よ っ て 経 営 執 行 者 に 一 ' 定 の 牽 制 は で き て も 、 こ れ 以 上 の 統 制 は で き な い と 考 え て い る の で あ る 。 経 営 者 支 配 の 状 態 で は 、 株 式 の 高 度 分 散 の た め に 取 締 役 は 委 任 状 機 構 (℃ ﹁。 × ¥ ¥ 驕B Q @ 、 ノ 謔 チ ト オ ゥ I C オ ヲ ネ ュ ネ 閨 A ア フ I C 菇 @ ナ ヘ ナ l o c キ s メ ェ ュ ヘ ネ ヘ 烽 ツ 謔 、 ] ネ 驍 烽 フ ニ lA ゥ ト 「 驕 B ア フ ス ゚ A ア フ ヤ ナ ヘ A ナ l o c キ s メ ネ O ノ ヘ o c ヌ 揩 フ ナ I モ C 揩 ソ ヲ ネ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ヨ 2 ) ュ ネ チ ト 「 驍 ニ S [ h 唐 ヘ l ヲ ト 「 驍 フ ナ 驕 B ア フ ス ゚ A ゥ 黷 ヘ A キ ナ ノ q ラ ス 謔 、 ノ A ク ヲ ト ナ l o c キ s メ 攝 ァ オ 、 驪 @ ヨ ン ッ 謔 、 ニ キ 驍 ネ 轣 A サ 黷 ヘ 謦 ノ v 纒 ¥ チ ヲ 諮 ュ { 攝 ァ s 、 ネ O ノ s ツ ¥ ナ 驍 ニ l ヲ ス フ ナ 驕 B ア フ 謔 、 ノ A S ! h 唐 ヘ A 蜉 驪 ニ ノ ィ ッ 骭 o c メ x z フ ヤ ェ A 謦 ノ タ ソ I ネ o c ヌ 搴 @ ¥ S 魔 オ ヲ ネ 「 烽 フ ニ オ ト 「 驍 フ ナ 閨 A ワ ス ア フ ヤ ナ ヘ L ノ @ ¥ キ 驍 ア ニ ヘ s K v ナ 、 ニ 熏 l ヲ ト 「 驕 B ア G ナ A ゥ 黷 ホ A 諱 @ @ @ @ @ 謦 フ @ ¥ ノ ヨ キ 骰 l @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @A @ @ @ E @ @v @ @ @, @ @ @E @ @ ェ黶 @ . ・
取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 ・ 、八 二 層 締 役 会 は 管 理 機 能 を 果 し え な く て も 、 .最 高 経 営 執 行 者 か ら 独 立 し て さ え い れ ば 、 独 立 し た 機 関 か ら 助 言 を 行 う こ と に よ っ て 利 害 関 係 集 団 の 利 益 保 護 の 責 任 は 果 せ る も の と 考 え て い る 。 こ の た め 、 ゴ ー ド ン は ﹁ 取 締 役 会 が な す べ き 機 能 ﹂ を つ ぎ お の 三 機 能 に 限 定 し て い る の で あ る 。 ω 経 営 者 へ の 助 言 者 と な る 。 ② 最 高 経 営 者 の 任 命 と 報 酬 の 決 定 を 行 う 。 ㈲ 各 朝 毎 に 会 社 の 進 歩 発 展 ・ レ ー ダ ー シ ッ プ の 成 績 を 監 査 す る 。 ヘ ヘ ヘ へ つ ぎ に v .ク ー ン ツ に つ い て み て み よ う 。 か れ は ﹁ 取 締 役 会 は 会 社 を 経 営 す る と い う よ り 、 正 確 に は 会 社 が 良 好 に 経 営 さ ヘ へ れ る よ う に 監 視 す る 立 場 に 置 か れ る の は 、 理 論 上 か ら も 実 際 上 か ら も 当 然 の こ と で あ る 。 ﹂ 、 ま た ﹁ 大 多 数 の 最 高 経 営 執 .行 者 は ( 取 締 役 会 に ) 干 渉 に な ら な い よ う な 形 で の 指 導 と 賢 明 な 意 思 決 定 を 求 め て い る 。 ま た 取 締 役 会 が 最 高 経 営 執 行 者 に 何 を 期 待 し て い る か を 明 示 す る こ と を 求 め て お り 、 そ う し た 期 待 に 沿 う た め の 手 助 け を 求 め て い る 。 ま た 会 社 の 達 成 し た 業 績 に も と づ い て 、 公 正 か つ 客 観 的 に み ず か ら を 評 価 さ れ た い と 望 ん で い る 。 そ し て 最 高 経 営 執 行 者 と し て の 地 位 は 、 ヨ 会 社 の ,業 績 に 現 わ れ た み ず か ら の 実 績 い か ん に か エ っ て い る こ と を 進 ん で 認 め て い る 。 ﹂ と 述 べ て い る 。 こ の 場 合 、 か れ は 、 取 締 役 会 が 経 営 管 理 を 監 視 し 、 利 害 関 係 集 団 の 利 益 を 保 護 す る 機 能 を 社 会 的 ・ 経 済 的 機 能 と し て 、 あ る い は 全 社 的 機 能 と し て 重 視 し て い る 。 こ エ で 、 か れ は 、 取 締 役 会 と 経 営 執 行 者 と は 相 互 に 独 立 し 、 分 業 的 に 機 能 す る 機 関 で あ る と 考 え ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ へ コ ・ 取 締 役 会 は 基 本 的 意 志 決 定 と こ の 執 行 の 監 視 す る 機 能 を 担 当 す る ど み な し て い る の で あ る 。 す な わ ち 、 か れ は 、 こ れ ら 機 能 は 取 締 役 会 が 経 営 執 行 者 に 委 譲 で き な い も の で あ る と 考 え て い る コ し た が っ て 、 ク ー ン ツ は 、 最 高 経 営 執 行 者 は 取 締 役 会 の 基 本 的 決 定 に は 従 う と み な し て い る の で あ り 、 " 経 営 者 支 配 " で は な い と 考 え て い る の で あ る 。 か れ は 、 取 締 役 会 を 単 な る 助 言 者 ・ 監 査 人 で あ る と は み な し て い な い の で あ る 。 こ め た め 、 か れ は 取 締 役 会 と 経 営 執 行 者 と の 機 能 分 担 を 明 確
に す る た め ・ こ れ を 図 表 化 す る こ と に よ ウ て 明 示 し よ う と し て い る の で あ 麓 こ れ は 管 理 階 層 で の 決 裁 権 の 分 担 を 作 表 化 し た も の で 、 こ れ を 五 項 目 に 分 類 し て い る 。 こ の 五 項 目 に お け る 取 締 役 会 の 決 裁 権 を 抽 出 し て み る と つ ぎ の よ う に な る 。 ( た 父 し 、 取 締 役 会 が 単 独 で 決 裁 権 を も つ と は 限 ら な い 。 ) . . ・ ω 人 事 、 月 給 二 千 ざ ル 以 上 の 採 用 人 事 、 月 給 二 千 ド ル 以 上 に な る 昇 給 、 九 〇 日 以 上 の 休 暇 。 、 ・ , 、 ② 営 業 費 用 、 二 千 五 百 ド ル 以 上 の コ ン サ ル タ ン ト 契 約 や 依 頼 、 社 長 や 取 締 役 会 長 の 出 張 や 接 待 、 一 万 五 千 ド ル 以 上 の 税 調 整 ( ↓ 。・ x > 島 ¢ ω雪 景 ) 、 五 千 ド ル 以 上 の 債 務 保 証 ( 0 8 § § ・。) と そ の 更 新 。 ' ③ 資 依 支 出 関 係 、 予 算 済 み の 二 万 五 千 ド ル 似 上 の 支 出 、 予 算 外 の 五 千 ド ル 以 上 の 支 出 、 資 本 支 出 予 算 の 決 定 、 ﹂ 一 〇 万 ド ル 以 上 の 資 産 処 分 、 特 許 権 ど の な 基 本 方 針 。 一 ㈲ 価 格 ・. 販 売 関 係 、-標 準 外 品 目 の 一 〇 万 ド ル 以 上 の 販 売 、 , 新 製 品 開 発 、 販 売 代 理 店 契 約 の 基 本 事 項 。 ㈲ 全 般 管 理 、 銀 行 借 入 の 限 度 、 ・ 固 定 資 産 の た め の 借 入 、 他 社 株 の 購 入 と 他 社 へ の 貸 付 。 こ の よ う に 、 ク ー γ ツ は 取 締 役 会 の 機 能 を 表 示 し て い る の で あ り 、 こ 二 で は こ の 機 能 が 意 志 決 定 権 も 持 つ も の で あ る こ と を 明 ら か に し て い る 。 ﹁ 以 上 の よ う に 、 ゴ ー ド ン と ク : ン ツ と で は 取 締 役 会 の 機 能 、 あ る い は 機 能 を 果 す た め に 置 か れ て い る 状 況 に 対 す る 理 解 を 著 る し く 相 違 し て い る の で あ る 。 こ の た め 、 取 締 役 会 を 有 効 化 す る た め に は こ れ ら 問 題 を ま ず 解 決 し な け れ ば な ら な い 。 こ 玉 で 馬 と く に 、 ク ーー ン ツ の 考 え る 状 態 、 す な わ ち 取 締 役 会 が 有 効 に 機 能 し え る よ う に な っ て い る と み る 状 態 に つ い て み て み よ う 。 か れ は こ の 状 態 を つ-ぎ の 四 点 か ら 主 張 す る の で あ る ゆ ω 株 主 の 役 割 が 変 化 し つ つ あ る こ と 。 、 ㈲ 取 締 役 会 の 責 任 に 対 す る 認 識 が 高 ま っ て き て い 6 こ と 。 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 馳 八 三
取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 、八 四 ・ ㈲ 経 営 管 理 革 命 。 ω 社 会 的 制 度 と し て の 企 業 の 認 識 。 , ご 瓦 で わ れ わ れ は 、 . こ の 四 要 因 が 果 し て 、 経 営 者 支 配 " で な い こ と を 裏 づ け る も の か ど う か を 検 討 す る こ と が 必 要 と な る 。 ま ず 、 ω に つ い て み る と 、 か れ は 、 最 近 の ア メ リ カ に お け る 機 関 投 資 家 の 役 割 を 、 こ れ が 大 株 主 と し て 機 能 す る も の (8 ) (9 ) ・ で あ る と み て 重 視 し て い る 。 た し か に 、 バ ッ ト マ ン 委 員 会 報 告 や 企 業 金 融 に 関 す る 研 究 が 、 機 関 投 資 家 の 台 頭 が フ メ リ カ 企 業 の 株 式 所 有 状 況 を 変 化 さ せ て い る こ と を 示 し て は い る 。 し か し 、 . こ の 変 化 は 金 融 支 配 の 可 能 性 に も 結 び つ く の で あ り わ れ わ れ は 、 こ れ を 、 一 般 株 主 と 同 一 視 す る こ と は で き な い で あ ろ う 。 ま た 、 ② は 経 営 者 に よ る 取 締 役 会 へ の 認 識 が 変 っ た こ と 、 ⑧ は 経 営 管 理 革 命 が 取 締 役 会 を 有 効 化 さ せ る 方 向 に 進 ん で い る こ と 、 ㈲ 億 社 会 的 制 度 と し て の 企 業 は 取 締 役 会 の 有 効 性 に よ っ て 評 価 さ れ る よ う に な っ て ぎ て い る こ と を 述 べ て い る 。 し か し 、 わ れ わ れ に は 、 こ の 三 要 因 が 果 し て 現 実 に 確 認 し え る も の で あ る が ど う か を に わ か に 判 断 し が た い 。 し た が っ て 、 わ れ わ れ は 、 ク ー ン ツ が 示 す 四 要 因 を こ れ が 取 締 役 会 有 効 化 へ の 新 し い 状 態 変 化 を 裏 づ け る も の と は 断 じ が た い の で あ る 。 す な わ ち 、 ゴ ー ド ン が 調 査 し た 一 九 四 〇 年 代 前 半 か ら 今 日 ま で の 間 に 、 経 営 者 支 配 と 呼 ば れ た 状 態 に 新 し い 展 開 が な さ れ て い .る と 理 解 す る こ と に は 問 題 が 残 る と 考 え る の (10 ) で あ る 。 . ﹂ ' , 以 上 に 述 べ た よ う に 、 ゴ 、ー ド ン と ク ー ン ツ で は 、 経 営 者 支 配 " に 対 す る 見 解 の 相 違 か ら 取 締 役 会 が ど の よ ヶ に 機 能 す べ き か に 対 す る 理 解 を 異 に し て い る の で あ る 。 こ 二 で わ れ わ れ は 、 以 上 の 二 つ の 問 題 が 解 決 さ れ な け れ ば 取 締 役 会 を 有 効 化 し う る こ と が で き な い と 考 え る 。 取 締 役 会 が い か な る 機 能 を 果 す べ き で あ り 、 こ れ が 有 効 に 機 能 し え る 条 件 が 満 た さ れ て い な け れ ば 、 い か な る 有 効 化 へ の 具 体 案 を 提 示 す る の で あ っ て も 、 こ れ は 無 意 味 ・ 非 現 実 的 な も の と な る で あ ろ う 。 ( 1 ) 図 ・ ︾ ・ O o 銭 o 口 o や 6 一∼ や ◎。鼻 8 訳 書 一、 三 七 三 頁 。 ﹁ 、
. 、 ( 2 ) ﹂委 任 状 機 構 と 経 営 者 支 配 と の 関 係 は 、 メ ー リ ﹂ ・ ミ ー ソ ズ ( 前 掛 書 ) に よ っ て 明 ら か に ざ れ た の で あ る が 、 ゴ ー ド ン も か れ ら 匹 定 義 に 従 っ て い る σ . 一σ 一9 や 一 N 一 " 訳 書 、 一 二 九 頁 。 ( 3 ) 一三 9 ? ω ミ 層 訳 書 、. 三 十 三 頁 Q ・ ( 4 ) 閏 ● 閑 8 昌 貫 。 p 。 言 切 . "。 " 訳 書 、 三 頁 。 ( 5 ) ま 冠 " ℃ ・ b。 O 一 " 訳 書 、 二 九 二 頁 。 ( 6 ) ・曹 達 層 層 サ れ ① 1 お 噛 訳 書 、 六 八 -七 一 頁 Q ( 7 ) ま 達 噂 眉 唱 悼 b。 卜。 i 悼 譲 噂 訳 書 、 三 二 三 ∼ 三 二 七 頁 。 ( 8 ) 米 国 下 院 銀 行 ・ 通 貨 委 員 会 、, 志 村 嘉 一 訳 ﹁ 銀 行 集 中 と 産 業 支 配 し バ ッ ト マ ン 委 員 会 報 告 ﹂ 、 東 洋 経 済 新 報 社 、 昭 和 四 五 年 。 " 商 秦 銀 行 と を の 信 託 活 動 ー ア メ リ カ 経 済 へ の 拡 大 す る 影 響 " ( 一 九 六 八 年 報 告 ) ( 9 ) 出 ・ 閏 ・ U Q 口 曽 一 r O p 讐 雷 一 言 9。 美 9 程 α 冒 ω 鼻 口 寓 o P ℃ ﹁ 毬 ユ 8 出 四 一 r 一 8 伊 古 川 栄 一 監 訳 ﹁ 資 本 市 場 と 投 資 機 関 ﹂ 東 洋 経 済 新 報 社 、 昭 和 四 四 年 。 岡 本 正 人 著 ﹁ 株 式 会 社 金 融 の 研 究 ﹂ 有 斐 閣 、 ・ 昭 和 四 十 年 。 な ど 参 照 。 ( 10 ) 現 在 の " 経 営 者 支 配 " に 関 す る 研 究 は つ ぎ の 文 献 な ど を 参 照 さ れ た い 。 宮 崎 義 一 著 ﹁ 寡 占 ﹂ 現 代 の 経 済 機 構 I L 岩 波 新 書 、 一 九 七 二 任 。 村 田 稔 著 ﹁ 経 営 者 支 配 論 ﹂ 東 洋 経 済 新 報 社 、 昭 和 四 十 七 年 。 五 具 体 的 方 法 の 検 討 . 以 上 で 述 べ て き た よ う に 、 ア メ リ カ 企 業 の 取 締 役 会 は 多 く が 無 機 能 化 し で い る の で あ る 。 七 か し 、 こ の 無 機 能 化 は 、 株 主 お よ び 利 害 関 係 集 団 の 利 益 保 護 が 阻 害 さ れ る こ と 、 あ る い は 経 営 者 が 権 力 を 濫 用 す る よ う に な る こ と の 理 由 で 以 前 か ら 批 判 さ れ て き て も い る 。 こ の た め 、 こ う し た 批 判 で は 取 締 役 会 が 有 効 に 機 能 す べ き こ と を 主 張 し て き て い る の で あ り 、 有 効 化 の 具 体 的 方 法 を 提 案 し て き て い る の で あ る 。 し か し な が ら 、 前 節 で み た よ う に 、 取 締 役 会 を 有 効 化 す る こ と が 主 張 さ れ て き て も 、 こ の た め に 解 決 す べ き 前 提 と も な る 問 題 が ま だ 不 明 確 の ま 瓦 な の で あ る 。 す な わ ち 、 取 締 役 会 の 機 能 と は 何 な の か 、 取 締 役 会 は 現 実 に そ の 機 能 を 果 し う る 状 態 と な っ て い る の か と い う 問 題 で あ る 。 し か し 、 わ れ わ れ は 、 こ う し た 重 要 な 問 題 が 未 解 決 で あ 乃 と 認 め な が ら 、 こ X で は ク ー, ソ ツ が 考 え る 具 外 的 方 法 に つ い て 検 討 し よ う 。 ク ー ン ツ 自 身 は 、 取 締 役 会 は 前 節 で あ げ た 機 能 を 担 う も の と 考 え 、 ま た こ う し た 機 能 が 現 実 に 遂 行 し う る 状 態 に な っ て い る と 考 え て い る の 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 , ﹁ , , 八 五
ノ 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 . 八 六 で あ る 。 し か し 、 わ れ わ れ は 、, か れ が 提 案 す 惹 方 法 が 果 し て 有 効 化 を 現 実 に 即 く し た も の ど し て 理 解 し う る か ど う か を 検 (1 ) " 討 し よ う 。 ク ー ン ツ の 考 え を 要 約 す る と つ ぎ の よ う に な る 。 ω 取 締 役 会 を バ ラ ン ス の ど れ た も の と す る 。 ( か れ は バ ラ ン ス を 、 ω 社 内 取 締 役 と 社 堺 取 締 役 、 回 常 勤 取 締 役 と 非 常 勤 取 締 役 、 の 経 験 お よ び 専 門 知 識 、 ω 年 令 お よ び 在 任 期 附 、 ㈲ 地 域 お よ び 利 害 閣 係 集 団 な ど の 釣 合 い と し て 考 え て い る 。 ) ㈹ 取 締 役 と し て の 適 任 者 を 選 ぶ 。 、 、 L ・ ㈲ 取 締 役 の 資 質 の 向 上 を は か る 。 こ の た め に は 研 修 会 を 行 っ た り 、 取 締 役 と し て の 業 績 審 査 を 行 っ た り す る 。 ㈲ 有 能 な 取 締 役 会 を 維 持 す る 費 用 を 支 払 う 。 取 締 役 に 適 切 な 報 酬 を 支 払 う こ と は 職 務 ㊨ 実 質 的 た 評 価 と な る し 、 地 位 の 象 徴 あ る い は 誘 因 と な る 。 こ の ク ー ン ツ の 方 法 に 対 し 、 わ れ わ れ は 、 ㈲ ・ ω に は 問 題 な い と 思 う が 、 ω ・ 図 に 関 し つ ぎ の よ う な 問 題 点 が 残 る こ と を 指 摘 し う る で あ ろ う 。 第 一 は 、 取 締 役 の 選 任 に つ い て の 問 題 で あ る 。 4 経 営 者 支 配 " の 論 拠 は 、 委 任 状 機 構 に よ る 選 任 方 法 で は 取 締 役 が 最 高 経 営 執 行 者 に よ っ て 選 任 さ れ る よ う に な る と い う こ と で あ っ た 。 し た が っ て 、 こ の 問 題 は " 経 営 者 支 配 グ に 関 す る の で あ る が 、 こ 二 で は よ レ 具 体 的 な 附 題 点 を あ げ る の で あ る 。 す な わ ち 、 現 代 の " 所 有 と 経 営 が 分 離 ク し て い る 企 業 で は 、 た と え 機 関 投 資 塚 に よ る 大 株 主 が 出 現 し た と し て も 、 委 任 状 機 構 を 用 い ず に 取 締 役 を 選 任 す る 二 と は で き な い 。 し た が ? て 4 経 営 者 支 配 " の 状 態 が 変 化 し た と し て も 、 こ の 機 構 に よ る 選 任 方 法 は 継 続 す る の で あ る 。 そ れ ゆ え 、 有 能 な 取 締 役 を 選 任 し 、 バ ラ ン ス の と れ た 取 締 役 会 を 形 成 す る た め に は ^ こ の 機 構 の 有 効 な 運 営 方 法 が 考 え ら れ な け れ ば な ら な い 。 例 え ば こ れ ま で に 考 え ら れ て き た 方 法 を 示 す な ら 、 選 任 委 員 会 が 委 任 状 を 提 出 す る 株 主 に あ ら か じ め 取 締 役 候 補 者 の 身 元 や 資 格
、 (2 ) を 通 知 す べ き で あ る こ と な ど を 提 案 し て い る 。 し か し 、 ク ー ン ツ は こ の 点 を 明 確 に 示 し て い な い 。 も し 、 か れ が 、 プ ラ イ (3 ) ア (≦ ・ ↓ ・ じd 互 ﹁) な ど と 同 様 に 、 最 高 経 営 執 行 者 が 有 能 な 取 締 役 を 選 任 し 、 バ ラ ン ス の と れ た 取 締 役 会 を 形 成 す る よ う に な っ て き て い る と 判 断 し 、 こ の 判 断 に 基 づ い て い る な ら 、 過 去 に み ら れ た こ の 機 構 上 の 問 題 が 解 決 さ れ た と は 言 え な い で あ ろ う 。 誰 が 、 ど の よ う に 候 補 者 を 指 命 し 、 ど の よ う に し て 取 締 役 を 選 任 す る の で あ ろ う か 。 第 二 に 、 取 締 役 個 人 の 行 動 の 問 題 で あ る 。 こ の 一 つ は 、 ク ー ン ツ 自 身 も 取 締 役 会 の 短 所 で あ る と 認 め て い る が 、 多 数 の (4 ) 利 害 関 係 者 お よ び 専 門 家 か ら 成 る 取 締 役 会 は 、 最 大 公 約 数 と し て の 妥 協 案 し か 決 定 し え な く な る と い う こ と で あ る 。 有 効 に 機 能 す る 取 締 役 会 で あ る た め に は 妥 協 案 で は な く 経 営 に と っ て 有 効 な 意 志 決 定 を な す こ と が 必 要 で あ る 。 し た が っ て 、 取 締 役 各 々 の 意 見 を い か に 調 整 ・ 統 一 す る か 父 明 ら か に ざ れ な け れ ぽ な ら な い い そ の 二 は 、 " 経 営 者 支 配 ク に お い て は 、 社 内 取 締 役 な ど が 上 位 者 で あ る 最 高 経 営 執 行 者 を 批 判 し え な く な っ て い る こ と を 述 べ た 。 し か し 、 こ れ ま で の 取 締 役 会 で は 、 と く に 他 会 社 の 経 営 執 行 者 で あ る 取 締 役 ( 社 外 取 締 役 ) が 、 批 判 し え な か っ た の で は な く 、 批 判 す る こ と を 避 け る こ と が 多 か っ た の で あ る 。 し た が っ て 、 有 能 で あ り 、 バ ラ ン ス の と れ た 取 締 役 会 (5 ) を 形 成 し て も 、 こ れ が 最 高 経 営 執 行 者 を リ ー ド で き る も の と は 限 ら な い で あ ろ う 。 第 三 に 、 .社 外 取 締 役 と 企 業 機 密 に 関 す る 問 題 で あ る 。 ク ー ン ツ は 有 能 な 取 締 役 を 得 る た め 、 他 会 社 の 役 員 な ど を 交 流 さ せ る こ と が 必 要 で あ る と み て い る 。 し か し 、 こ の 交 流 に は 企 業 機 密 が 漏 洩 す る 危 険 を 伴 な う の で あ り 、 こ れ を ど の よ う に (6 ) 解 決 す る の で あ る か 。 か れ は 最 高 経 営 執 行 者 ま た は 取 締 役 会 長 が 適 当 な 制 限 を 行 な え ば 問 題 は 解 決 す る 之 み て い る 。 し か し 制 限 を 加 え る こ と に よ っ て 、 取 締 役 が 有 効 に 機 能 す る こ と を 阻 害 し な い で あ ろ う か 。 以 上 、 ク ー ン ツ の 具 体 的 方 法 に 対 し 三 つ の 問 題 点 を 指 摘 し た 。 わ れ わ れ は 、 こ の 問 題 点 指 摘 に よ っ て か れ の 方 法 そ の も の を 批 判 し よ う と す る の で は な く 、 有 効 化 を 現 実 に 即 く し た も の と す る に は こ う し た 幾 つ か の 問 題 点 が 残 さ れ て い る こ と 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 . 八 七 ' 、 ' 「 ●
, 取 締 役 会 の 機 能 に 関 す る 考 察 ` ・ . 八 八 を 示 そ う と し た の で あ る 。 こ Σ で 、 ク ー ン ツ の 例 に 限 ら ず 、 こ う し た 具 体 的 方 法 全 体 に 関 す る 問 題 点 を あ げ る な ら つ ぎ の よ う に な ろ う 。 す な わ ち 、 会 社 は 統 一 的 ・ 機 動 的 に 経 営 さ れ な け れ ば な ら な い の で あ る が 、 取 締 役 会 を 有 効 化 す る こ と が こ の 要 件 を 満 し う る か ど う か と い う 問 題 で あ る 。 取 締 役 会 を 有 効 化 す る こ と に は 、 そ れ が 会 社 経 営 の 統 一 性 ・ 機 動 性 を 損 な わ な い も の と し て 考 え る こ と が 必 要 で あ る 。 最 後 に 、 本 稿 は 、 従 来 か ら 主 張 さ れ て き て い る 、 取 締 役 会 を 有 効 化 す る た め の 問 題 点 を 論 じ た も の で あ る 。 し か し 、 こ ・れ ま で み た よ う に こ の 有 効 化 の た め に は 数 多 く の 問 題 が 残 さ れ て い る の で あ る 。 わ れ わ れ は 、 取 締 役 会 機 能 を ど の よ う に 理 解 す べ き か 、 ま た 取 締 役 会 は 有 効 に 機 能 し う る 状 態 に 置 か れ て い る の か を 明 確 に し て ゆ か な け れ ば な ら な い 。 も し 、 取 締 役 会 が 機 能 し え な い 状 態 で あ る と し た ら 、 さ ら に そ の 問 題 点 を 考 察 す る こ と が一 必 要 と な ろ う 。 ま た 、 同 時 に 有 効 化 す る . た .め の 具 体 的 方 法 に つ い て も 考 察 し て ゆ か な け れ ば な ら な い の で あ る 。 (1 ) = . 訳 8 目 貫 ε ■ 9 け 二 〇冨 も 器 き ρ 訳 書 、 一 〇 章 。 (2 ) ≦ . ↓ . しd 貯 ぎ 、. ﹀ 署 冨 勝 冒 σq 夢 ① 守 9 冠 o h U 一器 9 0 冨 .. 国 母 くp ﹃ α しd 蕊 冒 ①器 即 o ︿ 冨 ≦ 堵 目窪 ・ 一 霧 ρ 参 照 。 ( 3 ) 皆 置 . マ HO P ( 4 ) = . 国 o o 具 N 噂 o 喝 . 9 けこ 暑 . ㎝ 膳 -切 9 訳 書 、 七 九 i 八 一 頁 。 ( 5 ) ≧ . ピ ・ 蜜 碧 P 、甫 7 0 ﹁ 器 ω 置 o 暮 窪 島 穿 o 切 8 巳 o h U 畔 o o 8 窃 .. 口 p。﹁ 毒 巳 切 易 冒 oω ω 閃 ① 訟 ①≦ " 冨 母 0 7 -﹀ 冒 凶 r μ 零 N ・ 参 照 。 ( 6 ) 即 国 。 。 昌 ・ 。b ● ・ 罫 ℃ ■, b。 ωρ 訳 書 、 三 五 σ ⊥ 二 五 責 。 、 ∼ \