思春期青年期の死別経験と人間的成長 : 成長内容と構築過程に関する質的研究
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(2) 安定した環境に置かれる中で【出来事を整理し. 他者の死に直面. ていく過程】を経て【経験に意味づけ】を行う 直後の混乱. 情緒の不安定化. 生活における変化. 段階である。Herman(1996)は,外傷的な経 験から世界に対して何らかの意味づけを行って いくためには,他者との体験の共有が重要であ. 出来事を整理していく過程. るとしている。この観点から考えると,自らが 対人関係の困難. 経験した死別を他者と共有することによって,. 経験の意味付け. 経験に新たな意味付けを行うための要件が整っ 人生哲学の深まり 他者への接し方の変化. たと考える。一方で死に対するタブー化が生じ. 能動的な生き方. た場合はその機会が損なわれ,経験の意味付け. 図1、死別から人間的成長を構築していくプロセスモデル. に至るまでの過程を阻害する要因として働くこ. ことが心的ストレスとなり“激しい衝撃を受け. とが分かった。. て情緒的に興奮したり,どうしていいかわから. (3)段階3:死別後の変化. ないようなパニックをおこし,無力感でいっぱ. 死別の後に新たな変化が生じる段階である。. いになる”としている。本研究でも同様に死別. 本調査では主に【人生哲学の深まり】【他者への. において,まず情緒の混乱が経験されるものと. 接し方の変化】【能動的生き方】【対人関係の困. 考えられた。しかし,混乱のなかでも,死別以. 難】の4つが明らかとなったが,内容は先行研. 前と一貫して変化のないものを確認したり感じ. 究と同様のものであり,思春期青年期において. ることが,混乱を緩和することが示唆された。. 特徴的な成長は見られなかった。一方で【対人. また本研究では概念のひとつに,死別により. 関係の困難】では日常生活が不安定になること. 生じた辛さなどをあえて他者に隠す『隠忍』が. で,他者とのコミュニケーションがぎこちなく. あった。この状態は青年期を対象とした倉西. なることが多く語られた。これは死別を一人で. (2010)や峰島(2008)にも同様の状態を指摘. 抱えなくてはいけない状況が生じ,その結果と. しており,他者に対し死別を隠し我慢するとい. して自分の想いを他者に理解してもらいたくて. う過程がこの年齢期における特徴の一つである. もすることが出来ずに葛藤という形で経験され. と言えよう。. ているのではないかと考えられる。. (2)段階2:死別体験の整理 死別を経験し【生活における変化】が生じる。. 主任指導教員 市井雅哉 指導教員:海野千畝子.
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