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思春期青年期の死別経験と人間的成長 : 成長内容と構築過程に関する質的研究

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Academic year: 2021

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(1)思春期青年期の死別経験と人間的成長 一成長内容と構築過程に関する質的研究一.              人間発達教育専攻              臨床心理学コース.                  M11063F                  西窪健太.          I.問題. 程の検討と考察を目的とする。.  ライフイベントの中でも強いインパクトを伴.          皿.方法. なうものは親しい者との死別である(Ho㎞es&. 1.調査方法 1回60分程度の半構造化面接を. Rahe,1967)。これまで死別経験に関する研究は、. 実施した。. 多くが死別による悲嘆(宮林,2005)や気分障. 2.調査対象 思春期青年期に死別を経験した. 害・不安障害との関係(冨田ら,2001)等、ネガ. 大学生・大学院生7名の協力を得た。平均年齢. ティブな側面に焦点をあてたものであった。近. は22.71歳(SD=1.38)であった。. 年では死別経験の生み出すポジティブな側面の.        表2.調査協力者の概要. 検討を行っているもの(東村ら,2001)があり,. 被験者  年静  性別   死別対念者(死因)  死別経過年教 A    20 B    23 D    23. 女   高校の監督(がん〕   2年Oカ月 男  中学…大学の友人=不明)  2年6ヵ月. E    23. 女中学・高校の友人〔不明)6年0ヵ月. F    24. 女父(クモ模不出血)12年9ヵ月 女高校の友人(自殺)3年2ヵ月. C    22. 死別経験者に何らかの人間的な成長がみら札る ことが明らかとなっている。しかし,これらの. 男   中学の友人(心疾患)   4年0ヵ月 男   大学の監督(がん)   1年フカ月. G    24. 研究ではがん患者遺族や高齢者を対象としてお. 3.分析方法 本研究では,プロセス(体験過. り,若年層を対象とした研究は少ない。若年層. 程)的特性を扱うのに最適な分析法であり,研. と死別経験について佐藤・坂野(2000)の研究で. 究から得られた理論が,現場に還元できる利点. は大学生の半数が外傷的な死別を経験している. があることから木下(2003)の提案する修正版. と指摘しており,思春期青年期においても死別. グランデッドセオリーアプローチを用いた。. 後の心理的支援が必要であると筆者は考えた。. 皿.結果と考察. そのため,この年齢期における死別経験の知見. 分析により得られた結果を図1に示し,死別後. の集積が必要と考え,本研究では大学生・大学. の段階をr段階1:死別の経験とそれに伴う混. 院生に対し調査を行い,この年齢期における死. 乱」「段階2:死別の整理」「段階3:死別後の. 別経験者の支援の一助としたいと考えた。. 変化」に分けて考察を行う。.          皿.目的. (1)段階1:死別の経験とそれに伴う混乱.  本研究では、思春期青年期の死別経験者にみ. 【他者の死に直面】し,【直後の混乱】や【情緒. られる心理的経験の様相とその肯定的側面や,. の不安定化】が起きる段階である。死別時の情. それがどのように構築されていくのか,その過. 緒的危機について小此木(1979)は対象を喪う.

(2) 安定した環境に置かれる中で【出来事を整理し. 他者の死に直面. ていく過程】を経て【経験に意味づけ】を行う 直後の混乱. 情緒の不安定化. 生活における変化. 段階である。Herman(1996)は,外傷的な経 験から世界に対して何らかの意味づけを行って いくためには,他者との体験の共有が重要であ. 出来事を整理していく過程. るとしている。この観点から考えると,自らが 対人関係の困難. 経験した死別を他者と共有することによって,. 経験の意味付け. 経験に新たな意味付けを行うための要件が整っ  人生哲学の深まり   他者への接し方の変化. たと考える。一方で死に対するタブー化が生じ.        能動的な生き方. た場合はその機会が損なわれ,経験の意味付け.  図1、死別から人間的成長を構築していくプロセスモデル. に至るまでの過程を阻害する要因として働くこ. ことが心的ストレスとなり“激しい衝撃を受け. とが分かった。. て情緒的に興奮したり,どうしていいかわから. (3)段階3:死別後の変化. ないようなパニックをおこし,無力感でいっぱ.  死別の後に新たな変化が生じる段階である。. いになる”としている。本研究でも同様に死別. 本調査では主に【人生哲学の深まり】【他者への. において,まず情緒の混乱が経験されるものと. 接し方の変化】【能動的生き方】【対人関係の困. 考えられた。しかし,混乱のなかでも,死別以. 難】の4つが明らかとなったが,内容は先行研. 前と一貫して変化のないものを確認したり感じ. 究と同様のものであり,思春期青年期において. ることが,混乱を緩和することが示唆された。. 特徴的な成長は見られなかった。一方で【対人.  また本研究では概念のひとつに,死別により. 関係の困難】では日常生活が不安定になること. 生じた辛さなどをあえて他者に隠す『隠忍』が. で,他者とのコミュニケーションがぎこちなく. あった。この状態は青年期を対象とした倉西. なることが多く語られた。これは死別を一人で. (2010)や峰島(2008)にも同様の状態を指摘. 抱えなくてはいけない状況が生じ,その結果と. しており,他者に対し死別を隠し我慢するとい. して自分の想いを他者に理解してもらいたくて. う過程がこの年齢期における特徴の一つである. もすることが出来ずに葛藤という形で経験され. と言えよう。. ているのではないかと考えられる。. (2)段階2:死別体験の整理  死別を経験し【生活における変化】が生じる。.           主任指導教員 市井雅哉            指導教員:海野千畝子.

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