現代日本における「育児」研究の再検討 : 1980年代以降を中心に
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(2) 甲南女子大学 大学 院論 集 第 3号. 人間科学研究編 (2005年 3月. ). 牧野 (1982)の 研究では,① 母親自身の要因 (母 親 の年齢や職業の有無),② 家族関係 (子 どもの数や年. 重 要性 を見 出 されて い る。. 齢,夫 の育児責任 や夫婦関係),③ 母親 自身 の意識. と して捉 え られて い たが ,プ ラスの側面が あ る こ とも. (子 どもとの一体感,職 業観や性別役割分業意識),④ 母親 の生 活 の あ り方 (趣 味 の有無 やそのための 時. 証 明 された。. 間),⑤ 母親 の社会活動 (近 所 づ き合 いの広 さと深 さ,家 族以外の人 との会話,社 会参加 の機会),以 上. 第 2節. 5つ の要因 と育児不安の程度 との関連 について分析 し. 重要性 が 説 かれた。落合恵美子 は ,兵 庫県 の 2歳 児 を. ている。. 第 1子 と して もつ 母親 を調査対 象 に,育 児 ネ ッ トワー. また母親が子 ど もか ら離 れ る こ とはマ イナ スの 要素. 育 児 ネ ッ トワ ー ク研 究. 育児不安研 究 で も,育 児 を援助 す るネ ッ トワー クの. そ の結 果 ,育 児不安 の程度 と母親 の年齢 ,子 どもの. クの実証 的研 究 を行 った (落 合 1989)。 この なかで現. 年齢 や 数 ,家 族構 成 な どとは あ ま り関連が 見 られ なか. 代 の 育児 が母親 のみで行 われて い るので はな く,複 数. つた。 反対 に,育 児不安 の程度 と大 き く関連す る要 因. の与 え手 に よつて与 え られた複 数 の 育児援助 を利用 し. として,① 夫の育児責任や夫婦関係,② 母親自身の意 識,③ 母親の生活のあり方,④ 母親の社会活動が挙げ られた。. て成立 して い る こ とを指摘 して い る。 落合 は,育 児援助 を育 児労働 そ の ものの一部 あ るい は全 部 を代 行 す る「直接 的育児援 助」,母 親 の 育児役. 育児不安 と夫 の 育児責任 の 関連 を見 る と,夫 が育児. 割遂行 を側面か ら支 える「間接 的育児援助」 に区別. に責任 を持 ってい な い と感 じて い る場 合 には,育 児不. し,さ らに「間接 的 育 児 援 助」 を「1青 緒 的 育 児 援. 安 が 高 くな ってい る。 しか し,「 夫 が 子 ど も と遊 ぶ 時. 助」,「 情報的育児援助」,「 経済的育児援助」 に区別 し. 間」 は 育 児不 安 の 程 度 と関連 して い な い。 この よ う. た. に,実 際 に夫 が 育児 に責任 を持 って い るか 否 かで はな. え手 (夫 ,子 どもの祖父母,地 域 ,保 育園や幼稚園な. く,妻 が 夫 の育児 を どの よ うに評価 して い るか とい う. どの機関)か らどの ように与 えられなが ら母親が育児. 主観 的 な認知が大 き く影響 して い る こ とが わか る。. を行 い,そ こで発生する問題点やその解決策 を解明 し. 次 に,育 児不安 と母親 自身 の意識 の 関連 を見 る と. ,. 母親 と子 どもの 距離 が 密接 で あ った り,子 どもだけが. (落 合. 1989:99)。 そ して これ らの育児援助 を,与. ようとしたのである。 この研究 で見出され た知見 は次 の通 りである。. 生 きが い で あ る と感 じて い る と,育 児不安 が 高 くな り. 第 1点 は,育 児援助 の内容 が与 え手 によつて異なる. ゃす い。 む しろ,母 親 が趣 味 を もち,そ の ための 時 間. ことである。夫は「重要な情緒的育児援助及び,で き. を作 ってい る場合 ,育 児不安 は低 い。 また ,家 族以外. る範囲での直接的育児援助」 を,祖 父母 は「負担 の大. に,近 所 づ き合 い や地域活 動 な どの人 間関係 を広 く持. きい直接的援助及 びと くに妻方の祖父母か らの情緒的 ・情報的援助」 を,地 域は「負担 の小 さい直接的育児. つ こ とが ,育 児不安 を低 くして い る。 この ほか に,牧 野 の 作 成 した育 児 不 安 尺 度 を援 用. 援助及 び情緒的育児援助」 を,保 育園や幼稚園な どの. し, さらに研究 を進 め た本村汎 らは,育 児不安 に関連. 機関は「規則的な直接的援助Jが 主であったが ,情 報 的 ・情緒的援助 の比重 も高 まっている とい う (落 合. す る 要 因 の 相 互 連 関 に つ い て 検 討 して い る (本 村 他 1985)。. 「 多勢 の 人が育児 にかかわ ってい る と思 う」 と. い う項 目 と「夫 は育児 に責任 を もってい な い と思 う」. 1989:132)。 第 2点 は,育 児 の援助 の 内容が ,地 域 や母親 の就労. とい う項 目には相 関 が あ り,夫 も育児 に責任 を もって. の有無 によって異 なる こ とであ る。三世代 同居 の多 い. い る と認識 して い る母親 は,夫 以 外 の 多 くの 人 々が育. 郡部 と都市部 で フル タイム就労 して い る母親 は ,祖 父. 児 に関 わ ってい る とい う母親 の意識 に連 動 して い る と. 母 と機 関 に よる援助 が 中心 で あ り,郡 部 の母親 は比較. 述 べ て い る (本 村他 1985)。. 的早 くか ら働 き始 め る。 これ に対 して ,都 市部 で は夫. これ らの 育児不安 の研 究 で は,育 児 は疲労 を伴 う労 働 の一 種 と して捉 え られて い る ところにその大 きな特 徴 が 認 め られ る。. と地域 による育児援助 が 中心 で あ り,都 市部 の 母親 は 比較 的遅 くまで育児 に専念す る。 特 に都市部 で は ,地 域 にお け る育児 ネ ッ トワー クが. それ まで 自明視 されて い た ,夫 に迷 惑 をか けず ,母. 重要 な役割 を果 た して い るの だが ,母 親が就労 して い. 親 が 専念 す るこ とで 成 り立 つ 育児 を くつ が えす 結果 が. る場 合や独 自の 暗黙 のル ール を守 れ ない場合 は ,地 域. 導 き出 され た。育児 は母親 のみで行 われてい るので は. の 育児 ネ ッ トワー クか ら孤 立す る場合 もあ る。 そ のた. な く,育 児 にお け る夫婦 関係 や家族以 外 の 人間関係 の. め に も,育 児期 の す べ ての 家族 を対象 に した行 政 に よ.
(3) 高橋. 35. 円 :現 代 日本 にお ける「育児」研究 の再検討. る育児援助 が必 要 で あ る と指摘 して い る。 第 第 3節. 2章. 母 親 の 就 労 と育 児. ま とめ と再 検 討. 本章 で検討 した先 行研 究 か ら見 出 された知見 は,次 の通 りで あ る。. 第 1節. 育児不安の研 究. 日本 で は ,子 どもがで きた ら母親 は仕事 を辞 めて. ,. まず ,育 児不安 の研 究 で は ,第 1に ,産 業疲労研 究. 子 どもが 大 き くなれ ば再 び仕事 に就 け ば よい とす る傾. を応 用 した こ とか らも,育 児 が疲労 を ともな う労働 の. 向 が強 い 。 しか し,働 きなが ら育児 をす る女性 は 1980. 一 種 と して とらえ られ た点 で あ る。第 2に ,そ れ まで. 年代 以 降 ,増 加 して い る。 そ の場合 ,彼 女 たちは職業. の母親 のみで行 われてい る育児 で は,母 親 の育児不安. 生活 と家庭生活 の 2つ の役割 を担 う こ とに なる。. の程度が高 い傾 向 にあ る こ とが発 見 された点 で あ る。. 牧野 カツ コは ,就 労 して い る母親 の 育児不安 につ い. ,育 児 には,夫 の育児参加 へ の妻 の主 観 的 な認 知 や夫婦 関係 ,家 族 を越 えた育 児 ネ ッ トワ ー クの重 要 性 が指摘 された点であ る。第 4に ,母 親 が 子 どもか ら. て専業 主婦 との比 較 か ら次 の よ うな知見 を出 して い る. 離 れ る こ とにプラスの佃1面 が あ る こ とを明 らか に した. どもとの距離 を とる こ とがで きる。次 に近 所 づ き合 い. 点 であ る。. は狭 く浅 い ものの ,保 育所 な どを利用 して い るため. 第 3に. 一 方 ,育 児 ネ ッ トワー ク研 究 で は ,第 1に ,母 親 の. (牧 野 1983)。. まず就労 して い る母 親 は ,物 理 的 に も精 神 的 に も子. ,. 「母親 だ け で な く大勢 の 人が子 ど もを育 てて くれ て い. みが 育児役割 に従事 して い るので はな く,夫 ・祖 父母. る と思 う」 と答 えた母親が多 い。 この よ うな点 で は. ・地域 ・諸機 関 な ど家族 内外 の重層 的 なネ ッ トワ ー ク が 育児 を支 えて い る こ とが 明 らか な った。第 2に ,与. 専業主婦 よ り育児不安 に陥 る傾 向 が少 な い こ とが わか った。 しか し就労 して い る母親 は ,仕 事 と家事 ・育児. え手 に よつて育児援助 の 内容 が異 なる こ とを明 らか に. とい う負担 か ら疲労感 や緊張感が強 く,趣 味 な どの 時. した。第 3に ,母 親 の就労 の有無 や地域 に よって ,育. 間 が 少 ない 。. 児援 助 の 内容 が異 な る こ とを 明 らか に した こ とで あ る。. ,. 就 労 して い る母 親 と育児不 安 との 最 も重 要 な要 因 は,「 あ る意 味 で 夫 にあ る」 と して い る。専 業 主婦 と. 育児不安研 究 や育児 ネ ッ トワー ク研 究 は,社 会 の 変. 同様 に,「 子 育 て を 夫 に 頼 る こ とが で き る」 (牧 野. 化 に沿 った新 たな育児 ネ ッ トワー クの構築 の必 要性 を. 1983:76)と 妻 が感 じられ るか ど うか ,要 す る に妻. 示 した。. の主 観 的 な認知が育児不安 と密接 に関 わ ってい る。. 以上 の点 を評価 しなが らも,筆 者 は次 の よ うな点 を 考慮 す る必 要 が ある と考 える。. 1つ は,育 児援助 の程 度 や 内容 を よ り深 く考 察 す る. 第 2節. 子 どもの発 達 に及 ぼす影響. 母 親 の 就 労 が 子 ど もに悪 影 響 を及 ぼ す の で は な い. こ とで あ る。現代 の 育児 が母 親 以 外 の何 らかの援助 に. か , とい う引 け 目を感 じなが ら働 き続 ける母親 や ,ま. よって支 え られて い る と して も,そ の程度 はそれぞれ. たそれ を理 由 に離職す る母親 もい る。本節 で は ,母 親. 異 なるので はない か 。 どの よ うな育児 にお い て , どの. の就労 の “ 足 かせ "と な ってい る母親 の就労 と子 ども. よ うな母親 が ,よ り多 くの育児援助 を利用 して い るの. の 発 達 へ の 影響 を理 論 的 に分析 した研 究 を取 り上 げ. か ,あ るい は育児援助 を利用 して い な いの か ,検 討 す. る。. る必 要 が あ る と考 える。 あ る。育児援助 には与 える側 ―受 け る側 とい う関係 が. ,高 知 市 内 の 幼 稚 園 ・保 育 園 に通 園す る母子 を対象 に,母 親 の就労が夫婦 関係 や 親子 関係 の あ り方 を媒 介 と して ,子 どもへ の 影響 を. 成 立 す る。 自発 的 に形 成 され た 育 児 ネ ッ トワ ー クで. 分析 して い る。母親 の就労 が 子 どもに及 ぼす影響 に関. は,母 親 と与 える側 の 関係 や育児 をは じめ とす る母親. す る議論 の出発点 として,乳 幼児期 における「母親 の. の行動 や意識 に何 らかの 影響 があ るので はない だろ う. 重要性」 を指摘 した R.ス ピッツと J.ボ ゥル ビイの研 究 を挙げてい る。 ボウル ビイは,乳 幼児へ の母性的配. もう 1つ は,育 児援助 の受 け手 と与 え手 の 関係性 で. か。. 要 田洋 江 (要 田 1982)は. 慮 が長期間欠けると,子 どもの発達 に重大 な影響 を与 えるとし,こ のことを母性的養育 の喪失〈matemal dep― と名づ けたことで知 られてい る。 一般的に言 われてい る「母親 の家庭外就労 は子 ども. rivation〉.
(4) 甲南女子大学大学院論集第 3号. に悪 影響 を与 える」 とい う仮説 は ,こ れ らの研 究 か ら. 人間科学研究編 (2005年 3月 第 3節. ). ま とめ と再検討. 本章 で検討 した先行 研究 か ら見 出 された知見 は ,次. 派生 した もので あ る と要 田は指摘 す る。 しか し,要 田は この仮説 へ 3つ の 問題点 を提 示 して. の 通 りで あ る。 まず育 児不安 の研 究か ら,第 1に. ,母 親 が就 労 して. い る。 まず ,子 ど もを数時 間保育所 に預 け るこ とを ス ピツツや ボ ウル ビ ィの概 念 を拡大 しようす る こ とへ の. い る こ とで ,子 どもと物理 的 ,精 神 的 な距離 を とる こ. 危険性 で あ る。次 に,子 どもの問題発 生 には ,母 親 の. とがで き,そ れが 母親 の 育児不安 を低 減す る要素 とな. 就労 と他 の 要 因が か らむ ことで起 こる可能性 もあ り. ってい るこ とが わか った。第 2に ,保 育所 な どの育児. 反対 に母親 が家庭外 で就労 して い ない か らとい って 間. 援助 が あ る こ とも育児不安 を低減す る一 因 となってい. 題 が発生 しない わけ で はない 。母親側 の 条件 の 違 い に. る。 第 3に. ,. よって影響 が異 なる点 であ る。最後 に,母 親 を と りま. ,専 業主婦 と同様 に,妻 が 夫 の育児参加 を どの よ うに評価 して い るか ,主 観 的 な認知が育 児不安. く状況 が変化 し,安 心 して預 け られ る保育所 の増加 や. の 程度 と強 くかか わ ってい る。. そ の他 の援助機能 ,あ るい は母親 自身 の価値規範 の 変. 次 に,母 親 の就労 と子 どもの発達 の 関連 につい ての. 化 に よつて ,何 らかのか たちで仮説 に変化 を与 えるの. 研 究 か らは ,母 親 の就労 の有無 に よる,子 どもの発達. で はない か とい う点 であ る。. へ の 影響 に有意 な差 は見 られ なか った こ とが 明 らか に. 要 田 の研 究か ら得 られた主 な知見 は ,次 の とお りで. 慮 せ ず にその まま命題 を使 い続 け る こ とへ の危険性 も. あ る。 第 1に ,両 群 の 男 児 ・女児 の個 人内感情 の発達状 態 に差 は 見 られなか った。 この こ とか ら母 親 の就労 が 子 ど もに悪 影響 を与 え る とい う命題 を否 定 した点 で あ. 見出せ た。 以上 の点 を評価 しなが らも,筆 者 は次 の よ うな点 を 考慮 す る必 要 が あ る と考 える。 育児不安研 究 で は,就 労 して い る母親 の 育児不安 の. る。 第 2に ,共 働 き母親群 では両親 間 の和 合 の 高 さが男 児 の個 人内感情 の発達状態 に肯定 的 な関連 が見 られ. な った。 1950年 代 の 命題 の 拡 大 解 釈 や社 会変 化 を考. ,. 程度 に関 わ る育児援助機能 の 内容 には触 れ られて い な い 。 どの よ うな育児援助 に よつて母親が育児不安 に陥. 父親 の 育児役割参加 の 高 さは女 児 の個 人内感情 の発達. らな いの か ,あ るい は育児不安 の程度が高 い就労す る. 状 態 に肯定 的 な関連 が見 られ た点 であ る。. 母親 は どの よ うな育 児援助機能 を利用 して い るのか. 第 3に ,専 業母親群 で は共働 き母親群 とは逆 に,父 親 の育児役割参加 の 高 さと男児 の個 人内感情 の 発達 の. ,. 検討す る必 要が あ る。 また ,母 親 の就労 と子 どもの発達 へ の影響 に有意 な 差 は見 られ なか ったが ,こ こで は保育所 な ど家族外 の. 間 には否定 的 な関連 が見 られ た点 であ る。 以上 の結 果 か ら,母 親 の就 業状 態 に よる子 どもの情. 育児援助機能や育児 ネ ッ トワー クが子 どもの発達 に ど. 動特性 に違 い は見 られ なか った。 しか し共働 き母親群. の よ うな影響 を与 えるか触 れ られて い ない 。子 どもの. は ,専 業母親群 よ りも,家 族 関係 が良好 で あ る こ とが. 発達 へ の影響 には,複 数 の 要 因が 関係す る と思 われ る. 男児 に とつて必 要 で あ る と指摘 して い る。. ため ,家 族 内 の構造 か らだけで な く,家 族外 の 要 因 と. この ほか に,東 京都 内 の小学 6年 生 とその 母親 を対. の 関係 も検 討す る必 要 があ るだろ う。. 象 に した長津 美 代 子 の 調 査 研 究 (長 津 1982)で も. ,. 母親 の就労 の有無 と子 どもの 自主性 との 間 に有意 な関. 第. 3章. 父 親 の 役 割 と子 育 て 支 援 策. 連 は見 られて い ない 。 また小 泉智恵 は ,MacEwenら の研 究結果 (MacEwen. 第 1節. 父親 の役害J. &Barling 1991)を 解釈 して,「 母親 自身が職業 と家庭. イエ 制度 の 崩壊 や産業 構造 の 変化 に よる職住分離 に. の 両立が で き,楽 しんで仕 事 を して い るこ とが ,質 的. よ り,家 庭 内 での父 親 の存在 や父親像 は曖昧 な もの と. に よい母子 の接触 を生 み 出 し,最 終的 に子 どもの発達. な った。 しか し,育 児 の主 な担 い手 と して の 母親 の存. に影響 す る」 (小 泉 1998:209)と 述 べ て い る。. 在 が強 調 され る一 方 で ,女 性 の社 会進 出は進み ,共 働. 要す るに,母 親 の就労 自体 が 子 どもの発達 に悪影響. き世帯 も増 加 して い る。 また育 児 不 安 研 究 にお い て. を及 ぼすのではな く,職 業 と家庭 の 両立が困難 な場 合. も,父 親 の 育児責任 の重要性 が見 出 され るな ど,も う. や 夫 との 関係 が 良好 で な い場 合 に,子 どもに影響 が及. 1人 の 親 で あ る父 親 の 役 割 が 注 目 され る よ う に な っ. ぶので あ る。. た。 まず ,育 児不安 と父親 との 関連 につ いて研 究 した も.
(5) 高橋. 円 :現 代 日本における「育児」研究の再検討. 37. の に,牧 野 カ ツ コ ら (1985)が あ る。牧 野 ら (1985). 加へ と繋がってい る。 しか し,夫 婦 の会話 は減少傾向. は ,乳 幼児 を もつ 母親 の育児不安 と父親 の生 活 や意識. にあることと,第 2に ,父 親が仕事 よりも家庭 に比重. との 関連 につい て調査研 究 を行 った。 そ の調査対象 に. をお き,家 族 と接触 で きる時間的な余裕があ って も. は ,母 親 だけで な く父親 も含 まれて い る。. 世話行動や規制行動 ,知 的刺激行動 は多 くなる傾向は あ るものの,父 子 のかかわ りであ る 5つ の領域すべ て. 父親 の育児 につい ての分担意識 ,育 児参加 の程度 や 母親 の社会活動 へ の 夫 の 理解 の程度 な どと母親 の育児 不安 との 関連 を分 析 した結果 ,次 の よ うな知見 が 得 ら れて い る。. ,. ,仕 事 よ り家庭 を重視 し てい ることを強調す る父親 でな くて も,仕 事 と家庭 を 同等 に大切 にしてい る父親であれば,子 どもへ の関わ は多 くならなかった。第 3に. 第 1に ,実 際 の 父親 の 家事 ・育児参加 や分担意識 と. り方 にはそれほど差 は見 られない。 む しろ仕事 と家庭. 母親 の 育児不安 には 関連 が な く,父 親 の分担意識 や 参. が同比重で,子 どもや妻 と接触 がある父親の方が ,質. 加状況 を母親 自身が好意 的 に受 け止 めて い るか ど うか. 的に高 い父子 の関わ りをもつ可能性 があることを指摘. に,育 児不安 との 関連 が あ つた。. してい る。. 第 2に ,夫 が 妻 の 社 会 参 加 に理 解 して い るか 否 か. このほかにも,柏 木恵子 ら (1996)の 『子 どもの発. は ,妻 の 育児不安 と関連 はなか った。 しか し,夫 が妻. 達 と父親 の役割』 をは じめ,父 親 の育児参加 に関す る. の社会参加 に理 解 を示 して い る場合 には ,妻 は積極 的. 実証的研究がなされてい る。. に社会参加 してお り,積 極 的 に社会参加 して い る妻 の. 第 2節. 育児不安 の程度 は低 か った。 第 3に ,妻 の社会参加 や就労 へ の夫 の実際 の理解 の 程度 に関係 な く,夫 の理解 の程度 を妻 が満足 して い る 場合 には,育 児不安 の程度 が低 い こ とが 明 らか に され た。 夫 の協 力 的 な態度 や意識 は ,妻 の 満足度 に関係 し. ,. しい ては母親 の 育児態度 に も影響 を与 える。 次 に,父 親 の生 活 や育児態度 に関す る研 究 を見 てみ た い。 牧野 (1987)は ,父 親 の家庭 生 活 と仕事 の忙 しさと. 子育て支援. 1989年 の 1.57シ ヨツクを皮切 りに合計特殊 出生率 は低下 を続け、一向 に止 まらない少子化へ の対策 とし て、1994年 に文部 ・厚 生 ・労働 ・建設 の 4省 合意 に よる「今後 の子育 て支援 のための施策 の基本方向につ いて. (エ. ンゼル プラ ン)」 が出された。. また 1998年 4月 には改定児童福祉法 が施行 され、 保育所 は従来の措置 に基づ く入所か ら、保護者 の選択 方式 が導入 されるとともに、各種規制 ・基準 の緩和や 弾力化 が図 られた。. の 関連 につい て考察 して い る。働 く父親が 自分 の仕事. この ような流 れのなかで、エ ンゼル プラ ンのひとつ. の忙 しさについ て どの よ うな意識 を もち,ま た父親 の. である「家庭 における子育て支援」 の内容や動向 を中. 忙 しさの程度 に よる,家 庭生活 や夫婦 関係 ,父 子 関係. 心 に、子育 て支援 に関す る研究 が なされて い る。「家. に何 らかの違 い があ るか ど うか ,見 出そ う と した。. 庭 における子育 て支援」 の具体的 な内容は、各市町村. 親 の仕事 の忙 しさとは関連 が な く,父 親 が 子 どもとの. の事業 として、既存 の保育所な どを利用 して「地域子 育 て支援 セ ンター」 を設置 し、育児 の相談指導や子育. 関係 を保 と う と努力 して い る こ とが 明 らか になった。. てサ ー クルの育成 を支援す ることが含 まれてい る。. そ の結果 ,父 親 の子 どもに対 す る関心 の程度 は ,父. また夫婦 関係 につい ては ,仕 事 が 1亡 しい父親 ほ ど,妻. まず ,1994年 以降盛 んになった行政 主導 の子育 て. か ら自分 へ の 関心 が 薄 れて い るだ ろ う と認識 して い る. 支援 に関す る研究 について見 てみたい。. と述べ て い る。. 木脇 と大山 (1997),木 脇 (1998)は ,大 阪府 K市 における公民館 による子育 てサ ー クルヘ の支援 と「育. また土谷 み ち こ (1992)は ,過 去 5年 間 の 父親調査 変化 につい ての比 較 や父親 の生 活実態 と父子 のかかわ. 児 ア ドバ イザ ー制度」 について考察 してい る。 公民館 による子育 てサ ー クルヘ の支援 の内容 は,①. り (遊 び行動 ,接 近行動 ,世 話行動 ,規 制行動 ,知 的. 担当の専門職員が適切 なア ドバ イスや協力 の提供 ,②. 刺激行動 の 5つ の領域 )と の 関連 につ い て検討 して い. 無料 で活動 にふ さわ しい場所 の提供 ,③ 継続的 な活動 資 金 の提供 ,④ リー ダヘ の精神 的 な援助 の 4点 であ. か ら,父 親 の仕事 の忙 しさと家庭生活 の実態 と意識 の. る。そ こで得 られた知 見 は,次 の通 りで あ る。 第 1に ,父 親 が家族 とともに夕食 を とる割合 が増加. る。サ ー クル活動 が軌道 に乗 るまで専門職員が リー ド. す るな ど,5年 間 で 父親 が 仕事 を重視 す る意識 は減 少. し,そ の後 はメ ンバーの 自主性 に任せ るかたちで行 わ. 傾 向 にあ り,家 族 へ の 関心 と家庭 を重 視 す る意 識 の増. れる。.
(6) 甲南女 子大学大学 院論 集 第 3号. サ ー クル活動 の波 及効果 と して ,父 親 の 地域活動 ヘ. 人間科学研究編 (2005年 3月. ). 支援 す る拠 点 と して設 置 され た「育児資 源 セ ン ター」. の 参加 やサ ー クル活動 の 自主 的 な継続 ,子 育 てか ら生. や 「家族 の ための資源 セ ン ター」 の活動 につい て ,オ. 活 ネ ッ トワー クと して の拡大 ,他 の 地域 の子育 てサ ー. ン タリオ州 の現状 を中心 に報告 して い る。 これ らのセ. クル との ネ ッ トワー クの 形成が挙 げ られて い る。 一 方. ン ター では ,子 育 て をす る家族 が必 要 とす る場所 ,情. で残 された課題 と して ,サ ー クル活動 に参加 して い な. 報 ,学 習 の機会 な どを提供 して い る。 これ らの子 ども. い (で きな い )働 く母親 や家 に 閉 じこ もってい る母親. 家庭支援 は ,母 親 と子 どもが孤立す る こ との な く育児. へ の支援 につい て指摘 して い る。. が 行 われ るため に設立 された ,い わば予 防型 の 育児支. 「育 児 ア ドバ イザ ー 制度」 は,育 児経験 の あ る女性. 援 と して機能 して い る。. に よる子育 てボ ラ ンテ ィアで ,大 阪府が養成 した もの で あ る。育児 ア ドバ イザ ー の 主 な活 動 内容 は,行 政が 主催 す る子 育 て に関す る教室 へ の 参加 や家庭 相談 員 の 活動 の補助 な どで あ る。. 第 3節. ま とめ と再検討. 本章 で検討 した先行研 究 か ら見 い だ された知見 は以 下 の次 の通 りであ る。. しか し問題点 と して ,育 児 ア ドバ イザ ー の 家庭訪間. まず、女性 の ライフス タイルの 変化、共働 き夫婦 の. 指導 が 禁止 されて い るため ,親 に対す る実際的 な援助. 増加 、 また制度 上 で は 1992年 4月 の 育 児休 業 法 の 施. が行 われて い な い こ とや ,育 児 ア ドバ イザ ーの 意欲 や. 行 に伴 い 、育児 にお ける父親 の役割 が注 目され は じめ. 能力 が生 か しきれて い な い こ とを才 旨摘 して い る。. た。 それ まで は育児 は母親 の仕事 とみ な され、父親 の. K市 以. 存在 が 軽視 されて い たが 、育児不安 と父親 の役割 との. 外 の 自治体 では定着 して い ない原 因 と して ,ボ ラ ンテ. 関連 につい ての研究 か ら、父 親 の 育児参加 の 重要性 が. イアの組織化が で きなか った こ とと予算 の 裏 づ けが な. 見 出 された。. また大 阪府 で は ,育 児 ア ドバ イザ ー 制 度 が. 父親 と子 どもの との 関係 に着 目 した研 究 で は、第. か った こ とを挙 げ て い る。. 1. この ほか に も横堀 昌子 (2000)は ,東 京都多摩 ニ ユ ー タウ ンにお ける行政 レベ ル と民 間 レベ ルの子育 て支. てお り、結果的 に母親 の 育児態度 に も影響 を与 える こ. 援 につ いて検討 して い る。 この なかで子育 て支援 の社. とが わか った。 第 2に 、仕事 の忙 しさの程度 に関係 な. 会資源 と して,子 育 て メ ー リ ング リス トや保育 園 の ホ. く、父親が子 どもについ て疎 くな らな い よ うに努力 し. ームペ ー ジな ど,イ ンター ネ ッ トを利 用 したサ ー ビス. て い る こ とが 明 らか になった。 しか し、育児 にお け る. を挙 げ て い る。. 父親 の役割 は、母親 の補助 的存在 に とどまって い る。. に、夫 の協 力 的 な態度 や意識 は 、妻 の 満足度 に関係 し. イ ンター ネ ッ トを利用す る親 が ,配 偶者 や 自分 の 親. 次 に、子育 て支援 につ い ての研 究 で は、第 1に 、 こ. か ら援助 を受 け て い な い傾 向 にあ る こ とや ,子 どもの. れ まで具 体 的 な子育 て支援 を受 け に くか つた専業主婦. 自身 の発達 を直接 支 えるのが ,他 者 との直接 的 な触 れ. の 育児が支援 の対象 とな り、 自治体 に よって支援 策 が. 合 い で あ る こ とを考 える と,身 近 な人か らの援助 が 受. 試行錯誤 されて い る様子 が 明 らか になった。 子 育 て支. け られ な い状況 は子 どもに とってあ ま り望 ま しくな い. 援 の活動場所 と して、児童館 や保 育所 が選 ばれ、子育. とい う先行研究 を挙 げなが らも,従 来 の ような行政 主. てサ ー クルや 「育児 ア ドバ イザ ー」 とい う行 政主導 の. 導 の規則 的 な子育 て支援 とは違 い ,イ ン ター ネ ッ トを. 支援 策 が講 じられて い る。第 2に 、直接 的 な支援 では. 利用す る こ とで ,場 所 や 日時 を限 定 されな い子育 て支. な く、 イ ン ター ネ ッ トを通 じた新 たな支援 の可能性 が. 援 が可能であ る こ とを示唆 して い る。. 見 出 されて い る点 で あ る。第 3に 、諸外 国 の 育児支援. 次 に,子 育 て 支援 策 に関す る先行研 究 と して ,諸 外. 策 や育 児支援 の現状 を検討 し、 日本 の子育 て支援 の模. 国 の子育 て支援 の現状 につい ての研究 があ る。 この う. 範 にな りうる政策 を学 ぶ こ とは大 い に注 目す べ き点 で. ちの ひ とつ に,小 出 まみの一連 の カナ ダの 保育 や子 育. あ る。. て 支援 に 関す る研 究 が 挙 げ られ る (小 出 1990,1991,. 第. 1993, 1994, 1996, 1999)。. 4章. 今 後 の 課 題 と展 望. 小 出が カ ナ ダの保 育 に着 目 した の は ,カ ナ ダ ・ オ ン タリオ州が ,核 家族 の育児機能 の 脆弱 さを見据 え,そ. 1980年 代 以 降,親 子関係 を提 える研究の ひ とつ と. れ を補 完 す る さまざまな ネ ッ トワー クを発達 させ て い. して「育児」研究が盛 んに行 われてい る。「育児」研. るためであ る。. 究 では,親 の側 =育 てる佃1に 焦点 をあて,育 児 にまつ. そ の一 例 と して小 出 (1991)は. ,家 庭 での子育 て を. わる現象を社会 の変化 を踏 まえなが ら捉 えて きた。育.
(7) 高橋. 円 :現 代 日本 にお け る「育 児」研 究 の再検討. 児 の主 な担 い手 と して の母親 を中心 に,父 親や家族外. これは育児 ネ ッ トワー クの機能が十分 に育 児 を支援 し. の育児援 助 につ いて考察 す る ことで ,こ れ まで の先 入. うる もので はない こ とか らの結果 なのか ,そ れ とも母. 観 を覆す知見が見 出 された。. 親 の就労やそ の ほかの行動 を規制す る機能 が含 まれ て. 育児不安研 究 にお い て ,夫 婦 関係 の重要性 が 指摘 さ. い るか らなのか 。地縁 や血縁 とは異 なる新 たな育児 ネ. れ た。母親 の 育児不安 の程度 が ,父 親 の育児責任 を ど. ッ トワ ー クの機 能 や ネ ッ トワ ー ク内 の 関係 性 に つ い. の よ うに母 親 が認知 して い るか に影響 され る ことが明. て ,追 究す る必 要 があ る。. らか になった。. 第 2に ,新 たに育児資源 の一 つ と して登場 した子育 て支援策 と育児 の 関係 を考察 す る こ とであ る。 そ の上. また ,母 親 が家族 外 との ネ ッ トワー クを もつ こ とや 母親 が 子 どもと物理 的 ・精神 的 に距離 を とるこ とが. で , どの よ うな母親 あ る い は家庭 が育児支援 を必 要 と. ,. 母親 の 育児不安 の低 減 に関係 す る こ とが 明 らか になっ. して い るか ,利 用 して い るか を再 検 討 す る必 要 が あ. た。 この 点 か ら,就 労 して い る母親 よ りも専業主婦 の. る。. 方 が ,育 児不安 に陥 りやす い ことが 指摘 された。 育児 ネ ッ トワー ク研 究 で は ,夫 ・祖 父母 ・地域 ・諸 機 関 な ど家族 内外 の 重層 的 なネ ッ トワー クが育 児 を支 えて い る こ とを明 らか に した。 また与 え手 に よって育. 第 3に 、 日本 と諸外 国 との 国際比較 を試み、わが国 の子育 て支援 の 問題 点 を明 らか にす るこ とであ る。 そ の場 合 、 カナ ダの事例 を取 り上 げ る こ とがふ さわ しい こ とは、第 3章 で示唆 してお い た。 カナ ダ・ オ ン タリ. に よつて育 児援 助 の 内容 が異 な る こ とを 明 らか に し. オ州が育児支援 策 を打 ち出 した背景 には、移民 問題 が あ る。 日本 の 現 象 とは全 く異 な る社 会 的背 景 を もつ. た。. が、母親 と子 どもの置 かれて い る状況 に類似 して い る. 児援助 の 内容 は異 なる こ と,母 親 の就労 の有無 や地域. 育児不安研 究 や育 児 ネ ッ トワー ク研 究 は ,新 たな育. ところがあ るのではない か、 と思 われ るか らであ る。 先行研 究 で は,母 親 の就労 の有無 に関 わ らず ,育 児. 児 ネ ッ トワー クの構 築 の必 要性 を示 した。 母親 の就労 と子 どもの発達 の 関連 につい ての研 究 か らは,母 親 の就労 の有無 に よる,子 どもの発達 へ の影. 不安 に陥 る危険性 の あ る母親 の特徴 や孤立 しやす い 母. 響 に有 意 な差 は なか った。 1950年 代 の 命題 の 拡 大 解. 親 の特徴 は見 出 されて い る。 しか し解決策 と して の子 育 て支援 の研 究 で は,子 育 て支援 を実際 に利用 して い. 釈 や社 会変化 を考慮 せ ず にその まま命題 を使 い続 け る. る母親 に着 目 し,支 援 内容 の検討 を試 みが ちであ る。. こ とへ の危険性 も見 出せ た。 父親 と子 どもとの 関係 に着 目 した研 究 で は,仕 事 の. む しろ,利 用 しな い (で きない )母 親 に着 目 し支援 策 の 問題点 を解 明す るこ とや ,利 用す る必 要 の ない 育. 忙 しさの程度 に関係 な く,父 親 が 子 どもについ て疎 く. 児 に着 目 し,質 的 に検討 す るこ とで新 たな知見が得 ら. な らな い よ うに努力 して い る ことが明 らか になった。. れ るので はない だろ うか。. しか し,育 児 にお ける父親 の役割 は ,母 親 の補助 的存. 法制度 ,環 境 の変化 や先入観 を くつ が えす研 究結果 の発 見 と人の意識 には,時 間的 な隔 た りがあ る。 特 に. 在 に とどまって い る こ とは忘 れてはな らない 。 援 の対 象 に専業主婦 の育児 が 含 まれ る よ うになった こ. 育 児 にはその隔 た りが 強 くあ らわ れ て い る。未 だ に 「3歳 まで は 母 親 の 手 で」 と い う考 え方 は 残 っ て い. とが大 い に注 目すべ き点 であ る。 また行政 レベ ル ,民. る。 しか し,少 しず つ で はあ るか もしれ ないが ,育 児. 間 レベ ルでの試行錯誤が繰 り返 され るなかで ,子 育 て. に も何 らかの変化が現 れて い るに違 い ない 。. 子育 て支援 策 につい ての研 究 で は,ま ず ,子 育 て支. 支援 を提供 す る組織 の形成や予算 的 な裏 づ けの重要性. 以上 の点 を追究す る こ とは,育 児不安 ,育 児 ネ ッ ト ワー クや子育 て支援 とい う言葉 が一 般 的 にな った現在. が 指摘 され た。. 1980年 代 以 降 の「育 児」研 究 を全 体 的 に見 る と. ,. の育児 を とらえなおす こ とに繋 が るだろ う。. 育児不安研 究や育児 ネ ッ トワー ク研 究 で見 出 された問 題 点 を,子 育 て支援 で解決 しようとす る現状 が うかが える。 今後 の研 究 課題 と して ,筆 者 は 次 の 点 を指摘 した い。 第 1に ,新 たな育児 ネ ッ トワー クの動 向 で あ る。落 合 は,都 市部 の 育児 ネ ッ トワー クを利用 して い る母親 の就業す る時期 が比 較 的遅 い傾 向 にあ る と指摘 した。. 引用・参考文献 Bowlby, J。 , 1951, Matemal Care and Mental Hcalth, World. Hcalth Organization.黒. 田実郎訳,1967,『 孝L児 の精神衛. 生』岩崎学術 出版社 Anderson, Kinl 1998,A Canadian child welfare agency for ur―. ban natives: The clients speak,Child Welfare Vol.77 Shields, Craig 1995, Improving the life prospects of children:. A conllnunity systcms approach,Child Wclfare vol.74.
(8) 甲南女 子大学大学 院論 集 第 3号. 40. Ying,Jane B五 thwaite,Joann kogon,Rise 1998 Needs assess― mcnt of child care centrcs in the forIIler city of Toronto,Ca―. nadian Journal of Public Hcalth Vol.89. 伊 志 峰 美 津 子 ,2001,「 カ ナ ダの 子 育 て 家 庭 支 援 か ら学. 人間科学研究編 (2005年 3月. ). 安 について」『小児保健研究』第 45巻 第 3号 290-293 佐 々木保行 ・佐 々木宏子 0中 村悦子 ,1979,「 孝L幼 児 をも つ専業主婦 の育児疲労 (第 1報 )一 生活心理学的 アプ ロ ーチ」『宇都宮大学教育学部紀要』第 1部 第 29号 2143. ぶ」杉 山千佳編 『現代 の エ スプ リ』 第 408号 ,至 文堂 伊藤 わ らび ,2000,「 母親 の就 労 の 有無 に よる育 児 の 諸 問. 佐 々 木 保 行 ・佐 々 木 宏 子 ,1980,「 孝L幼 児 を もつ 専 業 主 婦. の 育児疲労 (第 2報 )一 生活心理 学 的 アプ ロー チ」『宇. 題」,『 大妻女子大学紀要家政系』第 36号 177-198 落合恵美子 ,1989,『 近代家族 とフェ ミニズム』勁草書房 落合恵美子 ,1994,『 21世 紀家族へ』有斐閣 柏木恵子 。中野 由美子 ・牧野 カツ コ編 ,1996,『 子 どもの 発達 と父親の役割』 ミネルヴァ書房 神谷育司 ,1998,「 現代社会 における父性 の問題」黒柳晴 夫 0山 本正和 。若尾祐司編 『父親 と家族 ―父性 を問 う』. 都宮大学教育学部紀要』第 1部 第 30号 佐 藤 達 哉 ・菅 原 ます み 。戸 田 ま り・島. H-25. 悟 ・北 村 俊 則 ,1994,「 育児 に関連す るス トレス とその抑 うつ 重症 、 度 との関連」『′ 亡 理学研究』第 64巻 第 6号 409-416. 末盛. 慶,2002,「 母親 の就業 は子 どもに影響 を及ぼすの. か ―職業経 歴 に よる差異」『家族社 会学研 究』第 13巻 第 2号 103-122. 110-135早 稲田大学出版部 木脇奈智子 ,1998,「 子育 てネ ッ トワー クに関す る考察 三 子育 てサ ー クルの類型 と今 日的課題」『家族関係学』No.. 長津美代子 ,1982,「 母親 の就労が子供 の 自主性発達 に及 ぼす 影響 ―東京都内 の調査結果 か ら一」『ソシ オ ロ ジ』 第 26巻 第 3号. 17 13-22. 木脇奈智子 ・大山治彦 ,1997,「 地域 における子育 て支援 ネッ トワー クに関す る研究 (第 1報 )一 行政 による支援. 冬木春子 。本村 汎,1995,「 父役割が父親 自身 に与 える 『大阪市立大学生活科学部紀要』第 44巻 253-260 影響」. の あ り方」『羽衣学園短期大学研究紀要』 (家 政学科編. 牧野 カツコ,1982,「 孝L幼 児 をもつ母親 の生 活 と く育児不 安〉 」『家庭教育研究所紀要』第 3号 34-56. ). 第 33巻 73-81 小 泉智恵 ,1998,「 職 業生 活 と家庭 生 活 “ 働 く母 親"と "」 “ 働 く父親 柏木恵子編 『結婚 ・家族 の心理学 家族 の発達 。個人の発達』 185-232 ミネルヴァ書房 小 出 まみ,1990,「 カナ ダの保育 と子育 て事情」『市 立 名 寄短期大学紀要』第 22巻 171-211 小 出 まみ,1991,「 カナ ダの保育 と子育 て事情 (第 二 報 資源 セ ン ターの役割 と現状」『市立名寄短期大学紀 要』 ). 第 24巻. 牧野 カツ コ,1983,「 働 く母親 と育児不安」『家庭教育研 究所紀要』第 4号 67-76 牧野 カツコ,1986,「 働 く父親 の家庭生活 と意識―仕事 の 忙 しさとの関連 ―」『家庭教育研究所紀要』第 8号 42 -51. 牧野 カツ コ,1987,「 孝L幼 児 を もつ 母 親 の 学 習活動 へ の 参 加 と育 児不安」『家庭教育研 究所紀 要』 第 9号. 1-13. 牧 野 カ ツ コ,1989,「 〈育 児 不 安 〉の 概 念 とそ の 影 響 要 因. H7-139. 小 出 まみ,1993,「 カナ ダの保育 と子育 て事情 (第 三 報 一家庭 における障害児 の養育 を支援する制度 ―」『市 立 ). 名寄短期大学紀要』第 25巻 28-44 小 出 まみ,1994,「 カナ ダの保育 と子育 て事情 第四報 ―オ ンタリオ州 の保育改革案 と資源事業 一」『市立名寄短期 大学紀要』第 26巻 65-71 小出 まみ,1996,「 カナ ダの保育 と子育 て事情 ―家族資源 セ ン ターの発展 と現状 ―」『市 立 名寄短期大学紀要』第. 28巻 小 出 まみ,1999,『 地域 か ら生 まれる支 えあ いの子育 て』. についての再検討」『家庭教育研究所紀要』第 10号 23 -31. 牧野 カツ コ,1989,「 母親 の就労 と家族 関係」『教育社会 学研究』第 44集 50-70 牧野 カツ コ 。中西雪夫 ,1985,「 孝L幼 児 をもつ母親 の育児 不安 ―父親 の生活お よび意識 との 関連」『家庭教育研究 所紀要』第 6号 H-24 汎 ・儀 田朋子 ・内田昌江 ,1985,「 育児不安 の社会. 本村. 学的考察 ―援助 システムの確立 に向けて」『大阪市立大 学生活科学部紀要』第 33巻 231-243. ひとなる書房 越 良子 0坪 田雄二 ,1991,「 母親 の育児不安 と父親 の育. 八木成和 ,2002,「 子育 て支援 に関す る最近 の研究動向 を め ぐって」『四天王寺国際仏教大学紀要』291-302. 児協力 との関連」『広島大学教育学部紀要』第 1部 第 39. 要田洋江 ,1982,「 家族関係 と幼児 の情動特性 との関連 に つい て一共働 き母親群 と専業母親群 との比較」『大阪市. 号 181-185 小山隆編 ,1973,『 現代家族 の親子関係』培風館 坂岡康子 ,1976,「 家族 における社会化研究 ―核家族 の役 割文化論」『熊本短大論集』第 53号 31-50 佐 々木英子 ・清水几生 ,1986,「 孝L児 をもつ母親 の育児不. 立大学生活科学部紀要』第 30巻 317-329 横堀 昌子 ,2000,「 子育 て支援 と社 会資源 の活用」『青 山 学院女子短期大学総合文化研究年報』55-71.
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