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製造業における現場活性化の研究 - 製造業の現場で働く人たちがいきいきと仕事をするために -

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(1)5 6. Mem. School .B .O . S .T .K i n k iU n i v e r s i t y NO.3:5 6 8 0( 19 9 8 ). 製造業における現場活性化の研究 一製造業の現場で働く人たちがいきいきと仕事をするために一 長岡一三. 1.まえがき. 「人にやさしい」生産ということがよくいわれているが、生産の場で「人にやさしい Jと はどういうことを指すのだろうか。筆者自身、長年生産というものに携わってきて、. 「やさ. しい」と感じられたのはどういうときであったかを振り返ってみると、それは仕事に「生き がい」を感じた場合であったと考えられる。そしてこの「仕事に生きがい」が感じられたの は、それに到達する過程には苦労(やさしくないこと)を体験しても、仲間と心を一つにし て、作業や結果が社会的正義に沿い、企業倫理に照らしても正しいと認められるような仕事 に力を合わせ、それを成し遂げた場合などに顕著であったと記憶している。このことは筆者 だけの実感ではないのは後程述べるとおりである。 ここでは、生産の場で生産に従事するすべての人たちが、どうしたら「生きがい」を感じ て働けるかということを考察し、生産現場の第一線にこのような状態を恒常的に実現するた めの仕組みなど、について研究した結果を述べる。. I I . 現場のやる気とリーダーの影響力. 1 .I 生きがい」とはどういうことか リーダーの力量がその指導するチームに大きな影響を与えることは、歴史上の著名なリー ダーたちを振り返るまでもなく、生産の場で日常的にしばしば経験するところである O 例え ばある装置を組み立てる場合に、同じ作業員のクゃループが、単にリーダーを変えるといった ことだけで、数倍もの速さで装置を組み上げられるようになるといった実例を筆者は何度も 目にしてきた。 試みにリーダーがする「激励」というものの効果を取り上げてみた場合でも、その影響力 の大きいことがわかる。現場で作業員に 4時関連続して単純なねじ締め作業を繰り返させた 場合、休憩時間ごとにリーダーが「がんばれ!JI 君ならできるはずだ. ! J などと真剣に声. をかけ続けたときと、まったく激励をしなかった場合の成績を測定したことがある(1)。そ. J と、「トル の結果では、ネジを一定のトルク値で締めつける場合の「サイクルタイム(秒) D e p a r t m e n to fI n t e l l i g e n tM e c h a n i c s,K i n k iU n i v e r s i t y,Wakayama6 4 9 6 4 9 3,Japan.

(2) 5 7 ク値の正確度」は、いずれも声をかけた場合に、それぞれ数 10% 、数%向上するという結果 が得られた。なおこのとき同時に作業方向の影響についても実験したが、明るい窓の方を向 いて作業する方が有利という結果であった。ただし方向については作業の内容によって結果 の異なることが考えられ、普遍的な結果とは言い難い。 では、現場の人たちはどのようなときに、どうしたらやる気を起こすのだろうか。作業員. 2 5 9人に「理想の仕事Jについてアンケートした結果 (2)では、「仕事にやりがい(生きがい) 7%) や「仕事が楽J(4%)などの答え がある」が 65%で、「給料や休日が多い J(合計で 2 を大きく上回った。この結果から彼らの多くが「やりがい(生きがい ) J の感じられる仕事 に就きたいいと願っているということがわかる。このような結果は生産の場だけではなく、 学生やサラリーマンを対象としたアンケートでもほぼ同様の結果が得られることは以前から 言われてきたことである. 。 ). (3. 次に作業員が「生きがい」を感ずるのはどのような場合だろうか、上と同じ作業員を対象 としたアンケートの結果. )では、「努力を成果に繋げ、周囲に認められたとき」が 57%、. (4. 、「自分が成長したと感じたとき」が37% 、 「自由な雰囲気で、発想、発言できるとき」が40% 「仲間との連帯感を感じたとき」が 35% 、そして「社会に働きかけ、貢献したと感じたとき」 が13%であった。この結果は場所を変えても、また何回繰り返しても同様の答えが返ってく る 。 これらの結果から、現場で働く人たちは、「雰囲気が自由」で「自由に発言ができ」、「仲 間と心を一つにして」動き、「成果が上がり JI それが認められJI 自分も成長したと感じる」 ときには働くことを決して厭わないということがわかる。そしてこれは、いわゆる. I Q Cサー. クル活動」が理想とするところと同一である。. 2 .I ゆとり」が大切である 人間が自由であると感じるのは「ゆとり Jのあることを意識した場合である。筆者の経験 でも、量産品の場合、「作業標準」や「標準作業」の時間設定に、各作業ごとに 1秒程度の 余裕をとるようにすれば、そのような標準であるということを意識するだけでも心理的にゆ とりを感じられるものである。そして長時間緊張を強いられるような作業の場合には、これ によって作業そのものも確実にできるし、考える時間もできて、安全面や品質面からみても 有利である。現場の作業で、サイクルタイムを次第に短くしていったり、できた品物を横で 待っていて、できあがり次第に持ち去るような場合には、作業する人の手足の動きに次第に.

(3) 5 8. Memoirso fTheS c h o o lo fB . O . S .T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN O . 3( 19 9 8 ). 滑らかさが失われて、いわゆる「シドロモドロ」の状態になるものである。. 3 . 満足感が感じられること 現場の不満が改善に繋がるという考え方もあるが、その場合の前提になるのは、あくまで も現場に問題を解決していこうという意欲があってのことである o 従って当事者にその気が ない場合には不満は解決されないままに放置されるだけである。また自分たちでは、とうて い解決の目途がたたないような問題に対しても同様である。このような場合、不満は内向し て響積し、返って不満を助長するものである。 現場における不満の多寡が、現場の業績に影響を与えるという例は多い。例えば現場の不 満とその不良率との関係を調査した場合 (4)、いずれも不満が多い職場程不良率は高くなっ ている。この調査では、併せてその後 2年間にわたって対策を施した後の結果も測定したが、 やはり同様の相関が認められた。ただし後者の場合には、人間の熟練の影響についても考慮 する必要があるのは言うまでもない。 職場における不満というものは千差万別であるが、その不満を減らすためには、上の 1項 に述べた点などから考えて、「現場を自由な雰囲気にして、仲間と力を合わせてできる、成 果の上がりやすい仕事を与え、それらに対して自由な発言を期待し、彼らが挙げたどのよう に些少な成果に対しても心から賞賛を与え、彼が仕事を通じて成長したことを示すように漸 進的に難しい仕事に取り組ませること」が必要である。これは要するに、作業員を「認める」 ということに尽きるといえる。彼ら一人ひとりをそれぞれ一個の人格として認めるというこ とからスタートして、彼らの仕事を親身になって考え、彼らの成長に力を貸すということで ある。有名な「ホーソン実験. (5). Jが示すように、人聞は自身が「認められた」と信じたと. きには、驚く程の力を発揮するものである. (6)0. 4 . コミュニケーションが大切である 人間が相手を認めるためには、相手を信じていなければならない。そして信じるためには 相手に愛情を持つことが必要である。愛情は理屈ではないが、リーダーはどのような理屈を つけてでも、それを手中にしなければならない。これには、相手と接触を繰り返し、相手を 徹底的に知り尽くそうとする意欲がポイントになる。相手を知らずして、彼に愛情を持てる わけはないし、どうしたら愛情を持つことができるかを知るためには、彼と付き合ってみな ければわからないからである。.

(4) 5 9 こうして、現場における一人ひとりとのコミュニケーションの大切さが理解できる。コミュ ニケーションの際には、近寄り、相手の顔や反応を観ながら、直接彼が考えていることを聞 き出し、こちらの意図することも伝える。デル・カーネギーの勧める「人に好かれる 6原. Jのすべてがコミュニケーションによってしか手にできないものでばかりであるとい. 則(7). うことは象徴的である。. 5 . 一人ひとりに問題の発生を予見する 人間は一人ひとりで一日のうち、また季節や年間を通じて、いわゆる体内周期が決まって. J というものが存在するということ おり、時間生物学でいう「生物リズム(バイオリズム ) が言われている. (8). 。これが人間にどのような影響を持つかは明確ではないが、作業結果を. みていると、個人的に出来高やミスの発生などに大きな波のような変動が感知される。これ にさらに休暇と休暇との間三そして長期休暇の前後などにも、個人ごとに独特の現象が起こ ることが認められる。 一人ひとりについて、どういったときにどういうことが起こりやすいか詳細なデーターを 取得して置き、個人ごとに対応するということが大切で、それには一人ひとりとコミュニケー ションすることによって、それを掴むということが、最も着実的確な方法である。. 6 . 自主保全の重要性 筆者の経験では、現場で設備を使用している人自身が、自らの意思で定期的にその設備を 分解点検し、問題点を発見して未然、に対策を施す場合には、次のような効果が期待できる。. (1)設備に対して愛着が生まれ、扱いが慎重になり、刃具の交換、注油、部品の更新など のメインテナンスが的確に実施される. (2)設備の構造や操作方法の短所に気付きやすく、改善箇所や方法も発見しやすくなる (3) 故障した場合にも自力で修理ができるから、生産の品質・原価・納期などへの責任を 自覚するようになる. (4) 定期交換用や修理用の諸部品を確実に確保し、またそのための工具類の整備も完全に なる. (5) その設備に対する専門家としての於持が生まれ、他人からも一日置かれ、満足感を持つ て仕事ができるようになり、人間として幅ができ、ヒューマン・リレーションもスムー ズになる.

(5) 6 0. Memoirso fTheS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN O . 3( 19 9 8 ). 7 . 設計部門との連携プレーの必要性 製品の原価はその 80%までが企画設計段階で決まると言われてきたが、最近の現場では、 個客への QRが重視されるようになって、品質・納期面で従来にない厳しい対応を迫られ る半面、生産計画を無視した緊急割り込み、入れ替え、仕様変更などが頻発している。加え て品質工学的な見地から工程の見直しの指示や、コンカレント・エンジニァリングの実施で 製造部門も参画するデジタル・モックアップなどの作成やそれの検討が行われるに至って、 現場は図面を受けて現在の工程で従来通りつくっておればよいといった今までの考え方は次 第に通用し難くなっている. (9). 。またマイクロ・エレクトロニクスなど技術の進歩とともに、. 高性能の加工・搬送設備が設置されるようになり、図面通りで設備やシステムの性能が十分 発揮できるかといったことも検討しなければならないようになった。このような状況にあっ て、なお受け身の姿勢をとり続けることは、単に現場の混乱を招来するということだけでは なく、企業全体としても好ましい状態とは言い難い。また現在では製造部門といえども、従 来のように、デザイン・レビューに参加して、ただ自分たちがっくりやすいかどうかといっ た視点からものを見るということだけではなく、社会が指向するところにも目を凝らし、地. 80規格なども勘案して、積極的に 球環境、省資源、 PL (製造物責任)、安全面、新しい 1 設計部門に物申すことのできるレベルにあることが望ましく、現場にはこういった方面の教 育も期待されている。. 8 .1 T(情報技術)へ積極的な対応をする. POP (生産時点情報)を皮切りに 1 T化の波が現場にも急速に広がり、着実な対応が求め られるようになって、これを他社よりいかに早く駆使し、また自社に適切な内容に改善で、き るかが、現場の、そして企業の死命を制するようになってきた。このためには、職場のリー ダーが単にトップタウンで与えられるシステムに取り組むというだけではなく、現場のレベ ルや投入可能な人材の実状を考え、現場に即した新しい発想から提案をし、討議の結論にし たがって、その構築のために率先して行動するということに尽きる。ただしこの場合単に現 場に良いからというようなことではなく、大局的に企業全体を観て、ネットワークの一環と して現場のシステムをとらえることが大切である。. 9 . 科学的な測定を考える(10) 働く人間の筋力や脳波などを測定して、作業が人間に与える負担を評価することが可能で.

(6) 6 1 ある。例えば筋力については、作業時の筋電位を測定することによって比較的容易に負担の 程度が判断できる。とくに負担感はその作業で発生する筋電位の最大筋電位に対する比率の ぺきによって、決まるとされ、先進的な製造業では現場の作業負担の軽減化や自動化への切替 え順位の判断などに利用されている。脳波は個人差もあるが、その測定によって作業する人 間の不満の程度を客観的に判断することができる。習熟している作業を中止し、慣れない作 業を強制されたときなど、不満は脳波のアルファ波の減少となって現れる。この対策として スポーツ選手などに実績のあるイメージ療法を利用すれば不満はある程度解消することがで きる。これからの人間にやさしい職場をつくるためには、こういった人間工学面の知識も利 用しなければならない。. 1 0 . 創造性を引き出す 今後の製造業は、もはや従来の路線の踏襲では生き延びられない。従業員全員が知恵と創 造力を駆使して、すべてのものを見直し、現状を変えることに一人ひとりが執念を燃やして 競い合うことが必要とされる時代である。製造部門といえどももちろんその埼外ではない。 筆者の経験では、人聞が創造力をかきたてられるのは、自由な雰囲気に置かれ、自身に目 的を持ちながらこれに挑戦をするときと、切羽詰まった状態にあって、目的に熱中せざるを 得ない場合のいずれかである。現場にこのような環境をっくりだすためには、さまざまな演 出が必要であるが、人間はガイド次第で、誰しも潜在的に創造力を発揮できる可能性を秘め ていることを確信し、手を変え品を変え、飽くことなく工夫とチャレンジを繰り返すことが 必要である ω 。. 1 1.地球環境を重視する 地球環境の重視があってはじめて人間尊重の立場を貫くことができる。例えば現在「ごみ ゼロ工場」や「エネルギーの再利用」を誇る工場がいくつも誕生している ω が、いずれも マスコミをはじめとする衆目のもとで、従業員の提案と自主性によって、社会的使命感を育 成することで成功している。. 1 2 .I 人間と設備が調和した工場」にする 「これからのニューファクトリーとは Jという質問で、大阪科学技術センターが行った近 畿圏の機械メーカー 8 0 0 社を対象としたアンケート結果 ω によれば、経営者、工場責任者、.

(7) 6 2. Memoirso fT h eS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN . o3 ( 1 9 9 8 ). 実務担当者を問わず、その大多数が「人間と設備の調和した工場」と回答している。 文献(凶などを参考として考えられる「人間と設備が調和した工場」とは、. (1)あらゆる生産資源(人、設備、資材、方法など)に対して人間の創意工夫が生かせる (2) 設備を人間がゆとりを持って使用でき、それが働きかけただけ反応する (3) 設備に人聞が「使っている」という実感を持て、仕事に親近感が感じられる. ( 4 )技術の習熟が実感できる (5)快適に働ける工場。はじめに経営があるというのではなく、人間がいて、生活があり、 そして仕事があるという、環境重視、人間尊重の工場でなければならない。 上記のアンケートは、当時がいわゆるバブルの時代であり、仕事の過多や労働力の不足を 憂える回答者の心 情が回答に余裕の必要性を強調したいという衝動となって現れたのは否め J. なし、。しかしその後大阪科学技術センターが運営して開催したニューファクトリーセミナ一、. 3 0件の意識調査 ω にお また東京商工会議所が中小・中堅企業の会員を対象に行った回答数8 いても、理想の工場とは上の 5項目と同様の内容になっている O ただし東京商工会議所のア ンケートでは、上述の回答と併せて、ニューファクトリー化について、当面は障害が多く、 進展もはかばかしくないことを伺わせる内容になっている O しかしその回答にもあげられて いるように、人間にやさしいニューファクトリー化には実質的なメリットが多く、回答中で 障害とされている「日常の業務に追われ余裕がない Ji 企業内部でコンセンサスが得られな 企画などする人材なし」などの諸点を排除するためには、リーダーたちの力量に期待 いJi されるところがきわめて大きい。. m . 具体策 現場のリーダーたちを呼び集め、以上に詳述した点を踏まえて以下の申し合わせをする。. 1 . 何事にも渦中に入って手を汚し、現地、現物、現実から答えを出す 現場で問題が発生した場合、「なぜ」を 5回以上連発して真因に迫れということは、. トヨ. 9 5 3 年頃から言い始め(則、その後日本の高度成長期に広く各企業 タ自動車の大野耐一氏が 1 に普及した手法である。筆者はこの種の「なぜ」を「問題解決型のなぜ」と称し、別に「問 題発見型のなぜ」があることを主張し、その重要性について繰り返し言い続けてきた∞。 現場をよく知らない新人の「なぜ」に触発されて、改善につながったケースも数多い。まし てリーダーが初心に返って、現場で設備や工程ごとに、現地、現物、現実を見詰めて「なぜ」 と考えることを自身に義務付けた場合には、改善活動にも、品質工学的な工程の見直しをす.

(8) 6 3 る場合の力点、の置き方にも、あずかつて力あるものとなるはずである。そしてこの「なぜ」 と発意して、その問題を関係者たちとともに解決して行くときの充実感あふれるリーダーた ちの勇姿は、周囲のメンバーにも「なぜ」を考えさせる強い起爆力となるものである。. 2 .r 先達Jに徹して、「実践知」を身に着ける 「先達」ということは、生起するすべての事柄に対して幅広く洞察をするということが前 提になる。彼は常に慎重に検討し、深く考察し、諸々の可能性を勘案して方向を打ち出し、 実行し、結果をチェックし、さらに考察するといった過程を踏まざるをえない。責任感を伴っ たこれら一連の行動の繰り返しは、人間を錬磨する場合きわめて好都合なツールといえる O 「先達」とは人間の厚みを増す絶好のポジションであり、そこで実践し体得されたノウハウ から生みだされる知恵を「実践知」と称し、古くから芸能や武術の奥義に至る手段のーっと して尊重されてきた。リーダーは決して人後にあることなく、とにかく先頭に立つというこ とを第一義として、自ら障害の密林の中に分け入って路を切り開いていく気概が必要であ る(則。このためにはまず楓爽とした強い「先達」を自身にイメージしながら、いつでも真っ 先に手を汚し続けることであり、このときメンバーもリーダーの意気込みに魅了されて、次 第に後を追おうとするようになるものである。 現場に共通の分類記号をっくり、メンバーが現場で掴んだノウハウをすぐにノートやコン ビューターに記帳したり入力することによって、これを共通の知的所有権として登録して利 用する。これを「ノウハウ手帳」といっている ω が、このノウハウ手帳はできるだけ公表 の機会をつくって、設計などの上流部門や後輩たちに知らせて便宜を与えるようにする。こ の公開を「虫干し」と称し、優れたものは都度表彰の対象としてきたが、従来メンバーの机 の中や図面の下に隠してあった貴重な知的な財産が周囲に知らされ、利用されるということ は、技術の伝承にもつながり、メンバーに対し、物神両面できわめて有意義なことである。. 3 .r 根気、カラ元気、のん気」を信条とする. ( 2 0 ). 「根気」とは繰り返すということである。ただし例えば人を説得しようと思えば、ときと 場合を考えて、ある場合には引くが、次には押す、前から後ろから横から、直接話法、間接 話法などさまざまな視点から繰り返すことが必要である。場所についても職場だけではなく、 レクリエーションでの同室同浴(同室になって風呂にも一緒に入ること入家庭訪問をして 家族と交流をしている中でなど、知恵をしぼる O.

(9) 6 4. Memoirso fTheS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN o . 3( 1 9 9 8 ). 「カラ元気」とはつけ元気のことで、本来元気だけというのは感情が先行しがちで、猪突 猛進に繋がるのに対して、つけ元気では常に事態を十分に見極める冷静さがある。装った元 気は当初は見透かされやすくても、これはやがて本物の、「落ち着いた元気」に変わってい くもので、この本物の元気がプラス思考を育て、自分自身を奮起させるエネルギーの源泉と なるのである。 ここで言う「のん気」とは明るく枝葉末節にこだわらないことをいう。ただしだ洋として はいるが必要な手は確実に打たれているという姿勢のことである。これには大切なことをき ちんと見抜ける力量が備わっていることがポイントである。そしてこのためには自身の勉強 と、情報を集めるルートが確保されているということが前提になる。 これらの 3つの信条の実行を日々確認するために、チェック結果を毎日、カレンダー. (KKNカレンダーという)に記帳するように勧めてきたが、実際に壁のカレンダーに色分 けされて結果が掲示されるということになると、本人の真剣味も自ずから増してくるもので ある。. 4 . 職場のイベントは常に新鮮なテーマで、実施することを心がける (1)メンバーと話し合ってヒントを探す。ただし出てきたヒントはメンバーが自身で気付 いたように誘導する. (2)イベントの実行に際して、メンバー全員に必ず何かの主役を割りふる. (3)付近のラインに向調を呼びかける。少なくともこちらのイベントの評価は依頼する (4) QC大会や見学会に参加させて、他のチームのテーマをそのまま真似る (5)やる以上は QC大会への出場や、見学の受入れもできるレベルまでの成果をあげよう と誓い合う (6) 遊びの要素の高いものが長続きする。リーダーの似顔絵を用い、その表情や上げ下げ する位置で良否が自に見えるようにするといった方法やフェース分析結果の掲示など が有効である. ( 21 ). (7)計画は大きく掲示して、消し込み状況を目に見えるようにする (8) 目標を達成したときには、記念品の贈呈と併せて、掲示や表示をして以後の活躍を期 待する.

(10) 6 5. 5 . 情報を収集する 良質な情報は非常に大切なものだが、座していては決して手に入れることはできなし 1。ま ず、こちらから提供する情報次第で、他からの情報も得られるということと、自ら求めて歩 くという姿勢が大切である O このためには自身で手を汚して掴んだ日頃の体験や、自身のラ. 80などの新しい規格類、法税制、会社や世の中の動きなどについ イン、関連する技術、 1 ての日頃の学習や知識がポイン卜になる O 筆者は. 1 1 0本の指」ということを言ってきた仰. が、これは他の現場やほかの部門に出かけて、他人と話をしたとき指の爪にフェルトペンで. 0 人と情報を交換するように努力しようという意気込みを しるしを着け、一日に少なくとも 1 示す方法である。夕方指を見てみると今日一日の情報へのアタック程度がわかるという仕組 みである。また筆者は情報の収集を「大根抜き」にたとえているが、これは自分の手を汚し て掴めということと、抜いてみなければその品質はわからないが、畑(情報をもたらしてく れる人)には日当りや水捌けのよい土地を選び、これを十分に耕し、施肥や除草を確実に行っ ておけということを言っているのである。 また、「縁の下. していたはずが縁の上Jに注意するようにも言ってきた ω 。メンバー. はリーダーが自分たちの仲間であるかどうか常に観察している ω もので、「縁の上」に上がっ たリーダーに対しては、もはや正直な応答はしてくれなくなるものである。リーダーは自分 が現在していることが、縁の上の仕事か下の仕事かを常に確認して、いつも正しい情報を得 られるようにしておくことが大切である。 なお、情報の活用についてはすでに繰り返し詳述している仰が、情報というものはよく 吟味してとにかく行動に結び付けていくことが大切である。. 6 . 相手とよい関係をっくりだす ω 他人を好きになるには、相手にも好かれることである。人に好かれるには、先に触れたカー ネギーの「人に好かれる 6原則(7)Jが有名であるが、筆者は経験からさらに次のように言っ ている。. (1)各メンバーのいいところを見付けるようにする。どのような人も必ず優れたところを 持っているものである. (2) 常にものごとを解決しようとする熱意と誠意を態度で示す (3)約束したら、項目、期目、担当者を明確にし、誰の目にも見えるようにそれを黒板や 紙などに大きく書き留める.

(11) 6 6. Memoirso fTheS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN O . 3( 19 9 8 ). ( 4 )不満を抱いても、苦境に立たされても明るく応対し、協力に対しては感謝の気持ちを 率直に示す。これは形から入れば習慣にしやすい。不満を顔に出してみても状況は何 も良くならず、かえって悪くなることが多い. (5) 酒の席や電話ではとくに発言は慎重に、間違いのない応対をする (6) メンバーの健康維持には極力留意して、毎日の健康状態をチェックし、少しでも気が かりな点があればすぐにアクションをとる. (7) 笑顔だけではなく、挨拶のオアシス(おはよう、有り難う、失礼します、すみません〉 を厳守する. (8) メンバーの家庭訪問をして、家族にも自分の姿勢を観てもらう (9) ボランティア活動に参加して、他人に感動を与えることがすなわち自身の糧になるこ とを確かめる。そして. ( 1 0 ) 常に企業の採算に留意しながら、長い目で自分のラインの採算を考え、それをガラス 張りにして、利益をメンバーに公平に還元するように努力する。. 7 .r 声かけたかノート. ( 2 7 ). Jと「コミュニケーションカルテ ω 」を作成して活用する. 「声かけたかノート」の効果はすでに実証ずみであるが、とくにこのノートに毎日記帳す る「現場度」とは(ラインのそばにいた時間)に(手を洗った回数)を乗じたもので、現場 で手を汚して奮闘した実績を数値的に示したものである O この値は例えば 8時間勤務ならば. 3 5程度を標準としている。「コミュニケーションカルテ」には一人ひとりの経歴や家庭環境 なども記載する O ただしこのカルテはあくまでも「彼らに何をしてあげられるか」をチェッ クするための資料であることを忘れてはならない。 実際のコミュニケーションに当たっては、相手からも学ぶ点を見付け共に成長しようとす る気持ちで、全員に公平に、話し方を謙虚に、愛情をスキンシップで表現しながら、タイミ ングを重視し、結論が出るまで徹底して面倒をみることを眼目にする。そして何よりも重要 なポイントはそれを「継続する Jということである O なお、このコミュニケーションは、メ ンバー側の話・を聞き出すということだけではなく、リーダーはどうして彼らをモチベートし、 大きく飛躍させるにはどうしたらよいかという点に配慮しながら、こちらの意図するところ も説明して合意しあう場でもある。またその話し合いの過程では、リーダーの頭脳は最も俊 敏な反応を期待できる集中状態になることから、新しいアイデアも閃くし、問題を打開しよ うとする情熱も生まれるという利点がある。筆者は「コミュニケーションは真剣勝負で」と.

(12) 6 7 いうことをよく言うが、それはこの理由によるものである ω 。. 8 . 標準を「ゆとり」のあるように変える I . 2項 従来現場で使用されてきた標準類は余裕のない作業時間で組み立てられている。 I で触れたように、量産の場合には、これを一つの作業に l秒程度の余裕を加えるように改訂 する。新標準は紙色を変え、それとわかる意匠にして当事者のみならず衆目が集まるように. 1、 2、 3J と唱えるだ する。この標準を「イチニイサン標準」と称しているが、これは f けの余裕を持たせている標準という意味である。この標準を使用するときには周囲からの注 目もあり、使用する人間の自覚も醸成されて、とくに安全面、品質面で高い効果が得られ、 出来高の減少などは十分にカバーすることができる。. 9 . 環境にやさしさを演出する 人類社会に対する配慮ということが何よりも優先するが、実感としてなかなかとらえにく い。そこで生産こそが本命と考えている現場に対して、いきなり高逼な理想を説くのではな く、具体的に一つひとつ、廃棄物の削減や転用、漏洩部分の修理、消費電力・燃料の掲示な どからスタートして、テーマを限定した提案の募集やイベントを実施し、設備や製品ごとに 環境汚染のレベルを計算するなど次第に盛り上げていく。そして多少とも成果が出た時点で、 「必ず」それを内外に宣言して周囲の注目を集め、周囲の協力とともに、彼らのプレッシャー を感じさせるようにすることが大切である。また環境問題の改善については初心者にはまだ 難しい点が多いので、リーダーが中心になって専門家のアドバイスを得ながら、企業全体を 巻き込んだ推進を図る。 作業をする場合に、単に窓の方向を向くだけでも効果があることからもわかるように、周 囲の環境は作業結果に大きな影響力を持っている。庭の見える窓、鉢植え・絵画を置き、音 楽・自然の音・特殊な雑音・フレッシュエァ・柑橘類の香りなどを流す、適正な照明、ビデオ の映写、休憩室の設置、また I I . 9項で述べた人間工学的な配慮などの車効については多く の文献がある. ( 3 0 ). 。さらに家族の写真や作品などを使っている設備の周囲に掲示する効果も. 大きい。積極的に精神疲労のコントロール方法も開発されている (31)ので実行する。. 1 0 . 各部門の力を総動員させる。顧客の力も借りる 職制の垣を越えて企業内の力を結集するためには、その結集するべき範囲を束ねている上.

(13) 6 8. Memoirso fTheS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN . o3 ( 19 9 8 ). 司がその重要性を理解している場合には、彼が自ら指揮をとるということで解決できる。ま たその重要性をその上司に訴えて、納得してもらえば同様である。しかしさまざまな日常の トラブルは重要な問題に繋がる可能性を秘めてはいるが未だ萌芽の段階で、これはリーダー に一人で切り盛りすることが求められる。各部所ともこの程度の問題が山積している現実下 で、他部門の力を優先して借りるには、データーを示しながら、その重要性をアッピールす ることは当然としても、ギブ・アンド・テイクに頼ることを忘れてはならない。日頃から能 力があれば知恵を、余力があれば工数を、入、物、金、情報を要所に適時適切に提供するこ とを惜しまないという姿勢が大切である。 また顧客の力を借りるには、日常顧客と交流して、人脈を構築しておくことが重要である。 顧客の指示は絶対である。1ff!Jえ些細な事項といえども、顧客の指摘を受けた場合には企業と しては総力を挙げた対応が必要になるからである ω 。. 1 1.メンバーの教育を確実に行う(ね) 新配属者の教育については、対象となる一人ひとりの性格を見きわめて、適切な教育をす ることが大切であるが、何よりも先に、全員に設備、製品、方法なと、について、異常とはど のような場合をいうのか、また異常が起これば即時上司に報告をすることを徹底する。 新人とは原則として新しく現場に所属した人間のすべてを指す。たとえ以前にその作業を 経験した者でも、とくに図面や標準類などには変更が頻発していることから、一定期間その 作業から離れていた人は全て新人として扱う。新人には教育のために「教育チェックシート」 というものが用意されているのが普通である ω O しかし筆者はさらにこの. r…シート』を. チェックするシート Jを発案して、教育チェックの姿勢をチェックすることを奨励してき た (35〉O このシートの詳細は省略するが、自分で言い、実行できるようにすることを目的と. I .1項のアンケートの結果などを勘案し、「努力が成果に繋がるように力を添える」 して、 I. r. 「自由な雰囲気で何ごとにも深く考えさせる J 標準を守り、標準を破る楽しさを味あわせる」 「共に悩み共に喜ぶ」、そして「対象者の優れた点を見付け、それを伸ばす」という点に主眼 をおいた内容になっている。 なお新人が配属されたとき、リーダーは従来のメンバーに対し、新人の出来いかんがライ ンの成績に波及することを強調することによって、彼らに新人教育の一翼を担わせ、それを 後継者やメンバーの教育にも繋げていかなければならない。教師は模範であるという意識を 醸成し、メンバーに緊張をもたらすように誘導していく。.

(14) 6 9 新人の教育で最も有効な方法は、すでに幾度も触れているように ω 現場の標準やデーター を裏付け、または再確認させるという方法である。これは新しい眼で現状を考えその見直し. l l . 1項に述べた「問題発見型のなぜJの眼を養うのに最適な方法 ができることと併せて、 i である。 従来のメンバーの教育について、基本的には自分で考えさせ、行わせることを主眼にする ことは新人と同様だが、とくに彼らの学習に際しては、技能面では次項の「訓練予定表」も 参照し、キャリヤーを尊重しながら、話し合いの中で自分から発意するように誘導し、それ を実行させ、体得させる方法を重視することが必要である。そしてリーダーは、教育のとき、 場所、教える人問、どのように行うかなどを決め、他部門や内外の講師との交渉から、場所 の設定、方法などすべてを専管する。リーダーシップを発揮するためにも、リーダー自身が 講師をかつて出られるほどの力量を備えていることが望ましい。また、とくに後継者と目し ているメンバーには、彼の仕事の手伝いをさせるというのではなく、まったくリーダーと同 一の役割を与えて厳しく養成をする。 また、講義と併せて実行をもそのプログラム中に取り込んだカリキュラムを被教育者のレ ベルごとにコンビューターのファイルに作成し、これに都度改訂を加えながら常に最新のも のが誰でも、いつでも、どこでもコンビューターにディスプレーできるようにして、教育効 果をあげるという学習方法では、リーダーはテーマの選定、テキスト(ファイル)の作成、 それの更新に参画することによって、考える力、問題を発見する能力、適正な実例の選択眼、 階層の実態把握、企画力、文章力、コンビューターの操作力など、について腕を磨く。. 1 2 . 常にベストの「生産ネットワーク」を構築する 文献 (37)に示したような「訓練予定表Jによって、メンバーは技能のレベルアップを図る とともに、その技能の現状を個人ごとの「かけ札」仰につくる O そしてリーダーは対象と する各設備の実情を把握した上で、設備とメンバーの最善の組み合わせを考え、現場に刻々 ベストと考えられる「生産ネットワーク」を構築するのである。 「かけ札」はメンバーが操作している設備の傍らに掲示し、現在の作業をカーソル指示し て、標準とともに常時確認できるようにしたり、コンビューターの端末から各人のコード番 号を入力し、または個人別カードをそれに挿入することによって、設備の傍らの画面に個人 ごとの「かけ札」相当の標準がディスプレーされるようにする場合もある。ただし後者の場 合は「やさしさ」という点からすれば、個人が一人ひとり自身で工夫しながらつくる本来の.

(15) 7 0. Memoirso fT h eS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN . o3 ( 19 9 8 ). 「かけ札」には劣る。「生産ネットワーク」は、 iQAネットワーク」がノ、ード面を主体にし たものであるのに対して、人間の活性化などソフト面を強調したもので、とくに作業の品質 を高めるために有効である。 なお、「訓練予定表」で、熟練者には博士マークという勲章を謹呈し、これを掲示発表し て、さらに若干の手当てを付けているが、これが未熟練者の意欲を引き出すことは間違いな い。しかしより重要なことは、最近の熟練者は高年齢層がほとんどで、現場の技術や技能が 主として彼らによって担われているという事実があらためて認識されるということは、経営 層をはじめ多くの関係者の危機感を高めるとともに、結果として高年齢の熟練者の処遇が改 善され、やがてまた、後に続く若者を育て、技術の伝承に繋がっていくという事実を忘れて はならない。. 1 3 . 不良対策の推進と「ポカヨケ地図(抑」を作成する 不良は現場における諸悪の根源であることは周知の通りであるが、とかく慢性化している ために解決が先送りされ、結果として能率、品質、原価に悪影響を与えるとともに、現場の モラルにも多大の害毒を流す。「必ず毎日」関係者が集まって対策を立ててこれを実行し、 チェックし、アクションを繰り返し、いつ、どこで、誰が、何を、いつまでと約束したか、 その内容を必ず議事録にして追い詰めていく. O. 不良対策のーっとして、「ポカヨケ」の卓効についてはあらためて述べるまでもないが、 この設置を確実に進めるために、事前に設置予定日や製作担当者を明らかにした「ポカヨケ 地図」を作成して担当者と現場に刺激を与え、確実な日限とその機能に期待するという方法 が推奨される。. 1 4 . 現場で改善手法の実践訓練を行う 日本語がそのまま英語になっているほど世界的な注目を集めている改善(カイゼン)は日 本の製造業の要である. ( 4 0 ). 。改善がどしどし進む職場はどのような場合、どのような環境に. あっても、作業員がいきいきとしている。ただし改善というものは単に改善するよう指示す るだけでは決して進まない。改善であれ提案であれ、実践訓練に勝る指導方法というものは ありえない。 具体的には、できるだけ多くの人の自に触れるような場所で、毎週一回、半日間、リーダー たちを集め、一人のリーダーがそのチーフになって、ラインを決め、あらゆる生産資源(人、.

(16) 7 1. 設備、資材、方法など)を狙上に載せて改善を実施するのが原則である。例えば人間の負担 の軽減、安全・品質・原価・能率などの向上を目指して、現物から問題を見付けて、測定し て、考えて、とにかくどのような障害があっても必ず改善の成果を確認できるところまで強 行する O 仮に成果が確認できねば徹夜も辞さず、再度改善案から練り直し、また新しく装置 を考案し、それを製作し、取り付け、作業員の動きを変え、成果の発表を行うとともに次の ヒントを披露し合うというものである。工夫を凝らすということは人聞を夢中にする。この 訓練では時間の経過とともに参加者の動きが次第に熱を帯び、改善することが楽しくなって、 時の経つのを忘れていく様子がよくわかる。またこの活動では、そのラインが改善されると いう実効に加え、帰任したリーダーは自分のラインの見直しができるという効果もある。 この場合、その対象ラインのメンバーは、果たして従来の苦労が少しでも軽減したことを 実感してくれるだろうか、徹夜の血走った眼を凝らして改善者が手に汗を握る瞬間である。 実際に作業するメンバーは判定者であるが、同時にさらにベターな方法にも気付いてくれる 改善の同志でもある。一晩のうちに改善がなされ、その結果のすばらしさが享受されたとき、 メンバーが触発されて改善に目を光らすようになるのは確実である。改善提案件数をただ義 務付けて事足れりとするのではなく、リーダーたちの真剣な行動とまなざしがメンバーたち の優れた提案を生み出す強い起爆力となるのである。. 1 5 . 一人ひとりに目標を決めさせ、実行を支援する 目標はごく些細なものからはじめ、次第にレベルを上げていくのがポイントである。とく に「それをやることによって何がわかったか。それで次は何をしようとするのか」という点 を主眼にして、小集団活動の発表会時に併せて発表をさせ、「自由な発想、自由な発言」に よってやる気が高まっている中で、リーダーは本人や職場にとってベストの方向にガイドし、 支援をしていく。この発表と支援はメンバ一本人の自己改革にはもちろんのこと、周囲にも 思考力を養わせるのにも著効がある。ただし目標には社会的に観ても、企業としても、そし て個人としても正義に適ったテーマを選ぶことが目標へのチャレンジ意欲をかき立てること を忘れてはならなし、。. 1 6 . 周囲との親交を図らせる 周囲の設備は自分たちの愛機であるという意識を育てるために、メンバー自身で設備の分 解・保全・修理と周囲の整理・整頓・清潔・清掃を徹底させる。ドライパーが知り尽くした.

(17) 7 2. Memoirso fTheS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN . o3 ( 1 9 9 B ). 愛車を運転しているときには、車の隅々にまで神経が行き渡り、人馬一体の境地が実現して いるものである。自分が設備を「使っているのだ」という実感が持て、技術の習得も実感で きる。これらの活動では、スタートの際に先輩ラインへの留学や、自分のラインの「模範ラ イン」への立候補を勧めるなどの方策がある制。対象は機械設備ばかりではなく、製品は もちろん、情報網、機器、部品、備品、建物から廃棄物にいたるまですべてが該当する。こ れらのものはいずれもメンバーが仕事を進めて行く際の同志である。それを有効に活用でき るかどうかは彼らに対してメンバーが持つ関心の深さで決まる。生産の場は正直で、人でも 器物でもこちらが愛しただけ'必ず愛し返してくれるものである。 なお、現場に整理、整頓、清j 菜、清掃が徹底されると、その不良率も大きく低減すること がわかっている ω 。この (4S)活動を実行する際に、挑戦意欲が最も盛り上がるのは、 隣接ラインがそれを査定して、隣接ラインが合格と認定すれば、分割した枠内を一つず、つ塗 り潰していくという r5S (4Sに験を加える)スゴロク ω 」を使用する場合である。. 1 7 .r ものづくりの大切さ、ものづくりの覚悟と誇り」などを徹底する リーダーが自覚と自信を持つために、ものづくりの意義や誇り、さらにリーダーの努力す る意味を説明した文書 ω を常時携帯し、朝夕礼、会議、打ち合わせなどの冒頭で必ず閲覧 し唱和するようにする O また単に理想を説くというだけではなく、このように大切なものづ くりに携わっている者として、例えば現場があげた成果を現場に還元するための、成果の分 析方法、申請手段、配分方法などの具体的なポイントを知り、その実行を強く推進すること なども、リーダーとしての自覚と誇りを持つために有意義なことである。. 1 8 . リーダーとしての覚悟を固める. ω. 筆者はリーダーたちに、「メンバーは自分の分身である。信頼して任せ、そして常に注目 し支援し続けることが大切である」ことと、「全ては自身の大成のためである。成長という ものは苦しみ抜かなければ掴めなし、。人間が高い理想をもって無私無欲で全力を注げば奇跡 が起こる」ということを言ってきた。 これを信念の域にまで高めるには、他人に感動を与え続けようとすることによって達成で きる。富士ゼロックスの磯部裕三氏は、同社のソシアルサービス制度の適用を受け、ボラン ティア活動を体験して帰還したが、「誠心誠意ことに当たらないと、全て解決しないものば かりである。一歩下がって二歩前進という人生観が大切で、一歩下がることによって他人を.

(18) 7 3. 思いやる心が生まれ、視野も広くなる」ということを言っている。筆者は長年、「他人に感 動を与えるときには、必ず自分にもまた得るところがある」と言い続けてきた. 。リーダー. ( 4 5 ). たちから、なぜ自分だけがこのような苦労を強いられるのかということをよく尋ねられるが、 それに対する筆者の答えがすなわちこれである。. 1 9 .常に研鎖を心がける さまざまな知識を学習する機会を持つために、講習会などを開催するが、机上の勉強では. I .7項に述べた設計部門に物申せるほどの知識や情報、つまり PL・ 180・ なく、例えば上の I 1Tなどに関する知識も、現場の問題の解析に威力を発揮する品質工学、 TR1Z 、機能展開な ど、についての造詣も、実際に自他の現場で現物を観察し、測定しながら実例で体験すること が会得しやすく、知恵もわくし、適用例を探す場合にも有利である。 現場では、一目を置かれ、迫力のある重厚な人物であることがリーダーの条件である。こ のような人物はどのような人かを多変量解析(数量化理論 I類)などを用いて調査したこと がある. ( 4 6 ). 。この結果から、リーダーが抵抗を排除して、正しいと信ずる己の意思を貫き通. し、発言や行動が周囲に重く受け止められるためには、「日頃から正しい実績を積むことを 心がけ、何かをしようとする場合に、どうしてもそうしなければならないと自身がまず信じ 込み、それに向かつて率先行動しつつひたむきに人にも説き、その行動の結果に責任をとる」 ということが必要である。いくら口でいろいろと指示しでも何の実績もあげ得なかったリー ダーの過去をメンバーは間もなく知ることになる。このようなリーダーの後にはメンバーは なかなか付いて行こうとはしない。またリーダーの熱意や真心というものは必ず彼の言動に 現れて、ストレートにメンバーたちに感得されるものである。そしてわずかな嵯朕といえど もその責任を率直に認める爽やかさはメンバーにこのリーダーのもとでならという強い信頼 感を抱かせる。 ではこのような性格をリーダーが身に着けるためにはどうしたらよいだろうか。筆者は難 しい仕事に永続的に取り組む場合には、この苦労がいつまでも続くのだという受け止め方で はなく、まず「とにかく今月だけはやってみよう」、または. r 2か月だけは続けよう」といっ. た短期の実行を誓って取り組むことを勧めてきた(47)。仕事というものは(工夫×苦労) = 一定であるから、その間にも懸命にその苦労を改善するように工夫をする。工夫して少しで も現状が変わればいいし、たとえ変わらなくても、さまざまな工夫をしているときには、人 間の頭脳はいきいきとしてやりがいを感じているものである。また苦労と思う毎日の行動に.

(19) 7 4. Memoirso fTheS c h o o lo fB .O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN O . 3( 19 9 8 ). 際して、まず歯を食い縛ってでも「とにかくやる気になっていることを他人に見せ付ける」 こと、つまり虚勢でもよいから外見だけはその問題に全身全霊をかけているという「ふり」 をすることが必要である O こうした姿勢をいつどのようなときにも堅持しておれば、やがて 「習いは性」となり、装いが本物になってしまうという実例を筆者は今まで数多く見聞きし てきた。. I V . まとめ 現場を活性化するのは、職場の能率を上げ、品質を向上させるためではなく、そこで働く 人たちが生きがいを感じ、働く喜びにひたれる場所をっくりだすためである。原価や品質の 向上などはその結果に過ぎない。 製造業の実態は文献. ( 4 8 ). r. に t h ei n h e r e n tm e s s i n e s so ft h ei n d u s t r i a l. world,where. n o t h i n gi se v e ra sn e a ta si nacademiaJ と述べられているとおりで、まして 3Kなど と呼ばれたことのあるその現場である。生きがいが感じられ働く喜びにひたれる状態を常時 この職場に実現するためには、第一線のリーダーの力量に待つところが大きい。そして、そ のリーダーシップの基本は、メンバーとの徹底的なコミュニケーションからはじまり、設備、 材料などの生産資源や製品の声なき声、そして協力会社、顧客、社会の声を聴いて、アクショ ンを繰り返し、メンバー全員に、自身こそ主役であることを納得させ、当事者意識に目覚め させて、彼らにいきいきと働く力を与えるという点にある。 なお、筆者はリーダーたちに、自分たちの努力の成果を計るメジャーは、メンバーに 「再度入り直すとしたら、この会社、このラインに入ることを希望するか」ということと、 「自分の子供、親族、近隣の人にこのラインに入ることを勧めるか」というこを問いかける ことであると繰り返してきた. (49)O. 最後に、この問いかけの結果と、活性化によって実現した具体的な成果を示すデーターの 一例を図 1に掲げる。このデーターは品質、能率などを代表値として表わしているが、現場 に働く喜びが充満していることは、上記の問いかけに対する答えの数値の向上から伺えると ころである。また、この成果に至ったのは企業全体の長年の努力が実ったもので、単にリー ダーの努力のみによって成し遂げられたものとは即断できないが、効果をあげたのは上の E 項で述べた、リーダーが主体となって進めたアクションばかりであり、またリーダーそれぞ れによって得られた成果にも差のあることから、リーダーの力量が預かつて力あったことは 自明である。.

(20) 7 5 図 1 アンケート結果と,不良率,能率向上などの推移の関係. 6 00 . 0 6 4 00 . 0 4 2 00 . 0 2. 。. o0 . 0 0. l. 2. 3. 4. 5経過年:t4月. -約. ム. チ:. 単位は「イエス」の% Q2 :家族,友人にこのラインに入ことを勧めるか。. EJ. w m. 、. m. 国人月率 太ロ一替. ・年入 班員一間 立成年 組構︿. Ql・:もう一度入り直したとしたらこのラインを希望するか。. 単位は「イエス Jの %. 参考文献. (1)長岡一三(19 9 4 ) 創意工夫は現場のリーダーの教育から、工場管理、 4 0 1 4、 1 0 1 1 0 4 など。. (2 ) 長岡一三 ( 1 9 9 5 )生産現場を活性化するリーダの役割、第 3 0回オールトヨタ TQMア ソシエイツ大会特別講演。. (3 )0 9 8 9 .4 .2 0 ) 日経産業新聞なと、。 (4)長岡一三(19 9 5 )現場活性化のためのリーダーの役割一いきいき職場づくりの注意点、 工場管理、 4 1 -3、 1 1 71 2 1 など。. (5)米山高範(19 8 0 ) 品質管理実務テキスト、 2 9、日科技連出版、東京。 1 9 2 4年に米国ウ エスタン・エレクトリック社ホーソン工場で行われた実験で、意欲的に仕事や改善に.

(21) 7 6. Memoirso fTheS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN o . 3( 1 9 9 8 ). 取組み大きな成果を挙げたという例である。. (6)長岡一三(19 9 5 ) 満足して働くために、無人化技術、 3 6 -9、 1-3など。 (7 )D .C a r n e g i e著/山口博訳 ( 1 9 8 8 ) 人を動かす、創元社、-東京。 (8) ( 19 9 4 ) 日本大百科全書 1 8巻 、 4 9 9、小学館、東京など。 (9)長岡一三 ( 1 9 9 7 ) 生きたコンカレントエンジニァリングを実現するためには、機械と 工具、 4 1 -3、5 9 6 3。 ( 10 )長岡一三(19 9 7 )設計の技術、 1 0 8 1 1 5、森北出版、東京なと、。 (11)長岡一三(19 91)モノづくり現場のリーダー学、日刊工業新聞社、東京など。 ( 12 ) 長岡一三(19 9 8 )起業家精神を取り戻すにはーチャンスをものにする、中小企業、 5 0 -. 6、4 4 4 50 ( 13 ) 製造文化委員会(19 91)近畿機械産業の新生産環境システム構築のための技術調査報 告書、 2 1、大阪科学技術センター、大阪。. ( 1 4 ) 日本機械学会(19 9 3 ) 人にやさしい生産技術、日本機械学会、東京など。 ( 15 ) 電源地域振興センター ( 1 9 9 5 ) ニューファクトリーセミナー. 魅力あるモノ作りへの. 4、電源地域振興センタ一、東京。および東京商工会議所 ( 1 9 9 3 ) 工場 アプローチ、 2 の変革(ニューファクトリー化)に関する調査結果報告書、ニューファクトリーに関 する専門委員会、東京。 ( 16 )大野耐ー(19 5 3 ) トヨタ生産方式、 5 8 、ダイヤモンド社、東京なと、。. ) 長岡一三 ( 1 9 9 6 ) 問題発見の「なぜ」の勧め、標準化と品質管理、 4 9 1 2、 6 4 6 6なと、。 ( 17 ( 18 ) 長岡一三(19 9 2 ) リーダーは何をしなければならないか、機械と工具、 3 7 -4、1 2 11 2 5 明. など。 ( 19 )長岡一三 ( 1 9 9 3 )物づくり現場が躍動する本、 1 3 3 1 4 0、PHP社、京都。. ( 2 0 )長岡一三(19 9 2 ) 満足して働ける職場を作るには、日経メカニカル、 3 8 2、 5 8 6 1など、。 ( 21)長岡一三(19 9 6 )新製造文化は現場が創る、日経メカニカノレ、 4 8 9、5 8 6 30 ( 2 2 )長岡一三(19 9 3 ) すぐれた技能者をいかにつくるか、中小企業、 4 5 1 1、 5 2 5 3など。 ( 2 3 ) 長岡一三(19 9 3 )求められる資格はなにか、中小企業、 4 5 -3、5 0 5 1なと、。 ( 2 4 ) 長岡一三(19 9 5 )部下の心を的確に読みとれ、工場管理、 4 1 -6、7 7 7 9など。 ( 2 5 ) 長岡一三(19 9 8 )起業家精神を取り戻すには、中小企業、 5 0 -5、4 4 4 5など、。 ( 2 6 ) 長岡一三(19 9 7 ) 強調しておきたいこと H、工場管理、 4 3 -6 "1 2 1 1 2 3など。 ( 2 7 ) 長岡一三 ( 1 9 9 3 ) 製造現場のリーダへの助言、日本機械学会誌、 9 6・9 0 1、 1 0 2 2 1 0 2 6な.

(22) 7 7 ど 。. ( 2 8 )長岡一三(19 9 2 ) チームリーダ一成功のポイント、 1 1 3、共立出版、東京など。 ( 2 9 )長岡一三(19 9 5 )職場活性化への施策 E、工場管理、 4 1 -8,1 2 1 1 2 5 0 ( 3 0 )乾正雄他 2名(19 91)視環境が執務者の心理的行動におよぼす影響一作業内容の違い による評価、建築学会計画系論文報告集、 4 2 8 、3 7 4 3など。. ( 31)大島正光 ( 1 9 8 9 1 0 )心の研究、労働問題リサーチセンターにおける講演。なお、現場 2 4 )1 2 6ページに示したように、これに筆者が若干加筆したものをつくって では文献 ( 実行させ、効果をあげている。. ( 3 2 )長同一三(19 9 5 ) お客と交流をする、工場管理、 4 3 -3、9 2 9 5など。 ( 3 3 ) 長岡一三(19 9 8 ) 製造業で効果のある現場教育の仕方、標準化と品質管理、 5 1 -8、6 4 -. 。 6 8 ( 3 4 )長岡一三 ( 1 9 9 2 )製造現場の教育に忘れてはならないもの、人材教育、 4-8、 8 8 9 2 など。. ( 3 5 )文献 ( 1 9 )5 3 。 ( 3 6 )長岡一三 ( 1 9 9 7 )行動力を発揮させるために、工学教育、 4 5 -6、 71 0など。 ( 3 7 )長岡一三 ( 1 9 9 5 )人を活かせば起業は伸びる、 5 4 、あさひ銀総研、東京など。 ( 3 8 )長岡一三(19 9 3 )生産現場に「生産ネットワーク」の勧め、標準化と品質管理、 4 6 1 1 、 6 4 6 8など。 ( 3 9 )長岡一三 ( 1 9 9 0 ) 第一線の品質管理者の課題、日経メカニカル、 3 2 3 、5 8 6 8な と 、 。 ( 4 0 )D a n i e lRoos,JamesP .Womack,D a n i e lT .J o n e s( 1 9 9 0 ) TheMachinet h a t c h a n g e dt h ewor 1 d、LawsonA s s o c i a t e s、NewYorkなど。 ( 41)長岡一三(19 91 ) 4Sを成功させる 8つの項目、工場管理、 3 7 1 8 、1 2 4 1 2 5 0 ( 4 2 )長岡一三(19 9 6 )設備とどう付き合うか、工場管理、 4 2 1 2 、1 2 3 1 2 5など。 ( 4 3 ) 長岡一三(19 9 5 )職場活性化への施策 E、工場管理、 4 1 1 1、1 1 0 1 1 4 。 ( 4 4 ) 長岡一三 ( 1 9 9 7 ) リーダーはなぜメンバーのために力を尽くすのか、工場管理、 4 3 -4、 1 2 1 1 2 3など。 ( 4 5 )長岡一三(19 9 7 ) 強調しておきたいことし工場管理、 4 3 -5、 1 2 3 1 2 6など。 ( 4 6 )長岡一三 ( 1 9 9 8 ) 企業で仕事のできる人とは、機械と工具、 4 2ーし 6 9 7 1など。 ( 4 7 )長岡一三 ( 1 9 9 8 ) どうしてそれを身に付けるか、中小企業、 5 0 -8、4 4 4 5 0 ( 4 8 )文献 ( 4 0 ) 5。.

(23) 7 8. Memoirso fT h eS c h o o lo fB . O . S .T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN . o3 ( 19 9 8 ). ( 4 9 ) 長岡一三(19 9 3 ) 率先垂範型リーダーの役割第 2巻、 VTR、 PHP社、京都など。 ( 5 0 ) 江沢智(19 9 8 ) 製造業エンジニアリング部門における ERP. 、PDM 、 CSMの連携を検 証する、日経・デジタル・エンジニアリング、創刊 4、 1 6 2 1 7 7など、。. ( 51 )M i c h a e lM.D e r t o u z o s、RichardK .L e s t e r、RobertM: Solow ( 1 9 8 9 ) Made. 、TheMITPress、Cambridge。 i nAmerica ( 5 2 ) 依田直也訳 ( 1 9 9 0 ) メイド・イン・アメリ力、 2 4 、草思社、東京。 ( 5 3 ) 長岡一三(19 9 4 )生きがいの感じられる生産現場を実現するためにはどうするか、産 業と経済、 1 0 -1、9 1 1 1 0。. ( 5 4 ) 長岡一三 ( 1 9 9 2 ) これからの生産と管理. 7章 将来の生産工場、 8 29 2。 司. ( 5 5 ) BrownS .( 19 91 )P roductL i a b i l i t yHandbook 、VanNostrandReinhold、New. 。 York ( 5 6 )I .Nagaoka ( 19 8 8 )P l a n n i n gA c t i v i t i e sf o rVehideP r o d u c t i o n 、I n S i t e 、 1-6、 1 7 2 50.

(24) 7 9 Summary I no r d e rt oimprovet h emoraleo fworkersi nt h emanufacturingi n d u s t r y . I c h i z oNagaoka. I ti saw e l l k n o w nf a c tt h a t American c o r p o r a t i o n s,which were d e f e a t e d by n a l y z e di nd e t a i lt h ep r o d u c t i o n Japani nmanufacturingp r o c e d u r e si nt h e1 9 8 0 ' s,a h e y methodsof Japan and adopted t h eu s e f u lp o i n t s with'd i g n i t y .A l s o, t u c ha st h eCALS,t h eERP,t h eCSM,t h e t h o r o u g h l ypromoteds y s t e m a t i z a t i o n,s PDM,t h eDFM,ands oon,whichcanb es t a t e da sani n f o r m a t i o nr e v o l u t i o n(50). They t h u sa c h i e v e d a m i r a c u l o u s r e c o v e r y and t o t a l r e o r g a n i z a t i o n . The samehappenedd u r i n gWorldWarI I when t h eU n i t e dS t a t e s was i nt r o u b l ea t u tt h e nt h eUSA c a p t u r e d t h eb e g i n n i n gfromt h ea t t a c k sbyJ a p a n ' sZ e r o s e n,b aZ e r o s e ni nt h eA l e u t i a n i s l a n d s,a n a l y z e di tt h o r o u g h l y,drew Up c o u n t e r measures,and u1 t i m a t e l yg a i n e d dominance o v e r Japan by changing s t r a t e g y . h eU n i t e dS t a t e sl a g g e db e h i n dt h eS o v i e tUnioni ns p a c ed e v e l o p m e n t S i m i l a r l y,t u t found a way o u t by a d o p t i n gas p e c i a le d u c a t i o n system t e c h n o l o g y,b f o rt a l e n t e dp e r s o n si nt h ee d u c a t i o ns y s t e m . T h i ss t r i c ts e l f a s s e s s m e n t and r a p i da c t i o n by t h e Americans,who area o te a s i l ybef o l l o w e dbyJapaneseperhapsb e c a u s eJapanese h u n t i n gp e o p l e,cann s poor i nn a t u r a lr e s o u r c e s compared w i t h a r eafarmingp e o p l e .A l s o,Japani ohast or e a l i z et h a thumanb e i n g sa r eh e rr e s o u r c e sandhast o t h eUSA,ands d e v i s emethodso fe d u c a t i n gandu s i n ghumansmuchmoree f f i c i e nt 1 ythano t h e r c o u n t r i e s . Thesamei st r u ei nmanufacturingp r o c e s s e s . The s u c c e s s f u lr e v i v a lo f American i n d u s t r y reminds u so f a book c a l l e d "Made i nAmericaω " which compared and a n a l y z e d companies i nt h e USA, EuropeandJapanandproposedc o u n t e r m e a s u r e sf o rAmerican c o m p a n i e s . The bookwasw i d e l yr e a d .Att h eb e g i n n i n go ft h ebookafamouscomment,"Tol i v e w e l l,a n a t i o n must produse w e l l ",was t r a n s l a t e d by Mr. Naoya I d a,s t a t i n g t h a t"Thep r o s p e r i t yo fan a t i o ndependedoni t so u t s t a n d i n gp r o d u c t i v epower(52)". The power t h a tc o n t r o l st h ed e v e l o p m e n to fn o to n l y one n a t i o n or a r e ab u t f t e ra l l,t h ep r o d u c t i v e power t h a t human a l s ot h ewholeo fhumans o c i e t yi s,a b e i n g sh a v e .I no r d e rt or a p i d l yd e v e l o pp r o d u c t i v e power,good morale and a c t i o n among l i n e workers i nt h em a n u f a c t u r i n gi n d u s t r ya r et h ef o u n d a t i o n, g u i d e dbymanagersa tt h es i t e . T h i si sasummaryo fs t u d i e sc o l l e c t e dfromt h ey e a r so fp e r s o n a le x p e r i e n c e s o ft h ea u t h o ra t work s i t e si nt h em a n u f a c t u r i n gi n d u s t r y .I t concerns t h e methodo fi n t r o d u c i n g g e n t l e n e s s i n t op r o d u c t i o nando fl i n k i n g" g e n t l e n e s s " w i t ha c t i v em o t i 11. 1 1.

(25) 8 0. Memoirso fT h eS c h o o lo fB . O . S . T .o fK i n k iU n i v e r s i t yN . o3 ( 19 9 8 ). onhowl i n emanagerss h o u l da c tandi n s t r u c tw o r k e r s . i f e c y c l es u p p o r t,o rCommercea tl i g h t NoteCALS:C o n t i n u o u sa c q u i s i t i o n& l s p e e d . ERP:E n t e r p r i s er e s o u r c ep l a n n i n g . CSM:Components& s u p p l i e rmanagement. PDM:P r o d u c td a t amanagement. DFM:D i g i t a lf l e x i b l em a n u f a c t u r i n g ..

(26)

図 1 アンケート結果と,不良率,能率向上などの推移の関係 6 0   0 . 0 6  4 0   0 . 0 4  2 0   0 . 0 2  o  0 . 0 0  。 l  2  3  4  5 経過年:t 4 月 ︑ E w m J  ムm‑約チ:国人月率太ロ一替・年入班員一間立成年組構︿ Ql ・:もう一度入り直したとしたらこのラインを希望するか。単位は「イエス」の%Q2 :家族,友人にこのラインに入ことを勧めるか。単位は「イエスJの % 参考文献 (  1  )長岡一三(1 9 9 4 )

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