65 施 設 め ぐ り
岡山大学 自然生命科学研究支援セ ンター動物資源部門鹿 田施設
縦木
勝 巳 ・落合
和彦
岡 山 大 学 自然 生 命 科 学研 究 支 援 セ ン ター 動 物 資 源 部 門 〔は しめに〕 岡山大学 自然生命科学研究支援セ ンター動物資 源部 門鹿 田施設 (写真 1)は、岡山駅南方約1.5km、 岡山市役所 に隣接 した鹿 田地 区の医学部歯学部 キ ャンパス (鹿 田キャンパ ス)に昭和 48年 3月、医 学部総合実験動物室 (第--・期 工事) と して誕生 し た。昭和55年4月には、これ を母体 として医学部 附属動物実験施設 の設置が認 可 され 、その2年後 に増築分 (第二期工事)が竣 工 し、現在 の姿にな ったO平成 15年 には全国的な学内共 同利用教育研 究施設統合化 の流れ の中で、医学部附属動物実験 施設 は 自然 生命科学研 究支援セ ンター動物資源部 門鹿 田施設- と改組 された。 写真 1 動物資源部門鹿 田施設全景 筆者 (林木)が本施設 に着任 したのは、第一期 工事竣工か ら 34年、第二期 工事竣工か ら 25年 が 経過 した平成 19年 1月で、この間、建物 はほぼ原 型 を保 った状態 を維持 、経年劣化 のみが進行 して いた0 本施設 はイヌ ・ウサ ギ といった動物種 の利 用 を前提 とした構造 を有 し、 ここ十数年来、医学 及び生命科学研究の主力 となってい るマ ウス ・ラ ッ ト、特 に、膨大 な飼 育空間 を要求す る遺伝子改 変マ ウスの利用 に適 した構造 となってはいない。 そ こで、筆者 らの着任後 、利 用実態 に合 わせ て施 設 の改修 ・飼育室 ・実験室の用途変更 を暫時行い、 施設の中身 は2年前 とは異 なった もの- と変貌 し ていった。 なお、本会報第2号において第二期工 事分竣工直後 の昭和 58年 10月現在 の本施設 の現 況 が、当時の施設管理者 によって紹介 がな されて い る。 そ こで、本稿 では、最初 に施設建物及び空 調設備 の概 要 を簡易的 に記述 し、その後、筆者 ら が実施 した施設改修及び設備 更新 を紹介す るこ と とす る。 〔建物及 び空調設備 の概要〕 本施設 は前述 の よ うに約 10年 ものスパ ンで建 設 された 2つの建物か らな り、延床面積 4,475m2 で中四国地域 にあ る国立大学 の動物実験施設 とし 工事分が鉄筋 コンク リー ト3階、延床 面積1,141m2 第二期工事分が鉄筋 コンク リー ト5階の延床面積 3,334m2であ る。 室配置 につ いては、筆者 が着任 した時点ではブ タの飼 育区域 の真 ん 中に小動物用X線照射装置が 設置 されていた り、職員居室 区域 に隣接 してサル 飼育 ・実験 区域 があった りと現代 の常識 では考 え られ ない状態 で運用 され ていた。 そ こで、筆者 ら が着任 直後か ら積極的 に飼 育室 ・実験室の再配置 を行 い、現在 の室配置 になった。すなわち .第 -期工事1階はマ ウス ・ラ ッ トセ ミバ リア飼 育室 を 併設 したオープ ンラボ区域、 2階はマ ウス実験 区 域、3階は外科手術 を伴 う小型動物実験区域 とし、 ラッ ト・フェ レッ ト等 の取扱 区域 としたO -方、 第二期 工事分1階には、感典実験 区域 とマ ウス ・ ラ ッ ト検疫室 、サル飼 育室、 ヒヨコ飼 育室 を.2
階 には教職員 の居 室、受付、セ ミナー室、教員実 験室 、外科手術 トレーニ ング室 を配置 した0 3階 には元々中型動物 実験 区域 であったので、施設各 所 に分散 していた中型動物飼 育室 をできるだけこ の区域 に集約 したD 4階 は小型動物実験区域 (マ ウス ・ラッ ト・スナネ ズ ミ ・モルモ 、ソト・ウサギ) と して飼 育室の配置 を整理 し、 5階 をマ ウス専用 のバ リア区域 とした。 本施設 には、第一期 工事分西端 に小型エ レベー タ (400kg、6人用)一基 と東端 にダム ウェ一 夕 (300kg)一基が配置 され、建物の東側 に焼却炉 (現 在 、使 用停止) が併設 してある。建物東端 にある ダム ウェ一 夕は ゴ ミの排 出用 として設置 された も の と考 え られ るので、第一期 工事分 は動線 的には 西側 は どク リー ン度 が高い よ うに計画 された もの と推測 され る。第 二期 工事分 では西側 に大型エ レ ベー タ (750kg、 11人用)一基が配置 され 、建物 の東側 で第一期 工事分 と連絡 しているので、施設 全体 として も西側 ほ どク リー ン度 が高い構想 の よ66 写真2 導入 した指静脈認証装置 応、上に行 くほどク リー ン度の高い動線 として設 計 された よ うな感 じであるが、明確 に清浄区域 と 汚染 区域 を分 けることが難 しい。何 よ りも、 5階 まで行 くことができ、中型動物の運搬 台車が運べ るエ レベ一 々は第二期工事分で設置 した もの一基 だけである。 このため、 このエ レベー タで利用者 の昇降 、中型動物の移動を行 わ ざるを得 えず、病 原微生物の感染防止上の最 kの問題点 となってい る。 施設-の入館 に関 しては .感染実験 区域が建物 内部で他 の領域 と一切連絡 がない構造 となってい るので、この区域のみ1階の専用玄関か ら入館 し、 それ以外 は2階の玄関か ら入館す る形式 となって いる。それぞれの玄関には平成 19年度途中か ら、 これまでのカー ド式認証装置に替 えて指静脈 を用 いた生体認証装置 (写真 2)を導入 し、入 口には 認証装置に連動 した防犯 カメラを設 けている。 こ のシステムでは施設入館時 にカー ド等の携帯が不 要であるので、利用者のカー ド不携帯による入館 制限が原理的に起 こらず、利便性が向上 した。 ま た、別人のカー ド等で入館す るとい う成 り済ま し の防止等にも効果的である。 本施設の飼育室、実験室の空調系統は、多 くの 動物実験施設同様、全外気エアハ ン トリングユニ ッ トによる単 一ダク ト方式 をとり、水平式ユニ ッ トを第 一期工事分に4台、第 二期T.事 '*に14台設 置 し、第二期工事分では用途別 に比較的細かいゾ ーニングを試みている。 なお、居室 ・洗浄室系統 はファンコイル方式である。第二期丁事竣工か ら 4年間は飼育室 ・実験室系統は全館24時間空調で あったが、その後、経費削減 を 目的に実験室系統 のみ8時間空調 となった よ うである。 また、各室 の設定温度 は筆者 が着任 した平成 19年 までは夏 28℃ 、冬20℃、ファンコイル系統のみ夏冬 ともに 23.5℃の設定 となってお り、利用者か らの 苦情が 殺到 していたD これ らの設定値 の根拠 については 写真3 小動物 用 Ⅹ線 cT装置 (左)及び超 高感 度化学発 光 ・蛍光E-n vJVOイメー ジング装置 (右) 本会報第4号に当時の施設管理者によってその導 入経緯が紹介 されているが、筆者 らにはその ロジ ックが今一つ理解できなかったので、平成 19年度 よ り本来の運用設定値 と思われ る 23.5±1℃に変 更 し、冷暖房容量の不足分は別 に冷暖房機 を設置 して補っている。 〔平成 19-20年度 の室改修 ・設備更新〕 (1)オー プ ンラボ 区域 (研 究推進 ラボ) の整 備 本施設 には元々イヌ飼育室が第一期工事分1階 に6室 (最大88頭収容可能)、第二期工事分3階に3 室 (最大70頭収容可能)あ り、最大158頭のイヌを 収容す ることが可能であった。 しか しなが ら、近 年ではイヌの収容数 は激減 してお り、何年 も前か ら第一期工事分のイヌ飼育室にはブタを収容 し、 イヌの収容に関 しては第二期工事分3階の飼育室 1室のみでその要求量を満 していた。そこで、スペ ースの有効利用の観 点か ら第一期工事分1階を改 修 し、セ ミバ リア方式 のマ ウス ・ラッ ト飼 育室及 びBSL2レベル感 染 実験 室 を併設 したオー プ ンラ ボ区域 (研 究推進 ラボ)として整備 した (現在 、 平成 18年度科学振興調整費 「岡山大学ナノバイオ 標的医療の融合的創出拠点の形成」に使用)。 この 区域 には、(樵 ) 日本 ク レア製 の陽圧型一方向気 流式飼 育架 台3台 を設置 し、実験 室には、安全 キ ャ ビネ ッ ト3台、小動物用 Ⅹ線cT装置 1台及 び 超 高感度化学発 光 ・蛍光J〝川ノ0イ メー ジング装置 2台 (′J、動物用X線 CT装置以外 は通 常の実験 用 と感染 実験用 として) を設置 し、筆者 らが機 器管理者 とな り運用 してい る (写真3)0 なお、第一期 工事分