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類義表現の分析の理論と実際

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Academic year: 2021

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(1)類義表現の分析の理論と実際           教科・領域教育専攻          言語系コース(国語).             M03132D.                中原 明子. O.本稿の概要. 目して意味分析を行っているか分析する。こ.  本研究の目的は、現代目本語におけるr類. の分析こそ本稿の特徴である。例をあげると、. 義語」を研究対象とし、r類義語」を選別する. 「疲労する」という意味を共通に持つ類義語. 際に、有効な方法論を見出すことを目指すも. 「ツカレル」と「クタビレル」がある。一見、. のである。特に、本稿は類義分析のプロセス. この両語は同じく一らいの頻度で現れそうだが、. に注目し、その手順を詳細に検討することを. 書きことばに限って言うと「ツカレル」の方. 試みるところに特徴がある。. が圧倒的に多く使われている。これは、rクタ ビレル」が話し言葉であることが予想させる。. 1.本稿の目的. ここでは「ツカレル」と「クタビレル」の示.  本稿の目的は、現代日本語の類義表現を考. 唆的特徴が「どのような場面で使用されるの. 察対象とし、類義関係に関する基本概念を整. か」という点に着目されている。この点から. 理した上で、いくつかの類義分析の実例を示. 判断すると、本稿での分析観点は、「文体の特. し、類義分析の.一般的な理論と実践を提示す. 徴」となる。分析観点r文体の特徴」は、2. ることにある。主に2つのテーマがある。1. つの要素から成り立っている。1つ目は、口. つ目は分析の過程では、成分分析、共起制限、. 語体か文語体の違いであり、もう1つは、あ. 多義照合の3つのアプローチを解説している。. らたまった場面での発話か否かという点であ. 3つのアプローチ以外に例文のおける検証に. る。90組の差異を分析した結果、18組の観点. ついても考察している。2っ目は、整理した. に分けられ54点の要素があることが判明し. 類義関係に分け、分析を行っていくというス. た。ここから分かるように一つの類義語に対. トラテジーに注目した。本稿で叙述されてい. して約2∼3個の分析観点がある。先程のrツ. る分析アプローチを実践すれば、類義語の意. カレル」にはr適度にツカレテかえって気持. 味分類が容易に行われることを目標としてい. ちがいい」というプラスのイメージがあり、. る。. 一方rクタビレル」には、r疲労の度合いが強 く、それは不快である」というマイナスイメ. 2.本稿の対象. ージがある。これも示唆的特徴で分析観点は.  本稿で対象とするのは、日常的に使用され. 「プラス・マイナスイメージ」となる。この. ている「類義語」である。先行研究から差異. ように差異をあぶり’出した観点を抽出し、具. が明らかになっている90組の類義語を選び. 体例を加える。. 出す。その90組の差異に焦点をあて、何に着. 一262一.

(2) 3 本稿の構成.     語」の関係.  本稿の構成は次の通りである。まず、第1.   (B)上位・下位が成り立つr上位語・. 章で類義現象を観察し、どのようなものが類.     下位語」の関係. 義語になるのか整理する。また、類義語に関.   (C)ある文脈におかれた時に類義語が. 係する先行研究を検討し本稿における類義語.     成立する関係. の定義を提示する。第2章では、類義語に関.   (D)隣あって重ならない類義関係. する定義・種類など分析に必要な諸概念をま. 【3】・分析する際の3つのアプローチを提示. とめ、分析に用いられる方法について説明す.   した。語を構成する意味の要素に分解. る。第3章では、考察対象を先行研究とし、.   して共通部分を見出す方法「成分分析」、. 分析された類義語の差異から分析する時の有.   同じ文の中で生起できるかどうかによ. 効な観点を抽出する。そしてその観点の分布.   って意味の違いを調べる方法「共起制. を行う。第4章では、実際に類義分析を行い.   限」、多義を列挙しておいて、共通する. 第2章と第3章の分析方法が、ある程度まで.   ものを探し出す方法「多義照合」の三. 有効であるということを示す。第5章は、本.   つのアプローチである。. 稿の研究を要約し今後の課題を提示する。. 【4】例文による検証を考察し、具体的な例   を示した。. 4.本稿の意義. 【5】類義語90組の差異に注目し、18組の.  日本語教育の視点カ.・らいえば、日本語教育.   分析観点を抽出した。. における語彙指導とりわけ類義語は指導上、. 【6】本稿での分析観点を用い、類義語を実. 教える側にとっても学習者にとっても類義語.   際に分析する。現時点における一定の. 間の意味の異同を簡単に見つけることができ.   方法論を明らかにした。. ないと言われている。それにも関わらず、従 来の先行研究は、類義語間の差異に注目した. 6.今後の課題. ものばかりであり、分析ストラテジーに注目.  本稿では「類義語」しか考察対象として扱. されたものは、あまりない。その中で本研究. わなかった。また、品詞の面からいうと、先. に独自性を挙げるとすれば、類義語の差異で. 行研究の考察対象は、動詞の比率が高く、そ. はなく分析するのに実用的な方法に注目した. の他の品詞、名詞・形容詞・副詞とのバラン. 点であろう。. スが悪い。この点を含め、今後実際に事例研 究を行っていく過程で、本稿での分析方法と. 5 本稿の成果. 分析観点を見直し、修正を加えていきたい。. 本研究の成果は、次のように整理できる。 主任指導教員 菅井三実 【1】理論的前提として先行研究を紹介した。. 【2】類義関係を4つに分類した。.   (A)部分的に重なりあるr同位の類義. 一263一.   指導教員 菅井三実.

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