中学校保健体育科における授業分析に関する研究 : 態度得点と学習集団の凝集性の関係を中心として
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(2) 目次. (2)態度得点と因子の凝集性の関係 ・・… 46 4. ノ」、 括 . 第1章 緒 言. ・ 。 ・ ・ 。 ●50. ・・・… @ 1. 第麗章 授業分析による態度得点と凝集度の関係. 第H章 体育の学習集団における凝集性測定法の開発. 1.目的 . ・・・…. 1. 目 的 . ● . ● . .52. P1. 2.方 法. 2。方 法. (1)調査対象 ・。… 54. (1)調査対象 ・・・… 13. (2)調査期間 ・・… 54. (2)調査期間 ・・・… 13. (3)調査内容 ・・… 54. (3)調査内容 ・・・… 15. (4)分析方法 ・・… 55. (4)分析方法 ・・・… 15. 3。結果並びに考察. 3.結果並びに考察. く1)対象学級におけるコンテクスト変数… 56. (1)凝集性テストの選択基準 ・・・… 20. (2)A学級の授業分析 。e… 61. (2)凝集度の診断基準 ・・・… 28. (3)B学級の授業分析 ・・… 68. 4.小 括 ・。・。・・ R4. 4.小括 ・・・…75. 第巫章 対数一線形モデルによる態度得点と凝集度の関係. 第V童 総 括. ・ ・ ・ … 78. 第M章 結 論. ・ ・ ・ … 85. 引用・参考文献. ・・・… 88. 1. 目 白勺「 ● . 。 ・ ● ・36. 2.方 法 (1)調査対象 ・・・… 39. (2)調査期間 ・・・… 39 (3)調査内容 ・・・… 39 (4)分析方法 ・・・… 40. 3.結果並びに考察 (1)態度得点と凝集度の関係 ・・・… 42.
(3) 捉え,その中に働く様々な要因や相互規制を明らかにして,その間 に存在する関係や法則性を明らかにしょうとするものである」28♪と. 第1章 緒 言. 定義されることには異論のないものと考えられるが,その方法論的 視点からみた場合,研究者や実践者の問題意識の違いや立場の相違 によって様々な角度からのアプローチが認められている.しかし,. 体育科教育学は,主として学校教育での体育実践における理念や. 総じて教授=学習過程そのものを分析の対象として,その中に潜む. 方法原理を究明しようとするところに,その中心的な性格を有する. 法則性を解明しようとする立場と,教科内容の妥当性や科学的な系. ものと考えられる.この点で,体育科教育学は体育諸科学や教育学. 統性を追求する立場とに大別が可能であるとされている4a}.. を基礎あるいは背景とした実践の科学であることが望まれる.. 優れた授業実践の中から教授学的原則を導き出そうとする前者の. 同様の視点から,体育科教育学の研究領域を「体育科教育の実践. 立場に属するものとしては,運動技能の習得のみならず社会的態度. (授業)そのものを対象として行われる実践的研究(授業研究)」,. の育成をねらいとした「グループ学習」が,教師主導の一斉学習に. 「体育科教育の方法原理を体系的に明らかにする理論的研究」,「. 比してより学習効果を高めることを指摘した竹之下36)らの研究,自. 体育科教育の理論や実践のための基礎的知識を提供するところの基. らの長年の授業実践からよい授業の条件として「精一杯運動させて. 礎的研究」の三層に構造化する試みが高橋35}によってなされている.. くれる授業」,「ワザや力を伸ばしてくれる授業」,「友人と伸よ. 上述された体育科教育学の性格からすれば,これらの研究領域は. くさせてくれる授業」,「新しい発見をさせてくれる授業」の4条. 実践の科学として統一的に機能しなければならないと考えられる.. 件を提示した高田3e)の研究,さらに斎藤喜博の体育授業を分析した. そのためには,授業実践の変革あるいは改善を直接ねらう授業研究. 小林14)の研究などがあげられる.. の領域が,体育科教育学の中核的な存在になる必要があると考えら. 一方,後者の立場に属するものとしては,運動文化論の立場から. れる.. 体育科教育の本質は「運動文化の継承・発展」にあると規定し,そ. ところで,一般に授業研究とは「授業という教育現象を客観的に. のための運動技術の系統性を仮説して,実際の授業の場で検証しよ. 一1一. 一2一・.
(4) うとした丹下らを中心とした学校体育研究同志会の一連の研究19》3. として中学校生徒を対象に,授業に対する彼らの態度構造が検討さ. ♪2)22㌧効果的な運動技術の習得過程は運動文化を追体験する中にあ. れ,これにもとつく体育授業診断法の開発が試みられている.. ると考え,それにもとつく指導過程を仮説・検証しようとした橋本. その後,小学校低学年児童用の態度尺度の開発が,梅野・辻野46,に. らを中心とした岐阜大グループによる一連の研究6}8》27}などがあげ. よって,また奥村26)によって同中学年児童用の態度尺度の開発が小. られる。. 林と同様の立場で試みられている.. このように体育科の授業研究は多くみられるが,研究成果が必ず. さらに,小林の態度測定法では分割した尺度が大きすぎるため,. しも授業改善のために十分に体系づけられているとは考えにくい.. 診断結果の解釈に具体性が欠けるとする批判が高橋ら19)によってな. なぜなら,前者の立場の例では取り出された知見が実際の授業の. され,申学校生徒を対象に小林の30の質問項目に近年の体育目標論. 中で追試されてきたが,必ずしも一貫した研究結果は示されていない. を反映させた質問項目を加えた新たな尺度の作成11)12》34)が試みら. からであり38》4A)2!)31),後者の立場の例では運動文化の価値性を. れているeこれらの尺度は目標から演繹的に導き出された性質が強. ともに承認しているにも関わらず,得られた知見の比較研究がほと. く,児童・生徒の側にたって現実の授業の実態から授業を分析・評. んど行われていないからである.. 価しようとする小林,梅野らの立場とは視点がやや異なっていると. いずれの立場にしても,追証あるいは比較研究で得られた知見は. 考えられる。. 「目標一内容一方法」の一連の連鎖の中で整理・統合されなければ,. いずれにしても,体育の授業は様々な要因が複雑に絡み合って展. 体育授業実践における方法原理の体系化は図られてこないであろう.. 開していることからすれば,これらの態度測定法が授業を構成する. このような体系化の遅延してきた主たる原因として,授業研究の目. 諸要因をどの程度捉えることができるのかが明らかにされなければ,. 的に対応して授業の過程や成果を客観的に分析・評価できる「道具」. 授業の分析・評価の道具としての有用性は見い出せ得ないものと考. の開発が等閑視されてきたことがあげられよう.. えられる.. その中で,1974年小林18)によってt授業に対する子どもたちの好. このような観点から,従来の態度測定法を用いた授業の分析的研. 意的な態度を育てることが授業の基底である」という立場から,主. 究を体育科の学習指導の構造(図1)にもとづいて分類すると,以. 一3一. 一4一.
(5) すなわち,「学習者」の要因に関係するものとしては,小林14)(. 下のように示される.. (1)「学習者」の要因に関係するもの14,39》. 182−83頁)によって中学校3年生を対象とした男女共学のグループ. (2)「教師」の要因に関係するもの17)14)42)48). 学習の授業が診断され,男子と女子では態度得点の結果に相違が認. (3)「教材」の要因に関係するもの32)33}n5》. められたことから,男女共学のメリットとデメリットを実証的に明. (4)「目標」の要因に関係するもの97}43}. らかにする必要性が指摘された研究,さらに,体力や運動能力の低. (5)「学習集団」の要因に関係するもの16》. い大学生を集めた授業では,態度得点がかなり低い状態であること. (6)「施設,用具」の要因に関係するもの39,14}. を明らかにした研究14》(181−82頁),また,大学生において,同 一授業でも学生のサークル所属,スポーツの好き嫌い,運動欲求,. 出席意欲,体力,性格などの個人的特性によって態度変容に顕著な ←. 差があることを認めた徳永・荒井39》による研究,などがあげられる。. 「教師」の要因に関係するものとしては,授業が成功したか,失 学習者. 教 材. 目 標. 敗したかについての授業者の主観的な判断と態度得点の診断結果に は,著しい”ずれ”のあることを明らかにした小林17}の研究,同じ. (学習活動) ノ \. 園 [璽 図1 体育科の学習指導の構造(1984,梅野・辻野4e)). く小林14}(181−85)による,「よろこび」褥点よりも「評価」得点. の高い授業では,一般に一斉指導を主体とした「きたえる授業」の 様相の強い傾向にあることを明らかにした研究,さらに,同じ課題 解決的な教材編成下でも課題の「解決過程」を重視した教授活動よ りも,課題の「形成過程」を重視した教授活動の方が態度得点を高 めることを認めた辻野42》らの研究,教師の経駐年数と態度得点の関 係を検討し,小学校低学年児童を受け持った場合では,教師の経験年. 一5一. 一6一.
(6) 数が30年頃までは態度得点の向上することを認めた梅野・辻野48》の. 宜的にグループ編成した授業と,学生の主体性を生かしたグループ. 研究,また,高学年児童を受け持った場合,教師を取り巻く結婚・. 学習を中心とした授業では,後者の方が態度得点の高かったことを. 出産・育児など外的制限要因や管理職志向・情熱の低下など内的制. 明らかにした小林16}の研究があげられる.. 限要因の中で教師の持つ条件が態度得点に影響を及ぼすことを報告. 「施設・用具」の要因に関係するものとしては,大学の体育実技. した清水・辻野14)(210−16頁)の研究,などがあげられる.. に対する学生の態度は教官の担当学生数,コート当りの使用人数な. 「教材」の要因に関係するものとしては,中学校1年生を対象と. どの要因によって影響されることを認めた徳永・荒井39}の研究,ま. したバレーボール教材の初心者指導の方法に関する高橋ら32}33》の. た,体育施設の状態が劣悪な場合に「よろこび」得点が「ふつうの. 研究,さらに,小学校6年忌のサッカー教材を取り上げ,児童の学. レベル」で,「評価」得点が低い傾向にあることを認めた小林14)(. 習する道すじに対応した教材編成が態度得点を向上させやすいこと. 209・一一 10頁)の二二,などがあげられる.. を明らかにした梅野ら45》の研究,などがあげられる。. 以上,態度測定法を用いたこれまでの分析的研究を概括した結果,. 「目標」の要因に関係するものとしては,目標の相違によっても. 態度得点と授業を構成している諸要因との間にはかなり密接な関係. たらされる学習過程の違いが,態度得点にどのような影響を及ぼす. があるものと考えられ,態度測定法が授業分析の道具として適用性. かについて検討され,学びとり方の能力の形成を目標とした学習形. の高いことが示唆される。しかし,教材の適時性,教師のパーソナ. 態が,運動技術や運動に関する知識の習得を目標とした学習形態よ. リティー,教師の体育に対する考え方,学習集団の機能,学習者の. りも態度得点を高めやすく,特に教授活動の果たす役割の大きいこと. 客観的な技能や運動に対する認識の程度などが態度得点にどのよう. を明らかにした梅野・辻野4T}の研究,さらに,課題解決的学習が系. に反映されるかについては未だ検討されていない.. 統的学習に比して,標準以上の伸びを示した態度項目の多いことを. ところで,体育の授業では学習集団の果たす役割そのものが目的. 認めた辻野・後藤43)の研究,などがあげられる.. とされたり,運動技術を習得させる手段として活用されたりする。. 「学習集団」の要因に関係するものとしては,大学の体育実技に. しかし,基本的には「できる一わかる」の過程で,お互いの技能の. おいて,教師の一斉指導で基礎練習を中心に行いゲームのために便. 違いや個性の違いを認め合い相互に学び合うように,集団を発達さ. 一7一. 一&.
(7) せることが重要であると考えられる.このような民主的な学習集団 の形成は,児童・生徒たちに集団への心地よい所属感や連帯意識を 感得させるものといえ,これが結果的に集団全体としてのまとまり. (2)対数一線形モデルにもとづいて態度得点と,学習集団の凝集 度の対応関係を検討すること,. (3)態度得点と学習集団の凝集度の関係を,実瞭の授業分析で確. の様相を呈してくるものと考えられる.これは「集団凝集性」に関. かめること,. わる機能と考えられ,態度変容に対して重要な影響を及ぼすものと. の以上3点が目的とされた。. 予想される.. そこで本研究では,上述した態度測定研究における検討課題の中 から学習集団の機能が取り上げられた.すなわち,中学校生徒を対 象に体育授業に対する生徒の態度と「集団凝集性」からみた学習集 団の要因の関係を検討することが目的とされた。. その際,集団凝集性の定義については,これまで必ずしも一致し た見解が認められないこと1)や,体育の学習集団が生徒の意志によ. って自由に参加あるいは離脱することができない集団であり,他の スポーツ集団における凝集素の概念をそのまま適用することは困難 であると考えられることなどから,生徒の意見にもとつく体育授業 における学習集団の凝集性の定義が試みられ,さらにその程度(凝 集度)を測定するための方法の開発が試みられた.. したがって,本研究では. (1)体育授業における学習集団の凝集性を測定するための「凝集 素テスト」を開発し,凝集度の診断基準を作成すること,. 一y. 一IO一.
(8) 的力の総量」(Festinger,L.ら)と規定されたり,操作的には個々 人が集団についていだく魅力とされたりしている24}(298−300頁)。. 第ll章 体育の学習集団における凝集性測定法の開発. 他方,強い「われわれ感情(feeling of we−ness)」(Whiteと Lippitt)や「成員が行動や信念を共通にする程度」(Coh.L)など を凝集性の操作的定義とする考えもみられている37)。. 1。目 的. これらのことから集団凝集性についての操作的定義は,必ずしも 一定でない現状が指摘される.また,このような集団凝集性の定義. 仲間との相互的な関わりの中で展開される体育の学習活動におい. の不確定さに起因して多様な測定方法も認められ,それらは質問紙. ては,生徒相互の親和関係や連帯意識,集団に課せられた目標のレ. によるもの,行動観察によるもの,ソシオメトリックテストによる. ベル,リーダーの機能など様々な要因によって学習集団の磯能が方. もの,の3っに分類できると考えられる.. 向づけられ,学習者の態度変容に重要な影響を及ぼすものと予想さ. 上述してきた集団凝集性は個人の意志で自由に参加あるいは離脱. れる。. できるスポーツ集団を対象とした概念であり,参加・離脱が拘束さ. そこで本研究では,緒言で述べたように中学校生徒を対象に体育. れる体育授業における学習集団を対象とした場合,スポーツ集団に. 授業に対する生徒の態度と集団凝集性からみた学習集団の要因の関. おける集団凝集性の定義をそのまま適用することは困難であると考. 係を検討することが目的とされた.. えられる.これまで体育授業における学習集団の凝集性を,ソシオ. 集団凝集性の概念は,Lewin,K.が最初に提唱したとされている24}.. メトリックテストを用いて測定しようとする試みが南・松田2e)によ. すなわち,集団成員に働く心理的な力が集団の内部に向けられる場. ってなされているが,そこでの集団凝集性の定義については明確に. 合と集団の外部に向けられる場合に大別され,それらの均衡によっ. 提示されていない.. て生じる総体的な力が凝集性と考えられている.. そこで本章では,集団凝集性からみた集団機能と生徒の体育授業. その後,「成員が集団にとどまるように作用するところの心理学. に対する態度との関係を検討するにあたり,申学生を対象に体育授. 一11一. 一12一.
(9) 業で班編成をする際の,生徒の成員選択の理由を因子分析法によっ て処理し,得られた因子にもとづいて体育授業における学習集団の. 表1.第1次調査の対象学級数と人数. 凝集性の定義を試みるとともに,そこでの集団凝集度を診断する基. 学年. 学級数. 男子数. 女子数. 合計生徒数. 1. 37. 353. 345. 698. 2. 33. 302. 326. 628. 3. 22. 2G3. 214. 417. 合計. 92. 858. 885 1,743. 準を設定することが目的とされた.. 2,方 法. (1)調査対象. 第1次調査では表1に示される岩手県下の7市町村,13中学校の. 表2.第2次調査の対象学級数と人数. 男・女生徒1,743名(1∼3年生)が,第2次調査では表2に示され. 学年 学級数 男子数 女子数 合計生徒数. る上記の学校の男・女生徒1,230名(1∼3年生)がそれぞれ対象と. 1. 20. 152. 223. 375. された。. 2. 25. 310. 171. 481. さら1こ,第3次調査では表3に示される岩手県下11申学校の94学. 3. 19. 189. 185. 374. 合計. 64. 651. 579. 1,230. 級が対象とされた。. (2)調査期間. 表3。第3次調査における対象学級数 1. 3. 2. 第1次調査は昭和61年7月下旬に,第2次調査は昭和61年8月下旬. 学年. にそれぞれ実施された.. 男子. 18. 21. 11. 50. 第3次調査は昭和61年12月中旬と,昭和62年7月上旬の2回にわ. 女子. 18. 15. 11. 44. たって実施された.. 一13一. 一14一. 合計.
(10) (3)調査内容. に主因子法による因子分析が施された.. 第1次調査では,「体育のグループ編成をするときに,自由に仲. すなわち,項目分析では全調査対象者(1,230名)から各学年の男. 間を選択できるとしたら,どのような観点で選択するか」の自由記. ・女それぞれ100名(合計60◎名)が無作為に抽出され,各質問項目. 述の作文が求められた.. の回答に対して,「絶対に必要」:3点,「必要」:2点,「どち. 第2次調査では,上記第1次調査の結果から設定された表4に示. らでもよい」:1点,「必要ない」:0点の得点が与えられた.さ. す合計25個の質問項目からなる質問紙が用いられた.25個の質問項. らに,総得点の上位・下位双方25X内(各150名)の対象者の得点が. 目が1頁に割り当てられ,各質問項目に対する応答は「絶対に必要,. 島山によって検討された.. 必要,どちらでもよい,必要ない」の4段階評定尺度法で回答が求. 因子分析は抽出された上記600名の回答に対して,男女別(男女各. められた。. 300名)に行われた.因子解の個数は累積寄与率が70%を越えた時点. 第3次調査では,表5−1,5−2に示す上記第2次調査の結果. で固有値が1.0以上を示す因子の数とされ,これらの因子に対してノ. から設定された,8個の質問項目(選択基準)からなる凝集性テス. ーマルバリマックス法による直交回転が施された.. トが実施された.質問項目(選択基準)は2頁に割り当てられ,各. 次に,抽出された因子にもとつく凝集性テストの質問項目(選択. 項目について3名以内の選択が求められた。. 基準)がSpeaman一・ Brounによる折半法5♪によって検討された。. 第3次調査の凝集性テストで得られた回答から,各学級の相互選 (4)分析方法. 択傾向指数,個人の叢高地位指数,下位集団指数23}が求められた。. 第1次調査で得られた自由記述の作文は,体育授業のグループ編. 次に,調査対象とされた全学級の相加平均±0.5SDから各指数の評定. 成における生徒の仲間選びの観点によって分類され,その際,授業. 段階が3段階に,その評定段階の組合せの状態から因子の凝集性診. に対する感想やグループ編成に関わる希望など伸間選びの理由とし. 断基準が3段階にそれぞれ設定された。最後に因子の凝集性の組合. て解釈できないものは「その他の回答」とされた.. せの状態から体育授業における学習集団の凝集度の診断基準が6段. 第2次調査で得られた回答は,リッカート方式の項目分析ならび. 階に設定された.. 一15一. 一16一.
(11) 表5−1.第3次調査で用いられた凝集性テスト用紙(男子). 表4.第2次調査で用いられた質問紙. 簿育のグループについての調査(男子) 乙冒−唱。曹ロー’辱嘘−■一■一厘一,oo曹一’ロ.一一一曹一一胴一」o噛一「.o’■”,「ロ・顧一一一璽一曽.一噛一.o一,一一一腫囎■一一.廓一冒曹一一一・一一一一一一曹「●檜噌一一冒一.一需■. 昭租年 月 日. コ コ. :体育のグループ(班)が、「仲同(班員)が、お互いに励ましあうたり教えあったりす: 曜 ,. き ヒ. :る」ようなグループに電るためには、次のような人(下線部分)が仲間として、どの程 : 1度必要と考えますか。あなたの考えに最も近いものを一つ選び○で囲んでくだ.さいe l 亀 1. トー璽一ロ。ロー曹一.・一曽・嚇_,}rc−−一r.璽り噛曹・一辱辱”“・.o冒一,昌”.,冒冒一・”囑−磨曹一.o層冒−_,一・薗魎雪一,一噌。冒雪曝,.・曹一璽一.o”曽一一一霞・一冒一一一,J. …(ぜったい必要、. 5.聾△が・t. …(ぜったい必要、. 6.幽△が、.. …( ぜったい必要、. 7,謎△が、. …(ぜったい必要、. …(ぜうたい必要、. 8.幽△が、. …(ぜったい必要、. 9.wwb’.. …(ぜったい必要、. ∬.:幽△が、 !2二瀬△が、. …(ぜったい必要、. 13.雌△が、. …(ぜったい必纂、. ta.二二△が、. …(ぜったい必要、. 15.運垂搬△が、 16.E幽ゑ△が、. …(ぜったい必要、. 1マ.迦△が、. …(ぜったい必要、. t8.盤△が、. …(ぜったい必要、. …(ぜったいあ要、. が、…(ぜったい必要、 19. つばってい. 2日.鵬L△が、 …(ぜったい必要、 21.茎」幽△が、 …(ぜったい必罰、. 22.頭幽が、 …〈ぜったい必要、. 23.一△が、 …(ぜったい{ら要、 24.幽△が、 …(ぜったい必要、 25.三二』雌△が、 …(ぜったい必要、. く熱あ09せんし,みなさんの■1たこと雌燦鯛らせ. 必要ない). ませんので正直に書いてくださいe. どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい... 必要ない). どちらでもよい、.. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 雍要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよいtt. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). 鯖の麟冒しく伽づ(班)を作5とき・あな繍燃と一織・ なりたいですか。次の れそれの基漣で 斜の h: Lt 選んで. その入のpm[. (1)[ ]班の[. ]の中に書いてください。. (2)[ ]班の[ (3)[ ]班の〔. (例〉. ナと一緒になりたい。. ユー−. ひがしいちろう 】君 ……・. 5.饗一・・…。…君と一緒≧こなりたい。. (1)[ 3 ]班の[. (2)[ 8 1班の[ にし じろう ]書. (1)[ …班の〔. 】君. (3)[ 2 ]班の[ みなみ さぶろう 】看. (2)こ 】斑の〔. ]#. (3>[ 】班の[. 】君. 6.fiじく・いの fitOで・一一暑と一織こなりたい・. 1。鍵,………君と一緒になりたい。 (D [ ]班の〔.. ]君. (1) [. 】班の[ .]班の[. 】班の[. どちらでもよい、. 必要ない). (2)〔 ]班の[. ユ君. (2) [. どちらでもよい、. 必要ない). く3)[ 〕班の[. }君. (3) t. どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない). どちらでもよい... 必要ない). どちらでもよい、. 必要ない.). 2.コー・…’. …・・. 7..趣≧拠………君と一緒になりたい。. Nと一一緒紀なりたい。. (1)[ ]班の[ 1君. (D[ ]班の【. 】君. (2)[ ]班の[ ]書. (2)〔 】珊の【. ]e. (3)[ ]班の〔 ]君. (3)[ 1班の[. 1君. 1君. (1)〔 】班の[. (2)【 ]班の[. ]君. (2)[ ]班の[. (3)【 1班の[. 〕君. (3)[ ]班の{. 一1&. ユ ] ]. (1>[ ]班の[. 君君君. 8.鯉,………君と一緒になりたい。. 3.瞠,………君と一緒になりたい。. 一17一. 4.猛璽宣竺乙運,・……聖君と一緒になりたい。. ︼ ]i. …(ぜったい易要、 …( ぜったい必要、. 必要ない). どちらでもよい、. 君君君. 旧.己’ロの のが、. どちらでもよい、. 氏名[ 1. ユ ︼ ユ. 3.鯉△が、 4.慰△がtt. 今の体育の斑[ 】班. 瓢灘畿;灘灘璽二島繍1畿. 君君君. …(ぜったい嬉要、. ミ ヘ キ し へ し も へ も ヘ ヘ ヘ ヘ へ も も ヘ キ へ も モ へ. …( ぜったい必喪、. 要要要要要要.要要要要要要二巴要要要要要晶晶要要要脚 必必必必必必必必必必必必必必必副詞必必必必必必必必. 魁帆 墜勉. 1. 州一、㌧のA い. 2.口lia の. 中学校__年 し_番. :の調蓋iは体育のグルー’プ(:班)を報しく作るときに,みな..
(12) 表5−2.第3次調査で用いられた凝集性テスト用紙(女子) 3.結果並びに考察. 体育のグループについての調査(女子). 昭和年 月 日 この調査は体育のグループ(班)を新しく作るときに,みな. 中学校_.年_一_q__番. さんが,どのような理由で友だちを選ぶかを知るためのもので,. 今の体育の班[ ]班. 、す・幽幽くい翻あるカ’欄れませ醐瀦のmaとは全1. 賃名[ ]. (1)凝集性テストの選択基準. 表6には,第一次調査の自由記述文から得られた生徒の仲間選び. 二奪雛甚三三終 1. 1 のカテゴリーが,.全意見項目数に対する割合で示されている.. 体育の授業で新しくグJV一一プ(班)を作るとき,あなたはだれと一緒に. 1なりたいですか。次の4れぞれの “で のttkから3A動 還んで その八のE125,za:ES{2gli!1[. 1の中に書いてください。. 4.n するので,一…・・さんと一緒になりたい。. これらのカテゴリーは,高校・大学の運動部の凝集性を測定しよ. (D[ ]班の〔 〕さん (2)[ ]班の[ ]さん. うとした丹羽・東山24}によって設定されたソシオメトリックテスト. (3)[ ]班の[ ]さん. (例). の心理的尊敬にもとつく選択基準と近似する結果で,体育授業にお. 7tc 一一 ・Vがうまいので ………さんと一緒になりたい。. (1)[ 3. ]班の[ ひがし はなこ 】ざん. 5.雪 いので ………さんと一緒になりたい。. (2) [ 8. ]班の[ にし はなみ 】さん. (1)[ ]班の〔 1さん. (3) [ 2. ]班の〔 みなみ なな ]さん. (2)〔 】班の〔 】さん (3)[ 】班の[ 】さん. 1.1遮.………さんと一緒になりたいa. 6。魑_………さんと一緒になりだい。. (1)〔 ]班の[ ]さん. (1)[ ]班の正 ]さん. (2) [ ’. . ]さん. (2)[ 】班の[ 】さん. (3)[ 3班の[ 】さん. (3)[ ]班の[ ]さん. n raop [.. 2. us .”.. …・・. ウんと蒜緒になりたい。. 7.遮,・・J……さんと一緒になりたい。. (1>〔 】瑳の[ ]さん. (1)[ ]班の【 ]さん. (2)[ ]斑の[ …さん. (2)[ …班の[ 】さん. (3)[ ]班の[ 】さん. (3)£ 」班の[ 】さん. 3. wwT, ・. ・・……. ける学習集団においても生徒の幽間選びの理由は複数であることが 認められた.このことほ単に感情的な好嫌による選択基準に限定し て集団凝集性を測定することに問題のあることを示唆するものと考 えられる。. 表7には,上記で得られた7カテゴリーを代表する合計25個の質 問項目(選択基準)に対する項目分枡の結果が示されている.. 8.巡………さんと一緒になりたい。. ウんと一緒になりたい。. (1){ ]班の[ ]さん. (1)[ 】班の[ 】さん. (2>[ }班のこ ]さん. (2)[ 」班の[ ]さん. (3)[ 】班の.[. (3)[ 】班の[ …さん. ]さん. 一19一. 一20一.
(13) 表7.リッカート方式による項目分析の結果 表6。自由記述文から得られた成員選択の観点に関する 7カテゴリー 得られた意見のカテゴリー. 1. 技術的尊敬に基づく選択 2. 同程度の技能に基づく選択. 全意見数に 閧゚る割合(%) 13.6 2.5. 3. 好感に基づく選択. 21.7. 4. 人格的好意に基づく選択. U.7. 5. 気軽さ感情に基づく選択 6. 親友感情に基づく選択 7.リーダー的尊敬に基づく選択 その他の回答. 0.7. 32.7 2.2 1荏.9. 注)調査人数1,743名,得られた意見の延べ数=2,301個. 楚値. 項 目. 1.スポーツのうまい人. 88.34. 零*. 2.同じ程度の技術の人. 109.84. **. 3.楽しい人. 138.82. **. 4.明るい人. 150.96. **. 5.親切な人. 149.19. **. 6.頑張る人. 127.95. **. 7.話やすい人 .一. 131.85. **. 8.仲良しの人. 113.79. **. 甑班をまとめる人. 100.U. **. 10.同じ程度の体力の人. 104.91. **. 11.優しい人. 147.61. **. 12.静かな人. 22.16. **. 13.協力する人. 105.14. **. 14.気のあう人. 148.87. **. 15.運動神経の良い人. 118.67. **. 16.責任感のある人. 157.87. **. 17.親しい人. 143.71. **. 18.積極的な人. 157.64. 舘*. 19.班をひっぱっていく人. 1G5.01. **. 20.体育の好きな人. 129.66. *黙. 21.まじめな人. 97.33. *霊. 22.頭の良い人. 67.06. **. 23,自分の意見を言う人. 94.64. **. 24.体樒の良い人. 63.94. **. 10LO3. 宰*. 25.約束ごとを守る人 注)**は,p<0.01を表す.. 一・. Q1一. 有意性. 一22一.
(14) いずれの質問項目においても1%水準で有意差が認められ,適合. る.したがって,第1因子は総じて課題達成に寄与する成員で構成. 性の高いことが示された.しかし,項目番号1番の「スポーツのう. される因子と解釈され,「課題達成に基づく選択」と命名された.. まい人」と同15番の「運動神経のよい人」について回答尺度値の相. (以下,「課題達成」とする). 関を算出した結果,r・0.65と高い相関係数が得られた.このことは. 第2因子は,3番「明るい人」,6番「話やすい人」,12番「気の. 上記の2っの項目が,ともに運動技能に優れた生徒を印象づける方. 合う人」の3項目に男女とも共通して因子負荷量の高いことが示さ. 向に作用したことを示すものと考えられ,回答尺度値の平均値が低. れた。さらに,女子では4番「優しい人」.s層9番「親切な人」の2. かった15番の意見項目は削除された.同様に相関係数が高く意味内. 項目についても高い因子負荷量が認められた。これらの項目は,概. 容が同義と解釈される項目番号8番,14番および17番,項目番号9. して成員相互の穏やかな結びつきを保つ働きを示すものと解される.. 番および19番,項目番号3番および4番の内,3番,8番,17番,. したがって,この因子は集団内の親和関係に寄与する成員で構成さ. 19番の4項目も削除され,残りの20項目について主因子法による因. れると解釈され,「成員の親和に基づく選択」と命名された.(以. 子分析が施された.. 下, 「親和」とする). 表8には,ノーマルバリマックス法による直交回転によって得ら. ここで,2番「同じ程度の技術の人」,8番「同じ程度の体力の. れた因子とその因子負荷量が男女別に示されている.. 人」の個人の運動技能や体力に関係する項目が,男女ともに第2因. 第1因子は,11番「協力する人」,13番「責任感のある人」,14. 子に位置つくことが認められた.このことは,「成員の親和に基づ. 番「積極的な入」の3項目において,男女とも高い因子負荷量が示. く選択」が単なる仲良し集団を意味するのではなく,技能や体力の. された。さらに,男子では5番「頑張る人」において,最も高い因. 向上を志向する要素も含んだ集団であることを示すものであり,第. 子負荷量が認められた.これらの項目は,概して集団の課題を達成. 1因子の「課題達成に基づく選択」とも併せて,体育授業における. しようとする際のリーダーシップや相互援助を表す内容と解せられ. 学習集団の凝集性は,運動技術の習得や体力の向上とかなり密接な. る.また,女子では20番「約束ごとを守る人」において高い因子負. 関係のあるものと推定される.. 荷量が認められ,これは集団内の規律性を重視する内容と考えられ. 以上のことから体育授業における学習集団の凝集性は,「学習集. 一23t.. 一24一.
(15) 団の達成機能と維持機能からもたらされる成員相互の心理的な結び. 項目. つきの状態」と定義され,その「凝集度」は課題達成と親和の2因. 表8・男・女における直交回転後の因子負荷量. Fl. 子の組合せによって測定できるものと考えられた.. 阿江によれば1>,スポーツ集団における凝集性は対人凝集と課題. 1( 1) 2( 2). 女 子. 男 子. F2 h2. .470 .51e .522. .282. .441. .234. .326. .65e. .456. .611. .457. .685. .48e. .130. .238. 凝集といった少なくとも2次元以上の要因を含む概念とする考えが. 3( 4). .529. .4e9. 妥当であると指摘されている.この見解からすれば,今回の因子抽. 5( 6). .658. .458. 6〈 7). ’.528. .334,. 7( 9). .511. .291. 4( 5). 出ならびにその解釈・命名は一応,妥当なように考えられる.. F2 h2. ・Fl. .286. .476. .3e4. .540. 8(10). .535. .313. 。451. 。255. 9(11). .491. .390. .675. .523. 10(12) 11(13). .093 。629. 12(14). .025. .449 .763. .337. .566. 。618. .594. .38?. 13(16). 。653. 。490. .631. .433. 14(18). .580. 。384. .636. .486. 15(20) 16(21). .412 .5◎1. 17(22) 18(23). .405. .521. 19(24). .328. .562. .381. .308. 。488. .248 .100. 。245 .297. .426. .310. .543. .118. .228. 20(25). .556. 固有値. 3,619. 3,193. /. 寄与率. 18,095. 15,965. α). .346. .400. .592. 3,344. 3,016. 16.720 15. .080. / α). 注)・空欄は,因子負荷量が.400以下を示す. ・項目番号の( )内は,項目分析の際の番号を示す。. 一25一. 一26一.
(16) 表9にはSpeaman−Brounによる折半法によって検討された凝集性テ ストの質問項目(選択基準)が示されている.一般に集団の測定に. (2)凝集度の診断基準. 適用する尺度の信頼性は,その信頼性係数が0.70以上必要であるこ. 凝集度の診断基準を設定する指数式は,前述の丹羽・東山23)が高. とが指摘されていること4}から,今回は各因子を構成する項目につ. 校・大学の運動部の凝集性測定に際して用いた3指数,すなわちKa. いてその因子負荷量が高い順に増加され,信頼性係数が0.70を越え. tzとPowellの相互選択傾向指数と丹羽・東山が考案した個人地位指. た時点で増加が申止され,それまでの項目が凝集性テストの質問項. 数,および下位集団分裂指数(以下,「下位集団指数」とする)が. 目(選択基準)とされた.. 採用された。しかし,体育授業における学習集団は同学年の生徒で 構成されているため,下位集団指数については集団全体の分裂状態. 表9.凝集性テストの選択基準として採用された項目. 因子. 女 子. 男 子. 項目とその因子負荷量. を表すと考えるよりも,むしろグループの結合状態を奉ずものと解 釈するのが妥当であると考えられた.. 表10・一1,表10−2には各因子における指数の評定段階が示され. 14.積極的な人 .636. ている。. 13.責任感のある人 .653. 13.責任感のある人 .631. これらの評定段階の設定では,(1)で決定された凝集性テスト. 11.協力する人 .629. 20.約束ごとを守る人.592. の質問項目(選択基準)のそれぞれについて,上記の3つの指数式. 14.積極的な人 .580. 11.協力する人 .566. を用いて学級の指数が求められ,次にそれらの各指数について因子. 12.気のあう人 .763. 6.話やすい人 .685. を構成する4っの質問項目の相加平均が求められた.さらに,男子. 8.同程度の体力の人.535. 9.優しい人 .675. 50学級,女子44学級の相加平均±0.5SDの値が基準とされ,「高い」. 6.話やすい人 .528. 3.明るい人 .650. (H),「申程度」(M),「低い」(L)の3段階に区分された.. 3.明るい人 .522. 12.気のあう人 .618. F−. 5.頑張る人 .658. F2. このとき,いずれの指数も男女間に有意差は認められず,凝集性テ ストの質問項目(選択基準)はともに同質であると考えられた。. 一27一. 一一2&.
(17) ところで,体育授業における学習集団の凝集度は「課題達成」と 「親和」の2因子の組合せによって測定できるものと考えられるが,. 表10 ・一1.「課題達成」因子における指数の評定段階 指数. 段階. その前に各因子における凝集の程度(以下,「因子の凝集性」とす. 相互選択. 男子. る)が把握されなければ両者の結びつきを検討することはできない.. X向指数. 女子. そこで各因子の凝集性を診断する基準が上記指数の評定段階にもと. 最高地位. 男子. 高(H:). 中(M). ∼0.15. 0.14. 1.00. ∼0.08. @ ∼0.17. O.16. w数. 女子. 因子の凝集性が「高い」と考えられた指数の組合せは,合計6種. 下位集団. 男子. 類で,成員の相互選択が多い肌型(肌H,肌H,肌L)とスターへの集中. w数. 女子. 0.07∼一1.00. ∼0.33. 0.32∼◎.27. @ ∼0.38. 0.37∼0.31. O.30. ∼0.32. 0.31. 0.26. ∼0.00. 1.00. づいて作成され,表11に示されている.. 低(:L). 1.00∼0.42. 0.41. ∼0.00. @ ∼0.31. O.30. の程度が強いLH型(LHH,LHK,LHL)で構成された.一方,因子の凝集. 性が「低い」と考えられた指数の粗合せは,合計4種類で,相互選 択が少なくスターへの集中も弱いLL型(LLH,LLM,LLL)と,一部の成. 員だけに支持されるスターへの結びつきが強いL肌型で構成された.. そ⑱他の組合せについては,因子の凝集性に特徴的な型を持たない. 表1e−2。「親和」因子における指数の評定段階 段階i高(H) f. 指数. 状態と考えられ「不明瞭」とされた。. 中(M) 男子. 相互選択. X向指数. 1.b6∼0.26. 0。25∼0.19. 1.00∼0.25. 0.24. ∼0.00. @ ∼0.22. O.21. 男子. w数. ∼0。21. 女子 男子. 下位集団. w数. 0.18∼一1。00. 女子. 最高地位. 一2Y. 低(:L). 女子. ∼0.43. G.20. 0.42. 1.00. ∼0.32. @ ∼0.41. O.40. 一・. R0一. 0.31∼0.00.
(18) 表12には,2因子の凝集性の組合せにもとつく学習集団の凝集度 の診断基準が示されている.. 表11.因子の凝集性診断基準. 因. 子. 監 ‘ 梶@1最 :下 塵 凄. 互 1高 1位 5 1. I 1地 :集 響 皇択 1位 :団. 1 霧. X指1指 1指. 診断基. 数 \. 指. 2因子の凝集性の組合せが「高い一高い」であるとき,凝集度は. 準. 「高い」とされ,「高い一不明瞭」のときは「やや高い」とされた. また,組合せが「不明瞭一不明瞭」であるとき,凝集度は「中程度」,. 「低い一不明瞭」のときは「やや低い」とされ,さらに「低い一低. 呼数i数i数 1 凄. い」のとき「低い」,「高い一低い」が「アンバランス」とそれぞ H L H 第 一 因. 子. れ設定された.. 一 曽 一 〇 冒 畠 一 一 一 一 一 r 騨 一 一 一 唱 曽 響 噛 曽. H L :M. 図2には,この診断基準を94学級に適用した結果が示されている.. 一 曽 一 一 一 一 一 一 曜 層 一 層 一 隔 曹 一 層 一 響 o 噂. H :L L. 高. 「アンバランス」に診断された8学級(男子:5,女子:3)を除. 一 一 一 磨 回 ■ 一 一 冒 一 騨 一 一 曜 ” 層 帽 鴨 一 一 〇. 課 題 達 成. :L H H. い. いた86学級の分布は,)CF法による正規性の検定の結果ほぼ正規分布. } 一 一 需 辱 一 一 弓 − 一 一 一 一 一 圏 綱 噸 噂 囎 聯 一. L H M. することが認められ,診断基準は,一応,妥当性を備えているもの. 一 一 〇 一 噸 一 r 一 一 一 } 一 一 一 〇 一 一 一 一 一 〇. L E L と考えられた.. ●. L :L H. 第 二 因. 子. なお,「アンバランス」と診断された8学級では,2因子の凝集. 噂 一 噂 一 卿 一 一 一 〇 一 一 噺 噂 辱 一 層 一 一 一 一 〇. L L M. 低. 性の組合せはすべて「課題達成」因子の凝集性が「高い」で,「親. 舶 層 − 層 − “ 一 辱 一 , 一 層 鴨 冒 一 9 噛 一 一 一 一. L L L. い. 和」因子の凝集性が「低い」であることが認められた.. 冒 一 一 雪 O 一 曽 層 響 一 , − 一 一 , 一 冒 一 一 一 曽. 親 和. L M L. このような結果の生じた背景は判然とし難く,今後,検討される その他の組合せ. 不明瞭 必要がある.. 一31一. 一32一.
(19) 表12.凝集度の診断基準. 4.小 括. 二因子の凝集性i凝集度の組合せ iの診断基準. 高い一高い i高い. 本章では,集団凝集性からみた集団機能と生徒の体育授業に対す. 高い一不囎 iやや高い. る態度との関係を検討するにあたり,体育授業における学習集団の. :. 凝集性の定義を試みるとともに,凝集度を診断する基準を設定する. s明瞭一不明瞭 { 申程度. 低い一不測 ;やや低い. ことが目的とされた.. 低い一働 i 低い. 得られた結果の大要は次のとおりである。. ;. 1)班編成における生徒の成員選択の理由は,主因子法による因子. b「一低い 1アンバランス 1. 分析ならびにノーマルバリマックス法による直交回転が施され,男. 女ともに第1因子は「課題達成に基づく選択」(課題達成),第2. 簸. 姻遡2日掴. 因子は「成員の親和に基づく選択」(親和)とそれぞれ解釈・命名 ■男子 匿翻全体. ■女子. 2)抽出された因子にもとつく,凝集性テストの質問項目(選択基 準)がSpea通a盈一Broun法によって検討され,男女ともに第1因子で. 臼. 低い冒. された。. @やや低い 中程度 やや高い 高い. 凝集度. 図2.凝集度診断基準による学習集団の分布. 4項目,第2因子で4項目,計8項目が選択基準として採用された. 3)凝集性の測定については,まず各学級の相互選択傾向指数,個 人の最高地位指数,下位集団指数が質問項目ごとに求められ,次い で因子ごとに平均が算出された.さらに全学級の相加平均±0.5SDが. 基準とされ,高い(H),中程度(N),低い(L)の3段階の評定段 一33一. 一34一.
(20) 階が設定された.また,3指数の評定段階の組合せから因子の凝集 性を「高い」,「低い」,「不明瞭」の3段階に診断する基準が設 定され,同時に学習集団の凝集度を「高い」,「やや高い」,「中. 第一童 対数一線形モデルによる態度得点と凝集度の関係. 程度」,「やや低い」,「低い」, 「アンバランス」の6段階に診 断する基準が設定された.. 4>上記3)の基準を94学級に適用した結果,「アンバランス」の. 1。目 的. 8学級を除いた他の学級の凝集度は「高いj,「やや高い」,「中 程度」,「やや低い」,「低い」にほぼ正規分布することが認めら. 前章では,集団凝集性からみた集団機能と生徒の体育授業に対す. れた.. る態度との関係を検討するにあたり,中学生を対象に体育授業で班. 5)以上の結果から,体育授業における学習集団の集団凝集性は,. 編成をする際の,生徒の成員選択の理由が因子分析法によって処理. 「学習集団の達成機能と維持機能からもたらされる成員相互の心理. され,得られた因子にもとづいて体育授業における学習集団の凝集. 的な結びつきの状態」と定義され,これにもとつく凝集度の診断基. 性の定義が試みられるとともに,体育授業における学習集団の凝集. 準には一応の妥当性があるものと考えられた.. 度を診断する基準の設定が試みられた。. その結果,得られた因子は「課題達成」と「親和」の2因子であ り,体育の学習集団の凝集性は「集団の達成機能と維持機能からも たらされる成員相互の心理的な結びつきの状態」と定義された.さ らに,作成した凝集度診断基準を94学級に適用した結果,男女とも 正規分布することが認められ,診断基準は一応妥当性があるものと 考えられた.. 本章では,態度測定法による態度得点と前章で作成された凝集性. 一一. R5一. 一3&.
(21) テストによる学習集団の凝集度の対応関係が検討された.. ところで,態度得点は量的データとして,凝集度は質的データと. との対応関係を検討する方法としての弱点が指摘される. これらの問題を解消するため,近年,Gsodman, Bishopら, Ever−. してそれぞれ位置づけられる.したがって,両者の対応関係を検討. ittなどによってrXc分割表における各セルの理論度数を対数化す. するためには,双方のデータが量的,あるいは質的のいずれかに統. ることで線形モデルに当てはめ,量的データにおける分散分析に接. 一される必要がある.しかし,本研究に示される凝集度は3っの指. 近する方法が提唱されている49)(189 一一 90頁).さらに,弓野49}(. 数の組合せによって決定されるため,得られた診断結果を量的に加. 207−09頁)によって「対数一線形モデルによる質的データ解析のた. 工するには無理があると判断されるので,態度得点が質的データと. めのBASICプログラム」の開発が試みられている.この方法で. して加工される必要がでてくる.この場合,態度得点の診断結果と. は,態度尺度の各質問項目に対する個人の好意的反応,中間的反応,. 凝集度の診断結果との対応関係を検討することが一つの方法として. 非好意的反応の各度数が基盤とされ,それらの度数が各凝集度レベ. 考えられる.・しかし,前者は好意的反応と非好意的反応とが相殺さ. ルによってどのように異なるのかについて検討されるため,上述の. れた結果が診断されるのに対し,後者は生徒一人ひとりの好意的な. 2っの問題はかなり解消できるものと考えられる.. 選択にもとづいて診断されるところに特徴があり,両者とも「高い」. 以上のことから,本章では弓野のプログラムにもとづいて態度得. レベルと診断されたとしても必ずしも同質でないことが問題として. 点と凝集度の関係が検討された。. 指摘される.. さらに,質的データ相互の関連を検討しえたとしても,一般に用 いられる三法による分析では,変数間に有意な交互作用が得られた. 場合であっても,その原因がいずれのセル(R×C分割表における 一つの細胞枠)の偏りに起因するかを突きとめることは容易でない ことが指摘されている49》.これらのことから,質的データでは両者. の因果関係を把握することの難しさが指摘され,態度得点と凝集度 一37一. 一w.
(22) 2.方 法. (4)分析方法 態度得点と学習集団の凝集度の関係では,凝集度のレベルをより. (1)調査対象. 明確にするために「やや高い」ならびに「やや低い」がそれぞれ「. 態度得点と凝集度の関係の分析については,表13に示される岩手. 高い」,「低い」に統合された.. 県下7市町村11申学校の男女それぞれ30学級が対象とされた。態度. 次に,態度尺度の各意見項目に対する好意的反応,中間的反応,. 得点と因子の凝集性との関係の分析については,表14−1,表14−. 非好意的反応の各回度数が凝集度のレベル珊,および態度得点の尺. 2に示される上記申学校の男女各20学級が対象とされた.. 度別に集計され,それぞれ4×3分割表にまとめられた。同様に態 度得点と因子の凝集性との関係では,3×3分割表がそれぞれ凝集. (2)調査期問. 昭和61年第2学期末と昭和62年度第1学期末に調査が行われた.. 性の因子別に作成された。. 男女別に作成されたいずれの分割表も弓野の「対数一線形モデル. による質的データ解析のためのBASICプログラム」を用いて, (3)調査の内容. 態度得点の尺度別に分析された.. 小林14)(170・一・ 80頁)の態度尺度と前章で新しく作成された凝集. 性テストが用いられ,授業に対する態度と学習集団の凝集度が調査 された.態度測定の調査用紙には,体育の授業に対する30個の意見 項目が1頁に記載され,記述内容に賛成の時はO,反対の時は×, どちらでもない時は△印の記入が求められた.また,凝集性テスト. の調査用紙には,8個の質問項目(選択基準)が2頁に割り当てら れ,各項Eについて3名以内の選択が求められた. 一39一. q“.
(23) 表13.調査対象の学級数と人数. 一男子一 一女子一 学年. 学級数. 人数. 1. 15. 2. 3.結果並びに考察. 学年. 学級数. 人数. 282. 1. 13. 228. 7. 136. 2. 9. 158. 3. 8. 172. 3. 8. 141. 表15には,対数一線形モデルによって検討された態度得点と凝集. 合計. 30. 590. 合計. 30. 527. 度の関係が示されている。いずれの場合にも,用いられたモデルは. (1)態度得点と凝集度の関係. すべて10gF(i,j)・u+u1(i)+u2(j)+u12(i,」)であり,特定モデルのデ. 表14−1.男子の調査対象学級数と人数 「課題達成」 「親和」. ータへの当てはまりの良さを示す楚(L)値は0であることが認められ. 学年. 学級数. 人数. 1. 11. 170. 1. 6. 122. 2. 6. 113. 2. 8. 153. 3. 3. 67. 3. 6. 129. 合計. 20. 350. 合計. 20. 404. 学年 学級数. 人数. た.その際,自由度:df・1,モデル有意水準:Z・1.65(pく.10)が. P. 示された.(巻末資料1). 凝集度が「高い」場合,態度得点の3尺度いずれにおいても好意 的反応の回答セルに度数渉有意に多く,また男子の「評価」尺度を 除くすべての非好意的反応の回答セルに度数の有意に少ないことが. 表14 一・ 2.女子の調査対象学級数と人数. 認められた.これらのことから,凝集度が高まれば態度得点も高ま. 「課題達成」 「親和」. る可能性の強いことが示唆される.. 学年. 学級数. 人数. 学年. 学級数. 人数. 1. 8. 138. 1. 7. 121. 2. 6. 103. 2. 7. 136. おける好意的反応,「価値」尺度における非好意的反応のそれぞれ. 3. 6. 84. 3. 6. 112. の回答セルに有意差が認められるにとどまった.したがって,凝集. 合計. 20. 325. 合計. 20. 369. 度が中程度の場合,態度得点への影響のかなり弱いことが示された.. 凝集度が「中程度」の場合では,わずかに女子の「評価」尺度に. 凝集度が「低い」場合では,「評価」尺度においては男子の申間 一41一. 一42一.
(24) 的反応の回答セルに,女子の中間的反応および非好意的反応のそれ. 運動教材の持つ特性から得られる楽しさ(教材に対する愛好性). ぞれの回答セルに有意差が認められ,「価値」尺度においては男子. を検討した千駄29)の結果によれば,楽しさを構成する4因子のうち. の好意的反応の回答セルに,女子の二二的反応および非好意的反応. 「人間関係」因子の中に,技能の要因が強く関与していることが認. のそれぞれの回答セルに有意差が認められた.しかし,「よろこび」. められている。さらに,これらの因子にもとづいて作成された「楽. 尺度ではいずれの回答セルにおいても有意差は認められなかった.. しさ尺度」を実際の授業分析に適用した林ら7)の報告でも,人間関. これらのことから,凝集度が低下すれば態度得点も低下するという. 係の楽しさ体験を高めるためには,技能を向上させることが重要で. 関係の認め難い傾向が示された.. あると指摘されている.また,野田ら25}による小学校高学年児童を. 凝集度が「アンバランス」の場合では,男女共通していずれの尺. 対象とした事例分析の結果から,態度得点を高める基底的要因とし. 度においても好意的反応の回答セルに度数が有意に少なく,「評価」. て技能が指摘されている.. 尺度では非好意的反応の回答セルに度数が有意に多いことも示され. これらの結果を考え合わせると,態度得点と凝集度の間には「技. た.したがって,凝集度が「アンバランス」になれば態度得点ほ著. 能」の要因が強く介在しているものと推定される。現に,「成員の. しく低下する可能性の強いことが示唆された.. 親和に基づく選択」の因子において技能や体力に関係する項目が男. 以上のことから,凝集度のレベルが「高い」場合,態度得点も高. 女ともに取り出されていることからも,上記の推定は十分に考えら. まる可能性の強いことが示され,逆に「低い」場合では態度得点が. れる.. 低下するという傾向は必ずしも認め難く,むしろ「アンバランス」. ところで,態度得点と凝集度の関係を概括すれば有意な度数の出. と診断される場合に態度得点の低下する可能性の強いことが示され. 現する箇所が男女間で異なることが認められた.このことから,態. た.このことは,各凝集度レベルによって,もたらされる態度得点. 度得点と凝二度との関係には「性」の要因の関与が考えられる.こ. との交互作用効果が異なることを示すものと考えられる.言い換え. の点については,次項で検討される.. れば,態度得点と学習集団の凝集度の間に回帰的モデルを成立させ 得ない何らかの要因の介在が推定される.. 43一. 一44一.
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