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JAIST Repository: 理工系離れは本当か : 科学技術人材養成の問題点

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Academic year: 2021

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 理工系離れは本当か : 科学技術人材養成の問題点 Author(s) 三浦, 有紀子 Citation 年次学術大会講演要旨集, 23: 1009-1010 Issue Date 2008-10-12

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/7734

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

2G01

理工系離れは本当か-科学技術人材養成の問題点-

○三浦有紀子(東京大学先端科学技術研究センター) 【緒言】 少子高齢化の進展に伴い、我が国の総人口に占める生産年齢人口比率は低下の一途をたどっている。 そのような状況下において、科学技術人材をいかに養成、確保、活用していくのかは、今や同様の問題 を抱えた先進国共通の課題となっている。一方、我が国では理工系離れが叫ばれて久しい。工学系教員 の方々からは、昨今の受験生の減少と質の低下を憂う声が聞かれる。その理由として、初等・中等教育 段階における理数離れ、テクノロジーやエンジニアリングの成熟感によって大きな夢を描きにくくなっ たことなどが考えられるが、おそらくいくつかの複合的な理由によるものと推察される。 今回、演者は、理工系離れと呼ばれるこの現象の実態を明らかにするため、分野別、学生の属性等の 観点から大学および大学院入学・卒業(修了)状況等を観察し、若干の知見を得たので報告する。 【少子化の影響】 図1には 1973 年以降現在までの大学卒業者数を男女別に示した。大学卒業者数全体では未だに増加、 横ばい傾向を維持しているものの、1997 年をピークに男子卒業者数は緩やかに減少を続けている。一方、 女子については、1990 年代初頭に急激に学生数が増加しており、その後 2006 年にかけて幾分穏やかに なってはいるが増加し続けている。 大学、特に私立大学の定員割れが聞かれる昨今の現状を考えると、1990 年代後半には既に男子の大学 進学率はプラトーに達していたと思われる。

図1 大学卒業者数

(男子)

(女子)

0 50 100 150 200 250 300 350 理学 工学 農学 保健 人文科学 社会科学 教育 その他 0 50 100 150 200 250 300 350 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 年度 出典:学校基本調査(文部科学省) 人数(千人) 人数(千人) -1009-

(3)

0% 20% 40% 60% 80% 100% 理学 工学 農学 保健 人文科学 社会科学 教育 その他 0% 20% 40% 60% 80% 100% 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007

(男子)

(女子)

年度

図2 大学卒業者分野別比率

出典:学校基本調査(文部科学省) 2000 年代後半に入って女子の増加傾向についても勢いが衰えていていることは否めないが、この少子 化の影響を分野ごとに比較するため、各年における卒業者数を分野別比率で示した(図 2)。男子では、 減少が始まった 1990 年代後半を境に、その前後で比較してもほとんど変化がない。ここ 30 年以上、男 子大卒者が 10 人いれば、そのうちの 5 人は経済学や法学といった社会科学系の、2~3 人は工学系の出 身であるという事実は変わっていないことになる。すなわち、男子については分野を問わず、少子化の 影響が及んでいるといえる。 一方、女子では急激な増加が認められた 90 年代初頭に社会科学系の比率が上がっていることがわか る。この時期には理学、工学系もわずかながら比率の上昇が認められるが、その後も比較的順調に伸び ている社会科学系に対し、理工系の比率上昇は一過性のものであることが観察される。その他、保健系 ではわずかながら上昇し、人文科学系と教育系では明らかな比率の低下が認められた。 これだけをみると、理工系離れは少子化による男子学生数の緩やかな減少と増加した女子学生が理工 系ではなく、主に社会科学系に流れた結果によるとも考えられる。元々、女子学生は数学や物理学等を 苦手と感じていることが多い1, 2)他、理工系におけるキャリア形成の要素に女子に敬遠される要因が潜 んでいるのかもしれない。 【まとめ】 大学卒業者の傾向分析から、理工系離れは男子学生については少子化の影響が、女子学生については その他の要因が強く影響していることが示唆された。 【参考文献】 1) 平成 17 年度経済産業省委託調査報告書「進路選択に関する振返り調査-大学生を対象として」 (平成 17 年 10 月)㈱ベネッセコーポレーション 2) 村松泰子ほか編著「理科離れしているのは誰か(全国中学生調査のジェンダー分析)」(2004 年) 日本評論社 -1010-

参照

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