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FPGAを用いた詰将棋専用ハードウェアプラットフォームの開発

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(1)

FPGA を用いた詰将棋専用ハードウェア

プラットフォームの開発

堀洋平

斎藤尚徳

丸山勉

hori@ぬrwin.esys.ts此uba.ac.jp 筑波大学 概要 人工知能の分野では.木探索による問題解決の手法を探るためにチェスや将繊等のゲームが伊j題として取り 上げられ,盛んに研究されている.チェスにおいては,専用ハードウェア DEEP BLUE が人間の世界チャン ピオンに勝利し成功を収めたが,将棋プログラムは現段階では人聞のプロ棋士の実力に及ばない.将棋プロ グラムの線カの向上のためには.専用ハードウェアの開発が必要不可欠である.本研究では,専用ハード ウェア開発の第一段階として.

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(FPGA) を用いて詰将繊の専用ハードウェア の開発を行った.本論文において,ハードウェアのアーキテクチャと性能について報告する.

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はじめに ゲームプログラミングは.人工知能の最も初期の 段階から研究課題として取り上げられてきた.近 年.チェスの専用マシンである Deep Blue が人間の 世界チャンピオンである Garry K鎚P創別に勝利し 一定の成功を収めたことにより,チェスに代わる研 究対象として将棋プログラムが注目されている.将 棋では持駒の再利用が可能であるため 1 局面におけ る合法手の総数が多く,将綴はコンピュータにとっ てチェスよりも複雑なゲームであると認識されてい る [8,

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将棋はチェスと同じくタクテイカルなゲームであ り.最善手の決定のためにはある程度深い探索が要

(2)

-44-求される.ゆえに将棋においても全幅探索は非現実 的であり,ヒューリスティックな前向き枝刈りが行 われる.しかし,チェスと間程度まで枝刈りを行っ た場合,合法手に対して刈り取られる授の割合が チェスより大きくなり軍事事手を逃す可能性が商くな ると考えられる.精度の商い(最善手を残す確率の 高い)枝刈りを実現するためには,正確な局面評価 関数と深い探索の実現が必要であるが,将棋のルー ルの復維さと合法手数の多さを考えると,チェスに 比べてより多くの計算量が要求される.将棋プログ ラムの棋カの向上のためには.新しい評価関数や木 探索法の開発等のソフトウェア面からのアプローチ と.より商速な演算を実現するためのハードウェア 面からのアプローチの両方が必要である. 近年,ソフトウェアの開発競争は研究者やメー カーあるいは個人によって盛んに進められており. その中で様々なアルゴリズムが提案されて大きな成 果を上げている [9,

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12]. しかし,専用ハー ドウェアに関する研究は.将棋においてはほとんど 行われていない.これは,ハードウェア開発におけ る典型的な 2 つの問題一時間的・金銭的コストと アーキテクチャの非柔軟性の問題ーが原因である と考えられる. 筆者等は過去の研究において,将棋専用ハード ウェアにおけるこれらの問題を解決する手段とし て,

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y (FPGA) を使用 することを提案した [3 , 4]. FPGA は,回路構成 をユーザが自由に変更することができる LSI であ る. FPGA の回路構成は.ハードウェア記述言語 (Hardw釘e

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L飢伊age: HDL) を使用して テキスト形式のプログラムで記述される.プログラ ムは計算機上でコンパイルされ.回路構成情報へと 変換される.回路の構成および変更は,この回路構 成情報をチップにダウンロードすることでi直ちに実 現される. FPGA を用いた場合.回路の設計から実 装までをすべてユーザの環境で実現できるため.開 発にかかる時間とコストを大幅に削減することが可 能である. 従来の筆者等の研究では.詰将棋における王手と 防手(後手の応手)の生成モジュールを FPGA に実 装し,ソフトウェアより商速な指手の生成が実現さ れていることを示した.今回の研究では,指手生成 回路に加えて木探索回路を FPGA に実装し,実際 に詰将棋の問題を解いてハードウェアの性能を評価 した.実装された木探索アルゴリズムは,証明数を 閥値とする多重反復深化を行う PN市[14] である. 本論文において,詰将棋ハードウェアのアーキテク チャと性能について説明する.

2

チェスと将棋のハードウヱアの比較

チェスの専用ハードウェアの研究は, 1970 年代 から始まった.最も初期の頃に作られたハードウェ アの一つである BELLE は.その後の研究開発に大 きな影響を与え,チェス・マシンのアーキテクチャ の基礎を確立した. BELLE のアーキテクチャは,

DEEP THOUGHT

[7]

,

DEEP BLUE

[6] にも採用され ている.本書E では, BELLE の基本的なアーキテク チャについて説明し,将棋ハードウェアへの応用に ついて考察する.

2

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1

BELLE のアーキテクチャ

BELLE はペル研究所の Condon と Thompson に よって開発され, 1977 年に専用ハードウェアとして 初めてコンビュータチェスの競技会に参加した[勾. このときのハードウェアは 325 個のチップから構 成されていたが,その後も改良が重ねられ, 1980 年 につくられた BELLE は 17∞個のチップを嬉載し 1 秒間に 16 万局面の探索が可能であった. BELLE は図 l のように 8x8 個のロジック・プロッ ク (chess square) から構成され,各 chess square が チェス盤のマスのそれぞれに対応している.

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square には位ansmit町 (XMIT) と receiver

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が l つずつ実装されており,これら 2 つが隣接する square と信号の受送信を行うことによって指手の 生成を行う.図 l 中の XMIT の矢印は,各方向へ 出力される駒の効きを表しており, RECV の矢印は 各方向から到達する駒の効きを表している. L 字型 の矢印は, Knight の効きを表している. BELLE は,捕獲される駒を見つける“tìnd-victim (FV)" と捕獲する駒を特定する唱nd-aggressor (FA)" という 2 つのサイクルによって指手の生成 F h d A

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図 1: BELLE の ch闘 square 釘ray

を行う. FV では. XMIT が square を占有する駒に 応じて.効きのある方向へ信号を送信する.この 信号を受けた sq'岨e 上に相手の駒があった場合. それは捕獲される駒(叫ctim) の候補となる.これ らの候補のうち,最も価値の高い駒を Most

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(MVV) という. FA では. MVV のある square から全方向に信号を送信する.この信号を受 け取った square 上に味方の駒がある場合,それは victim を捕獲することのできる駒 (aggressor) の候 補となる.これらの候補のうち,最も価値の低い駒 をLeast

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(LVA) という.このよ うに. MVV/LVA に基づいて最も評価値の商いもの からJI.買に指手が生成される.

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将械との比較 将棋においても.チェスと同じように9x9 のロ ジック・プロックを使う方法が可能であると考え られる.しかし.我々の研究では小規模で低価格な ハードウェアの作成を目標としているため,この方 法は様有な点で問題がある. 将棋の駒は 8 種類であり,このうち 6 種類が成る ことができる.成駒のうち 4 種類は「金J と全く同 じ動きをするが,持駒の使用が可能であるためこれ らを単純に「金J として扱うことができない.よっ て実質上 14 種類の駒すべてを区別する必要がある. 敵味方を合わせると.将棋の I マスには最大で 12 方向から駒が移動してくる.将棋において BELLE と同様の機造をとる場合.各種類の駒の入力が各方 向からあるため. 1 つのロジック・プロックはチェ スと比べて非常に大きく複雑になると考えられる. また.持駒による指手の生成や,複雑なルール下で の成り生成も.ロジックを複雑にする大きな要因で ある.そのためプロック聞の配線量が地加し,ハー ドウェアの性能力f低下することが懸念される.ま た,将棋盤は 9x9 とチェス重量に比べて大きいので. より多くのハードウエア・リソースが必要となる. これらの理由から,筆者等は 9x9 のロジック・プ ロックを用いる方法ではなく.独自のアーキテク チャによって詰将棋回路を実装した.そのアルゴリ ズムとアーキテクチャについて,第 3 章以降で説明 する.

3

詰将棋のハードウヱア・アルゴリズム

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1

王手の生成 ソフトウェアにおいては,後手玉の位置から上下 庄右,斜め,桂馬方向に向かつて銭面をスキャンし, 先手の駒が発見された場合に王手を生成するという 方法が一般的であろう(盤面のスキャンとは,対象 となるマスのデータをメモリから次々と読み出すこ とである).この方法をハードウェアで実現するこ とは可能である.しかし,後手玉の位置は一定では ないので,読み出すメモリのアドレスや読み出しの 瓶番が毎回変わるためハードウェアが複雑になる. また,各方向へのスキャンを順番に行っていては商 い性能を得ることができない 我々のハードウェアでは,王手を生成する前に, まず盤上の先手の駒の効きをすべて調べる.このた

(4)

-46-めに,横 1 段の 9 マスのデータを同時に読み出しな がら, 1 段目から 9 段目および 9 段目から l 段目に 向かつて盤面のスキャンを行う.この 2 方向からの スキャンは並列に実行される.また,各段のデータ はパイプライン回路によって処理されるため.盤面 のデータの読み出しは 9 サイクル連続で行われる. この方法では.王手の生成にまったく関係のない駒 の効きも生成されるが,ハードウェアにおいては. 求める駒の効きの数によって所要クロック数が変わ ることはない.第 2.2 節で述べた様に,本研究では 回路が複雑化するのを防ぐため 9x9 のロジック・プ ロックを用いる方法は採用していないが,上で述べ たような 9 マスのデータの並列処理. 9 段のデータ のパイプライン処理によって高速な演算が実現され ている. 駒の効きとは駒の可動範囲のことであるから,駒 の効きはすべての可能な指手を表している.しか し.詰将棋においては先手の指手は王手でなければ ならないため.すべての指手の中から王手となるも のだけを綾き出す必要がある.我々のハードウェア では.王手のみを選択するために王手マスクを使用 する.王手マスクは局面が更新されるたびに新たに 作成する必要があり,計算量の観点からは冗長的で あるが,マスクの作成は駒の効きの計算と並列に実 行されるので,所要クロック数は埼加しない.この ように.局面に依存しない手法を用いることによ り.ハードウエアの制御が単純化され,より高速な 動作周波数の実現が可能となる. 駒の効きとマスクが得られた後,これらのデータ を用いることで王手のみが生成される.本研究では 先手の指手を「直接王手j r間接王手j r持駒王手」 に分類し,これらの王手を別々の回路で生成する並 ハードウェアにおいて王手を生成する手順は.以 下の様にまとめられる. 1.絢の効きの計算,マスクの生成 2. 直嬢王手,持駒王手,聞き王手の生成 3. マルチプレクサを経由した王手のスタックへ の書き込み 4. 木探索回路による指手の決定,局面の更新

3

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2

防手の生成 防手の場合も,玉手生成の場合と問機な盤面のス キャンによって駒の効きを求め,その後各カテゴリ の防手を並列に生成する.防手は「玉移動防手j r捕 獲防手j r合駒防手」に分類されており,これらが 並列に生成される.ハードウェアにおいて防手を生 成する手順は基本的に王手の生成と同様であり,以 下のようにまとめられる. 1.後手の直接効きデータの生成 2. 玉移動防手,繍獲防手,合駒防手の生成 3. マルチプレクサを経由した防手のスタックへ の書き込み 4. 木探索回路による指手の決定,局面の更新

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木探索アルゴリズム 本研究では PN事アルゴリズムによって木探索を 行う.ハードウェアでは,木探索は複雑なステート マシンによって制御されている. 2 に,木探索回路 におけるステートマシンの状態遷移図を示す. ステートマシンの各状態では.以下に述べる処理 によって木探索を制御している.ステートマシンの 状態遷移は複雑であるため,ここでは簡単な説明に 留める. 列処理を行っている. 初期化 (INI) レジスタ.メモリの初期化を行う. 生成された王手はマルチプレクサを経由して木探 局面更新 (UDP) メモリより局面データを説み出 索回路へと送られ.スタックに保存される.このス し,選択された指手によって局面を更新す タックをどのような l順番で読み書きするかによっ る.また.更新された局面データよりハツ て.様有な木探索の実現が可能となる.木探索回路 シュコードを生成する. によって選択された王手によって局面が更新される 主手生成 (BMG) 指手生成回路に王手の生成命令 と.手番は後手側に移り,続いて防手の生成が行わ を出す. れる. 防手生成仰MG) 指手生成回路に防手の生成命令 円 i a A 2

(5)

図 2: 木探窯回路の状鎗遷移図 を出す.生成された指手によって局面を更新 し.評価値の和を計算する. 展開 (EXP) 現在局面を子節点に設定し,ゲーム木 を.,安進む. 生成中止 (STP) ハードウェアでは.ハッシュ表の 参澗は指手の生成と並列に実行されている. ハッシュ表には,その節点の証明数と局面 データが登録されている.先手局面では,こ の値が多重反復深化における岡値を超えて いた場合に指手の生成を中止する.後手局面 では.登録されている兄弟節点の証明数の和 が闇値を超えていた場合に指手の生成を中止 する. 指苧なし (NMV)指手生成田路において指手が生 成されなかった場合.先手局面ならば詰フラ グを勺 1" (不結)とし.ハッシユ表に証明数 x を登録する.後手局面ならば結フラグを “

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(蹄)とし,証明数 O を登録する. 首フラグチ z ツク (FC問先手局面の場合は,子節 点に結が 1 つでもあればその局面は詣である とし.詰フラグを“ 10" とする.子節点に詰 がない場合で,来展開の節点がある場合は, 詰フラグを“∞1" (未展開}とする.すべての 子節点が不精であれば,結フラグを勺1" と する.後手局面の場合は,子節点に 1 つでも あればその局面は不結であるとし,結フラグ を吻1" とする.不精がない場合で,米展開 の節点がある場合は結フラグを“00"とする. すべての子節点が結である場合は,結フラグ を“1ぴ'とする. 節点移動 (NXT) 蹄フラグが‘'00"であった場合 に,現在局面を来展開の兄弟節点に移動する. 先手蹟 (BMB) 髄フラグが“10" であった場合に, 指手データをスタックから読み出してに儲フ ラグデータを記入し,再びスタックに戻す. また,ハッシユ表に証明数 O を登録する. 後手簡仰MB) BMB と問機. 先手不信 (BNM) 桔フラグが勺 1" であった場合 に.現在の闘値とその反復における閥値の上 限を比較する. 先手不館契る (BMB) 現在の闘鑑がその反復にお ける闇値の上限以上であった場合,探索木を

I

J変戻る. 先手不笛木戻 (BNS) 現在の闇値がその反復にお ける闇値の上限未満であった場合.現在の闇 値に 1 を加え,兄弟節点の結フラグをすべて 勺ぴ'に設定し直して再び探索を行う. 鍵了 (FIN) 終了フラグを立てる.

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(6)

-図 3: 髄将繊回路のプロック-図

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詰将棋回路

4

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1

ハードウ z アのブロック図 詰将棋回路のプロック図を図 3 に示す.図 3 中 のモジュールにつけられている番号はハードウェ ア処理のステージを表しており.第 3 .1節および 第 3.2 節で述べた手順中の番号に対応している.各 ステージのモジュールはすべて並列に動作する.さ らに.各モジュールはその内部において並列・パイ プライン処理が行われており.高速な指手の生成が 実現されている.各モジュールのアーキテクチャに ついては,文献 [5] を参照されたい. 4.2 住能

本研究では,

Alpha

Da飽社製の FPGA ボード ADM・,XRG・2 に詰将棋回路を実装し,性能の評価を 行った. ADM-XRC・3 は, Xi1泊x 社 Virtex-I1シリー ズの FPGA である XC2V6似ぬと, 8 パンク 40MB (6 パンク x

4MB

, 2 パンク x 8MB) の SSRAM モジュールを搭載している [1]. XC2V6000 は,論 理回路を実現する Slice 33,792 個.メモリを実現す る 18 Kbの Block

RAM

144 個から構成されてい る[15]. また.ハードウェアの歳計には, Xilinx 社 製の EDA ツールである Foundatio且 4.1を使用した. 実装された結将様回路のハードウェアリソースの 使用率.および最大動作周波数を表 1 に示す.また 図 4 に,ハードウェアにおける指手生成のタイミン 匁ZZイシ,① z ( 2 ③ @ 属国... 獅[" ... 蜂勉@ダ・9..隼a 舗量.ttデー9"隼a .瞳呈,マスタ... 圃瞳軍乎守スタ@傘a m&'事@盆鳳 鱒嗣-盆a 個ttæ... -量鋤.デ・,..皇居竃 書・圃同事.... ・Z抽... 盆a e・曲事@傘a マルチ7 レタ惨 。"盟

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図 4: 諮将繊回路のタイミングチャート グチャートを示す.各行程中の数値は演算のステッ プ数を表し,マルチプレクサの所要ステップ中の N は 1 局面に対する指手の数を表す.マルチプレク サは.各指手生成回路の出力より王手・防手のみを 選択しメモリへ送るモジュールであり,この処理は 逐次的にしか実行することができないため.所要ス テップ数は生成される指手の数に依存する. 本研究では.内藤による詰将機選集の 100 題の中 から双玉問題を除く 98 題をテスト問題として使用 し,ハードウェアおよびソフトウエアによるゲーム 木のノードの展開能力を比較した.表 2 に.各手数 の問題において展開されたノード数の平均と,ソフ トウェア (SW)およびハードウエア (HW)による実

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-表 1 :詰将棋回路のリソース使用率と動作周波数 モジュール Sli,阻使用数 (使用率:) RAM 使用数 (使用不} 動作周波数 [MHz) 王手生成回路 \3,46G'33,792 (39"'1') 66/144 (45%) 53.348 防手生成田路 8,007/33,792 (23%) 25/144 (17%) 46.553 木探索回路 1,544133,792 (4.6%) 43/1'糾 (29"10) 69.633 回路金体 23,01 V33,792 (68%) 13411制 (93%) 46.553 表 2: 詩将棋問題において展開されたノード数 手数 問題数 平均展開ノード数 SW 平均[田蹴) HW 平均伸蹴] 性能比 3 手蹟 2 1940 55 5目3 10.3 5 手防 9 5494 ¥37 20.5 6.67 7 手賄 17 3282 80 10.2 7.82 9 手翰 23 12452 270 44.8 6.02 11 手随 23 19901 379 68.1 5.57 \3手蹄 17 28389 546 97.9 5.58 15 手髄 6 60889 1012 181 5.60 17 手鮪 37801 590 114 5.20 全問題 98 19874 330 59.3 5.51 行時間の平均を示す.ハードウエアの実行時間は, 所要クロック数と動作周波数から計算されたもの である.所要クロック数は. EDA ツールに付属の シミュレーションツールを用いて測定した.ソフト ウェアは性能比較のために独自に作成したものであ り.実行環境は. CPU が Pentium4-2.53

GHz.

OS は Wmdows2似均上の Unix エミュレータ匂gw凶であ る.ソフトウェアにもハードウェアと問機の木探索 アルゴリズムと局面表が実装されているが.跳駒の 位置を覚えて指手の高速化を図るなど,できる限り のチューンナップがされている.ただし,生成され る指手の!順序およびノードの展開順序はハードウェ アとまったく同じくなるように設計されており.正 確なノードの展開能力を測定することができる.現 段階では,ハッシユ表の大きさの制約や効率化アル ゴリズムの朱実装により長手誌の問題が解けていな いが.ここでは同じアルゴリズムによるノードの展 開能力に注目する. 図 2 が示すように,本研究で作成した詰将棋回路 はソフトウェアに対して 5 倍以上の性能を得ること ができた.またハードウェアのノード展開能力は. 1 秒間あたり約 34 万局面であった.

4

.

3

考察 図 4 より,局面の更新が開始されてから全王手ま たは全防手が生成されるまでのステップ数は 62+N であるから.指手の生成に要する時間は

( 6 2 + X ) x - L ( l )

.tû.祖53 となる.脊尾らによって求められた詰将棋のゲーム 木の分岐数の平均は 5.23 であり [14]. 上式(1)にお いて N=5 を代入すると,指手 5 倒の生成にかか る演算時間は1.44 ,崎ec となり高速な指手の生成が 実現されていることがわかる. 実装した詰将棋ハードウエアでは.並列度の高い 演算によって指手の生成が行われており.全指手の 生成に要する時聞は生成する指手の数にはあまり 依存しない.たとえば生成する指手数人v が 10 で ある場合,ソフトウェアによる逐次処理での所要時 間は N

=

5 である場合の約 2 倍と予想されるが. ハードウェアによる並列処理では,式(1)よりわず か1.07 倍噌加するのみである.ゆえに. 1 局面あた りの指手数が多い複雑な問題ほど.ハードウェアの ソフトウェアに対する性能は向上する.詰将倶は芸 術作品としての側面があるため,先手に与えられる 持駒が必要最低限であり.さらに結局面において持 駒が残つてはならないという制約がある.実際の将 n H U P内 υ

(8)

続の終盤では.詰ませるためには必要のない持駒が 存在するなど. 1 局面あたりに可能な指手数は詰将 棋よりも多くなると考えられる.ゆえにハードウェ アは.実戦局面においてさらに商い性能を示すと考 えられる.

5

~わりに 本研究では.将棋専用ハードウェアの開発の第一 段階として.FPGA を用いた詰将棋専用ハードウェ アの作成を行った.王手生成回路.防手生成図路. 木探索回路を FPGA に実務し,実際に詰将棋の問 題を解いてソフトウェアと処理時聞を比較したと ころ. 5 倍以上の性能を得ることができた.ハード ウェア処理は,複雑な詰将棋の問題や候補手の極め て多い本将棋において商い性能を示すことが期待さ れる.今後.米実装のアルゴリズムのハードウェア 化を進めるとともに,詰将棋回路を利用して本将棋 ハードウエアの開発を行う.

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[9] 松原仁(働:コンピュータ将棋の進歩,共立出 版 (1996). [10] 松原仁(編):コンピュータ将棋の進歩 2,共立 出版 (1998). [11] 松原仁(鵬:コンビュータ将棋の進歩 3,共立 出版 (21瓜10). [12] 松原仁(緩め:アマ 4 段を越えるーコンビュー タ将棋の進歩 4ー,共立出版 (2伺13). [13] 松原仁,半田剣一:ゲームとしての将棋のいく つかの性質について,情報処理学会人工知能研 究会資料 96-3 ,即.21-30

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図 2: 木探窯回路の状鎗遷移図 を出す.生成された指手によって局面を更新 し.評価値の和を計算する. 展開 (EXP) 現在局面を子節点に設定し,ゲーム木 を.,安進む
図 3: 髄将繊回路のプロック図 4  詰将棋回路 4 . 1  ハードウ z アのブロック図 詰将棋回路のプロック図を図 3 に示す.図 3 中 のモジュールにつけられている番号はハードウェ ア処理のステージを表しており.第 3 .1節および 第 3.2 節で述べた手順中の番号に対応している.各 ステージのモジュールはすべて並列に動作する.さ らに.各モジュールはその内部において並列・パイ プライン処理が行われており.高速な指手の生成が 実現されている.各モジュールのアーキテクチャに ついては,文献 [5

参照

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