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都市の一般住民における血清インスリン値の分布および血清インスリン値と関連する環境要因についての分析

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520 第43巻 日本公衛誌 第7号 平成8年7月15日

都市の一般住民における血清インスリン値の分布および

血清インスリン値と関連する環境要因についての分析

寺尾

敦史

 大阪府S市の住民から無作為に抽出した者を対象とする検診において,平成4および5年度に75 gぶど う糖経口負荷試験(OGTT)を実施し,血清インスリン値を測定した30歳から79歳の男女2,147人を対象に, 都市住民における血清インスリン値の分布および血清インスリン値と関連する環境要因について分析した。  インスリン抵抗性の指標としたインスリン面積の中央値は男女間に差を認めなかった。また,男では年齢 階級間に差を認めなかったが,女では高齢者ほどインスリン面積の中央値は大きかった。対象者の中から糖 尿病,脳卒中既往者,心筋梗塞既往者,肥満,高血圧,血清脂質異常者を除いた者を健常者と仮定して,性 年齢区分別にインスリン面積の95パーセンタイル値を計算し,インスリン面積の推定上限値を求めた。本上 限値を越える者を高インスリン血症者とすると,その頻度は男の30∼59歳16%,60∼79歳10%,女の30∼59 歳10%,60∼79歳12%であった。インスリン面積が上限値以上の群ではそれ未満の群に比べて肥満者,中性 脂肪が高値を示す者,およびHDL−コレステロールが低値を示す者の割合が有意に高かった。また,高血 圧者の割合についてはインスリン面積が上限値以上の群で高い傾向にあった。  インスリン面積に影響をおよぼす環境要因として肥満度,栄養摂取量,身体活動度,飲酒・喫煙習慣,降 圧剤服用について検討した。性年齢区分別に実施した単変量解析および多変量解析の結果,男女の各年齢区 分で共通に有意な関連を示したものは血糖面積とBody Mass Index(BMI)のみであった。また,男の中壮 年群でウェスト・ヒップ比が有意な正の関連を示した。肥満,特に上半身型,内臓型肥満の是正がインスリ ン抵抗性の改善につながると考えられた。

Key words : 血清インスリン,糖負荷試験,循環器疾患危険因子,ウェスト・ヒップ比,都市住民,疫学的 研究

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