Title
ブタ回虫 Ascaris suum 感染に対する発育期幼虫の防御抗原
に関する研究( 内容の要旨 )
Author(s)
春日, 春江
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(獣医学) 乙第054号
Issue Date
2002-09-17
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/2038
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 貞 春 日 春 江(愛知県) 博士(獣医) 獣医博乙第54号 平成14年9月17日 学位規則第4粂第2項該当▲ ブタ回虫AscarissuⅥm感染に対する発育期幼虫の防御抗 原に関する研究 主査 帯広畜産大学 副査 帯広畜産大学 副査 岩 手 大 学 副査 東京農工大学 副査 岐阜大 学 授 授授 授 授 教教教教教 藤 崎 五十嵐 品 川 幸 都 祁 本 多 英 平 井 寛 蔵 男汎一哉 論 文 の 内 容 の 要 旨 ▲本研究では,ブタ回虫A湖〟乃感染に対して有効な防御免疫を誘導しうる抗瞑(ワクチン候補抗 厨を探索することを目的とし・はじ柳こ・A月瓜即発育期幼虫である感染幼虫卯)および肺内移行
幼虫の虫体構成タンパク質の性状解析を2次元電榊嘩によって実施した。次いで,A・罰即乃免
疫ブタ血清と反応する36通年,の抗原を分鱒・同定し,その漬伝チクローニングとその生化学的性状
について検討後,組換え36たDa抗原を用いてそのd.∬肋感染に対する防御効果を明らかたした。第Ⅰ草では・2次元電気泳動泳動法によってトAⅧ仏門13および肺内移行幼虫から抽出したタン
パク琴のプロファイリングを実施し,両発育期に共通および各発育期に特異的な虫体構成タンパク
質を検出した。また,一親水性および疎水性ビオテンを用いて虫体を標識後,2次元電気泳動を実施 し,ビオチンと結合する表面タンパク質の存在を明らかにした。さらに,uおよび肺内移行幼虫の 親水性および疎水性ビオチンと結合する表面タンパク質のスポット数の比較から,幼虫の発育に伴って,親水性表面タンパク貞の数が増加すること,また,疎水性表面タンパク質の数は,幼虫の発
育に伴って,減少することも明らかになった,さらに,ウサギ免疫血清を用いたイムノブロ少トによる,uおよび肺内移行幼虫における抗原タンパク巽のスポットパターンの比較から,発育期に特
異的な抗原が虫体の表面組織に存在することが判明した。 第Ⅱ章では,Aぷ〟乃成熟虫卵とフエンベンダゾール治療による感染・治療免疫を繰り返すこと によって作製したブタ免疫血清を用いた2次元イムノブロットを実施しJ3および肺内移行幼虫に おける本血清との反応抗原について検討した。ウサギおよびブタ免疫血清によって検出される抗原 のスポットバターンの比較から,ウサギとブタの.間でA朗ふ抗阿こ対する認識応答に違いのある ことが認められた。すなわち,ブタ免疫血清のみと反応するU特異的な抗原は,主として表面タ㌢バク質ではない虫体構成タンパク質であるが,ウサギで抗瞑として認識される肺内移行幼虫の表
面タンパク質はブタでは抗牢として認識されないことが明らかになった.また,感染・・治療免疫を したブタは」」劇鮎川感染に対して抵抗性を獲待していたことから,本章で同定された抗原の中に, Aw-感室料こ対して有効な防細免疫を誘導しうる抗原分子の存在す一ることが示唆された。 第Ⅲ章では,ブタ免疫血清と反応するA血沈研u抗原の中で,分子量う6kDa,等電点65タンパ ク質を.2D一弘鹿ゲルから分離後,その内部アミノ酸配列を決定し,これを基に完全長の36虻)a抗 原遺伝子の塩基配列を決定した。36kDa抗原遺伝子の推定アミノ酸配列はデ」夕べースiこ登録され ているタン/1ク質情報と比較した結果,他種生物が保有するグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロ ゲナー榊D印と最も高い相同性を示し,大腸菌で発現させた組換え36kDa抗原タンパク質は, グリセルアルデヒド3リ`ン酸からエネルギー源である1,3-ジホスホグリセレートの生成を行う GAmHとレての酵素活性能を保有しており・その酵素活性は哺乳動物由来と異なる基質圃汐.2条 件下において最も高いことが明らかになった。また,抗組換え36通a抗原タンパク質マウス血清を作製し,これを用いたイムノブロットによって,36畑a抗原がA郎〃乃の成熟虫卵から成虫までの
各発育期の虫体抽出タンパク質に単一バンドとして検出され本坑酌ますべての発育期で恒常的に 発現していることが示唆された。さらに,N末端アミノ酸配列中にシグナル配列が認められないが, 36畑a抗原が成虫および師内移行幼虫の分泌・劇泄タンパク質において検出されることから,本抗 原はシグナルペプチドによらない別の方法によって;細胞外および虫体叩こ分泌されることが推知された。そしてまた・4皿〝1の肺内移行幼虫および堆雄成虫を揮いた免疫組織化学的観察によって,
36kDa抗原が角皮下層組織,精母細胞,精子,子宮・卵泉腸管め上皮細胞および筋肉組織に主と
して局在することを示した。さらに,組換え36kDa抗原タンパク質は,Aぷ以け‡感染に抵抗性を示 すウサギ,マウスおよびブタ免疫血清によっても認識される抗原であることが判明した。 第Ⅳ章ではA劫以〝量uから遺伝子クローニングした36kDa抗配すなわちA郎〝"GAPDⅡが 宿主の免疫学的攻撃の重要な標的となることが示唆されたことから,マウスを用いて組換えA皿〝I GAPDHタンパク質のA朗〟乃感染に対する防御効果について検討した。その結晃一組換え」L兄以刑 GAmHタンパク質を免疫されたマウスでは,A皿鱒仁成熟虫卵による攻撃感染後甲回収される肺内移行幼虫数が・対照群に比へ減少する候向がみられ肝転の白斑形成および肺の点状出血嘩変も,
対照療に比べ,著しく軽減していたことから,A.w‡GA打HがA皿〟"の感染に対する防御免疫 を誘導する抗原であることが示さゎた。 本研究において,2次元イムノブロット,アミノ酸配列の解析および遺伝子クローニングを組み合わせたプロテオーム解析法によって,ブタ免疫血清と反応する」∴丸鮎別の発恵期幼虫の防御抗原
の一つである3佼Da抗原が獲得されそのワクチン抗原としての有効性が示された。‥本研究で得ら れた成熟ま,従来の薬郷こ代わるブタ回虫症の新しい防除技術の開発におよび家畜の生産性の向上 を通じて人類社会に貢献すると思われる。-212-審 査 結 果 の 要 旨
蓋穫再挙苗竃讃賢転撰軍芸軍学罰蓋菱姦書芸
1・・uおよび肺内移行幼虫から抽出したタシバク実の各種2次元電気泳動ならびにイムノブロッtトに よって,発育期特異的な虫体表面抗原タンパク質を明らかにするとともに,.親水性および疎水性の表面タ ンパク実の存在についても明らかにし,幼虫の発育に伴うその動感についても明らかにした.。 2・成熟虫卵とフェンベンダソール治療七よる感染・治療免疫を繰り返すことによって作製したブタ免 疫血清を用いた2次元イムノブロットを実施し,ウサギおよびブタ免疫血清によって検出される抗原のス ボッ・トパターンには違いがあり,ウサギとブタの間でブタ回虫抗原に対する認識応答に違いのあることを 明らかにするとと引こ,同定された抗原の中に防御免疫を誘導できる抗原分子が存在することを示した. 抗原の中で,分子量36畑a,等電点6.5タンパク巽を2D_PAGEゲルから分離後,その内部アミ とJk卓l ヽ■■(1と_甘Il■古人⊆;ノー、.■一 __ ▲⊥一王,・、-■_.._ __._」_ _ J_一_一】、_、一.●.、..、_.._一-狩紬初
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J′ H-▲ヽ〟▲_ の新しい防除技術の開発に一石を投じると共に,地球環境に配慮した家畜の感染症対策の開発および家畜 の生産性の向上を通じて人類社会に貢献すると思われる。また,本研究に用いられた方法は,寄生虫病に 限らず他の感染症においても、新たな防除技術の開発に剖ナるモデルの一つとなることが期待された。 以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連令獣医学研究科の学位論文として十分価 値あるものと認めた。 学位論文の基礎となる学術論文 1鳩 目 IdentiBcationofsurfaceprotein邑andanti如ns丘omlarvilstagesofAscarLssuumby
㌫姦若造喜怒票等蕊sh,Suzuhhyo,・IsobeTakashiandYoshharaShh6bu
巻・号・貢・発語欝㌍芸恥:671∼677,200。
2)題 目 IdentiBcationoflarval-StageantigensofA5Cari5suumreco伊izedwithimmuneserafrom 著書名