製麺の教材開発と授業実践
簡便なソパ打ち教材について
桝・領域教育専攻
生活・健康系(家庭)コース
山 田 徹 子
1
.
研究の背景と目的
現行の中学校教科書技術・家庭(家ぽオ野)
で発行されている、 2社 (T社、 K社〉の教科
書から麺料理のま鑓を調査したところ、 2
t
土と
も必須と選択の両方から麺料理を扱っていたo
しかし-、ほとんどの麺料理教材は、手打ち麺の
教材ではなく、乾麺の茄で方と茄で麺の調理に
ついての言百億であった。そして、麺料理の教材
は加工食品の利用法についてばかりで屯手打ち
麺の教材が少なかった。唯一、選択項目で行事
食ヰ郷土料理の教材として手打ちうどんがある
が、それは、郷土料理務〈と調理実習を目標と
していた。だが、行事食キ郊土料理を学ぶ麺教
材として手打ちうどんの教材のみでは少なすぎ
る。また、教科書での麺類の作り方の言首紛3手
打ちうどんのみであることからうどん以外の麺
類の作り方を知らない生徒が多川
そこで、麺教材として簡単で時間のかからな
し、授業を行うために徳島県の特産品であるソパ
が良いのではないかと考えた。ツパはうどんの
ように麺の幅が太くないので茄で時間も早く、
ねかしもいらず、郷土料理を学ぶ麺耕~となる
ことが期待される。しかし、ソパ打ちには特別
な技術を要することから、簡単に打てるソパ打
ち貌ずの開発を行うこととした。
本研究では、行事食である年越しそばのよう
に日常の食生活にも利用しやすいように簡単に
打てる十割ソパの緋オの開発と授業実践をする
指導教官前田英雄
ことを目的として研究を進めた。
2
.
研究の方法
(1)ソパ打ち教材を開発するためにソノ守
T
ちの
文献調査を行い、簡単なソパ打ち方法の検討を
した。
(2)~悌道産と中国産ソノ粉につなぎであるヤ
マイモパウダーを含んだ各4種類の試料の破断
応カを測定しもつなぎによる物性を検査した。
さらに、評点法による官能検査を行い、十割ソ
パの教材開発の可制金について検討した。
(3) ソパ打ち教材の授業実践を行うために、中
学校3年生の家庭科を選択している生徒を対象
に質問紙を用いてソパ打ちに対する事前の意識
調査を行った。授業実践は一斑3人で編成し、
計7斑の21人を対象としてソノザ
T
ちの授業実践
を行った。さらに、調理実習後にソパ打ちの意
識調査を行し、事前と事後の意識変化を調査した。
ω
担会人を対象としたソパ打ち体験を行う鳴
門教育大学主催の公開講座に実験補助として参
加した。公開講座では、社会人の参加者にソパ
打ちに対する事前と事後の意識変化を調査した。
3.結果及て縛察
(1)特別な技術のいらないソパ打ち方法を調
査した結果、大久保が開発し-た筋単なソノマ
T
ち方法を採用することとした。この簡単なソ
パ打ち方法によって水回しからソパを打つ
-424-までの時間は
2
0
分で完了することがわかっ
た。
(劫ヤマイモパウダー含有率
(0%
、
0.5%
、
1.
0%
、
2
.
0
%
)
の違いによるお節鵠ソパの破断
応力では、オ織道産ソパのヤマイモパウダー含
有率
0%
とヤマイモパウダ}含有率
0.5%
問、及
びヤマイモパウダー含有率
0%
とヤマイモパウ
ダ}含有率
2%
間に有意差
(
p
<
0
.
0
5
)
が毎擦
された。しかし、中国産ツパの破断応力による
有意差は認められなかった。ソパ打ちを授業実
践の前提として考えると、ヤマイモパウダ}
では原材料の種類や価格の問題があり、すり
おろしたヤマイモでも水分調整が容易では
なし、よって、つなぎ入りのソパは本研究の
目的である簡便なソパ打ち教材にならない
ことが明らか
i
こなった。
続いて、北海道産ソパと中国産ソパの官能
検査の結果、外観・香り・食感・味・総合評
価とも有意差はみられなかった。官官主検査で
はソパにつなぎを入れてもソパの食感につ
いての噌好性に有意差がないことからつな
ぎの入っていない十割ソパをソパ打ち教材
として用いることにした。
(3)質問紙による事前調査の結果、ソパの作り
方を知らないからソパを作ってみたいとい
う回答が多くみられた。また、郷土料理であ
る祖谷ソパやそば米汁などの知識や実際に
食したことがあるという回答も多くソパへ
の関心が高いことが推測された。
続いて、中学生を対象とした授業実践では、
fソパを打つことは難しいと思います制とい
う項目の事前アンケ}トでは、思うが
8
5
.
潟、
思わないが14.3覧という結果であった。しかし、
事後アンケートでは、思う
80%
、思わない
20%
であり、難しいと回答した人数は輔なに比べる
と約1嘗蟻紗した。ソパ打ちが難しい理由は、
そば切りが難しいという回答が多かった。これ
は、大久保によるソパ打ち教材が水田しを容易
にしたことから一般拘に難しいとされる水回し
部分を難しいと思う生徒カ旬Pなくなったことに
つながったけ鰍!された。また、 f自分ひとりで
ソパを打つことができると思いますっÕ~J という
項目では、事前と事後の調査から有意差
(p<
0
.
0
5
)
がみられ丸
(4)担会人を対象としたソパ打ちでは、 fソパ
を打つことは難しいと思います?州、 f自分ひと
りでソパを打つことができると思いますかj、
f自分ひとりでソパ打ちをすることが不安です
かj、「麺を絢く切る自信がありますでカサという
設問の4つが事前と事後の調査からいすサしも有
意差
(
p
く
0
.
0
5
)
がみられた。子どもよりも大
人の方が生活経験特日識の面からもソノザ
T
ちの
理解キ実技の習得が早いと推測された。
4
.
今後の課題
本研究の今後の課題として中学生を対象とし
た授業実践では、ソパ打ち自体を知らない生徒
が多かったにも関わらず、ソパ打ち l回のみの
授業であったことからソパ打ちの衝易化につい
ての理解が得られにくかった。事前にソノマ
T
ち
ゃソパの歴史・栄養・郷土斜理などの調べ学習
から調理実践を考えた授業開発が必要であると
思われた。そのようなソパについての多面的な
知識や情報の伝達がソパ打ちに対する理解を深
化させるのを助けると考えられる。また、ソパ
切りが難しいとされるので、ソパ切りについて
新たな教材開発を行い、授業実践をすることに
よって、学校で学んだことを家庭でも行えるよ
うに改善したいと考えている。
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