倭瞥墜奪,鷲1難珪言)
脳性小児麻痺の研究
特にその轡型と病因について
緒 東京女子医科大学整形外科教室(主任 森崎直木教授) 講 師 三 岡 オカ 本 モト. ‘幸 サチ子
コ(受付昭和33年1月30日)
脳性小児麻痺は脊髄性小児麻痺や骨関節結該, その他とならんで肢体不自由症の最も多い原因の 一しツで,全国で約四十万と推定される肢体不自由 児のうち,非常に数の多いものであることは間違 いないと思われる。例えば厚生省社会局及び児童 局が全国の整形外科医に依嘱して実施した肢体不 自由児の実態調査(昭和29年3月)によると,18 才未満の肢体不自由児中,脳性小児麻痺及びその 他の圭な疾患の百分率は, 脳性小児麻痺 脊髄性小児麻痺 先天性股関節脱臼 骨関節結核 15. 0% 19. 6% 11. 3% 10. 6% の割合となっており,同じく佐藤氏の広島県下に おける肢体不自由児の現況報告(昭和31年ユG月) によっても, 脊髄性小児麻痺 脳性小児麻痺 骨関節結核 先天性股関節脱臼 21. 1% 21. 8% 7.5% 8. 6% と脳性小児麻痺の百分率は1倍乃至2倍を占めて いる。Phelps(1941)の統計によると,人口10万 につき毎年7人の脳性小児麻痺が生まれ,このう ち1人は5才頃迄の問に死亡するといわれてい る。現在我が国のユ8才未満の脳性小児麻痺は9万 をこえ,平均寿命を60才として全国では約30万 に達することになる。 このように多数をしめる脳性小児麻痺児につい ては従来その病相の余りにも複雑多岐にわたるた めか,医療の面でも余り関心がもたれず,多くは 家族から厄介者視されつつH蔭の暗い生活を余儀 なくされ,たまたま医師の門を叩いても脳性小児 麻痺と診断がつくと同時に治療の方法がないと突 き放され,一貫した治療方針ももたぬままに転々 と医師をかえつつ,いたづらに年令を重ねるとい った状態が多かったのである。そもそも1862年Dr. William John Littleが 脳性小児麻痺について最初の着目をして以来,今 日までほぼ90年の歳月が流れ,その間発見者の名 前をとってLittle氏病と一般に呼称されてきた この疾患については,漸く最近になって,とくに 欧米においてこの病気の性格が再認識され非常な 熱意をもつて調査研究が進められるようになっ た。その結果治療法やその他各方面において種々 の成果があがり社会的施策も急速に進められつつ ある。我が国においても最:近肢体不自由児に対す る救済事業が一般に大きな関心をもたれるように なると共に,漸く脳性小児麻痺児の問題も世の脚 光をあびて登場するようになり,高木名誉教授を 、はじめ幾多先輩諸氏のたえざる研究努力が結実し つつあることは誠によろこばしいことである。 従来成書にもうたわれている如く,脳性三児麻 痺とは脳の非進行性障害による四肢の痙直性麻痺 を主徴候とする一症候群であり,運動調節不全, 関節強剛,不随意運動,智能障害等を含んでい る。その病因は脳の崎形(Porencephaiie, Mik− rogyrie等):炎症後遺症,頭蓋内出血旧いろいろ
Sachiko OKAMOTO (Department of Orthopedic Surgery, Tokyo Womefi’s Medical Col]ege) : Study
on Cerebral’palsy. Especially on its various form and etiology.
で,従って病変の種類及び程度も特定ではない。 しかも病変は常に発育期の脳を侵すために,種々 の欠落症候は他の健康区域によって代償せられ, 症候はしばしばある程度に軽快して停止するもの であるとはいえ,これを放置すれば運動麻痺によ る筋,関節の二次的変化により肢体の不自由度は かえって増加することが考えられる。それ故に脳 性小児麻痺の実態を正しく把握し,早期に適切な 治療方針を樹立し遂行することは,これを予防す る手段方法が絶無である今日,是非とも必要なこ とであろう。全国的に肢体不自由児の収容施設が 増加拡大し,一般の療育思想も高揚きれてきつつ ある今日,臨床整形外科医として,今迄不治とい われていた脳性小児麻痺患者に接する機会が少く なくなったが,私は肢体不自由児収容施設の一つ である整肢療三園においてとくに脳性小児麻痺の 病型及び病因について調査して,いさきかの知見 を得たのでここに報告する。 奉 論 .1・.調査方法 昭和30年1月より昭和31年12月宋迄の期間肢体 不自由児収容施設である整肢療華甲に来園せる脳性小 児麻痺患者中,主として入園して治療をうけた154例 について調査した。各項目において記載不明,不正確 のものは各項目毎にこれを除外した。
2.調査内容
以下項を追って述べる。 1)発生頻度 2年聞に整肢療護園を訪れた患者総数は7110名 で,そのうち脳性小児麻痺の診断をつけられたも のが511名,全患者の7.25%に達1した。これは 齊藤氏(1952)の全国の患者を対象とした0.77% (昭和20年∼24年)よりは大分多いが,肢体不 自由児収容施設という特殊な環境に支配されてい るためであろう。 2) 性別,年令別分布 来園した脳性小児麻痺患者511名についてまず 性別分布をみると,男305名(59. 7%)女206名 (40.3%)でほぼ3:2の比率であった。そのうち 入園して治療をうけたものが154名,うち男87 名(56.4%)女67名(43.6%)である。(表1) 年令別分布をみると,5才以下207例,6才か ら10才迄が192例で両者を併せ全患者のほぼ78 %をしめ,これは齊藤氏(1952)の矢張り10才迄表1
性 別 分 布 性 別 男 女 計 例 数 一 計入園外来「
87 67 154 218 139 357 e/5 305 59. 7 206 40. 3 511 100. 0 の患者における65%を上廻っているが,近年療 育思想の普及に伴い初診時年令の低下してきてい ることを示すと共に,肢体不自由児収容施設とし ての整肢回護園は溝18才以上は診察対象としない 規定であるためであろう。(表2)表2
年令別分布
年 令 群 (満) O tv 5 6 rv 10 11 .v 15 16 tv 20 計 (511) 才 例 数 男 女 126 116 49 14 305 81 76 34 15 206 計 % 207 40. 5 ユ92 37.6 83 16.229 5.7
一511 100.0表3Schenectady County及びNew York
Stateにおける年令別分布(1949) 年 令 群
5才以下
5 tv 9 10 (ノ 14 15 N 19 20 tv 24 20r N 3435才以上
計
Schenectady New York
County State
% 例 数 16 28 17 8 13 9 9 100 3250 6160 3740 1760 2860 1980 1980 21830表3は1949年米国Schenectady County及
びNew York Stateにおける脳性小児麻痺患者の 年令別分布を示したものであるが,この場合にも
10才未満が全患者の44%強とい.う百分率をしめて いた。
ここでとくに入園患者154名についてその年令 別分布をみると表4の如く,6才から10才迄の年 令群が最高で61例(39.6%)ついで11才から15 才迄の年令群が40例(25.0%)で5才以下36例 (23. 4 %)より上廻っている。これは入園患者が 主に義務教育をうけねばならぬ学童であるためで あろう。
表4
入園患者年令別分布
年 令 群 (満)ON 5才
6 ”J 10 11 tv 15 16 tv 20 例 数 男 女 計 % 23 33 25 6 13 28 15 11 36 23.4 61 39.6 40 25.9 表6 病 型 分 類 一外来患者354名一 病 型 痙 直 型不随意運 動 型
置 (154) 87 67 失 強 二 宮 不 調 剛 顧 合 計 帰 山 四 型 詳 例数 % 174 136 14 12 0 8 10 354 49. 3 38. 3 3. 9 17 11.1 154 100.0 3. 4 o 2.4 2.8 100. 0 3)臨床的分類(二型)と障害部位について i)二型について 脳性小児麻痺は病因,症状が種々であるだけに分類も甚だ多様でIbrahim, Per19tein, Brock_ way, Phelps,齊藤,伊藤1丁目よつて,脳障害の解 剖学的部位により,臨床症状により,侵された四肢 の種類により,筋のTonusの程度により種々分 類きれているが,私はその最:も普遍的なPhelps (1941)の分類に従って,入園患者154名を,痙直 型,不随意運動型,失調型,強剛型及び振頭型に 分類しt:。 表5 病 型 分 類 一入園患者154名一一 病 田 痙 直
不随意運動
失 強 振 混 不 調 剛 甑 合 計 型 型 型 型 型 白 蛇 例数 % 48 96 5 4 o o 1 154 31. 2 62. 3 3. 2 2.6 o o 1. 7 100. 0 堅甲型(痙直を主症状とするもの)は主として皮 質運動野及びその附近の錐体路系の損傷により惹 起せられ,臨床的には筋緊張熱望状態にて,特異的 なことは侵された筋の伸張反射(Stretch reflex) がみられることである。さらに足撚搦,深部反射 の増強,バビンスキ…一現象がみられる。また筋の 拘縮は他の型におけるよりも多くみられ,痙攣や 智能の発達遅延を伴うものが多い。筋電図所見も 特有である。 不随意運動型は錐体外路系の障害で,視床下部, 尾状核,被殻等の皮質下諸核の病変によると考え られ,臨床的には1抑制し得ない不随意的な非協 調的運動傾向と,②運動中にみられる筋の種々の 程度の緊張と強直で,その結果ヒmレア,アテト ーゼ,同伴運動,振頭,捻転痙二等が現れる。 しかしこの様な異常運動を特徴としても筋その ものは,反射や筋収縮の点では全く正常に働いて いる。筋電図所見でも異常を見出し得ない。 失調型は小脳及びその経路の病変によると考え られ,臨床的には平衝感覚の障害で,協同運動障 害,企画三頭がしばしばみられる。 強剛型(強剛を圭症状とするもの)は錐体外路 系の障害で,大脳皮質及び大脳核,大脳皮質及び 中脳核が同時に損傷せられた場合に惹起せられ, 臨床的には筋緊張充進し他動的には平等の蝋様抵 抗を示す。 混合型は以上の四病型が共存するような例であ るがこれは非常に稀で,脳の障害が広汎にすぎて 多くは死亡してしまうものである。一39一
病i型分i類についてはBrockway(1936)は痙直 型0%,不随意運動型8%,混合型92%,失調型 及び強剛型0%と,Molntire(1938)は早態型36 %,不随意運動型36%,混合型5%,失調型及 び国恥剛型23%と,Phelps(1940,ユ942,1945, ユ946)は男憎型35∼40%,不随意運動型30∼35 %,失調型15%,強剛型及び振顔型15%,混合型 3∼4%と報告している。私の入園患者にわける 一型分類では出直型と不随意運動型が多くて全患 者の93.5%をしめ,ことに不随意運動型が全例 の過半数62.3%をしめて痙直型を上廻っている ことが注目される。しかし同期間内に外来を訪れ た脳性小児麻痺唐者354名の病勢分類の結果は表 6の通りで,この場合には従来いわれているよう に痙直型が最も多く49.3%,ついで不随意運動 型38.3%となっている。かくの如く外来患者に 下直型が入園患者に不随意運動型の多かった理由 の一は,入園に際し一応療育つまり治療と教育の 可能なもの,智能指数(IQ)でいうと大体80の 線以上という適応をもうけたためと思われる。 附(1)脳性小児麻痺と智能 脳性小児麻痺に知能の障害を伴うことはっとに知ら れ,その程度も全然侵されないものから痴愚,白痴に 至るまで種々である。しかしすべての脳性麻痺患者が そうであるわけではなく中には非常に優秀な知能をも つたものもある。脳性小児麻痺患者は言語障害や,肢 体の不自由のために動作が不活譲になること或は特有 の顔つきのためにとかく智能が低いと誤解されがち で,時には社会的経験の乏しいための無智もある。現 在行われている智能検査の方法が果して脳性児麻痺児 の正しい智能成績を評価しているかどうかは問題が あるが,一般に約70%は正常の智能をもつているとい われている。斎藤氏(1952)は64例の脳性小児麻痺患 者に行った,鈴木氏大阪式及び脳研式検査法の結果か ら35%強に精神薄弱者をみとめたが,平均智能は一般 人と:大差をみとめないとのべ,小林氏(1940)は肢体 不自由児69例(うちLittle琉病8例)の智能状態は 一般標準よりむしろ優秀の傾向にあるとのべている。 私が入園患者109例について,田中ビネー式個別智 能測定法を実施してみた結果は表7,8の通りで,智 能指数平均智以上の百分率をみると痙直型37.5%不 随意運動型53.3%で,不随意運動型にあっては智能の おかされ方が少いといわれていることを示している。 このことはまた療育の対象として不随意運動型が痙直 型にまさることを証明していると考えられる。精神薄 弱者は25%強に認めたが平均智能に関しては一般健 康i児に比べて甚しく劣っているところはなかった。
表7
智 能 検:査 成績 智 能 段 階 智 鳥指 数 脳性小児麻痺 一般健康児例蜘%1例釧%
最低劣・∼・・1・
’低劣智1・・一・・122 25.7 23 ij
5i一,一”li I 2.8根劉・・c一 85i2724・・124・・1.…2
平均智85∼・・55・1・5・9775267・・
佳良智1・・5一・3・1・( …杢・4518・・ 計 ・・9例 1 11S46例1 ・% 20 t5 1e 5 o t表8
(鈴木氏による)病型別智能分布
i i, l i ..一il ; E t一一一J: .一. :/ i ゴi ..一:/ ” 症直型 文 不睡意 〆 運動型 r「 贈一咽一一一健康児 … … … しコドロセ … … … … … … しりコロリ 1 … コ L「 窪L 複
30 le so 60 ’ 奄?一solq6 loo no 120 L’30 iae 160 160
難・下」一一一」IL一一鴨・上 附(2)脳性小児麻痺と言語 脳性小児麻痺患者にみられる言語障害は,大部分の 怪事言葉の発達そのものの遅れと発語器財の形態的及 び機能的異常によって起ると考えられる。従って言語 中枢からの命令はうまくでていても構音及び発声器官 の筋痙直または筋運動調節が円滑に行われないために 言語として閉瞭性を欠くものが多い。智能との関係は 極めて重症な場合に限って智能障害が言語発達を高度 に阻害しているということが知られる。 その他視力障害等もわっかであるがみとめられた。 ii)障害部位について 脳性小児麻痺の状態を侵された四肢の種類によ 一 310 一
つて分類すると表9の如くになる。すなわちV.E. Cardwe11(1947)の分類に従って Paraplegia:両下肢のみが侵されたもの Piplegia:両下肢を主とし,両上肢も軽度に侵さ れたもの Quadrip!egia;四肢全部の侵されたもの Hem量p1今gia:体の1側が侵されたもので,この状 態のものは上肢の方が強く侵される。 Triplegia:刑訴の侵されたもので,普通両下肢と 1側上肢が侵される。 Monoplegia:一肢のみが侵されるもので,極め て稀である。普通は1側下肢の麻痺で ある。 表9 障 害 部 竃分つ。 一般に剛直型ではParaplegiaが多く,不随意
運動型ではQuadriplegiaが多いとされている
が,私の揚合にも痙直型ではParaplegiaが72.9 %,不随意運動型ではQuadriplegiaが86.5% という高率を示した。Hemiplegiaは両型にそれ ぞれ10%内外存在し,MonoPlegiaは痙直型に1 例,Diplegia, Trip!egiaは1例もみとめなかっ た。(分類に当ってはParaplegia, Diplegia及び 下肢の強く侵されたQuadriplegiaとの鑑別,さ らにMonoplegia,. Diplegia及びHemiplegia との鑑別に充分注意した。) 位 に よ る 分 類 障害部位 Paraplegia Dip工egia Quadriplegia He皿iplegia Monoplegia Tripleigia計
1.一.....一一@ts4) 病 型 痙 直 型 不随意運動型失調型陣二型不
詳 回数 % 1例数 % 例数 % 回数 % 例数 % 35 72.9 o o 6 12.5 6 12.51 2.1
o o 48 100.05 5.2
o o 83 86.58 8.3
o o o o 96 100.0 5 100.0 5 100.0 3 1 7s.o l 1 loo.0 25. 0 4 100.0 1 100.0 計 40 26.0 o o 98 62.315 9.7
1 2.0
o o 154 ]OO. O 4) 既往歴(病因)について ’i)素因について 脳性小児麻痺はその既往に分娩時異常がみられ ることが多いために,分娩時頭蓋内出血が原因と なることは考えやすいことであるが,しかし出.血 の全部が脳性小児麻痺に発展するものでないこと はUllrich(1929)の調査で明らかである。この点 及び先天性に本症が発生するところがら,素因が 考えられることが多い。例えば,神経または精神病 家系,両親の血族結婚,祖先の大酒家や梅毒或は 同胞に出現すること等はすでにみとめられたこと であり,Freundは胎児の神経系統の欠陥を唱え Collierもこの説に賛成しCurtisは脳の先天性 劣弱性が遺伝すると考えている。 a)両親の一血族結婚は割合に多く,石原氏による と18%(日本人一千.族結婚4%川上)にあるという が,私の場合には12例,エ0.7%で,従兄弟同志 の結婚が10例,復従兄弟同志のそれが2例であ った。 b)両親の健康状態は大体良好で,遺伝的関係は とくにみとめなかったが,1例に父親が精神病で 加療中というのがあった。 c)梅毒については,妊娠中に保健所で一血液梅毒 反応をうけた71例中,明らかに陽性であったもの 7例をみとめた。 d)流産の経験は21例にみとめ,くり返して4 回連続流産の経験ある1例を除き,すべて初回妊 娠の2∼3ヵ月目に発生している。 e)同胞の発生はGewersは第一児に比較的多い といい,Freundは多数兄弟の末子に多い,時に は二人以上の兄弟が罹患することもあるという。 私の易合は表10,11にしめす如く,長子が46.4% で最:も多く,ついで末子の32.1%となっている。 一311・一表10 兄弟姉妹の関係
一同胞の順位一
陣包蠣位「(例数)経済的苦況
離i婚
であった。 1例1例
病 型 痙 直 型不:随意運動 型
失調型 その他
計
O/e 長 子 その他末 子 206 12
26 15 23
6 3 152 24 36
46.4 2L 5 32.1表11 兄弟姉妹の関係
一出生順と同胞数一 表12 妊 娠 中 の 障害 同 胞 数 出生順位 12 3 4 5 6 78 9101112計 例数28 13 6320000000
11 8410000000
6330000000
910000000
6 0 1 0 0 0 0 0 2 0 1 0 0 e o 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 52 24 12 10 7 3 2 1 障 害 因 子 I ll 皿W
v
vr 私 田 orX
M
湿 計 精神的打撃,肉体的外傷その他
疾病
妊娠中毒症
つわり
浮 腫 子 滴血液梅毒反応
切 迫 流 産 血 数 痙直型 失調型 1 3 5 410 10
2 10 1 2 2 6 5 5 1 1 2 1 1 or o 計 7 8 22 o o l o 28 24 20 19 13 2 2 1 1 1 1 O112 (独り子は長子の約半数をしめる。)また同胞数の 上からは5人兄弟迄が一般に多くそれ以上はまれ で,最多数は11人であった。6人以上の兄弟では 末子乃至はそれに近い順位に患者の発生をみとめ る。二人以上の兄弟が罹患した例は8例で,双生 児の罹患は4例,いずれも一卵生双生児で第一子 に脳性小児麻痺をみとめ,第二子は死産1例,病 死2例,健康1例であった。 f)母体の妊娠中にこうむった障害は表12に示 す通りで,このうち妊娠中毒症が過半数をしめて いる。 精神的打撃及び肉体的外傷による7例は 13 8 7 7 転 倒 静注のショック 戦災または天災2例
1例
2例
母体の疾病は,すべてインフルエンザで妊娠の 最初の3ヵ月におこり,在来問題にされている麻 疹,風疹,糖尿病等はみられなかった。 胎児の脳出血の最も多い原因と考えられる母休 の妊娠中毒症を43例にみとめ,そのうち予痛は8 例にみとめられた。 また妊娠中に母体の生殖腺がX線照射をうけた り放射能にさらきれた例やs麻薬中毒者と思われ る例もなかった。 ii)分娩時異常について 脳性小児麻痺の既往歴をしらべてみると,分娩 時位置異常,分娩時間延長,鉗子分娩,仮死状態等 の難産または早産がみられることが多い。M. Lan ge(1911)の調査した症例107例では,正常分娩2 8,難産43,早産21,分娩経過不明のもの15であり 石原氏の100例の統計では,早産46%,窒息分娩 43%である。また齊藤氏(1952)の1510例の調査 では,そのうち分娩時異常をみとめたものが272 例(18・0%)で,難産78,早産124,仮死分娩21 鉗子分娩21,人工分娩2,早期破水2,その他7と なっている。私の症例で分娩時異常をみとめたU4 例については表13,その1に示す通りである。 a)分娩時の胎児の位置については,大部分が正 常位で生まれ,異常位による分娩は思ったより少 く骨盤位19例,横位1例,顔面位1例の計21例 18.4%であった。しかし一般には異常位置による 分娩は極めて少ぐ3∼4%といわれているので, 一一 812 一この揚合の18.4%という数は矢張り多いものと 考える(衷13その1) b)分娩の時期については,妊娠持続期間(受胎 より分娩迄の心乱)が問題になるが,正期産(妊 娠39週から40週末迄)が18.4%に対し早産(妊 娠20週から38週末迄)が70.2%という高率を 示した。晩期産.(妊娠40週以後)は11・4%であ る。しかも最近5力年間における早産の発現率は 一般には非常に少く約7%で,93%弱は正期産で あったことは一考を要する。 人工早産は3.7%で,狭骨盤,胎位異常,疾病 (肺結核,腎臓炎)等に際し施行されていた。早 産の原因としては,早期破水がほとんどで,その 他後期子痴,胎盤早期剥離,子宮発育不全,精神 感動,梅毒等も存在した。(表13その2) c)分娩の経過については,所謂正常な分娩鋒過 をとれるものは25.5%のみで,分娩時間が延長 し難産におちいったものも48.2%にみとめられ, 鉗子分娩は14.0%であった。 その他に分娩時間の非常に短い急速分娩が少数 ながら存在した(12.3%)。鉗子分娩の頻度は一 般に3∼4%といわれているので私の場合の14.0 %は高率である。 難産の原因としてあげられるものは陣痛微弱1 羊水異常,早期破水等を主としている。(表13そ の3) d)仮死状態すなわち新生児仮死は64.0%の多 きに達し,そのうち重症仮死である白色仮死は 35.O%弱にみとめられた。分娩に際し仮死状態で 生まれてくる率は一般には3%前後といわれてい るのでこれまた非常な高率といわなければなるま
表13分娩時異常
(その1) 分娩時の胎位
病 型 痙 直 型 不随意運動型 失 調 強 剛 振 頭 混 合 不 計 型 難 訓 型 詳 (114) % (100. 0) 例 数正常位
異常位. 29 56 5 2 o o 1 93 81. 6 7 13 o 1 o o o 21 18. 4 (その2)分娩の時期
三 型 回 数 正期産 早 産 晩期産 痙: 直 型 不随意運動型 失 調 強 剛 振 顧 混 合 不 計 型 型 型 押 詳 (114) % (100.0) 4 13 2 1 o o o 21 18. 4 29 47 3 1 o o 1 80 70. 2 3 9 o 1 o o o ユ3 11. 4 い。(i表13その4) e)膀帯の異常は19.3%にみとめた。 の4) 附(1)分娩年令 (表13そ 脳性小児麻痺患者を分娩した際の母親の年令は表14 に示す通りで,翁面は19才(初産)心心は42才(第11回 分娩)であった。年令と分娩回数の関係は一般と余りち がわないが,ここで注目すべきは29才迄に分娩を完了 しa・るものが65. 4%,そのうち第1回分娩すなわち独 り子が56.2%に達していることである。これらの母親 はまだ十分に妊娠,分娩の能力を有しているにもかか わらず次回の妊娠,分娩を非常な恐怖心をもつて忌避 しているのである。また30才以後の分娩が案外多い(34 .6%)ことは高年婦人に分娩外傷の多いこと,それに よる患者の発生の相当見られることを暗示している。 附(2)卑下時体重については表15にみられる通りで 2500g以下の生活力薄弱児を39.8%にみとめたこと は,早産の多いことと関連しているようだ。これはまた 産科,小児科方面で問題になってい’る早産児(未熟児) 哺育の問題とも関係してくる。すなわち早産児の欠陥 としてあげられる1)呼吸困難・…・二二,肺炎,2)体温 調節不全……体温下降,体温昇騰,3)細血管損傷…… 出血,4)肝機能の不全……黄疽,ショック,浮腫,出 血等はまた脳性小児麻痺の誘因にもなり得るから。. 一 918 一(その3)
分娩の経過
袖 型 例 数鑓鯉雛鑛
痙 直 型 不随意運動型 、失 強 振 混 不 調 型 座 頭 合 型 型 型 詳 計 (114) e/e(100.0) 13 16 o o o o 1 30 17 33 3 2 o o o 55 3 11 2 o o o o 16 3 9 1 1 o o o 14 25.5 48.2 14.0 12.3表14分娩年 令
一入園患者の母親一年令群
回 数 長子 末子 其の他 20才以下 21 tv 24 25 rv 29 30 fv 34 35 rv 39 40 tv 44 45才以上 計 4 25 7 3 1 o o o 4 11 8 11 1 o o 3 10 5 5 o 0 計 % 4 4. 1 32 32.7 28 28.6 16 16.3 17 17.3 1 o10
o 98 100.0表15生下時体重
(その4) 分娩直後に作用するもの 病 型 痙 直 型 :不随意運動型 失 望 振 混 不 調 型 剛 頭 合 計 型 凹 型 計 (114) % (100.0) 例 数 仮死 晒帯異常 24 42’ 5 1 o o 1 73 64. 0 6 13 2 1 o o o 22 19. 3 病 型 例 数 [・…9以上3000蒲925…9以下 痙 直 型 アテトーゼ型 失調型その他 計 (141) e/. (100.0) 14 27 6 47 33. 3 11 23 4 38 26. 9 18 38 o 56 39. 8 附(3)新生児黄疸についてはまだ色々問題が多いと 思われるが,表16に示す通り強度の黄疽を訴えたも のが34・4%に達した。そのうち不随意運動型が79.2 %をしめているが,これは従来いわれている黄疽と不 随意:運動型脳性小児麻痺の関係をある程度示している ものと思われる。 r般に不随意運動型脳性小児麻痺は,そのほとんど が妊娠中の母体と胎児の間のRH因子不適合によって 起る船児性赤血球母細胞症による大脳基底核の変性及 び胆色素旧藩(核子痺)に起因するもので,定型的な ものは・「聾アテトーゼ」と呼ばれ,感音系難聴を伴う ・麻痺であることは1941年Phelpsによって指摘された たが周知のように我が国におけるRH因子陰1生者の頻表16新生児黄疽
病 目 痙 直 型 不随意:運動型 失 調 型 強 剛 型 そ の 他 計 (154) o% (100. 0) 函 数 普通 強度 不明 28 46 2 2 1 79 50. 6 7 42 2 2 o .53 34. 4 13 8 1 o o 22 15. 0 度は僅かに1.5%で,欧米のそれに比べればはるかに 少く10分の1以下であり,産科学,小児科学,法医学 の分野においてもこの問題は欧米における程の意義を 有していない。しかし我が国における脳性小児麻痺患 者の病型をみると,不随意運動型の脳性小児麻痺全体 に対する比は,欧米のそれに比べて決して少くないの 一 314 一みならず,定型的RH児によく似た臨床症状を呈する ものがしばしばみとめられ,これらの不随意運動型脳 性小児麻痺患者の多くは,高度の新生児黄疽,哺乳困 難,チアノーゼ,貧血等核黄疽を思わせる既往歴を有 している。私の場含にも不随意運動型脳性小児麻痺患 者に強い新生児黄疽がみられたことがただちに核黄疽 であると断言はできないが,この中26.1%に中等 度及び高度の感音系難聴を発見したことは,両親及び 患者のRH血液型の検索は行い得なかったが,矢張り 核黄疽をうたがわしめる。黄疽と共に貧血,発熱及び 痙攣を伴うものが少くなく,その最大持続期間は約3 ヵ月であった。 iii)分娩後にみとめられた異常の主なものは a)精神的不安を訴えたもの19. 0% b)哺乳困難は50.8%に達す 。)栄養方法としては,母乳栄養,人工栄養,混 合栄養の三法が適当に行われていて特別のことは ない。しかし脳性小児麻痺患者は咀囑や嚥下困難 を伴い易いため年長児になる迄流動食餌を与えが ちで,そのために栄養状態が一般的に余り良くな く,いわゆる栄養失調症と思われるものが3%強 存在した。 d)疾病関係では38。C以上の発熱をみたものが 59.8%もあったが,このうちで明かに続発性脳炎 をおこしたと老えられるものは11%である。
総括並びに考按
脳性小児麻痺は整形外科で取扱う疾患中治療の 最も困難な病気であり,現在でもいささかもて余 し気味なものであるが,整形外科学が姿勢及び運 動機能の病理,予防を取扱い,さらに機能の按復 を重大なる目的としているならば,厄介な脳性小 児麻痺といえどもこれを放置しておくことは許せ ない。この疾患が運動系の機能的障害の他に,病 変が発育期の脳におこったために病巣周辺部の二 次的発育障害を起して,痙攣,智能発育の遅滞, 言語発達の障害,とくに聴視覚における種々の程 度の感覚脱失等の原因にもなり,その現われる病 相は多種多様で,これが診断はその凡そ90%が先 天性であるにもかかわらず非常に困難を極め,老 練な臨床家でも生後6カ月以内にこれを見付ける ことは少いようである。しかも脳の指南力の獲得 や痙性麻痺に伴う筋短縮変形を予防するためには 早期治療が大変良い効果があげられると思われる が,そのためには早期に正確な病型を知ることが 必要かくべからざることになる。しかし脳性小児 麻痺は一つの症状群ともいうべきもので,その原 因に種種なる要素を含んでいて,その分類につい ても①脳障害の解剖学的部位,2)痙性麻痺,アテ トーゼ,強剛等の臨床症状の性質,③侵された 四肢の種類,④筋の緊振度,⑤病気の軽重,⑥病 因等の種々の観点に立ってなされなければその間 には多くの混乱もみられるようだ。熱型について は有名なlbrahim(1931)の分類は錐体路系と錐 体外路系とに分けられているが,脳の障害部位に よって異った末梢運動器官の異常状態を,現れた 主なる臨床症状から分つのが大変普遍的と思われ る。私はPhelpsの分類に従って痙直型下肢麻痺, 不随意運動型四肢麻痺を区別した。この線型を明 確にすることは治療の面でも必要なことで,とく に克服訓練において意慾を喚発するためには,各 論型症状に応じた適当な処方指示が提出されなけ ればならない。 脳性小児麻痺:の病因については 1):先天性に脳の発育に欠陥のある揚合 2)分娩時の損傷によって頭蓋内出血を起したと き 3) RH因子による核黄疸の際 4)続発性脳炎すなわち種々の伝染性疾患によっ て続発性におこった脳:炎: 5)脳血管障害例えば脳血栓 6) 先天性梅毒変化によるもの 等種々あるが,そのうちで最:近問題になりつつあ るRH因子による核黄疸は脳性小児麻痺の約10% の原因をなすといわれているが,我国においては RH因子陰性者の頻度が非常に少く(約1.5%) 従来余り問題視されていなかった。しかし不随意 運動型脳性小児麻痺患者に特異の聴力障害を有す るものが多く,それが高音域のみ程度の重いいわ ゆる宏遠系難聴であることが漸次明かにされ欧米 におけるいわゆるRH児のものと本質的には全く 同様の聴力障害であることがみとめられた(約 50. 0%)。このことは日本人のRH因子陰性人ロ の比率からはやや説明しがたい現象であるが,不 随意運動型脳性小児麻痺患者の多くに核黄疸を思 わせる既往歴を有していることから,今後RH因子の他ABO系, k−k系型等の血液S型につい
ても検索の必要をみとめると共に,病理追求に当 って興味ある問題である。 一315一つぎに脳性小児麻痺はその既往歴に,分娩時の 胎位異常,分娩時間の延長,鉗子分娩,仮死状態 等の難産または早産がみられることが多いため 1こ,分娩時の損傷によって頭蓋内出血を起し易い ことが能えられる。Little(1862)によれば,痙直 性麻痺の75%は頭蓋内出血によるといい,その原 因を早産,難産,長時間を要した分娩,とくに窒息 分娩にもとめている。分娩時に頭蓋内出血を生ず る機転にヒ)いては,胎児の頭蓋が産道を通過する 時の圧迫,鉗子による圧迫,挫滅等の外部からの 圧力増加の他にSchwartze(1927)は子宮腔内の 内圧と外界圧の差違に重要性をみとめ,出血は硬 脳膜下出血が多く,脳実質内出一陽は少いという。 更に出血の多い部位としてSinus Iongitudinalis 及びVena cerebri magna(Galei)の系統をあ げとくに尾状核に行くV.terminalisに出血しや すいことをのべている。八木氏(1933)は出血機 序を,頭蓋容積変化,胎児の組織抵抗,欝血の3 者の相:互関係で説明し88%は硬膜下出血である としている。それ故最近Ingraham(1944)等は 硬膜下血腫の早期排除により,脳の正常発育への 恢復を企図している。 早産は脳性小児麻痺の有力な一要因で,すでに Littleもみとめたところであるが,早産児では錐 体路発育不全も老えられるが,早産児の血管がと くに傷害され易いために頭蓋内出一血を招来しやす いことをYIPP6(1928)が証明している。 新生児仮死もまた広義の分娩外傷と考えられ, 脳性小児麻痺の一起因とされるが,その成因は, 脳圧充血状態の長期作用による頭蓋内欝血であ る。八木氏(1953)は699例の分娩死亡乃至臨床 的に仮死状態より死亡した薪生児の剖検例から 29.8%の頭蓋内出一徹をみとめ,この事実から脳性 仮死(27.8%)を分類し,頭蓋内裂傷に基く,丁 度大人の脳浴1血に相当するものとしている。それ 故に昔は稀と考えられていた頭蓋内出.血による仮 死が実際には非常に多いことから,仮死の治療法 としてのSchuelze氏膏血法やZwerbe1氏法, 緒方氏法等は脳性小児麻痺の発生を謡えても危険 な操作であるといわねばならぬ。 かように分娩外傷とくに分娩時の頭蓋内出if11が 脳性小児麻痺:の大きな原因となることは出血部 位。出並エ巣の転帰から十分に考え得るところであ る。しかし出血の全部が痙直性麻痺に発展しない ことはUllrich(1929)の報告でも明かである。すな わち頭蓋内出.血を証明した新生児中64%は正常に 発育し,33%は生後間もなく死亡,約3%のみが垂 直性小児麻痺を残している。ここに,素因のとり あげられる余地がある。素因としては,前にもの べたRH因子による核黄疸の他に,妊娠中毒症に よる胎児の脳出血.が重要である。其の他に母体の 酸素欠乏症や感染症もまた胎児を侵して脳障害を おこすものである。以上の如く考えると脳性小児 麻痺の予防には分娩外傷の予防及び外傷直後の処 置がまず適当に施されなければならないと思う。 今改めて約500例に及ぶ脳性小児麻痺患者の分 娩に関する既往歴とくに分娩時異常について調査 した結果,つぎのことが判明した。 1)分娩に対する考察 511例の脳性小児麻痺患者の分娩経過を,いわ ゆる安産,難産に分類してみると表17の如くにな る。これでみるといわゆる難産は28%弱であって, 脳性小児麻痺において難産のしめる位置は大へん 低いように見える。ところがまず第1にいわゆる 安産中に脳性小児麻痺に連関のある急速分娩が相 当入っていることが判明したので,これを安産中 から分離してみると9%強のものが存在すること がわかった。この安産,難産,急速分娩について分 娩外傷の有無と分娩時期の点から観察すると,早 産が相当多く48.1%をしめ,正期産39.7%を上廻 るものである。しかも安産と称するものを詳細に 調査すると,小脳小児麻痺の発生に連関ありと思 われる分娩外傷をもつものがエ7.6%あり,分娩外 傷のみとめられなかった45.2%についても早産, 晩期産を除くと狭義の安産は21%強にすぎないの である。すなわち,総例511例中,401例78.6% の高率に分娩異常がみとめられた。またいわゆる 難産と称するものの中にも分娩外傷のみとめられ ない,つまり出生に時間のかかったというだけの ものが8%あり,みせかけの安産,すなわち急速分 娩についても分娩外傷の明かなものが2.6%あっ た。前記の安産で正期産で分娩外傷のない110例21 %強についても,母体の妊娠中の事故すなわち精 神的打撃,肉体的外傷等が明かにみとめられtも の9例,妊娠中毒症と考えられるもの36例,梅毒 3例インフルエンザ,流行性耳下腺炎,麻疹等ヴィ ールス性疾患の既往を有するもの4例すなわち52 例が見出され,結局安全な分娩,狭義の安産つまり 一 316 一
postnataiに発生したと考えられる脳性/1・児麻痺 は11.5%という少数であることをみとめ得たので ある。 表17分娩に関して(1) 経 過、 つ い ら く 産 (48) 安 障 害
e
e
計e
e
産 (321) p計 時 (回数) 期 早 期 満期 晩 期 7 6 o 25 10 o 32 16 o 49 30 11103 110 18
一一L(2190)欝 %
13 2.6 35 6.8 48 9.4 90 17.6 231 45.2152 140
29 321 45.2難㊥「
刷
iei
産i 37 34 31 24 (142I計16・
14 2 48 33 総計 jfi〈一5Lllt!)rrL9/L)245 204 62
(48.1) (39.7) (12.2) 102 19. 8 40 8.0 142 2Z8 511 100.0表18分越に関して(2)
経 過 ついら く 産 (48)安産
(321)難産
(142) 計 障 害 (回数)舞隣講鉗川並膀
慧帯舞子鱒帯摯
”1一一”一丁一一r1710 O O ;
(3) (O) (O) 52 18 (16) (1) 3 (o) 50 1 (11) (19) 11 (10) 雲全昌/1 112 十 19 十 14 / (30) (20) (10)仮面鉗
死帯子
丁丁使
態常用
13 3 0 69 34 4 90 22 40 172 59 44 これを逆に考えると85.5%という高率に広義の分 娩異常をみとめ得たということである。これを予 防しうる分娩異常とでもいうか,分娩取扱いに慎 重を期して,正:期安産に迄なし得るならぼ,今後, 一先にあげた分娩異常による,78: 6%という高い脳 性小児魔球発生率が相当に変化してくるのではな いかと考えられる。 2)分娩外傷に対する考察 ここでは仮死状態,鉗子分娩及び膀帯異常につ いて分娩経過との連関をみると表18の如くで,仮 死状態は33.4%鉗子分娩は8。6%膀帯異常は11・5 %で,在来宣えられていた分娩外傷即すなわち鉗 子分娩というもののしめる位置は案外・に低いもの であってむし,ろ無酸素症というか,窒息分娩とい うか脳に及ぼす.薗借破裂或は点状盗血というよう なものが重大な因子をしめることをたしかめ得た のである。ただし表にみられる如く仮死応能は,そ の他に膀帯異常を伴っているもの30例,鉗子を使 用したもの20例,三者をかねているもの10例あ り,純粋な仮死状能は21.9%である。同様にして 三崩異常のみをみとめたもの3.7%,鉗子分娩の みのもの2.7%で,真の分娩外傷を伴ったものの 実数は145例28.3%である。仮死状態はそれだ けでも21. 9,%他の外傷を合併したものを合はせ ると33.4%という率は,他の因子に比べて圧倒 的に脳性小児麻痺を惹起する要因であることを思 わせるものである。 結 論 脳性小児麻痺:の病因は,一般に出生前,出生時 出生後に作用する群に分けることができるがその うちで最も多い原因は第2群に属する分娩異常で 78.6%の高率を示した。中でも i)早産のしめる位置が非常に高かったこと。 ii)いわゆる安産と称するものの中に,急速に 体外に出されるため脳圧の急激な変化に伴う脳内 出1血を老えさせる急速分娩9.4%を見出したこ と。 iii) さらにこの9.4%の急速分娩を除いた見掛 けの安産中に分娩外傷の17.6%を見出したこと。 iv)分娩外傷としては在来考えられていた鉗子 分娩は案外少く(2。7%)仮死状態が21.9%にみ 出されたこと。 v) いわゆる難産と称するものの中に,分娩外 傷の明かでない単に分娩時間の延長をみただけの ものが8.0%あったこと。 vi)純粋のPost natalに発生したと考えられる 脳性小児麻痺は案外少く11.5%にすぎなかった 一317一一こと等が明かにされた。 従って適当に姪娠期間め持続をはかって満期安 産.を期待したり,分娩第二期の遷延(児頭が長く 産道内に止まるこ.と)によっつて生じ易い分娩外 傷を何等かの方法で,例えば無痛分娩すなわち適 当な麻酔剤(例えば骨盤底筋並びに会陰弛緩を誘 発するサドル麻酔,陰部麻酔等)に.よる分娩ど か,鉗子の上手な使用または帝王切開等によって 防正出来るならば,脳性小児麻痺め発生を将来大 き.なパーセンテージで抑制することができるので はなしSかと考える。 安井氏も.最:近精神薄弱児の原因の10∼20%が 分娩時の難産によると考えられる点から難産に対 する産科医の態度について論じ「吾々産科医は, この事実に直面したとき,一大決心をもって難産 回.避に全力をつくさねばならぬ義務がある」と化 学療法の進歩,麻酔法の発達,手術手技の向上, 社会学的研究の結果等から,分娩処理に対する産 科医の態度も一・定の変更をせねばならぬ時期にき ている.ニのべているが,このことは脳性小児麻痺 の病因を考えるとき,そのままあてはまる事実で はなかろうカ>6この点については,今後分娩異常 すなわち難産と脳性小児麻痺の癸生の相互関係を 追及することにより明かにさせたい。 以上によって分娩異常即ち早産,難産,急速分 娩及び新生児黄疸ぷ脳性小児麻痺:の凍因として重 大な要素をなすご.とがうかがえる。 稿を終る}と当り,.御指導を賜った恩肺森崎教授並び に整肢療護園高木園長,山本,五味両博士に深く感謝 いtします。 引主なる一献
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