シンポジウム 〔東女医大誌 第58巻 第6号頁 537∼546 昭和63年6月〕
遺伝子操作の基礎と臨床
ヒト心筋ミオシン重鎖(MHC)遺伝子の
構造と染色体上の位置決定
東京女子医科大学 循環器小児科学教室 マツ オカ ル ミ コ松 岡 瑠 美 子
(受付 昭和62年12月3日) 1.筋細胞の発生(決定と分化) 動物が受精卵から生体へと発生していく過程で は,管理職的な遺伝子が特定の時期に特定の場所 で命令を出し(決定),それに従って一群の遺伝子 の発現が開始され,細胞の特殊化が起こる(分化). 筋細胞(筋節)は,神経胚の神経管の両側に出現 する体節(somite)より発生する.この細胞群の 一部が移動し,分裂増殖を繰り返し,筋組織とし ての形態を整えるとともに神経系との接触など, その機能の発現へと進む.筋収縮に関与する多種 類の蛋白質が多量に合成され,筋収縮構造が構築 される.現在の考えでは,決定から分化の過程で 起こる細胞の特殊化に際して遺伝子は安定であ り,初期胚のポリポテンシャルな細胞と同一の遺 伝子構造を有していると考えられている.それゆ えに,組織特異的な遺伝子の発現は,遺伝子上の DNAの配列(cis−acting)と他の遺伝子上の産物 (trans−acting)の協調的な作用によると考えられ ている.ミオシン,アクチン,トロポミオシン, トロポニンなどの筋調節蛋白質は筋種,発生段階 を反映し,分子量,等電点,免疫学的特性などに より数種類のアイソザイムに分かれる.各々のア イソザイムは相同性の高い蛋白質であり,またこ の遺伝子の塩基配列もかなり高い相同性を示し, 単一の祖先型遺伝子から進化し,進化の途上で筋 種および発生過程における発現の特異性を獲得し たと考えられる. 2.心筋ミオシン重鎖(MHC)遺伝子の構造と 染色体上の位置決定 ミオシンは代表的な筋収縮蛋白の一つであり, 分子量200,000の重(H)鎖と16,000∼27,000の軽 (L)鎖からなる(図1),全長25,000塩基対の MHC遺伝子のメヅセンジャー(m)RNAは7,000 塩基からなり,お互いに相同性の高い,13の異なった筋原性MHC遺伝子の存在の可能性が示唆さ
れている.これら全ての筋原性MHCが,一つの 染色体上にまとまって配列しているか,一つまた はいくつかの染色体上にばらばらに存在するか, あるいはいくつかのブロックを作りまとまって配 列しているかを検索することは,筋細胞の発生の 機序を知る上でも,心臓疾患と遺伝子との関わり 合いを検索する上でも極めて重要な課題である. 今日までに4つの研究グループがヒトの筋原性 MHC遺伝子の染色体上の位置決定を報告してお り,いずれのグループも染色体17番の短腕にすべての筋原性MHC遺伝子がまとまって位置して
いるとしている.しかし,このうち3グループ1)∼3) は,プローブとしてヒト心筋でなくヒト骨格筋 MHC遺伝子を使用し,ヒト染色体のハイブリッド細胞より抽出したDNAとDNA−DNA・・イブ
リダイゼーション(Southernプロット)を行なっ ている.もう一つのグループ4)は,ラビットの心筋Rumiko MATSUOKA〔Department of Pediatric Cardiology, Tokyo Women’s Medical College〕: Molecular cloning and chromosomal localization of a gene coding for human cardiac myosin heavy−chain
L一片ロミオシン(LMM) ミオシン重鎖 H一寸ロミオシン(HMM)
一1
! トリプシン による切断 1 ∠ 1 1 パパイン による切断1−1−1
SI S2 図1 ミオシン分子の構造侮
ミオシン軽鎖σ
一β一MHC遺伝子一 5’ 3’ 25KB 中一一一α一MHC遺伝子一 5「 3「 核 細 胞 質隅一一+…
/ 転写 転写 MHCnRNA 5’ 3’ 5「 3’ MHCnRNA 核 MHCmRNA 3MHC ↓ スプライシング 7KB ↓盈
↓ V3 ‘ スプライシング 7KB ‘濫
畢 VI翻博iii封
←一 @ サルコメア 一噂 ←一 サルコメア 一ゆ 図2 心筋ミオシン重鎖の生成 MHCInRNA α_MHC 細 圧包 質 MHC complementary(c)DNAをプローブとし て,ヒト中糸期染色体とインサイッハイブリダイ ゼーショソを行なっており,どのグループもヒト心筋MHC遺伝子をプローブとして使用してい
ない. 心筋MHC遺伝子に関する研究は1982年,ハー バード大学のB.Nadal・Ginardらにより最初に 報告された5).ラットの心筋収縮蛋白の一つであ るMHCにはα,β型の2種類が存在することが 確認され5),図2に示したごとく,このα,β型の 2つのMHC遺伝子は,染色体上で互いに隣…接し ていることが報告された6).この遺伝子は転写さ れ,一次転写産物(MHC nRNA)をつくる.次 に,一次転写産物から遺伝情報を有していない介 在配列を取り除き,その切れ目を共有結合で再び結合し,mRNAは完成する.さらにこのmRNA
を翻訳することにより,蛋白は合成される.この 合成された蛋白は,V1(αα,α一MHC遺伝子のhomodimer), V3(ββ,β一MHC遺伝子の
homodimer), V2(αβ:α・,β一MHC遺伝子の heterodimer)とに分けられる.前述したごとく, ヒト心筋とヒト骨格筋MHC遺伝子は,相同性は 高いが,まったく異なった遺伝子であり,したがってヒト心筋MHC遺伝子の染色体上の位置を決
定するためには,ヒト心筋MHC遺伝子をプロー ブとして検索する必要がある。以下,ヒト心筋 MHCの単離,同定ならびに染色体上における位 置決定の結果を示す7)。ヒト心筋MHC遺伝子の単離ならびに同定
ヒトgenomic library(charon 4Aバクテリオファージに入っており,T. Maniatis博士より寄 与)より,ラット心筋MHC cDNAをプローブと して用い,スクリーニングを行なった.ファージ のスクリーニング法はWydroら1983年8), RNA
精製,DNA−RNAハイブリダイゼーショソ
(Northernプロット)と制限酵素地図作製法は, 一538一2曾。 5}2 180塩基
一
304塩基 347塩基尋圏■■■==コ卑囎聾i・i5
り ●. ●● ゆ ○● oφ .●1081 1437g●o ●00 1●●,CMHC, U_L_L_丑口__止___」
5 ・P・ ・}2 1?81 1r81 ぼ
,cMHc21/26 LLLLL_五」:」_』__」
o ・ ロ の ・ o● ● ■ 6 ロ ◎ ● コ ,CMHC。・。・26■■圖皿■■ プローブ 252塩基 一→ 図3 ラット心筋ミオシン重鎖cDNAs(pCMHC 21/26 α型, pCMHC5β型) N Sl CS2 LMM 3’ @ = r 5’ ,, @ ・・ @ ,●.. @ ●,●, @ ,■・σ @ ●,o・ @ 09・● @ ・●,● @・●,● E●●9 λgHMHC1 ◎oo・→
、 ノ、 !’・ !“一
●魯 pCMHC26または5 図4 0: A a b cll:梱■匹
ミオシン重鎖mRNAilll}・・譜
e心室筋ラット成獣 0 5 10 15×103塩基 ヒト心筋ミオシン重鎖遺伝子λgHMHC1の制限酵素地図(△:BamH1, Hind III,●:EcoR I)B C
de a b c d e a b c d
灘
難 警撫
pCMHCmini 26プローブによる 図5 Northern(RNA・DNA)プロット蝋
.鰹.響
e騨
.4.3』且MHCプ・ニプに焔Nguyenら1982年9)によった.また, Southernプ ロット法はSouthern 1975年lo)によった.図3の
ラット心筋MHC cDNAs(pCMHC 21/26:α
型,pCMHC5:β型, B. Nadal−Ginard博士より 寄与)をプローブとして用い,genomic libraryよ り8コロニーを取り出した.この8コロニーはBamH I,Hind HI, EcoR I,Pst Iの4つの制 限酵素による切断部位がすべて同じであることよ
り,すべて同一の遺伝子であることが示唆された.
この単離されたヒトMHC遺伝子は,15,000塩基 の長さで,λ gHMC1遺伝子と名づけられた.
BamH I,Hind HI, EcoR Iの3つの制限酵素を 用いて作製されたこの遺伝子の制限酵素地図は図 4のごとくであり,S1の一部, S2, L・メロミオシ
ン(LMM)を含んでいた.このうちλgHMHC1
遺伝子をEcoR Iで切断し得られた4,300塩基(4。3gHMHC)は,ラット心筋MHC cDNA
A a b a B b ㌻詠緯
’僑 ’ 乎 ・’謚e硫『い’ ・》・嚇 譜 図6 Southem(DNA−DNA)プロット A,a:pCMHC mini26DNA, b:pCMHCmini5DNAをそれぞれ3μg使用.B, Aと4.3gHMHCプローブと のハイブリダイゼーション (pCMHC5)と共通塩基を有していることが, Southernプロットで確認された, N orthernプ ロットの結果は図5に示すとおりであり,単離さ れた4.3gHMHC遺伝子は,心筋以外より抽出さ
れたMHCmRNAとハイプリダイゼーショソし
ないことが示された.また,このスクリーニング された遺伝子,λgHMHC1が,α,β型いずれの 心筋ミオシンであるのかを検索するため,各々3μgのpCMHCmini26(α型)とpCMHCmini5(β
型)遺伝子(図3)に,4.3gHMHC遺伝子をプロー ブとしてSouthernプロットを行なった(図6).結果は,4.3gHMHC遺伝子はα型である
pCMHCmini26と強く,pCMHCmini5とは弱くハ
イブリダイゼーションすることが認められた.ヒト心筋MHC遺伝子の単離は3つの研究グルー
プll)∼エ3}により行なわれているが,α,β型の同定 を行なったグループは一つ(Lichterら13》)で,β 型であった.他の2グループの内,Appelhansら11, は一つ,Catanzaroら12)は二つのヒト心筋MHC 遺伝子の単離を行なっている.AppelhansらとCatanzaroらの単離した内の一つのヒト心筋
MHC遺伝子のBamH I,Hind HI, EcoR Iによる制限酵素地図は同一であったが,しかし,これ はλgHMHC1回忌子の制限酵素地図とは異なっ ていた.Catanzaroらの単離したもう一つのヒト
心筋MHC遺伝子とλgHMHC1遺伝子の制限酵
素地図はほぼ等しかった.Lompreら14)とSinha ら15)によると,心筋α・MHC遺伝子は心筋のMHCmRNAとのみハイブリダイゼーションす
るが,心筋β・MHC遺伝子は心筋のみでなく骨格 筋(遅筋)のMHCmRNAとも・・イブリダイゼーションする.4。3gHMHCが心筋より抽出した
MHCmRNAのみと・・イブリダイゼーションし
輪 嚇晦 繍轡噸臨淵畔く・,・K・
abcde fgh
d i k
図7 チャイニーズ・・ムスター/ヒトハイブリッド細胞より抽出したDNAと4.3 gHMHCとのSouthemプロットa:G8, E5, b:G35, F1, c:G35, A4, d:G35, E4, e:G35, F5, f:G56, F3, g:G35, D5, h:G35, C、, i:G35, C4, j:チャイニーズハムスター, k:ヒト胎盤 (XY)
たことと,α型CMHC DNA(pCMHCmini26)
に強くハイブリダイゼーションしたことより,λgHMHC1遺伝子は心筋α一MHC DNAである
ことが確認できた.一方,Appelhansらの単離し た遺伝子は,胚型ニワトリの骨格筋MHC cDNA とハイブリダイゼーションしたことより,β型MHC DNAと思われる.
心筋MHC遺伝子の染色体上の位置決定
ヒト/チャイニーズハムスター(9株)とヒト/ マウス(10株)ハイブリドーマ細胞よりDNAを抽 出し,Hind lllにて切断,4.3gHMHC(ヒト心筋 α一MHC遺伝子)をプローブとしてSouthernプ ロットを行なった(図7).Hind IIIによるDNAの 切断部位がヒト,1チャイニーズハムスター,マウ スで異なるためSouthemプロットにおいて,4.3 gHMHCと・・イブリッドする位置が各々違うこと(Hind IIIで切断したヒト心筋MHC DNAは, 5,000塩基の位置で,4.3gHMHCと特異的に・・イ ブリットする)を利用し,ハイブリッド陽性また は陰性の有無を判定した.図8に示したごとく,
2種類のハイブリッド細胞とヒト心筋MHC
DNAとのSouthernハイブリッドによる染色体
マッピングの結果は染色体14番と完全に一致し た.このことより,ヒト心筋MHC遺伝子は14番 の染色体上にあることが証明された。したがって,ヒト心筋MHC遺伝子とヒト骨格筋MHC遺伝
子とは同一染色体上にあるという従来の考え方は 否定されたことになる.最近のマウスにおける同 様な実験16)でも,骨格筋MHC遺伝子は11番,心筋MHC遺伝子は14番と,やはり骨格筋と心筋
MHC遺伝子は別々の染色体上にあることを証明 している.今後,ヒト心筋MHC遺伝子が14番染 色体上のどの部分にあり,どの遺伝子と隣合って いるのかをさらに詳細に検索することにより,心 臓疾患の機序解明に役立つであろう.3.様々な状態下における心筋MHC遺伝子発
現 心筋ミオシンにはV!(α/αMHCs), V2(α/β MHCs), V3(β/βMHCs)という3つのアイソ ザイムがあることが知られていることは先に述べた.V1は高いATPase活性と高いcontractile
velocityを特徴とし, V3は低いATPase活性と 低いcontractile velocityを特徴とする.心筋α一, β一MHCmRNA遺伝子発現とV1, V2, V3アイソ ザイムの割合は,発達により変化し,またホルモ ンにより制御されていることはすでに知られてい 4.3g HMHC プローブによる12345678910n1213141516171819202122XY
G35A4 Cl C4 チャイニーズD5 ハムスター E4 Fl F5 G56F3 G8gE5 不一致数 ・ ● P 935235244434440523!134356
4,3g HMHC プローブによる 1−2 ユー4 工一5 1−6 マウス 2−2 3−2 3−4 7D4 7−l IB工一24 不一致数577565667654306643541437
図8 染色体マッピソグる14).さらに,心臓圧負荷または容量負荷による MHC遺伝子発現ならびにアイソザイムの変化に ついても幾多の報告がある17)∼20).
大動脈縮窄ラットにおける心筋MHCmRNA
遺伝子発現とアイソザイム 血行動態,病理所見よりみた肥大心を細胞生化 学的に検討する目的で,大動脈縮窄ラットにおける心筋MHCmRNA遺伝子発現とアイソザイム
の変化に関する実験を行なった.結果は,1)左室PSPが平均20%上昇した左室において,β一
MHCmRNAの増加,α一MHCmRNAの減少が認
められた(図9)。2)α,β一MHCmRNA遺伝子発 現(図9)とアイソザイム(図10)の変化を比較 すると,手術後早期を除いては両者は比較的良く相関していた.3)α一MHCmRNAの減少はV1−
MHCアイソザイムより早期に見られ始めた(図 11).また,両者の最大の変化は術後2,3週間で認められた.4)大動脈縮窄群におけるMHCの
変化は,甲状腺ホルモンの血中レベル(図12)の 変化によるものではないということが判明した. % 100 50 0 響大動脈 縮窄群 * α一MHCmRNA (α型プローブによる)襯脈・撫キシ砕シャ瑠鉦常群 愈正常+荏藁キシン
*p〈0.05(シャム群と比較)』iミ==『
* β.M且CmRNA (β型プローブによる) * * * *一.
* * * * * ●oノ
・ 一
* 0 工224即
時間 710 14 21 28 35 42 56 77日 術後経過時開 各点は5∼6例の平均値を示す 図9 心筋ミオシン重鎖mRNA遺伝子発現の経時的変化 % ユoo 50 o尋馨耀脈・灘キシン尋・縛ゆ・灘一疏・灘…
V1_ア,。ザ,ム*磨磨磨毎
●膣 梱HCアイソ*****
、 4ニニ_一一
0 12 24肖
3 7ユ0 14 21 28 35 42 56 77日 術後経過時問 各点は5∼6例の平均値を示す. 図10心筋ミオシン重鎖アイソザイムの経時的変化 一542一% 100 50 0 ○正常群. mRNA ●正常群 曹大動脈縮窄群 尋大動脈縮窄群 アイソザイム mRNA アイソザイム V1−MHCアイソザイム 各点は5∼6例の平均値を示す α一MHCmRNA β一MHCmRNA
、一
o V3−MHCアイソザイム「 0 7 !0 14 21 28 35 42 56 77日 時間 術後経過時間 図11大動脈縮窄群におけるミオシソ重鎖遺伝子とアイソザイムの経時的変化の比較1224申
=謎 糞 壷 茗 μ9/dl湛
__閨Qラ』一一一一一一
ト」→卜」一』一L一一』一一一』一』一L一一一・』一一緊一f麟
醤 2 讐 殖 日 1工鷲㌦群↓ 脚工淫雨…
00 12 24 3 時間田
7 12 14 21 28 35 42 56 術後経過時問 図12 血清T4,血清T3濃度(平均±SD) 77日5)左室PSPを20%程度上昇させる大動脈縮窄
による心臓圧負荷は,術後長期経過のうちにほぼ 完全に代償されることが確認された. 甲状腺摘出ラットへのカフェイン投与における心筋MHCmRNA遺伝子発現とアイソザイム
カフェインによりラット胎仔の心奇形が誘発さ れることは,妊娠ラットを使った実験により確認 されている21).この心奇形の機序を探る一手段と して,甲状腺摘出ラットにカフェイン(15mg/kg/ day,30mg/kg/day,60mg/kg/day)の投与を10週間行なった.このラット心筋のα・,β一
MHCmRNA遺伝子発現の程度およびアイソザ
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2ト 一544一イムの割合を分析した結果,カフェインはその作 用は弱いが,甲状腺ホルモンに似た働きを甲状腺
摘出ラヅト心筋MHCmRNA遺伝子とアイソザ.
イムに及ぼしていることが示唆された22).図13は S、ヌクレアーゼマッピソグ法の例である.成鼠で 90%近く認められたα一MHCmRNA遺伝子が,甲 状腺摘出ラットではほとんど認められない.甲状 腺摘出ラット(甲状腺摘出4週間後,甲状腺ホル モンの血中濃度測定にてtotal T4レベルが1.5 μg/dl以下のものを使用)に30mg/kg/dayまたは 60mg/kg/dayのカフェインを投与した群で,再 びα一MHCmRNAの発現が認められた.また,同一心筋より調べたMHCアイソザイムの変化も
MHCmRNA遺伝子発現と同様, V3が減少し,
V1が増加することが, pyrophosphate
acrylamideゲル電気泳動法を用いて明らかに
なった(図14).ATPase活性も調べ,同様にカ フェイン投与群(特に30mg/kg/day)で活性の増 加が認められた(図14).以上の事柄より,MHCInRNA遺伝子発現とアイソザイムは,発
達,ホルモンにより左右されているだけでなく, 心臓圧負荷,さらにはカフェインなどの薬物負荷 などによる影響も受けていることが確認された. 最後に,これら一連の仕事を共におこない,または 助言をいただいた東京女子医科大学附属日本心臓血 圧研究所,循環器小児科学教室,木村美佐助手,高尾 篤良教授,同研究部,今村伸一郎助手,平塚江里子技 師ならびに東京女子医科大学,第二解剖学教室,神田 尚俊講師に深く謝意を捧げます. 文 献1)Leinwand LA, Fournier REK, Nada監・Ginard
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