174 (74) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
オカ モト マサ コ岡本雅子(昭和2
博士(医学) 富民1238号平成4年1月17日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
Studies on the attaching behavior of theム∂rdog似ρ加s koηo’(Acari, Lardoglyphidae)hypopus and its mo監ting into the tritonymph(コウノホシカダニのヒポプスの付着行動と第三若虫への発育に関する研
究) (主査)教授 白坂 龍鑛 (副査)教授 小幡 裕,小林 損軒割 文 内 容 の 要 旨
目的 家屋内に存在する多くのコナダニは,食品衛生上, また,環境衛生上,重要な生物であり,人体ダニ症の 原因として,またアレルゲンとして医学上問題となる, コウノホシカダニは,乾燥動物質に発生するコナダニ であり,その発育期は,卵,幼虫,第一若虫,ヒポプ ス,第三若虫,成虫に分けられる.好適飼育環境下で は第一若虫からヒポプスを経ずに第三若虫へ発育する ことが多く,ヒポプスは,劣化環境に対し耐性を持つ と言われ,自然界では,昆虫に付着していることがあ る.しかし,ヒポプスの付着行動の生物学的意義は全 く解明されていない.そこで,コウノホシカダニのヒ ポプスとコウノホシカダニと同一生態系に属すカツオ ブシムシとの関係について検討した. 方法 1)コウノホシカダニのヒポプスを個別飼育,または 同種成虫と多数飼育し,ヒポプスの行動及び生存性を 観察した. 2)コウノホシカダニのヒポプスを種々の物質(酵母 液,澱粉糊,寒天培地)に付着させ,ヒポプスの第三 若虫への発育の有無を調べた. 3)コウノホシカダニのヒポプスをハラジロカツオ ブシムシ(幼虫,蝋,成虫),ヒメカッオブシムシ(幼 虫),ヒメマルカツオブシムシ(幼虫)と同居させ,, 両者の関係を観察した.観察は実体顕微鏡下で行った. 結果 1)個別飼育時では,ヒポプスはすべて死亡するが, 同種成虫との多数鯛育時にはヒポプスの付着行動が観 察され,個別飼育時より延命し,さらに第三若虫への 発育が低率に認められた. 2)酵母液に付着させたヒポプスでは,第三若虫への 発育が低率に観察されるが,澱粉糊や寒天培地では, ヒポプスの発育は認められなかった. 3)ヒメカツオブシムシ,またはヒメマルカツオブシ ムシと同居したヒポプスでは,第三若虫への発育は認 められなかった. 4)ヒポプスはハラジロカツオブシムシの幼虫,蠣の 表面全体に付着できるが,成虫での付着部位は腹節背 板に限られた.この部位でヒポプスは膨大し,成虫の 死または,背板から離すことにより,第三若虫へ高率 に発育することが明らかになった. 考察 コウノホシカダニのヒポプスの付着行動は,ヒポプ スの延命及び第三若虫への発育に関与することが示唆 され,さらにヒポプスがハラジロカツオブシムシに付 着することはコウノホシカダニが生存し続ける上で非 常に重要性を持つと考えられた. 結論 以上の結果より,コウノホシカダニのヒポプスの付 着行動は,単に移動を目的としたものでなく,ヒポプ 一778一175 スの生存並びに第3若虫への発育に不可欠なものであ ることが明らかになった.