臨床實下
部角子宮の稀有なる妊娠分娩例
高知市宮地病院産婦人科宮 地 國 榮
張出子宮は左右MUIIer氏寺の癒合不全によるもので其程度によ砂多種多様である ・は周知の事でas b.其頻度は比較的多く.木村氏は0.141%野島氏は0・218%療藤氏は 0288%とし.其妊娠率も比較的高ぐ木村氏の69%.野島氏の60%と云ふ如き報告が ある。妊娠分娩経過はKtissmati1は正常子宮と攣ったことはないと気って居るが一般 図流早産.異常分娩が多いとされて居る。余も亦5例7同の分娩中流早産5圓・点画 分娩2回.内1例は鉗子途譲渡は胎盤癒着を輕験して居る。 最近余は1胎兇が富盛に跨り妊娠し一見恰も各角に妊娠せる如き外麹を呈せる稀有 な1例に蓬遇したから左に其妊娠分娩経過を報告しやうと思ふ。 .症例。松○ヨ0.24議。未婚.初妊婦。 既往症.生來健康にして著患を知らす.月経.衣潮.1.5歳(8月)爾來正調持績7 日間.中等量.月経時下腹痛あり。時に壁高内膜片を排出すと云ふ.最終月経.昭和 10年11月5日.受胎日.同12月3日.本年2月頃より下腹痛あ塾5月上旬より背部 に牽引性疹痛あり.烈しき時は就躰のやむなきに至ると蓉ふ。4月上旬より左側に胎 動を感じ5月上旬よPl右側にも同感ありと云ふ。初診.(昭卸11年6月10日).現前. 旧格中等.榮養中等.胸部に異常を認めす・乳房正常大.乳景.乳嚇の著書著明.初 孚Lを歴出す.腹部.観診左右に膨隆し左に大.右にやS小.中央部は寧ろ陥凹し膀窩 は正常に陥浸す。鰯診.子宮は恥骨結合上10cmの虞で明かに左右に分れ左子宮角は 細長く子宮底は左季肋部に達し.こ玉に約7ケ月大の見聞を鰐れ.やN下:方に小郡分 を鱗る。右子宮底は膀上一指横径にあり下:方に:大部分を鰻れ上牟郡には胎児都分を鰯 れす.回診時。時k子宮牧縮を見る.恥骨結合上縁より左子宮底までの長さ33cm. 右子宮底まで27cm。聴診。左膀棘線の内3分の1部に胎見心音を最も著明に嘉く。 右子宮角には聴ぬが胎動音が明かである。 骨盤やN扁干で前後径ユ8・5cm・棘聞26cm.高間27cm.斜径右」.21cm.左.22c;n, :大轄子間30cm. 一一第 7 巷 46 一宮地=隻角子宮の稀有なる妊娠分娩例 47 内診所見外陰に異常なく膣は潤軟で中隔なく.子宮口は閉鎖し子宮膣部は爾存在 す。 如上の所克より余は爾角に各々妊娠せるものにて襲育程度を異にし.左は骨盤位に て7ケ月:大.右は頭位にて6ケ月:大に相當するものと推定し共後の経過を槻察するこ とSした。 共後再三の診察k於℃左子宮角には著攣なきも右角は子宮の螢育に相訂する胎免部 分を鯛知せず.上古分は一般に挙等に軟く下面分のみに胎児部分を由れる.胎児心音 は毎回特に注意するも1同だも聞く事が積重なかった。こSに於て右診断に疑ひを起 しレ線を亡命したところ思はざる事實を磯見した.帥ち一息見が爾角に跨って妊娠せ る骨盤位で左子宮角に頭部.躯幹.上肢を入れ.下肢は右子宮角に.轡部は爾子宮癒 合部にあり.以て初診時右子宮角に胎動音を聞いたのは左と同一胎児の下肢の蓮動で. 骨盤内に深く進入した頭部と考へたのは留部であることが明かとなった。爾子宮造影 術により頸管は軍一で中隔のないことを職うた。 7月2日所見。左子宮底は左季肋部.見心音は前同と同檬。右子宮底は右季肋部よ り下二親横縦にあり上牛部は平等に轟く胞厭鬼胎妊娠子宮に贈るNが如き感あり鵡† 牟部に胎児部分を宣れ.爾子宮角癒合部は子宮壁強く緊張し破裂の昼寝を思はしめた ので帝王切開を奨めたが慮ぜす.止なくこの危瞼を豫期して自然経過を待つ事とし た。 分娩経過・7月8日午前6時頃より陣痛様疹痛あり.午後9時より「規則的に細作 し.9日出前3時破水せりとて3時50分入院す。一般歌口に異常なし。左子宮底は 左季肋部にありこ玉に見頭を鰯るNこと前宵の如し.見心音は左軸曲線の内3分の1 に於て明かに11.11を激へる。右子宮底は著しく下降し膀高となる.:先進部は足部で 先づ左足次で右足が排臨す.陣痛は微弱であるが子宮破裂の:危険を思ひ陣痛促進剤 を用ひす経過を狸察するに分娩進行せす。建て静かに注意しつS足止牽出術を行ふに 先づ下肢は右子宮角より.次で躯幹.上肢頭部は:左子宮角より娩出.4時35分娩出を 量る。 薪産品は第一度焼死であったが間もなく蘇生した。 男見。艦重.2475 9.身長。47cm.頭部e周園.30cm.前後径.10cm.大横径. 9.5cm.小鼻径.7cm.:大尉径.12cm.小斜径.9cm.皮下脂肪中等度に震蕩.頭髪・ 長さ2.1cm.入院(排臨)より胎兜娩出まで45分.陣痛同数.8回ぞあった。5時5分 胎盤は胎児面で左子宮角より娩出し.二丁形.幅13.5cm.縦20cm.厚さ2.5cm.重量 一一第 7 巻 47 一
48 宮地=讐角子宮の稀有なる妊娠分娩例 /「層9、\・
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X==i..,f一 637g.卵膜は圖の如く瓢 箪歌をなし右子宮角に二 言する廣は嚢状となり裂 口は左右の中央狡部にあ り個は娩出直後の卵膜 を21siMに置きたるものな れば正確ではないが大艦 の形状を知ることが二六 る)。 言忌は邊縁1こ附着 し.長さ48cm.・左捻轄.膠様質の最高.中等度。 分娩直後の子宮底.左.騎高.右.三下孚指横径.左右子宮の中央.膀下5cm.牧 縮佳良にて出」血量少し。 産褥経過は良好で子宮底は左右4脂溶径の差を以て牧縮退照日部ち産褥第10日に は左右同高恥骨結合上に感じて燭る。悪露.至高歌態等正常にて7月19日母子共に無 事退院した。’ 考案 晶晶は軍一膣,eq一一頸で子宮艦のみ左右に分離せるもので妊娠性攣化は雨曇 ともに同法で恰も正常妊娠子宮の二形とも見なすべきものならんか.部ち初め左子宮 上後壁に着信した卵は左右子宮を同時に妊娠性攣化に導き脆落膜に憂化せしめ.卵の 獲育と共に左右癒含部なる郡を通過して右子宮角に進入獲育せるものと思はる。右子 宮角.L部は平等に軟で恰も胞状鬼胎妊娠子宮を鱗知するごとき感ありしは.下牛部の み胎晃部分があって.上牛部は恐らく羊水のみな夢しためならん.そは破水後払子宮 角に著攣なかりしに拘らす右子宮角は急に縮小して膀高となり上部の軟かに燭正せし 部分の浩失したことによっても明かであり禽且この事實はレ二二と一致する.妊娠3 ケ月末から妊娠の進行にしたがひ腹部より背部に牽引性疹痛の烈しかりしは筋の獲育 充分ならざる子宮壁の緊張せらる」によると他方には左右に喪育方向を異にする子宮 髄が腹壁を異常に墜迫緊張せしめしによるならん。 初診三時より腹部は常に左右に緊張し.僅かの燭診によりても牧面して早産の近き を惟はしめた。分娩に際して陣痛護作時には左右子宮の癒合部は菲薄緊張して破裂の 危瞼に曝され陣痛喪作毎に手に汗を握らしめたが幸にも無事の謀臣を取るを得た。 かく讐角子宮妊娠は多いものでこれに關する文職も非常に多数あり最:早1例報告は 其償値なしとさへ云はれて居るが本例の如きは余の散見した文獄中には見ることが出 一第 7 巷 48 一宮地=讐角子宮の稀有なる妊娠分娩例 49 來なかったため敢てこNに報告する次第である。 摘筆に臨み御校閲を賜はりし白木教授に深謝す。 (篇眞はすべて左右反封になって居る) 1 骨 盤 内 胎 見 の 歌 態 一一?7 巻 49 一
50 宮地二鍵角子宮の稀有なる妊娠分娩例 1 子 宮 底 附 近 の 胎 晃 の 状 態 皿 羊 宮 雨 角 外 診 上 の 境 界 生 不 す へ 中 央 黒 黒占 1士 隣 窩 yv