アオバズクNinox
scutulata
iaponicaの抱卵および育雛行動
増
田 ……,.晃 SI・● ●・ (教育学部生物学教室) ‘ ’ 1 . . ・ ` ・ ・ 、 :Brooding and Rearing of Japanese Brown・ .,..,
Hawk-Owl, Ninox scutulata japonkaダ・………:ゝ へ
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Akira Masuda .゛ ’ ニゲ’
Biological£a&。raz∂jy,Faculり・び£ducali。,z ‘ .・ ……
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The dummy-egg which had warm-junction of a copper-constantan thermocouple,
and the tread-board with a microswitch wぐreset up in the nest of the Japanese brown
hawk-owl, Ninox sciぬlatajaponica,and the continuous change of egg-temperature and the
number of times of entrance and exit were recorded automatically. The female bird
brooded her eggs throughout the broody period, except two times,soon aftersunset and soon before sunrise,like clockwork・ so that the temperature of eggs was very high and 二
constant compared with bengalese maninkin and swallow. The male did not engage on
incubation, but the bird visited the nest and feeded on the female several times during the night-time from middle period of brooding to hatching time. One clutch was 4 to 5 eggs anrlinterval ofincubation was about 27 to 28 days.
・ . 1 例年高知大学教育学部構内のセンダン(アウチ)古木の樹洞にアオバズクNinox gul咄咄 iaponicaか飛来し産卵,育雛を行なっている.本学構内で4番が繁殖する(確認数のみ)が, これら夜行性のフクロウの繁殖行動の観察のてはじめとして,同一鳥について3年間,巣内へ 偽卵を設置し,卵温,巣温の測定,およぴ夜曲行動の記録,また育雛行動等を観察し,行勁時 期の同期性Synchronization等が見出されたので一資料としてIここに報告する. 本文に入るに先立ち,当教室見取政和,熊代賢治両君の協力に深謝する. 測 定 方 法 3階建校舎より約10m離れた樹令約70年のセンダン並木の1本の地上より約6m高の樹 Φ い j ● 1洞に,.毎年同一個体が飛来し産卵,育雛する.., ., ■ ● ● ’● ゛・11, 樹洞内は約6cm厚に朽葉,木屑,苔類で埋もっているが,この巣内へ第1卵産卵確認後, 銅・コンスタンタン熱電対の測温接点を装着した.径約3cmの白色木製偽卵に固定用金属 ・ ●I ; . ’ 棒をつけ,移勁しないよう巣内中央部に打ち込み,測温部が上面向き,各卵の中央位置になる, よう設置した.熱壇対は巣外へ引き出し自動平衡式自記々録計へ導き,毎時25 mmの記録速I 度で記録した. \ j `.i ,行動の自記々録のために,樹洞入口に細工を施し,アオバズク出入の際に必らずその板上を 通るように木製踏板を作製,装置し,.これに連動してマイクロスイッチを作動させ,電磁計数 器(エレクトリック・カウンター)に回数を積算計数させ,また自記式電磁記録計で記録紙上 に時刻,回数を連続自記させた.また同時に自勁閃光・自動捲取式写真機(ニコン・モーター ’ドライブ)・を駆勁させ,夜間のクク,ロウの行動を撮影した. づ :レ. j
194 高知大学学術研究報告 第22巻 自然科学 第12号
’・ 観 測 結 果 j ,
アオバズクは雌のみが抱卵し,雄鳥は巣洞近辺に晴雨昼夜間断なく留まり警戒監視し,巣に
近寄るものがあると猛然と趾爪にて襲いかかる. ’-''・'^5、
第1図 卵温測定および出入回数記録装置・ B:電池,C:写真機,CC:銅・コンスタ.ンタン熱電対,CR:計数記録計, EC:電磁計数器(エレクトリック・カウンター) , MD:モータードライブ装 置> MS-:マイクロスイッチ, Rec : 自記温度記録計,Ry:リレー,S:ストー ロボライト,T:ペルトランスこの類は特に営巣行動など見られず,例年の巣へ来り産卵を開始する.標識放鳥の結果,学
内のどの巣も毎年定まった雌雄の番が2年来訪れぞいる.
高知市における産卵期は5月下旬から6月上旬であり,1個体連続3年,3個体2年間9腹
のみの観察例ではあるか,4卵(6腹)∼5卵(3一腹)の卵を5∼7日間に産卵した.第3卵
産卵日頃より抱卵を開始し,雌は昼間は外敵米襲の無い限り巣外へは出ず抱卵に専念する.夜
間は摂食等のため巣外へ出で,卵は放冷されるか,この外出時刻は連日同時期でありsyn-chronizationを示す.すなわち,第2図および第3図からも分る如く,日没後*10∼20分の
間,および日出前*の15∼5分の間に5∼30分間ほと巣外へ出る.これら巣外への’飛出は記録紙
上から,偽卵感温接点の放冷により,また入巣抱卵再開ほ接点温度の上昇から時刻,時間の判
読ができる.勿論,時によっては他の時刻に5∼iO分程度巣を離れることもあるが,必らずじぺ
も毎日というものではない. .,
*日出:4時56分(6月初旬),4時59分(7月初句),日レ没。:19時10分(6月初旬), 19時20分(7月初旬)A ・ B C D E F G H アオバズクNinox scutulaiajabonicaの抱卵および育雛行動・(増田) 16 2 0 O ゆ 4一 8 ・ p ・ 、 12 -195 哺 − ・ 第2図 アオバズクの産卵,抱卵,孵化期の巣内卵温度の変化. A:産卵第3日目(6月7日∼8日),B:抱卵初期(6月9日∼10日), C:抱卵前期(6月12日∼13日),D:抱卵中期(6月15日∼16日), E:抱卵中期(6月20日∼21日),F:抱卵後期(6月27日∼28日), G:抱卵終期(プ月4日∼5日),H:孵化後育雛中(7月フ日∼8日). 横線は30°Cを示す. 1
産卵,抱卵,孵化期の卵温度変化を第2図に,また1例の巣外出入記録を第3図に示してお
いた,
なお,雌鳥の離巣は上記の如きものであるが,抱卵中期頃から雄鳥の訪巣が夜間にみられる
ようになる.夜間写真撮影によると,雌への給餌を行なっているのではないかと考えられる.
念のため雄鳥の夜間訪巣時に鳥を驚ろかしたところイエコウモリ,カミキリムシ等をとり落し
たことよりも上記の如く考えられる.この雄鳥の出入は抱卵め進行につれて回数も次第に多く
なる.ただしこれは天候に支配され,雨の夜は採餌の関係かあるのか晴天時よりも回数か少な
い.
抱卵期,育雛期の巣への出入回数を第4図および第1表に示しておいた.
196 VI 7 1 0 15 2 0 25 り 1 高知大学学術研究報告 第22巻`= 自然科学 第12号 20 22 0‥ 2 -4 第3図 アオバグクの抱卵時における巣外飛出の周期性. ㎜は巣外へ飛出したことを示す.最上欄は時刻. . y ド・ 巣内卵温度は抱卵開始後,徐々に上昇してゆく,この就巣中の卵温はジュウシマツ[Jroloti-cha・ゐ加了iica(増田:1959),ツバメHirundo Tustica(増田・松本・松崎:1973),スズメPoissr 回心nus (増田:未発表)などの場合と異り,巣への出入回数が極めて少ないことに加えて,・ 夜間は樹洞内温度が気温よりも2∼3°Cも高いことにより,離巣後も卵はそれ程放冷される ことがなく,ブ極めて平坦な均一の温度を保っている・ , 最終卵産卵後27∼28日で孵化がおこり,同腹卵は殆どが同日.に,遅くても2日間に一斉に孵 化した.雛孵化とともに育雛が始まり,雌雄ともにこれに従事する.昼間は抱卵中と同じく雌 のみが巣中にこもり抱雛し,雄は警戒に当っているか,日没直後頃より日出までの夜間,雌雄 ともに育雛のため巣外へ出て採餌し給餌する. このため巣への出入回数は抱卵期に比して急増 し,日一日と訪巣が多くなる.この巣への出入は白没直後と白出直前が多く,2つの大きなピ
2 3 ・197 おし 4_J S/ 七 し記Lムフ2 しぶし砥 _ H L ムニ こ] 二八 _ 17 Lムヱχ_∠χ 23\ふ。jl………j j2' 二 18 二 24 二 1; II ゝ 1 ・㎜・a 二二二 ここにこ i乙 二二山こ _ ∠ ゛"`I゛.r'I 。 ●●● 1・● S h ・
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第4図 アオバズクの抱卵期,育雛期の巣への出入回数 本図において,HRは豪雨,Rは雨,Sは暴風雨を示した.199 第1表 アオバズクの産卵,・抱卵,育雛期の巣への出入回数 日 出入 回数 天候 記事 日 出入 回数 天候 記事 日 出入 回数 天候 記事 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 ﹃ 9 0 1 2 3 4 5 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 り / ″ 2223436556846636 -t o C O RR R R RR 4卵 i O C ^ O O O ) 0 C M e g e g c ^ l C O 7月1日 23456ヅ89101112131415 5 7 0 6 1 6 1 3 3 2 9 3 5 2 6 6 7 5 0 1 1 1 1 1 ’ ″ 7 1 1 1 2 2 3 2 1 2 4 m R R HR HR R HR R ふ化 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 a J 8月1日 2 3 4 濤 ゛ 2 9 5 0 5 9 8 3 5 6 7 9 S 3 1 9 n a 4 3 4 4 . 3 4 3 2 3 4 5 4 3 ( £ 3 t o 5 S f -< f -H 2 0 0 SS 巣立 天候欄のRは雨、HRは豪雨、Sは暴風を示す。 乖( )内は記録計にての計数不能であったのでエレクトリックカウンターにより判定したものである。
−クを示す.
本報文で使用した.記録装置では雌雄の合計出入回数は計数できるが,雌雄の育雛の分担比率
は明白ではない.
雛孵化後約3週間程で雛は巣外へ出るようになり,親から給餌されつつ自分も採餌するよう
になる.このことは訪巣記録からみても明白で,急激に回数が減少している.その後3∼7日
間程は親鳥,雛鳥ともに巣へ帰り,昼間は両班ともひそんでいるが,それ以後は昼夜ともに巣
へは入らなくなるが,巣の近辺の梢で静止している.
要 約
アオバズクNinox
jal山ta
japonicaの就巣時の卵温および抱卵,育雛時の夜間の出入行動等
を自記々録し調査した.
1.雄は抱卵に参与せず警戒にあたり,雌のみが抱卵し,巣外へは日没直後および日出直前
の2回のみしか飛出しないため,極めて卵温は一定している.
2.抱卵中期ごろより雄鳥が夜間に訪巣し,雌に給餌する.
3.1腹卵数は4∼5個で抱卵期間は約27∼28日である.雛は孵化後約3週間で巣外へ出る
ようになり,その後I週間もすると巣へは寄らなくなる.
4.育雛は雌雄ともに従事するが,雌雄の育雛比率は不明であった.
文 献 増田 晃:ジュウシマツ抱卵各期の卵温測定 高知大・学研報, 8 (19) ; 1∼7 (1959)2 0 0 ‘・ 高知大学学術研究報告 第22巻 自然科学 第12号
増田 晃・松本健治丿松崎千代子:ツバメの繁殖行政の生血学的研究]t高知大・学研報, 22(13) ; 201
∼208(1973) l . −‥ (昭和48年9月29日 受理) y’