対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2) : (a)地域性および(b)幼少期における家族以外の成員との接触・非接触の観点から
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(2) 222. 小川捷之・永井. between with. Americans had. but. regions,. non-family Aさa result have. of. perBOnal. childhood. difference during. comparing. was. seen. clearly. childhood. Japanese the. azld little negative self-awareness, frequent contact with non-family. to. bears. relationships. it an. be. can. inverse. characteristic. Said. that. the. 洋一 be. data,. jtlStthe humans. amount. relationshipwith. by. caused. American. very. experienced From these触dings. dming. a. humanB. 撤・白石秀人・林. same. during of. negative. variation i七was. in contact found. the Japanese. as. that who. childhood.. Ron-family. human. self-awareness. contact in inter-. of anthropophobic革.. 筆者らほ,ここ数年間対人恐怖症老が対人関係においてもつ「悩み+に注目し,その構 造を田子分析法などにより解明しようとしてきたoそして,これらの「悩み+ほ対人恐怖 症老ならずとも日本人の誰もが抱くものであり,日本人的心性に連らなるのではないかと 考えてきた。例えば,. 「人にどう見られるか+,それを著しく「意識したり+. 「こだわった. り+ 「クヨクヨ考えてしまう+などという体験は,われわれの誰もがもつものであろう。. これらの体験をより深く考えてみれば, 「個+というものよりも「関係+を重視する日本 社会では趣くありふれた「悩み+であり,それ故にこそ,われわれ日本人の特徴を端的に 表現していると思われたのである。. (小川, 1978). 本研究は,こうした視点をふまえ,症着ではなく健康な生活を支障なく送っている一般 大学生を対象にして,こうした「悩み+がどのような人に著しいのか,種々の観点から検 討しようとした。そして,これら日本人の資料に更訂こアメリカ人の資料をも対比させ,比 較文化的な考察も試みようとした。 その際,われわれが問題にしたのは,. (a)地域性の問題である。これは,対人恐怖症者. には田舎から都会に出て来た若者が多いという臨床経験に基づくものである。彼等には, 朴酌・純真で身内との親しい人間関係しか経験しない者が多い。いわゆる人情の濃い地方 に生育して土居(1971)のいう「甘え+の世界に包まれて生活してきた人間が,都会に出 て「個+としての「自分+を意識し対人恐怖症を呈するのではないかと思われた。このこ とは裏を返せば,見ず知らずの人間ともうまくやってゆける「都会っ子+と対置される特 質を有していることである.彼らは,幼少期より常に他人の中で育ち,対人関係の技術に 習熟し,対人恐怖症的な「悩み+を持たないことが推沸される。 次にわれわれが問題にした事項は,. (ち)幼少期の人間関係のあり方である。前述したよ うに,都会に生まれ育った者というのは,概して幼少期から身内以外の見ず知らずの者と の接触が多く,幼い頃から人間関係の上でのsocialskill. trainingを発展させているよ うに考えられた。恐らく,幼少期からこうした開放的な家庭に育ち,適切な人間関係をも. つことの出来た老は,対人恐怖症的な対人不安を意識しないのではないかと考えられた。 本研究は,以上の2つの観点から対人恐怖症的な対人不安意識の生起に関する要困を明 確にしようとするものである。同時に,われわれが対人恐怖症者に見い出してきた対人不 安意議(「悩み+)の構造が日本の一般大学生にも見い出されるか否か検討しようとするち のである。 更に,われわれが本研究で問題にしたことは,日本の大学生に認められた対人恐怖症的.
(3) 223. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2). な対人不安が,ほたして米国の大学生ではどのように意識されているのか,比較検討をお こなうことであった。. 目. 的. 上述してきたように,対人恐怖症的心性は,日本人の持つ対人関係のあり方をより増幅 したかたちで表現しているという観点から,以下の諸点について研究を.おこなった。 【Ⅰ】支障なく日常生活を送っている一般大学生にも対人恐怖症的な「悩み+が認めら れるか香か,そしてその「悩み+の構造が対人恐怖症着から見いだされたものと同質か否 か。. 【Ⅱ】次に(a)そこで人間関係の濃厚な地域社会に育った者(いわゆる「田舎者+とい われるような心性を持った者)と,大都市に生まれ育った者(いわゆる「都会人+といわ れるような心性を持った者)との間にはこうした「悩み+に相違があるか否かを比較検討 しようとした。 また,こうした対人関係上の「悩み+は幼少期における人間関係のあり方が関係してい. ると考え, (b)幼少期において,身内以外の第三者との接触を積極的に経験した老とそう でない者との間には,この種の「悩み+に差異があるのではないかと考え,それらを明ら かにしようとした。. 以上,本研究の主たる目的ほ,これら8点を解明することにあるが,-ゎれわれほ,これ らの事実を踏まえて,更に外国人のデータとの比較を試みてみることにしたoつまり,日 本人学生の資料の中で,外国人は一体どのように位置づけられるのか明確にすることで, 上記の事実がより明確になると考えたのである?. 【Ⅲ】まず,地域性の観点から分類した. 日本人学生の得点をアメリカ人学生のそれとを比較し,次に,幼少期での第三者との接触 の有無から分撰した日本人学生の得点との比較を試みることにした。. 方. 法. 東京都内にある某私立大学と東北地方の某国立大学に在籍する大学生で,一般心理学の 受講者400名に対し,生活環境調査票(附表1)及び対人不安質問票(附表2)を実施 した。. 被調査者には生活環境調査票により現在に至るまでの居住場所・家族・友人・親戚との 接触の程度,また小学校時代における友人関係・課外活動等を詳細に記入させた。そし (a) 「地方+といわれる て,本研究ではこれらの要因を各々の被調査者について検討し, ところで生まれ育ってきたのか,または大都市で生まれ,現在もそこに居住し続けている のか香かまた,. (b)幼少期における身内以外の第三者との接触があったのか否か,という. 観点から被験老と分察した。 その結果, Tablelで示すような7群,各200名の被調査者群を本研究の対象とし た。. U群ほ,都会で生まれ育ち現在も都会で生活している群であり,第三者との接触の程. 度によってそれを更に8群に分けた.幼少期での家庭生活がオープソで身内以外の第三者.
(4) 224. 小川捷之・永井. 撤・白石秀人・・#. 洋一. の出入りが多い老をUA群,第三者との接触が少なく閉鎖的な家庭に育った者をUC群, tJA群・UC群の中間に属する老をtJB群とした.. L群ほ,地方の人口密度の低い農山村に生まれ育った老である.生活環境調査の居住場 所が・町・村の単位まで記入してもらっているので,それを参考にした。そしてL群も 幼少期の第三者との接触の程度によってLA群, いて第三者との接触の著しかった老, LAぅtJ群,. LC群に分類した。. LA群は幼少期にお. LC群は接触の少なかった着である。. LC-U群は,現在大都会で生活しているが,生まれ育ったのは地方の農. 山村である老の群である。この群も前述したように,幼少期の他人との接触の程度から LA祥,. LC群に分撰した.. 次に,アメリカ人学生に施行した対人不安質問票の資料を整理し,本研究で問題にした 日本人学生の各群との比較しようとするoここで用いた対人不安質問票及び被調査者ほ, 小川・林・永井・白石(1979a)のものであるo被調査者は在日アメリカ人群(JA) 名と在米アメリカ人群(AA). 122. 80名であるoこれらの者はすべて男女同数であり,年齢の. 幅は16-24歳である。両群ともCaucasianである。分析は,地域性の観点にもとづく L,. 日本人学生のU, LA,. LA→U,. UC,. L-Uと比較をおこない,次いで,接触・非接触の観点から, LC,. tJA,. LC→Uの各群との比較検討をおこなう。. 結. 果. 【Ⅰ】Table. lに示す被調査者200名についての対人不安質問票117項目の平均値と 標準偏差値は,附表3に示す通りである。分析をおこなうに際し,電子計算機の容量の関 係で17項目を排除し・. 100項目の項目間の相関AqatriⅩを作成し主国子解法による因子. 分析をおこなった。排除萌目の決定は,. 117×117項目の相関蓑ならびに主成分分析の結. 果に基づいて行なったo削除された項目ほ1, 36・. 72・. 86,. 88,. 89・. 2, 6,. 7,. 10,. ll,. 12,. 17,. 18,. 27,. 34,. 108であったoその結果,意味のあると思われる因子6個を抽出し. た。各因子の命名・固有値・寄与率・累積寄与率は次に示すとおりである(Table. 2)0. これからもわかるように,第Ⅰ因子は一般因子と考えられる。第ⅠⅠ国子以下は,寄与 率が小さいが先行研究で明らかにされた国子と同様のものであることがわかる。 第Ⅰ因子に高い負荷量を示した項目番号と(因子負荷量)を示すと次のようになる。 71(・759), 103(・698), 17(・489), これほ,. 54(1754)I 101(・681), 32(・482),. 53(・750)I. 102(・748),. 96(・679), 112(・458),. 99(・605) 93(・448),. 「仲間のなかに溶け込めない+. 5,7(・783), 69(・721), ,. 61(・523) 113(Ado),. ,. 59(.507). 55(・709), ,. 30(.416),. 27(.502). 58(.705) ,. 117(.492). 75(.410)である。. 「多人数の雰囲気になかなか溶け込めない+など. で,このうち小川の先行研究(1974)の第Ⅰ国子(集団に溶け込めない悩み)と重複す るものほ,. 28項目中15項目あり,第ⅠⅤ因子(くつろいで人とつき合わない悩み)は 7項目であった。このことから,対人恐怖症老に特有の「悩み+が,一般大学生にも存在 していることが明らかとなった。. 内容を検討すると,集団の中に溶け込めず,その中で自由に振舞うことの出来ない悩み. ,. ,.
(5) 225. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2) Tablel.調. 査. 対. 象. 内. 名称卜吐l叫平均年齢*l. 容. ロA N=30. 女. 10 20. 20.2(1.66). 都会に生まれ育ち,身内以外の第三者との接触の多い老(開放的 な家庭). tJB N-30. 男 女. 13 17. 19.5(1.18). 都会に生まれ育ち,身内以外の第三者との接触が余りなかった者. ロC N=20. 男 女. 3 17. 19.3(.99). 都会に生まれ育ち,身内以外の第三者の接触の少なかった者(閉 鋳的な家庭). LA N=30. 女. 男. 13 17. 19.5(1.12). 農・山村などの地方をこ生まれ育ち,身内以外の第三者との接触の 多い者(開放的な家庭). 男. 農・山村などの地方に生まれ育ち,身内以外の第三者との接触の 少なかった者(閉鎖的な家庭). LC N=20. 男 女. 1引20・1(. LA→ロ N=85. 男. 女. 17 18. 19.2(.75). 農・山村などの地方に生まれ育ち,身内以外の第三者との接触の 多かった着で(開放的な家庭),青年期に都会に出てきた. L C-11>U N-85. 男 女. 14 21. 19.8(.81). 農・山村などの地方に生まれ育ち,身内以外の第三者との接触の 少なかった着で(閉鎖的な家庭),青年期に都会に出てきた. ・74). *ヵツコ内ほ標準偏差 Table2.因子の命名 子. 因. 固. 有. 値. 育. 与. 率. 累積寄与率l. 命. 名. 52.a. 52.3. 8.2. 60.5. ``集団に溶けこめない''悩み ``気分が動揺する''悩み. 3. 592. 5.4. 66.0. ``自分や他人が気になる''悩み. 2.735. 4.1. 70.1. ``ささいなことを気に病む''悩み. Ⅴ. 2.322. 3.5. 73.6. "目が気になる”悩み. Ⅵ. 1.887. 2.9. 76.5. "集中力のない''悩み. Ⅰ. 84. 592. Ⅱ. 5 A23. Ⅲ Ⅳ. であるということができる。集団に融和して適切な人間関係をもてないという対人恐怖症. の悩みほ,健康な生活をおくっていると考えられる大学生のもつ対人関係についての悩み とかなり共通していることがわかる。また,この悩みは,集団の中に入っていく際に,自 分を際立たせずに溶け込ませたいという日本人的心性をも表わしているように思われた。 17で次の通りであるo. 第ⅠⅠ因子に0.4以上の負荷量を示した項目は, 5(.660),. 28(.650),. 36(.688),. (A81),. 52(A80),. 51(.465),. これは,. 「気分の動揺が激しい+. 47(.575), 38(.463),. 4(.559), 30(.451),. 「感情的すぎる+,. 46(.537), 87(・551), 49(・412),. 109(・410),. 39(・774), 50(・490),. 43. 29(・406)o. 「気持ちが安定していない+などの悩み. で,人間関係的要素は特に関係してはいないが,対人恐怖症者の持つサイコソマティック な訴えと関係している。これは,先行研究での第ⅠⅠ因子(自分に満足出来ない悩み)と, 第ⅠⅤ因子(気分のすぐれない悩み)の合成されたものと考えられた。. 第ⅠⅠⅠ因子に,0.4以上の負荷量を示した項目は,. 64(・705),. 66(・640),. 63(・629),. 67.
(6) 226. 小川捷之・永井. (・611), 65(・609), 84(・451),. 撒・白石秀人・林. 74(.427)と,. 洋一. 7項目であった。これは「人と会う時に自. 分がその人にどんな風に見られているかが気になる。+ 自分がどのように思われているのかが気になる.+. 「職場,学校,クラス,近所の人に. 「人に会う時,自分の目つき,顔つきが. その人に悪い印象を与えるのではないかと不安になる。+というもので,相手が自分をど う見ているのか,不愉快な印象を与えているのではないかと悩むものである。これは,他. 人が自分をどう思っているのかまず考えて行動する対人恐怖症老に特徴的な対人意識であ り,その時,他人が自分をどう掃えているのか把めない時の不安を表明するものである。 先行研究での第ⅠⅠⅠ因子(他人が気になる悩み)と,第Ⅴ因子(自分が気になる悩み) の合成と考えられた。 第IV因子は, (・429)であり,. 6項目で,. 26(・701),. 「小心であり+. 21(.688),. 「気が弱い+. 27(.601),. 82(.582),. 8(.458),. 29. 「内気である+などと,自分の自信の無さ,. self-e8teemの無さなどから, "ささいなことを気に病む”悩みと命名した.先行研究によ る第ⅠⅠ国子"自分自身が気になる”悩みを表わすものと考えられた。 第V田子ほ, 見るのが恐い+. 4萌目で,. 115(.787),. 114(.688),. 76(.668),. 110(.628)で,. 「人の目を. 「顔をジッと見られるのがつらい+など,目が気になる悩みである。これ. は対人恐怖症者のもつ症状と非常に関係するものであり,視線恐怖的懐向を表現してい る。. 第VI因子ほ, も集中しない+. 4項目で,. 40(.741),. 24(.702),. 85(.670),. 42(.416)で,. 「何をやるに. 「1っのことに集中できない。+といった集中力のないことに対する悩みで. ある。これほ,先行研究の第ⅠⅠ因子(自分に満足できない悩み)のうち集中力に閲した ものである。これは,先行研究で見いだされた「自分に満足できない悩み+が第ⅠⅤ因子 Table. 3.田子に関する得点. 汁 UA. M. (N-80). (SD). tTB. Aq. (N-80)(SD) tJC. 班. (N-20) LA. (N-80) LC. (N-20). (SD) M. (SD). 4.498. (0.793) 2.828. (0.715) 4.276. (SD). (0.922) 2.626. (SD). (0.546). (SD). (0.894). LC→UM. (N-a5). 3.103. (0.638). ”. LA→tJ班. (N-35). 2.225. (0.540). 3.898. 3.065. (0. 606) 3.665. (0.588) 4.747. (0.867) 3.282. (0.919) 4. 582. (0.778) 3.019. (0.585) 4.789. (0.768). 2.733. (0.929) 3.715. (0.706) 4.829. (1.297) 3.338. (0.875) 4.438. (0.859) 2.910. (0.626) 4.625. (0.838). 2.839. (0. 775) 3.933. (0.803) 5.758. (0.790) 8. 500. (1.139) 4.992. (0.859) 3.329. (0.849) 4.610. (0.909). 2.233. (0. 719) 3.233. (0.924) 4.163. (1.481) 2. 542. (0.874) 3. 600. (1.356) 2.671. (0.774) 3.907. (0.943). 2.300. (0.702) 2.087. (0.601) 3.710. (1.163) 2.618. (0.641) 3. 590. (1.181) 2.446. (0.588) 3.709. (1.047).
(7) 227. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2) Score 6 ∧ \、. ‥. UA. ●-・-●. tlB. r--I. tJC. ′ノ′ \. ′. ′. \. ′. \. 至T.-ペLA x--x. LC. LC. 、. X-j==:I/xlt\ ==xT: 、. 4. X-ー. r. ′. ヽ. .X. tr{1xロC ●、ー. ヽヽ. / /. 一口B. ヽ. /. ヽ×----×. x/. LA. UA. Ⅰ. Fig.. ⅠⅠⅠ. ⅠⅠ. v. ⅠⅤ. 1.因子に関する得点(都会(tl)と地方(L),開放的家庭(A), 閉鏡的家庭(C)の各要田匠ついての検討) T&ble. 4.各群各因子ごのとの有意差検定. [IIⅡlⅢlⅣIvIⅥ. lllⅡIⅢ卜ⅣIv卜= 口C-LA. UA一口B. ***. ***. ***. ***. ***. ロA一口C. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ロA-LA. **. UA-LC. ***. ***. UA-LA→ロ. **. ロA-LC→ロ tJB-UC. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ***. **. tJC-LA→tT. ***. IJC-LC→ロ. *. LA-LC. ***. ***. ***. ***. **. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ***. **. ***. ***. ***. ***. ***. ***. ***. *. *. ***. ***. ***. *. *. ***. ***. ***. ***. ***. ***. LA-LA→ロ. ***. ***. **. ***. *. ***. LA-L. *. **. LCILA->U. tJB-LC. ***. ***. **. ***. ***. LC-LC)U. UB-LA)tJ. **. ***. ***. **. *. *. LA→U-LCltJ. UB-IJC→U. ***. ***. ***. **. ***. ロB-LA. ***. t∫c-LC. ***. *p<.05. Factor. VI. C-+tJ. ***. ***. ***. ***. .**. **p<.01. ***p<.001. の「ささいなことを気に病む悩み+とこの因子に分かれたことを意味しているものと思わ れた。 以上, 6つの因子が抽出されたわ叶であるが,第Ⅰ因子として一般因子が抽出され第. ⅠⅠ田子以下は,かなり特殊な意味内容を含んではいるが対人恐怖症老の悩みの因子分節 で得られた因子構造と基本的には同じ構造であるといえる。対人恐怖症者の悩みは,必ず しも特殊なものではなく,われわれ日本人一般の人間関係の背後に共有される悩みである.
(8) 228. 小川捷之・永井 Table. 因. 撤・l白石秀人・林. 洋一. 5.因子に関する待点(地域性,接触性各群ごとの得点). 子. 秤 U. (N-80). M. 3.123. (SD). L. M. 3 AO7. (N-50)(SD) I.→U. 班. 3.262. 2. 564. M. M. 非接触群. 4.159. (SD). 3.767. 4.722. (0.902). 3.917. 4.629. 8.077. (1.048) 2 A68. 2.492. (1.000). (0.803). 4.851. (0.982). (0.792). 3.289. (1.009). (1.069). 3.160. (0.840). 3.004. (1.200). (1. 187). 2.989. (0.715). (0.972). 2.965. (1.278). (1.133). 2.910. (1.254). 4.077. (1.017). (1. 120). 3.091. (1.210). 3.777. (1.072). 3.116. (0.644). 3.840. (1、.255). 3.903. (0.975). (SD). 8.625. (0.935) 8.802. (1.071). (N-70)(SD) 接触群. 8.710. (1.091). (0.632) 3.677. 3.893. (0.907). (1.204). (1.101). Score 5 ●-一tJ (都会群) 光一x IJ (地方群) ▲†▲ X. .#Lh# Ⅰ. Fig.. ⅠⅠ. ⅠⅠⅠ. L-,U. (地方から. 都会に出てきた群). ySi-i4 ⅠⅤ. Ⅴ. VI. Factor. 2.因子に関する得点(地域性についての検討). ということができる。 Table lのように分摂した被験者各群についての,対人不安質問票の各項目の得 【ⅠⅠ】. 点を因子別に比較したものが,. Table. 3である。. 因子ごとの得点ほ, 0.4以上の因子負荷量を示す因子を代表する項目の得点の平均値で ある。これを,因子ごとの得点として図示したものがFig.. 1である.. ここからもわかるように,因子ごとの得点は7群ともほぼ同じ割合を示しており,この 4の有意差検定の結果においても確認できた.. ことはTable. すべての因子において得点の最も高かった群ほ,. VC群(都市・非接触)であり,以下. LCヰU群(地方・非接触-都市),次いでLC群(地方・非接触)が,得点が高いoそ して,これらの群間比較でほ有意差が認められていない.次に得点の高いものは, (都市に生まれ育って対人接触がないとはいえない老), 両群間も托ぼ有意差が認められなかった。. LA騨(地方接触)が続き,この. tJB群.
(9) 229. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2) Table. 6.. L因子別平均得点とSD. ㌃ミミ JA. (N -12望). 2.444. 3.044. 2.725. 2.746. (0.95). (1.15). (1.28). (1.06). 2.282. 2.508. (1.20). (1.08). AA. 2.448. 8.258. 2.868. 2.971. 2.8¢6. 2.505. (N -80). (0.93). (0.94). (1.12). (0.90). (1.20). (1.ll). ( )内はSD Score 5. ノ----一一一′ヽ\、 \\ ′//. \. ヽー ー-1. 第三者との凄触のない者 (閉銭的な家庭). 第三者との接触のある者 (開放的な家庭). I. Fig.. II. III. IV. V. VI. Factor. 8.因子に関する得点(第三者との接触,非接触の要因についての検討). LC群とUB群の間にはかなりの有意差が認められている。次に, 接触→都市)が続き,. L阜→U群(地方・. tJB群とLA-U群の問には全てに有意差が認めちれた。しかし,. その次に続くLA群とLA-tJ群間には,全てに有意差は認められていない.以上のこ LA粁, とから,全ての因子忙ついて得点の低いUA,秤(都市・接触)を含2b, 群, tTA群を低得点群とみなすことができる.. 群が高得点を示してほぼ欝似しており,次にUB群,. Fig.. 1からもわかるように,. LA→tT. UC群,. LG. IJA群が低得点を示して額似した表. われ方をしている。. 次に,この結果を更に明確化するために,地域別についての検討をおこなった。そこ tJ群(都会群), I,群(地方群), L→U群(地方に生まれ育ち青年期に都会にでて Table 5, Fig・ 2に示すとおりで参る. きた群)の比較をおこなっ年給果は,. で,. ここからもわかるように, このことは,. S群間にほ有意差ほ認められていない。. 、対人恐怖症的な対人不安意識が地域性に関係していな≦いことを示してい. る。また,青年期における居住場面の変化が,即対人恐怖症的「悩み+につながるもので ほないことが明らかである。. そこで,幼少期の対人接触の程度によって各因子の比較をおこなちてみた。結果む£.
(10) 230. ,j、川捷之・永井. Table. 撤・白石秀人・林. 洋一. 5, Fig.. 3に示すとおりであり各因子とも.1%以下の水準で有意差があった. そこで判明したことほ, 「第三者との接触のない者+の群の方が,全ての田子にわたっ. て,. 「第三者との接触のある者+の群より高い得点を示していることである。つまり,対. 人恐怖症的「悩み+の程度ほ,幼少期での第三者との接触が関係しているといえる。 以上の結果により,対人恐怖症的対人関係上の「悩み+紘,その個人の生まれ育った地 域性に関わる問題というよりは,その個人の体験した幼少期における対人接触が大きな要 因として考えられる。 Score. tJ (都会群) L (地方群). ●--● 弟一大. 5. A-▲孟芸芸濃裟態) (在日アメ.)カ人群) ○```一JA AA ム「△. (在米アメT)カ人群). ミミき女. I. Fig.. II. IV. Ill. V. VI. Factor. 4.田子に関する得点(地嘘性に関する検討). Score 6. ●-ー第三者との接触のない者 (閉鎖的な家庭) ● ̄●第三者との接触のある者 (開放的な家庭). /,------ヽ\. x---<JA在日アメ.)カ人. \\. ●′//. か・-在米アメリカ人. \ \ i. 、-●. A. ー、.  ̄、か-一 ̄ ̄ I-ズーーI1-*ー. \・○. ∼--メ. Ⅰ. Fig・. ⅠⅠ. ⅠⅠⅠ. ⅠⅤ. Ⅴ. Vi. Factor. 5・因子に関する得点(第≡者の接触,非接触の要因についての検討).
(11) 231. 対人恐怖症老iこ認められる対人不安意識に関する研究(2). 以上,本研究で明確にされた結果をもとに更に考察を進めてみると,基本的に日本人独 特の対人関係様式すなわち対人恐怖症的心性を形成する核となるのは,幼少期の第三者 との対人接触のあるなしによって決まるといえそうである。いい換えれば,. Social8kill. trainingの経験のない者は,対人接触を司どる自我横能を未発達のまま成長させており' 「自分+を対象化する状況にさらされた時に,対人恐怖症的「悩み+を発症させるのでは ないかと考えられた。. 【ⅠⅠⅠ】以上得られた日本人学生についての結果と比較するた捌こ,アメ1)カ人学生の資 6であるo在日アメ1) 料を結果Ⅰで見い出された各因子ごとに得点化したものがTable ヵ人群(JA)と在米アメリカ人群(AA)との間にほ,いずれの因子においても有意差は 認められなかった。これは,日本にかなりの期間居住して日本人と接触して日本人的な人 間関係様式をまのあたりに経験しているアメリカ人学生と,この種の経験を全くもたない アメリカ人学生との間には,対人恐怖症的な「悩み+に関しては全く差がないということ である。ここから推測されることは,在日アメリカ入学生は日本人と接触してもこうした 自己意識を啓発されないということである. Fig. 4ほ,こうした関係を図示したもので ある。ここからもわかるとおり,第Ⅴ因子(目が気になる悩み)を除いて日本人群は,地 方払). ・都市(tJ) ・地方から都市に出て釆た者(L-tJ)のいずれにも関わらず,アメ1) Fig. 5は,地方・都市を問わず ヵ人群より対人恐怖症的な「悩み+が著しいといえる。. 幼少期より身内以外の第三者との接触経験に乏しい老とそうでない者との二群と,在日・ 在米アメリカ人群との比較をおこなったものである。ここで明らかとなったことは,アメ 1)カ人学生の得点は,幼少期でわ対人鞍触の豊かな開放的な家庭に育った日本人の得点と ほ何ら差異がないということであった。このことほ,身内以外の人たちの出入りする開放 的な家庭に育ち,日本人であっても幼少期に身内以外の人たちの出入する開放的な家庭に 育ち,自由な対人接触のしかたを経験することの出来た者ほ,アメリカ人の学生のよう に,この種の「悩み+をあまり意識しないということを意味する。言いかえれば,こうし た対人不安質問票で表現されるような対人恐怖症的な対人不安意識ほ,幼少期の閉鎖的な 家庭生活によって身内以外の第三者と交流する瞭会を持たなかった者に特徴的であるとい うことができ,アメリカ人のもつこの種の意識は,こうした機会に恵まれた日本人と異な らないということである。もし,こうした対人不安意識が日本人に独得のものであるとす れば,それほ身内だけとしかつき合わない閉鏡的な日本人家庭の対人関係様式の反映であ ると考えることができそうである。. 考. 察. 本研究では,日本人学生を対象にして対人不安質問票の項目の因子分析をおこなったが, (小川, 1974,小川・林・ 現在までにこの種の因子分析は合計4回も試みられているo 永井・白石1979a). Table7からもわかるとおり,その内容ほ被調査者によって多少の変. 動はあるが,ほぼ共通したものが抽出されているといえるo 例えば,本研究で見い出された「集団に溶け込めない+という因子ほ,対人恐怖症老や.
(12) 232. 小川捷之・永井 Table. 田. 子. (悩み) Ⅰ. 撒・白石秀人・林. 洋一. 7・対人不安意識の国子分析的研究によって抽出された因子. 本研究,日本人学生 (N -200) 集団に溶け込めない. 対人恐怖症老* (N -120). 対人恐怖症者, 日本人 在日・在米アメリカ 学生アメリカ人学生 人学生 (N-165). 集団に溶け込めない _⊥_担三臥_ 多勢の人に圧倒され る. 集団に溶け込めない. 気分が動揺する. 自分に満足できない. 自分や他人が気にな. 他人が気になる. 気分が動揺する. 気分が動揺する. 病む. くつろいで人とつき 合えない. うまく人とつき合え ない. 生きてし.、る充実感が. 日が気になる. 自分が気になる. 気分のすぐれない. 自分に満足できない. 自分や他人が気にな る′. .. Ⅱ. る. ささいなことを気に. ない. 多勢の人に圧倒され る. 集中力のない. 気分のす(oれない. 自分や他人が気にな る. 多勢の人に圧倒され. 内気である. 自分に満足できない. 日が気になる. 人前に出ることので きない. る. 変な人に思われる. 親しくても索張する. *項目数117,他ほ100項目の因子分析. アメリカ人において共に第Ⅰ因子として同じ内容のものが抽出されており,対人恐怖・日 本人・アメ】リカ人の混合群では, 「うまく人とつき合えない+という国子に包含されてい るoこの第ⅠⅤ因子は,対人恐怖症者の「集団に溶け込めない悩み+と第ⅠⅤ田子「くつ ろいで人間つき合えない悩み+であるとか,アメリカ人の第ⅤⅠ因子「親しくても緊来す る悩み+などの内容から成っている。 「気分が動揺する+という日本人学生の第ⅠⅠ因子ほ,アメリカ人および対人恐怖症老・ 日本人・アメリカ人のサソプルでは共に第ⅠⅠⅠ因子として抽出されている。しかし,対人 恐怖症着では,これが第ⅠⅠ田子「自分に満足できない悩み+と第ⅤⅠ田子「気分のすぐ れない悩み+の双方にまたがっている。 また, 「自分や他人が気になる+という田子は,対人恐怖・日本人・アメリカ人群およ. びアメリカ人のみの群では,それぞれ第ⅤⅠ国子,第ⅠⅠ田子として同一のものが抽出さ れているo. ところが対人恐怖症着では,これが第ⅠⅠⅠ田子「他人が気になる悩み+と第. Ⅴ因子「自分が気になる悩み+の2つに分かれている。 このように,田子の個々について検討してみると,これらの項目がもともと症書から収. 集した「悩み+である追いか意識の上では,対人恐怖症着で最も分化してとらえられてい ることがわかる。日本人学生を対象とした今回の結果について考察すると,第Ⅰ国子は寄 与率が極めて大きく,一般困子となっていることがわかる。日本人学生では,対人恐怖症 者やアメリカ人のそれに比べて,こうした対人恐怖症的な「悩み+があまり分化して意識 化されていないように思われたo本研究でほ,一応,第IV因子まで得点化して考察した が,第ⅠⅤ因子以下は負荷量の大きい項目が少なく,特殊因子として無視しでもよいよう をち思われた。.
(13) 233. 対人恐怖症者むこ認められる対人不安意識に関する研究(2). 今後は,これら抽出された因子ごとに項目を厳選し,代表的な因子を下位尺度とする尺 度構成をおこない,これらの対人不安意識の測定を可能にしたいと考えている。そして, その上で,これらの対人「意識+にかかわる要因を更に解明してゆくつもりである。 本研究でほ,日本人学生を対象に抽出された6個の因子について因子ごrtに得点化を試 衣,被調査者の特質に応じてこれらの得点間にほどのような差異が認められるか検討し た。その結果,因子には特に関係がなかったが,さまざまな興味ある知見が見い出されて. いる。その第1ほ,これらの対人恐怖症的な「悩み+の生起に関して被調査者の居住する 「地域+にほどうやら関係がないということであった。われわれほ,この種の研究をおこ なうのに際して,次のような臨衆知見から「地域性+に関して或る俵定をおこなってき た。それは,本症を発症する者に地方出身者が多いのは,本症の背景に日本の農山村など の地域社会独得の濃密な人間関係が存在するのではないかというものである。いわゆる田 舎に居住する者には,日本人が本来的にもつ農耕社会的・相互依存的人間関係が密接で, それが本症に独得の対人意識を形成しているのではいなかと考えられたのである。しか し,今回の結果からいうとこの佼説ほ否定された.また,われわれにとって興味あるグル ープであったL-tJ群もこうした債向が特に著しいというわけではないことが判明した。 この群は,地方に生まれ育ち大学生活のため都会に出てきた着で,大げさに云うと一種の カルチャー・ショックを経験している者と考えられた。そして,青年期的心性も手伝いこ うした対人恐怖症的対人「意識+が最も著しいのではないかと考えられたのであるが,こ. の予想は襲切られた。日本は都市化が進み,われわれが予想するよりも速くわれわれが 「地方+とみなした地域でも都会人に認められる「個+中心の対人関係様式がすでに先行 してしまっているのであろうか。それとも,こうした対人「意識+には地域社会に認めら れるような対人関係様式が関係していないのであろうか。しかし,考えてみれば,本研究 で用いた被調査者はすべて大学生である。そして,地域社会に居住する者(L群)ほすべ LA, LC群など厳 て地方大学生である.研究に際し,生活環境調査(附表1)によって, 密に選択したつもりではあるが,現在の対人関係の上での「意識+ほ番会人のそれと何ら 変ることがないということを示している。今複,この種の観点を吟味するには「地方+の 定義を明確にしなければならないと同時に,調査もその地域というフィールドに入りこん. でおこなうことが必要と思われた。現在の大学生においては,対人「意識+に由して「地 方+ 「都市+ともに差違はないといえよう。 第三に,われわれは,なぜ本症のもつ対人「意識+が発現するのかという点に関して, 地域性のはかに幼少期に経験した人間関係様式に着目した。つまり,身内ばかりという相 互依存的な「甘え+た人間関係しか経験しなかった者は,他人との適切な人間関係のもち 方を学習する境会に乏しく,こうした事柄が対人関係における各種の不安「意識+を発展 させる原動力になるのではないかと考えたのである。結果は,仮説どおりであった。何よ りも興味を惹いたことは, LC, tTC, LC-U,各群ともにこうした意識が著しかったこ とである。地方・都市を問わず,また「地方+から「都市+. -と居住を変えた者を問わ ず,幼少期でわ「他者(身内以外の老)+との非接触経験がこれらの「意識+をもたらす.
(14) 234. 小川捷之・永井. 撤・白石秀人・林. 洋一. と考えられた。ただここで反省させられることは,接触-非接触の基準が明確でなかった ということである.また,時期も小学校卒業までの児童期を一応考え,これらのことが調 査票から明確なもののみを抽出したのである。したがって,鞍触群は見方を変えれば,外 向的・適応的な児童期を送った者ともいうことができる。これらの事実を追試などによっ て,今後とも明確にしてゆく必要がある.例えば,幼少期の接触-非接触を学校入学前に 焦点を合わせ,各種のインベントリーなどによって,そこでの生活を詳細にわたって明確. にした上で,この種の「意識+との関連を明らかにする必要がある。 最後に,本研究ではアメリカ入学生の資料との比較をおこなったが,ここで得られた結 果は非常に興味深いものであった。すなわち,日本人でも幼少期に家族外の第三者との適 切な接触を経験している老,言い換えれば,児童期を外向的に十分適応して過ごした者の 対人「意識+はアメリカ人のそれと変らないということである。彼等は,アメリカ人の学 生と同じように対人恐怖症的な「悩み+などあまり意識していない。ここから考えられた ことは,対人恐怖症的心性は日本人であっても幼少期の対人接触の如何によってかなり異 なるということである。そして,本症に独得の対人意識は,幼少期での「他者+との接触 のなさから生起する対人関係での不適応の反映ではないのかということである。今後,幼 少期の対人関係の様式をより厳密に測定し,これらの要因とこの種の「意識+との関係を 日本人および外国人について追求してゆくことが必要と思われた。 【附記:本研究で用いた資料の一部ほ,和栗(1978),星川(1979)によるものである.両氏の御好意 に,記して感謝する。】. 土居健郎(1971) 星川裕子(1978). 甘えの構造,弘文堂。 対人意識に関する比較文化的考察,横浜国立大学教育学部卒業論文,未発表。. 小川捷之(1974) いわゆる対人恐怖症著における「悩み+の構造に関する研究,横浜国立大学教育学 部紀要, 14, 1-38o 小川捷之(1978) 概説対人恐怖,現代のエスプリ127, 5-20,至文堂。 小川捷之・林 洋一・永井 撤・白石秀人(1979a)対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関す る研究-比較文化的観点から-,横猿国立大学教育学部紀要, 19, 205-220。 和栗温子(1978)不安における心理学的考察-「対人接触・生育環境からの対人意識に関する分 析-,青山学院大学文学部卒業論文,未発表o.
(15) 235. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2) 附表1生活環境調査票 生まれてから現在までのあなたの生活環境を例にならって,ありのままに記入して下さい. 〔例〕 (0)才-(9)才 (10)才- (12)才 (13)才- (15)才 (16)才- (17)才 (18)才- (23)才. 居 住 場 所 東京都小平市学園西町 神奈川県愛甲郡清川村 神奈川県川崎市多摩区 福島県南会津郡槍枝岐村 東京都台束区台東. ア. イ. ウ. コニ. (2 (1 (2 (1,2 (3. (2) (1). (2,3 (1,9. (1) (2). (2) (1) (2) (1) (2). イ. ウ. ニ. (2). (6,9. (7 (1,2. 備考 (2) (サイクリ ソグ部) (4) (2) (/). 〔記入欄〕 居. 住. 場. 所. ア. )-( ) ( ) ( ( ) ( )-( ) ( ) ( )-( ) ( ) ( )-( ) ( ) ( )∼( ) ) ( ) ( )-( (荏)重複する場合は(1.2)などのようにお書き下さい。. ) ) ) ) ) ). ( ) ) ( ) ( ) ( ) ( ). (. 〔ア欄〕それぞれの時期のあなたの生活環菟ほ下のいずれですか。 1.人の出入りが少なく,ほとんど顔見知りの人の中で生活していた。. 備考. ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ). (例)農村,山村,漁村. など. (例)郊外の住宅地ど 2.比較的落ちついた静かな所で生活していた。 (例)繁華街,商工業地,中心都市など 3.人の出入りの激しい所で生活していた。 〔イ欄〕アの環境は,下のいずれにあてほまるとお考えですか。 1.田舎 2.都会 〔り欄〕それぞれの時期,あなたはどのような人達と生活していましたか。 3.家 1.ほとんど家族とのみ接触していた. 2.家族,特定の友人,親戚のみと接触していたo 族,特定の友人,親戚,近隣の人々とかなり感触していたo 4.家族のほかに,みず知らずの人 と接触する機会が多かった。 〔-欄〕 3.あなたが,朗らかな明るい性格だ 1.両親の伸が良かった。 2.朗らかな明るい家族だった。 5.運動やスポーツが嫌いだった。 6友達が少なかった。 った。 4.人見知りがひどかった。 9.あな 7.引込みじあんだった. 8.病気でもないのに,学校-行くのがいやなことがあった。 (失業,商売不振等で) 10.両親のいずれかが数か たの家族が,経済的紅苦しい時期があつた. (転勤,病気等のために) ll.祖父母,親類縁者が同居して 月以上,家を離れたことがあったo いた。 12.家庭内にいぎこぎがあって,あなたが精神的に不安定な時期があった。 1S.両親の 15.両 14.あなたが病気がちだった。 いずれかが死亡したり,両親が離婿,再嬉したりした。 親共に農業をもっていた. 〔備考〕当時おこなっていた課外活動や団体がありましたら記入して下さい。 1.ボーイスカウト 7.テニス部 13.陸上競技部 8.サッカーラグビー部 14.写真部 2.バレー部 9.スキ-那 15.生物潔 3.剣道部,柔道部 16.演劇部 10.野球部 4.卓球宙 17.コーラス部 5.馬術部 11.水泳部 18.その他の場合は名まえをお寄せ下さい 12.バトミソトソ部 6.バスケット部.
(16) 236. 1.. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. ll. 12. 18. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22.. 小川捷之・永井. 撤・白石秀人i林. 附表2. 対人不安質問票. 洋一. 自分の弱点や欠点を人に知られるのがこわい。 2人きりでいると,相手を意識してしまって緊哀してしまう。 まわりの人から,見られていることを強く意識する。 す(o気持がくじける。 感情的すぎる。 自分をごまかしている。 意志が弱い。 決断力がない。 自意識過剰である。 ものごとに熱中できない。 なにをするにも自信がないo 神経質である。 将来の自分にほあまり大きな期待がもてない。 先の事を考えすぎる。 充実して生きている感じがしない。 生きていることに価値が見出せない. 異性の友達と話ができない。 いつも疲れているような感じがする。 頭が重くいつもボーッとしている。 いつも頭が重い。 気が弱い。 劣等感が強い。. 23.. いつも憂うつである。. 24.. 28.. 一つのことに集中できない. 人ごみの中で自分を意識する。 小心である。 内気である。 気持が安定していない。. 29.. すぐまごついたりとまどったりする。. 80.. 37.. いつも不機嫌で,ふさぎこむことがある。 物事をてぎわよくやれない。 引っ込み思案である。 計画をたてても実行が伴わない. 仕事を楽しめない。 根気がなく何事も長続きしない。 気分が落ちつかない。 不安がつよい。. 38.. ちょっとしたことをクヨクヨと気にする。. 39.. 気分の動揺が激しい. 何をやるにも集中できない。 精神を集中するのに他の人よりも苦労するo 何もやる気が起らない。 困ったことがあると,すくす逃げ出そうとする。 何をやってもうまくゆかない感じがする。 緊張すると体がふるえて困る。 気分が沈んでしまってやりきれなくなるときがある。 気分がすぐに変るo ■自分もほかの人のように幸福だったらなあと思うことがある。. 25. 26. 27.. 31. 32. 33. 34. 35. 36.. 40.. 4r. 42. 43. 44. 46. 46. 47. 48..
(17) 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2) 49. 50. 51. 52. 5S. 54. 55. 56. 57. 58. 59. 60. 61. 62. 63.. むずかしい問題があまり重なっているとやる前から気持がくじけてしまう。 みじめな思いをすることが多い。 いつも何かについてクヨクヨ心配する。 つまらないことをクヨクヨ考える。 多くの人と友だちになることができない。 人との交際が苦手である。 人との接触がうまくゆかない。 他人を羨やんだり,ねたんだりする。 集団の中に溶け込めない。 人が多勢いるとうまく会話の中に入ってゆけないo すぐ自分だけがとり残されるような気持になるo 他人のことがよく思えて自分がみじめになる。 友だちと雑談していても,心からくつろげないo 友だちと一緒にいるとさ,寮がこわばったり赤くなって累張することがあるo. 75.. 人と会うときに,自分の放つきや目つきが,その人に悪い印象を与えるのではないかと不 安FL_なることがある. 人と会うときに,自分がその人にどんな風に見られているか気になる。 自分が相手の人にイヤな感じを与えているように思ってしまう。 職場,学校のクラス,近所の人に,自分がどのように思われているのか気になる。 人と目が合うとき,自分の目つきが気になるo そばに人が来ると,おちつかない。 人と自然につき合えない。 昔からよく知っている友だちとも,なかなか話しかけることができない。 仲間のなかにとけこめない. 知らない人より知っている人と会うときの方が紫蘇する。 話しかたが下手である。 自分が人にどう見られているのかクヨクヨ考えてしまう。 人前に出るとオドオドしてしまう。. 76.. 人と目を合わせられない。. 77.. 人と話していて,自分のせいで産が白けたように感ずることがあるo 人の笑い声を聞くと自分のことを笑われているように思うo 友だちが自分を避けているような寛がするo 自分が不愉快な感じを相手に与えているように思えて困ってしまう。 多勢の人の中で向かい合って話すのが苦手であるo 多勢の人がいると自分が圧倒されてしまうような感じがするo 多勢の人とすれ違うときとても緊張するo 他人が自分をどのように思っているか,とても不安になるo 向い合って仕事をしているとき,相手に顔を見られるのがつらいo 調子の悪いときはなるベく人を避ける。 人の前でぎごちない自分をさらけ出すのがつらいo 自分のおかしいことが人に知れて家の著に迷惑をかけるのではないかと気忙なるo 自分はまわりから変な人間だと思われるようだ。 相手にイヤな感じを与えるような寛がして相手の顔色をうかがってしまうo 自分のことが皆に知られているような感じがして思うように振舞えないo 自分のことが,他の人に知られるのではないかとよく気にするo 人と話すとき,いい出しにくい。 話をしている時に漠がこわばってイヤな表情になる。 他人に対して申し訳けない気持が強いo グループでのつきあいが苦手.. 64. 65. 66. 67. 68. 69. 70. 71. 72. 73. 74.. 78. 79. 80. 81. 82. 83. 84. 85. 86. 87. 88. 89. 90. 91. 92. 93. 94. 95. 96.. 237.
(18) 288. 小川捷之,永井. 撤・白石秀人・林. 洋一. 97.. 初対面の人がこわい。. 98.. つき合いの長い家人と話をするときも緊張がとれない。. 99. 100. 101. 102. 103. 104. 105. 106. 107. 108. 109. 110. 111. 112. 113. 114. 115. 116. 117.. 友だちの家へ行っても,そこの家族の人とうちとけられない。 近所の人に合うと赤面し体が固くなる。 グループの雰囲気になじめず,異和感を感じてしまう。 多人数の雰囲気になかなか溶け込めない。 対人関係がぎごちない。 多勢の前にいくと脚がふるえ胸がつまる。 人がたくさんいるところでは気はずかしくて語せない。 会議などでの発言が困難である。 知らない人たちからジpジロ見られているように感じたことがよくある. 人から批評されたり小言を言われたりすると非常に感情を害される。 何か注意されたり,ちょっと叱られても寛が転倒しみじめになる. 人と話をするとき,日をどこ-もっていっていいかわからない。 人がそばにいると仕事がやりにくい。 目上の人とのつきあいができない。 知っている人を見かけても,顔を合わせないように道をさけてしまう。 薪をジーツと見られるのがつらいo 人の日を見るのがとてもつらい。 友だちと話をしているとき,何か自分の欠点を言われほしないかと不安になる。 人とどのようにつきあったらよいのかわからない。.
(19) 239. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(2) 附表3 I ten No. 1. SD. 4.465. 1.359. 日本人学生(117項目)の平均と標準偏差 Iten No.. SD. Item No.. SD. 40. 2.875. 1.164. 79. 2.895. 1.245. 1.207. 80. S.065. 1.280. 2. 4.345. 1.561. 41. 3.170. 3. 4.635. 1.280. 42. 2.770. 1.302. 81. 3.700. 1.578. 1.530. 43. 3.575. 1.538. 82. 3.560. 1.458. 4. 4.010. 5. 4.190. 1.583. 44. 3.345. 1.468. 83. 3.100. 1.435. 6. 4.075. 1.513. 45. 3.270. 1.526. 84. 3.640. 1.456. 7. 4.085. 1.413. 46. 4.535. 1.533. 85. 8.075. 1.374. 8. 4.150. 1.555. 47. 3.960. 1.402. 86. 4.095. 1.454 1.422. 9. 4.000. 1.466. 48. 3. 655. 1.709. 87. 4.025. 10. 2.955. 1. 2¢9. 49. 3.795. 1.508. 88. 2.575. 1.265. 89. 2.750. 1.434. ll. 3.425. 1.387. 50. 3.715. 1.551. 12. 4.115. 1.629. 51. 3.545. 1.373. 90. 3.200. 1.856. 1.532. 91. 2.760. 1.220. 13. 3.775. 1.429. 52. 3.805. 14. 3.855. 1.478. 53. 3.410. 1.695. 92. 2. 830. 1.299. 3.435. 1.627. 93. 3.255. 1.407. 15. 3.730. 1.609. 54. 16. 3.225. 1.564. 55. 3.255. 1.466. 94. 2.680. 1.193. 17. 2.515. 1 A45. 56. 3.355. 1.452. 95. 2.805. 1.362. 18. S.550. 1.492. 57. 3.445. 1.568. 96. 2.980. 1.363. 19. 2.665. 1.312. 58. 3.535. 1.587. 97. 2.940. 1.416 1.172. 20. 2.280. 1.232. 59. 3.660. 1.474. 9$. 2.165. 21. 3.725. 1.613. 60. S.425. 1.544. 99. 2.720. 1.341. 1()0. 2.230. 1.137. 22. 3.770. 1.545. 61. 3.190. 1.488. 2$. 2.985. 1.849. 62. 2.640. 1.382. 101. S.240. 1.357. 1.545. 102. 8.280. 1.875. 24. S.010. 1.337. 63. 3.815. 25. 3.765. 1.523. 64. 4.450. 1.489. 108. 3.225. 1.397. 8.530. 1.510. 104. 望.980. 1.428. 26. 4.010. 1.556. 65. 27. 3.860. 1.588. 66. 4.360. 1.428. 105. 3.330. 1.483. 28. 3.575. 1.493. 67. 8.260. 1.446. 106. 3.815. 1.601. 29. 3.860. 1.577. 68. 3.125. 1.皇91. 107. 3.395. 1 A42. $0. 3.O10. 1.337. 69. 3.180. 1.406. 108. 4.165. 1.469. 31. 3.580. 1.310. 70. 2.330. 1.276. 109. 3.655. 1. 505. 32. 3.865. 1. 545. 71. 2.860. 1.318. 110. 3.260. 1.422. 3.975. 1.505. 8き. 4.120. 1.478. 72. 2. 660. 1.io8. 111. 34. 3.020. 1.243. 73. 4.125. 1.610. 112. 3.035. 1.375. 3.025. 1.265. 1.282. 74. 3.435. 1.465. 118. 3.380. 1.286. 75. 3.355. 1.420. 114. 宅.500. 1.459. 37. 3.725. 1.526. 76. 2.900. 1.348. 115. 2.855. 1.316. 38. 4.125. 1.552. 77. 3.665. 1.460. 116. 2.620. 1.109. $9. 8.855. 1.560. 78. 2.936. 1.291. 117. 3.250. 1.492. 35. 3.135. 36.
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