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当院における院内職員の喫煙に関する意識について 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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当院における院内職員の

喫煙に関する意識について

山梨県立中央病院 内科 宮下義啓 同外科 千葉成宏       論文要旨  病院の新築に伴う院内環境整備をすすめる為、病院職員の喫煙に関する意識 調査を行った。690名の職員を対象にアンケート調査を行い、668名から回答 を得た。全体では男性140名中46名(32.8%)、女性528名中71名(13.4%) の喫煙者を認めた。喫煙の有害性については受動喫煙を含め職員全員が理解し ていた。喫煙本数について回答のあった喫煙者105名の平均喫煙本数は∼10本 が40%,11∼20本が48%21本以上が12%であった。喫煙場所については「勤務 中病院外で喫煙する」および「控え室」が多かった。禁煙の意志については「禁 煙したい」が35%、「禁煙したいが止められない」が37%、「禁煙の意志は全く ない」が28%であった。以上の結果から現時点では分煙の環境整備は整えつつ も、院内の環境を全面禁煙とするには喫煙者に対する禁煙指導および情報提供 などの支援を積極的lg行う必要があると考えられた。 Key Words:喫煙率、医療従事者、院内環境.       背景と目的  一般成人の喫煙率は厚生労働省の「国民栄養の2001年」1)によると男性 49.2%,女性103%と減少傾向となっている。医療従事者については、日本医師 会の2000年の調査では、医師の喫煙率は男性27.1%、女性6.8%であり、男女 とも一般成人の約半分程度の比率となっているが2)、看護職員の喫煙率の高 さも指摘されている3)。  呼吸器疾患、心臓病などの危険因子としての喫煙の危険性を患者へ指導する 上で、医療機関の喫煙に対する姿勢は患者指導の上でも重要な意味を持つと考 えられる。日本呼吸器病学会の調査4)では呼吸器病専門医の喫煙率は19.7% で、勤務する病院のうち全面禁煙を実施している機関は1996年は75%、1999 年は15.8%と増加傾向にある。また、患者の分煙は81.1%,タバコの自動販売機

(2)

設置率は41.5%であった。  そこで今回、当院では病院の新築時の喫煙対策のため、院内職員の喫煙状況 および意識に関する調査を実施し、検討を行った。       対象と方法  平成12年6月に、無記名のアンケート用紙を用いて調査を実施した。集計 は男女別および医師、看護職員、事務職員、検査技師、薬剤師、放射線技師、 栄養科職員など職種別に検討を行った。       結果  690名の職員を対象にアンケート調査を行い、668名から回答を得た(回収率 96.8X)。内訳は医師70名、看護職440名、事務職53名、検査技師43名、薬 剤師20名、放射線技師17名、栄養科職員25名であった(図1)。全体では男性 140名中46名(32.8X)、女性528名中71名(13.4%)の喫煙者を認めた(図2)。 職種別の喫煙状況を性別に検討すると男性では医師61名中12名(2①%)、看 護職11名中5名(45.4%)、事務職31名中11名(35%}、検査部12名中3名(25%)、 薬剤部5名中4名(80%)、放射線科14名中7名(50%)、栄養科職員6名中4 名(66%)と医師以外の医療スタッフにおいては高率で一般成人における平均喫 煙率をこえている部門もみとめられた。女性における職種別喫煙状況は医師9 名中0名(0%)、看護職429名中67名(15%)、事務職22名中1名(5%)、検査 部31名中0名(0%)、薬剤師15名中0名(0%)、放射線科3名中0名(0%)、栄 養科職員19名中3名(15%)と看護職において高い結果であった。  喫煙の有害性については受動喫煙を含め職員全員が理解していた。喫煙本数 について回答のあった喫煙者105名の平均喫煙本数は∼10本が40%,11∼20 本が48%,21本以上が12%であった。喫煙場所については「勤務中病院外で 喫煙する」が41名、「控え室」が29名と多く、「喫煙所」は11名と少なかっ た。「病院では喫煙しない」が10名認められた(図3)。さらに、喫煙の意志に ついては「禁煙したい」が35%、「喫煙したいが止められえない」が37%、「禁 煙の意志は全くない」が28%と禁煙の難しい状況が伺われた(図4)。  喫煙について不快に感ずる人は非喫煙者の37%が「非常に不快」と回答して

(3)

(図5)。さらに、院内環境についての希望では非喫煙者524名の64%で「空間 分煙」を希望し、「全面禁煙」を望む人は34%であった(図6)。喫煙者92名に 院内全面禁煙に協力可能かを問う質問に対しては53%が「協力したい」と回答 したが、「協力したいが難しい」が36%、「協力できない」が11%と現時点で全 面禁煙とすることの難しい状況が伺われた(図7)。        考察  医療従事者の内、医師の喫煙率は一般成人の喫煙率が80%であった196d年 代で60%であったとされるが、1988年の千葉県医師会の報告では男性医師が 30%,女性医師が8%と低下傾向であった3)。また、看護職の喫煙率については 1986年の調査によれば、ほぼどの年代も20%∼24%と一般成人喫煙率より高値 であった3)。一般成人の喫煙率は男性49.2%,女性10.3%と徐々に低下している が、今回の調査で薬剤部、放射線科および栄養科の男性喫煙率は・・−nyt一般成人喫煙 率を上回っており、注意すべき点と考えられた。  平成11年3月に山梨県から出された分煙化ガイドライン5)によると平成10 年時点で男性喫煙率は508%,女性喫煙率は11.2%であった。喫煙対策を実施し ている機関は病院および学校で70−80%と報告されている。しかし、その内容は 職場、会議等の禁煙が90%、喫煙室、喫煙コ・…一一・ナーの設置が70%と高い意識 が伺われるが、明確な分煙化はわずかで、ほとんどが会議中の禁煙などにとど まり、全面禁煙の実施をおこなっていると回答した割合は10.9%にとどまった。 日本医師会の調査では2)勤務している医療機関内が全面禁煙にもかかわらず 院内で喫煙する医師の割合が喫煙者の男性の42.8%,女性28.3%であり、今回の 調査で病院という環境においてさえ一般成人喫煙率を超える結果や、禁煙困難 と考える喫煙者が多いことを考えると、積極的な禁煙指導を行わなければ、病 院内での完全な禁煙の実施は困難と考えられた。  職場における喫煙対策の取り組み方6)についてはa)喫煙対策特別委員会の 設置、b)喫煙問題についての教育、啓発、 c)実態調査、意識調査の実施、 d)喫 煙対策の立案、e)喫煙対策の提示と承認などの段階を踏んで、安全衛生委員会 などの場で検討の上承認を得る組織内の手続きが望ましいとされる。さらに、 実施段階では喫煙対策の導入のタイミング(対策の発表から実施まで3ヶ月く らいが適当)、対策の実施方法とモニタリングについても検討しておく必要が あるとされる。

(4)

 タバコには4000種類以上の化学物質と200種類を超える発癌物質がふくま れるとされ、副流煙の有害性も指摘されている7)。喫煙は様々な疾病、特に 呼吸器疾患のうちでも肺気腫および肺癌の危険因子としてしられ、約15%の喫 煙者が肺気腫となり、喫煙者の肺癌罹患率は非喫煙者の4.5倍に上昇するとさ れている8)。患者指導上も禁煙は重要な治療内容であるが、医師の患者の喫 煙に関する関心や指導への熱意は、医師自身の喫煙習慣と関連があり、喫煙し ている医師は患者の禁煙指導への関心が薄いことが示されている9)。  入院後に患者が突然の禁煙指示を守る事が困難な場合も予想され、病院内の 完全禁煙実施に向けては、患者に対しても、院内禁煙のアナウンスや、購買部 などでのタバコの非売化などを含む対策の周知で理解を得る必要があると考え られる。さらに今後、院内での禁煙を押し進めるにあたっては現在の喫煙者に 対する禁煙教育等を繰り返して実施し、入院患者および外来患者へも喫煙の有 害性について積極的な情報提供を行い、喫煙者の理解を得る必要があると考え られた。        参考文献 1)国民栄養2001.厚生労働省:105,2001. 2)桜井秀也:日本医師会員の喫煙行動と喫煙に対する態度.日医雑誌   124:725−732, 2000. 3)森亨:医療従事者の喫煙の実態.目でみる喫煙のリスクと禁煙指導法.   (朝日ホームドクター社):1415. 4)小林淳:第39回日本呼吸器病学会総会参加者アンケート結果から.   日呼吸会誌 39(増刊号):105,2000. 5)分煙化ガイドライン.山梨県:11−18,1999. 6)中村正和:職場における喫煙対策,日医雑誌 116:371−374,1996. 7)野上浩志:タバコの種類と主な成分.目でみる喫煙のリスクと禁煙指導法.   (朝日ホームドクター社):18−20. 8)平山 雄:喫煙とその他の癌.目でみる喫煙のリスクと禁煙指導法.   (朝日ボー一,.一ムドクター社):50・・51. 9)川根博司:医療従事者自身の喫煙問題と禁煙運動.治療 82:221−224,   2000.

(5)

函事務職

■看膜職

ロ検査部

ロ薬剤部

■放射線部

国医療局

図1.アンケート対象

600

500

400

300

200

100

 0

■非喫煙者 国喫煩者 図2.男女別喫煙者数

(6)

病院では喫煙しない       病院外       喫煙所      トイレ       医師室      合同医局       給食室       検査室       控え室       事務室          0

図3喫煙場所について

(人数) ロ禁煙したい ■禁煙したいが、止められ ロ禁煙の意志はない

図4,禁煙の意志について(喫煙者117名)

(7)

ロあまりない

■すこしある

口不快である

図5.喫煙にたいする不快感(非喫煙者520名)

口空間分煙を希望

■時間分煙を希望

ロ全面禁煙を希望

図6.新病院の院内環境について(非喫煙者524名)

(8)

口協力したい

■協力したいが、

 難しい

ロ協力できない

参照

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