寄与分と立替扶養料求償の関係
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(2) 横浜1到際葡ξ済法ど芸第16巻’第2号’(2008年2月). 同支部は,平成14年1月11日,Xの寄与分を定める処分申立てを却下した上,. Aの遺産である郵便貯金951万8836円及び現金17万1666円(以下「本件遺産」 という。)を法定相続分に応じ.XY1,王(Aの二女).Y,(同六男),Y,(同三女),. Y,,(同長女の子)らに6分の1ずつ取得させる旨の審判をした(先行審判)。. この先行…審判は,①Aには,月額3万円の年金受給以外の収入はなかったこ と.②尼崎市内で賃借していたアパートの家賃は,A自身が支払っていたこと,. ③本件遺産の郵便貯金951万8836円のうち,650万6000円は平成2年,300 万円は平成7年にそれぞれ預けられたもので,Aはそれ以降郵便貯金をしてい. ないこと,④Xは,昭和60年10月から5年間にわたり月額4万5000円(合 計270万円),その後の5年間は,月額5万円(合計300万円)の生活費をA に渡していたこと,⑤宇和島市から尼崎市への転居の際,Aは少なくとも400 万円の預貯金を有しており.Y,は少なくとも170万円をXに渡したこと,⑥X 以外の相続人もAにいくらか仕送りしていたこと,という事実を前提として,. 本件遺産の大部分を占める郵便貯金のうち,平成2年預け入れは⑤の400万の. 元利金が平成7年預け入れのうち180万円はYらからの仕送りを蓄えたもの がそれぞれ原資になっていると推認した。. その上で,Aが平成11年12月20日に入院するまで, Aは療養看護を必要 とする状態になかったから,Xが行った扶養は「親族としての身分関係から当. 然行われる行為の範疇に属するもの」で,民法904条の2第1項所定の特別の 寄与に該当しないと判断した。. (3)Xは,Aを扶養するため余儀なくされた生活費その他の出費(以下「本 件出指」という。)を本件遺産から回収することが許されなかったため,他の 兄弟に対し本件出損に関する求償を求めるしかないと考え,先行審判に対する. 即時抗告はせず,平成14年2月1日,その求償を求める趣旨の親族関係調整 調停を申し立てた。. しかし.同年5月22日,同調停が不成立となり,XはYらに対し,本件出 損に関する求償を求める趣旨の審判を申し立てた(原審)。 98.
(3) 寄与分と立替扶養料求償の関係. (4)原審裁判所は.Yらが本件出損に関する求償義務を負わないことは,既に. Xの寄与分に関する申立てを却下した先行審判において判断されており,本件 申立ては,紛争の蒸し返しであるから信義則上許されず,仮にそうでないとし. ても,Yらも相応の扶養義務を履行しているので,本件出据に関する求償義務 を負わないと判断し,本件申立てを却下した。そこで,Xが即時抗告を行った。’. 2 決定要旨(一部取消差戻・一部棄却) a.扶養義務者の範囲について 「Aの第1順位の扶養義務者は,Aの子であるX, Y., Y. Y及びYであり, 3 4 1 2. Aの孫であるY,はその5名に劣後する扶養義務者にすぎないから,Y,が本 件出指に関する求償義務を負う理由は認められない。」. b.先行審判と本件申立ての関係について. (1)「扶養義務者の一人が自己の分担義務の限度を超えて扶養義務を履行. した場合,家事審判法9条1項乙類8号所定の審判(以下『扶養審判』 という。)を申し立て,過去の扶養料につき他の扶養義務者に求償を求 めることができる。この場合,家庭裁判所は,各扶養義務者の資力その. 他一切の事情を考慮して各人の扶養義務の分担の割合を定めることに. なる(最高裁判所第二小法廷昭和42年2月17日判決・民集21巻1号 133頁)」。. 「過去の扶養料の求償権は,具体的な財産上の権利であって,扶養審 判を通じて行使が可能な権利であるから,その求償権を,敢えて.具体. 的な財産上の権利ではない『寄与分』とみたうえで,家事審判法9条1 項乙類9号の2所定の審判(以下『寄与分審判』という。)を通じて行 使させる必要は原則として認められない。」. (2)「実質的に検討しても,寄与分審判を通じて過去の扶養料の求償を求 めることは,必ずしも適切ではない。. 被相続人に生活費を渡す,あるいは扶養家族の一員として被相続人を 99.
(4) 横i兵匡】陽ξ経済言去£苦第16巻第2’号 (20081f−2月). 引き取るという通常の扶養は,民法904条の2所定の『その他の方法』 に該当するが(同条にいう『療養看護』とは,病気や障害のため日常の 起居動作が不自由な被相続人を看護・介護する行為を指す。),これが特. 別の寄与と認められるためには,この行為によって被相続人の財産が減 少を免れ,相続開始時まで遺産が維持されたという関係が必要となり, この関係が認められた場合に限り,維持されたとみられる遺産の価額が 寄与分として評価される」。. 「したがって,遺産総額が少ない場合には,そもそも寄与分制度を通 じて過去の扶養料を回収することはできないし,寄与分審判の審理にお いては,一般に,過去の扶養料の求償権の有無及び金額を定める上で極. めて重要な要素となる同順位扶養義務者の資力が調査されることはな く,その資力を考慮して寄与分が定められることもない。. そうすると,寄与分審判によっては,過去の扶養料の求償に関する適 切な紛争解決が必ずしも保障されているとはいえないから,過去の扶養 料の求償を求める場合には.原則として,扶養審判の申立てがされるべ きである」。. (3)「もっとも,遺産分割の機会に,遺産分割に関する紛争と過去の扶養. 料に関する紛争を一挙に解決するため,過去の扶養料の求償を求める趣 旨で寄与分審判を申し立てることが許されないわけではなく,実務上は そのような寄与分審判の申立ても許容されている」。. 「この場合であっても,寄与分の認定方法が上記(2)のとおりである. ことからすれば,寄与分審判と扶養審判は二者択一の関係に立つとか, 寄与分審判の申立てをした以上は扶養審判の申立てが許されなくなると 解すべきではない。. すなわち,過去の扶養料に関して寄与分審判で何らかの判断がされた としても.寄与分としては認定されなかった過去の扶養に関し,本来的. な権利行使の手段である扶養審判が申し立てられれば,家庭裁判所は, 100.
(5) 寄与分と立替扶養料求償の関係. 各扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して各人の扶養義務の分担 の割合を定める必要があるといわなければならない(もちろん,寄与分 が認められた分についてまで,重ねて過去の扶養料の求償が許されるこ とにならないことはいうまでもない。)。」. (4)本件においては.「先行審判は,要するに,Xの扶養は『療養看護』. に該当しないか.Aの遺産の形成に特別の寄与をしたとは認められない から,これを『寄与分』とするのは相当ではないと判断したものと解さ. れる。少なくとも,先行審判においては,Xと同順位の扶養義務者に求 償に応じる資力があるか等の,過去の扶養料の求償の可否を判断するた. めの事実の有無を判断していないし,先行審判の手続において,その事 実の調査が行われたとは到底考えられない。. したがって,先行審判が存在するとしても,過去の扶養料の求償の可 否について,既に裁判所の公権的判断がされたとみるわけにはいか」ず,. 「その求償に関する原則的権利行使手段である本件申立てが紛争の蒸し 返しであるとかt信義則に反する不適当な申立てであると解することは できない」。. c.求償の可否に関する事実の調査について. 「原審判は,本件出損に関する求償の可否を判断するために必要な事実の 調査を殆ど行っておらず,……先行審判が認定した事実の存否さえ明らかで. はな」く,本件の求償の可否を判断するためには.①本件期間中のAの収 入及び生活状況②X主張の本件出損の有無及び金額,③本件遺産の形成過. 程④扶養能力(資力)をみるためのY、ら各人の生活状況を調査する必 要がある。. 以上のように判示し,XのY,に対しての抗告申立てを棄却し,その他のY、 らに対しては,原審判を取り消し,原審裁判所に差し戻した。. 101.
(6) 横浜国際経済法学第16巻第2号(2008年2月). 二 問題. 1本決定の争点 Xは,Aの遺産分割に際し, Aを扶養したことを理由とする寄与分審判を申. し立てたものの,XがAに行った扶養は,親族としての身分関係から当然行わ. れる行為の範畷に属しt民法904条の2の第1項所定の特別の寄与に該当しな いとして却下された。. そこでXは,改めて,他の扶養義務者に対し,A扶養の立替料の求償を求め る審判を申し立てた。しかし.原審は,Yらが求償義務を負わないことは,既 にXの寄与分に関する申立てを却下した審判において判断されており,本申立 ては,紛争の蒸し返しであるから信義則上許されない,としてこれを却下した ため,Xが即時抗告するに至ったのである。. よって.本件の争点は,扶養を理由とする寄与分審判が先に却下されていた 場合,立替扶養料の求償を趣旨とする扶養審判の申立ては紛争の蒸し返しにあ たるのか,ということになる。つまり,立替料求償のための扶養審判と,扶養 を理由とする寄与分審判との関係,その認定判断手続の異同が問われているの である。. 2 問題の背景 一扶養と寄与分との関係性 ・. 扶養義務者が複数いる中で,その一部の者だけが扶養義務を履行した場合, 他の扶養義務者との関係性をどうみるか。他の者に何らかの求償を求める際に は,他の扶養義務者に対し,立替料求償を求める手続きと,遺産分割に際し, 扶養を理由とする寄与分の定めを求める手続きがある。. そもそも民法上は,扶養と相続との間に相関性はないとされ,よって,扶養 の立替料求償と遺産分割における寄与分の認定も,全く異なる趣旨・制度とし て位置づけられる。. しかし,一般的に人々の間では,扶養に対する見返りと相続における財産取 102.
(7) 寄与分と立替扶養料求償の関係. 得とは切り離されていない。むしろ,平均寿命の伸長に伴う扶養期間の長期化 もあって,被扶養者・扶養者双方に,相続を扶養の対価として位置づける傾向 がある。. また,本件決定要旨b.(3)も「遺産分割の機会に,遺産分割に関する紛争 と過去の扶養料に関する紛争を一挙に解決する」と指摘するように,本来別個. の制度でありながら,遺産分割事件と過去の扶養料の求償とは実務上一緒に解 されているのである。. そこで以下,扶養義務者間の立替料求償と寄与分制度について個別に問題を 整理することから始めることとする。. 3 扶養義務者間の立替料求償について 複数の扶養義務者のうち,1人の者が扶養をなした場合,他の者に求償可能 か否かについては,まず,妹が父と兄の反対を押し切って母を引き取り,のち に兄に扶養料の半額を求償した事例において,妹が母の扶養の全費用を負担し なければならないとした原判決を破棄差し戻した最高裁の判決がある(最判昭.. 26・2・23民集5巻3号47頁)。これによれば,「冷淡な者は常に義務を免れ 情の深い者が常に損をすることになる虞がある」から,まず,扶養権利者が専 ら1人の扶養義務者によって扶養された場合,それに至った相当の理由(他の 扶養義務者の扶養の程度,虐待の有無)の存否を判断しなければならないとす る。そして,他の扶養義務者も相当の扶養をなしたであろうに,何ら相当の理 由もなく,無理に扶養権利者を連れ去ったとか,全額費用を負担すると約束し. たとか,他の扶養義務者に全面的に義務を免れる相当の理由がない限り,1人 で扶養を負担した者による求償は認められるとした!)。. こうした求償を求める法的根拠として,学説上,事務管理,不当利得,さら. に,民法877条1項の扶養義務を連帯債務とし.連帯債務者間の求償請求とみ る考え方がある2)。. そこで,扶養義務者のうちの1人が負担した過去の扶養料について,通常の 103.
(8) 横浜国際経済法学第16巻第2’号(2008年2月). 民事訴訟の手続により,他の義務者に求償できるかという問題がある。まず. 扶養義務者間で,既に協議または審判によって,その分担割合が確定している. 場合,扶養義務者のためにする意思の有無によって,事務管理または不当利得. を原因として,通常の民事訴訟によって求償することが可能とされている% 一方,本件では,原審によれば,XがAの扶養に関する調停を申し立てたもの の,Aあ死去に伴い取り下げられているが,このように協議または審判が行わ れず.分担割合の確定以前であった場合はどうであろうか。. この点につき,最商裁は.本決定も引用しているように,「民法878条・879 条によれば.扶養義務者が複数である場合に各人の扶養義務の分担の割合は,. 協議が整わないかぎり,家庭裁判所が審判によって定めるべき」とし,「扶養 義務者の一人のみが扶養権利者を扶養してきた場合に,過去の扶養料を他の扶 養義務者に求償する場合においても同様であって,各自の分担額は,協議が整. わないかぎり.家庭裁判所が各自の資力その他一切の事情を考慮して審判で 決定すべきであって,通常裁判所が判決手続で判定すべきではない」(最二小. 判昭42・2・17民集21巻1号133頁,家月19巻5号73頁・離婚した妻が夫 に対し,6年間実家の父が立替えていた子の扶養料の求償を求めた事例)とし ている㌔ これに対し,「現在および将来の扶養料の請求から分離した,独立の,純粋 に過去の扶養料のみについての請求」は,家事審判事項に該当せず,「扶養義 務者の一人が過去において支出した扶養料に関する同順位の扶養義務者相互間 の求償関係は,不当利得の返還または事務管理費用の償還の請求に当る」とす. る判決(大阪高判昭43・10・28判時544号48頁・未成年子を扶養する母から 父への扶養料の支払請求の事例)や学説がある5)。. これら2つの事例は,いずれも未成年子の扶養料に関する事例であるが,本 件のように要扶養者が既に死去している場合も,この昭和42年最高裁判決を 参照して,通常の民事訴訟手続では求償できないとした事例がある(東京地判. 平6・1・17判タ870号248頁・曾孫が要扶養者の養子夫婦に対し,扶養料等 104.
(9) 寄与分と立替扶養料求償の関係. を不当利得の返還又は事務管理費用の償還として請求した事例)。. なお,どこまで過去に遡り,求償を請求できるかについては,「家庭裁判所 が関係当事者問の負担の衡平を図る見地から扶養の期間,程度,各当事者の出 資額,資力等の事情を考慮して定めることができる」とする決定例がある(東 京高決昭61・9・10判時1210号56頁・兄弟姉妹間の立替扶養料請求の事例)。. 4 扶養を理由とする寄与分の認定について 寄与分制度は,「被相続人の財産の維持増加に貢献した相続人に,遺産分割. に当たって法定相続分または指定相続分を超える財産を取得させることによ り,相続人間の実質的衡平を図ることを目的と」6}し,昭和55年の民法の一 部改正により創設されたものである。. 寄与分は,被相続人の事業に関する労務の提供,財産上の給付,療養看護,. その他の方法により,被相続人の財産の維持又は増加について特別な寄与をし た相続人に認められ(民904条の2第1項),その協議が調わないときなどは, 家庭裁判所が,その寄与した者の請求により,寄与の時期,方法,程度,相続 財産の額その他一切の事情を考慮して寄与分を定めるとしている(同2項)。. 本件では.扶養を理由とする寄与分審判が先行し,これと扶養審判との関係 が問われているのであるが,扶養を寄与の態様として認めることについては, 見解の相違がある。. まず,扶養を寄与の態様とすることに否定的な見解は,扶養を民法上の扶養 概念により厳格に捉える7}。よって,法的義務の履行にすぎない扶養が寄与分 として評価されることは,本来無償であるべき扶養の有償化8),ひいては「相 続分の買取り」9)につながることを懸念する。また,相続人が自らの扶養義務 の範囲を超えた扶養をなした場合は,不当利得によるなど,財産上の求償権を 行使すれば足りるとしている1°)。. これに対し,肯定的見解は,相続人の1人が被相続人に生活費等の出損を行っ たため,被相続人に不動産等が残ったと考えられる場合,それは金銭給付ある 105.
(10) 横浜国際経済法学第16巻第2号(2008年2月). いは労力の提供による寄与分と同視できるのではないか,とみる11}。つまり, 扶養義務の要否.すなわち,その行為が扶養義務の履行か否かを問うことなく. 扶養行為による財産の維持,増加を寄与分として評価するとしている1%また.. 「遺産分割の際に扶養に関する清算を合わせて行いたいと希望する例は相当多 く.これは,我が国の一般市民の意識とも合致」13)するといった実務の実態や.. 親族間で求償権を行使することの難しさ14)を理由に挙げる。. 最高裁判所家庭局も後者の立場を取り,「生活費の出損が得られたがために 被相続人が自己の財産の処分を免れ,その結果,その財産が莫大な価値を保有 するに至ったというように,実際に行われた出損と結果との間に格差があり, 扶養分担額の求償だけでは現実には相続人間の実質的衡平を図り得ない場合も ある」から,「実務的には,別途扶養分担額の求償の道があるとしても,事案 によっては,遺産の分割に当たり,寄与分として一括処理するという余地」IS) を認めている。. こうした見解の差は,扶養概念の厳密な解釈を優先するか,一般市民意識や 実務上の要請といった現実的考慮を払うか,という立脚点の違いとみることが できる。. この学説上の見解の相違は,遺産分割事件において,申立人が寄与分を主張 した審判例・決定例にも表れている。まず,扶養による寄与分を認めた事例16}. については,被相続人の扶養の要否,またはその必要とされた程度寄与相続 人も含む相続人の扶養能力は一切考慮されておらず,寄与相続人の寄与行為(=. 扶養行為)のみの評価で結論が導かれている。一方,扶養による寄与分が認め (ママ) られなかった事例t7}においては,扶養行為の内容について,「肉身としての当 然の互助の範囲を出るものではなく,相続財産の維持に貢献したとまでみるこ. とはできない」(長崎家諌早出審昭62・9・1家月40巻8号77頁)など,民法 上の扶養義務に照らし合わせ,厳密に判断がなされている。また,扶養に関し ては「他の扶養義務者である相手方らと協議するなどし,別途解決すべき」と し,そもそも寄与分審判における扶養の清算を認めなかった事例(盛岡家審昭 106.
(11) 寄与分と立替扶養料求償の関係. 61・4・11家月38巻12号71頁)もある。. 三 検討 1 本決定の意義 以上を踏まえると,過去の扶養料の求償問題が生じる際には,被扶養者が要 扶養状態にあることが前提といえる。そして,協議または審判により,各扶養. 義務者の扶養能力に応じて扶養義務が具体的に分担されていなければ求償の. 可否及び求償の程度もまた定まらない。よって,本件決定が①Aの収入及び 生活状況(=要扶養状態の調査),②Xの本件出損の有無及び金額(=Xの扶 養行為の調査),③本件遺産の形成過程(=Y、らの贈与が扶養義務,求償義務. の履行に該当するか否かの調査).④Y、らの生活状況(=Y、らの扶養能力の 調査)を求償の可否判断に必要な調査項目として挙けtvこの事実調査の不備を 理由に原審裁判所に差し戻したことは,過去の扶養料の認定判断手続に則った 結論といえる。. 一方,本件では,先行寄与分審判での判断とその後の扶養審判との関係が問 われているため,以下その点について論じることとする。. まず,扶養を理由とする寄与分審判において,前述の否定的見解に立てば, そもそも扶養は寄与の態様にはあたらず,当該審判は当然ながら却下される。 よって,改めて扶養料求償に関する扶養審判を申し立てることとなり,紛争の 蒸し返しという問題そのものが生じないであろう。. しかし,本決定は,金銭扶養・引取扶養を療養看護とは区別した上で,民法. 904条の2の「その他の方法」に該当させ,寄与者の扶養行為と被相続人の財 産の維持の因果関係が認められた場合に限り,維持されたとみられる遺産の価 額を寄与分として評価する,とした。よって,扶養を理由とする寄与分審判が 過去の扶養料の求償を求める趣旨でなされた場合の,扶養審判との関係につい て判断がなされるに至ったのである。 107.
(12) 横浜国際経済法学第16巻第2}}(2008年2月). 本決定ではまず,過去の扶養料の求償権を,扶養審判を通じて行使が可能な. 具体的な財産上の権利とし.具体的な財産上の権利ではない寄与分とみて,寄 与分審判を通じて行使させる必要は「原則として認められない」とした。さらに. 「過去の扶養料の求償権の有無及び金額を定める上で極めて重要な要素」とし て,同順位扶養義務者の資力の調査を挙げ,寄与分審判では.当該調査がなさ れないこと,また考慮されないことを理由として.「適切な紛争解決が必ずし も保障されない」と結論づけた。つまり,寄与分審判,扶養審判において,そ れぞれの認定方法が異なることを理由として,過去の扶養料の求償権に関して は,扶養審判を原則的,「本来的な権利行使の手段」と位置づけたのである。. しかし,本決定は,「遺産分割の機会に,遺産分割に関する紛争と過去の扶 養料に関する紛争を一挙に解決する」という実務上の要請を理由に,過去の扶 養料の求償を求める趣旨での寄与分審判の申立てを許容している。そして,再 び扶養・寄与分各審判の認定方法の違いに基づき,両審判の二者択一性を否定 し.寄与分審判の先行を認め,その寄与分審判で認定されなかった扶養に関し ては,「本来的な権利行使の手段」として扶養審判の申立てを可能とした。. 過去の扶養料の求償を求める趣旨で寄与分審判がなされている実態を受け, その申立てを明確に許容し,また,その後になされた扶養審判との関係につい て判断をなした審判例はみられない。本決定は,前述の通り,寄与分審判が先 行した場合.当該審判で寄与分の評価を受けなかった過去の扶養行為に限り, その後の扶養審判で求償を求め得るとして,求償範囲の観点からも両者の関係 について判断している。つまり.求償を趣旨とする寄与分・扶養両審判の二本 立てを認めつつ.寄与分としての評価と求償との重複(二重取り)を否定した わけであるが.この点は,本決定の意義ともいえる。. 2 残された課題 そうすると.本件においては,先の寄与分審判において,Xの扶養が寄与分 として全く認定されていなかったという事実を前提として,扶養審判の申立て 108.
(13) 寄与分と立替扶養料求償の関係. が蒸し返しとはされなかったにすぎないともいえる。本件に限らず,先行の遺 産分割及び寄与分の調停または審判において,過去の扶養料の求償を求める趣 旨を酌み,扶養行為の要否,同順位扶養義務者の資力が調査され,何らかの言 及がなされていたならば蒸し返しとされる可能性が残されたのであるIs)。ま. た,それらの考慮がなくとも,寄与分として評価を受けた扶養行為は,蒸し返 しの対象となる。つまり,扶養,寄与分各審判が本来もつ趣旨の相違は,蒸し 返しか否かの判断上,考慮されていないように思われる。. さらに本決定は,扶養,寄与分各審判の認定方法の相違を以て,扶養審判の 原則性を示し,本来的手段として位置づけておきながら,同じくその相違を以 て,両審判の二者択一性を否定し,寄与分審判め先行を許容する,という矛盾. も抱えている。認定方法の相違を理由とするのであれば本件とは逆に,本来 的手段である扶養審判が先行し,判断がなされた後,寄与分審判を申し立てる ことも許されるのかについても定かではない。. それでは,過去の扶養料の求償に関して,扶養審判を原則的,「本来的な行 使の手段」と位置づけた以上,本件において,その原則的・本来的手段たる扶 養審判が初めて申し立てられたということを理由に蒸し返しにはならないと結 論づけることはできなかったのだろうか。つまり,寄与分審判において,扶養 を寄与の態様として認めたとしても.扶養義務者間の立替料求償を趣旨とする ことまでは認めず,立替料の求償は扶養審判の範疇に属すると判示することは 可能であったはずである。そうすれば.過去の扶養料の求償における原則的・. 本来的行使手段たる扶養審判の優越性をより明確に導くことができたであろ う。. この点,本決定は前述の通り,実務上の要請を理由としている。確かに,寄 与分審判は遺産分割審判と併合してなされなければならないとされており(家. 審規103条の3,99条2項),手続上の利点は窺える。しかし.求償を趣旨と する寄与分審判の申立てとその先行を許容したということは,「適切な紛争解 決が必ずしも保障されない」という犠牲を払っても,遺産分割における過去の 109.
(14) 横浜国際経済法学第16巻第2号(2008年2月). 扶養料の解決という実態を無視できなかったと考えられる。つまり,民法上は 切り離されている扶養と相続との連関を否定できない現状を受け止めての判断 である。また,被相続人の扶養状態,相続人の扶養能力を問わず,相続財産と. 寄与相続人の扶養行為との因果関係のみを以て定める,という寄与分審判の認 定方法も鑑みると,現実に行われている扶養行為そのものが,民法上の扶養概 念では捉えきれないということも示しているのではないか。. 3 私見 扶養を理由とする寄与分の認定に否定的な見解が指摘するように,本件のよ. うな老親扶養は,民法730条,同877条に基づく義務の履行であるから,本来 金銭的見返りを求めるものではない。そもそも扶養義務とは.要扶養者が自ら の能力や資産では生活できない状態(要扶養状態)にあり,さらに扶養義務者 に扶養可能な能力があって,初めて発生するものとされている。よって,当該 要扶養者が死去した場合,相続の対象となる資産が全くないというのが当然の. 帰結である。また,扶養義務者は応能負担することとされているため.扶養義 務者が複数の場合,各扶養義務者間で義務の内容,程度が異なることはやむを 得ない。. しかし,本件先行審判をはじめ,扶養を理由とする寄与分審判例が示すよう に.申立人が主張する扶養行為は,必ずしも上記の要件を満たした扶養義務の 履行というわけではない。また申立人には,自らの扶養能力に応じて課された. 扶養義務の内容及び程度を基準として,その超過分を求償するというよりもむ しろ.他の相続人以上に自分が扶養行為を負担した,という相対的な寄与の評 価を求める傾向がみられる19)o. 立替扶養料の求償や遺産分割で寄与分の認定を求める背景には,扶養義務者 間・相続人間において,扶養という事実行為そのものの公平を求める意識の高 まりがある。老親扶養が,本来のように,子としての地位から当然生ずる義務. として捉えられているならば自らの義務を果たせたことへの充足感はあって 110.
(15) 寄与分と立替扶養料求償の関係. も,他者との公平を望み,その負担した扶養料を立替分として求償するという. 意識はなかなか生じないのではないだろうか。こうした点に,本来の義務とい う枠組みでは捉え切れない扶養義務の一面が窺える。また,親族ゆえの様々な. 感情が少なからず作用し,当事者間の関係をより複雑化させていることに,統 一的な解決策を見出せないこの問題の難しさがある。. 一方,扶養義務に要した負担を相続権という別個の権利で相殺することの是 非も依然として問われるであろう2°}。そして,扶養行為の結果の公平性を追求. するならば,現在では切り離されている扶養と相続とを連繋して位置づけるこ とも当然視野に入るのではないだろうか21)。. 今後,高齢化がますます進む中で,高齢者の自立を可能とする取り組みや公 的扶養の充実が望まれるのは言うまでもない。しかし,こうした施策がいかに 発展したとしても,高齢者とその家族との関わりが全くなくなるわけではない。. そして,その関係は,果たして民法上の扶養概念だけで捉えられるものであろ うか。こうした社会的要請にも鑑み,そもそも扶養とは何か,また相続との連. 関の是非について,改めて議論の対象とする必要性があるだろう。また,相続 人間の実質的衡平を図る趣旨で創設された寄与分制度においても,何を以て衡 平とするか,について併せて検討する必要があるように思われる。. 1) この昭和26年判決以前,旧法下では,孝養や愛情に基づく挾養は,他人のためではなく, 自分のためにしたことであるから,事務管理は成立せず,求償することはできないとされて. きた。例として,大判大5・2・29民録22輯172頁。. 2)上野雅和「過去の扶養料の請求と求償」岡山大学法学会雑誌第32巻第3・4号(1983年). 58・60頁。 3)若林昌俊「金銭扶養をめぐる実務上の問題点」岡垣學=野田愛子細「講座・実務家事審判法 2」(日本評論社,1988年)283頁。 4)この判決は.「過去の扶養料そのものでしかも協議・審判を経ていないときは,損害賠償あ るいは求償の民事訴訟手続中,その判断の過程として扶養内容を確定されればよいのではな く.民法878条・879条に従って.協議または審判で内容を具体的に確定する手続を先行さ せる必要があること,そして,それは,通常裁判所でなく,家庭裁判所の審判事項であるこ 111.
(16) 横浜国際経済法学第16巻第2号(2008年2月) とを明らかにした」のである(明山和夫「過去の扶養料の求償」家族法判例百選(新版)(1973. 年)179頁)。なお,分担額確定後は,民事訴訟によって求償することも可能となるが,「分 担額の確定が審判によってなされる場合には,分担額の決定に付随して,金銭の支払い,物 の引渡し等の給付を命ずることができ(家審規98・49),その審判は執行力ある債務名義と 同一の効力を有するのであるから(家審15),この場合の求償は付随審判によるべきであり, 改めて訴訟を提起する必要はない」とされている(若林・i]fira(註3)283−284頁)。. 5) 村崎満「過去の扶養料(硝求と求償)」中川善之助教授還暦記念家族法大系委貝会編「家族 法大系V(親権 後見 扶養)」(有斐閣,1960年)165頁。 6) 最高裁判所家庭局「改正民法及び家事審判法規の解釈迎用について」家月33巻4号(1981年) 2頁。. 7)「寄与分が問題となるのは,相続財産から相続債務を差し引いた積極財産(資産)が存する 場合にかぎられる。他方,扶養は,要扶養者が自己の資産・労働によって充分な生活を維持 していけない場合に問題となる(通説)。だとすれば,寄与分の問題が生じうる場合に,そ の被相続人が要扶養者であるとすること(=扶5Xが問題となること)は,療養看護の問題は 別として,そもそも基本的に矛盾する」(辻朗「判例にあらわれた寄与分の法的性質と要件」 判タ663号(1988年)10頁)。. 8)「民法上.扶養は本来無償であり.扶養の権利義務の内容は,協議または審判で定まる。と ころが被相続人に対する扶養義務だけが有償となる根拠はどこにあるのであろうか」(右近 健男「「相続に関する民法改正要綱試案」における寄与分について」大阪府立大学経済研究. 第25巻第1号(1980年)6頁)。 9)「元来,扶養というものは.要扶養者の側における要扶養状態だけで複数人の扶養義務者に 画一的に同一内容の義務が発生するものではなく.義務者の側における財産状態が重要な一 つのモメントになっている。複数の相続人中一人の者だけが扶養可能状態にあり現実にも単 独で扶養料を負担しているという場合に,その負担者に寄与分を認めるとするならば,本来. 無償であるはずの扶養が現実には相続分の買取りとして機能することになってしまう。富 める者を一層富ますという立法をする必要はない…民法は,当事者の協議による解決を第一 義とし,それができないときは家庭裁判所による後見的介入を予定しているのであって,金. 銭的利益を目的とした孝養を期待してはいない」(佐藤義彦「寄与分について」法時52巻7 号(1980年)21頁)。. 10)松倉耕作「寄与分について」ジュリ596号(1975年)57頁。 11)島津一郎=久貴忠彦編「新・判例コンメンタール民法14 相続(1)」(三省堂,1992年)291頁〔叶. 和夫執筆〕.同旨に太田武男「現代家族法研究」(有斐閣,1982年)378頁,猪瀬慎一郎「寄. 与分に関する解釈運用上の諸問題」家月33巻10号(1981年)19頁がある。 12)斎藤秀夫=菊池信男編「注解家事審判法」(青林書院,1987年)448頁〔叶和夫執筆〕。. 13)岩井俊「寄与分に関する審判例の展開」太田武se =野田愛子=泉久雄編r寄与分一その制度 と課題一」(一粒社,1998年)54頁。また,同氏は,「扶養は,寄与の方法として十分予想 される類型であるのに例示されていないが.逆に明文によって除かれてもいない」と法文上 の根拠も示している。なお,単なる精神的孝養については寄与として認めていない。 112.
(17) 寄与分と立替扶養料求償の関係. 14)土肥幸代「寄与分主張の実態r快養・療養看護を中心に一」判タ526号(1984年)91頁。 15)最高裁判所家庭局・前掲(註6)6−7頁。. 16)大阪家審昭61・1・30家月38巻6号28頁,千葉家一宮支審平成3・7・31家月44巻4号47頁,. 盛岡家一関支審平成4・10・6家月46巻1号123頁,山口家萩支審平6・3・28家月47巻4 号50頁。. 17)本文に挙げたもののほかに,東京家八王子支審平5・7・15家月47巻8号52頁,広島高決平6・. 3・8家月47巻2号151頁がある。なお,広島高決に関しては,扶養行為は寄与の評価を受 けたものの,寄与行為の無償性という要件により,寄与分と認定されなかった事例であり, 他の審判例とは性質が異なることを付記しておく。. 18)本文では触れないが,本件には,家事審判の既判力に関連した論点がある。家事審判には既 判力がないとされており.そのため本件でも問われているように,紛争の蒸し返しが生じる 可能性があるとされる。その対処として,原審は信義則に反するという理由を挙げている。. 本決定においても,実務家の立場からこの点に言及した評釈がなされている。まず.遺産分 割または寄与分の調停または審判で,当事者から過去の扶養料の求償を求める主張がされた. 場合.裁判官が,民法879条が定める扶養権利者の需要,扶養義務者の資力に関する調査命 令を出すことが必要だという。当該調査の上の遺産分割または寄与分審判であれば,「過去 の扶養料の求償についても適切な判断がなされているであろうし,本件と同様に後で扶養審 判が申し立てられても,信義則述背を理由に紛争の蒸し返しを防ぐことができる」とみる。. しかし,具体的な財産上の権利である求償権を「具体的な財産上の権利ではない寄与分とみ て寄与分審判で行使させることは原則として認められない」から.寄与分審判での調査は, 「寄与の時期.方法,程度,相続財産の額等の範囲にとどめるのが相当である」とする。もっ とも.「当事者から主体的に扶養権利者の需要,扶養義務者の資力について資料が提出され,. これに基づいて過去の扶養料の求償について判断されたという場合であれば,後に申し立て られた扶養審判においてその判断と抵触するような主張がなされても,信義則違背で排斥さ. れ,紛争の蒸し返しを防ぐことができると解する」(内山孝一「扶養義務者間の過去の扶養 料の求償」判タ1184号(2005年)127頁)。過去の扶養料の求償のために,扶養審判,寄与 分審判のいずれを選択するかは申立人の自由であり,その自由な意思に基づき,寄与分審判. が申し立てられ,寄与行為の存在(共同相続人の1人の扶養行為の存否)や寄与行為の特別 性(扶養義務の有無及び分担義務の考慮)について家庭裁判所が判断した後,扶養審判でt 扶養行為の事実の存否や扶養義務の有無及び分担義務の程度が再び争われた場合は,「実質 的に同一争点についての紛争のむし返し」であるとして,「信義則の適用により後行審判で ある扶養の審判の申立て自体,不適法になる余地が生じてくると考えられる」。ただ,「確定 した先行審判が存する場合において,同種の後行審判が信義則に反するか否かは,先行審判. の認定判断内容の分析検討はもちろんのこと,紛争の同質性,先行審判の確定による当事者 の期待と信頼の度合い,訴訟経済,訴訟上の信義則等の具体的事情を総合勘案した上,槙重. に判断することが望まれる」(島岡大雄「乙類審判における先行審判のむし返しの可否扶 養を理由とする寄与分申立ての却下審判の確定後,過去の扶養料の清算を求める扶養の審判 を申し立てた事例を題材として」判タ1155号(2004年)89−90頁)。 113.
(18) 横浜国際経済法学第16巻第2号(2008年2月) 19)この点を指摘したものに,土肥・前掲(註14)91頁。 20)この点については,原田純孝「扶養と相続一フランス法と比較してみた日本法の特質一」奥 山恭子=田中真砂子=義江明子編「扶養と相続〔新装版〕」(早稲田大学出版部,2004年) 218頁以下参照。. 21)ある者の扶養行為なくしては形成されなかったはずの遺産が遣された場合,その者の扶養行. 為を寄与分として評価することは,当事者聞の公平を図るための1つの手段として位置づけ られよう。この点につき,本決定の評釈の中に,遺産分割において公平感を求める者が増え. ている現状から.「寄与分の判定において民法904条の2の要件をあまり厳密に解釈するよ りも,当,」堵醐の公平という点に重点をおいて,寄与を主張している者と他の当事者との問 に有意差がある場合にはt比較的緩やかに寄与を認めてもよい」とする見解がある。そして. 本件先行審判について.「X・Y、の援助が遺産である預貯金の形成につながったのであるか ら.X・Y、の出招の程度に応じて寄与分として清算すぺきであったとも考えられ」,寄与分 の要件を厳格に解して申立てを却下したことが「妥当であったかどうかについては疑問の余 地がないではない」としている(山口純夫「扶養を理由とする寄与分と過去の扶養料求償の. 閲係」判タ1150号(2004年)111頁)。また,本件を扱った論文にも,「衡平の観点からす れば相続人の個々の扶養行為が寄与分として認められてもよい」との指摘がある(櫻井弘 晃「扶養と寄与分一一大阪高裁平成15年5月22日決定を契機として一」九州国際大学法学論 集第13巻第1号(2006年)114頁)。. *本稿は,横浜国立大学民事法研究会(平成19年10月30日開催)における報告を踏まえてのもの である。当日は.諸先生方より多くのご教示を賜った。ここに記してお礼申し上げたい。. 114.
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