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学習指導要領の変遷と歴史的思考力育成の課題

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Academic year: 2021

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(1)学習指導 要領 の変 遷 と歴史的思考力育成 の課題. 戸井 田. 1.は. 克. 己. じめ に. 「歴 史 的思 考 力 」 の 育 成 は、 こ とに 高 等 学 校 世 界 史 お よ び 日本 史 に と っ て、 最 重 要 な 教 育 課 題 の一 っ で あ る とい って よ い。 この 文言 は 、教 育 課 程 編 成 の 基 準 で あ る学 習 指 導 要 領 に明 記 さ れ て きた もの だ が、 初 出 した の は 昭和31年 版(1956年)、. 世 界 史 の 「目標 」 に お い て で あ っ た。. の ち に 日本 史 は も とよ り、 当初 、 中学 校 社 会 科 歴 史 的 分 野 の 「目標」 に も この 文 言 が 一 部 採 り 入 れ られ たD。 こ の よ う に、 「歴 史 的 思 考 力」 の 育 成 とい う課 題 は、 こ と に高 等 学 校 歴 史 教 育 で はす で に半 世 紀 近 くの、 あ る い は そ れ以 上 の長 きに わ た る歴 史 を有 して い る こ とに な る。 しか し、 そ う した時 間 的長 さ に 引 き換 え、 当 の学 習 指 導 要 領 に お け る、 あ るい は 『学 習 指 導 要 領 解 説 』 に お け る歴 史 的 思 考 力 の位 置 づ け は、 必 ず し も明快 な もの で あ った わ け で は な い。 こ の間 、 文 部 省(当 時)の 教 科 調 査 官 と して歴 史 教 育 改 革 に 直接 携 わ った こ との あ る原 田智 仁 は、 あ る書 評(1998)2)の. なか で、 「単 な るお 題 目」 と い う刺 激 的 な 表 現 を 使 い、 歴 史 的 思 考. 力 育 成 の現 状 を憂 え て い る。 そ の精 神 の重 大 さ に反 し、 定 義 づ け や、 説 明 の具 体 化 が な か な か 進 ん で こな か っ た状 況 を 鑑 み て の こ とで あ ろ う。 こ の よ うに、 学 習 指 導 要 領 や 『学 習 指 導 要 領 解 説 』 の説 明 は、 教 室 で の指 導 実 践 を 促 す に は必 ず し も十 分 と は いえ な い抽 象 的 レベ ル に と ど ま って お り、 これ を 補 強 す べ き理 論 研 究 や 、 実 践 研 究 も十 分 に は進 ん で こ なか っ た と い う こと が で き よ う。. ・. 一 般 に歴 史 とい う科 目 は、 思 考 力 と は対 極 にあ る、 細 か な事 実 的 知 識 を 覚 え 込 む 暗 記 科 目 と して受 け止 め られ が ち な節 が あ る。 せ っか く 目標 に据 え られ て い る 「歴 史 的 思 考 力 」 と い う文 言 が、 肝 心 の教 師 た ち に と って理 解 しが た い もの で あ る こ とが そ の 根 底 に あ るだ ろ う。 複 雑 難 解 な この概 念 を、 あ る程 度 単 純 化 して定 義 づ けた うえ で、 そ の概 念 を 獲 得 させ るた め の 具 体 的 な手 立 て や、 わ か りや す い教 材 を い っそ う蓄 積 して い く こ とが望 ま れ る。 筆 者 は こ う した現 状 に鑑 み 、 先 頃 ま と め た拙 稿(2004)3)で. 一1一. 、 概 略 以 下 の よ う に問 題 点 を指.

(2) 近畿大学教育論叢. 第16巻 第1号(2004・10). 摘 した。 ①. 歴 史 的思 考 力 に 関 す る近 年 の研 究 は 、 数 自体 も決 して 十 分 と は言 え な いが 、 これ を 追 究 した そ う多 くは な い論 考 に み られ る共 通 の特 徴 と して 、 「歴 史 的 思 考 力 」 と い う概 念 を 十 分定 義 す る こ とを せ ず に 、 そ の指 導 方 法(学 習 方 法)や 学 習 者 の 発 達 段 階 な ど、 周 辺 の 付 帯 条件 の検 討 に終 始 す る傾 向 が 挙 げ られ る。 しか し、 内 容 的 な 理 解 を 欠 いた ま ま、 指 導 方 法(学. 習方 法)だ け を生 徒主 体 の もの に 変 え て い くこ とが 、 はた して 妥 当 で あ るか は疑 問. の 余地 が あ る。 ②. 歴 史 的思 考 力 の 明快 な 定義 づ けが 進 ま な い 大 きな 要 因 は、 歴 史 的 思 考 力 そ の もの が 本 来 的 に抱 え て い る抽 象性 や 応 用性 、 多 面性 や 多 義 性 な ど に起 因 す る問 題 と考 え られ る。 こ の こ とは 、地 理教 育 に お け る類 似 の 教 育 課 題 で あ る 「地 理 的 な 見 方 や 考 え 方 」 に関 す る説 明 が、 新 学 習 指 導 要 領(平 成10・11年. 版)に. お いて 比 較 的 明 快 に な され た の と は対 照 的 で. あ る。 これ は 、地 理 は よ り基 礎 科 学 的性 格 を 持 っ が ゆ え に、 定 義 づ けが 比 較 的 容 易 で あ り、 歴 史 は よ り応 用科 学 的 で あ るが ゆ え に 、 そ れ が 至 難 で あ る こ とを 示 唆 して い る。 ③. 地 理 と歴 史 を世 界認 識 に お け る横 糸 と縦 糸 、 あ る い は車 の 両 輪 に喩 え る こ とが あ る よ う に、 両 者 は 極 め て密 接 な 間柄 に あ る。 した が って 、 一 方 を 理 解 す るの に、 他 方 を 十 分 反 映 させ て説 明 す る こ とが必 要 で あ る。 そ の 際 、 よ り応 用 的 な もの(歴 史)を 定 義 す るの に、 よ り基 礎 的 な もの(地 理)の 概 念 を そ こに 取 り込 む こ と は理 にか な って い る。 地 理 的 な 観 点(地 理 的 な 見方 や 考 え方)は 、 歴 史 的思 考 力 の す べ て に貢 献 す る こ と はで き な いが 、 少 な く と も、 そ の一 部 を 育 む もの と して重 要 な はず で あ る。 そ の よ う に考 え る時 、 歴 史 的 思 考 力 の検 討 が 「歴 史」 の 枠 内 で完 結 す る き らい が あ った 従 来 の 状 況 を 打 破 し、 そ こ に 「地 理 」 を よ り多 く取 り入 れ 、定 義 づ け て い くこ とが 必 要 で はな か ろ うか 。. 概 略以 上 の よ うに 問題 点 を指 摘 した うえ 、 歴 史 的 思 考 力 の 一 部 に 「動 き」 の 視 点 を 採 り入 れ て い く こ との重 要 性 を主 張 した。 そ して、 こ とに 人 々 の 接 触 ・交 流 を 大 き く左 右 す る 「環 境 変 化 」 の 問題 に つ い て、 紙 数 を割 い て具 体 的 に 解説 した。 本 稿 の 問題 意 識 も基 本 的 に は これ と同一 で あ るが 、 本稿 で は、学 習 指 導 要 領 お よ び これ に付 随 す る 『学 習 指 導 要 領 解 説 』 に お け る、 歴 史 的思 考 力 に 関 す る記 述 を よ りっ ぶ さ に洗 い 出 す こ とを 最 大 の 目的 とす る。 よ って 、 紙 幅 の大 部 分 も学 習 指 導 要 領 と、 『学 習 指 導 要 領 解 説 』 の 検 討 に充 て る もの とす る。 そ して そ こか ら、 歴 史 的思 考 力 育 成 に 向 けた 一 っ の 課 題 を 読 み 解 きた い。 な お 、 本 稿 で は 以 下 、 学 習 指 導 要 領 は単 に指 導 要 領 と略 記 し、 『学 習 指 導 要 領 解 説 』 は. 一2一.

(3) 学習指導要領 の変遷 と歴史的思考力育成 の課題 『解 説 』 と略記 す る。. 2.学. 習 指 導 要 領 に み る 「歴 史 的 思 考 力 」. (1)昭 和39年 版(9956年) 前 述 した よ う に、 歴 史 的 思 考 力 と い う文 言 が指 導 要 領 に初 出 す るの は昭 和31年. 版 だ が、 そ. れ は まず 高 等 学 校 世 界 史 の 「目標 」 にお いて 示 され た。 目標 は 当時 、 つ ぎの よ うに記 して い る (下線 は筆 者 、 以 下 同 じ)。. ■ 世 界 史 「目標 」(昭 和31年. 版). (1)世 界 史 の 発 展 を 科 学 的 、 系 統 的 に理 解 す る こ と に よ って 、 歴 史 的 思 考 力 を育 て、 現 代 社 会 の 諸 問 題 を 、 世 界 史 的 な 立 場 か ら、 客 観 的 に批 判 す る能 力 と態 度 と を養 う。. 当 時 は現 在 と異 な り、 各 科 目の 「目標 」 は数 項 目が 列 挙 され るか た ちで 示 され て い た。 昭 和 31年 版 の 目標 は8項. 目に わ た った が、 そ の 最 初 の 項 目 に歴 史 的 思 考 力 の育 成 が 掲 げ られ て い. る。 この こ と は、 そ れ が 極 め て重 要 視 され た こ と を示 唆 して い よ う。 しか しこ の 時 、 「内容 」 に は何 らの規 定 が み られ ず、 内容 の 取 扱 い(当 時 は 「留 意 事 項 」)に も一 切 言 及 が な いか ら、 歴 史 的思 考 力 の 育 成 を 標 榜 して 教 科 書 が 編 集 され た り、 そ の よ うな 指 導 実 践 が 切 実 に模 索 され た りす る状 況 は生 ま れ に くか った。 した が って 、 目標上 の 位 置 づ けの重 要 度 に 反 し、 そ れ は当 時 、 文 字 どお り原 田(前 出)の 言 う 「単 な る お題 目」 と して扱 わ れ た可 能 性 が 高 い。 しか も、 当 の 指 導 要 領 が そ れ を どの よ う な もの と して受 け止 め て い た か も、 この 目標 の記 述 か ら は ほ とん どわ か らな い 。 しか しなが ら、 世 界 史 の発 展 を 「科 学 的、 系統 的 に」 理 解 す る こ とが 歴 史 的 思 考 力 の 育 成 に結 び っ くとの 考 え が表 明 さ れ て い る こ とか ら、 経 験 主 義 社 会科 か ら系 統 主 義(新 教 科 主 義)へ の 移 行 期 にあ って 、 あ る種 必 然 的 に採 り入 れ られ た文 言(あ. るい は概 念)で. は な か った か と推 察 され る。 す な わ ち、. 初 期 社 会 科 の抜 本 的 な 見 直 しに 際 し、 「世 界 史 」 と い う名 の個 別 教 科 を象 徴 す る ター ム と して、 「歴 史 的 」 と い う語 が 強 調 され たの で は な いか と考 え られ る。 言 い換 え れ ば、 当 時 の そ れ は 「歴 史 的」 とい う語 の方 に 力点 が 置 か れ た思 考 力 で あ って 、 必 ず し も 「思 考 力 」 に重 心 が あ った わ け で は な い。 そ れ ゆ え に、 「世 界 史 発 展 の 科 学 的、 系 統 的 な理 解 」 が 即 、 歴 史 的思 考 力 を育 む とい った、 あ る種 楽 天 的 と もい え る発想 に基 づ い て い た よ. 一3一.

(4) 近畿大学教育論叢. 第16巻 第1号(2004・10). うに思 われ る。 世 界 史 発 展 の科 学 的 、 系 統 的 な理 解 が歴 史 的思 考 力 と無 縁 で は な い に して も、 そ れ を 指 摘 す るだ け で は具 体 的 な 指 導 実 践 の 普 及 は望 む べ くも な い だ ろ う。(歴 史 に 関 す る) 思 考 力 そ れ 自体 へ の説 明 こ そ肝 心 で あ るの に、 こ の 時、 そ う した もの へ の 意 識 は ま っ た く と い って よ い ほ ど感 じ られ な い。 こ こに 「歴 史 的思 考 力 」 の、 生 い立 ち の歴 史 が あ る とい って よ い の で は な か ろ うか 。 そ もそ もそ れ は、 「経 験 主 義 社 会 科 との 決 別 」 を宣 言 す る象 徴 的 な ター ム と して 用 い られ た可 能 性 が 高 い の で あ る。 なお 、 こ の時 ま だ 日本 史 に お い て は、 「歴 史 的思 考 力」 と い う文 言 自体 が 登 場 して い な い。. (2)昭 和35年 版(1960年) っ ぎ の 昭和35年 世 界 史A(標. 版 指 導 要 領 で は、 世 界 史 は主 と して、 い わ ゆ る職 業 科 で の履 修 を 想 定 した. 準 単 位 数3単 位)と 、 普 通 科 で の そ れ を想 定 した世 界 史B(同4単. され た。 そ して そ の いず れ に お い て も、7項. 位)と. に分 割. 目 あ る 「目標 」 の最 初 の項 目で 「歴 史 的思 考 力 」. と い う文 言 が 継 承 され て い る。. ■ 世 界 史A「 (1)世. 目標 」(昭 和35年. 版). 界 史 の 発 展 に関 す る基 本 的 事 項 を系 統 的 に理 解 させ 、 現 代 社 会 の歴 史 的 背 景 を は あ く. させ て 歴 史 的 思 考 力 を っ ちか い、 民 主 的 な社 会 の発 展 に寄 与 す る態 度 と そ れ に必 要 な能 力 を 養 う。. ■世 界 史Br目 (1)世. 標 」(昭 和35年. 版). 界 史 の 発 展 に関 す る基 本 的 事 項 を 系 統 的 に理 解 させ る と と もに、 現 代 社 会 の歴 史 的 背. 景 を はあ く させ 、特 に政 治 、 経 済 、 社 会 、 文 化 な どの 関 連 にっ いて 総 合 的 に考 察 させ る こ とに よ って 、歴 史 的思 考 力 を 深 め 、 民 主 的 な 社 会 の 発 展 に寄 与 す る態 度 と それ に必 要 な能 力 を養 う。. 両 者 の 目標 を比 較 す る と、 そ の趣 旨 は基 本 的 に同 じだ が 、 世 界 史Bで 一 歩 踏 み 込 ん だ か た ち で の言 及 が な さ れ て い る。 これ は従 前 の 昭 和31年 版 と比 較 して も同 じこ とが い え る。 す な わ ち、 「政 治 、 経 済 、 社 会 、 文 化 な ど の関 連 に っ いて 総 合 的 に考 察 さ せ る こ と に よ って、 歴 史 的 思 考 力 を深 め」 とあ るよ うに、 歴 史 的思 考 力 の育 成 が 「総 合 的 な歴 史解 釈」 に よ って 導 か れ る こ とが 初 め て示 され た点 が、 従 前 の説 明 と比 べ て い くぶ ん か 具体 的 にな って い る。. 一4一.

(5) 学習指導要領 の変遷 と歴史的思考力育成 の課題 ま た、 「内容 」 で も世 界 史Bに. お いて の み、 ご く簡 単 に で は あ るが 、 歴 史 的 思 考 力 に関 す る. 事 柄 が 新 た に言 及 され て い る。「た とえ ば シル ク ロ ー ドと東 西 交 渉 、 イ ギ リス の議 会 政 治 の発 達 、 西 部 開 拓 と南 北 戦 争 、 露 土 戦 争 と列 強 の 世 界 政 策 、 ワ イ マ ー ル体 制 と そ の崩 壊 な ど の よ うな主 題 を 選 び 、 政 治 的 、 経 済 的 、 社 会 的 な 観 点 か ら総 合 的 に学 習 させ る。 それ に よ って 、 歴 史 的 思 考 力 を い っそ うっ ちか う こ とを あ わ せ 考 慮 す る もの とす る」 と述 べ られ て い る のが それ で あ る。 こ こ に、 「主 題 」 を 設 定 した学 習 が 歴 史 的 思 考 力 の 育 成 に寄 与 す る こ とが 初 め て 示 され た。 し か し、 「総 合 的 な 歴 史 解 釈 」 や、 そ の た め の 「主 題 学 習 」 と い う説 明 は、 歴 史 的 思 考 力 の 中 身 そ れ 自体 を説 明 した もの とは い え ず、 そ の 技 術 的 ・方 法 的 な 側 面 に言 及 した もの で あ る。 それ ゆ え、 指 導 実 践 を担 う教 師 た ち に よ って 「歴 史 的 思 考 力 」 とい う もの が 本 質 的 に理 解 され 、 そ の育 成 が 内容 的 に模 索 され る こ とに は あ ま りっ な が りそ う もな い よ う に思 わ れ る。 む しろ、 この 時 の改 訂 で重 要 な の は、 「文 化 圏 」 と い う語 が 世 界 史A・Bの. 内 容 の 取 扱 い(当. 時 は 「指 導 計 画 の 作 成 お よ び 指 導 上 の留 意 事 項 」)に 初 出 した こ とで あ り、 そ れ は歴 史 的思 考 力 育 成 の 問 題 を考 え る うえ で も重 要 な 改 革 で あ った ろ う。 た だ し、 「文 化 圏」 の 概 念 が い か な る もの か の 説 明 は、 「指 導 計 画 の作 成 お よ び指 導 上 の 留 意 事 項 」 は も と よ り、 世 界 史Bの 説 」 に も ま った く言 及 が み ら れ な い4)。世 界 史Aの. 『解. 『解 説 』 は文 化 圏 に 関 して 若 干 の 言 及 を. 行 って い る が5)、歴 史 的 思 考 力育 成 との 兼 ね 合 いで 説 明 が な され て い るわ けで は な い。 しか し 実 際 上 、 これ を受 けて 、 以 後 、 文 化 圏 の意 義 や文 化 圏 学 習 の課 題 が歴 史 教 育 界 で盛 ん に論 じ ら れ る よ う に な り、 歴 史 的 思 考 力 育 成 の あ り方 も議 論 の姐 上 に の ぼ る よ うに な って い く。 なお 、 こ の時 も まだ 日本 史 にお いて は、 「歴 史 的 思 考 力 」 とい う文 言 自体 が 登 場 して い な い。. (3)昭 和45年 版(1970年) っ ぎ の昭 和45年. 版 指 導 要 領 で は、 世 界 史 の 目 標 で 歴 史 的 思 考 力 の 育 成 が 継 承 され る一 方 、. 文 化 圏学 習 が 内容 的 に も明 示 され る。 「内容 」 は、 文 化 圏学 習 を以 下 の よ うに 規 定 して い る。. ■ 世 界 史 「内容 」(昭 和45年 版) (2)東. ア ジア文 化 圏 の形 成 と発展. 北 ア ジア諸 民 族 の活 動 中国 の社 会 と文 化 の変 遷 (3)西. ア ジア文 化 圏 の形 成 と文 化 の交 流. イ ス ラム世 界 の形 成 とイ ス ラム文 化. 一5一.

(6) 近 畿大 学 教 育論 叢. 第16巻. 第1号(2004・10). 東西文化の交流 (4)ヨ. ー ロ ッパ 文 化 圏 の 形 成 と 発 展. 西 ヨ ー ロ ッパ 封 建 社 会 と カ ト リ ッ ク 教 会 東 ヨ ー ロ ッパ 社 会 と 文 化. この 時 、 世 界 史 の 内 容 は八 っ の大 項 目 に よ って 示 され るが 、 上 記 の よ うに、 うち三 つ の大 項 目が 文 化 圏 別 に配 列 され て お り、 各 々二 っ ず っ の中 項 目 を挙 げ て文 化 圏 学 習 を規 定 して い る。 取 り上 げ るべ き文 化 圏 が 内 容 で 示 され た こ と は、 教 科 書 編 集 が それ に基 づ い て行 わ れ る よ うに な る こ とを 意 味 す るか ら、 こ の改 訂 は、 従 来 の西 洋 史(多. くが 西 ヨー ロ ッパ 史)と 東 洋 史(実. 態 と して は中 国 史)へ の 偏 重 を 実 質 的 に薄 め る もの と して 機 能 す る。 この こ と 自体 、 世 界 史 (人類 史)を. 客 観 的 ・相 対 的 に み る と い う意 味 で 、 歴 史 的 思 考 力 の 一 翼 を 担 って い る と い う こ. と もで き よ う。 ま た、 こ こ で重 要 な の は、 内 容 の取 扱 い(当 時 は 「内容 の 取 り扱 い」)で 文 化 圏 学 習 の下 限 が 「ほぼ 、 新 航 路 ・新 大 陸 の 発 見 以 前 」 と明 示 され た こ とで あ る。 世 界 が しだ い に一 体 化 の度 合 い を 強 め て い く実 質 的 な 端 緒 、 言 い 換 え れ ば 世 界 史 近 代 の幕 開 けが 、 い わ ゆ る大 航 海 時 代 (15世 紀 以 降)に 求 め られ た こ と は、 ル ネ ッサ ンス(14世 当 時 の 歴 史 教 育 界(ま. 紀 前 後)を 近 代 の幕 開 け と して きた. た歴 史 学 界)の 趨 勢 か らす れ ば、 ヨー ロ ッパ 中心 史 観 か らの脱 却 と世 界. 史 の 相 対 化 に と って 画 期 的 な一 歩 と いえ るで あ ろ う。 これ らの観 点 は、 歴 史 的 思 考 力 の重 要 な 一 部 分 と考 え られ 、 こ こ に事 実 上 、 歴 史 的 思 考 力 育 成 の営 み は、 世 界 史 を よ り客 観 的 ・相 対 的 に と らえ よ う とす る文 化 圏 学 習 を 柱 に模 索 され て い くこ と に な る。 た だ し この時 、 こ う した点 へ の 説 明 も、 指 導 要 領 や 『解 説 』 で 明 確 に な され て い る わ け で は な い。 一 方 、 従 前 の 単 な る 「主 題 」 が 、 事 実 上 「主 題 学 習 」 と い うか た ち の術 語 と して半 ば定 着 し、 「内容 の取 り扱 い」 が そ れ を、 従 前 と比 べ て よ り具 体 的 に示 唆 す るよ う に な った の も大 き な変 化 で あ る。 内 容 の取 り扱 い は主 題 学 習 に関 し、 つ ぎ の よ うに指 示 して い る。. ■ 世 界 史 「内 容 の 取 り扱 い」(昭 和45年. 版). (2)「 世 界 史」 の 目標 を達 成 し、生 徒 の 歴 史 的思 考 力 を い っそ う深 め る た め、 歴 史 的 な流 れ の 学 習 の 中 で 、 適 切 な主 題 を 設 けて 指 導 す る こ とが 望 ま しい。 そ の際 、 次 の諸 点 を考 慮 し て 取 り扱 う。 ア. 主 題 は、 目標 の 達 成 、 生 徒 の 理 解 度 、 教 材 の効 果 な ど を よ く吟 味 した うえ で、 た とえ. 一6一.

(7) 学 習指導要 領の変遷 と歴史 的思 考力育成の課題 ば、 次 の よ うな観 点 か ら選 ぶ こ とが考 え られ る こ と。 a政. 治 的、 経 済 的、 社 会 的、 文 化 的、 国 際 的 な諸 点 か ら、 多 角 的、 総 合 的 に学 習 で き. る もの b世. 界 の歴 史 上 の事 象 にっ い て、 地 域 ごと の比 較 考 察 的 な、 あ る い は地 域 相 互 の 関連. 的 な学 習 の で き る もの c世. 界 の歴 史 上 の事 象 の発 展 を、 時 代 別 、 地 域 別 に あ る程 度 大 き くま と め て学 習 で き. るもの. この よ うに、 歴 史 的 思 考 力 の 中 身 を 「多 角 的、 総 合 的 に学 習 で き る もの 」 「比 較 考 察 的 ・相 互 関連 的 に学 習 で き る もの 」「大 き くま とめ て 学 習 で き る もの 」 な ど と概 念 規 定 した こ と は、 抽 象 的 な 表現 で はあ る にせ よ 、一 定 の 具 体 化 が 図 られ た証 と して 評 価 す る こ とが で き る。 こ こ に、 昭 和31年. 版 指 導 要 領 に み られ た 「歴 史 的 な」 思 考 力 か ら、 生 徒 の学 び を 重 視 した 歴 史 的 な. 「思 考 力 」 へ と シ フ トした こ とが 暗 に示 され て い る。 た だ し、 これ らの説 明 は歴 史 的 思 考 力 そ の もの を定 義 した もの で は な く、 あ くま で そ の学 習 方 法(指 導 方 法)を 例 示 した もの で あ る こ とを銘 記 す る必 要 が あ る。 ま た、 こ の 改 訂 に 及 び 高 等 学 校 日本 史 に お い て も初 め て 、 「歴 史 的 思 考 力 」 と い う文 言 が 「目標 」 と 「内 容 の取 り扱 い 」 に登 場 す る に い た っ た。 この うち 目標 で の記 述 は 簡 略 な もの で あ り、 それ が ど の よ うな もの と考 え て い るか を読 み解 く こ とは不 可 能 で あ るが 、 内容 の取 り扱 い は主 題 学 習 に関 し、 っ ぎ の よ うに指 示 して い る。. ■ 日本 史 「内 容 の 取 り扱 い」(昭 和45年. 版). (2)「 日本 史 」 の 目標 を達 成 し、 生 徒 の 歴 史 的 思 考 力 を い っそ う深 め る た め、 歴 史 的 な 流 れ の学 習 の 中 で 、 適 切 な主 題 を 設 けて 指 導 す る こ とが 望 ま しい。 そ の 際 、 次 の 諸 点 を考 慮 し て取 り扱 う。 ア. 主 題 は、 目標 の達 成 、 生 徒 の理 解 度 、 教 材 の 効 果 な どを よ く吟 味 した うえ で 、 た とえ ば、 次 の よ うな観 点 か ら選 ぶ こ とが考 え られ る こ と。 a日. 本 の歴 史 上 の お もな人 物 と時 代 的背 景 との 関連 に っ い て学 習 で き る もの. b外. 来 文 化 の摂 取 や 日本 人 の文 化 的創 造 に つ い て総 合 的 に学 習 で きる もの. c衣. ・食 ・住 な ど の生 活 の発 展 を、 あ る程 度 大 き くま とめ て学 習 で きる もの. 一7一.

(8) 近畿大学教育論叢. 第16巻. 第1号(2004・10). こ の よ う に 、 日本 史 に お い て も、 前 掲 の 世 界 史(昭. 和45年. 版)と. ほ ぼ 同 様 の 説 明 が な され. て い る。 つ ま り 、 日 本 史 に お け る歴 史 的 思 考 力 育 成 に 関 す る 指 導 要 領 上 の 規 定 は 、 世 界 史 に 遅 れ る こ と お よ そ15年. 、 昭 和45年. 版 に な っ て 初 め て 登 場 した が 、 こ の 時 点 で 両 者 は ほ ぼ 同 一 ・. 同 程 度 の 概 念 規 定 を 持 っ に い た っ た と い う こ と が で き る。. (4)昭 和53年. 版(1978年). っ ぎの 昭和53年. 版 指 導 要 領 で も、 世 界 史 お よ び 日本 史 の 目標 で 歴 史 的 思 考 力 が 踏 襲 され る。. この 時 の 改 訂 よ り指 導 要 領 の記 述 に一 定 の 型 が 定 着 し、 まず 単 一 の文 か らな る簡 潔 な 「目標 」 が述 べ られ た あ と、 っ ぎに 目標 を受 けた 「内容 」 が 示 され 、 そ して 「内 容 の 取 扱 い」 に よ って 留 意 事 項 を示 す とい った、 現 在 と同 じ三 段 構 成 とな った。 世 界 史 の 目標 はっ ぎの よ う に述 べ て い る。. ■ 世 界 史 「目標 」(昭 和53年 版) 世 界 の歴 史 に 関 す る基 本 的事 項 を理 解 させ 、 歴 史 的思 考 力 を 培 う と と も に、 現 代 世 界 形 成 の歴 史 的過 程 と世 界 の歴 史 に お け る各 文化 圏 の特 色 を 把握 させ て 、 国 際 社 会 に生 き る 日本 人 と して の 資質 を 養 う。. ま ず、 歴 史 的思 考 力 の育 成 を どの よ うに考 え て い るか と い う点 にっ いて は、 この 簡 潔 な 目標 か らは ま った く読 み取 る こ とが で きな い。 内容 や 内容 の取 扱 いな どか ら読 み 解 くほか は な いが 、 内容 に も この文 言 は一 切 使 用 され て い な い。 一 方 、 内容 の取 扱 い に は、 従 前 の 指 導 要 領 にお け る 「内容 の取 り扱 い」 と ほぼ 同一 の留 意 点 が示 され て い る。 っ ま り、 昭 和45年 版 か ら同53年 版 へ の改 訂 に 当 た り、 こ と歴 史 的思 考 力 とい う文言 に対 す る解 釈 ・説 明 と して は、 前 進 の 跡 が ほ とん どみ られ な い。 これ に対 し、 文 化 圏学 習 の取 り扱 い に 関 して は大 きな前 進 が み られ る。 まず 、 上 記 の よ う に、 そ れ が初 め て 目標 に 明示 され た ば か りで な く、 内容 で文 化 圏 別 の項 目立 て が踏 襲 され る と と も に6)、内 容 の取 扱 い で も多 くの 言 及 が な さ れ て い る。 こ と に、 内 容 の 取 扱 い に み られ る指 示 の うち、 「風 土 」(世 界 史A)な. い し 「自然 環 境 」(世 界 史B)と. い う新 た な概 念 が 、 世 界 史 の 文. 化 圏 学 習 に 全 面 的 に 採 用 され た こ と は重 要 で あ る。 これ らの概 念 は、 本 来 、 地 理 教 育(地 学)が 専 ら教 育 対 象(研 究 対 象)と. 理. して きた もの で あ るが、 文化 圏学 習 が 文 化 の 発 生 史 的 側 面. に注 目 す る時 、 自ず とそ の概 念 を援 用 しな けれ ば な らな くな るの は当然 とい え よ う。 こ こ に地. 一g一.

(9) 学習指導要領 の変遷 と歴史 的思考力育 成の課題 理 と歴 史 の補 完 関 係 が い っそ う強 く求 め られ る こ とに な り、 歴 史 的思 考 力 の一 部 と して、 地 理 的 知 識 や 観 点(地 理 的 な見 方 や考 え方)の 持 っ 意 味 が大 き くな った とい う こ とが で きる。 ま た 『解 説 』 は、 文 化 圏 学 習 導 入 のね らい にっ い て、 初 め てっ ぎ の よ うに説 明 した。 「「世 界 史 』 お いて 文 化 圏 学 習 を行 う こ と のね らい は、 まず 、 世 界 の歴 史 に お け る各 時 代 や各 地 域 の で き ご とや 事 柄 を 、 あ る ま と ま りを もって 学 習 させ る こ と に よ って 、 世 界 の歴 史 に関 す る生 徒 の 理解 を容 易 にす る と同 時 に、 内 容 の 精 選 を 図 る こ と に あ る。 次 に、 こ の文 化 圏 学 習 は、 従 来 の ヨー ロ ッパ 中心 的 な 内 容 構 成 を 改 め る と と も に、 世 界 の 歴 史 にお け る我 が 国 の位 置 付 け を一 層 明 らか に す る こ とを意 図 して い る。」了)。 この う ち最 も注 目 され るの は、 「従 来 の ヨー ロ ッパ 中 心 的 な 内容 構 成 を 改 め る」 とい う部 分 で あ る。 つ ま り、 ヨー ロ ッパ 中心 史 観 克 服 の た め の一 助 と して 文 化 圏学 習 が 導 入 され た こ とを 初 め て公 式 に認 め た わ け だ が、 ヨー ロ ッパ 中心 史 観 か らの脱 却 は、 歴 史 的思 考 力 の一 部 分 を な す 以 外 の何 もの で もな い と考 え られ るか らで あ る。 換 言 す れ ば、 歴 史 的思 考 力 の育 成 と文 化 圏 学 習 の導 入 とが 、 初 め て関 連 づ け て論 じ られ た わ け で あ る。 た だ し、 一 連 の説 明 で 「歴 史 的思 考 力 」 と い う文 言 そ の もの が使 わ れ て い る わ けで は な い。 ま た、 「あ る ま とま りを も って学 習 させ る」 こ と を文 化 圏 学 習 のね らい の一 っ に挙 げ て い るが 、 これ は前 述 した とお り、 従 前 の指 導 要 領 か ら歴 史 的 思 考 力 を 養 う た めの 主 題 学 習 の指 針 と して 繰 り返 し指 摘 され て きた もの で あ り、 そ の 点 で も文 化 圏 学 習 の 意 図 が 歴 史 的 思 考 力 の育 成 に関 係 して い る ことが 窺 われ る。 さ らに 、 文 化 圏 学 習 の 下 限 を 「ほぼ18世 紀 ごろ ま で に 引 き下 げ る」 こ とが 『解 説 』8)で示 さ れ 、世 界 の一 体 化 へ の実 質 的 な過 渡 期 が 従 前 の 大 航 海 時 代(15世 引 き下 げ られ て 、 産 業 革 命 期(18世. 紀 以 降)に で な く、 さ らに. 紀 以 降)に 求 あ られ た。 これ も、 事 実 上 ヨ ー ロ ッパ 中 心. 史 観 を さ らに 薄 め よ う とす る営 み と受 け止 め られ るか ら、 歴 史 的 思 考 力 と関 係 が あ る こ と にな る。 な ぜ な ら、 過 去 の 時代 区分 を ど う評 価 す るか とい う問題 は 、 本 来 的 に 歴 史学 に内 在 す る重 大 な問 題 意 識 とい え る が、 そ う した認 識 に変 更 が あ り得 る こ とを示 す こ と 自体 、 歴 史 的 思 考 力 に深 く関 わ る事 柄 と い え るか らで あ る。 そ の意 味 で、 間接 的 に で は あ る に せ よ、 時 代 区 分 の 認 識 形 成 が 歴 史 的 思 考 力 の育 成 に関 係 す る もの で あ る こ とが示 唆 さ れ た とみ る こ と もで きよ う。 なお この 時 、 日本 史 に お いて も内 容 で 歴 史 的 思 考 力 が 位 置 づ け られ て い る もの の、 世 界 史 の 場 合 の 文 化 圏 学 習 に当 た る論 理 を 持 た な い 日本 史 で は、 内容 で これ に類 す る タ ー ム や概 念 は用 い られ て いな い。 ま た、 内 容 の 取 扱 いで は主 題 学 習 が 指 示 され 、 ほ ぼ従 前 ど お りの説 明 が 繰 り 返 され て い る。. 一9一.

(10) 近畿大学教育論叢. 第16巻 第1号(2004・10). (5)平 成 元 年 版(1989年) っ ぎ の平 成 元 年 版 指 導 要 領 で は、 世 界 史Bの. 内 容 で 「東 ア ジア 文 化 圏 」 「西 ア ジ ア ・南 ア ジ. ア文 化 圏 」 「ヨ ー ロ ッパ 文 化 圏 」 と い う三 っ な い し四 っ の文 化 圏 が 規 定 さ れ、 従 前 の 三 っ よ り も数 の うえ で や や 広 が りを み せ て い る。 ま た、 「文 化 の交 流 圏 」 と い う概 念 が初 出 し、 内 容 の 取 扱 い は 「地 中 海 地 域 」 「イ ン ド洋 地 域 」 「中 央 ア ジア」 な ど の空 間 に お け る人 々 の接 触 と交 流 に光 を 当 て る こ とを 要 請 した(世 界 史B)。. これ は従 前 の文 化 圏 が 、 ど ち らか とい え ば 静 的 な. 世 界 史 像 を 招 来 しが ちで あ っ た点 を 反 省 し、 よ り動 的 な視 点 か ら文 化 圏 を と らえ な お そ うとす る営 み とい え る。 文 化 圏 か ら交 流 圏 へ と い う この 重 心 の シ フ トは、 新 学 習 指 導 要 領(平 成11 年 版)に. も発 展 的 に継 承 され て い るが 、 そ れ は近 年 の 指 導 要 領 にみ られ る歴 史 的 思 考 力 の中 心. 概 念 、 な い しは中心 課 題 の一 っ にな って い る よ う に思 わ れ る。 一 方 、 昭 和45年 版 に初 出 した 「主 題 学 習 」 は、 しだ い に歴 史 的 思 考 力 を 伸 長 す る指 導 方 法 上 の 支 柱 と して 位 置 づ け られ る よ うに な って い く。 この点 、平 成 元 年 版 の 世 界 史 で は、 「生 徒 の歴 史 的 な思 考 力 を培 い か っ歴 史 に対 し興 味 ・関心 を もた せ るた め 、適 切 な 主 題 を 設 けて 学 習 で き る よ う に す る こ と」(世 界 史B、 内 容 の 取 扱 い)と 述 べ 、 主 題 学 習 の実 施 を よ り強 く要 請 して い る。 た だ し、 こ こで は 「適 切 な主 題 」 とい う もの が どの よ うな もの か は例 示 され て お ら ず、 従 前 の 指 導 要 領 の 記 述 と比 べ て も、 一 歩 後 退 した 印 象 を 与 え て い る。 ま た 、 「思 考 力 」 と 「興 味 ・関 心 」 とが 、 「か っ」 とい う接 続 詞 で 同列 に並 べ られ て お り、 そ こに あ る種 の 大雑 把 さ が 感 じ られ る。 これ に対 し、 日本 史 で は い くっ か の学 習 主 題 を例 示 し、 さ らに踏 み込 ん だ説 明 を 行 って い る。 日本 史Bの 内 容 の取 扱 い はっ ぎの よ うに指 示 して い る。. ■ 日本 史B「 内 容 の取 扱 い」(平 成 元年 版) (4)生 徒 の歴 史 的 思 考 力 を深 め させ る た め、 次 の事 項 に留 意 しなが ら、 適 切 な主 題 を設 け て 行 う学 習 を実 施 す る よ う配 慮 す る もの とす る。 ア. 主 題 の 設 定 に当 た って は、 例 え ば次 の よ うな観 点 が 考 え られ る こと。 a我. が 国 の 文 化 と伝 統 の 特 色 にっ いて 、 自然 条 件 や 時 代 的 背 景 、 国 際 環 境 な ど と関 連. させ て 総 合 的 に学 習 で き る こ と。 b歴. 史 上 の 人 物 にっ いて 、 そ の 果 た した役 割 や 生 き方 な どを 時 代 的 背 景 や 地 域 の特 性. との 関 連 にお いて 学 習 で き る こ と。 c我. が 国 の 歴 史 の 展 開 にみ られ る各 地 域 の 特 性 と時 代 的 変 化 にっ いて 、 政 治 的 、 経 済. 一10一.

(11) 学習指導要領 の変遷 と歴史的思考力育成 の課題 的 条 件 な ど と の関 連 にお いて 学 習 で き る こと。 d衣. 食 住 、 年 中 行 事 、 冠 婚 葬 祭 、 生 産 用 具 な ど の生 活 文 化 にっ いて 、 時 代 や 地 域 の特. 性 との 関 連 にお いて 学 習 で き る こ と。. 前 掲 した昭 和45年 示 され た 項 目が1項. 版 の 日本 史 の 「内 容 の取 り扱 い」 と比 較 した場 合 、 す ぐに気 づ くの は例 目増 え 、 しか も字 数 を 費 や して 、 や や 説 明 的 に記 述 され て い る こ とで あ る。. しか しよ りっ ぶ さに読 む と、 従前 の そ れ が 「∼ に っ い て 学 習 で き る もの 」 と、 学 習 対 象 を 例 示 して い た の に対 し、 改 訂 後 の そ れ は 「∼ との 関 連 に お い て 学 習 で き る もの」 と、 学 習 の視 点 (認 識 の方 法 論)を. 例 示 して い る こ と に気 づ く。 歴 史 的 思 考 力(歴 史 的 な 見 方 や 考 え方)は. 本. 来 、 着 眼点 や 発 想 法 に 関 係 す る もの で あ るか ら、 「対 象 」 か ら 「視 点 」 へ の 変 更 は、 学 習 方 法 (指 導 方 法)上 、 望 ま しい 方 向 転 換 で あ る と い う こ とが で き る。 こ こに い た り、 そ の理 由 は定 か で な い もの の、 先 行 して歴 史 的 思 考 力 を位 置 づ け て きた世 界 史 に お い て取 り扱 い が や や後 退 し、 後 発 の 日本 史 で い っそ う積 極 性 を増 す と い う逆 転 現 象 が生 じて い る。. (6)平 成17年 版(1999年) 最 新 の 平 成11年 版 指 導 要 領 で は、 「歴 史 的 思 考 力 」 と い う、 従 来 か ら 「目標 」 に み られ た文 言 に加 え 、 日本 史A・Bの. 「内 容 」 で 「歴 史 的 な見 方 や 考 え 方 」 と い う新 た な表 現 も採 り入 れ. られ て 、思 考 力 の 育 成 が い っそ う強 調 され た。 例 え ば、 日本 史Bの 内 容(1)は. つ ぎの よ う な大. 幅 な 変 更 を み て い る。. ■ 日本 史B「. 内容 」(平 成11年 版). (1)歴 史 の考 察 歴 史 を考 察 す る基 本 的 な方 法 を理 解 させ る と と もに、 主 題 を設 定 して追 究 す る学 習 、 地 域 社 会 に かか わ る学 習 を通 して、 歴 史 へ の関 心 を高 め、 歴 史 的 な見 方 や考 え方 を身 に付 け させ る。 ア. 歴 史 と資 料 歴 史 にお け る資 料 の 特 性 とそ の 活 用 及 び文 化 財 保 護 の 意 義 にっ いて 理 解 させ る。 (ア)資 料 を 読 む (イ)資 料 にふ れ る. イ. 歴史の追究. 一. ユユ ー.

(12) 近畿大学教育論叢. 第16巻 第1号(2004・10). 我 が 国 の歴 史 の展 開 に っ い て、 時代 ご とに 区切 らな い主 題 を設 定 し追 究 す る学 習 を通 して、 歴 史 的 な 見方 や考 え方 を身 に付 け させ る。 (ア)日 本 人 の生 活 と信 仰 (イ)日 本 列 島 の地 域 的差 異 (ウ)技 術 や情 報 の発 達 と教 育 の普 及 (エ)世 界 の 中 の 日本 ㈲ ウ. 法 制 の変 化 と社 会 地 域 社 会 の歴 史 と文 化 地 域 社 会 の歴 史 と文 化 に っ い て、 そ の地 域 の 自然 条 件 や政 治 的、 経 済 的 な諸 条件 と関. 連 付 け て考 察 さ せ る。. こ の よ う に、 日本 史 学 習 の 導 入 部 に 当 た る内 容 の(1)で. は、 「歴 史 的 な見 方 や 考 え方 」 を 身. にっ け させ る こ とが究 極 的 な ね らい と さ れ て い る。 ま た、 そ の 際 の指 導 方 法(学 習 方 法)と. し. て、 「主 題 追 究 学 習」 を 全 面 的 に奨 励 して い る。 主 題 追 究 学 習 とは、 従 前 の 「主 題 学 習 」 を発 展 的 に継 承 した もの で、 「追 究 」 の語 に生 徒 の 主 体 的 な調 査 活 動 の ニ ュ ア ンス を い っ そ う強 く 込 め て い る。 そ して、 『解説 』 はそ の意 図 を 、 「主 題 を設 定 し追 究 す る学 習 を通 して、 主 体 的 な 学 習 、 歴 史 学 習 の方 法 、 歴 史 的 な見 方 や考 え方 を身 に付 け、 さ らに、 これ を総 合 化 す る こ とに よ り歴 史 的 思 考 力 の育 成 が 期 待 され る の で あ る。」9)と説 明 して い る。 っ ま り、 平 成11年 版 の 日本 史 に い た り、 過 去 半 世 紀 に わ た って 目標 や、 内容 の 取 扱 い で指 示 され て き た歴 史 的 思 考 力 育 成 の課 題 が 初 め て明 確 な か た ち で 内容 に位 置 づ け られ た こ とに な り、 「時代 ご と に 区切 らな い」 通 時 的 な主 題 追 究 学 習 に よ って 、 そ の 育 成 を図 ろ う と して い る こ とが 読 み 取 れ る。 た だ し、 これ らは従 前 か ら も論 じ られ て きた学 習 方 法(指 導 方 法)を. より. 具 体 的 なか た ち に した もの にす ぎず 、 依 然 、 歴 史 的 思 考 力 の 中身 そ の もの を は っ き り と した か た ちで 規 定 して い な い点 で は同 じで あ る。 こ の こ と は 『解 説 』 に お い て も同様 で あ り、 上 の 引 用 文 の下 線 部 の よ うに、 生 徒 の主 体 的 な学 びが 即 、 歴 史 的 思 考 力 を育 む と い った半 ば短 絡 的 と もいえ る説 明 に終 始 して い る。 一 方 、 世 界 史Bで. は、 「内容 」 の(1)「 世 界 史 へ の扉 」 は 日本 史B同 様 、 世 界 史 学 習 の導 入 部. に当 た る位 置 づ け に あ る が、 そ こで は、 「身 近 な も の や 日常 生 活 にか か わ る主 題 、 我 が 国 の歴 史 にか か わ る主 題 な ど、 適 切 な主 題 を設 定 し追 究 す る学 習 を通 して、 歴 史 に対 す る関 心 と歴 史 学 習 へ の意 欲 を 高 め る。」 と述 べ る に とど ま り、 歴 史 的 思 考 力 の 育 成 と い う問 題 に 関 して 指 導 一12一.

(13) 学習指導要領の変遷 と歴史的思考力育成 の課題 方 法(学 習 方 法)上 の は っ き り と した 前 進 はみ られ な い。 ま た 『解 説 』 も、 世 界 史 にお いて は 歴 史 的思 考 力 に っ い て ほ とん ど言 及 して お らず 、 日本 史 で の 前 進 に反 し、 か え って 後 退 したか の よ うな 印 象 さえ覚 え る。 しか し、 平 成11年. 版 指 導 要 領 で 、 世 界 史Aが. 「交 流 圏 」 を枠 組 み に して 内容 を編 成 した り、. 世 界 史Bで 従 前 の文 化 圏 に代 わ る概 念 と して 「諸 地 域世 界」 とい う新 た な 概念 が 採 用 され た り と、 歴 史 的思 考 力(歴 史 的 な見 方 や考 え方)を 育 む た め の新 た な枠 組 み が採 用 され た こ と は注 目 さ れ る。. (7)ま. とめ. 歴 史 的 思 考 力 育 成 に関 す る、 以 上 の指 導 要 領 上 の取 り扱 い の変 遷 を要 約 す れ ば、 以 下 の とお りで あ る。. ①. 「歴 史 的 思 考 力 」 と い う文 言 は世 界 史 教 育 の 改 善 に端 を発 し、 す で に半 世 紀 に 近 い歳 月 を経 過 して い る。 この 間 、 指 導 要 領 お よ び 『解 説 』 で は、 主 題 か ら主 題 学 習 へ 、 主 題 学 習 か ら主 題 追 究学 習 へ とい うか た ち で しだ い に学 習 方 法(指 導 方 法)の 深 化 が 図 られ 、 それ との兼 ね 合 い で歴 史 的思 考 力育 成 の手 立 て が模 索 され て きた。. ②. 歴 史 的 思 考 力 を 育 む 一 っ の方 法 概 念 と して、 世 界 史 にお いて は、 「文 化 圏 」 と い う枠 組 み が 強 調 さ れ て きた。 この 見 方 は、 一 方 で 固 有 の文 化 を 育 ん だ 「自然 環 境(風 土)」 の重 視 を、 他 方 で民 族 も し くは文 化 圏 相 互 の接 触 と交 流 の場 とな った 「交 流 圏」 の重 視 を導 き っ っ 、 平 成 ユ1年版 指 導 要 領 に いた って 「諸 地 域 世 界 」 と い う新 た な概 念 を導 出 した。. ③. 歴 史 的 思 考 力 の関 連 事 項 と して、 時 代 区 分 の問 題 が あ げ られ る。 文 化 圏 的 色 彩 が濃 厚 で あ っ た前 近 代 と、 世 界 の一 体 化 が 急 速 に進 ん だ近 代 と の分 水 嶺 を ど こに置 くか とい う問 題 は、 歴 史 学 や 歴 史 教 育 の本 質 的 な関 心 事 で あ るが 、 指 導 要 領 そ の ものが そ の下 限 を一 貫 し て 引 き下 げ る こ とで 、 世 界 史 近 代 の 相 対 化 を 図 って き た。 こ う した歴 史 評 価 ・歴 史 認 識 に 関 わ る 問 題 は、 歴 史 的 思 考 力 の重 要 な 一 部 分 を構 成 す る は ず で あ るが 、 指 導 要 領 や 『解 説 』 は、 この 問 題 を 歴 史 的 思 考 力 との 兼 ね 合 いで 明 示 的 に は論 じて いな い。. ④. 世 界 史 にお け る 「文 化 圏」 の よ うな 明 確 な 観 点 を 欠 く日本 史 で は、 歴 史 的 思 考 力 育 成 の た め 、 指 導 方 法(学 習 方 法)へ. の傾 斜 が よ り明 確 に現 れ て い る。 平 成11年. 版指導要 領で. は、Ei本 史 の み が 「歴 史 的 な 見方 や考 え方 」 とい う新 た な概 念 を 導 入 し、 世 界 史 以 上 に、 歴 史 的思 考 力 の育 成 を 強 く志 向 して い る。. 一13一.

(14) 近 畿 大学 教 育 論 叢. 3.歴. 第16巻. 第1号(2004・10). 史 的思 考力 育成 の課 題 一むす び にか えて 一. 以 上 の よ うに 、 この 間 の 指 導 要 領 に お け る 「歴 史 的 思 考 力 」 に関 す る取 り扱 い は、 改 訂 を 追 う ご とに よ り明 確 化 され 、 よ り具 体 的 な もの にな って きて い るの は確 か で あ る。 しか しそ れ は、 主 と して学 習 方 法(指. 導 方 法)と. の 兼 ね 合 いで 追 求 され て き た もの で あ り、 「歴 史 的 思 考 力」. そ れ 自体 に 関 す る積 極 的 な 定 義 づ けや 、 明 快 な 説 明 は ほ とん どな され て いな い と い って も過 言 で はな い。 こ こ に、 歴 史 的 思 考 力 育 成 の 指 導 普 及 を 促 す うえ で 二 っ の 問 題 点 が 指 摘 され る。 一 っ は、 歴 史 教 育 に携 わ る教 師 や研 究 者 た ち の 間 で、 「歴 史 的 思 考 力 」 と は何 ぞ や とい う問 い に 対 す る、 最 低 限必 要 な 共 通 理 解 が 図 られ て い な いの で はな か ろ うか と い う問 題 で あ る。 こ の 複 雑 難 解 な 概 念 を 一 言 で 定 義 づ け るの はお そ ら く不 可 能 と して も、 あ る程 度 記 述 的 ・演 繹 的 に説 明 で き る研 究 者 ・教 師 は どれ ほ どい るで あ ろ うか 。 本 来 、 理 論 研 究 ・実 践 研 究 の 深 化 は、 多 くの 実 践 者 ・研 究 者 に よ る共 同 作 業 の 賜 物 で あ る。 そ れ に は基 本 概 念 に関 す る最 低 限 の 共 通 認 識 が 不 可 欠 で あ る。 して み る時 、 指 導 要 領 や 『解 説 』 は も う少 し明 示 的 に 「歴 史 的 思 考 力 」 そ れ 自体 を 概 念 規 定 し、 そ の こ とに よ って 、 実 践 的 ・理 論 的 研 究 の 広 が りを 促 して い くべ きで はな い だ ろ うか 。 も う一 っ は、 そ れ が 歴 史 的 な もの で あ る にせ よ 、 な い にせ よ 、 思 考 力(thinking)や 考 え 方(perspective)と. い う もの は、 認 識 の しか た(対 象)で. 見方 ・. あ って、 学 習 の しか た(方 法). で はな い とい う こ とで あ る。 換 言 す れ ば 、 方 法 は対 象 あ って の 方 法 で あ り、 対 象 が 明 確 で な い 方 法 は、 対 象 を 理 解 す るた め の 方 法 に はな り得 な い とい う こ とで あ る。 この 点 に 自覚 的 で な い と、 主 題 追 究 学 習 とい う名 の 下 に 「学 び の 形 式 」 だ けが 一 人 歩 き す る危 惧 が あ り、 そ れ は、 「教 師 に従 順 な活 動 」 を 目的 化 す る懸 念 さ え も導 く。 思 考 力 や見 方 ・考 え 方 は、 必 ず しも生 徒 主 体 の学 習 形 態 か らの み 身 に っ く もの で な く、 た とえ そ れ が 一 斉 講 義 によ る座 学 で あ った と して も、 「思 考 を促 す 学 習 内容(対 象)」 か ら こそ 導 か れ る もの で はな い だ ろ うか 。 本稿 の 冒 頭 で の 指 摘 を 繰 り返 す こ とに な るが 、 今 後 、 この 複3°:な. 概 念 を あ る程 度 単 純 化. して 定義 づ け、 歴 史教 育 関 係 者 の 間 で共 有 して い く地 道 な 努 力 が さ ら に必要 とい え よ う。. 注 1)中. 学 校 社 会 科 歴 史 的分 野 で は、 昭 和33年 版(1958年)学 に 「歴 史 的 思 考 力 」 が 初 出 して い る。 た だ し、 昭 和44年. 一14一. 習 指 導 要 領 の 「目標 」 の一 項 目 版(1969年)で. はす で に この 文.

(15) 学 習指導要 領の変遷 と歴史的思 考力育成の課題 言 は 目標 か ら姿 を消 して お り、 「内 容 の 取 り扱 い」(当時)に お いて 、 「思 考 力」 とい う語 が 一 度 だ け用 い られ る の み で あ る。 そ して 、 昭 和52年. 版(1977年)以. 降 は 、 こ の単 な る. 「思 考 力 」 さえ も一 切 用 い られ な くな るが 、 「内容 の取 扱 い」 か らは高 等 学 校 との 明 確 な 取 り扱 い上 の差 異 を読 み取 る こと は で きな い。 した が って、 中学 校 で も歴 史 的思 考 力 の 育成 が 暗 に追 求 され て き た と み る こ と は可 能 で あ ろ う。 2)原. 田智 仁 「書 評:冨 所 隆 治 著 『ア メ リカ の歴 史 教 科 書 一 全 米 基 準 の価 値 体 系 とは何 か一 』」 教 育 科 学 社 会 科 教 育 、466、 明 治 図書 、1998。. 3)戸. 井 田 克 己 「歴 史 的 思 考 力 の基 礎 概 念 と して の地 理 的 見 方 ・考 え方 一世 界 史 前 近 代 の認 識 形 成 を 中 心 に」 社 会 科 教 育 研 究 、91、 日本 社 会 科 教 育 学 会 、2004。. 4)こ. の 時 の 『解 説 』 は、 科 目 に よ って 割 か れ る頁 数 に大 幅 な違 いが あ っ た。 多 い順 に列 挙 す れ ば、 「倫 理 ・社 会 」 が32頁 、 「政 治 ・経 済 」 が29頁 、 「地 理A」 10頁)、 「日本 史 」 が23頁 で あ る の に対 し、 「世 界 史A」. が24頁(「. は16頁 、 「世 界 史B」. 地 理B」. は. に い た って. はわ ず か に3頁 強 しか 頁数 が割 か れ て いな い。 「文 化 圏 」 に 関 す る言 及 が な い だ け で な く、 ほ とん ど解 説 ら しい記 述 は見 当 た らな い。 5)文. 部 省 『高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説. 社 会編 』 好 学 社 、1961、p.119。. 6)従. 前 同 様 、 「東 ア ジ ア文 化 圏 」 「西 ア ジア 文 化 圏 」 「ヨー ロ ッパ 文 化 圏」 の 三 っ が 内容 で 取 り上 げ られ て い る。. 7)文. 部 省 『高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説. 8)前. 掲 書7)、p.108。. 9)文. 部 省 『高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説. 社 会 編 』 一 橋 出版 、1979、p.107。. 地 理 歴 史 編 』 実 教 出版 、1999、p.118。. 一15一.

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