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数理科学的意思決定力の育成に関する算数・数学科教師の捉え方

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Academic year: 2021

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(1)Title. 数理科学的意思決定力の育成に関する算数・数学科教師の捉え方. Author(s). 久保, 良宏; 長尾, 篤志. Citation. 春期研究大会論文集, 3: 43-50. Issue Date. 2015-06-28. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/10511. Rights. Hokkaido University of Education.

(2)  . 第3回春期研究大会論文集 創成型課題研究の部. 数理科学的意思決定力の育成に関する算数=数学科教師の捉え方 A SurveyintheAt i t tudeofM[athemLaticstPeachersabout Foster ing ComPetency on M[athemLat icaISc ient i堂c Dec ision M[ aking. 久保良宏 北海道教育大学旭川校. 要. 長尾篤志 国立教育政策研究所. 約. 本稿は, 数理科学的意思決定力の育成に関する算数・数学科教師の捉え方の傾向を 教 , 師を対象とする質問紙調査の結果から明らかにしようとするものである 小 中 高 中高− 。 ,,, 貫校の合計8 4 3名の教師の回答を分析した結果, 学校種や問題状況によって捉え方の傾向 に違いが見られるものの, 「意思決定に関わる問題」 についてはおおむね肯定的な傾向が 見られた。 しか し, このような問題 を 「好き だ」 とするも のの, 「授業で扱 う」 ことの肯. 定的な回答は少なく, また, このような問題が 「数学的な資質・能力を伸ばす」 ことにつ ながると捉えている一方で, これを 「算数・数学で扱う」 ことも こ否定的な捉え方も見受け られた。 「現実性」 や 「解のオープ ン性」, そ して 「価値認識」 にも着目した 「意思決定 に. 関わる問題」 を通して数理科学的意思決定力を育成することが重要であると考えているが , ここでは算数・数学科教師の数学観や数学教育観などの変容がより一層求められる 。 キーワー ド:数理科学的意思決定力, 意思決定に関わる問題, 教師質問紙調査 1. 問題の所在と本稿の目的 「問題解決的な学習」 がこれ 数学教育では− ま で以上に強調されている。 しか しなが ら,. 問題解決という文脈をとりながらも, その文 脈で展開される数学的活動 は, あくまで既成 の数学の迫発見を志向するものであり, 現実 世界の問題を数学的視座から真に考察する数 学的活動を経験させるには十分に至っていな いのではないかと考 えられ る。. また, 算数・数学指導における考察の対象. はその多くが確定事象や決定論的事象であり , 不確実性事象を取り上げていても, 解が一意 に決まるものが大 半である。 (西村, 2013) このような中 で, リアルな問 題 を子 ども に 取り組ませた上 で, ここから 導かれる様々 な. モデルを数学的に探究し, 再利用可能なモデ ルに高めることが重 要である。. 筆者らが参画している科研ではこのような 視座に立ち,「社会的文脈における数学的判断 力」 の研究(基盤( B) 24P ‐ ,代表;西村圭一[H22. ‐43−.

(3)    . を踏まえ, より 「価値認識」 や 「社会的公平 性」 などに着目して 「数理科学的意思決定」 にっい ぞ考察してきた (基盤@) ,代表;西村 圭一[H25 )。 ここ では 基礎研究 を踏ま え, 27 ‐ ]. 授業実践から子どもの様相について考察した が,教師についての検 討が課題 となっ ていた。. 本稿は, 教師を対象とする質問紙調査を通 して, 算数・数学科教師の数理科学的意思決 定力に関する捉え方について検討するもので ある。 具体的には, 教師の数学観や数学教育 観などに関することと, 西村圭一を代表とす る2つの科研で検討された 「意思決定に関わ る問題」 に関する4つの質問に焦点を当て; この回答 を学校種に着目 して量的に分析する。. 〔1〕 あなたは, 算数・数学の授業で児童・生徒にど のような問題 (教材) を用いていま すか。 また, 理想 的には どうしたいと考 えていますか。 下の① ∼⑤につ・ いて, 「実際」 「理想」 に分けて, もっ とも近いものを 1つ選んで,その場合を0で囲 んでく ださい。なお,「現 実的な問題」 とは, 実生活や社会の解 決を要する問題 のことと し, それに対して 「数学世界の問題」 は, 実 生活や社会の文脈に ない問題のことと します。 ①教科書の問題 を用いる。 ②副教材の問題 を用いる。. ⑧多様な答えが存在する「数学世界の問題」を用いる。 ④多様な答えが存在する「現実世界の問題」を用いる。 ⑥中・高・大学な どの入試問題 を用いる。. そ して, これ らの分析 を踏ま え, 数理的意 思. 「1 80%以 上) 」,「2 .だ い た い そ う だ .い つ も そ う だ(. 決定力の育成を肯定的に捉えた場合の教師教 育における課題について検討する。. 40%程度) 」 3 60%程 度) 」 ( , ,あまりそうではない( ,「 「4 20%未 満) 」 の 4 肢選 ,ま っ たく そ う で.は な い( 択,. 2. 調査の方法. 本調 査 は郵 送法による質問紙調 査によっ て行われた。 調査名は,「算数・数学教育で育 成すべき資質・能力に関する調査」 である。. 〔2〕 あなたは, 算数・数学教育を通 して, 児童・生 徒 が下記の①∼⑦の力 を身につけることについ て現在. 調 査の対象校 は, 北海道, 東北, 関東, 北 陸・中国, 近畿, 四国・ 九州 の6 地区にお け. べ き だと思いますか。 あなたの考えにもっ とも近いも. る 国・公・私 立の小, 中, 高, 中高 一 貫 校 (中. さ い。. 等教育学校を含む) から層別二段階抽出によ. ① 「数学世界の問題」 を解決する力. り抽 出 した小学校252 校, 中学校439校, 高 等学校・中高 一 貫校460校の計1151校で ある。. ② 「現実的な問題」 を解決する力. 算数部会の教師や数学を担当 している教師に 回答しても らうよう, 各校に調査用紙を3部 送付 した。. どの程度重視 していますか。 また将来 どの程度重視す のをそれぞれ 1 つ選んで, その番号 を0で囲んでく だ .. ⑧コ ン ピュータを活用 しながら 「数学の世界の 問題」 や 「現実世界の問題」 を解く力 ④児童・生 徒同 士 で協力 しながら r数学の世界の 問題」. や 「現実世界の問題」 を解く力. 調査用 紙の構 造は, 3つの 大項目 (「1, 回 答者 について[ 3 項目] 」, 「n. 算数・数学の 授. ⑥算数・数学 を通 して市民と しての教養 を高めたり,. 業について[ 2項目] 」, 「皿, 算数・数学の授業 5 項 日] 」) から なる。 1 で扱う問題 について[. ⑥算数・数学がよりよい社会を築く上で有用であるこ. は選択肢か数字等の記入, n,皿は選択肢と自. ⑦算数・数学が将来の仕事で必要であることを理解す. 由記述で, 回答す る小項日は 計66で ある。 本稿 では, 1の 「学校 種」 と口, mの中の 4つ の質問に着目 する。. 文化を理解 したりする力. とを理解する力. る力 「.重 要」 「3 な 「1 , .あ ま り 重 視 し .と て も 重 要」, 2 い」, 「4 ,ま っ たく 重 視 し な い」 の 4 肢 選 択.. 虹における2つの質問は、次の 通りである。. ‐44−.

(4)    . mにお ける質問 〔1〕 は次の通り である。. 〔 2〕 ∼ 〔4〕 の問題 は次の通り である。 .. 〕 は, いずれも, クラ 〕 〔1〕 次の 〔問題 1 , 〔問題 2 スで 「千羽鶴」 をつくる という場面です。. 〔2〕 次の 〔問題〕 は, 走り幅跳びの選手について 考 えるも のです。 ・. 〕 あなたのクラスでは, 「千羽鶴」 をつくるこ 〔問題1 とになりま した。 学校の休み時間 だけを使 って折ると. 〔問題〕 学校対抗の陸上大会があります。 走り幅 跳びの選手をあと 一 人決めなければなりません。. すると, 折り紙で1000羽の鶴を折るのに, 何日かかる でしょ うか。’どのように考えたかも説明 しま しょう。. 「走り幅跳び」 は, 1人が3回跳び, その中で最も 遠くまで跳んだ人が優勝となります。 昨年, 一昨. 〕.さちこさんのクラスも, 「千羽鶴」 を折るこ 〔問題2. 年の優勝記録は, 次の通りです。 年 年. とになりま した。 さちこさんは, 1羽の鶴を折るのに, だいたい1人3分はかかる と考えま した。 そして, 学 校の給食後の休み時間 30 分だけを使 って, 30 人の友 だちみんなで折るとすると 1000 羽の鶴を折るのに何 日かかる かを考えています。 さちこさんの計画 だと何 日かかるで しょ うか。 どのように考えたかも説明しま し ょ う。. どちらかの問題で算数や数学の授業を行うとする. 優 勝記録 優勝記録. 2013 年. 2014 年. 403c l o q m. 385c ] m m. 下の表は, 昨日と今日の, ひできさん, ようすけ さん, わたるさんの記録です。 ×の印は, ファ ール (記録なし) を示 しています。 誰を選ぶかを, その 理由とともに提案 しなさい。 【昨 日】. 1回目. ひでき. 355c 1 m. ならば, あなたは どちらの問題を扱いますか。. ようすけ. 〔2〕 ∼ 〔4〕 は次に示 す11の小項日 ごと に,「あなたの 思っ ているこ とにも っ とも近い もの」 , 「だ .を4 肢選択 (「ほんとう にそうだ」. わたる. ×. 2回目. 3回目. 4回目. 345. 385. 360. 370. 375. 353. 390. 365. ×. 315. 402. ×. 2回目. 3回目. 4回目. 5回目. 396. 372. 375. 386. 357. 386. 374. 320. 405. 400c 1m. 今日】. 「 いたいそう だ」 , 「あまりそ うでは ない」, ま. ひでき. っ たく そう ではない」) で選ぶものである。. ようすけ. ①私はこの問題 が好き だ。. わたる. 1回目 ×. ×. 376c l n ×. ×. ×. 6回目. ②私は授業でこのような問題を扱っ てみたい。 ⑧私の授業ではこのような問題を扱う時間がない。 ④私の学校の児 童生徒の多く は, このような問題で 算数・数学 を使っ て何らかの提案ができる。 ⑤このような問題 を算数・数学を使っ て解決できる 児童生徒に したい。 ⑥このよう な問題は, 児童生徒の数学的な資質・能 力 を伸 ばすのを助 ける。 ⑦この ような問題には, 算数・数学の有用性を知ら. 〔3〕 次の 〔問題〕 は, 水不足に悩む国への水の配 分について考 えるものです。 〔問題〕 あなたは, 国際支援機関か ら, 水不足に悩 むアル ジェリア, ヨルダン, トルコの3か国へ 「水」 の配分 を決めるという任務を与えられま した。 下の データを用いて, 公平な配分方法を提案 しなさい。.                  . せるという価値 しかない。 ⑧このよう な問題 は小 グ ル ー プ単位 で取り組ませ た い。. ⑨この ような問題は算数・数学の 授業で扱う (扱っ た方がよい) 問題である。. ⑩このような問題は 「総合的な学習の時間」 で扱う. − − 十−−. −− 雫 情 【 ” − − − −− 十 【ヤ テ 庁 而而 而“▼▼ ′什「 十 一− − −− ′r L. L ▲′ − , .▲ ‐」− − −.. … ●. ーー ー・ ー. ;アルジェリア, 3 5 1 ÷. ヨ j汐ン. . ‐. 1. 6. 1.  .  . iト ルコ. − 7 , 2 : 1. ,. (扱った方 がよい) 問題である。. ⑪このような問題は学校教育で扱う必要はない。. ‐45−. 1.  . 3 1 6. L ・ー i. 1 2.         . 8 1 7. 2 3 8 1 7 4 0 ー ‘ 0 8 9 3 2 ′ 8 3 5 帥 7 ′. 沸 3 5 0 ‘. 1 2. 2 8 3 0 ・ ,. I. 2 4 2 男 0 ′. 2 1 4.

(5)    . 〔4〕 次の 〔問題〕 は, 将来の太陽光発電の貢献度 について考えるものです。 〔問題〕 持続可能な発展を実 現するために, 再生 可能エネ ルギーへの期待が高ま っ ています。 太陽光 .. ,. 発電についても, その性能向上やコス ト改善が図ら れていま す。2050年に, 太陽光発電が 日本のエネル ギー消 費量のおよそ 15%をま かなうことができ る かについて, 必要な太陽光パネル の面積か ら考える ことに します。 この面積を見積もるためには, どの ような情報が必要 で, それをどのように用いればよ いかを提案 しなさい。. の32名 を除い た843名 分の回答が分析 の対象. となった。 回答者の学校種別の人数は, 小学 校131名, 中学校 298名, 高等学校330名,. 中高一貫校 (中等教育学校を含む)8 4名であ る。 なお, 学校種や地域によって回収数にば らつきが見られるが, おおむね全国的な傾向 を捉え ることが でき ると 考え, 本稿 では, 学. 校種を中心に検討を加える。 (1) 亘につ いて nでは 「算数・数学 の授業について」, 2つ. の質問で回答を求めた。 肯定率 ( 〔1〕 は 「 1 , いっもそうだ」 と 「2 ,だ いたいそうだ」 の合. 〔2〕 (幅跳び) は, 児童・生徒にと っ て極. めて身近な場面である。 例えば, 平均を考え る場合, 「×」 (フ ァ ー ル) のリスク を どのよ うに捉 え る か, ま た, これまでの優勝記録に. 計,〔2〕 は 「とても重要」 と 「重要」 の合計) から検討する。 学校種別に 「実際」 と 「理想」 , 「現在」 と 「将来員こ分 けてまとめた結果 は , それぞれ表 1 表2の通り である , 。. 照らすなどしてどのような選択肢を創出する か等々などに着目して選択肢を創出すること. 立. が重要 である。 これに対 して 〔3〕,〔4〕 は,. 〔1〕. ・中高 中’ 小 局 実 理 実 理 実 理 実 理. 現実的な今日的課題である。〔3〕(水の配分) は, 与えられた表やこれに関係するデータを. ①教書. 95 92 90 88 89 83 86 80. ②副本. 40 51 48 59 54 70 62 76. ⑧多;数. 21 36 27 64 20 50 23 60. ④多;現. 33 63 21 64 12 52 13 58. ⑥入試. 4 11 38 50 23 51 51 67. 調 べ るな どして, 公 平に水の配分を考える着 眼点 に つ いて 多 面的 に検 討する もの である。. 〔4〕(太陽光パネル) は, 太陽光パネルの面 積を見積もるために必要な情報とその用い方 を考えるもので, 具体的な情報はまったく与 えられて いない。 な お, これらの問題 は, 多様な選択肢の創. 出, 妥当性の検討と可能性の検討, 指標の作 成などが想定されるものであり, 本科研で検 討されて いる 「プロセス 能力」 (BI :数学的定 式化,B2 ;数学的表現,B3 :数 学的推論・分析, B4 :解 釈 ・ 評 価, B5 :数 学 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ. ン, C 数学的‐社会的価値認識力) に照らし . て開発さ れたもの である。. ・. 3. 調査結果の概要 教師調 査 は,平成26年11月 から12月 にか. けて行われ, 調査用紙は8 75名から回収され た (回収率25 3%) , 。 本稿では学校種が未回答. 表1 授業で用いる問題 (教材)( % ). 表2 身につける力の重要度 ( % ) 〔2〕. 小 中 中高 局 現 将 現 将 現 将 現 将. ①数学. 56 59 76 81 70 77 79 87. ②現実. 85 92 73 88 58 87 70 90. ⑧コン. 32 63 28 67 22 65 27 76. ④協力. 82 92 69 85 52 86 55 85. ⑤教養. 51 71 38 59 38 65 48 73. ⑥社会. 69 83 61 85 59 83 67 87. ⑦仕事. 77 89 64 80 54 76 68 85. 1 I. 表1から, 授業 では90%前後の教師 は 「教 科書の問題」を用 いて いるが,「理想」では「高」. 「中高」 で若干肯定率が 下がる。 また 「多様 , な答えが存在する問題」 では 「⑧数学世界の 問題」 は20%台 で, 「④現実の問題」 は 「小」. 一46固.

(6)    . が 33%, 「中」 が 21%, 「高」 が 12%と, 学校. 段階が上がるにしたがって肯定率は減少する, 一方, 「理想」 は 「小」 の③, ⑤ を除き, どち らも50∼60%台ま で肯定率 が 上が る。 表2の児 童・生 徒が身につ ける力 を どの程 度重視 している かに関 しては,「①数学世界の. 「②現実世界の問題を 問題を解決する力」 と. 解決する力」 を比 べ ると, ①の肯定率の方が 高いの は 「中」 「高」 「中高」 の 「現在」 であ る。 「③コ ン ピュ ー タ を活用 しなが ら解く力」 は, 「現在」 は30%前後 であり, 「将来」 でも 65%前後 である。「④協力 しなが ら解く力 拝ま, 「現在」 では 「小」 の82%が最大 であり, 学. り である。. 〕 の選択の理由 ( % 表4 〔問題1〕〔問題2 ) 〔問題1 〕 を選択. 【A: 資質・能力に関するもの】 1”1: 身 に つ. 小. 4 2.. 2 1: 学校教育 −. 小. 7 .I. けなげれ ば. 中. の 場 と して は. 中. 6J. ならない力. 高. 2 O , 3 4 .. 〔問題2 〕で充. 高. 66. である等. 中高 3,8,. しての教養や文化の理解」 は,「現在」 は最大 でも51%で, 「将来」 でも 73%で ある. 「⑥よ. りよい社会を築く 上で有用 であることの理 解」 と 「⑦将来の仕事で必要であることの理 解」 は, 「現在」 では 「高」 は 50%台 である が他は 70%前後 で, 「将来」 では 80%前後と な る。. .. (2) 皿 〔1〕(千羽鶴) の問題について 質問 〔1〕 の結果 は, 表3 の通り である。. % ) 表3 「千羽鶴」 の問題の反応率 (. 中. 高. 35,9. 6 44 ,. 50 3 .. 3 60 ,. 54 O .. 47 O ,. m〔 〕 1. 小. 問題1 問題2. 中高. 全体. . 44 O 45 4 , , 50,O 51 8 .. 〔1〕 で は, 2 つの問題 の どちらを授業で. 扱うかを質問した。「高」 以外は, 具体的な条 件が与えられている 〔問題2〕 の反応率が高 く, 特に 「小」 は, 〔問題 2〕 の方が 〔問題1〕 よりも約24 ポイ ン ト高い。 また, この質問では, 選択 した理由に つい. て簡単な自由記述の形で回答を求めたが, こ の回答を類型化したところ, おおむね次表に 示す A∼D に分類するこ とが できた。 これを. 学校種別に量的に集計した結果は, 表4の通. 分である等. 3 中高 6.. 【B:数学観・数学教育観等に関するもの】. 小 考え方や考 中 えを深め ら. 高 17,8. 小 27,○ は数学的, 〔問 中 16.6 題1 〕は指導内 高 16,9. れる等. 9 中高13 .. 容ではない等. ‐ 1 2: 多様 な. 校段階が上がるにしたがって肯定率は減少し, 「高」 では 52% で あ る。 一 方, 「将 来」 は い ずれの校種でも 90%前後と なる。 「⑤ 市民と. 〔問題2 〕 を選択. 1. 11 .1 17 ,6. 〕 2 2:〔問題2 −. 8 中高22 ,. 【C:問題の現実性に関するもの】 1・3: 場 面 が. 小. 7. I. 現実的であ. 中. 64. る等. 高. 5 3 . 3 中高6 ,. 小 は取組み難 中 く, 解決困難 高. 2 3:〔問題1 〕 −. である等. 22. 2 17, 3 16 3 .. 9 中高13 ,. 【D:指導観・授業観に関するもの】. 小 関心,話 し合 中. 1−4: 興 味,. 11 ,1. 4: 時間がか 2 −. 小. 6 3 .. 18. 0. かり過ぎる等. 中. 10 5 ,. 66. い なが ら解. 高 21,6. 高. 決できる等. 3 中高20 .. 中高 5,1. 〔問題 1〕 を選択 した理由と して は, 「1 4 」 −. (興味, 関心や話し合い) と 「 1 2 」 (多様な − 考 え方) が10∼20%前後と比較的高い, 一方, 「1 1 」(身 につ けなく てはな らない力) は3% − 前後と極めて低い。 〔問題 2〕 を選択 した理由と して は, 「 2 2 」 −. (数学的である) と 「 2 3 」 (取り組み難く解 − 決困難)が14∼27%で比較的高い。これには,. 教師の数学観や数学教育観等の違い, 特に, 現実的な問題に対する考え方の傾向が現れて いると 考 えられる。 なお, 表4には示 していないが, 教 師の力. 「 量を理由とする回答 ( 〔問題1〕 は自信がな いがこう した授業を行いたい」,「〔問題 1〕 で. 授業を行う自信がない」 )は極めて少なかった。 (3) 皿 〔2〕 ∼ 〔4〕 の問題について. ‐47−.

(7)  . 質問 〔2〕, 〔3〕, 〔4〕 について は, 前述. 「ほんとうにそうだ」 と の4肢選択の肯定率( 「だいたいそうだ」 の合計) から検討する。 ① 「私 はこの問題が好きだ」 につ いて 問題 ご との 肯 定率は, 表 5 の通り である。 ・ 表5. ①. 小. % ) ①の肯定率( 中高 中 局. 全体. 中で, このような 「意思決 定に関わる問題」. を指導計画に位置づけることの難しさがある と考 えられ るが, 「中高」 は 「高」 に比 べ 10 ポイ ン トほ ど肯定率が低 い。. ④ 「何らかの提案ができる」 について 問題 ごと の 肯 定率は, 表 8 の通り である。. 〔 2 〕幅跳. 63. 3. 64 4 .. 56 7 ,. 59 5 .. 60,8. 〔 〕水配 3 〔 〕太陽 4. 61 8 ,. 56 O .. 63 O ,. 65 5 ,. 60 7 .. 52,O. 54 O ,. 60,6. 66 6 ,. 57 5 ,. 表8 ④の肯定率( % ). ④. 小. 中. 局. 中高. 全体. 〔 〕幅跳 2 〔 〕水配 3. O 26 ,. 23.8. 24 5 ,. 33. 3. 25 4 .. 4 21 ,. I 25 ,. 29 7 ,. 23 6 .. 〔 〕太陽 4. 16,8. 21 5 , 19 8 ,. 22,5. 28.5. 21 2 ,. 学校種を問わず, 「意思決定に関わる問題」 に対する教師の反応はおおむね肯定的である と捉えられる。 ただし, 問題状況に依存 して. 光 パ ネ ル)は低い。このような問題 に対 して,. いる傾 向 が見 られ, 「小」 「中」 の 〔2〕 の肯. 何らかの提案ができる児童生徒が少ないと考. 定率は6割を超えるが, 社会的な問題状況で. えている教師が多 いことが わかる。. ある 〔3〕, 〔4〕 はやや減少する。 一方,「高」. ⑤ 「解決できる児童生徒にしたい」 について. 「中高」 では 〔3〕 , 〔4〕 が 〔2〕 より肯定. 問題 ごと の 肯定 率は, 表 9 の通り である。. 最大でも約 33%であり, 特 に 〔4〕 (太 陽. % ) 表9 ⑤の肯定率(. 率が高い。 ② 「授業 で扱 っ てみた い」 に・ついて. .. 小. 中. 高. 中高. 全体. 問題 ごと の肯定率は, 表6の通りである。. 〔 〕幅跳 2. 85.5. 82,5. % ) 表6 ②の肯定率(. 6 77 ,. 〔 〕水配 3 〔 〕太陽 4. 85,5. 78 9 ,. 80 5 , 80 4 .. 71 7 ,. 72 5 ,. 4 78 . 76 6 ,. 76 2 , 85 8 . 85,7. 4 75 .. ⑤. 小. 中. 高. 中高. 全体. 56 4 .. 63 I .. 44 9 ,. 51 2 ,. 53 7 ,. ④の肯定率が低かっ たのに対し, ⑤では. 46 6 ,. 49 3 ,. 48 2 ,. 59 5 , 47 6 .. 49 5 ,. 「小」 「中」 「中高」 で 8割 を越 えるものも あ. 42 8 〔 〕太陽 36.7 43.7 43.4 4 . ①に比べて肯定率は低い。 特に〔4〕(太陽 光パネル) は肯定率が低く, ①との差が約1 0. る。「意思決定に関わる問題」 が解決できる子 どもを育てることには肯定的である。 ⑥ 「数学的な資質・能力を伸ばす」 について. ② 〔 〕幅跳 2 〔 〕水配 3. ∼15 ポイ ン トある。. 問題 ごとの肯定率は,表 10の 通 りである。. ③ 「扱う時間がない」 について. % 表10 ⑥の肯定率( ). 問題 ごと の肯 定率 は, 表 7 の通り である。. 表7 ③の肯定率( % ). ③. 小. 中. 高. 中高. 全体. ⑥ 〕幅跳 〔 2 〕水配 〔 3 〔 4 〕バネ. 小. 中. 高. 中高. 全体. 81 7 .. 78 5 ,. I 78 ,. 64 2 ,. 77 5 ,. I 90 ,. 78,2. 81 5 ,. 6 78 ,. 81, 3. 72 5 ,. 73 8 ,. 77 O ,. 75 O ,. 9 74 ,. 〔 2 〕幅跳 〔 〕水配 3. 53 4 ,. 58 4 ‘. 2 71 ,. 3 58,. 62 7 ,. 63 I ,. 63 I ,. 5 72 ,. 60 7 ,. 66 6 ,. 64% か ら 9 0%ま でと 幅が あるが, 特に 「小」. 〔 〕太陽 4. 68 7 .. 65 4 ,. 5 72 ,. 67 9 ,. 69 8 .. で, 国際的な問題状況である 〔3〕 の肯定率 が比較的高いことが特徴的である。 ⑦ 「数学の実用性の価値しかない」 について. 全体 では65%前後であり, 特に 「高」 は ど れも70%を越 える。 ②と合わせてみると,「扱 っ てみたい」 が 「時間がない」 とい っ た実態. 問題 ごと の肯定率は,表 11の通り である。. を読み取ることができる。 限られた時間数の. ‐48−.

(8)  . 1 ⑦の肯定率( % ) 表1. ⑦. 小. 中. 高. 中高. 全体. 〕幅跳 〔 2 〔 〕水配 3. 11 5 .. 12 I ,. 14 2 ,. 14 3 .. O 13 ,. 13 7 ,. 12 4 ,. 10,O. 11 9 ,. 〔 〕太陽 4. 13 O ,. 9,8. 9 7 ,. 14 3 , 15 5 ,. 10 8 ,. どれも10%前後の 肯定率である。すなわち,. 90%前後の教師が, 社会的文脈の問題を算 数・数学を使って解決することの重要性を認 識 していること が わかる。 ⑧ 「小 グルー プで取り組 ませた い」 について 2の通り である。 問題 ごと の肯 定率は, 表 1. との指摘もあると考えられる。 ⑲ 「総合的な学習の時間がよい」 について 問題 ごと の肯 定率は, 表 14の通りである。. % ) 表14 ⑲の肯定率(. ⑩ 〔 〕幅跳 2 〔 3 〕水配 〕太陽 〔 4. 小. 中. 高. 中高. 全体. 3 12 ,. 19 I .. 41 2 .. 39 3 ,. 28 7 .. 33 5 ,. 28,8. 2 38 ,. 6 38 ,. 49 I , 6 56 .. 59 5 , 63 I .. 40 5 . 48 O ,. 「小」 「中」 と 「高」 「中高」 で違いが見 られ る。 特に 「高」 「中高」 では, 国際的や公共的 な問題状況である 〔3〕,〔4 月こついて は 「総. 小. 中. 高. 中高. 全体. 合的な学習の時間」での扱いに肯定的である。 ⑰ 「学校教育で扱う必要はない」 について. 〔 〕幅跳 2 〔 〕水配 3. 672. 80,2. 80 9 ,. 4 76 ,. I 78 ,. 問題 ごとの肯 定率は, 表15の通りで ある。. 67 9 ,. 8 77 ,. I 81 .. 8 79 ,. 78 O ,. 〕太陽 〔 4. 65 6 ,. 77 2 .. 78 8 ,. 6 78 .. 2 76 ,. % ) 表12 ⑧の肯定率(. ⑧. % ) 表15 ⑪の肯定率(. ⑪. 小. 中. 高. 中高. 全体. 「小」は最大 でも約68%で あるが,他 は80%. 〔 〕幅跳 2. 10 7 ,. 7 7 .. 6 6 ,. ,10.8、. 8. 3. 前後である。 数理科学的意思決定力の授業で は, すべての子 どもがその過程に参画し選択 肢を創出すること, そして他の選択肢の背景 にある価値観 等を理解 した上でそれらを比 較・検討し, 文脈に即して合意形成を図り, ) 意思決定を行うことになる (西村, 2014 。. 〔 〕水配 3 〔 〕太陽 4. 13 8 . 15 3 ,. 9 I ,. 6,O. 13 1 ,. 9,O. 10 4 ,. 7.6. 9.5. 10 O ,. その場合, ペ アで選択 肢を創 出 し, いく つ か. 10%前後 の肯 定 率である。 ま た, 表 中には 示 していないが, 否 定的反応 である 「ま っ た. くそうではない」 の反応率は, 全体では 〔2〕 が 48 5%, 〔4〕 が 41 4%で あ 3%, 〔3〕 が 42 . , ,. り, どれも 40%を超 える。. のペアを束ねたグループで選択肢を洗練する 段階が重要である こと を強調 したい。 ⑨ 「算数・数学で扱 っ た方がよい」 につ いて 問題 ごとの肯定率は, 表13の通り である。. % ) 表13 ⑨の肯定率(. 小. 中. 高. 中高. 全体. O 71 ,. 58,8. 58 4 .. 63 7 ,. 56.5. 67 8 . I 55 ,. 55 I ,. 54 7 ,. O 56 ,. 〔 〕太陽 44,I 4. 47 7 .. 48 2 .. 4 46 ,. 47 2 ,. ⑨ 〕幅跳 〔 2 〔 〕水配 3. 「小」 「中」 では, 〔2〕 (幅跳び) は 70% .前後 である が,他 は50%前後である。特に〔4〕. (太陽光パネ ル) は肯定率が低い。 半数近い 教師は算数o数学の授業で扱う内容ではない と捉 えている。 ここには, “どこに算数・数学 があるの力ぞ,“どんな算数・数学 が あるの力ぞ. 4. 教師の傾向と教師教育的視座からの検討 本調査の結果から, 学校種や問題状況によ っ て捉 え方 の傾 向 には違いが見られるものの,. 「意思決定に関わる問題」 についてはおおむ ね肯定的な傾向が見られた。 しかし, 条件を 自ら設定する問題は数学的ではないと捉える 教師も少 なく ない。 また, このような問題 は 「好き だ」 とする ものの, 「授業で扱う」 こと. の肯定率は低下する。 さらに, 「数学的な資 質・能力 を伸 ばす」 ことにつな がるとする一. 方で,「算数・数学で扱う」 ことに否定的な捉 え方も見受けられた。 また, 約9割の教師は 「意思決定に関わる問題」 の学校教育的意義 について認識 しているが, 教科横断的な側面. ‐49−.

(9)  . も多いことから 「総合的な学習の時間」 で扱 うことに肯定的な考え方もある。. 状況に対して当事者が価値を付与できる必要. がある一方で, それがある程度の汎用性 (転. 3 3 ( )⑨でも触れたように, 「意思決定に関わる問題」 の解決に必要な算 数・数学の内容が関係していると考えられる。 本調査で挙げた「意思決定に関わる問題」は, 数学的な内容が高度というわけではない。 し. 移可能性)が見込 めるも,のである必要が ある。. こ こ に は, 上 記. か し, これま での授 業実践では, 児童・生徒. 自らが確率的な要素を取り入れたり決定木を 導入したりするなどして, より洗練された選. .このような力 は,21世紀を生きる子 どもたち. に求められる能力であることを, 算数・数学 科教師は再認識する必要があると考える。 「意思決定に関わる問題」 は, 児童・生徒 を取り巻く現実の問題を, 数学的視座から真 に考察する数学的活動につながることを強調 した い。. 択肢が創 出 さ れていたこと を記 して おきたい 。. なお, 筆者らの研究では,「数理科学的意思決 定」 を数学教育において具体化することを目 指 してい るが,「総合的な学習の時 間 “こおい. ての実践も視野に入れて検討している。「総合 的な学習の時間」 を通して, 算数・数学の重 要性をより顕在化する意図がある。. ところ で,.表 1 , 2 で示 したよう に, 算数・. 数学科教師は, 日々の授業において 「多様な 答えが存在する問題」 を用いることは少ない ものの, 「理想」 と して示されたように 6 割 近い教師が その重要性を 認識 している。 さら. に学校種を問わず, 児童・生徒が身につける 力として,「現実世界の問題」 を解決する力に ついて9割近い教師が将来的には重視すべき であると捉 え ている。 しか しその一方で,「教 養 や文 化」 , 「社会の構 築」, 「将来の仕事」 に. 関わる力の重要度は学校種において差があり, ま た,「コ ン ピュ ー タの活用」 「協力 しながら ,. 5. まとめと今後の課題 本稿では, 教師を対象とする質問紙調査か ら教師の 「意思決定に関わる問題」 の捉え方 の傾向について分析した。 その結果, 数理科 学的意思決定力を育成することを肯定的に捉 えた場合,「意思決定に関わる問題」 を算数・ 数学の問題と捉えるかということに根本的な 課題があると考えられた。 これには学校種に 応じた問題状況を求める声もあろうが, これ までの私たちの実践授業から, 同一の問題状 況でも, 児童・生徒は学校段階に応じた選択 肢を創出しこれを洗練させていく活動がみら れた。「数理科学的意思決定力の育成」 に着目 した授業実践の可能性は, 教師の数学観や数 学教育観等に依存していると考える。 ‐ては, 本調査の自 本研究の今後の 課題と し. 由記述の分析を通して, 教師の捉え方の傾向 をさらに 検討すること であると考 え ている。. 解く」 は学校種によってはあまり重視されて いない傾向にある。 これらは数理科学的意思 決定力の育成に関する今後の検討課題の一つ. なお, 本調査の集計は, 北海道教育大学大 学院生の大刀自1祥平君の協力を得てなされた。 .. であるが, 総 じて, 「意思決定に関わる問 題」. 引用・参考文献 西村圭一( 2 01 3 ) ,『社会的文脈における数学的 判断力の育成に関する総合的研究』 ,科研報. を算数・数学の問題と捉えるかの認識の違い が根本にある。 解が一意的に決まらない “算 数・数学” への着 目な ど, 算数・数学科教師. の数学観や数学教育観等について, より一層 の変容が求められよう。 「数理科学的意思決定」 は 文脈依存で価 , 値観付与型のプロセス であり, 提示する問題. 告 書,. .. 西村圭一( 14 20 ) ,「数理科学的意思決定力を育 む数学教育の展望」 , 日本数学教育学会『第 2回春期研究大会論文集』 61 64 ‐ , pp , ,. 口50−.

(10)    . 第3回. 春期研究大会 論文集 平成2 7年6月2 8日(日). 東. 京. 理. 科. 主催. 大. 日. 本. 学. 数. 学. 教. 共催. 日本教育大学協会. 後援. 東. 京. 理. 科. 育. 学. 会. 数学部門 大. 学.

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参照

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