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食事管理が影響する慢性疾患を持つ子どもへの保育所および学校給食の現状と望まれる給食の体制

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Academic year: 2021

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(1)食事管理が影響する慢性疾患を持つ子どもへの保育所および学校給食の現状と望まれる給食の体制. 教科・領域教育学専攻 生活・健康系コース 学籍番号:M06298J 近藤誓子. 1.背景と目的. る。. 2.調査方法.  近年,食物アレルギー,糖尿病や腎疾患などの. 食事管理が影響する慢性疾患を有する児童の数.  次の3項目について調査した。. は増加傾向にある。これらの児童は,家庭以外の. ①食物アレルギー児への小学校における給食対. 場所でも食事管理を必要としており,学校や保育. 応の実際について,神戸市立小学校2校の栄養教. 所などの集団生活での給食でも,特別な対応が行. 諭を対象に聞き取り調査を行った。. わなければならない状況下にある。. ②食物アレルギー児への保育所における給食対.  文部科学省は,アレルギー疾患を有する子供達. 応の実際について,神戸市公立および民間の保育. に対して,給食を含めた学校での取り組みについ. 所174施設にアンケート調査を行った。. てのガイドラインを作成している。厚生労働省は,. ③食物アレルギー児以外の慢性疾患児の給食に. 保育所保育指針で,体調不良児や食物アレルギー. 対する要望などについて,兵庫県立こども病院に. 児などへの給食にあたっては,心身の状態に応じ. 通院し,栄養指導を受けている患児の保護者14. た適切な対応を行うよう示している。これらの指. .名を対象にアンケート調査を行った。. 針に基づいて,行政担当部署による手引書が作成. 3.結果. されたり,各施設が状況に応じた個別対応に努力. ①小学校給食におけるアレルギー対応:小学校で. したりしている。. は,神戸市教育委員会のマニュアルに従い給食対.  これまでの食物アレルギー児への給食対応に. 応をしていた。アレルギー対応食への申請時には. 関する研究は対象食の実施率,対応の困難さ,優. 医師の診断書を必要としており,対応の基本は原. 先的に講じられるべき対策等に関するものがあ. 因食品の除去のみであった。除去食品は「調理最. るが,より良い給食のために各施設がどのような. 終段階の卵のみ」であるが,マニュアル作成以前. 取り組みを行っているかについての具体的事例. の入学生には,これまで通り,他の原因食品除去. の報告は見当たらない。また,給食に視点をおい. の対応もしていた。各校では安全性の確保を重視. た慢性疾患児側の要望に関する報告もない。. した工夫をしており,職員間の情報交換や誤配を.  本研究は,食物アレルギー児への給食対応のう. 防ぐために食物アレルギー児個人を特定する方. ち,主として保育所施設を対象として,実際に活. 法が採られていた。食物アレルギー児が他の児童. 用されている代替食の内容や給食を間違いなく. と異なる食事を摂ることで疎外感を抱かないよ. 提供する方法,情報交換に関する工夫,対象児へ. うにするために,低学年の間には給食の時間に担. の精神的配慮などについて調査することを目的. 任が見守ることはあるが,学年が上がるに従い自. としており,併せで優性疾患患児を対象に学校給. 己管理能力が養われ,その必要性が少なくなるよ. 食への要望などについても調査した。これらの情. うであった。. 報を広く共有することで,よりきめ細かな対応が.  施設設備の不備が指摘され,今後,設備の充実. 可能になり,給食体制の改善に繋がると考えられ. や人員の充足,さらには全教職員の食物アレルギ. 一508■.

(2) 一に対する認識を十分にし,個々のアレルギー児. 校側に中し出た要望は,受け入れられる事例,衛. の把握に努めることで,さらなる要望への対応が. 生管理や安全性の理由により断られる事例,双方. 可能であろうとの回答があった。. があったが,保護者の多くは,学校側の配慮を感. ②食物アレルギー児への保育所における給食対. じとっていた。弁当を持参する児童もあり,出来. 応の実際:除去を必要とする食品は計49種類で,. れば皆と同じ給食を食べたいと希望しており,そ. 1施設あたりの除去必要食品数の最多数は11種類. めために担当栄養士との対話を要望していた。. であった。このため,対応の多様化による給食提. 4.まとめ. 供の困難さも回答された。公立保育所は神戸市の.  食物アレルギー及び,その他の慢性疾患では適. 手引書に従ってアレルギー原因食品の除去のみ. 切な食事管理が必要である。学校や保育所などの. の給食対応をしていたが,民間保育所ではこれに. 給食において,集団の中の個別対応には限界があ. 相当するものが無いことから各保育所で個別に. るとされている。しかしながら,他の児童と同様. 対応していた。. に集団生活を楽しみ,共に学ぶことを前提に考え.  民間では,アレルギー対応食申請時に医師の診. るならば,可能な対応策を講じることは当然であ. 断書を必要としておらず,保護者からの要望のみ. ると考えられる。. で除去が可であったが,その中には除去の必要性. ①食物アレルギー児への給食対応:提供側の学校. を判断しかねる場合もあり,対応が困難であると. や保育所は,アレルギー児のために多くの配慮と. していた。代替食品や代替料理を使用している施. 工夫を行って給食提供をしていることが明らか. 設が70.6%あった。料理の仕上がりを同じくする. となった。正確で安全な給食提供のための工夫の. 盛り付け,彩り,分量に関して配慮されており,. みならず,対象児に対する精神的配慮も多く含ま. 多くの具体的な事例を集めることができた。. れていた。.  公立及び民間を間わず,給食を間違いなく提供. ②慢性疾患児からの給食の要望1更なる精神的配. する方法として,先に調理を済ませたりするなど. 慮を要望し,担当者との対話を望む意見もあった。. の調理手順の明確さを重視する方法と,名前を記. 5.食物アレルギー児への給食対応において改善. すなどの個人を特定する方法が採られていた。情. すべき点と今後の課題. 報交換の具体的手段については,一覧表の作成や. ①改善すべき点:保護者と学校・施設が給食提供. 作業中の声がけなどの事例を得ることが出来た。. に関して十分な調整を行うことで,保護者からの. 記述回答では,r言葉かけ,複数人,連携,新し. 要望と学校あるいは施設での限界を双方が理解. い情報,認識」のキーワードが挙げられた。アレ. することが出来るものと思われる。状況に応じて,. ルギー児が疎外感を抱くことのないようにする. 他施設や医療機関との情報の共有などがなお一. ための配慮は,特別視しないことやアレルギー児. 層強化されることが望ましいと考えられる。そし. に言葉をかけるなどであった。今後,除去食品の. て,スタッフが対象児の様子を十分に把握し,疾. 種類やアレルギー児の人数が増えた場合,現在の. 患に関して正確な知識を得ることが,安全で正確. 職員数では対応不十分となる不安感があること. な給食提供につながるものと思われる。. が分かった。また,これ以上の対応は危険である. ②今後の課題:安全性は最優先されるべきである. という見極めも必要との回答もあった。. が,現状の対応には限界もあり,施設設備や人員. ③’1蔓性疾患児保護者の給食に対する要望:ほとん. の充足,疾患に関する職員の認識の向上により,. どの慢性疾患児は,他児と同じ給食を食べていた. 更なる給食体制の改善が望まれる。. が,食材や分量の何らかの制限を行っていた。そ.           主任指導教員(岸田恵津). の際,栄養不足についての心配があげられた。学.           指導教員(増澤康男). 一509川.

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