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Genetic Analysis of Alcohol-Metabolizing Enzymes in Thermophilic Bacteria and Acetic Acid Bacteria

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Academic year: 2021

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Genetic Analysis of Alcohol-Metabolizing

Enzymes in Thermophilic Bacteria and Acetic

Acid Bacteria

著者

佐古田 久雄

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1

2 0 1 3 年 度 博 士 論 文 要 旨

Genetic Analysis of Alcohol-Metabolizing Enzymes in

Thermophilic Bacteria and Acetic Acid Bacteria

関 西 学 院 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 生 命 科 学 専 攻 藤 原 伸 介 研 究 室 佐古田久雄 第1章は好熱菌 Geobacillus stearothermophilus 由来の耐熱性アルコール脱水素酵 素(ADH-T)の触媒機構を解明し、さらに酵素の活性中心に存在するアミノ酸残基を他 の残基に置換し、野生型 ADH-T とは明らかに違った特徴を有する変異酵素を作出した。 まず、ADH-T 遺伝子(adhT)の構造解析に基づき、塩基配列から推定されるアミノ酸 配列を 2 種類の酢酸菌を含む起源の異なる複数のアルコール脱水素酵素(ADH)と比較 し、高度に保存されているアミノ酸残基があることを認めた。これらは高次構造に基づ いて触媒機構が提案されているウマ由来の ADH においても保存されていることを見出し た。比較解析の結果、ADH-T の触媒機構は亜鉛(Zn)とスレオニン残基(Thr40)のハイ ドロキシル基、ヒスチジン残基(His43)のイミダゾール環から構成されていると推定 された。著者は、部位特異的変異導入法によって、ADH 活性中心のアミノ酸残基をアラ ニンなどの活性基を持たないアミノ酸残基へ置換し作成した変異酵素が ADH 活性を有し ないことから、ADH-T の触媒機構を解明した。さらに、活性中心に存在する塩基性アミ ノ 酸 残 基 ( His43) を 強 塩 基 性 の ア ミ ノ 酸 残 基 ( ア ル ギ ニ ン ) に 変 換 し た 変 異 酵 素 (His43Arg)を作出した。変異酵素(His43Arg)の至適 pH は野生型酵素に比較して、 大きくアルカリ性にシフト (pH7.8 から pH9.0)した。 耐熱性アルコール脱水素酵素(ADH-T)は、枯草菌を宿主とした発現系を用いること によって、大量かつ安定に生産できることを示した。ADH-T の耐熱特性を利用し、形質 転換体の細胞抽出液を熱処理することによって、常温菌である宿主由来のタンパク質が 容易に除去された。複数の変異酵素を上記の手法で精製し、野生型 ADH-T および他の変 異酵素の諸特性を調べた。 第2章では、G. stearothermophilus 由来の耐熱性アルデヒド脱水素酵素(ALDH-T) 遺伝子(aldhT)の構造解析を行った。塩基配列から予想されるアミノ酸配列を 2 種類 の酢酸菌を含む起源の異なる複数のアルデヒド脱水素酵素(ALDH)と比較したところ、 高度に保存されているアミノ酸残基(Glu255, Cys289)があり、これらは先行して高次 構造に基づく触媒機構が提案されているヒト由来の ALDH においても保存されているこ とを見出した。さらに、大腸菌を宿主とした形質転換体において、効率的に生産する手 法を提供した。培地へのエタノール添加によって酵素の発現が誘導され、形質転換体を 用いて大量かつ安定的に ALDH-T を得ることができた。ALDH-T の耐熱特性を利用して、 第1章で述べた ADH-T と同様に、形質転換体から容易に精製可能であった。この精製酵

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2 素を用いて、ALDH-T の諸特性を調べた。酢酸菌は、食酢の生産に古くから利用されてい る身近な醸造微生物でありながら、代謝解析に関する研究成果は少なく、第1章および 第2章の結果は酢酸菌のアルコール代謝に関する知見を補完するものである。 第3章においては、組換えプラスミドの安定性に関する新しい概念を提案するととも に、実生産に応用可能な遺伝子組換え体を作出した。形質転換体による物質生産におい ては、組換えプラスミドが安定して宿主に維持されることが、極めて重要である。本章 では宿主が次の 3 件の要項を満たすことによって、組換えプラスミドにコードされた薬 剤耐性遺伝子に対応する抗生物質を培養系に添加することなく、組換えプラスミドが安 定的に宿主に維持されることを示した。本章では、大腸菌によるトリプトファン生産系 をモデルとして、組換えプラスミド安定性に関する新しい概念を提供した。 宿主が必要とする 3 要件とは、(i)必須栄養素生産能を欠き、(ii)外部から当該必 須栄養素を取り込む能動輸送能を欠き、さらに(iii)当該必須栄養素生産能をコード する遺伝子を有する組換えプラスミドを導入することが可能であることである。 このような形質の宿主に必須栄養素生産能をコードする遺伝子を有する組換えプラ スミドを導入すると、得られた形質転換体は、完全培地および必須栄養素を含有しない 任意の培地(最少培地を含む)のいずれにおいても安定した増殖が可能である。しかし、 導入された組換えプラスミドが脱離すると、宿主(プラスミド脱離株)はいずれの培地 においても増殖が極めて悪くなり、形質転換体(組換えプラスミド保持株)のみが優位 に増殖する。すなわち、組換えプラスミドが宿主中に安定に保持される。このように、 上記の宿主を用いると、従来のように特定の薬剤を使用することなく、菌体内に組換え プラスミドが安定に保持され得る。さらに,薬剤を添加することなく、完全培地を利用 することが可能であるため、広範囲の培地原料が利用され得る。菌体外へ必須栄養素が 放出されるような場合にも本法の利用が可能である。本手法は、形質転換系を有する細 菌であれば宿主を選ばず、また、微生物の必須栄養素であれば、全てのアミノ酸、ビタ ミン類を生産物とすることが可能である。

結論において、好熱菌からクローニングされた ADH-T 遺伝子(adhT)および ALDH-T

遺伝子(aldhT)による遺伝学的解析を行うことによって得られた、好熱菌に留まらな

いアルコール代謝系酵素の知見を述べた。さらに、工業的に利用価値の高い組換えプラ スミドの安定性の概念を総括し、微生物種を超えた利用の広がりを展望した。

参照

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