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高・農「生産工程の管理」

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Academic year: 2021

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農業科「作物」学習指導案 1 単元名 作物 第3章 イネ 生産工程の管理 2 単元設定の理由 〇単元観 本単元は、生徒自らがイネの実習施設において特定したリスクについて対策を立案し、実行する ことで、リスクを回避及び低減、保有するリスクマネジメントに関する課題解決学習である。そのた め、主に農業生産工程管理(以下 GAP と称する)の取組を用いて、リスクに対する理解を深め、思 考力・判断力・表現力等を育成することで、リスクマネジメントの考え方を身に付けさせることを目 的とする。具体的には、イネの実習施設に関わる食品安全、環境保全、労働安全に関わるリスクマネ ジメントの考え方を班活動によって身に付けさせ、生徒自身で農産物の生産工程に潜むリスクに気 付き、対策を立案し、実行させることをねらいとする。 〇生徒観 本生徒は、1年次に農業の基礎を学習し、2年次から、「○○コース」を専攻して、農業機械を用 いた基礎的なイネの栽培等を学習した。そして、3年次では、イネの栽培等に関するさらに深い内容 を学習しているところである。実証授業を行うに当たって、今回は〇月に実態調査を実施した。その 中で「農産物は、どんな場所でどんな農薬や肥料を使用して、管理していたかといった生産の過程が 重要だと思いますか」という問いでは、〇%の生徒が肯定的な回答であった。また、「GAP の取組が 農産物の安全性を担保できると思いますか」という問いでは、〇%の生徒が肯定的な回答であった。 しかし、「1年次の科目『農業と環境』で学んだプロジェクト学習を活かして、2・3年次の農業実 習科目に主体的に新たな課題を見付けて臨んでいますか」という問いでは、〇%の生徒が否定的な回 答であった。また、「課題を解決するためにいろんな方法を自分なりに工夫して取り組むことができ ていますか」という問いで、〇%の生徒が否定的な回答であった。この結果から、生徒は、GAP の 取組を通して生産した農産物が安全であるとわかってはいるものの、自ら工夫して農産物を生産す ることには至っていないことがわかる。 〇指導観 本単元の指導にあたっては、GAP の取組を通して生産した農産物が安全であるとわかってはいる ものの、自ら工夫して農産物を生産することには至っていない生徒の現状を踏まえ、リスクマネジメ ントの見える化シートを用いる。見える化シートとは、農産物を安全に生産するためにリスクマネジ メントの経過ごとの各自や班の考えを記入することで可視化させるシートである。イネを生産する ために、農業生産者としてリスクを特定させ、班で協働してリスクの回避及び低減、保有させる対策 を考えさせ、審議させることで、リスクマネジメントの考え方を身に付けることを目的とする。GAP を取り上げ、生産と生産工程を工夫・改善するために、個人で考えたものを班で共有し、話合いを行 う場面を多く設定する学習活動を取り入れる。気付く、深める、活かすの三段階で構成し、各学習段

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階において、リスクマネジメントの見える化シートを用いる。気付く段階では、リスクを特定し、リ スクの原因や理由を考えてまとめさせる。深める段階では、特定したリスクのリスクレベルを決定 し、対策を考えさせる。活かす段階では、リスク対策を発表することで、見直し、改善を行わせる。 さらに、リスク対策を実行し、記録と評価を行わせる。最後に、リスクマネジメントについてまとめ と振り返りを行わせる。見える化シートに記入することで考えをまとめたり、見直し、改善ができ る。そして、活かす段階において、対策を実行することで、農業生産者としてリスクマネジメントの 考え方を身に付けた生徒を育成したいと考える。 3 単元指導目標(到達目標) ・農産物の安全ついて理解できる。 【知識及び技能】 ・イネの実習施設や実習施設の見取り図及び写真からリスクを特定できる。 【思考力・判断力・表現力等】 ・特定した全てのリスクのリスクレベルを決定し、対策を立案できる。 【思考力・判断力・表現力等】 ・リスク対策を実行することでリスクマネジメントの考え方を身に付けている。 【思考力・判断力・表現力等】 ・農業生産者としてまとめと振り返りができ、今後の農業生産に活かそうとする。 【学びに向かう力・人間性等】 4 指導計画(単元の配当時間 6時間) イネ 生産工程の管理 1 リスクマネジメントを理解し、リスクを特定する。・・・・・・(1時間) 2 リスクレベルを決め、対策を立案する。・・・・・・・・・・・(1時間) 3 対策を発表し、審査することで対策を改善する。・・・・・・・(2時間) 4 対策を実行し、記録と確認し合う。・・・・・・・・・・・・・(2時間) 5 手立て ・どんなリスクがあるかをでき得る限り洗い出し、リスクを特定させるために GAP の練習問題を 解かせ、GAP の事例や取組を確認させながら、見える化シート1を用いてリスクを可視化させ る。 ・リスク分析を的確に行うため、リスクマトリクスを使用し、班員全員の合意の上でリスクレベル を決め、見える化シート2を用いてリスク分析を可視化させる。 ・適切で実行可能なリスク対策を考えさせるため、考え出したリスク対策を班内で審査し、シミュ レーションすることで見直しと改善を行わせる。さらに、班ごとに同じ流れでリスク対策をもう 一度見直すことで、適切で実現可能なリスク対策を考え、見える化シート3-1を用いてリスク 対策を可視化させる。 ・適切にリスク対策を実行させるために、全員でリスク対策の優先順位を決め、リスク対策を実行 し、記録を取らせる。さらに、リスク対策が適切に実行されたか第三者が評価し、見える化シー

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ト3-2を用いて可視化することで、農業生産者としてまとめと振り返りを行わせる。 6 授業仮説 ・GAP の事例などを実習施設と比較し、練習問題を解くことで、リスクを特定することができる であろう。 ・リスクマトリクスを使用し、班員全員の合意の上でリスクレベルを決定することで、実現可能な リスク対策を立案できるであろう。 ・班や班ごとでリスク対策を発表し、シミュレーションし、見直し、改善することで、全員で実現 可能なリスク対策の優先順位を決めることができるであろう。 ・リスク対策を実行することでリスクマネジメントの考え方を身に付けることができるであろう。 ・イネの実習施設において、GAP の取組を用いた比較して可視化する活動を行えば、生徒はリス クマネジメントの考え方を学び、農業生産者としてリスクマネジメントの考え方を身に付ける ことができるであろう。 7 教材 ・教師…①教科書 作物(実教出版) ②見える化シート1 ③見える化シート2 ④見える化シート3-1 ⑤見える化シート3-2 ⑥実習施設の見取り図、写真 ⑦農業生産工程管理(GAP)の共通基盤に関するガイドライン(米)、これから始める GAP ⑧GAP 認証された精米、認証されていない精米 ⑨パソコン、プロジェクタ、スクリーン ⑩ルーブリック評価シート ・生徒…①教科書 作物(実教出版) ②見える化シート1 ③見える化シート2 ④見える化シート3-1 ⑤見える化シート3-2 ⑥実習施設の見取り図、写真 ⑦農業生産工程管理(GAP)の共通基盤に関するガイドライン(米)、これから始める GAP ⑧GAP 認証された精米、認証されていない精米 ⑨パソコン、プロジェクタ、スクリーン ⑩ルーブリック評価シート

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(5)学習の展開(学習指導過程) 段 階 学習内容・活動 教師の支援 指導上の留意点 教 材 時 間 配 当 学 習 形 態 評価 気 付 く 段 階 〇GAP認証された精米とGAP認証 されていない精米を比較する。 〇安全な農産物の生産について理 解する。 〇GAPの練習問題を解く。 〇GAPの取組を学ぶ。 〇リスクマネジメントの重要性を 理解する。 〇班を作り、役割を決める。 〇個人でリスク特定する 〇実習中の「ヒヤリ・ハット」を振 り返る。 〇GAPの事例や取組事項を確認す る。 〇リスクを伴う理由や原因を考え まとめる。 〇各自が特定したリスクを班内で 共有する。 〇目に見えない安全な農産物の生産に ついて理解させるため、GAP認証し ている精白米とGAP認証されていな い精白米を比較させる。 〇リスクマネジメントの重要性の理解 のために、GAPの取組を教え、GAP の練習問題を解かせる。 〇何をするか明確にし、課題意識や責 任感を持たせるため、生徒のリスク に対する考えに応じて班を作り、班 内の役割分担(司会、記録、計時、観 察者)させる。 〇リスクを特定のために、実習中の「ヒ ヤリ・ハット」を振り返らせる質問を 投げかけたり、GAPの事例や取組を 確認させる。また、実習施設の見取り 図及び写真と比較させる。 〇特定したリスクの理由や原因につい て、「どこで」「何が」「どうなってい る」のか順を追って考えさせる。 〇一人では思い付くことができないリ スクに気付くために、各自が特定し たリスクを班内でまとめながら共 有させる。 ① ⑧ ⑨ ⑩ ② ⑦ ⑨ ② ⑨ ② ⑥ ⑦ ⑨ ② ⑥ ⑦ ② ⑥ ⑦ 5分 10 分 5分 10 分 10 分 10 分 一斉 一斉 班 一斉 一斉 班 農 産物 の安全 につ い て理解できる。 【知識及び技能】 イ ネの 実習施 設や 実 習 施設 の見取 り図 及 び 写真 からリ スク を 特定できる。 【思考力・判断力・表 現力等】

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深 め る 段 階 〇個人でリスクマトリクスにリス クを当てはめる。 〇リスクの影響度や発生可能性を 点数化する仕方を学ぶ。 〇コンセンサスの方法を学ぶ。 〇班内でリスクレベルを決める。 〇リスクに対する対策を立案する。 〇リスク対策の考え方を学ぶ。 〇班内で対策を共有し、まとめる。 〇リスクレベルを決めさせるために、 リスクマトリクスを使用する。 〇リスクマトリクスの基準の考え方を 示す。 〇班員のリスクレベルに対する意思の 統一を図るために、コンセンサスの 方法を示す。 〇特定した全てのリスクのリスクレベ ルを決めるために、班内でリスクレ ベルを話し合わせる。 〇リスクの理由や原因からリスク対策 を考えさせる。 〇GAPの事例や取組、他の農業高校の 実践例などからリスク対策を考えさ せる。 〇同じようなリスク対策を一つにまと めるために、各自で考えたリスク対 策を班内で共有させる。 ③ ⑦ ⑨ ③ ⑥ ⑨ ② ③ ⑦ ⑨ ② ③ 10 分 10 分 20 分 10 分 一斉 班 一斉 班 特 定し た全て のリ ス ク のリ スクレ ベル を 決定し、対策を立案で きる。 【思考力・判断力・表 現力等】

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活 か す 段 階 〇発表や審査の仕方を学ぶ。 〇リスク対策を班内で発表や審査 する。 〇班内審査の結果からリスク対策 の見直し、改善をする。 〇班ごとにリスク対策をまとめる。 〇改善したリスク対策を班ごとに 発表し、他班が審査する。 〇他班審査の結果からリスク対策 を見直し、改善する。 〇全体でリスク対策の優先順位を 決める。 〇相手意識を持って発表させ、対策の 有効性を適正に審査するために、発 表の仕方や審査基準、審査の心得を 示す。 〇リスク対策の改善につながるアドバ イスとなるように審査させる。 〇リスク対策の見直し、改善させるた めに、リスク対策をシミュレーショ ンさせる。 〇班ごとに発表する際に責任感や協調 性を持たせるために、班内で発表す る役割分担を生徒に決めさせる。 〇ジグソー法を用いて他班審査させる ことで、お互いに客観的に対策を審 査し合わせる。 〇実習施設の見取り図及び写真を使い ながら具体的に発表するように指示 する。 〇リスク対策の見直し、改善させるた めに、リスク対策をシミュレーショ ンさせる。 〇優先順位を決めさせるために、リス ク対策を「誰が」「何を」「いつ」「ど のように」実行するか考えさせる。 ④ ⑨ ④ ⑥ ⑨ ② ③ ④ ⑥ ⑤ ⑤ ⑥ ⑧ ⑨ ⑤ ⑥ ③ ⑤ ⑥ 5分 15 分 15 分 10 分 30 分 15 分 10 分 一斉 班 班 班 班 班 一斉 全 員で 実現可 能な リ ス ク対 策の優 先順 位 を 決め ること がで き る。 【思考力・判断力・表 現力等】 リ スク 対策を 実行 す

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〇リスク対策を実行する。 〇実行したリスク対策の日付や担 当者などの記録を取る。 〇リスク対策の結果を確認する。 〇リスクマネジメントについてま とめと振り返りを行い、最後に自 己評価する。 〇立案したリスク対策の通りに実行で きるように見える化シートを確認さ せながら班ごとに実行させる。 〇「誰が」「何を」「いつ」「どのように 」実行したのか記録を取らせる。 〇第三者から評価をさせるために、他 班から適正にリスク対策が実行され たか確認をさせる。 〇農業生産者としてまとめをさせるた めに、実習施設の写真などからリス ク対策を実行する前と後を比較させ る。 〇GAPの共通基盤に関するガイドライ ンを確認させ、振り返りをさせる。 〇ルーブリック評価シートによる自己 評価を行わせる。 ⑤ ⑦ ⑤ ⑦ ⑤ ⑦ ⑤ ⑥ ⑨ ⑤ ⑦ ⑩ 75 分 5分 10 分 5 分 5 分 班 班 班 一斉 一斉 る こと でリス クマ ネ ジ メン トの考 え方 を 身に付けている。 【思考力・判断力・表 現力等】 農 業生 産者と して ま と めと 振り返 りが で き、今後の農業生産に 活かそうとする。 【学びに向かう力・人 間性等】

参照

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