JAIST Repository: ポリプロピレンの劣化開始反応及びその要因に関する研究
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(2) ポリプロピレンの劣化開始反応及びその要因に関する研究. C18p9. 寺西 英司(寺野研究室) 【緒言】ポリプロピレン(PP)は、成形加工性に優れる、安価である、環境に優しい等の優れた長所 を有しているが、容易に劣化することが欠点として挙げられている。そのため、PP の劣化に関する様々 な研究が行われているが、特に劣化開始反応の詳細についてはほとんど知見がない。従来の劣化試験で は、実使用時を想定し、企業で製造された PP が用いられている。そのため、劣化開始反応に関する知 見を得ることが困難であった。そこで本研究ではポリマーの合成を始め全ての実験を窒素雰囲気下で行 い、成型加工時におこると考えられる熱劣化における劣化開始反応及びその要因の解明を目的とした。 、 【実験】PP の合成は MgCl2 担持型 Ziegler 触媒を用い、助触媒としてトリエチルアルミニウム(TEA) 電子供与体としてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン、溶媒としてトルエンを用い、常圧スラリー 重合法で行った。重合の停止はモノマー供給の停止及び窒素フローによる残存モノマーの除去により行 った。重合停止後、触媒及び助触媒を取り除く為にトルエンを用いて、デカンテーションによる洗浄を 行い、30℃で減圧乾燥して試料とした。なお触媒活性は 25kg/mol-Ti、13C-NMR 測定により求めた mmmm 分率は 90mol%であった。 熱劣化条件は成形加工時を想定して温度 200℃、劣化時間 20 分、窒素雰囲気下とした。劣化進行は GPC 測定による分子量の変化、FT-Raman 測定による C=C 結合量の変化により評価した。 【結果と考察】Fig.1 に GPC 曲線による、PP 洗浄の有無による劣化への影響を示す。洗浄した時には 劣化の進行が見られなかったのに対し、洗浄なしでは劣化が進行した。触媒残渣量測定により、洗浄な しでは Al 残渣量のみ多いことから、劣化開始要因として Al 化合物が関与していると考えた。さらに、 Al 化合物の状態による影響を調べるために、洗浄なしの試料に EtOH/水を加えてエチル基を含まない Al 種として比較を行った。その結果、エチル基を含まない Al 種では劣化が進行しないことが確認でき た。また窒素雰囲気下において分子量の低下が起こると C=C 結合の低下が起こると考えられる。そこ で C=C 結合に対して感度が良い FT-Raman 測定を行った。その結果、Fig.2 に示すように TEA を含ん だ試料は C=C 結合量の増加が見られたのに対して、エチル基を含まない Al 種においては C=C 結合の 増加が見られず劣化が進行しないことが確認できた。このことから、助触媒である TEA により、PP の 第三級炭素上にラジカルが生成し、主鎖切断反応が起こると推察した。 以上の結果より、劣化開始要因として PP 中に残存している助触媒が作用していることが確認できた。 Virgin Washed Not washed. 0.025. ○Not washed PP ▲Not washed PP + EtOH/H2O. IC=C. 0.02 0.015 0.01 0.005 0. Low. High Molecular weight Fig.1 GPC curves of degraded PPs.. 20 30 40 50 60 Degradation time / min Fig.2 Dependence of C=C concentration on thermal degradation. 0. 10. Keywords ポリプロピレン、Ziegler 触媒、劣化開始要因、トリエチルアルミニウム.
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