高度情報化社会におけるメディアと権力
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(2) ネッ ト等 の新 しい メデ ィ アの影 響 力 は計 り知 れ な い と こ ろが あ る。 そ の よ うな現 象 を読 み 解 くた め の枠 組 み 、 理 論 装 置 を 整 理 して い くと い う課 題 の一 環 と して 本 稿 で は主 と して 「 権 力 論 」 とい う主 と して社 会 学 な どで 蓄 積 され て きた 分 野 と関連 させ て高 度 情 報 化 社 会 ・高度 メデ ィア化 社 会 の 問題 を 考察 す る 。 具 体 的 に は 、本 稿 の課 題 は次 の よ うな 点 に あ る 。 第1に 、 現 代 権 力 論 の 重 要 な課 題 が 、 社 会 構 造 の変 動 に よ って変 質 して き て い る とい う点 で あ る。 と りわ け 、 社 会 が メデ ィアに よ って 再 生 産 され て きて い る度 合 い の増 大 が、 メデ ィア の もつ 権 力性 の契 機 を 飛躍 的 に増 幅 して い る点 を 欠 い た 権 力概 念 ・権 力 論 が 現 代 社 会 分 析 に は有 効 性 を もた な くな って きて い る 点 で あ る。 第2に 、 そ の よ うな 社 会 構 造 が メデ ィア媒 介 的 に再 生 産 さ れ る とい う こ とが、 メデ ィ アの もつ 「効 果」 論 に対 して もつ 意 味 を 考 慮 に 入れ つ つ 、 どの よ うに論 じられ る か とい うこ とで あ る。 従 来 展 開 され て き た マス メ デ ィア の受 容効 果 論 は 、 今 日の メ デ ィア の効 果 を考 察 す る さい に は 、 か な り大胆 な パ ラダ イ ム チ ェン ジが 必 要 で あ る と思 わ れ る。 それ は 、社 会 に おけ る メデ ィ アの表 象 作 用 の変 質 、社 会 の 「体 験 構 造 」 の変 質 や リア リテ ィー感 覚 の変 容 との 関連 で 問 われ な け れ ば な らな い 、 とい う ことを 意 味 す る。 第3に 、 この点 を 踏 ま えて 、 従 来 の権 力概 念 、 お よび 権 力 類 型 論 につ いて の再 検 討 が な さな け れ ば な らな い。 メデ ィ アの 効 果 論 は メ デ ィアの 権 力 論 との 関 係 で も再 検 討 され な けれ ば な らな い。 メデ ィア と権 力 とい うテ ーマ は 、 典型 的 に は 「民 衆 → 権 力 の 政 治 的 上 昇 過 程」 と 「 権力→民衆 の 政治 的下 降過 程 」な ど と単 純 に 類 型 化 ・整 理 され る場 合 が 多 か っ た(3)。 しか し、影 響 力 の質 を 整 理 し、類 型 化 す る とい うこ とだ け か ら も、 あ る種 の 展 望 は 見 え て くるは ず で あ る。 メデ ィア の効 果 を、 「 条 件 付 け」 とす る見 解 も 、修 正 を必 要 とす る はず で あ る。 最 後 に 、新 しい 情 報 メデ ィ アが 、 と りわ け マ ス メデ ィ アの 有 す る権 力作 用 を どの よ うに 変 質 さ せ て い くか 、 とい うテ ーマ に 関 す る若 干 の理 論 的 見通 しが 検討 され る。 これ は、 い まだ に 見 通 し の定 ま ら な い問 題 で あ る が 、 今 日 もっ と もア クチ ュア ル な テ ーマ で あ る。 全 体 と しては 、 メデ ィ ア と権 力 に関 す る構 造 論 的接 近 、 とい うこ とに な る。 な に よ りも、 現 代 社 会 の再 生 産 に お け る メデ ィア の役 割 の決 定 的 な変 化 とい う視 角 か ら、現 代 人 の 日常 生 活 再 生 産 に お け る リア リテ ィ感 覚 の変 容 、体験 構 造 の変 容 、 そ の こ とが もつ メデ ィア との 関 係 の変 質(表 象 と リア リテ ィー との 関 係 の変 化)と い う点 か ら、 マ ス メ デ ィア の もつ 役 割 が 根 本 的 に変 化 して きて い る可 能 性 を指 摘 ・分析 す る こ とに主 眼 が あ る。 また 、 マス メデ ィア は現 代 、 社 会 の意 見(世 論)を 表 象 す る機 関 とい う虚 構 の うえ に な りた っ てい る。 しか し、 この よ うな虚 構 が ます ます 虚 構 に な りつ つ あ る とい うこ と、 そ の意 味 は何 か 、 とい うこ とで あ る。 表 象 と現 実 の変 化 の方 向 性 を 見 定 め る、 とい うこ とで あ る。.
(3) 第1節 現 代 権 力 論 の 条 件 一社 会 構 造 の 変 動 と再 生産 との 関連 で 一. 権 力 現 象 とは 何 か 社 会 シス テ ムが 秩 序 あ る状 態 を 保 つ た め に は 「 権 力」 が必 要 で あ る、 と され て い る。 社 会 的 生 活 が 営 まれ るた め に は 、 あ る種 の 共 同性 が必 要 で あ り、 複 数 の意 思 や 欲 求 が そ の よ う な 共 同 の た め に 調 整 され る必 要 が あ る。 例 え ば デ ィ ドロは 政 治 的 権威 に 関 して 「な に び とも 、他 人 に命 令 す る権 利 を 自然 か ら与 え られ た の で は な い 。 自 由は 天 の賜 物 で あ り、 同 じ人 類 に属 す る各 人 は 、 彼 が 理性 を 享 有 す るや い な や 自由 を 享 有 す る権 利 を もつ の で あ る。 も し、 自然 が何 らか の権 威 を 設 け た と した ら、 それ は 父 権 で あ る。 しか し父 権 は 、 そ の 限界 を も って い る。 自然 状 態 に お い て は 、 子供 が 自立 の 状態 に な る と直 ち に 父権 は終 了す る で あ ろ う。 ほ か の あ らゆ る権 威 は 、 自然 とは 異 な った起 源 か ら発 して い る。 十 分 に検 討 す る な ら、 人 々 は権 威 を次 の二 つ の 源 の 一 つ に 、 常 に さか の ぼ らす で あ ろ う。 す な わ ち 、権 威 を さ ん奪 した人 の力 お よび暴 力 、 も し くは 、 人 民 と彼 らが権 威 を授 け た人 との あ い だ に結 ばれ た、 ま た は仮 定 され た 契 約 に よ って 権 威 に従 った 人 々の承 諾 がそ れ で あ る」(5)。 また 、 「 暴 力 に よっ て獲 得 され た権 力 は さ ん奪 に ほ か な らな い し、ま た 、命 令 す る人 の力 が 、服 従 す る人 々 の力 に優 る あい だ しか 継 続 しな い。 した が って 、服 従 者 が このた び は最 強 者 に な り、 を 外 した とす る な らば 、彼 らは 、軛 を 課 した権 力者 と同 じ権 利 と正 義 を も って 、 範 を 外 す の で 軛 あ る。 権 威 を 作 った 同 じ法 が 、 か くて 権威 を破 壊 す る。 それ が最 強 者 の 法 で あ る。」(6)と述 べ た。 「権 力」 の 無 い 状態 、 これ を アナ ー キ ス トた ち は無 政 府 状 態 と呼 び 、 理 想 化 した 。逆 に 、近 代 自然 法 論 者 た ち は 自然 状態 と して危 険視 した。 しか し少 な く とも近 代 社 会 が 現 代 まで 展 開 して き た な か で 、権 力 現 象 が無 い とい う状 態 は な か っ た。 権 力 を 最 小 限 に 押 さえ よ うとす る試 み は逆 に 権 力 の 巨大 化 に よ って し っぺ が え しを受 け て きた 。 権 力 が 無 い 状 態 を考 え られ な い 以 上、 現 代 人 は権 力 と付 き合 って い か ざ る を え な い。 権 力の 「 本 質 」 を実 体 的 な る も の に み るか 関 係 的 な る もの に み るか は 分 か れ る と ころだ が 、 こ こで は 関係 的 な る もの に よ り 「 深 層 」 を 形 成 して い る と考 え る 立場 に た つ。 何 故 な らば、 権 力 の 「本 質 」 が 実 体 的 な る ものに あ る とす る な らば 、 実 体 的 な る もの を破 棄 す る こ とに よ り権 力 現 象 が消 滅 す る とい う社 会 的 状 態 を 想 定 で き るの だ が 、 社 会 シス テ ムの歴 史 を踏 ま え る な らば、 権 力 現 象 は いつ ど こに で も生 じ うる とい う意 味 で 、 む しろ 関 係 的 な もの で あ る と考 え た方 が よ り リア ル な社 会 シ ス テ ム認 識 に 近 い と思 わ れ るか らで あ る(7)。 そ こで そ の こ と と関 連 して 、 現 代 社 会 に お け る権 力 現 象 を考 え て い く際 の第1の 条 件 は 、 権 力 現 象 が 政 治 的 現 象 だ け で は な く、 社 会 的 現 象 ま で広 げ て考 え る必 要 が あ り、 現 代 の権 力 観 は 、 社 会 の 隅 々に わ た る現 象 を 解析 可 能 な もの で な け れ ば な らな い 、 とい う点 で あ る。 権 力 現 象 の 中 心 は 公 的 権 力 ・国 家 権 力 で あ る とイ メ ー ジ され て きた。 そ の こ とは近 代 社 会 理 論 に お い て も同 様 で あ る。 確 か に 、 も っ と も強 力 な 権 力 は 国 家権 力 で あ る と も言 え る。 第1に 思 い浮 か べ られ る権 力 は 国 家 権 力 、 しか もそ の な か で物 理 的 な 暴 力 とい う形 態 で の権 力 とい うこ とに な るか も しれ な い。.
(4) 近 代 国 家 あ る いは 近 代 社 会 は 究 極 的 に は 警 察 力 や 軍 事 力 な どの物 理 的 暴 力 を 独 占 して い る こ とに よって 社 会 秩 序 を 維 持 して い る、 と まず 言 うこ とが で き るか も しれ な い 。 した が ってM・. ウ ェ ーバ ー は 権 力 を 定 義 して 「権 力 と は、 あ る社 会 的 関 係 の 内部 で 抵 抗 を排 し. て まで 自己 の意 志 を 貫 徹 す る す べ て の可 能 性 を 意 味 し、 この可 能 性 が 何 に 基 づ くか は 問 うと ころ で は な い」 と して また 、「支 配 とは 、 あ る 内容 の 命 令 を 下 した場 合 、特 定 の 人 々の 服 従 が 得 られ る 可 能 性 を 指 す 」 と し、 「 規 律 とは 、 あ る命 令 を 下 した 場 合 、 習慣 的態 度 に よ って 、特 定 の 多数 者 の 敏 速 な 自動 機 械 的 な 服 従 が得 られ る可 能 性 を 指 す」 と した うえ で 、 国家 を定 義 して 「あ る地 域 内 に お け る支 配 団 体 の存 立 とそ の秩 序 の 効 力 とが 、 行政 ス タッ フに よる物 理 的 強制 の使 用 お よび威 嚇 に よ って 永 続 的 に 保 証 され る 限 りに お い て 、 この 支 配 団 体 は 「政治 団体 」 と呼 ば れ 、政 治 的 強 制 団 体 の 経 営 は 、 そ の 行政 ス タ ッフが秩 序 の維 持 の た め の 正 当 な物 理 的強 制 手 段 の独 占 を有 効 に 要 求 す る 限 りに お い て 、 「国 家 」 と呼 ばれ る」(8)とした 。 ウ ェ ーバ ーの 定 義 は 、権 力 の定 義 に お い て は社 会 関 係 的 で あ るが 、 国家 の定 義 に お い て は物 理 的 暴 力 の 独 占 とい う実 体性 に基 礎 を 置 い た定 義 に な っ て い る とい うこ とが で き る。 しか し問 わ れ な け れ ば な らな い の は 国家 の 公 的 権 力 を 第1次 的 に物 理 的 暴 力 とい う形 態 性 の相 の も と に認 識 す るの が 今 日、 適 当 で あ るか とい うこ とで あ る。 ま た 、権 力 の 本 源 的 な形 態 は 社 会 関 係 な のか 政 治 関 係 な の か 、 とい うこ と も 自明 で は な い 。 ウ ェー バ ー の理 論 は こ こで一 貫 して は い な い。 また 、 権 力 の 定 義 は 意 思 の 貫徹 とい う直 接性 ・目的性 に よっ て定 義 され て い る(9)。 これ とは 別 に ア メ リカの政 治 学 者R・ ダ ー ル は権 力 を定 義 して 「 権 力 とは 以 下 の よ うな もの で あ る。 つ ま り、Aの 働 きか け が な け れ ばBは お こなわ な い で あ ろ うこ とを 、 AがBに ぎ りに お い て 、AはBに. 行 わ せ るか. 対 して 権 力 を もつ 」。 また 、別 の と ころ で 、権 力 現 象 は 「BがAの. 働 きか. け が な け れ ば 行 わ な い で あ ろ う こ とを 、 うま くBに 行 わ せ よ う とす るAの 企 て に か か わ って い る」(9)とす る。 この よ うな権 力 の定 義 は 「 反 実 仮 想 的 な」権 力 の 定義 と言 わ れ る が 、「反 実 仮 想 的 な 」 権 力 観 は 、 権 力 を ふ るわ れ る 主 体 の 抵抗 の有 無 を も って権 力を 定 義 す るの で は な く、抵 抗 な しの 場 合 に も権 力 が ふ る われ る場 合 が あ る の だ 、 とい う こ とを示 して い る こ とに あ る。 この場 合 の 権 力 は 、 影 響 力 とほ とん ど同義 に な る 。 ウ ェー バ ー と ダ ール の権 力 定 義 の違 い は 、現 代 社 会 に お け る権 力 現 象 を考 え て い く上 で の第2 の 条件 に か か わ る。 す なわ ち、 現 代 社 会 は大 衆 社 会 で あ る とい うこ と。 大 衆 社 会 の成 立 要件 の一 つ に マ ス ・メデ ィア の発 達 が あ る が 、 マ ス ・メ デ ィア な どを使 って の 大 衆操 作 、情 報 操 作 が行 わ れ る 可能 性 が 常 に あ る 、 とい うこ とを踏 ま え て の権 力 定 義 が な され な け れ ば な らな い 、 とい う点 で あ る。 そ の よ うな現 象 を扱 え な い権 力 論 は、 現 代 の権 力 論 の条 件 を満 た さな い とい え よ う。 こ こで ウ ェー バ ー の定 義 に 戻 れ ば、 ウ ェーバ ーの 定 義 は権 力 行 使者 の意 思 と権 力被 行 使 者 の抵 抗 を前 提 に権 力 が定 義 され て い た 。 しか し、 情 報 操 作 や 大 衆 操 作 が 問題 に な って くる場 合 に、 権 力 をふ るわ れ る もの の 「抵 抗 」 は 問題 に な って こな い 。 む し ろい か に抵 抗 な く操 作 す る のか 、 い か に抵 抗 少 な く権 力 をふ る うの か が 問 題 にな って くる。 つ ま り、 ウ ェー バ ー の定 義 は、 大 衆 操 作 や 情 報 操 作 ・世 論 操 作 な どの 現 象 を 権 力 現 象 と して 捉 え る こ とに 失敗 して い る と言 え る。 そ れ に.
(5) 対 して ダ ール の 権 力 の 定 義 は 、 権 力概 念 が影 響 力 と区別 で き な い と い う難 点 が あ りな が ら も、 大 衆 操 作 や 情 報 操 作 の よ うな 間接 的 な権 力 現 象 を そ の射 程 に 含 め る こ とが で き る とい う メ リ ッ トが あ る とい うこ とに な る。 現代 社 会 に お け る権 力 概 念 に求 め られ る第3の 条 件 は 、 自発 的服 従 、 マ イ ン ドコ ン トロー ル 、 洗 脳 の よ うな現 象 を分 析 可 能 な も ので な け れ ば な らな い とい う こ とで あ る。 高 度 に マ ス メ デ ィ ア が発 達 した社 会 に おけ る権 力 の形 態 と して 、 第2の 条 件 に あ げ た情 報 操 作 や 世 論 操 作 、 シ ンボ ル の操 作 に よ る大 衆 操 作 な どが あ げ られ る こ とは 言 うま で もな い。 しか し、 よ り深 い影 響 力 と して 広 告 の 分 野 な どで 問 題 に な る潜 在 意識 広 告 あ る い は マ ス ・メデ ィア の もつ 直 接 的 な効 果 で は な く、 長 期 的 な 影 響 力 を ど う見 るか とい う問題 や 、 新 々宗 教 や 自己 開 発 セ ミナ ーな どに お け る マ イ ン ド コ ン トロ ール 、 あ るい は 日本型 シ ス テ ム との関 連 でい えば 会社 人 間 の 問題 や 、教 育 や 家 庭 で働 い て い る力 、 例 え ば親 の意 思や 教 師 の意 思 に積 極 的/自 発 的 に従 う 「い い子 」 現 象 は 、 果 して 権 力 現 象 の 外 に あ る の か ど うか とい うと、 こ の よ うな 現 象 こそ現 代 的 な権 力 現 象 で あ る と思 わ れ る の で あ る。 この よ うに 日常 生 活 に おけ る 「自発 的服 従 」 場 面 に お い て働 いて い る力 ・社 会 的 権 力 は、 仮 に物 理 的 な暴 力 の転 移 した 形 態 と して 派 生 した もの で あ る と して も、 もは や 物 理 的 暴 力 を 典 型 性 と して認 識 し うる も ので は な い 、 とい うこ とが で きる。 以 上 、 現 代 権 力 論 は 、 ① 政 治 関 係 よ りも社 会 関係 に1次 性 を 置 き、 ② 直 接性 と と もに 間接 性 、 す な わ ち 「大 衆 操作 」 や 「 情 報 操 作 」 を そ の射 程 に いれ 、 また ③ 権 力 の 行使 者 や被 行 使 者 の 意 図 性 や 目的 性 が 欠 如 した 、潜 在 意 識 操 作 や 自発 的 服 従 を も対 象 に し うる権 力論 で な けれ ば な ら な い こ とを 述 べ た。 そ の うえ で 、本 稿 の基 本 的立 場 は、 権 力 を 結 果 と して 社 会秩 序 の形 成 ・維 持 ・変 更 に 寄 与 し、 そ して また そ の よ うな社 会 秩 序 の形 成 ・維 持 ・変 更 が 特 定 の 階層 や民 族 、 ジ ェン ダ ー の利 害 に有 利 な仕 組 み に な っ て い る場 合 に 、 そ の よ うな 力 が 直接 的 な権 力 行 使 で あ ろ うが 間 接 的 な権 力 作 用 で あ ろ うが、 権 力 現 象 で あ る、 と呼 ば な け れ ば な らな い と考 え る立 場 で あ る(11)。 ただ し、 この よ うな 考 え 方 に た つ 場 合 に 、権 力論 は 、社 会 構 造 認 識 ・社 会 シス テ ム認識 と密 接 に 関 連 して展 開 され な け れ ば な らな い とい う こ とに な り、 そ の意 味 で も、 抽 象 的 ・一 般 的 な 権 力 論 の展 開 は ほ とん ど無 意 味 と考 え る こ とに な る。. 2 メデ ィア と権 カ ー リア リテ ィ感 覚 の 変 容 と権 力 類 型 一. 以 上 の よ うな論 点 を踏 ま え た うえで 、 メデ ィ ア と権 力 とい う論 点 を 中心 に考 察 を す す め よ う。 権 力 とメ デ ィア の関 係 の考 察 は、 古 くは 古 代 ギ リシ ャに さか の ぼ らなけ れ ば な らな い の か も し れ な い。 プ ラ トン の洞 窟 の比 喩 が 有 名 で あ るが 、近 代 社 会 に おけ る メデ ィア と権 力 の 関 係 に つ い て深 い考 察 ・分 析 を 行 った ウ ォル タ ー ・リップ マ ン もま た、 この洞 窟 の 比 喩 か らそ の 著 書 を 始 め て い る。 そ こで は リア リテ ィ ーを 容 易 に認 識 で き な い人 間 社 会 の 姿 が 象 徴 され て い る。 リ ップ マ ン の著 書 が テ ーマ と した の は 、 大 衆社 会 化 が進 行 しつ つ あ り、 社 会 の 複 雑 性 が 増 大 しつ つ あ るな.
(6) か で 、社 会 の部 分 に しか ふ れ る こ とが で きな い 個 々の 人 間 が 、 い か に して りベ ラル な立 場 か ら全 体 社 会 像 ・イ メ ー ジを 描 き うるか 、 とい うこ とで あ り 『世 論 』 は そ うした テ ーマ を扱 った 古 典 的 名 著 で あ る とい うこ とが で きる 。 権 力 とメデ ィ アの 関 係 を 問 う と きの権 力概 念 及 び メデ ィア概 念 は 、 例 え ば 亘 明志 「メ デ ィア と 権 力 」(12)によれ ば 、権 力 と メデ ィ アを 対 立 的 に と らえ 、権 力 に よ る表 現 の 自由制 限や 検 閲 の廃 止 を 主 題 化 して きた 古 典 的 問題 設 定 と 「受 け 手 と送 り手 の構 造 的 分離 」 の も とで、 メ デ ィア の もつ 権 力 性 を 主 題 化 し、知 る権利 、情 報 開示 要 求 を メデ ィア に対 して も求 め 、 メ デ ィア に よる人 権 侵 害 等 々を 主 題 化 す る現 代 的 な 問題 設 定 とに 区 別 し うる。 また 、 よ り現 代 的 な 問題 設 定 で あ る 自発 的 服 従 や マイ ン ドコ ン トロー ル 、 言語 の もつ 権 力性 に関 す る諸 問題 な どが さ ら に こ こか ら 出 て く る。 こ こで は まず 、 権 力 概念 そ の もの が社 会構 造 の展 開 に伴 っ て 、歴 史 的 に展 開 ・転 換 す べ き性 格 を有 して い る とい う考 え か ら、権 力 概 念 の再 吟 味 を簡 単 に す る ことか ら始め よ う。 ア メ リカの 社 会 学 者 デ ニス ・ロ ング は権 力 論 の 系譜 を俯瞰 した著 書 の なか で次 の よ うな図 で 諸 概 念 の関 係 を 整 理 して い る(図1参. 照)(13). この うち、 操作 や説 得 、精 神 的 な強 制 等 々 が第1節 で述 べ た 権 力 の 現 代 的 な 形態 に 関 係す る。 この よ うな 権 力 の 現代 的 形態 を論 じる さ い に参 考 にな る考 え方 の 一 つ に ガル ブ レイ ス の 「 条件付 け 」 権 力 とい う考 え方 が あ る(14)。 ガ ル ブ レイ ス は ラス ウ ェル ら の権 力 類 型 の2区 分 、す な わ ち 、(I)報. 奨 権 力 と(Ⅲ)威. 嚇権 力. (ア メ とム チ)に 加 え て、(Ⅲ)条 件 づ け 権 力 とい う類 型 を 現 代 的 な 権 力 形 態 と して析 出 す る。同 時 に 、権 力 の 源泉 と して(I)個. 人 的 資 質 (Ⅲ)財 力 (Ⅲ)組 織 を あ げ 、組 織 に よ る条 件 づ. け権 力形 態 を も っ と も現 代 的 な権 力 と して あげ て い る(表1参. 照)。.
(7) 表1. 権力形態 権力源泉. 報 奨 権 力 威. 嚇. 権. 力 条 件 付 け権力. 個人的資質. ①. ②. ③. 財力. ④. ⑤. ⑥. 組織. ⑦. ⑧. ⑨. ネ ッ ト ワ ー ク. ⑩. ⑪. ⑫. 情報. ⑬. ⑭. ⑮. そ して 、組 織 に よる条 件 付 け の代 表 格 と して、 マス メデ ィ ア と宗教 を挙 げ る。 条 件 づ け とは そ も そ も、 間接 的 な権 力 行 使 形 態 の典 型 で あ り、 例 え ば 「転勤 命 令 に た い して拒 否 で きな い 会 社 人 間 」 「サ ー ビス残 業 を して しま う会 社 人 間」 「 教 師 の まえ で 優 等 生 を演 じて しま う学 生 」「家 事 は 女 性 がや る も のだ と思 い込 んで い る夫 」 「デ ー トで一 緒 に 食 事 を した と きに 男 の 方 が 食 事 代 を 払 う 場 合 が 多 い のは な ぜ か 」 とい うよ うな 日常 生 活 を 支配 して い る習 慣 の もつ 権 力 性 を 明 らか にす る 際 に 、 有 力 な 考 え 方 で あ る とい うこ とが で き る。 最 初 は 当 然 ・自然 で は な か った もの が 、 あ るい は よ く考 えて み る と疑 問 の 出 て くる 行為 で あ る の に 、 長 い 間条 件 づ け られ る うち に(パ ブ ロフ の犬 の よ うに)当 た り前 の 行為 規 範 と して成 立 し て し まい疑 問 に 思 わ な くな って し ま って い る行 為 形 成 の メ カ ニズ ムを 分 か りや す く説 明 し うる の で あ る。 権 力 の源 泉 と して これ に(の 型 論 とな りうる で あ ろ う。(表1参. ネッ トワー ク (Ⅴ)情 報 を 加 え れ ば 、 よ り現 代 的 な 権 力 類 照). だ が 、 幾 つ か の点 で、 現 代 的 な 権 力 現 象 を 分 析 す る際 に は不 十 分 で あ る。 と い うのは 、1)条 件 づ け 権 力 は あ くま でそ の他 の権 力 形 態 の派 生 的 な 形 態 と して把 握 され て い る。 パ ブ ロフの犬 の 例 を 考 えれ ば 端 的 に 分 か る よ うに 、 当 初 、 威 嚇 権 力 や報 奨 権 力 に よっ て餌 づ け され て い た犬 が 同 時 に 与 え られ て い た 信 号 に よ り威 嚇 権 力 や 報 奨 権 力 が無 くな っ て も、 信 号 だ け で 同 じよ うな反 応 を 示 す よ うに な る、 これ が 条 件 づ け 権 力 で あ る。 と ころ が 、 こ の よ うな条 件 づ け が 長 続 きす る根 拠 は この 考 え か らは 与 え られ な い 。 と ころ が 、 宗教 や メ デ ィア の もた らす 影 響 力 は 寧 ろ 、長 期 的 な 影 響 力 の 方 に あ った 。 した が って 、 宗 教 や メデ ィア の もつ 魔 力 を条 件 づ け権 力論 は 十 分 に解 き あ か す こ とが で きな い 。 「 合 理 的 な 」 枠 組 み に よ って 説 明 し よ う と しす ぎ て い る と こ ろ に 問題 が あ る。 2)条. 件 づ け権 力 論 は 現 代 的 な メデ ィア 現象 、権 力 現 象 を 解 き あか す うえ で キ イ コ ンセ プ トに な. る と思 わ れ る リア リテ ィ ー感 覚 の変 容 、 とい う論 点 を 組 み 入 れ る こ とが で きて い な い 、 とい う こ とで あ る。 逆 に 言 え ば 、条 件 づ け権 力 論 は確 固 た る リア リテ ィ ーの存 在 を 前提 に展 開 され て い る 理 論 で あ る とい う こ とが で き る。 この こ とを次 に、 情 報 操作 とマ イ ン ド ・コ ン トロー ル の違 い と い う論 点 で 明 らか に して み よ う と思 う。.
(8) 第3節. 新 しい権 力作 用 の 形 態 一 情 報操 作 と マ イ ン ドコ ン トロー ル ー. 新 しい 権 力作 用 の形 態 を 明 らか にす る際 にそ の ポ イ ン トとな る点 は 、 現 代 人 の 日常 生 活 の体 験 構 造 の 変化 、 リア リテ ィ感 覚 の変 化 ・変 容 と い うこ と で あ る。 そ もそ も、近 代 的 な権 力 作 用 は言 語 記 号 を媒 介 に した コ ミュニ ケー シ ョン形 態 を 通 じて 作 動 して きた とい い うる が、 言 語 を媒 介 に した 「説得 」 を主 と した コ ミュニ ケ ー シ ョン権 力 は、 だ い た い1920年 代 以 降 、大 衆 社 会 化 が 進 行 す るな か で そ の 限界 を 露 呈 しは じめ た。 全 体 主 義 、 フ ァ シズ ム現 象 に は 、 明 らか に、 言 語 を 中心 と した 近 代 的 な支 配 原 理 か らだ け で は捉 え き ら な い部 分 が あ り、 そ の よ うな 現象 を 分 析 した フ ロ ムの 「自由 か らの逃 走 」 論 も、 ア ドル ノ の 「権 威 主 義 的 パ ー ソナ リテ ィー」 論 も、 そ こか ら の逸 脱 を ど う理 論化 す るか を課 題 と して い る。 マイ ン ド ・コ ン トロー ル や 洗 脳 とい う権 力 作 用 と、 情 報 操作 ・大衆 操 作 ・世 論 操 作 な ど の権 力 作 用 の 違 い も この こと と関 係 す る 。 一 般 的 に 言 って 、 マ イ ン ド ・コ ン トロール と情 報 操 作 に は 次 の よ うな違 い あ る。 情 報 操 作 とは 、確 固 と した リア リテ ィが あ る場 合 を い う。 現 実 ・真 実 が 明確 に あ り、 した が っ て真 実/虚 偽 、 現実/非. 現 実 の 境 界線 が は っ き り して い る。 つ ま り、虚 偽 で あ る こ とが は っ き り. と操 作 当 事 者 に は わか って い る、 あ る い は操 作 され た 側 に も事後 的 に は判 明 し うる事 態 に た い し て言 わ れ る事 柄 で あ る 。情 報 操作 とい う概 念 に は、 情 報 そ の もの の操 作 と情 報 に よ る人 間 の 操 作 が含 まれ るが(15)、 どの よ うな情 報 操 作 に もそ の 両 面 が 含 まれ る と言 っ て い いだ ろ う。 例 え ば 、「湾 岸 戦 争 に お け る油 ま み れ の 水 鳥」 「 病 院 を襲 い 、 乳 幼 児 を殺戮 した イ ラ ク兵 とそ れ を 目撃 し た 少 女 の国 会 証 言 」 「いた ず ら書 き が刻 んで あ る珊 瑚 礁 の写 真 を と った カ メ ラマ ン ・記 者 」 とか 、戦 時 中の 「 大 本 営 発表 」 な どは 、 操 作 当事 者 は操 作 中 に、 そ して 当 事者 以外 に も事 後 的 に この よ うな 情 報 は 虚 偽 で あ った とわ か る性 質 の もの で あ る。 これ に 対 して マ イ ン ド ・コ ン トロー ル は必 ず しも真 偽 が は っ き りしな い事 象 で あ る こ とが 多 く、 当事 者 も操 作 して い る とい う自覚 が あ る場 合 も あ るが 、 そ うで な い場 合 も多 い。 事 後 的 に もそ れ が マ イ ン ドコ ン トロー ル か そ うで な いか が 、 必 ず しもは っ き りす る わ け で は な い事 柄 に 対 して 言 わ れ る。 例 えば 、西 田 公 昭 が 挙 げ る新 聞 王 バ ー ス トの 娘 パ ト リシア ・バ ー ス トの例 な どは そ うし た事 例 で あ る と言 え る だ ろ う(16)。 誘 拐 され 、資 本 主 義 や 搾 取 、 資 本 主 義社 会 に奉 仕 す る マ ス コ ミ 活 動 を 悪 で あ る こ とを 洗 脳 され 、 や が て 自 ら銀 行 強 盗 を す るに 至 り、逮 捕 され て も 自 らの行 為 を 正 当化 しよ うとす る。 これ は オ ウ ム真 理 教 な ど の新 しい 宗 教 に も共 通 す る。 つ ま りマ イ ン ド ・コ ン トロール や 洗脳 の情 報 操 作 との違 い は、 ① 伝 達 され る事柄 が 、情 報 とい うか な り表 層 的 な レベ ル で は な く、 マ イ ン ド ・心 ・価 値 判 断 ・ 信 念 に 関 係 す る レベル に あ り、精 神 のか な り深 層 レベ ル に 関 わ る(潜 在 意 識 ・コ ン プ レ ックス に 訴 えか け る)こ と。 ② した が って 、 リア リテ ィ/非. リア リテ ィの 境 界 線 が 当 事 者 に もハッ キ リせ ず 、 事 後 的 に も.
(9) ハ ッキ リしな い とい う面 が あ る 点。 真偽 判 断 も困難 で あ る点 。 ③ 一 回性 の もの短 期 的 な もの で は な く、 か な り恒 常 的 長 期 的 な 状 態 と して 、 支 配 一従 属 関 係 、 命 令 一服 従 関 係 が持 続 す る こ と(17)。 マ イ ン ド ・コ ン トロー ルや 洗 脳 の基 本 線 は、 ① 分 離=こ れ まで 生 きて きた世 界 か ら引 き離 し、 隔 離 され た状 態 に置 き 、② 移 行=自 尊 心 や 自意 識 な どを 徹 底 的 に 破 壊 し て 、 頭 の 中 が 空 っ ぽ に な っ た状 態 、精 神 的 に空 白 の状 態 へ と追 い込 ん で い き、 古 い世 界 か ら分離 され て は い るが 、 洗 脳 の 目的 地 で あ る新 しい状 態 に は 行 き着 い てい な い 状態 を作 りだ した 上 で こ の 空 白 の 精 神 状 態 に な った と き に教 義 や 教 えを 徹 底 的 に 教 え 込 み 、③ 統 合=追 い込 まれ た側 が 世 間 か ら隔 離 状 態 に あ るた め に 逃 げ だ す こ とが で きず 、 そ うした 状 況 か ら脱 出す るた め に は、 教 義 や 教 え を 受 け 入 れ な け れ ば な らな い 状 態 を 作 りだ し、 そ して そ の信 仰 を他 人 に告 白 させ る。 告 白 した 瞬 間 に 信仰 の 自 覚 が 生 まれ 、内 面 まで が変 化 して くる。(自 分 が告 白 した のは 追 い 込 まれ た結 果 な の に 、告 白 した 瞬 間 に そ の こ とを 忘 れ て し まい 、告 白以 前 の 自分 が間 違 った人 生 を 歩 ん で きた よ うに 思 え 、 自分 が 真 実 に 目覚 め た とい う感覚 を もつ(18)、 とい う段 階 が あ る と しば しば指 摘 され るが 、 端 的 に 言 え ば 、 日常 生 活 に リア リテ ィを感 じ られ な い もの が、 自発 的 にか 非 自発 的 に か 、 生活 習慣 の根 幹 で あ る栄養 摂 取 や 言語 機 能 ・情 報 機 能 を奪 われ 、 日常 生 活 の空 間 か ら遮 断 され 、恐 怖 心 や 自己暗 示 な どの 手 法 や 、薬 物 、特 殊 な音 声 な どで5感 を 狂 わ せ られ 、 当 初 の リア リテ ィ感 覚 よ りもあ た ら た な リア リテ ィ感 覚 の方 が よ り 「リア ル」 に 感 じされ る よ うに な った 状 態 、 とい う こ とが で き よ う。 この よ うな マ イ ン ド ・コ ン トロール 的 な技 法 が メデ ィアを 通 じて 、 日常 空 間 の な か に浸 透 し、 現代 人の 「 潜 在 意 識 」 を支 配 して い る とい う事 態 を 体 系 だ って 分 析 した の が ブ ライ ア ン ・キ イ の 一 連 の著 作 で あ る(19) 。 現 代 社 会 に お け る メ デ ィアな どに よる 日常 的 な マ イ ン ド ・コ ン トロー ル を 問題 にす る際 に 重 要 だ と思 わ れ る要 素 は、 現 代 人 の生 活 空 間 そ の もの が 「分 離」 され 、別 の リア リテ ィが 形 成 され 、 そ れ 以外 の リア リテ ィは あ りえな い と思 い 込 ま され て い るの か ど うか 、 とい う現 代 人 のお か れ て い る情 報 環 境 の特 質 で あ る。 社 会 シス テ ム ・社 会 秩序 が 現 代社 会 独特 の情 報 環 境 に 媒 介 され て 、 独 特 の リア リテ ィ感 覚 の も とで 再 生 産 され る、 そ の メ カ ニズ ム如何 の 問題 で あ る。. お わ りに. 現 代 社 会 に お け る メデ ィアの もつ 権 力 作用 の質 を分 析 す る 際 に重 要 だ と思 わ れ るの は 、 そ の権 力 作 用 が ① 組織 に よ る条 件 づ け に よる もの な の か 、② 情 報 操 作 的 、世 論 操 作 的 、 大 衆 操作 的 な も の な の か 、 ③ マ イ ン ドコ ン トロー ル 的 な もの な の か、 あ る い は これ らが 複 合 的 に 作 用 しな が ら、 どの よ うに 現 代 人 の 独 特 な リア リテ ィ感 覚 が形 成 され 、 シ ス テ ム の秩 序 形 成 ・再 生産 が な され て い るか 、 そ の 具 体 的 な メ カニ ズ ムを 分析 す る こ とで あ る。 言 説 中心 の リア リテ ィが 崩 壊 しつ つ あ る 現 在 、 これ に か わ る確 固 と した リア リテ ィー が形 成 され て い な い現 在 、 リア リテ ィ ー感 覚 は混.
(10) 乱 し て い る 。 新 し い リア リ テ ィ ー 基 盤 が 形 成 さ れ 、 メ デ ィ ア に よ る な し 崩 し 的 な 権 力 作 用 を 甘 受 す る こ と な く、 対 抗 権 力 的 な メ デ ィ ア 文 化 を 形 成 し て い くた め に も 、 そ の よ う な メ カ ニ ズ ム が 分 析 され る 必 要 が あ る だ ろ う。. 〔註 〕 (1)見. 田宗 介. (2)児. 島 和 人 他,1996年. して. 『現 代 社 会 の 理 論 』 岩 波 新 書 、 佐 伯 啓 思,『. 「欲 望 」 と資 本 主 義 』 講 談 社 現 代 新 書 な ど 参 照 。. 『マ ス ・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 効 果 研 究 の 展 開. 〔新 版 〕』 北 樹 出 版 を 参 照 。 新 効 果 論 と. 「議 題 設 定 仮 説 」 「沈 黙 の 螺 旋 状 過 程 仮 説 」 「ス キ ー マ 理 論 」 「知 識 の ギ ャ ッ プ 仮 説 」 「培 養 分 析 」 「メ. デ ィ ア シ ス テ ム 依 存 理 論 」 「批 判 的 受 け 手 研 究 」 な ど が 挙 げ ら れ て い る 。 (3)川. 上 和 久,1994年. 『情 報 操 作 の ト リ ッ ク 』 講 談 社 現 代 新 書,同. T出. 版 な ど参 照 。. 著,1997年. 『メ デ ィ ア の 進 化 と権 力 』NT. メデ ィ ア と政 治 (4)と の 関 係 、 つ ま り 「世 論 」 政 治 の 役 割 増 大 は 、 確 か に20世 紀 の 最 後 の 四 半 期 の 特 徴 で あ り、 そ し て 今 日 、 ま す ま す. 「 世 論 」 と い う虚 構 の も つ 役 割 が 政 治 に お い て 増 大 し て い る よ う に 見 え る が 、 そ. の よ う な 傾 向 の 増 大 が 民 主 主 義 の 進 展 な の か 、 そ れ と も 「衆 愚 政 治 」 の 表 れ な の か 、 見 解 の 分 か れ る と こ ろ で あ る 。 現 代 の メ デ ィ ア の 権 力 性 批 判 の 特 徴 は あ る 種 の エ リ ー ト主 義 か ら の ア 批 判 が 台 頭 し て き て い る点 に あ る 。 佐 伯 啓 思 (5)デ. ィ ドロ他 編. (6)デ. ィ ド ロ 他 編ibid.213頁. (7)周. 知 に よ うに 権 力=実. 「衆 愚 政 治 」 と し て の メ デ ィ. 『現 代 民 主 主 義 の 病 理 』 参 照 。. 『百 科 全 書 』 岩 波 文 庫,213頁. 体 か 権 力=関. 係 か と い う の は 極 め て 重 要 な 論 点 で あ り、 以 上 の よ う な 区 別 の 仕 方. と は 異 な る 区 別 の 仕 方 が あ る こ と は 指 摘 し て お か な け れ ば な ら な い 。 宮 台 真 司r権 房 頁14参. 照。. (8)M,ウ. ェ ー バ ー 『社 会 学 の 根 本 概 念 』 岩 波 文 庫 頁86∼88. (9) S,ル. ー ク スは この よ うな権 力 概 念 を. 力 の 予 期 理 論 』勁 草 書. 「一 次 的 権 力 観 」 と 呼 び 、 間 接 的 な 権 力 等 々 を 対 象 と す る 「二 次 的. 権 力 観 」 「三 次 的 権 力 観 」 と 区 別 し た 。Steven . Lukes,1974, . Power:A . Radical View, Macmillan,. London., 『現 代 権 力 論 批 判 』 中 島 吉 弘 訳 参 照 。 (10) Robert Dahl,1958, (1958)pp.463-9「 1961年. A Critique of the Ruling Elite Mode1, American . 支配 選 良 モ デル 批 判」 佐 々 木交 賢 訳. Political Science Review,52. 『政 治 権 力 政 治 社 会 学 論 集 』 鈴 木 幸 寿 編 誠 信 書 房. 参照 。. い わ ば権 力 (11) へ の 構 造 論 的 ア プ ロ ー チ と で も 呼 ぶ べ き も の で あ ろ う か 。S,ル 結 論 に 達 して い る。 そ こ では 亘明志 22)岩. ー クス も前 著 で 同 じ よ うな. 「客 観 的 利 害 」 が キ イ タ ー ム に な っ て い る 。. 「メ デ ィ ア と権 力 」 見 田 宗 介 他 編,1996年. 『メ デ ィ ア と 情 報 化 の (12) 社 会 学 』(岩 波 講 座 現 代 社 会 学. 波書 店 所 収. Dennis H. Wrong,1979, (13). Power, Chicago Press. p24. John K. Galbraith,1983, . The Anatomy . of Power, (14)Houghton . 日 本 経 済 新 聞 社 山 本 七 平 訳 と りわ け 第3章 三上 俊 治. Mifflin Company, . Boston,『. 権力の解剖』. 参照。. 「メ デ ィ ア と 情 報 操 作 を め ぐ る 諸 問 題 」 (15) イ ン タ ー ネッ. トホ ー ム ペ ー ジ. 「ヴ ァ ー チ ャ ル メ デ ィ ア. ラボ」 参 照 。 西 田 公 昭,1995年 (16). 『マ イ ン ド ・ コ ン ト ロ ー ル と は 何 か 』 紀 伊 国 屋 書 店 第3章. 参照. 一 時 的 マ イ ン ド ・ コ ン ト ロ ー ル と 永 続 的 マ イ ン ド ・コ ン ト ロ ー ル 区 別 は 前 掲 西 田 著 (17) 参照 島 田 裕 巳 他,1995年 Wilson B. Key,1973, ポ ー ト,Wilson . 「ニ ッポ ン洗 脳 ゲ ー ム 」 『Bart. バ ー ト』19955.22号. 集英社参照 (18) 。. Subliminal Seduction, Prentice-Hall, Inc., 『潜 在 意 識 の 誘 惑 』 管 啓(19) 次郎 訳 リブ ロ. B. Key,1976, . Medla Sexploitatbn, . Prentice-Hall, Inc.,『 メ デ ィ ア ・セッ ク ス 』 植 島 啓 司 訳.
(11) . リ ブ ロ ポ ー ト,Wilson . B. Key,1989, . The Age of Manipulation, . Henry and Holt Company, . New. York 『メ デ ィ ア ・ レ イ プ 』 鈴 木 晶 他 訳 リ ブ ロ ポ ー ト。 な お 下 條 信 輔 も 『サ ブ リ ミナ ル ・マ イ ン ド』第7章 で 指 摘 し て い る よ う に 、 キ イ が サ ブ リ ミナ ル 広 告 の 効 果 に つ い て 分 析 し て い る 個 々 の 事 例 の な か に は 実 証 的 な 根 拠 が 薄 弱 な も の が あ る こ と は 間 違 い な い が 、 「そ の 全 体 の 方 向 性 は 正 しい 」 と 言 っ て い い だ ろ う。. 〔主 要 参 考 文 献 〕 Dennis H. Wrong,1979, . POWER, . Walter Lippman,1922, . Chicago Press.. Public Opinion, 『世 論 』(上 下)掛. John K. Galbraith,1983, . The Anatomy . 川 ト ミ子 訳 岩 波 文 庫. of Power, Houghton . Mifflin Company, . Boston,『. 権 力 の解 剖 』 日本. 経済新聞社 山本七平訳 Wilson B. Key,1989, . The Age of Manipulation, . Henry and Holt Company, . New York『. メ デ ィ ア ・レ イ. プ 』 鈴 木 晶 他 訳 リブ ロ ポ ー ト Wilson B. Key,1976, . Media Sexploitation, Prentice-Hall, Inc.,『 メ デ ィ ア ・セ ッ ク ス 』 植 島 啓 司 訳 リ ブ ロ. ポー ト Wilson B. Key,1973, . Subliminal Seduction, Prentice-Hall, Inc., 『潜 在 意 識 の 誘 惑 』 管 啓 次 郎 訳 リ ブ ロ ポ ー. ト. Max Weber,1922, . Wirtschaft . Harold D. Lassell,1948, . unt Gesellschaft,『. 社 会学 の根 本 概 念 』 清 水 幾 太 郎 訳 岩 波 文 庫. Power and Personality, Norton and Company . Inc., 『権 力 と 人 間 』 永 井 陽 之 助 訳. 東. 京創元社 Steven Lukes,1974, Steven Lukes,1986, Robert Dahl,1958, pp.463-9「. Power:. A. Radical View, Macmillan, . Power:. Readings . London., 『現 代 権 力 論 批 判 』 中 島 吉 弘 訳 未 来 社. in Social and Political Theory., ed. Blackwell. A Critique of the Ruling Elite Mode1, American . 支 配 選 良 モ デ ル 批 判 」 佐 々木 交 賢 訳. Political Science Review,52(1958). 『政 治 権 力 政 治 社 会 学 論 集 』 鈴 木 幸 寿 編 誠 信 書 房196. 1年 所 収 毎 日 新 聞 社 社 会 部,1992年 藤 田 弘 夫 編,1996年 宮 台 真 司,1989年 見 田 宗 介 他 編,1996年 見 田 宗 介 他 編,1996年. 『情 報 デ モ ク ラ シ ー 』 毎 日新 聞 社. 『権 力 か ら 読 み と く 現 代 人 の 社 会 学 ・入 門 』 有 斐 閤 『権 力 の 予 期 理 論 』勁 草 書 房 『権 力 と 支 配 の 社 会 学 』(岩 波 講 座 現 代 社 会 学16)岩. 『メ デ ィ ア と 情 報 化 の 社 会 学 』(岩 波 講 座 現 代 社 会 学22)岩. 見 田 宗 介,1996年. 『現 代 社 会 の 理 論 』 岩 波 新 書. 佐 伯 啓 思,1993年. 『「欲 望 」 と資 本 主 義 』 講 談 社 現 代 新 書. 佐 伯 啓 思,1997年. 『現 代 民 主 主 義 の 病 理 』NHKブ. 下 條 信 輔,1996年. 『サ ブ リ ミ ナ ル ・マ イ ン ド』 中 公 新 書. 島 田 裕 巳 他,1995年. 「ニ ッ ポ ン 洗 脳 ゲ ー ム 」 『Bart バ ー ト』19955.22号 『マ イ ン ド ・コ ン ト ロ ー ル と は 何 か 』 紀 伊 国 屋 書 店. 菅 谷 明 子,1998年. 「メ デ ィ ア を 監 視 す る 草 の 根 団 体 」 『中 央 公 論 』1998年1月. 集英社. 号152-163頁. 『メ デ ィ ア ・ リテ ラ シ ー を 学 ぶ 人 の た め に 』 世 界 思 想 社. 渡 辺 武 達,1997年. 『メ デ ィ ア ・ リテ ラ シ ー 』 ダ イ ヤ モ ン ド社. 横 井 真 路,1995年. 『洗 脳 ゲ ー ム 』 リ ブ ロ ポ ー ト. 児 島 和 人 他,1996年. 波書店. ック ス. 西 田 公 昭,1995年. 鈴 木 み ど り編,1997年. 波書店. 『マ ス ・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 効 果 研 究 の 展 開. 川 上 和 久,1994年. 『情 報 操 作 の ト リ ッ ク』 講 談 社 現 代 新 書. 川 上 和 久,1997年. 『メ デ ィ ア の 進 化 と 権 力 』NTT出. 版. 〔新 版 〕』 北 樹 出 版.
(12) 三 上 俊 治,1997年 ア ラボ」. 「メ デ ィ ア と 情 報 操 作 を め ぐ る 諸 問 題 」 イ ン タ ー ネ ッ トホ ー ム ペ ー ジ 「ヴ ァ ー チ ャ ル メ デ ィ.
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