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中学校体育におけるアダプテーション・ゲームの実践

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Academic year: 2021

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中学校体育におけるアダプテーション・ゲームの実践 村瀬浩二(和歌山大学教育学部教授) 附属中学校流川謙語、堂村孝道、橋本大地 下 津 第 二 中 学 校 西 脇 公 孝 【目的】 アダプテーション・ゲーム (Henninger& Richardson,2016)は、「誰もが全力で参加で きること」を目指し、ルールを調整(アダプ テーション)するゲームである。これは負け たチームが勝ったチームに対してアダプテー ションを要求する手法で実践され、相手チー ムと対等なゲームを行えるようにルール調整 をする場面において多くの学びを期待できる ものである。 Murase&Ambe(2019)はアダ プテーション・ゲームの個人化について報告 している。前述の通り、アダプテーション・ ゲームは負けたチームが勝ったチームに対し てルール調整の要求をするものであったが、 これをさらに個人について調整できる場面も 単元後半に追加して実践した。この個人化は 例えば、 Aさんはリングにあたるだけで 1点 とする、 Bさんの lm以内には入れないとい った個人向けルールを単元後半に要求できる ようにしたものである。 その結呆、チームごとのアダプテーショ ン・ゲームでは、 ドリブル禁止によりボール をもらおうとする動きへの気付きといった、 戦術的意思決定能力の向上が認められた。ま た、個人化されたアダプテーション・ゲーム では、個人の能力への気付きが多く見られ、 対人理解の促進に繋がった。 そこで本研究は中学生のバスケットボール 単元を対象にアダプテーション・ゲームを実 践し、その効果を検証することを目的とする。 【方法】 和歌山大学附属中学校において 2019年10 月 11月に 15時間単元のバスケットボール が男女共習の4クラスで実践された。単元の 実施内容は表 1の通りであった。また、用い られたアダプテーションを表2に示す。 分析対象チームのシュート・パス・ドリブ ルの「意思決定」の適切さ、空いたスペース でボールを受けようとする「サポート」の適 切さについて GPAIによって評価を実施した。 【結果及び考察】 通常、アダプテーション・ゲームはミニゲ ームとメインゲームの間にアダプテーション タイムを設け、両チームの合意の下設定する。 しかし本実践では、これは、これまでの授業 経営の中で実践されてきた形式にあわせ、ア ダプテーションの内容をクラス会議の中でグ 表 1 単元の実施内容

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-90-表2 実施されたアダプテーションの内容例(1クラス分) 授 業 時 数 1 2 3 4

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5 対 戦 人 数 江しo::i3 1:"30)・i-.t. 3対3 3対3 3対3

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3対3 菩入された なし 観 察 対 象 チ ー ム の み リ ン グ に ボ ー ル を 当 て る と 競 察 対 象 チ ー ム の 女 子 の み リ ン グ に ポ ー ル を アダプテーシ三:.,, 1 当てると1 授 業 時 数 6 7 8

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10 対 戦 人 数 5対5 5対5 5対5 5対5

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5対5 観察対象チームの女子の 観察対象チームの女子の 観 察 対 象 チーム の 女 子 の み リ ン グ に ポールを みリングにポールを当て みリングにポールを当て 当てると1点 観察対象チームの女子のみ ると1点 ると1点 等入された アダプテーシ三ン + + リングにポールを当てると1 + ドリプル無し(全チー ドリプル無し "占" 観 察 対 象 チーム と 他1チーム の 人 数 を1名増 ム) (観察対象チーム以外) やす 授 業 時 数 11 12 13 対 戦 人 数 5対5 5対5 5対5 競 察 対 象 チームの 女 子 の み リ ン グ に ポール を 当 て る と1点 吾入された アダプテーシa:.,, + 観 察 対 象チーム と 他1チーム の 人 数 を1名増やす ループ毎に決定した。(例表2で示したクラ スでは 1チームのみにアダプテーションを与 えていた。) 本実践ではリングショット(リングに当て れば1点)が中心的なアダプテーションとなり、 これを用いることによって、シュートの苦手 な生徒でも積極的にシュートを打つ機会が増 加していた。このアダプテーションは上述の 通り、特定チームのみに設定されていたが、 この対象チームは意思決定(p<0.05)、サポー ト(p<0.01)が有意に向上していた。つまり、 リングショットを有効とすることで、積極的 にシュートを打つ意思が生まれ、空いた場所 でパスをもらうサポートについてもシュート を打つイメージを持ってボールを受けられた と解釈できる。 一方、このチームと対戦した別のチームに 起きた戦術的学びは、シュートを打たせない ようにフリーにさせない、フリーでボールを 受けさせないといったディフェンス面の成長 と考えることができる。 アダプテーション・ゲームを実践すること によって、生徒達に戦術的学びを生み出す事 ができたと解釈できる。 【今後の課題】 本実践ではアダプテーションの決定をクラ ス会議で決めていたため、チームに滴応され る内容が固定的となった。そのため、個別の アダプテーション交渉によって対戦相手を知 る機会や、多様なアダプテーションによる多 様な戦術的な気づき生み出せなかった。 今後の実践において、より多くの戦術的気 づきや対戦相手を知る機会を作ることができ るように実践方法を改善していくべきであろ う。 【文献】

Henninger M.L.

&

Richardson K. P. (2016) Engaging Studennt in Q叫 ity Games. Strategies, 29:3, 3-9.

Richardson. K.P. (2013) Modification by adaptation. in Ovens, A.(2013) Complexity Thinking in Physical Education. Routledge. Murase K.

&

Ambe H. (2019) Resistance to Adaptation game. 6th International Game Sense Conference.

表 2 実施されたアダプテーションの内容例 ( 1 クラス分) 授 業 時 数 1  2  3  4  I  5  対 戦 人 数 江し o :: i 3  1 : &#34; 3 0 ) ・ i ‑ t.

参照

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