• 検索結果がありません。

南大東島における飛来塩分量に関する研究: 沖縄地域学リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "南大東島における飛来塩分量に関する研究: 沖縄地域学リポジトリ"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

南大東島における飛来塩分量に関する研究

Author(s)

幸喜, 善福

Citation

沖縄農業, 33(1): 42-46

Issue Date

1998-08

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/1405

Rights

沖縄農業研究会

(2)

南大東島における飛来塩分量に関する研究

幸喜善福 (琉球大学農学部) ZenfukuKoKI:StudiesontheamountofsaltsprayinMinamiDaitoisland こととなったこの築堤背後には,防風・防潮林帯があ りその保護および保安機能の強化にも役立つものと考 えられる. このようなことから漁港整備や防風堤による影響な ど同島における飛来塩分量の変化や築堤後の防風機能・ 効果などについて検討する場合に,漁港整備前および 築堤前の飛来塩分量等について調査しておく必要があ るものと考え,その基礎資料を得る目的で,この調査を 実施した. 1はじめに 南大東島は,沖縄島の東方約360kmの太平洋上に点在 する北大東島および沖大東島の三島の中で,最も大き い長楕円形の島で,面積が3074baである.地形は,島の 周辺の環状丘陵地帯と内部の盆地からなり,さらに環 状丘陵地帯は外側から,岩礁地帯・幕外・外幕・幕上・ 内幕の五地帯に,内部の盆地は微高波状地と池沼の二 地帯に分けられる. また,島の周辺が4000mの深海であるため,海岸沿線 の地形は10~20mの Ⅱ角 絶壁をなし,船舶の 接岸が不可能でクレー ンによる荷役の積み おろしが行われ,難 渋を極めている.こ のような不便を解消 するため,岩盤堀削 法による漁港整備計 画が策定され,第8 F、幻 次漁港整備長期計画 に沿って事業が進行 中である.そこで, 事業に付随して派生 する大量の残士(砕 石)の処理が問題に

(!

なり,lul理方法が種々 検討されたその処 理方法として,工事 用道路の海側の陸域 -.hCj ---=.

↓ ①~⑦:樹葉採印 測定場所 」」BT b (保安林用地)|こ防 図1. 風堤として築堤する 樹葉採取場所および飛来塩分里測定場所

(3)

幸喜:南大東島における飛来塩分量に関する研究 43 2調査場所および測定方法 飛来塩分量を把握する方法と して,葉への塩分付着量および樹種名 表1葉面積と葉重の関係 葉面積と葉重の関係式 相関係数 ガーゼ採塩器による飛来塩分 アダン (空中塩分)を捕捉することに テリハクサトベラ シマグヮ した.この場合,樹葉は島の全 ガジュマル 域から採取するように,図-1 モクマオウ ハマイヌビヮ ①~⑦の場所(①北港付近(漁 アコウ 港工事現場隣接)②漁港工事現モンバノキ テリハポク 場後方③本場④海軍棒⑤大 サトウキビ 東神社境内⑥東水門⑦日の丸 *Y:葉面積(cui川 展望台)の7箇所からアダン, テリハクサトベラ,シマグワ, ガジュマル,モクマオウ,アコウ,ハマイヌビワ,モン パノキ,テリハポクおよびサトウキビのそれぞれの葉 を海岸に面した枝から採取し,ビニール袋にいれて持 ち帰った なお,樹葉採取と同時にその採取枝高を測定したま た,飛来塩分量を測定するために北側の漁港工事現場 に隣接した海岸縁(崖)から約50mのところにNqlを, 海岸崖から約300mの外幕岩礁上にNO2,空港近くにNC 3,南側の亀池港近くの内幕岩礁上にNM,海岸崖から 約50mのところにNu5のそれぞれの測点を設定した. 各測点には2mの高さにガーゼ採塩器を設置して2 時間空気中に曝したのち,ガーゼをビニール袋に採取 して持ち帰った.持ち帰った樹葉およびガーゼの入っ た各々のビニール袋に100mlの蒸溜水を注入し,-昼夜 以上放置したのち溶出した塩分濃度(塩分量)の指標 となる電気伝導度(EC=ElectricConductivityMZ S/c、)を電気伝導度計で計測した.なお,塩分濃度を 測定したのちの葉は,直ちに葉重を測定し,葉面積と葉 重の関係をあらかじめ求めておいた関係式から葉面積 を算出した.一方,ガーゼ採塩器に付着した塩分量を飛 来塩分量と考えた. なお,樹葉の採取は1992年10月6日に,飛来塩分の測 定は同年12月15~17日に実施した. Y=13.48X+45.83 Y=20.88X+1420 Y=66.95X+25.04 Y=24.28X+2.25 Y=52.14X+77.70 Y=12.39X+1.43 Y=45.53X+4.15 Y=17.83X+137.58 Y=15.44X+22.80 Y=32.23X+3.74 0.86 0.91 0.99 0.73 0.97 0.99 0.93 0.97 0.88 *Y:葉面積(cui),X:葉重(9) 3測定結果および考察 1)樹葉への塩分付着量 この場合,単位葉面積当りの塩分付着量を算出する ために葉面積を求める必要があり,葉重と葉面積の関 係を表1にまとめた 樹葉へ付着する塩分量を把握するため,現地におい て樹葉を採取し,それぞれの塩分付着量を,採取枝高お よび単位葉面積当り塩分付着量とともに表2にまとめ た. 表2によれば,本場や漁港工事現場付近および海軍 棒などの海岸近くにおいては全般的に樹葉面への塩分 付着量が多い.また,漁港工事現場付近においては外幕 岩礁上から前面(海側)にかけては葉面への塩分付着 量は多いが,外幕内帯および畑にかけては少ない.すな わち風が強く,あるいは多く当る場所に生育する樹木 の葉には塩分付着量が増加することは本県の他の地域 の場合と同様である. なお,海岸線からの距離よりも樹木の葉の種類(樹 種)によってその塩分付着量に大きな差異を生じた. また,樹木の育成場所や地形および採取枝高等を考慮 せずに,単位葉面積当りの塩分付着量(平均値)を算 出してみると,モンパノキが7.19〃S/cm/clfと顕著に 多く,ついでアダンの412juS/cm/cuiで,アコウが283 〃S/cm/clf,ガジュマルが1.93/zS/cm/clf,モクマオ

(4)

沖縄農業第33巻第1号(1998) 44 表2.南大東島における樹木の葉への塩分付着量

採濡高

iii盆嬬

禰祷

単位葉面積当り塩分 付着量(us/c、/cd)

艤篭鰯

場所 樹種 備考 北港付近 〃 〃 〃 〃 アダン テリハクサトベラ シマグヮ ガジュマル サトウキビ 58352 ●●●●● 10001 62422別別調別弱 228.6 506.1 611.0 314.1 484.5 2.72 0.55 0.71 0.80 0.49

帥、卯卵別別、帥、卯卯帥剛柵棚剛捌別別加別別帥帥、加別

11 9 漁港工事 現場後方 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 ワワ ルウルビルビビ マオワマヌマヌワキ ュマグンュウイュウイグウ ジクマダジコマジコママト ガモシアガアハガアハシサ 外幕外帯 830028200080 ●●●●●●●●●●●● 001110111101

棚棚捌川捌棚棚伽捌刎加川

2 1 55554258800993333072422880

Ⅲ棚剛川測幽川棚剛肌川棚伽捌伽珊棚川棚Ⅲ肌Ⅲ肌捌棚伽

1.73 2.73 1.32 1.19 1.54 4.15 3.18 1.29 1.59 1.86 0.25 0.21 外幕岩上帯 外幕内帯・ 梢頭部畑 (林帯直後) 本場 〃 ″ 〃 ガジュマル モンバノキ サトウキビ アダン 5220 ●●●● 0011 2120 5770 539 2010 6.09 8.82 0.76 8.54 海軍棒 〃 〃 〃 〃 〃 大東神社 鏡内 〃 〃 東水Pヨ 日の丸 展望台 アダン モンバノキ ガジュマル クサトベラ シマグヮ ハマイヌビヮ シマグヮ テリハポク モクマオウ ハマイヌビヮ サトウキビ ハマイヌビヮ 824800 ●●●●●● 000011 1360 5570 166 533 513 94 4.04 5.57 0.48 0.87 0.62 0.78 500080 ●●●●●● 222211 103 12 140 14 0.12 0.03 0.17 0.10 363 462.3 0.79 1400 800 166 162.1 1.03 ウは145」us/cm/c㎡で,あとはハマイヌビワ,テリハ クサトベラ,シマグワ,サトウキビおよびテリハポクの ||頂で,1.39~0.03ノリS/cm/c㎡の範囲にある.モンパノ キは本県どこの地域においても顕著に多いが,この島 においてはアダンならびにアコウの葉に塩分付着量が 増加しているのが特徴的である. 2)飛来塩分量 ガーゼ採塩器によって各測点において捕捉した飛来 塩分量は,表3にまとめた.また,南大東島における 1992年12月15日から12月17日は,北北東の風で風速が 10.3~7.2m/sで,波高が4m以上と高い値であった. これらの結果によれば,飛来塩分量は,Nul(風上側 海岸近く)の北側においては顕著に多く,NbL2(外幕 岩上)では急激に減少して,NO1の約10.8%であった. NOL3(島内中央部)においてはさらに減少してNUL1の 約1.3%であった.また,NMではNulの約0.7%と最も 減少し,Nq5(風下側海岸近く)の南側においては幾 分増加するもののNulの約1.8%であった.なお,12月 15日は島内中央部のNMにおいても比較的飛来塩分量 が多く,なかでも海岸近くのNulにおいては極端に増 加した.このことは,測定の実施された日は風速が強く, 波高が高いことなど気象要因が大きく影響したことが

(5)

幸喜:南大東島における飛来塩分量に関する研究 45 表3.南大東島における飛来塩分里 測定番号測定時間 飛来塩分量測定番号測定時問 いS/c、) 飛来塩分量(JUS/c、) 備考 平成4.12.15風向風速:NNE10、3m/s・平成4.12.16風向風速:NNE5、7m/s、 113:45~15:451275019:30~11:301648 213:24~15:24114029:40~11:40258 314:15~16:15113310:25~12:2540 415:10~17:1042410:43~12:4332 515:00~17:0080510:50~12:50127 平成4.12.17風向風速:NNE71m/s・平成4.12.17風向風速:NNE72m/s、 漁港工事現場の海側 海岸線から約50m・ 外幕岩礁頂上 海岸線から約300m・ 空港近くの農道橋上 海岸線から約2950m・ 亀池港近くの内幕岩上 海岸線から約650m・ 亀池港近くの岩礁上 海岸線から約50m。 上上上上上 同同同同同 1759 297 43 21 62 14:36~16:36 14:50~16:50 14:23~16:23 13:55~15:55 13:45~15:45 9:25~11:25 9:35~11:35 10:10~12:10 10:30~12:30 10:35~12:35 72270 M妬336 12345 12345 (“S/c、)

:M;Iim,

11 000 (041△ 飛来』-工分二墨 (く)

一一一で

勺』

ムーニー-2950111

3500,i,---ユーョ劃線

01001000、2000m 図2.概略地形と飛来塩分量 のと海面で気泡等が破裂するさいに生ずる微細海塩粒 子の二種類があるこの島における飛来塩分は,波頭が 島に衝突するさいに発生するいわゆる前者に由来する ものが大きく影響するものと考えられる.このことは 12月15日の高波高の測定結果からも推測することがで き,風向・風速や波高等の影響を受けやすいことが考 えられる. 考えられる. 一方,各測点における飛来塩分量の平均値と概略地 形との対応を,図2に示した 図2によれば,南大東島における飛来塩分量は,海面 の状態やとくに風上側においては海岸線からの距離に 大きく影響されることが考えられる.飛来塩分量には, 一般的に砕波や飛沫(しぶき)による比較的大粒のも

(6)

沖縄農業第33巻第1号(1998) 46 摘要 南大東島における樹葉への塩分付着量および飛来塩 分量について調査した結果を要約するとつぎのようで ある 1)単位葉面積当たりの塩分付着量の平均値は,モン パノキが7.19匹S/cm/c㎡と顕著に多く,ついでアダ ンが4.12αS/cm/clfで,アコウが283us/cm/cni, ガジュマルが1.93ノus/cm/clf,モクマオウはL45juS /cm/cniで,あとはハマイヌビワ,テリハクサトベラ, シマグワ,サトウキビおよびテリハポクの11頂で,139 ~0.O3lUS/cm/c,,iの範囲にあった 2)モンパノキは本県どこの地域においても顕著に多 いが,この島においてはアダンおよびアコウの葉に 塩分付着量の多いのが特徴的であった. 3)飛来塩分量についての平均値は,風上側の海岸近 く(NO1)の北側では45210us/cmと顕著に多く, 外幕岩上(NO2)では489.3」us/cmで,島の中央部 (Nq3)では57.0〃S/cm,外幕上上(NM)では33.0 ノリS/clll,風下側海岸近く(NO5)では823ノリS/c、 であった. 4)風上側のN0,1に対する各測点の割合は,それぞれ NO2で108%,NOL3で1.3%,No4で0.7%,NU5で 18%で,風上側の海岸から離れるにつれて飛来塩分 量は減少した.しかし,風上側でも海岸付近では 幾分か増加する. 5)なお,この島における飛来塩分量は,波頭が島に衝 突する際に発生する飛沫に大きく影響され,風向・ 風速や波高等の影響が受けやすいことが考えられる. 参考文献 1)幸喜善福1978海岸保全的見地からの沖縄の飛 塩に関する研究琉大農学報25445~466 2)沖縄県南部農林土木事務所1994南大東漁港残 土処理及び植生影響調査報告書沖縄県森林組合連 合会l~49 3)大沢夕志・大沢啓子1997南大東島自然ガイド ブックーオオコウモリと水辺の島を歩く-ポーダー インク34~35

参照

関連したドキュメント

c加振振動数を変化させた実験 地震動の振動数の変化が,ろ過水濁度上昇に与え る影響を明らかにするため,入力加速度 150gal,継 続時間

国民の「知る自由」を保障し、

このように資本主義経済における競争の作用を二つに分けたうえで, 『資本

(出典)

6 Baker, CC and McCafferty, DB (2005) “Accident database review of human element concerns: What do the results mean for classification?” Proc. Michael Barnett, et al.,

仕出国仕出国最初船積港(通関場所)最終船積港米国輸入港湾名船舶名荷揚日重量(MT)個数(TEU) CHINA PNINGPOKOBELOS ANGELESALLIGATOR

備考 1.「処方」欄には、薬名、分量、用法及び用量を記載すること。

[21] Tomoaki Kodama, Yasuhiro Honda: A Study on the Modeling and Simulation Method of Torsional Vibration Considering Dynamic Properties of Rubber Parts for Engine Crankshaft