TRAINING AND RACING WITH A
Power meter
2ND EDITION書評
「本書は , パワー・メーターの世界的権威によるパワー・トレーニングの最 高の指南書だ」
-ジョー・フリール 世界的に著名なコーチ 『サイクリスト・トレーニング・バイブル(The Cyclist’s Training Bible)』の著者 「本書には今までトップ・プロしか知らなかった情報が詰まっていて , それ を惜しげもなく一般のサイクリストに教えてくれる」 -コンペティション・マガジン 「本書はもっと強くなりたいと思っているトライアスリートの必読書だ。本 書のステップを踏んでいけばパワー・データの意味を理解し日々のトレーニン グに応用できるようになる。私も本書のおかげで FTP が 30W も上がった」 -テラ・カストロ , トライアスロンのプロ選手 「パワー・メーターがもっと安くなればトレーニング方法に革命が起きるに 違いない。レースで必要なパワーを正確に調べそれをベースに練習すれば , ラ イバルより優位にレースを展開できるようになるだろう。本書はパワー・メー ターの性能を最大限引き出すためのマニュアルの決定版だ。本書を読めばパ ワー・トレーニングの世界最高の専門家が開発した最新のトレーニング方法を 学べ , 練習の質を格段に高いレベルに引き上げるチャンスを得られるだろう。 自分もこのチャンスを活かそうと思う」 -ジェレミア・ビショップ , マウンテン・バイクのプロ選手 「本書はすばらしいトレーニング・マニュアル本だ。 理系の読者も十分満足 いくような科学的説明や分析が満載なうえに読み物としても面白い。パワー・ トレーニングに熱心でなくてもかなり役立つ内容といえる」 -ステファン・チュン博士 , PEZCYCLINGNEWS.COM 「自分の成長を数字で実際にこの目で確認できたのは 30 年間のレース経験 の中でも初めてのことで , 年甲斐もなく興奮しちゃったよ」 -フィル・ホワイトマン , 競技歴 30 年のベテラン選手
TRAINING AND RACING WITH A
Power meter
2ND EDITIONパワー・トレーニング・バイブル
ハンター・アレン, アンドリュー・コーガン博士 共著
髙嶋 竜太郎 訳TRAINING AND RACING WITH A Power Meter 2nd Edition
by Hunter Allen and Andrew R.Coggan Copyright ©2010 by Hunter Allen and Andrew R.Coggan
Japanese translation rights arranged with velopress, USA
through Japan UNI Agency Inc., Tokyo
目次
序文 6 前書き 8 謝辞 10 はじめに 12 略語集 17 第1章 パワー・トレーニングとは 19 第2章 パワー・メーター 37 第3章 パワー・トレーニングの始め方 67 第4章 自分の得意分野と苦手分野を知る 85 第5章 最適負荷でのトレーニング 107 第6章 パワー・データの分析 133 第7章 平均パワーの限界を打ち破る 161 第8章 パフォーマンスの調整方法 189 第9章 トレーニング計画・レベルアップ編 221 第10章 体力の変化を見る 249 第11章 トライアスロン選手のために 269 第12章 レースへの活用 - より速く走るために - 297 第13章 その他競技への活用BMX, シクロクロス , トラック競技 , ウルトラ・エンデュランス 321 第14章 まとめ 347 補足資料 A その他参考情報 351 補足資料 B 練習メニュー 355 用語解説 393 索引 403 著者紹介 4066
序文
本書の初版が 2006 年に初めて出版されて以来 , 自分の本棚のいちばん目立 つところに置いています。よく参考にするので , すぐ手が届く所に置いている のです。この本と同じくらい信頼できる本は , ほとんどありません。私はこの 本から多くのことを学びましたが , きっと本書を読んだ人はみなそうでしょ う。パワー・メーターを使ってトレーニングをしているサイクリストと話を すると , 決まって彼らも「ハンター・アレンとコーガン博士の本を持っている よ」といいます。これは , ある意味当然かも知れません。というのも本書は真 剣に自転車競技に取り組んでいる選手のために書かれた初めてのパワー・ト レーニングのマニュアル本だからです。そして本書は今もパワー・メーターを 使うすべてのサイクリストにとっての「バイブル」であり続けています。 もしこれからパワー・トレーニングを始めるのであれば , この本を読んで 正 しい方法を学んでから始めて下さい。まずは本書で学んだ内容を実際の練習で 使ってみるとよいでしょう。そうすれば , 皆さんもきっと他のサイクリストが もう知っていることに 同じように気づくと思います。それは「パワー・トレー ニングをすれば , もっと強くなれる」という事実です。本書はその方法を教え てくれます。 初版(英語版)を読んだことがある方もいらっしゃるかも知れませんが , 第 2 版にはあなたがトレーニングで実際にすぐにでも使いたくなるような , 新し いコンセプトが書き加えられています。その中でもいちばん注目すべきはシー ズンでいちばん重要な時期に「好調」で臨むための方法論ではないかと思い ます。本書の中では , 目標のレースで最高のパフォーマンスを発揮するため に , パフォーマンス・マネージャー・チャート(TrainingPeaks 社が販売する WKO+ というソフトにあるパワー・データの分析機能)を使って「好調」を 数値化して練習計画に落とし込む方法が説明されています。私自身 , 過去 3 年 間自分の顧客のトレーニング内容を決める際には , このチャートの情報に頼り きりでした。 トライアスロンのように一定のペースで走り続ける競技では , ペーシングが タイム短縮の「鍵」となります。第 2 版ではトライアスロンのためのパワー・ トレーニング方法専用に新しい章を設け , この難しい技術の習得方法を説明し7 序文 ています。WKO+ を利用するのであればトライアスロン選手にとってメリッ , トがあるのはランニング・トレーニング・ストレス・スコア(rTSS)でしょ う。rTSS は本書で初めて発表された概念で , 11 章に説明があります。複数の スポーツを同時に練習しなければならない時 , 特に「3 種類のスポーツでピー クを同時に実現させたいと思っているトライアスロン選手にとって , パフォー マンス・マネージャー・チャートはひじょうに「使える」ツールです。 今後新たにパワー・トレーニングに注目するべきアスリートは , トライアス ロン選手だけに留まりません。シクロクロス , トラック競技 , マウンテン・バ イク , BMX といった競技でも , トレーニングやレースで必要となるパワーのレ ベルを , データで確認することができます。 パワー・メーター市場では新しい機能を備えた新製品が次々と発売されてお り , どんどん変化しています。本書には , あなたにとって最適なパワー・メー ターを選ぶ際に役立つであろう最新のパワー・メーターのハードに関する情 報やその機能の比較表が掲載されています。もしあなたがパワー・メーターを 使って賢くスマートにトレーニングしてレースでもっと速く走りたいのであれ ば , まずは本書を読むことをお奨めします。本書はトレーニングやレースでパ ワー・メーターを最大限活用するための「バイブル」なのです。 ジョー・フリール コーチ・作家・TrainingPeaks 社の共同設立者
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前書き
私たちが本書の第 2 版を上梓した理由は , パワー・トレーニングに関する 「最新のツール」,「テクニック」,「理論」そして「新しい原則」を皆さんに お伝えしたかったからです。第 2 版では基本的な内容についてはもちろん最 新の情報に更新してありますし , それに加えて全く新しいセクションを付け加 えました。あなたもこれらの情報とパワー・メーターを駆使すれば , 練習の質 を高め目標のレースにピークを合わせることができるようになるでしょう。初 版と同様に「パワー・データの収集と分析方法」,「パワー・メーターを使っ て自分の得意分野と苦手分野を明らかにする方法」,「パワー・メーターを使っ て , 実行可能な練習計画を作成しレベルアップする方法」そして「レースでの パワー・メーターの効果的な使用方法」といったことについて説明していま す。またパワー・メーターを購入する際にベストの選択ができるように , 各種 パワー・メーターの機能とソフトについて最新の情報を掲載しました。さらに 新しいコンセプトである「疲労プロフィール」を紹介しています。この概念を 知っていれば , レースの際に正しい戦術を取れるようになります。初版でも紹 介した「パワー・プロフィール」と「疲労プロフィール」を併用することで , もっと強くなるために強化しなければならない「自分自身の苦手分野」を知る ことができます。 初版刊行後 , 私たちはトライアスロンでのパワー・メーターの活用方法を研 究してきました。そしてバイク区間でパワー・メーターを最大限に活用する方 法(加えてランニングでの GPS の活用方法)を学びました。第 2 版では , そ の成果を皆さんにお伝えするために丸々 1 章を割きました。また BMX, トラッ ク競技 , シクロクロス , ウルトラ・エンデュランス・マウンテン・バイクにつ いての情報も新たに追加しました。シクロクロスのレースに向けて準備する際 に役立つレースで勝利の「鍵」となる練習メニューも紹介しています。また , マウンテン・バイクのレースでよりよい順位でゴールするための世界最高の戦 略も学ぶことができます。 パワー・データを活用してトレーニング計画をレベルアップさせていくこと は , 時に少し難しいかもしれません。しかし本書では「16 週間・FTP 向上計 画」と「8 週間・ピーク・パフォーマンス計画」を追加し「これらの計画がど9 前書き のようにあなたの体力向上に役立つか」を説明しています。どちらかの計画が あなたのトレーニング目標にぴったり合うことは十分にありえる話だと思い ます。さらにこの2つの計画を補完する意味で , 毎日行うことができる練習メ ニューを他にも多数掲載しました。これらのメニューを実践すれば正しいト レーニング・レベルで練習できることを保証します。 ちょうどよいタイミングにピークを持っていく方法は , ずっと長い間ごくわ ずかなトップ・レベルのコーチや選手しか知らないまるでとらえどころのな い「匠の技」のようなものでした。これは試行錯誤するだけでは何ともしが たく , 一般選手がこの方法を完全に習得するのはひじょうに困難でした。しか しパワー・メーターは , この秘密のベールをいとも簡単にはがしてくれたので す。この第 2 版では , 目標日にピークを持っていく方法を詳しく説明していま す。最後に , 長期トレーニング負荷と短期トレーニング負荷 , 適切なテーパリ ング(レースに向けて調子を上げるために練習量を減らす調整方法)の間にど のような関係があるかを説明しています。トレーニング・ストレス・バランス を上手く調整することが , 皆さんが望むレースにピークをもっていく「鍵」と なります。本書で紹介している調整方法を使えば「うまくいくように神頼みす るしかない」といったことはもうなくなります。 あなたがどんな競技に取り組まれていたとしても , 目標とするレースで最高 の実力を発揮するためには , 最新のパワー・トレーニングの原則をきっちり学 んだほうがよいと思います。本書の内容をぜひしっかり理解して下さい。私た ちは , 本書がパワー・メーターを使ってトレーニングする際のよい参考書にな ると確信しています。本書を何度も何度も読み返すことで , あなたの実力はメ キメキと伸びていくことでしょう。 パワーはもうあなたの手の中にあります。さあ , そのパワーを存分に活かし て下さい。 - ハンター・アレン , アンドリュー・コーガン博士
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謝辞
本書を上梓するにあたって , 多くの人に支えてもらったことに感謝の言葉を 述べさせていただきます。最初に私たちの妻ケイト とアンジーですが , 彼女 たちはこの本の原稿を書斎で書いていた時から支えてくれました。また両親は サイクリングやそれに関する私たちの夢を応援し続けてくれています。 ケビン・ウィリアムス , ギア・フィッシャー , ドノヴァン・ギュヨット , ダー ク・フリール , ジョー・フリール , ベン・フィフォーダ , ジェフリー・ホヴォー カは , 私たちにとって重要なパワー・データ分析ソフトである TrainigPeaks WKO+ の開発に大いに貢献してくれました。 SRM のレスリー・クレインとユーリー・スコベラー , エルゴモのジークフ リート・ゲーリツキーとガビ・アラード , ポラール・パワー・メーターのアラ ン・コート , パワータップのジェセ・バーソロミュー , クォークのジム・メイ ヤー , メトリギアのクラーク・フォイ , アイバイクのジョン・ハンマは , 各パ ワー・メーターについての情報を提供してくれ , ポール・スメルダースはイン テリコーチについてレクチャーしてくれました。 USA サイクリングのサム・カレンは , 組織に所属するコーチ全員からパ ワー・トレーニングの情報を得られるように手配してくれました。Google グ ループのワットフォーラムは , パワー・トレーニングについて批判的に考え直 すきっかけをくれました。リチャード・ワートンは , 私たちの要望に対して献 身的にサポートしてくれました。ホイールビルダーのリチャード・サウィリ スは , 多大な労力をかけて BMX 用のパワータップを細かくカスタマイズして くれました。リック・シュトラウス とパトリック・マクラーンはトライアス ロンでのパワー・データを提供してくれました。クシック・ティムは強いリー ダーシップと賢明な判断でサポートしてくれました。ゲーリー・ホフマンは , 「スプリントでは 5 秒よりも 10 秒のパワーのほうが重要だ」と指摘し , 疲労 プロフィールを生み出すきっかけをくれました。ベッキー・ランバートは練 習メニューを編集してくれました。チャールズ・ホーは , 多大な労力を費やし て作成した "FAQ for Power-Based Training” や発案した変動性指標やパワー・ メーターの比較表の使用許可をくれました。スティーブ・カーピック , ガヴィ ン・アトキンス , ジェレミア・ビショップ , ディーン・ゴリッテ , ジェームス・11 謝辞 マティス , フランク・オヴェートン , パム・マイノ , サム・クリーグ , デーブ・ ジョーダン , デーブ・ハリス , デニス・リル博士 , サミー・スロアー博士 , ジョ イ・ダントニー , ジェフ・ラバウヴ , ジム・マーティン博士 , ジョン・ヴァー ヘウル , ビル・ブラック , デーブ・マーティン博士 , ベルニー・サンダースは パワー・データの分析に協力してくれました。 レースの補給地点でサポートしてくれた方 , 研究所で協力してくれた方 , ト レーニングに関するアイデアや理論の実践方法を研究開発してくれた方も含め て , 多くの方々の協力によって本書を上梓できました。すべての友人に感謝の 意を捧げたいと思います。 最後に , 本書の制作・広告宣伝をサポートしてくれたヴェロ・プレス社のレ ニー・ジャーディン , カラ・マニックス , ジェシカ・ジョーンズ , デーブ・ト レンディエール , キャシー・ストレックフス , ジェン・ソウルに厚く感謝の意 を表します。
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はじめに
本書はパワー・メーターを活用して実力を伸ばしていくための手順を学びや すいように編集されています。パワー・メーターはかなり昔からありますが (室内練習用のパワー・メーターやエルゴメーターは何と 1800 年代の後半に は , もう発表されていました), 最近になってようやく技術の進歩のおかげで 購入しやすい価格になってきたので一般のサイクリストも入手できるようにな りました。パワー・メーターの技術が飛躍的に進歩したのは , この 15 年程と 比較的最近なので , パワー・メーターの有効な活用方法はいまだに一般にはあ まり広く知られていません。パワー・メーターを使ったトレーニング方法は , かつてはトップ・レベルのコーチやごく限られたエリート選手しか知らない 「秘密」でした。私たちは , 今まで一握りの人しか知らなかったパワー・メー ターの活用方法を本書でわかりやすく解説することで , 一般のサイクリストの 皆さんが目標とするトレーニングやレースで実力を最大限発揮できるようお手 伝いしたいと思っています。本書を読めばホビー・レーサーでも「プロを目指 して頑張るぞ」と思うくらい , やる気に火が点くことでしょう。 著者紹介および本書執筆の経緯 運動生理学者のアンドリュー・コーガン博士は , 1980 年前半にエルゴメー ターを使った運動生理学の研究所で働き始めました。彼は研究所で特定の運動 負荷(ワット)を指標とする実験を繰り返す中で「循環器系がどのように機能 しているのか」,「血中乳酸値のレベルがパフォーマンスにどのように影響を 及ぼすか」といったことを学び , これらをテーマにして 50 以上もの論文を書 き上げました。彼は室内用のエルゴメーターを活用してトレーニングやレース で大きな成果を挙げていましたが , 1990 年代後半には安価で自転車に搭載可 能なパワー・メーターが発売されたことを受けて屋外での練習やレースのデー タを集め始めました。研究室でのさまざまな実験の結果からパワー・データを 使って「レースで必要となるレベルを数値化すること」,「ペーシングの技術 を磨くこと」,「体力の変化を見ること」は , すべてのサイクリストにとって有 益だとわかっていましたが , 一方で膨大な情報を理解し活用するのは現実的に はかなり難しいという限界も見えてきました。そこで彼はパワー・メーターを 使ったトレーニング方法の作成に着手し , アメリカ・サイクリングという団体13 はじめに でそれを教えコーチし始めました。本書にはその時の指導内容のほとんどが含 まれています。 トップ・レベルの選手のコーチでかつて自転車競技のプロ選手であったハン ター・アレンは , ピークス・コーチング・グループのオーナーでもあります。 彼は 1995 年以降持久系スポーツの選手をコーチしており , 1990 年代後半の 早い時期からパワー・メーターを使って選手を指導してきました。しかしパ ワー・トレーニングを続けるにつれて多くの疑問を抱くようになり「これは , 新たな手法を開発して解決するしかない」と考えるようになりました。そこで 2003 年にコーガン博士とケビン・ウィリアムスと協力して「Training Peaks WKO+」というソフトを開発しました。このソフトには「練習内容の分析」, 「レースデータの比較」,「体力の変化を確認」できる機能が盛り込まれてい ました。彼はこれまでに数千ものパワー・データの分析を重ね , 数百人を超す 選手をパワー・トレーニングをベースにコーチして成功に導いてきました。今 や彼はパワー・トレーニングの世界的な権威の一人です。 現在 , 私たちは「パワー・メーターが着実に普及してきた」と実感していま す。現にプロのサイクリストは , パワー・メーターを使ったトレーニングや レースでのパワーの値を公表し , パワー・メーターを使っているサイクリスト の数は年々増えています。また値段も下がり , 以前よりずっと入手しやすくな りました。ソフトの使い勝手もよくなっています。だからこそパワー・トレー ニングを始めるベストタイミングは「いま」だといえます。 パワー・トレーニングの始め方 パワー・メーターは「もっと FTP を高くしたい」と思っているサイクリス トにとって , かつて存在したどの機材と比べても最高のものです。パワー・ データを分析すれば , 心拍計やスピード・メーターでは決して知りえなかった あなたの隠された苦手分野がわかります。そのデータ分析能力こそがパワー・ メーターを有効に活用する「鍵」です。 あなたの自転車に装着されている他の機材とは異なり , パワー・メーターを 使えば長期にわたる体力の変化を実際にその目で見て確認できます。あなた は , 今回のヒル・リピートの結果を先週のデータと比べてみたくはないです
14 か?今年の 20 分のベスト・タイムと 2 年前のベスト・タイムを比較してみた くありませんか?過去 3 年間にわたって平均ケイデンスが変わっているかど うかを見たくないですか?パワー・メーターを使えば , たった数回マウスをク リックするだけで簡単にそのようなデータ比較ができます。 また「調子がよくなくパッとしなかったシーズン」と「好調でレース成績が よかったシーズン」で「いったい何が違ったのか」を調べることもできます。 第 1 章では , パワー・トレーニングが , 従来のトレーニングとどう違うのかを 説明します。第 2 章では , ハードやソフトについて「そもそもパワー・メー ターとは何か」,「どのように動くのか」,「各製品の特徴や『売り』にしてい る機能は何か」,「期待できる主要機能は何か 」といったことを詳しく説明し ます。もしこれからパワー・メーターを購入するのであれば , 各製品の比較分 析のセクションが役に立つと思います。 第 3 章では , FTP を計測しその数値をもとにトレーニング・レベルを設定す る方法を説明します。第 4 章では , パワー・メーターを使ってあなたのサイ クリストとしての「得意分野」と「苦手分野」を明らかにする方法を紹介し ます。第 5 章では , ワットをベースにした練習メニューを「タイム・トライア ル」,「ヒル・クライム」,「インターバル・トレーニング」といった具体例を 用いて説明します。またパワー・トレーニング・レベルの目標設定方法につい ても併せて紹介します。 第 6 章では , 走行データの分析方法を説明します。この章には , パワー・ データをもとにして作成した重要なコンセプトのグラフの実例が多数掲載され ています。第 7 章では , 前章のテーマを引き継ぎデータをより深く掘り下げる ために「標準化パワー」,「強度係数」,「トレーニング・ストレス・スコア」 といったコンセプトについて説明します。 第 8 章では , パワー・データを使ってピークを調整する方法を説明します。 この章を読めば , さまざまなコンセプトが実際にどれほど有効か理解できるこ とでしょう。 本書はトレーニング方法の紹介だけに特化した内容ではありませんが , 第 9 章ではパワー・トレーニングの実例を2つのケース・スタディーとして紹介し ています。補足資料 B には , たくさんの練習メニューを掲載しています。これ らは , あなたが実際にパワー・トレーニングをする際 , 特に強化しないといけ
15 はじめに ないレベルに集中して取り組み「パワー・プロフィール」を向上させ「疲労抵 抗力」を強化していく上で参考になると思います。 第 10 章では , 長期間にわたって集めたデータの活用方法を説明します。例 えば , パワー・データを使えば長期間にわたる体力の変化を確認でき , また年 度の違う同じレースを比較することもできます。ここでもう一度「目標を達成 するためには , どのようにパワー・メーターのソフトを使えばよいか?」を具 体例を挙げて説明します。 トライアスロン選手がパワー・メーターを使うメリットは , ひじょうに大き いといえます。第 11 章では , その中でも「効果的なペーシング方法」につい て重点的に説明しています。また長距離と短距離それぞれのレースに適したト レーニング方法と , レースで勝敗を分ける「鍵」となるポイントについてアド バイスします。 第 12 章では , ロードレースでパワーメーターを使ってピークを調整する方 法を詳しく説明します。第 13 章では , シクロクロス・BMX・トラック競技 , そしてウルトラ・エンデュランスといった他の自転車競技でのパワー・メー ターの効果的な使用方法を説明します。第 14 章は , これまでの重要なステッ プの要約です。 本書ではたくさんの専門用語が使われています。もし読者の皆さんが , 私た ちと同じように数字やグラフが大好きならばよいのですが , そのような方ばか りではないでしょう。どうしても専門用語がすっと頭に入ってこない時は , 略 語集(17 ~ 18 頁)と用語解説(393 ~ 402 頁)をご活用下さい。 補足資料 B では , トレーニング・レベルごとに分類された練習メニューを 65 種類以上紹介しています。これらはほんの手始めに過ぎません。本書を 読み終えたら , まずはあなた自身の「パワー・プロフィール」と「疲労プロ フィール」を作成してみて下さい。そうすれば , あなたはきっと自分にぴった り合った独自の練習メニューを作りたくなることでしょう。 本書は , 単なるトレーニングマニュアルではないので , ピークを調整する際 のデリケートな感覚を説明したり , 運動生理学について事細かに説明したりは しません。そのような内容については既にすばらしい本がたくさん刊行されて います。本書の目的は , あらゆるレベルのサイクリストに「パワー・メーター を使ってトレーニングやレースを行うことは大変ではない」ということを伝え
16 ることです。あなたは , パワー・データが何を意味するかを理解するのに , も う運動生理学者の指導を仰ぐ必要はありません。また , この最新の技術である パワー・メーターがもたらしてくれるメリットを味わうためにエリート選手に なる必要もありません。もしあなたが「もっと速く走れるようになりたい」 と真剣に思っているのであれば , あなたがパワー・メーターをすでに持ってい ようと購入を検討しているだけであろうと , 本書はきっとあなたの役に立ちま す。トレーニング内容を自分の頭でしっかり考え , ピーク調整方法の重要ポイ ントをきっちり理解すれば , すべてのアスリートが大きなメリットを享受でき ます。
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