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最適施設配置問題再論

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(1)

最適施設配置問題再論

一 表計算 ソ フ トに よる解‑

1 は じめに

前稿 [10]では施設の最適配置問題 に関 して前半では基礎 的な考察 を行 った。

す なわち,単純化 した 3つの最通性基準の もとでの一次元 な らびに 2次元問題 の定式化 と解法 を議論 した。後半 においては施設の利用 のための利用圏をポロ ノイ図 と ドローネ 3角形図の基礎 的な概念 を述べ,小樽市の28郵便局利用 の場 合 に適用 した。最後 に, ポロノイ図 と ドローネ3角形 図 を措 くためのUNIX 上のコンピュー タソフ トウェアの紹介 を行 った。

最適施設配置の問題 はすでに述べ た ように長い歴史があ り,オペ レーシ ョン ズ ・リサーチ,地域経済学,都市工学,マーケテイングか ら情報科学,計算幾 何学 にいたるさまざまな接近法 と応用例があ り,参考文献 も数千 にのぼる。1

本稿では,前稿 における不十分 な解説 を補い,表計算 ソフ トを用いた最適施 設配置問題の解法 を考察す ることを目的 とする。

2 ウェーバー問題

これは前稿では 「平方和問題」 と呼び,脚注で,ウェーバーに言及 した もの 1WorldWideWebへの公開も行われている。中でも東京大学工学部岡部研究室の http://okabe.t.u‑tokyo.ac.jp/okabelab/nuki/OptLocRefj.htmlは数百を数える

ほど網羅的である。

29

(2)

30 商 学 討 究 第47巻 第4

である アル フレッ ド ・ウェーバ ー (1868‑1958)21909年 にハ イデルベ ルグ 大 学 教 授 の 時 に, ドイ ツ語 で, UberdenStandortsderZ7dustrien,E7Tter Tell,ReineTheoriedesStandorts,す なわち ,工業 の立地 につ いて,第一部 : 立地 の純粋理論」 を著 してい るが,1929年 にCarlJ.Friedrich [1] に よ りシ カゴ大学 出版局 か ら,AlfredWeber'STheoryoftheLocationofZndustries, として,英訳紹介 されてか ら世界 に知 られ るようになった。 日本 で は,昭和15

(1940)年長崎高商教授伊藤久秋 [8] に よ り,「ウェーバ ー工業立 地理 論 の 研 究」 として叢文 閥 よ り出版 されている。3

当初 ,ウェーバ ーの書 は数式 ,図形 を含 むので数理経済学書 と見 る向 きもあっ たが ,ウェーバ ー 自身 は経済地理学 として位 置づ け ,数式 ,図形 部分 は付録 とし て数学者 のGeorgPickに負 っているので一部 に過大評価 されていると思 われる。

A 原料産地

(bl

図 1 :ウ ェーバ ーの立地問題

B

燃料産地

2アルフレッド・ウェーバーは著名な社会経済学者マックス ・ウェーバー(1864‑1920) 4歳下の実弟であ り,最初,経済地理学,産業立地論を研究し教授 していたが,後 に社会学に転向し,歴史社会学,文化社会学の創設に貢献 した。

3小樽商科大学附属図書館のカー ドには,「ウェーバー著,伊藤久秋訳,工業立地理論 の研究,昭和155月,東京叢文閣」 となっているが,誤 りである。翻訳書は,江沢 譲爾監修 日本産業構造研究所訳,「工業立地論」 (大明堂,昭和41年)である。なお, 上記のFriedrichの英訳書は小樽商科大学に所蔵されているが,Al血・edWeberの当 該原著は所蔵されていない。

(3)

最適施設配置問題再論 31 ウェーバーは,立地図形の内部で最小の運送費 をもた らす点 を求めること, これが工業立地であると定義す る。いま,図1のように3,A,B,Cがあ り, Aは原料産地,Bは燃料産地,Cは製品の消費地 とする。

求める地点 をPで表せ ば,各A,B,C点か らPまでの距離は,それぞれγ,

S,tであるとす る。 また,各地点での運送すべ き重量 は,a,b, Cであると する その とき,稔運送費 Sは

S‑ar+bs+ct

とな り, Sを最小 とす る点Pを構成す ることが問題 である Sを最/1、とす る P (x,y)は,2次条件が満たされている4ので,

0, O

を連立 させて解 けば求め られる。

一般化すると, ウェーバー問題は一様 な平面空間に関 しての総輸送費最小化問 題である。

giを施設または参照点iのユークリッド距離 とすると,連続微分可能な配置関数

L‑L(gl,g2,・・,gn)

の最小化 になる。いま,gi(I)llx‑xi日とする と,L∑,?=1Wigi(I) の最小化 である。 ここで,xiは第i施設の位置ベ ク Tt)レであ り,wi

を表すウエイ トである。

.f: ≧Oは輸送費

4より正確には2回の偏微分のヘッセ行列式の主座小行列式がすべて正,すなわち,

票,

0,(

) 2 ‑ ( 慧) ( 欝) , o

(4)

32 第47 第 4

上記 の問題 は ,ウエ イ トベ ク トル を1に とれ ば ,一次元 の場合, xl,x2,‑・,Xn

の中央値 (メデ ィア ン) を求 め るこ とであ り,2次元 な らば, 2次元 の 中央値 を求 め る こ とであ る。53点 の場合 ,これ は また シュ タイナー6問題 の解 であ る。

言 い替 えれ ば, 3点 か ら鋭角 3角形 を構 成す るな らば,各辺 が 27E/3‑120 0 を張 る内点 で あ り,鈍角 3角形 な らば鈍 角 の頂 点 に一致す る。

ウェイ トが 1で なけれ ば,

wi(p ‑ xi) i=lllp‑xi

を満 たす点 で あ る これ は,連立非線形 方程式形 になるので,解 を求 め るには 反復解 法 に よ らなけれ ば な らない。

Weiszfeld1937年 東 北 数 学 雑 誌 に お い て 次 の 反 復 解 法 を提 案 して い る

[7] (収束 す る こ との証 明 は後 にKuhnらに よ り与 え られた。)

xl,x2,・・・,Xmm個の独立な直線上にない点 とする。III‑ xill‑ (3‑ xi,I‑ Xi)1/2

はユ ー ク リ ッ ド距 離 を表 す。反復 アル ゴ リズ ム は,Rnの凸包‑ の次 の写像 に 基づ く。

∑77=lWiXi/llx‑xi=

T(a) ∑?=1u'i/llx‑xill

Xi

初期値0か ら始 め て反復 過程

xr+1‑T(xr)

ifx≠ xl,・‑,Xm

ifI‑ xi

5中央値 (メディアン)は解析幾何の文献ではセン トロイ ドあるいは重心 と呼ばれるこ とがある。

6JacobSteiner (1796‑1863)

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最適施設配置問題再論 33 により解 ガに収束する

以上は,単一の施設 を新たに設置する場合である。 しか し,実際には新たに 設置 しようとす る場所が占有 されていた り,実現不可能な場合がある。 これは 制約条件つ きのウェーバー問題である。

上記のウェーバー問題は,最適施設配置問題のプロ トタイプであ り,出発点 である ここで,複雑化 ない し拡張 について考えてみる

1.忌避施設の配置

既存の忌避施設 (例 えば, し尿施設) に加 えて新たに忌避施設 を設けよう とするとき,全体の距離 を最小ではな く最大にする,あるいは,ある限界以 上にす ることが考 えられる

2.緊急施設の配置

既存の緊急施設 (例 えば救急セ ンター) に新たに追加的に緊急施設 をお く ことは救急車の全体の移動距離の最小化 と,既存の施設 との応答時間の最小 イヒの2重の基準 をもつので多 目的計画問題 に帰着 される。

3.複数施設配置

2個以上の施設 (i‑ 1,2,,n)を設置するいわゆる,複数施設配 置問題 を定式化 しよう 目的関数は,

n m

Minf(I)

‑ J ∑ ' ‑

ii1u',iHx,‑ xi=+ 1<j<k<nV,kL"x1xkll

ここで,wji, V,kは非負のウエイ トを表す。 2つ以上の新施設の間の関係 をどの ように規定す るかにより問題の定式化 は異なる すなわち,退化ケー スを避 ける必要がある

4.確率的施設配置

需要点の特性 は確定的 とは限 らず, しば しば不確定な要因に左右 される。

確率的な数理計画問題 に帰着 される

5.動的施設配置

需要,コス ト,価格が時間とともに変化するとすれば動的な施設配置問題になる。

(6)

34 第47 第 4

施設配置 のサーベイ論文 としては例 えば,Krarup他 [2]お よびVerter

他 [5]が まとまっている

次節では,特 に複数施設配置のモデルをやや詳細 に検討する。

3 複 数施 設配置 の数理 計画 モデル

複数施設配置の数理計画モデルは,ウェーバー問題の目的関数 と制約条件 を 複雑化 し, より現実化する 特 に,固定費を考慮す ることに特徴がある さら に収容能力 (生産能力,挽業度) を考慮する場合 としない場合 に分けられる。

固定費 というのは新規 にある施設を設 けた とき,一時的にかかる費用のこと で土地の購入や,電気や通信設備のインフラ整備費のことであ り,施設 を設け なければ当然ゼロである。

収容能力 または生産能力 (キャパ シティ)の獲得 コス トは規模 の経済が働 く と考えられるか ら通常,凹の増加関数である キャパ シティを陽に考えるか無 視するかで,非線形計画 になった り,線形計画になる。

記号 を以下のように定義する。

fi‑施設iの開設の固定費,ci,・‑施設 iか ら需要地 jまでの移動 関数,d,

需要地 jの需要量,xl.j‑施設iか ら需要地 jまでの移送量 (決定変数),yi 施設 iが開設 な らば1, さもなければ0(未知の決定変数),Fi()‑施設i のキャパ シティ関数,A,αi‑定数O

その とき,以下の数理計画問題 を解 く。

Min I‑∑ieIlfiyi+∑,Ci,Xi,.+Fi(∑,.EJXij)] Sub.to.

∑xij‑dJ O<̲xij≦yid,A

yiE(0,1)

Fi(∑xi,)

Ai

0

(∑xi,)ai

(7)

最適施設配置問題再論 35 上記の具体例 として以下の問題 も検討 され,解が得 られている。

ある会社 はn個の顧客圏の うち,k個 はその顧客 圏にサービスセ ンター を設 け,n‑k個 の顧客 圏はサー ビスセ ンターを持たず近 くのサービスセ ンター まで移動 しなければならない とする 稔移動距離 を最小 にするようにサービス セ ンターを設置 したい。各顧客圏には需要人口Pが あ り,di,は第i顧客圏か ら 第j顧客圏までの距離であるとする.

上の問題は,0‑1整数計画問題 に定式化することがで きる 未知の決定変数

i顧客圏が第 j顧客圏によりサービスされるとき さもない とき

第 j顧客圏がサービスセ ンターをもつ とき さもない とき

を以下の問題 より求める

n n

Min∑ ∑pidi,3,j

i1)'‑1

Sub.to.

n

∑ xij

J'‑1 1foralli

xij‑ I,) O

n

∑ x,A,A k

J'‑1

x,A, 0または 1

(8)

36 47 4

4 Solverについて

LP (線形計画法),NLP (非線形計画法) を解 くコンピュー タソフ トウェ アは数多 くある。その中で,マイクロソフ ト社 のウイ ン ドウ下で使 えるソルバー (Solver)は直観 的に表計算 ソフ トの中で最適化問題 を解 くことがで きる ルバーは表計算 (スプレッ ドシー ト) の能力 と柔軟性 をいかんな く発揮 し,対.

詩的かつ効果的に作業 を進めることがで きる

線形計画や非線形計画のモデルは常 にスプ レッ ドシー ト (ワークシー ト)上 に定式化 され うる。その後,ア ドインソフ トのソルバーを用いて最適化 問題 を 解 く。

ソルバーはマイクロソフ ト社 の代表的な統合化表計算 ソフ トであるExcel けでな くLotus123fbrWindowsお よび,Corel(旧ポーラン ド社) のQuat troProforWindowsにも搭載 されてい るが,現在 ではExcelが もっ とも市場 性があるので本稿 はすべ てExcelによる ([3])。しか し, ソルバーは,米国 Frontlinesistems社 の製品であることを忘れてはな らない。7なお,ソルバー ExcelVer4までは,式 (旦)メニューか ら選んだがExcelVer5以降ではツ「

ル (旦)メニューか ら選ぶ。

データ入力の注意点

計算対象 は 「数億」であ り,データはスプ レッ ドシー トの どこかにおかれる ソルバー は, シー ト上 に与 え られた初期値 か ら出発 し,原理的 には反復法 (ニュー トン型であれ,シンプレックス型であれ)によ り解 を求める。したがっ て,初期値 を適切 に選ぶ ことが重要であるO解が収束 しない とか答が隆 しい と

きには変化 させ るセルに対 して別の初期値で試 してみる必要がある。

表計算 ソフ トを用 いて最適化問題 を解 く場合,(1)問題入力 と制約条件 の整備 7http://www.frontsys.com/を参照

(9)

最適施設配置 問題再論 37 ,(2)ソルバーの中でのパ ラメータ設定における条件完了および解の2段階を 踏む。(1)の問題入力段 階ではExcelLotusでは若干相違す るので注意すべ

き点がある。

・Excelでは関数の前 に等号符号 (‑)か ら始め るのに対 し,Lotusで は 単価マーク@か ら始める

・セルの範囲は,Excelで はコロ ン (:) を用 い,Lotusでは2個 の ピリ オ ド (‥) を用いる

・Lotusでは文字 をセルの左詰 め,中央揃 え,右詰めにす るためにはそれ ぞれ,接頭辞 ', 〈了 を用いるが,Excel95では左詰めの'があるだけ である

次 に,第2段階では表計算 ソフ トに共通な 「パ ラメータ設定」の段階であ り, 次の3つのダイアログ設定をしなければな らない。

1. 日的セル (些:SetTargetCell)

目的関数のセルで, 1個の変数セルをとる。最大,最小,指定の3つの 目 標基準 を達成す る

2.変化 させるセル (B:ByChangingCells)

目的関数の値 を変える決定変数のことである。 (変化 させるセル」 とは分 か りに くいキーワー ドであるが,変数 (variable)が数学用語であることか らより分か りやすい英語のChangeableに変 えた ことがかえって,ORワー カーには分か りに くくさせている。)

3.制約条件 (p:SubjecttotheConstraints)

問題の制約条件 をダイアログボックス形式で3つの区分化 された部分 に指 定する。3つの部分 は左辺,演算子,右辺 となっていて,演算子は,く‑,‑,

〉‑,およびint4種類である。左辺 にはセルまたは範囲の参照や名前 を, 右辺 には制約億,式,セルの参照をお く

非負条件 は陽に指定 しか ナればな らない。

また,整数 (int)制約の時は右辺には何 も入力 しない。

ソルバーの基礎 となる数学的な背景は,パ ラメタ‑設定のオプ シ ョン設定で

(10)

38 47 4 知 ることがで きる。

解の探索方法は,標準が準ニュー トン法であ り,他 は共役傾斜法 を与 える。( れぞれの方法は周知のように,変種があ り,算法の具体的な中身については公 開されていない。)しか し,実際には線形問題 を扱 うことが多いので,オプシ ョ ンの 「線形モデルで計算」 を選べば 「シンプ レックス法」 によ り解かれ反復回 数は少な く済む。偏微分係数の計算 は,標準が前進差分で,他 に中央差分がある。

近似方法は,標準の一次式 (正接ベク トルによる線形外挿法) と二次式 による 外挿法がある。実行の制限時間は標準が,100秒,最大実行回数は,100,精度は, 0.000001,整数計算のための公差は,0.05である。

LPを解 くためには,オプションの 「線形モデルで計算」 を選ぶ ことが勧 め られる (Dantzigのシンプレクス法で解かれる。)オプシ ョンの 「反復結果の 表示」 をクリックしておけば, ピボッ ト計算がわか り,最適解の事後 (感度) 分析 を指定することがで きる

Excelに組 み 込 み の ソ ルバー以外 に, プ レ ミアの Solver等 も販 売 され てい て, こち らは10ない し100倍 以 上 高 速 で,線 形 計 画 な らば800変 数, 非線形ならば400変数200制約の問題 を解 くといわれるO (http://www.informs. org/Conf/WA96TALKS/TCO2.2.htmlお よび,S.SaigalらのCompassModel ingSolutions社のhttp://www.modeling.com/を参照) しか し,たちの悪い問 8は他 の数理計画 ソフ トウェア ([9])では解 けて も現在 のソルバーでは解 をもた らさない。 また, コンピュータの計算誤差 を伴 う 言い替 えると,表計 算 ソフ トの便利 さと解の信頼性の間には トレー ドオフの関係がある。

8例 えば, 7変数問題 :

MaL'l̲̲1̲x̲'̲ーi⊥⊥‑ 53̲1+5x2+433+xIX3+6x4 孟 + + 10(1 2e 37+ e 237)

Subjectto

2∬4+∬5+0.8∬6十 ∬7‑5

322+ x32+ 352+ x62‑ 5

31+x2+x3+34+35+36+37≦10

31+ x3+ x5+ x62‑ x72≦5

xl+ x2+ 33+x4≦5

31,32,‑,37≧0

5x5 8x6

(11)

最適施設配置問題再論 39

5 ソルバ ーによる施設設置問題 の解 1.単一施設の最適配置決定

2の ように,ある公園は楕円形 をしていて,複数人の住民がその施設 を利 用 したい と考 えている 公園人口をどこに配置 した らよいか。

2 1 0 1 2 3 4 5

2:公園入口の位置決定問題

簡単化のため,公園は2x2+y2‑1の形 をしていると,住民は2人でその座標 は,p (3,1),O ‑ (4,2)とする. 数学的に定式化すれば,

Min(u'‑ (3‑I)2+(lly)2+ (4‑I)2+(2ly)2I232+y2‑1)

である 解析的に解 くことは困難ではないが表計算 ソフ トは容易である プレッ ドシー トへの入力 は以下のようになる

(12)

40 第47 第 4

A B C D

1 初期値 1 1

2 3 1 ・sqrt((B 2 ‑ SB$1)2+(C 2‑SC $1)^2)

3 4 2 上のコピーペース ト

であ るO なお,上段 のA,B, ・Excelの列 を表 し,最左 列 の数字 はExcel

の行 を表す。9

ソルバ ー選択 後 のパ ラメー タ設 定 は, 日的 セルが8 2,変 数 セ ルが β 1 :

C1,そ して最小化 に設定 し,制約条件 はA 3‑D 4であ る。実行 結果 は (〟,

y)‑(0.506348,0.698013)を得 る

2:制約付 きの単一施 設 の最適配置 問題

3の ように,中央 に設置不可 能領域 (池)が あ りその まわ りに4つ の需要点A,

B,C,Dとその ウェイ トが与 え られてい る とき,移動 の稔距離 を最小 にす る ように,施設p (x,y) を置 きたい。 どこに置 けば よいか。

数学 的 に定式化 す れ ば,

y

3:制約付 き施 設配置 問題

9距離の計算は,数値解析の観点からは式のまま,直接計算すると桁落ちがあるので, 次 の よ うな算 法 が提 案 され て い る。 す な わ ち,d‑J妄言手前 を計算 す̲る と き, u‑max(LXl,lyl),V‑min(lxl,Iyl)を求め, d‑u(1+(V/u)2)1/2とするものである。

(13)

最適施設配置問題再論 41

M i n t l i

lWidildi‑ (ai‑I,2・ (bi‑y)2Ilxl

なお,wiは各需要点のウェイ トを表 し,表の A2:A5とし,各需要点の位置は, x,y座標がそれぞれ表の B2:C5で与 え られているとす る スプ レッ ドシー

I‑のデー タ入力 と制約条件 の準備 については下表の通 りである

A B C D

1 ‑abs (B1)+abs (C1) 1 1 初期値

2 8 ‑4 1 ・A2*((B2 ‑ SB $1)^2+(C2 ‑ SC$1)^2)

3 1 4 1 D 2のコピーペース ト

4 1 ‑4‑1 D 2のコピーペース ト 5 10 4 1 D 2のコピーペース ト

ソルバーによるパ ラメー タ設定は, 目的セルが D 6,変数セルが Bl:C1, 最小化,制約条件 はA l)‑0.5である。実行結果 は, (x,y) (0,10.5)

を得 る

3:複数施設の最適配置問題

3節の後半で述べた例 を解 くことは,上記の例 と同様であ り,省略す る。10

統合化計算 ソフ トの魅力 は,単 に,表の上の計算能力 だけでな く, ビジュア ルなグラフィックスやデータベース管理の機能 をもっていることであ り,最適 施設設置問題の解析 に もこれ らの機能 を応用す ることがで きる。利用者 は,義 計算 ソフ トを用 いてシステムの持つ柔軟 さや対話型の問題解決 をパ ソコン上で 実践で きるメ リッ トがある しか しなが ら現在の表計算 ソフ トの多 くは計算精 度 に難点があるほか,式 を表すのにセルア ドレス しか使 えず,分か りやすい変 数名が使 えないなど改良点 も残 されている

10他の例についてはOR/経営科学の教科書であるWinston他 [6]を参照せよ。

(14)

42 商 学 第47 4

6 まとめ

最適 な施設配置 の問題 の解法 として,Miehle [4] は工作 による解法,解 析 的解法,お よび,石鹸膜 の解法 を与 えてい る.工作 による方法 は,Weber Pick [1]で も与 え られ,柳 井 [11]も紹介 してい るが,工学的 に直観 的で 教育的な反面小 さな問題 しか解 けない。石鹸膜の解法 はよ り大 きな規模の問題

を解 くが近似 的過 ぎる。

解析 的解法 は,WeberPickの時代 ではコンピュー タがないために概要 しか 述べ られていないが, コンピュー タがあれば任意の規模の問題 を正確 に解 くこ

とがで きる

O Rワーカー に とって数理計画問題 を解 くためにC FORTRANの ような プログ ラム言語 で書 く (書 いて もらう)時代 は過去の もの になった。最近,

AMPL,AMPLPLusあるいはGAMSの ような特殊 目的のモデ リング言語が 登場 し,ORワーカーが以前 よ りも容易 によ り良いモデルの開発がで きるよう になった。 しか し,数理計画のエ ン ドユーザは依然 として 「運転手の席」 には 座れなかった。

ここにきて 日常使 っている表計算 ソフ トの上の最適化 ツール (ソルバー)が 利用で きるようになったことか ら真 の実践的なORワークがで きるようになっ た。 また,OR教育の場 において統合化 された表計算 ソフ トの問題解決へ の有 効性 も実証 されて きた。

本稿 は,表計算 ソフ トの代表例 であるMicroso氏Excelとそのア ドイ ンソフ Solverを用いて最適施設配置問題 を解 くことによってその可能性 を示 した。

(15)

最適施設配置問題再論 43

7 参考文献

li] C.J.Friedrich,Alfred Weber'STheoryoftheLocationofZndustries,The Univ.ofChicagoPress,1929.

[2].KrarupandP.M.Pruzan,"TheSimplePlantLocationProblem:Survey and Synthesis," EuroPean Journal of Operational Research,

Vol.12(1983),pp.3681.

[3] MicrosoftRExcel,User'sGuide,Version5.0,MicrosoftCorporation,1995. [4] W.Miehle,̀̀Link‑LengthMinimizationinNetwork,'' operationsResearch,

Vol.6,No.2(1958),pp.232243.

[5] Ⅴ.VerterandM.CimalDincer, "FacilityLocationandCapacityAcquisi tion:An Integrated Approach," NavalResearch Logistics,Vol.42(1995), pp.11411160.

[6] WayneL.Winston,S,ChristianAlbright,andMarkBroadie,P71aCticalMan‑

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1996.

[7] Weiszfeld,E.,"Surlepointpourlequellasommedesdistancesde〟points donnesestminimum,'' TohokuMathematicalJoumal,43(1937),pp.355

386.

[8]伊藤久秋,ウェーバー工業立地理論の研究,叢文閥,1940.

[9]若林信 夫, 「増大 的 ラグ ラ ンジュ形式 に よる数理計画法」,北海道大学大型計 算機 セ ンター ライブラリー集,1979.

[10]若林信夫,「最適施設配置 問題の社会情報学的考察」,商学討究,第46巻第1号, 1995,pp.49‑68.

[11]柳井浩,「工場の位置 と配達区域」オペ レーションズ ・リサーチVol.41No3(1996)

本稿 の執筆 時点 まで には,未 出版 の もの も含 めて,表計算 ソフ ト (ソルバ ー) を 軸 にオペ レー シ ョンズ ・リサーチ,特 に数理計画法 を論 じた主 な成書 に以下 の もの が ある

・JeffreyD.Camm andJamesR.Evans,ManagementScienceIModeling,Analy‑

sisandInterpretation,South‑WesternCollegePublishing,1996.

・RobertFourer,DavidM.GayandBrianW.Kernighan,AW L.IA Modeling LanguageforMathematicalProg71amming,TheScienti丘cPress(now Boyd&

FraserPub.),1995.

・F.J.Could,G.D.Eppen,andC.P.Schmidt,IntroductoryManagementScience, 4thed.PrenticeHall,1993.

(16)

44 商 学 第47 4

RickHesse,ManagerialSbreadsheetModelingandAnalysis,RichardD.Irwin, 1997.

DonaldR.Plane,ManagementScience:A Spreadsheei4秒roachforWindows, BoydandFraser,1996

CliffT.Ragsdale,SpreadsheetModelingandDecisionAnalysis,CourseTech‑

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WayneL.Winston,S.ChristianAlbright,andMarkBroadie,PracticalMan‑

agementScienceSpreadsheetModelingandApplications,DuxbutyPress,1996. 真鍋,道瀬川,若 山 :文科系 の コンピュータ応用篇一表計算 ソフ トの活用」, 岩波書店,1988.

参照

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