文化を展示するということ
著者 崔 仁宅
雑誌名 国立民族学博物館調査報告
巻 14
ページ 178‑183
発行年 2000‑07‑24
URL http://doi.org/10.15021/00002229
文化を展示するということ
崔仁宅(宮崎公立大学)
このたび国立民族学博物館による重点研究プロジェクト「文化表象の博物館人類学 的研究」 『日本における韓国文化の表象』の研究集会は、私にとって幾つかの点で大 変新鮮な研究集会であったので若干の感想を述べておくことにする。
まずは集会のテーマがしめすごとく、 「ものの展示」が「文化の表象」であること をはっきりと前置することによって、展示側の企画意図を強く匂わせたことであろう。
博物館や民俗資料館などがものを展示することで一定の文化事象を表象しようとする のはごく当たり前ことであろう。しかし、展示の目的に応じては、映像資料や文献資 料などが用いられるとしてもやはり展示行為自体「もの」に大きく頼らざる得ない。
その過程で、ややもすれば羅列的な展示(特に時系列の場合)になりやすいが、この 点、民博は研究機関としての役割を多く担っているので展示プログラムの深度を深め る事が可能である。このような意味で、朝鮮半島の文化をいかに表象するかという議 論を踏まえつつ展示プログラムを組んだのは、 「展示行為」と「異文化研究」双方を フィドバック関係に押し上げ、博物館学や文化人類学、比較民俗学といった関連領域 に新たな問題提起を呼び起こすきっかけになったと思われる。例えば、シンポの過程 でも指摘されたように植民地文化の展示、在外韓国人文化の展示、北朝鮮文化の展示 などきわどい議論を呼び起こすのに足りる試みであったと考える。
また、 「現代に生きる伝統文化」というコンセプトを用いることによって、韓国文 化の多重性を展示技法の中に生かそうと努力した点、評価に値しよう。博物館に対し て一般的に〈「博物館行き」という言葉が意味する「博物館とは何か古いもの、珍し いもののある場所」というかびくさいイメージは払拭されつつある〉[武士田 1994
:218]昨今において、現代を展示するという試みは幾多ある問題を抱えていても行
われるべきであろう。これは朝倉氏の基調報告でいう「意味ある過去」として、現代
に息づいている韓国の伝統文化を表象しようとする意図が果たして見る側に十分伝わ
るかどうかという結果如何を問わず数々の話題を提供すると思われる。例えば、現代
の生活文化を展示する場合、その基点をどこにおくのか。もし産業化を基準にするな
らば、産業化以前と以降を区別する幾つかの指標をどのように抽出するのか。地域性
文化暑展示邊1斗モ裂
弘仁宅(宮崎公立大學)
01剋ヨ詔望否重}叫号モ}01191重}{}召『旦子忌.呈科三 「{}司一豆杢}91叫暑豊
q淫す}司望子」 「望三州叙・判重}ヨ}{}旧記豆杢}』到望子召司三三三下セ
喫7トス1三州銀二二司吐一型組妊・ヨ干二二蝕フ1剛呈右記社到召甘暑
司σし旦71呈電}亡1.
望刈{団到司叫7トし}E柵セ…焚斗そ}・1,「暑二d到石入1」フト「{茜回 田杢}」rユ7屠呈噌司台石刈脅⊇.二二そ1刃斉一フ圏温田暑そ}さ材1」号71刈 殻叫モ唄・1二言三豊喫望舎スト豆望}号・1暑君暑冠入1司・ゼ引皇呈二心
三三是糾入レΣ}(文化事象)暑表象苛エストきトセ唄薯叩♀望望司・亡ト.ユ己11斗,
石入1昇司州叫叫(蓼甘ス障叫呈司スト豆号暑。1甚奄可エ司・日叫呈9入1石 入國♀:1ス圃セ「暑君」叫寄・1到舌苛ス1蕗高冷叡叫.ユ藍碧司レ日スト梨 二二耳望司剋起入1(号司時系列到石♀)7ト司フ1唱ス榎},ユ召暑,マ1否箆 台馬肇}望〒列宅}皇ヨ洲鴇薯9重出昇司二二糾エ銀フ1曜珂,石入1二 三ユ碧91想呈三三糾入1ヲ1セ唄01升皆司・亡1.01己種}91ロ16刊刈巨魁王系{}
糾暑明馨刈豆磐司・セフト{斗セ芒到暑、里司呈冠入1王呈ユ碧山子碧を可セ 二三 「石入1墾♀1」斗 「異文化望子」叫ゼ(まスト暑二三三山翔呈望明六 司,叫暑モ}01し}呈糾q誤長,日1皿三舎叫。悔}セ壱週唱9州川呈{}呈刈刈 71暑暑司三三ヲ1セ翔フ17ト二二U}エ想Z}三三.詰責暑明,忍王ス1苦91叫;副 司二王ス国宅唄刺碧三冠ス1二二到石凡ス四電}号望呈糾到冠凡昇妊
呈三二石入1号慰叫尋芒9}暑暑己1望立ヲ1コ入1三銀亡トエ想Z:種}U㍗.
王選,「む州州醤叫戴セ石暑呈糾」叫ゼ週摺金朴暑脅立呈列,石入レ1 唱釧7陪司鳶}号呈司・到叫(書碧{}杢}司司エ土百蝕τ}ゼ替含(蓋・1)碧7を 墾魁司・uL叫暑豊州司胡刈望魁司q〈「叫暑モ}7レフ1」叫セ畳明7㌃禦
・固セ「叫駅}・1叫セ唄薯・囲週ス1皇司宅唄,三二を唄・1銀セを杢」
叫セ計{≧01司ス17ト刃1舎暑剤9エ銀τ十〉[武士田1994:218]セ皇巻司1叙
明札む朗暑そ1入1古個セ入1呈セ明己1フ図呈刈暑?}エ銀叫エ胡呈翌墾
胡叶魁司・セ須01τ斗.ユ裂書朝倉列7トフ1呈旦エ司レ『魁尋 「到司銀芒斗
という特殊性を乗り越えて展示しようとする場合、都市部にも農村・漁村部にも共通 する物質文化をいかに縦覧的に捉えるのか。衣食住という日常生活を現代というテー マで展示する場合、その意義は何であるかなど様々な議論が起こりうる。この点、松 戸市立博物館の「常磐平団地の誕生」というテーマで2DKの生活再現を試み、その 一部始終を論文にまとめた青木[青木 1996:52]がく現代という自分たちとの差異 が見出し難く、価値判断のつけにくい、現在と直接に結び付く時間を展示の対象にす ることは、それだけ展示に対して厳しい問題が突きつけられることになる〉と指摘し たとおり、過去と現在の時間的落差があまりなく、観覧者側の実体験の内にあるもの を展示する場合は、展示意図と技法が厳しく問われよう。
さらにこれらの現代展示の対象が異文化である場合は、エミッタとエティックの問 題が加わってより厳しい対応を迫られよう。特に、今回シンポに参加したメンバーの ほとんどが韓国人として博物館学や周辺領域の専門家であり、自分たちが直接的に経 験してきたものの展示ということで幾つかの厳しい指摘があったのを鑑みても展示の 難しさを垣間見ることが出来る。現代展示のテーマや企画意図をより鮮明にしなけれ ば、日常のわれわれの生活空間それ自体が一つの展示場というふうになりかねない。
また、単なる古き良き時代というノスタルジックな懐古主義にはまりすぎないように もしなければならない。しかし、今回の展示替えにあえて現代という視覚を取り入れ ることによって、今後、上記の幾つかの議論点をより深く踏まえることができると思 われるのでその意義は大きいと言わざるを得ない。
一方、この度の研究集会が韓国語を共通語として行われたことに私自身日本では初 めての経験だったので新鮮な衝撃を受けたことであろう。日本における研究集会に韓 国語を共通語として用いるということはあまり前例のない試みだったように思われる
(ただし、私の狭い経験の限りでは)。道具としての言語とは言え、用いる言語によ
って議論の進め方が違ってくる。具体的に私の場合は、母語を使用することによって
直感的な内容をスムーズに表現出来たわけだが、逆に日本人の諸研究者の韓国語によ
る表現内容はより直観的なものではなかったのかと思われてしまったことである(も
ちろんその逆も十分にあったと思われるが)。これは韓国と日本に限られたことでは
なかろうが、特別な関係にあるとする両文化圏の専門家たちが日本国内で韓国語を用
いて公の議論を交わしたことに自分勝手ながら感動してのである。自文化による自文
化理解と異文化による自文化理解の多様性を実感させてくれたといった観点からまさ
にエミッタとエティックと言う視点の交差を味わうことが出来たのはうれしい。結局、
端呈麻む醐}含丼エ銀セ尋号潮石暑呈糾暑豆甘苛エスト糾セ到呈7ト 斗望旦セ斉司別善甚司そ1毫国銀セス1・Pdス1叫セ君斗司苛暑国じ囚 留喜01叶71囚司(話題)暑刈字引}叫エ碧4覧}叫.司暑号司,む司回想暑里 子暑冠入1司セ碧♀,ユ7困暑二目州暑喫剋7ト?マ桝冠三重屠71{}立 呈重掲唱,妊唱糾・レヨ叫。1卒暑子望苛セ要7トス回ス匿暑明響翔手苦 琶唄剋フト?ス円想。1己}ゼ号幸想暑羽・判瑠・判そ1入1掛コヌト苛セぞ♀,呈入1 切囚呈,告善・司善司レ『引回暑到セ暑召{}糾{}・判望川縦覧司皇呈魁・干暑 望叫?円剤手叫セ望甘想暑暑碧閉司一下司叫呈冠門司・セぞ♀,ユ斜釧ゼ 早唄皇1フ}号司司フトス1芒到井望写せ午銀叫.01召,松戸入昭叫暑モ}釧
「常磐卒團地到豊想」01叫セ司叫旦2DK回想暑ス刊む一入1王,ユ望早入1 筈(始終)暑芒呈皇呈碧司殻望青木01 〈む司町回スレ1ユ暑斗釧叫01暑曽君 苛フ1・栢エ,7國茎}モ}暑き}フ1明司♀叶竜州斗剤唱司皇呈召早到セ入1社 暑石入回州甘立二四ゼ引金ユ環魁立呈呈冠入子1q1言η(苔右回{}刈7ト 望明叫別宅u}〉[青木1996:52]ユスP『耐州呈,石入1丁子舛フ1唱01曽望 司・別半こま司司召唄011斗.
司岳01ユ三重}む司図入1到τ肢}01異文化望ぞ♀セ,01ロ1ヨ司(emic)01 エ司1目を(etic)呈刈フト日子翌旦τ斗鵯項を朗暑01な三宅t十.号司,01胆91 碧王ス陪圃室}7鳳・a咽司潮司牛呈。1醒号皇1立呈刈叫暑普す}。}耳q唱唱 斜到冠{}7ト・回,スレS暑・1司唱司三三眉碧丁銀望暑君潮石入1叫セ如1 望叫イ}到望君をス囚・1戴銀望唄{}身呈冠入回・判四苦暑唄暑・午戴叫.
む司そ1入回司叫耳フ野州王暑旦τ干旭下司州苛三寸,望三門・月己17㌃ス1 嘆}号そ}ユス圃フ㍗苛耳釧そ1入1を・}叫エ司セ剤・1暑ス1三二三u}.空尋 唱を司唄せ01奪戴1斗三七ユニム望ス1司剤q司エ手引(懐古主義)州叫刈暑ス1 二三弓手到暑7ト含・⇒・博を叫.ユ己i耳・1剋到石入1皿刈司1ろ{}司観朗叫 ゼ入1z陪三(召糾セ唄州銀司ヌ㍗卒,望刈巴鴨尋喫7トス回芒到唱含旦 叫門川モ囚三二銀叫エ想之国旦呈ユ到予予ヨ叫エ世司一ス1鴇暑・午
叡叫.
量週・1剋到r旦〒門司7トを昇・判7ト号暑(月呈翌入国銀u}セ召物1耳スト2S
o1望薯(羽刈セ刻音立呈眉碧苛三下・1叫セ日1くユ組重}暑三野魁戴叫エ碧
牛三三ト.望薯司1戴(沸望子廷丁(刈1重}門司暑影干(刈三州人ト甚を亡R三型{≧
文化を展示するということもこれらの内にあるのではないかとまた門外漢が勝手に思 ってしまう。
〈参考文献〉
武士田忠1994「地域博物館の抱える諸問題」 『日本民俗学』200号,日本民俗学会,pp.
218−229
青木俊也1996「現代史展示の実際一2DKの生活再現をめぐる問題一」 『日本民俗
学』208号,日本民俗学会,pp.40−57
石司レレ叡セ入1呈銀し}:丑想4呈1ごト.王〒・呈囲到?1・判叫エ司・唱,λト暮司セr亘
明司1到胡芒到到萢碧噌書01量叫剤叫.子翔司立呈耳到碧♀,呈号明暑 λト繰}立呈州剤吾司勉岨暑暑早三唱剛丑竜毬冷叙銀ス1マL魁司呈望薯 望q子ス國量号・ホ引到を豆観叶筈芒旦叫司豊司?ユ奏書叫日餓暑η}
司・エ想4司司司セろ!01亡ト(暑喜ユ魁司到眉♀呈苦呈司叙銀叫エ碧:4 糾スト丑)。ユ唄芒妊…号斗望薯司刈魁9ゼ裂・1・}日烈ス1魁号哩糾モ}刃回 叙亡1エ司・モ早{}司・週.91石{}7ト暑01望薯川。刊刈重}号(刃呈号ろ囚q芒91 暑」1暑蝕τ斗セ唄州刈唄司呈君暑鳶}唄01亡卜.自文化州到を自文化01胡 叫異文化(¶到を自文化01司到叫磐碧暑唱召入1引子・餓亡R壬豊召司刈叫 碧司 01ロ1ヨ:司(emic)01エ州目を(etic)入1召91丑叫暑庚暑・午叙銀q唄{}
君立呈看刃銀叫.召号,呈糾暑週刃妊叫セ唄王ユ喫暑川司戴セ裂。10ト 翌ηト叫エ叫入1尋剋呈羽醒・1ス}フ1唄q1呈想4司旦鍛τ}.
君ユ{}む