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1 節 地域福祉 と就 労

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1 節 地域福祉 と就 労

森 正

地域福祉 とは、牧里毎治氏 によれば 「ある一定の地域社会 において望 ましい とされ る快適水準 に住民 もしくは地域社会の生活が達 していない とき、その生 活 の改善 ・向上 を生活者主体、住民主体の視点 に立脚 しなが ら国 ・地方 自治体、

住民組織、民間団体が協働 して、在宅福祉サー ビスを含 む社会福祉サー ビスの 拡充 を図 ろうとす る個別的、組織的、総合的な地域施策 と地域活動 の総称 であ り、 ( 中略)いわゆる福祉八法改正以降、福祉行政 の 『 地方分権化』のなかで、

保健福祉 の融合、住宅 ・交通 ・通信 な どの施策 との連携が進み、地域福祉 も社 会福祉事業 を超 えた産業政策や労働政策 を巻 き込 んだ地域福祉 システムづ くり

として捉 えな くてはな らな くなって きている 。 その意味では地域医療や地域保 健 との統合が地域福祉の課題 とな りつつある 」 との ことである。 これは "中央 に対する地方の福祉〟 とい うように矯小化す るのではな く、地域固有のニーズ に対するサー ビス供給 をシステム化 ・体系化 し、総合的かつ機能的 に見直 した うえで個別化 して行 く、 とい うことである

それな らば確かに医療や保健 との 連携だけでは解決で きない問題 に直面する場合 もあ り、産業や労働政策 との協 働が視野 に入 って くることもうなず ける。

また福祉行政 において も、従来 の 「 社会福祉事業法」 を 「 社会福祉法 」 へ改 正するな ど、 これ までの社会福祉 に見 られた 「 対症療法」的なスタンスか ら、

各個人のニーズ ・特性 を考慮 した 「 積極的な 」 支援 をす る方向へ と転換 しつつ

ある

その ような機運 を背景 として、障害 を持つ当事者の就労 とい う問題がク

ローズア ップされ、 これ まで以上 に重要性 を増 して きた。それ も従前 とはまっ

た く異 なるシステムの出現 によって障害 を持 つ当事者 に とっては就労 もし くは

雇用への道が広が り、企業 ない し自治体 に とっては法定雇用率 を充足する手段

(2)

ともな りうる 。 まさに、画期的な変革の時期 に来 ていると言 えよう 。

2 蔀 就労の現状 における問題点

( 》全国における障害者雇用の現状

「 障害者 の雇用の促進等 に関す る法律 ( 障害者雇用促進法) 」では平成 1 0 年 7 月 に法定雇用率が引 き上 げられ、 従業員 5 6 人以上の企業 は全従業員数 め1. 8 % 以上 の身体障害者、知的障害者 を雇用 しなければな らない。特殊法人 ( 常用労働者 4 8 人以上規模 の法人) ・では 2. 1 % 、国・ 地方公共団体 において̀ も労 働大臣が指定 す る教育委員会 ( 職員数 5 0 人以上の機関 ) ' では 2. 0% 、その他の機関 l ( 職員数 4 8

人以上の機関)では 2. 1 % に改訂 された。

また、労働省が平成 1 0 年 1 1月に従業員規模 5 人以上の民営の事業所 を対象 と して全国で行 った 「 事業所調査 」 によ▲ れば、身体障害者 は 3 9 万 6千人 ' ( 平成 5 年度調査 3 4 万 ̀ 4 千 人)、 ・うち重度身体障害者 の比率 は 3 3. 3 % ( 同 3 0+ . 0%) であっ た。知的障害者 は 6 万 9 千人 ( 平成 5 年度調査 6 万人)、 ,うち重度知的障害者の 比率 は 2 8. 5% ( 同 2 2. 4 %) と▲ な り、身体障害者 と同 じく重度障害者の比率が上 昇 して いる.精神障害者 も 5 、 万 1 千人 ( 平成 5 年度調査 2 万 3 千人) となって いること. をもって、雇用状況 としては " 重度障害者 の比率が高 まる〟 と総括 し ているが、全国 に約 3 3 9 万人 いる 1 8 歳以上の身体 ・ 知的障害者 ( 1 9 9 5 年 、・ 9 6 年調 査)の うち、企業 に就職 している人 は 1 5% 程度 にす ぎない ( 2 0 0 0 年 9 月 8 日付 Mai ni c hiI nt e r a c t i veMai lより ) 。 これが満足で きる数値か どうかは評価 の分 かれ るところだろう が、雇用制度や社会 システムが変化 して行 ぐ中で障害当事 者の就労 のあ り方 も、従前 とは様相が異なって来ていることは間違 いない. ‑ ( 参長崎県の現状

一方、長崎県 におけ る・ 障害者雇用の現状 にはさらに厳 しい ものがある

・ 1 9 9 9 年度 ( 平成 1 1 年度)における長崎県の雇用状況 を見 ると、障害者数 1, 7 8 2 人∴実 雇用率1 . 9 5 % となっていて、‥ 全国平均 の 1. 4 9% に比 して 0. , 4 6 ポイン ト上回って いる . , しか し、 これ は " 重度障害者 1 人 の雇用 は 1 2 . 人 としてカウン トす る〝とい う事情がある。 また地方公共団体 においては、 ,労働大臣が指定す る教育委員会 ( 職員数 5 0 人以上の機関)が 1. 2 6 % 、その他の機関 ( 職員数 4 8 人以上 の機関)が

‑ 1 0 4‑

(3)

2. 0 9% と、 ともに雇用率 に達 していない。 また、民間企業 においては上記の よ うに雇用率 1. 9 5% に達 しているが、産業別 に見 る と、製造業が 3. 0 3% と高い数 字 を示 しているものの、他 に雇用率 を達成 してい るのは農林 ・水産業の 1. 9 6 % 、

サー ビス業の 1. 8 % に とどまっている 。 一方、鉱業 と電気 ・ガス ・熱供給 ・水道 業 においては 0% であった。特 に電気 ・ガス ・熱供給 ・水道業 においては前年 の平成 1 0 年 6 月の調査で も 0% であ り、障害者 の雇用 に消極的、との印象 はぬ ぐ えない。 これ ら長崎県の実情 を見 て行 くと、考慮すべ き若干の事情 ( 離島が多 い、体力のある地場産業 もしくは他県か らの進出企業が少ない、等々)が ある

とはいえ、就労 を希望す る障害当事者 に とっては酷 な環境である。

障害当事者の雇用 ・就労が遅々 として進 まない原因 としてはい くつか考 えら れ るが、 もっ とも大 きいのは法定雇用率未達成の場合 に課 され る罰則規定の甘 さであろう 。 つ まり、達成 しな くて も未達成 1 人 につ き 5 万円の納付金 を払 う だ けで、 それ以上のペナルテ ィを課 され ることはない。 したが って、障害当事 者 を雇用す るよ り安上が りになる 。 トイレや玄関な ど社屋の改造 にかか る直接 的 な費用、あ るいは障害当事者 の業務指導や相談 にあた る従業員 の コス トパ フォーマ ンスが低下する、 といった間接的な費用な ど諸費用 を考慮 して違反金 の支払 を選択す る企業が多いのである。

ただ、 それ も従来の雇用お よび就労形態、た とえば実質的な終身雇用 とか事 業所へ出勤 しての就労 に限定 しての話である 。 現在、あるいは今後 の雇用お よ び就労 に関 しては、以下 に述べ るような新 しい試 みの義動が見 られ、障害 当事 者 の雇用 ・就労 に とっての壁 となっていた諸条件が取 り払われつつある

この ような動 きが本格化 し、制度 として も社会 システム として も定着 していけば、

状況 を大 き く変革す るもの とな りうるであろう

3 節 就労 システム に関す る新 しい動 き

新 しい動 きについては、雇用 に関す るもの と就労 システムに関す るものがあ る。 また、その主体 によって国 ・地方公共団体 の支援 と企業 の支援、民間団体 の試み、当事者 自身の組織 による試みがあ り、各々 を以下で見て行 きたい。

( 彰国 ・地方公共団体 による障害者の就労支援

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a. 国の支援策

労働省 ( 現 ;厚生労働省)は 「 障害者雇用対策の推進」 という▲ 指針を発表 し ているが、その骨子 として 「 障害者雇用機会創出事栗 ( 仮称)の創設」 、「 職場 適応援助者 ( ジョブコ. 「チ)を 羊よる就職後の人的支援パイロツ. ト事業の拡充」 、

「 鞄域雇用支援ネッ トワーク̲ ヰ こよる精神障害者職業 自立支援事業の拡充」 、「 障害 者就業 ・生活総合支援事業の拡充」 、「 情報機器の活用による重度障害者の社会 参加・ 就労支援連携モデル事業の実施」、などを挙 げているが、中で も 「 情報機 器の活用による重度障害者の社会参加 ・就労支援連携羊デル事業の実施上は重 要である 労働省 は平成 1 1 年度か ら関係機関の日本障害者雇用促準協会 を通 じ て重度障害者 にパ ソコンを貸与 し、在宅就労の促進を図っている . ‑これは後で も述べるが、重度障害者にとってはま草に " 福音〟である. 自宅 に居なが らに してq ) 就労が可能 となることか らこ重度障害者を阻んで きた通勤や建物の不対 応 といった物理的バ リアか ら解放 されるのである . 企業 にとって も、費用の負 担 を増大することな く雇用率の達成 につながるのであるか ら、 この制席が拡充

されつつ、今後 も継続 されるL. とを切 を 【 こ希望する次男 である.

[ 厚生労働省のホームページ]

‑ ht t p: / / W叩 . mhl w. go. j p/

[日本障害者雇用促進協会のホームページ]

' .ht t p: / / wwwj a e d. o r j p/

b. 地方公共団体の支援策

・‑ 以下は㈱長崎経済研究所が発行する調査月報誌 「ながさき経済 」 ・ 2 0 0 0 年串月号 に掲載 された [ 新 しい就労スタイル として注 目される SO. HO] : よりの引用であ る 。

<参考 6> 福岡県の SOH O支援策

福岡県は 、2 0 0 0 年度か ら SO日 0事業者及び発注側企業の双方を対象 と して実態調査を始める 。 その後はアウ トソーシングも行 う方針である。

<参考 7> 「 長崎県地域情報化構想」∴

長崎県は 、97 年度に策定 した 「 長崎県地域情報化構想 」 q ) なかで 「しま の格差是正 と活性化 」 高齢者 ・障害者の支援 」 イ産業の振 垂」 の観点和 ら、

21 世紀社会 に 「 在宅勤務 ・SOH Oやモバイルワークが普及 」 す孝可能性

‑ 1 P 6‑

(5)

を示 し、「コンテ ンツ産業 をはじめ とした情報関連産業の誘致 ・創出 ・集積 を図 るため、情報通信基盤や企業立地環境の整備 」 に取 り組 む こととして いる 。

②企業お よび民間団体 の試 み

民間団体 ( 主 として NPO) と企業の連携 により、障害者の雇用・ 就労の機会 を広 げるためのさまざまな試 みが行われてい るが、中で も注 目に値 す るものが ある。<ジ ョブマ ッチ ング情報広場 > とい うもので、 慶応大学金子郁容教授 の研 究室 を中心 に実施 されてい る 「 VCOM プロジェク ト 」 が、「 障害が ある人たち の就労機会 をよ り豊かな ものにす る 」 ことをめざして提供 している。現在 は実 験的 に利用 している段階だが、「 求人 ・ 求職、業務委託/業務請負な ど就労関連 情報 の広場 」 と位置づ けている。 その基本的な考 え方は

障害がある人 は、皆 さんそれぞれの困難 さを抱 えて就労情報 を探 してい らっしゃることと思います。職安 に登録 して足 しげ く通 うことも策の一つで すが、重度の人 になるとそれ もままな らないで しょう

一方、 企業 の人事 の方 も, 職安 に赴 いて もなかなか意 中の求職者 と会 えない ご経験 もおあ りで しょう

また、企業や大学 な どが仕事 を委託す るのに、障 害者 に頼 みたい と思 って も、請負って くれ る人や団体 をどうやって見つ けて

いいか分か らない。 こんな悩 みがあることと思 います。

インターネ ッ トが急速 に普及 して きました。在宅勤務やサテライ トオ フィ スを取 り入れた柔軟 な雇用の形 も増加 しつつあ ります。業務委託/請負な ら、

メールな どを使 って在宅で も可能 な場合が増 えてい ます. そ うした動 きがあ るなかで、「 仕事 を探 している」 人や団体 と「 雇用 したい/仕事 を委託 したい 」 事業者が互 いの情報 を出 し合 って、 それぞれが 自主的 に、 自由に閲覧 した り 検索 した りで きる 「 情報広場」 を作 ろうとい うことで、 この <ジ ョブマ ッチ

ング情報広場 >を実験的 に設置 しました。

とい うものであ り、インターネ ッ トの即時性 と公開性 を最大限 に活用で きる試

み と言 えよう。 さらに、障害者 を対象 としている ところに大 きな意義がある。 し

上で も述べ られているように " 重度障害者 は職安へお もむ くこともままな らな

い〟 し、 それゆえに企業 には職 を求める障害 当事者 の情報が伝わ らない、 とい

う事情があって、障害者 とくに重度の場合 は就労の機会 に恵 まれなかったのだ

(6)

が、インターネットによってその壁 を一挙 に打ち破 ろうとする画期的な試みと 言 えるoその・ <ジョブマ ッチング情報広場 >の一 関連ホームページに 「 障害者就 労の事例 とノウハウ」 というサイ トがあ り、そこに障害者雇用の実績があ る企 業インデックスがあるので、参考 までに挙 げてお く。

◎製造業

○コンピュータ .

( 日本ディジタルイ クイ・ ツプメ. ン ト株式会社、株式会社 日立製作所、\日

'

t本 IBM 、 ・横河電機株式会社)

○マンビュータ以外

.( 住友 ゴム工業㈱、 日産車体㈱、旭硝子株式会社、キヤノン株式会社、

マツモ ト工芸産業株式会社、産経新聞社、ライオン株式会社、横浜ゴム 株式会社、 ‑ ㈱ゼクセル、株式会社 INAX 、株式会社伊藤園、住友ス リー エム、㈱ リョTイン、矢野紙器㈱、㈲借友工業所、㈱ グックス、アサヒ

ビール)

◎運輸 ・通信業

( 両備運輸株式会社、藤原運輸株式会社、株式会社 日立物流、株式会社 ムービング)

◎卸売 ・小売業、飲食店

( 株式会社I t 1‑ソー ン、株式会社オンワ「 ド樫山、三菱商事太陽株式会社)

◎金融 ・保険業 ‑

( 東和証券株式会社、富士火災海上保険株式会社、大同生命保険相互会 社、株式会社第一勧業銀行、株式会社大光銀行」安田生命保険相互会社、

・日本合同ファイナンス株式会社、 日立 クレジッ ト株式会社)

■◎サービス業 ̲ 〜

( スペースワール ド、よみうりラン ド、㈱東京都データシステムズ、富 士通エフ′ ・ ・ アイ ・ピー株式会社、横河エンジニア リングサ丁 ビス株式会 社、株式会社鈴鹿 サーキットラン ド、 日本放送協会、株式会社富士通 ビー , ・エス ・シー、株式会社 レック ・サービス、志摩観光ホテル、 .フジ テレビジョン、ホテルニ土‑オータこ、朝 日新聞社、セ ミナーハウス常 総、 トランス ・コスモス株式会社、富士急ハイランド、毎 日新聞社、ホ

‑ 1 0 8‑

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テルニ ュー 日昇、 リコーエスポアール株式会社)

◎学校

( 同志社高等学校、船橋市立高根台第一小学校、加茂暁星高等学校、明 治学院高等学校、姫路市立豊富中学校、 日本大学高等学校)

◎特例子会社

( ANA ウイ ングフェローズ株式会社、 リコーエスポアール株式会社、

㈱西友 フーズサー ビス、㈱ハセ コ‑システムズ、東京都 プ リプレス・トッ パ ン株式会社、株式会社 ア ドバ ンス東京工場、泉サー ビス株式会社)

[ VCOM のホームページ]

ht t p: / / www. vc om. o r . j p

※特例子会社 とは、 とくに中堅 ・大企業 における障害者の雇用促進のために設 けられた制度。

障害者の雇用 に特別の配慮 をした子会社の設立が、一定の要件 を満た している場合、 その子 会社 に雇用 されている労働者 は親会社 に雇用 されているもの とみなして、親会社の障害者雇 用率 を計算することがで きる制度であ り、 これにより企業が障害者雇用 を進めることを容易 にしようとするもの。平成 9 年の障害者雇用促進法の改正 とも相 まって、平成 1 0 年 1 月現在、

全国ですでに84の特例子会社が存在する。

また 、2 0 0 0 ( 平成 1 2 ) 年 9 月 8 日付 Ma i ni c hiI n t e r a c t i veMa i lの記事 ド実 力派〟の NPO も出現 I T を活用 した障害者就労 の支援」には以下 の記述があ

インターネ ッ トを活用 し、障害者 の就労 を促進 しようとい う動 きが高 まっ ている。すで に高 い技術力 を身 に付 け、ウェブサイ ト作成 な どを受注す る" 莱 力派 〝 NPO も出現。 また、通勤が困難 な障害者 をシステム開発者 として在宅 の まま雇用す る企業 も出て きている。 その一方で、現行の障害者雇用促進法 や企業 内の制度が 、 I T を活用 した就労形態 とそ ぐわない部分 もあるな ど新た な課題 も見 えて くる。 ( 中略) 通勤 は、障害者の就労 を阻害 してい る大 きな要 因 と言われ る。特 にラッシュの激 しい都市部への通勤 は負担が大 きい。

パ ソコンな どの機器 と、イ ンターネ ッ ト接続環境が あれ ば自宅勤務が可能 になる I T の発達 は、通勤困難 な障害者 に とってはまさに福音だ。

8 月 2 0 日に創刊 されたメールマガジン 「 We CAN! NEWS 」で、 ウイキャン 理事長 の広岡馨 さんは 「 就労 の夢 を抱 きつつ もそれ を果たせなかった障害者

に とって、イ ンターネ ッ トの普及 は大 きな希望 とな りました。( 中略)イ ンター

(8)

ネッ トによ り大 き く社会構造が変化 している状況 は、真 に対等な社会参加 を 目指 している障害者 に大 きなチャンスをもた らしたのです」 と高 らかに呼び かけている.̲ ( 中略) .産業構造が変化 しつつある時期だか らこそ、. ウイキャ ンのような労働市場への二や 新規参入組〟が成功する可能性 も高い. R機 を逃 さ ずに、適切な支援策が実施 されることが求められている

[ We CAN ! のホームページ]

/ ht t p: / / wwwこ 巾e c a n. go l . c o m/

③ 当事者組織 による試み a, 大阪 ・神戸での試み

障害当事者間で も、就労へ向けての大 きな うね りがある 。「 Cha l l e n ge d を納税 者 にで きる日本 をめざして 」 をキャッチフレーズ とするプロップ ・ステーショ

ンは大阪 ・神戸 を本拠地 として 1 9 91 年 5 月に発足し 11 99 8 年 一 9 月に社会福祉法 人 として認 可 を受 けた. コ ン t fユータ ネ ッ トワーク を活 用 して C ha l l e n ge d

( チャレ㌢ジ ド)の自立 と社会参画、 .とくに就労の促進 を目標 に活動 を続 けて中 る。

※ C h a l l e n g e d( チャレン ジ ド)というのは「 障害を持つ人」を表す新 しい米語 「 t h edl a l l e n g e d 」

を語源 とし、′ 障害 をマイナス とのみ捉 えるのでな く、障害を持つゆえに体験す る様々な事象 を自分自身のため、あるいは社会のためポジティブに生か して行 こう、 という想いを込め、

プロップが提唱 している呼称である。

I

プdl t l ;プ ・ステーションではチャレンジ' ドと高齢者 を対象にしたや 主ナ丁を 開催 してお り、チャレンジ ド自身が講師を務 めるゼ 主ナ‑ もある。通 って勉強 する教室形式 と、在宅で勉強するオンラインー( インターネッ トを使 う)形式が ある

内容 としては、大阪め教室では画像 を処理す る「グラフィックヤ ミナ」」

やl = ミュニケ⊥シ畠ンツ「ル としてめインターネ ッ トを学ぶ 「イシターネ タ ト 4 セ S l ナ⊥」 を、在宅で学ぶオンライシセ ミナ二では 「 翻訳者養成講座」、「プロ グラ ミング講座」、「データベースセ ミナー 」 などを開講 している.

とれ らの‑ ‑ t zミナ」にはボランテ ィア甲講師 はもちろん、後述するような支援 企業で働 く専門職が指導に当たっていることも大 きな力 となっている

.

壷た、

受講 ・終了 したチャレンジ ドにはコンビュ∵タネシ ドゥ‑クを駆使 して在宅で 仕事 をとなす道が繭かれてお り二亘の仕事め内容 は以下ゐようにバ リュージョ

ー 11 0‑

(9)

ン豊かである。

※データベース販売管理 ( 受注管理、在庫管理、請求人金管理)システム構築 ・ 教育機関用成績管理 システム構築 ・予約管理 システム構築 ・予算管理 システ ム構築 ・行政情報公開のためのシステム構築 な ど、大小様々なデータベース 開発

※ホームページメンテナンス、リサーチ、 表紙 デザイン、コンテ ンツ制作 ( J AVA

e t c. )

※ポスター、パ ンフレッ ト・デザイン、キャラクター ・デザイ ン、 DTP 業務全 般、エ ッセイ執筆

※アニメーション制作、ムー ビー制作

※日 ・英翻訳 :ビジネス文書、テクニカル翻訳、文芸書 、e t c.

※ i モー ド :プログラム開発 ・コンテ ンツ作成

※その他 データ入力、テープ ・ライテ ィング

また、 プロップ ・ステー ションの特色であ り、 その基盤 を固めて もいるのは 広範 な支援体制である

支援す る企業 ・団体一覧 にはその一部 を挙 げるだ けで もア ップル コンピュータ㈱ ・日本電気株式会社 ・富士通㈱ ・オムロン㈱ ・マイ クロソフ ト㈱ ・ジャス トシステム㈱ ・ ア ドビシステムズ㈱、 といった コンピュー タのハー ド ・ソフ ト関連 の企業か ら大阪ガス㈱ ・松下電器産業㈱ ・富士火災海 上保険㈱ ・関西電力㈱ ・住友生命保険相互会社 ・ ㈱NTT ドコモ関西 といった 大企業、 また厚生省 ・郵政省 ・自治省 ・労働省 ・通産省 ・総務庁 ・建設省 ・文 部省 ・運輸省 といった中央省庁、兵庫県 ・大阪府 ・高知県 ・三重県 ・宮城 県 ・ 岩手県 ・東京都 ・大阪市 ・神戸市 ・羽曳野市 な ど地方 自治体、大阪 ボランティ ア協会 ・朝 日新聞大阪厚生文化事業団 ・毎 日新聞大阪社会事業団 ・日本経営者 団体連盟 といった各種団体が名 を連ね、新聞 ・ TV ・ 各種印刷媒体 も積極的 に支 援 している

このような磐石の支援体制があって、技能習得か ら仕事 に結びつ くためのス

キルア ップ、 さらに発注 までの支援 システムが確立 していることは障害当事者

に とって も安心材料 であるし、習熟度やスキル次第では上記の ようにさまざま

な仕事 を実際 に受注で きることか ら修得の目的がで き、 目標 ともなって励 みに

もなる

また、アウ トソー シングに とどまらず、 プロップを通 じてチャレンジ

(10)

ドを採用 した企業 もい くつかある。や は り、障害当事者 の就労支援 には掛 け声 やお題 目のみな らず、 この ような実際的かフ具体的なシステムが必須である。

その ことは、プロップ ・ステー ションを範 とす る当事者組織が全国各地 に誕生 していることで も証明 され る。、

[ プロップ ・ステーシ ョンのホームペ丁ジ]

ht t p: / / www. p r o p. o r . j p

b. 長崎での試み

当地長崎で も 、1 9 9 8 ( 平成 1 0 ) 年 2 月 に 「フロンティア 」 という当事者組織

が設立 されている。

ここは障害 を もつ当事者が中心 となって結成 されたグル「プで、̲ 社会参加 と 自立のために、就労の機会 を自ら創 り出す ことを目的 としている。 その具体的 な手段 として、パ ソコンの技術 を習得 し、 目的 を実現す る. ための道具 にしよう:

とす るものである。 また、「フロンテ ィア」とい う名称 には "自分の運命 を自ら̀

切 り開いてい く〟とい う意味が込 め られている。 これ までの実績 としては、「 障 害者対象のパ ソマンセ ミナー開催」、「アンケー トデータ処理」、「 名簿入力」、「 挨 拶状作成」、「 名刺作成 」 な どがある

‑また、 フロンティアの活動 を支 えるボランティアの集 まり 「フロンティア ・ サボ⊥タ‑ズ ・ ク ラブ」の存在 も大 きな特徴であるOサポーターにはパ ソコン の専門家だけでな く医療関係者や福祉関係者がいて健康面での相談 に乗 った り、

デザインや会計 の専門家が実務 の指導 にもあたる 。 今後 は事業 の面だけではな く、.日常生活の相談や移動 ・移送 にも手 を広 げようとしている。 pこのよう に、

いわば 「 物心両面 」 の支援体制 を備 えていることはフロンティアの強みである。

ト フロンティアのゼ ジ ョンは 「 全点が‑箇所 に集 まるのではな く、各 自が 自宅 を こ設置 したパ ソコンでネ ッ トワ」クを形成 して作業 をす る 」 というj もので、 こ の斬新 さが評価 されて 2 0 0 0 年 4 月に国か ら小規模作業所の認定 を受 けた。前述の

「 重度障害者へのパ ソコン貸与 」 の対象 t こもなってお り、「ネ ッ ト上での共同作 業」の実験 を行 ってい るが、それ に伴 う問題がい くつかある。それはネ ッ トワ⊥

ク管理、受注 †納品七 いった入 口 と出口で人手 を介する必要があること、̲ ̲ また オ ンライ ンだけではす まない手作業 を行 うためのスペース確保、な どが当面の 課題 であ り、それを解決す る方法の整備が急がれ る。

112‑

(11)

4 第 将来 への展望 と提言

この ように見て くると、障害者 の雇用 ・ 就労 に とってコンピュータ とインター ネ ッ トはまさに 「アラジンの魔法のランプ」の ごとく、あ らゆる願 いをかなえ て くれ、現存す る障壁 を難 な く乗 り越 えて解決 して くれ るかの ように見 える

しか し、 それが従前 とはまった く異 なる発想 か ら出発 している ものだけに、 こ れ までの枠組 みの中では論 じきれない ものがあ り、新たな課題 も出て くる。 そ のような部分 を以下で述べてみたい。

( ∋障害者雇用促進法の対応 の遅れ

新 たな課題 も見 え始 めている

最近 は、正社員 を増や さず、派遣社員 を利用 した り、業務 をアウ トソースす る傾向が強 くなっている。現行 の障害者雇用促 進法 は、常用雇用 ( 正社員 と契約社員) しか想定 してお らず、企業が派遣で障 害者 を受 け入れた り、 ウイキャンの ような障害者 団体 や、障害者 が経営 す る SOH O に仕事 を発注 して も納付金 は免除 され ない。 ウイキャンの上候 さんは、

「 例 えば年間 3 0 0 万円の仕事 を障害者団体 な どに発注すれば 、 1 人雇用 した とカウ ン トして もらえれば、納付金 を納 めないで済 む企業 に とって も、仕事 を受注で きる障害者 に とって もプラスになる」 と強調す る

この点 について、労働省職業安定局障害者雇用対策課 の大塚陽太郎調整係長 は、「そうい う要望があることは聞いてお り、今後 の課題 と認識 している」と話 す。98 年 に発足 させた 「 重度障害者在宅雇用 ・就労支援 システム研究会」では、

パ ソコンな どの技能 を持 つ障害者 と企業 の間 に、民間 の社会福祉法人 な どが 入 って仕事 を受注す る仕組 みについて も検討 を行 い、来年春 に も最終報告書 を

まとめる 。 だが、 まだ法改正への具体的な取 り組 みは始 まっていない0

I T 産業の発達 とともに、雇用形態 も大 き く変わ り始めている。障害者の就労 方法 も、障害の種類や程度 によ り、「これが最適」とい う答 えはない。在宅就労 が障害者 の隔離 につなが る とい う意見や、 どこか 1 カ所 に集 まって作業 をす る

「 サテライ ト・オ フィス形式 」 こそのぞ ましい、 との意見 もある。

( 2 0 0 0 ( 平成 1 2 ) 年 9 月 8 日付 Ma i n i c hil n t e r a c t i veMa i l の記事 ド実力派〟の

NPO も出現 I T を活用 した障害者就労の支援」 より)

(12)

以下 は 「ながさき経済」2 000 年 5月号 「 新 しい就労スタイル として注 目され る ‑ SOHO」 よりの引用である

・ 5 節 今後の展望

( 1 ) 促進要因

[ 1 ] 情報通信環境の整備 ‑インターネ ッ トの普及 ‑

インターネ ッー トは今後加速度的に普及することが予想 される ( 図表 5) 0 それには、通信料金の低廉化がかざ

となるが、 CATV ( ケーブルテレビ) 事業者などによる定額通信料金制のイ ンタ丁ネ ッ ト接続サービスのほか、東 西 NTT において も常時接続 した うえ での低廉 な定額料金制の実現 に向けて 取 り組 みが進 んでいる。・ また、最近で は PH S や・ 携 帯 電 話 の普 及 に伴 う SOM O ( s ma l lo f f i c emo b i l eo f f i c e )

も増 えて きてお り、仕事の範囲が広が るこ丁 とが考 えられ る d 1

[ 2] SOHO 需要の高 ま り ソーシングの活発化 ‥

‑アウ ト

アウ トソーシング という, と現在 は主に 企業側のゴス ト削減 目的に とどまって いる場合が多いが、今後 はより高度か

図表 5 我が国における主な情報通倍メ デ ィアの世帯普及率川%簿成 ま での所要時間

知叫

30

2010

0

7 6

24年 194

13年 15年

.電騒

無線呼出し

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ソ コ ン

ン タ ー ネッ ト

̲ 注 : 「 通信利用動向調査」 ( 郵政省)等 によ り作成

出所 : 平成 1 1 年度版通信 白書」郵政省

つ創造的な分野での積極的なアウ トソーシングが増 え 、SOHO 側 に とうては仕 事の範囲が広がるも. の とみ られている・ 。

[ 3 ] ・労働 についての考 え方の変化

労働力の流動性が高 まり、能力 ( 成果)主義の評価基準が浸透する 。 ̀ [ 4 十 その他 ・ ,

より根本的な問題 として、 、少子 . ・高齢化の進展による在宅介護の必要性や環境

‑ 1 1 4 ‑

(13)

保護 の必要性 といった時代 の要請が背景 にある。

( 2 ) 抑制要因

[ 1 ] 能力格差 による淘汰の進行

促進要因 としてアウ トソー シングの高度化 をあげたが、一方でそれ は 、SOHO の能力格差 による淘汰 を生 む ことも予想 され る。

[ 2 ] 契約や秘密保持 についての トラブルの発生

既 に、仕事の仕上が り、報酬や納期 な どについての トラブル発生が問題 となっ てお り、労働省 ではガイ ドライ ンの策定 を進 めている

また、発注企業 ・団体 が業務 の コア部分 を外注す ることや住民 ・顧客の個人情報 を外部 に出す ことへ の抵抗感 は依然 として存在す る もの と考 えられ、情報漏れや悪質業者が増 える

とアウ トソーシングを蹟緒 す る可能性 もある

<参考 5 > 「 Ne t Co m ( ネ ッ トコム) さが推進事業」

佐賀県で は、民間主導、産官学で「 高速情報 インフラ ( ‑CATV 通信 ネ ッ トワーク ) 」や 「 研究開発用ギガ ビッ トネ ッ トワーク」を、 SOH O を含 む企 業 ・大学 ・団体 に無償開放 し企業 の業務革新 を図 る実験 プロジェク トが進 行 している 。SOH Oのなかに もそのイ ンフラを利用 してニ ュー ビジネス開 発 を試行す るところが出て きている。

6 節 お わ り に

( 中略)

ここで は SOH O を中心 に話 を進 めたが、企業社員 によるテ レワークも、これ か ら注 目され る就労形態である

労働 に対す る考 え方が変化 をみせ る今 日、そ の選択肢 は多様 であることが望 ましい もの と考 える。 ( 宮崎 繁樹)

このように 、SOH O もし くは在宅勤務が障害者 の就労 に とって真 の ≠ 福音〟

とな り定着す るか どうかは、上記の ようにアウ トソーシングを法定雇用率 にカ

ウン トす る、あるいは何 らかの基準 を設 けて法的 に保障す るな ど制度 を整 えた

り、通信網 な どのイ ンフラを整備 して地域間でのデジタル ・デバイ ド ( 情報格

差) を解消す るな ど、新 しい環境 の構築が今後 の課題 となって くる

それ を抜

きに しては実効 のない ものにな り、せ っか くの芽 に花が咲かない結果 に終わっ

て しまう。障害 当事者 と企業、双方の努力 も必要だが、 それ を確固たるものに

(14)

し、支援 してい く制度や社会 システムを早急 に構築 ・ ‑ . 整備する必要の方が より 大 きいと言えるだろう 。

参考文献

( 1 )【庄司津子 ・木下康仁 」武川正吾 ・藤村正之編 『 福祉社会事典』弘文堂 1 9 9 9

年、「 地域福祉」の項 より抜粋 ,

( 2) 労働省職業安定局高齢 ・障害者対策部障害者雇用対策琴 「 平成 1 0 年度障害 者雇用実態調査結果につし . ) て 」2 0 0 0 ( 平成 1 2 ) 年 1 月 1 4 日発表.

( 3) 長崎県 ・長崎県障害者雇用促進協会 「 障害者の雇用の現状 」 平成1 1 午

( 4 ) ・ 二 . ㈱長崎経済研究所発行 ホームページ 「ながさき経済 」2 0 0 0 年 5 月号 一 [ 新 し

・ い就労スタイル として注 目される SOHO]

( 与) ホームページ<ジ. ヨプマッチング情報広場 > 「 基本的な考え方 と特徴 」 濁

よび関連サイ ト 「 障害者就労の事例 とノウハウ」

( 6 )Ma i n i c h i l n t e r a c t i v eMa i 1 2 0 0 0 ( 平成 1 2 ) 年 9 月 8 日付 ド筆力派〝の NPO

も出現 I T を活用 した障害者就労の支援 」 より

( 7 ト ホームページ 「ようこそプロップ ・ステーションへ 」

( 8) ,フロンティアのパ ンフレッ ト 「 私たちの活動 にご理解 とご協力 をお固いし ます 」

‑ 1 1 6‑

参照

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