67
〈論 説 〉
ア メ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法 研 究 序 説(六)
.一公法学の視 点か ら 一
藤 田 尚 則
目 次 は じめ に
第 一章 イ ンデ ィア ン問 題 の規 制 に 関 す る連 邦 の権 限 の 史 的展 開 第一 節 前憲 法時 代([532年 〜1789年)
第二 節 合衆 国 憲法 制定 か ら条約 締 結 の終 了(1789年 〜1871年)(以 上 第19巻1・2合 併 号) 第三 節 土地 割 当 と同化(1871年 〜1928年)(以 」二第19巻3・4合 併号)
第四 節 イ ンデ ィ ァ ン再 組 織(1928年 〜1942年) 第五 節 連 邦 管 理 終 結政 策(1943年 〜196且年)
1.管 理 終 結 政 策 へ の序 奏 (D合 衆 国 議 会 とBIAの 確 執 (2)再 配 置
(3)連 邦 法 の整 備 2.管 理 終 結 政策
(D両 院 共 同決 議108
(2)管 理 終 結法 とその 内 容(以 上 第37巻 第1号 、 第2・3合 併 号) (3)公 法 第280号
(4)土 地 と資源(以 上 第38巻 第1号) 3.政 府 役 務
(1)教 育
(2)保 健(以 上 本号)
第六 節 イ ンデ ィ ァ ン 自決 と自治 政策(ig61年 〜 現 在)(以 下 次 号) 1.管 理終 結 政 策 の 放棄 とイ ンデ ィア ン 自決 ・自治
(Dチ ェ ロ キー の 昔話 とブ ラ ック最 高 裁判 事 の 反 対意 見 (2)イ ンデ ィ ア ン 自決 ・自治 へ の動 き
(3)イ ンデ ィ ア ン部 族 の 承 認 手続 とそ の 間題 点 2.具 体 的立 法 と行政
(1)イ ン デ ィア ンに影 響 を 与 え る合 衆 国 の一 般 法 (2)イ ン デ ィア ン文 化 の 保護
(3)経 済 発 展
(4)イ ン デ ィア ンの市 °e的 権 利 (5)教 育
(6)保 健
68
第 五 節 連 邦 管 理 終 結 政 策(1943年 〜1961年)
3.政 府 役 務 (1)教 育
(a)初 期 の 連 邦 の 政 策
合 衆 国 成 立 の 初 期 段 階 に お い て 、 政 府 役 務(governmentservice)は 、 条 約 若 し くは 特 別 の 立 法 に 基 づ き連 邦 政 府 に よ っ て イ ン デ ィ ア ン に 提 供 さ れ た 。1789 年8月7日 に 設 立 さ れ た 陸 軍 省(ch.7,lStat.49)の 一 機 関 と して1832年7月
9日 法(ch.174,§1,4Stat.564)に よ っ てBIAが 設 立 さ れ た こ と 、 そ の 後 、 イ ン デ ィ ア ン 問 題 の 管 理 に 関 す る 主 要 な 責 任 は1849年3月3日 法(ch.180,§
1,9Stat.395)に よ っ て 設 立 さ れ た 内 務 省 に 移 管 さ れ た こ と に つ い て は 、 既 に 触 れ て き た と こ ろ で は あ る が 、 今 日 、BIAが イ ン デ ィ ア ン に 対 す る 連 邦 責 任 の 大 部 分 を 遂 行 し て い る 。 以 下 、 便 宜 上 、 特 に 「 教 育 」 及 び 「 保 健 」 に つ い て 連 邦
の 執 っ て き た 政 策 を 建 国 の 時 期 ま で 遡 っ て 概 観 し て み よ う。
連 邦 の こ れ ま で の イ ン デ ィ ア ン に 対 す る 教 育 政 策 に つ い て は 、 第 三 節3(d) で 少 し く 触 れ た が 、 教 育 は イ ン デ ィ ア ン を ア メ リ カ 主 流 社 会 に 移 行 さ せ る た め の 重 要 な 手 段 で あ っ た 。
1568年 の フ ロ リ ダ ・イ ン デ ィ ア ン に 対 す る イ エ ズ ス 会 士 の ミ ッ シ ョ ン ・ス ク ー ル を 皮 切 り に 、 様 々 な キ リ ス ト教 の 教 派 が ア メ リ カ ・イ ン デ ィ ア ン へ の 正 式 な 教 育 の ほ と ん ど を 提 供 し た が 、 建 国 間 も な い 連 邦 政 府 は 、 イ ン デ ィ ア ン の 狩 猟 民 と 西 部 に 移 動 し よ う と す る 白 人 移 住 者 と の 衝 突 に 直 面 し た 時 、 連 邦 政 府 の 総 合 的 な イ ン デ ィ ア ン 政 策 と し て 「開 化 」 を 採 用 し た 。 彼 ら を 狩 猟 民 か ら農 民 に 移 行 さ せ る こ と が 、 非 イ ン デ ィ ア ン の 定 住 に 必 要 な 数 百 万 工 一 カ ー の 土 地 の 開
wo)
放 に つ な が り、 教 育 こ そ が そ の 最 も 重 要 な 手 段 と 考 え られ た の で あ る 。1792年 の セ ネ カ ・ネ ー シ ョ ン(SenecaNation)と 大 統 領 ・ ワ シ ン ト ン(George Washington,1789‑97)と の 交 渉 を 端 緒 と して 、 イ ン デ ィ ア ン の 教 育 政 策 は 、 イ
ン デ ィ ア ン を 文 明 化 させ る連 邦 政 府 の 総 合 政 策 の 主 要 な 一 翼 を 損 っ て 発 展 した 。
イ ン デ ィ ア ン に よ る ヨ ー ロ ッ パ の 教 育 の 種 々 の 受 容 に も拘 ら ず 、 連 邦 政 府 は 、
イ ン デ ィ ア ン 部 族 との 条 約 の 中 に 教 育 に 関 す る規 定 を 置 く作 業 を 非 常 に 早 い 時
期 か ら 開 始 して い る。 知 る と こ ろ で は最 初 の か か る条 約 が 、 オ ネ イ ダ(Oneida)、
ア メ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法 研 究序 説(六) 69
ッ ス コ ロ ラ(Tuscorora)及 び ス ト ッ ク ブ リ ッ ジ(Stockbridge)の 各 イ ン デ ィ ア ン と の 間 に 締 結 さ れ た1794年12月2日 の 「 合 衆 国 と オ ネ イ ダ の 土 地 に 居 住 す る
wD
オ ネ イ ダ 、 ッ ス コロ ラ及 び ス トッ ク ブ リ ッジ ・イ ンデ ィ ア ン との 条 約 」 で あ る。
この 条 約 は 、 大 英 帝 国 と合 衆 国 との 戦 争 で 合 衆 国 に加 担 した各 ネ ー シ ョ ンへ の 補 償 を 内容 とす る もの で あ る が 、 同 条 約 第3条 は 「合 衆 国 は、 製 作 所 完 成 後3 年 の 間 〔第2条 で二 つ の製粉所 と製材 所 の建設 を約束 して い る〕、 当該 製 作所 を管 理
し、 修 繕 し、 三 つ の ネ ー シ ョ ンの 青 年 を製 粉 業 者 並 び に 製 材 業 者 と して の 技 術 を修 得 させ 、 及 び 製 作 所 業 務 の遂 行 に必 要 な連 畜 並 び に 道 具 を揃 え る に適 切 な る1人 乃 至2人 の 雇用 に必 要 な る費 用 を提 供 す る。」 と規 定 して い る。 ま た、1803 年8月13日 の 「ア メ リカ合 衆 国 とイ ン デ ィ ア ンの カ ス カ ス キ ア(Kaskaskia)部
iaz)
族 との条 約 」 第3条 は 、 「… …部 族 の大 部 分 が 洗礼 を受 け、 カ トリ ック教 会 に 所 属 して い るが 故 に、 合 衆 国 は、 当該 宗 教 の教 会 の 義 務 を部 族 の 為 に執 り行 い 、 及 び また 出来 得 る限 り多 くの 部 族 の 児 童 に学 識 の 初 歩 を教 え る 司 祭 を援 助 す る 為 に 向 こ う5年 の 間100ド ル供 与 す る。 及 び合 衆 国 は 、更 に教 会 建 設 援 助 の為 に 総 額300ド ル を付 与 す る。 … … 」 と規 定 して い る。
条 約 締 結 時 代 に お け る数 百 万 工 一 カ ー の 土 地 の 譲 渡 の代 償 の 一 部 と して の か か る連 邦 の 役 務 提 供 に関 す る そ の後 の 諸 条 約 の 内 容 は 、 そ の 多 くが 農 業 や 機 械 に関 す る技 術 教 育 、 職 業 教 育 に関 す る もの で あ り、 ま た 、保 留 地 学 校 、 寄 宿 学 校 等 に対 す る連 邦 の 財 政 支 援 を規 定 して い る。 例 え ば 、1804年8月18日 に締 結
143)
され た 「イ ン デ ィア ンの デ ラ ウ ウ ェ ア部 族 と合 衆 国 との間 の条 約 」 第2条 は 、 デ ラ ウ ウ ェ ア部 族 が 合 衆 国 か ら10年 に 亘 っ て年 間300ド ル を 生 活 環 境 の 改 善 及 び 文 明 化 の促 進 の た め に提 供 され 、 相 当 の員 数 が 合 衆 国 の 費 用 で 柵 の構 築 方 法 、 土地 の耕 作 方 法 並 び に家 政 学(domesticart)を 修 得 す る た め に雇 用 され る 旨 を
wa)
規 定 して い る。1827年11月15日 に 締 結 さ れ た 「ク リー ク ・ネ ー シ ョ ン との 条 約 」
第1条 第3文 は 、 「 本 条 約 〔 譲 渡 条 約 〕 に 於 い て 締 結 さ れ た 譲 渡 を 理 由 と し て 、
合 衆 国 の 為 に 、 両 当 事 者 の 間 に15,000ド ル の 加 算 額 が 更 に 支 給 さ れ る こ とが 同
意 さ れ る 。 当 該 総 額 の5,000ド ル は 、 合 衆 国 大 統 領 の 指 図 に 従 っ て 、 チ カ ソ ー ・
ア カ デ ミ ー(ChocktawAcademy)の 名 称 で 知 られ て い る ケ ン タ ッ キ ー 所 在 の
学 校 に 通 学 す る ク リ ー ク の 児 童 の 教 育 並 び に 支 援 の 為 に 適 用 さ れ こ と、 両 者 と
も ク リー ク ・ネ ー シ ョ ン に お け る 学 校 で あ り且 つ 陸 軍 省 の 規 制 下 に 在 る ウ ィ ジ
70
ン ト ン(Withington)の 支 援 の 為 に1,000ド ル が 、及 び ア ズ バ リー 駐 屯 所(Asbury station)の 為 に1,000ド ル が 適 用 さ れ る こ と… … が 、両 当 事 者 の 合 意 事 項 で あ る。」
と規 定 し て い る 。 興 味 を 惹 く事 例 と し て1828年5月6日 に 締 結 さ れ た 「ミ ッ シ
145)
シ ッ ピー 川 西 岸 の イ ン デ ィ ア ンの チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン との 条 約 」 を挙 げ る こ とが で き よ う。 す な わ ち 、 同条 約 第5条 第3文 は、 「更 に 合 衆 国 に よっ て チ ェ ロ キ ー に 対 して 向 こ う10年 の 間 、 年 間2,000ド ル が 合 衆 国 大 統 領 の 指 図 に従 っ て 彼 らの 自身 の領 土 内 で の 児 童 教 育 、 読 み 書 き並 び に機 械 技 術 に歳 出 さ れ 、 及 び教 育 課 程 に あ るチ ェ ロ キ ー を援 助 し、 彼 ら 自身 の 言 語 と我 々 の言 語 で 人 民 と
して彼 ら に とっ て 利 益 とな り、 並 び に 教 化 す る為 に動 力 印 刷 機 及 び 活 字 の 購 入 資 金 と して1,000ド ル が歳 出 され る こ とが 同 意 され る。」 と規 定 して い る。 また 、
iar) ナ ヴ ァホ ・ネ ー シ ョ ン との 全 而 講 和 を 締 結 した1868年6月1日 の条 約 が 、 義 務 教 育 規 定 を置 いて い る点 が 注 目 され る。 同条 約 第6条 は 、 「本 条 約 を締 結 す る イ ンデ ィ ア ン の 開化 を保 障 す る為 に、 特 に 〔第2条 に規定 され る〕 本 保 留 地 の 農 地 に居 住 す るで あ ろ うイ ンデ ィ ア ン に教 育 の 必 要 性 が 認 め られ 、 及 び そ れ 故 に6 歳 か ら16歳 の 男 女 の 児 童 を通 学 させ る こ とを 誓 約 す る。 … … 合 衆 国 は 、 通 学 を 勧 誘 され 若 し くは 強 制 され る上 記 年 齢 の全30人 の 児 童 に 、 寄 宿 舎 を提 供 し、 上 記 イ ン デ ィア ン と共 同 生 活 を行 い 及 び誠 実 に職 務 を 果 た す 英 語 教 育 の初 等 科 を 教 授 す る教 師 を備 え る こ とに 同意 す る。 本 条 の規 定 は、10年 の 期 間 を越 え て継 続 され る もの とす る。」 と規 定 して い る。 しか し、 これ ら条 約 の 教 育 に関 す る諸 規 定 が 、 合 衆 国 へ の10億 工 一 カ ー に も達 す るで あ ろ うイ ン デ ィ ア ン部 族 か らの
147)
土 地 譲 渡 へ の 見 返 りで あ っ た とい う事 実 、 教 育 が イ ン デ ィ ア ンの 開 化(白 人側 の 口実 としての)の た めの 合 衆 国 の 重要 な政 策 の一 環 で あ った とい う事 実 に 目を 概 っ て は な らな い と こ ろで あ る。
と ころ で 、1802年3月30日 に制 定 され た 「イ ン デ ィ ア ン部族 との 通 商 及 び 交
148)
易 を 規 律 し並 び に 辺 境 の 平 和 を 保 持 す る 為 の 法 律 」(通 称 「1802年 通 商 及 び 交 易 法 」
(theTradeandIntercourseActofl802))第13条 は 、 友 好 的 な イ ン デ ィ ア ン
の 開 化 を 推 し進 め 、 友 好 を 維 持 す る た め に 大 統 領 に 対 し て 年 間15,000ド ル を 超
え な い 範 囲 で 歳 出 す る権 限 を 付 与 し て い る 。1817年 、 大 統 領 に 就 任 し た モ ン ロ ー
(JamesMΦnroe,1917‑1825)は 、 合 衆 国 議 会 へ の 教 書 の 中 で 合 衆 国 の 最 初 の 定
住 者 の 保 護 と 開 化 の 更 な る 努 力 を 呼 び か け 、 こ れ に 呼 応 す る か た ち で 議 会 は 、
アメ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法研 究 序 説(六)
712年 後 の1819年3月3日 、 「辺 境 開拓 地 に 隣接 す るイ ンデ ィア ン部族 の 開 化 につ
ias)
い て 定 め る 法 律 」 を 制 定 し、 大 統 領 に 文 明 国 の 慣 習 と技 術 を 勧 め 、 農 法 を 教 授 し 、 イ ン デ ィ ア ン の 児 童 に 読 み 書 き 方 及 び 算 術 を 教 え る 等 の 目 的 の た め に 、 部 族 の 同 意 を 得 て 資 質 の あ る善 良 な る 人 間 を 雇 用 す る権 限 を 付 与 し(第1条)、 当 該 目 的 の た め に 年 間10,000ド ル を 永 続 的 に 予 算 に 計 上 し 、 歳 出 す る こ と が で き
る 旨 を 規 定 し て い る(第2条)。
19世 紀 前 半 、 イ ン デ ィ ア ン 教 育 を 支 援 す る 連 邦 の 試 み は さ さ や か で あ り、 教 育 制 度 の 発 展 の 多 く は 部 族 若 し く は 宗 教 団 体 に 依 る と こ ろ が 大 き か っ た 。1855 年 のBIA局 長 ジ ョ ー ジ ・W・ メ ニ ペ ニ ー(GeorgeW.Manypenny)の 報 省 に よ
れ ば 、 過 去10年 間 の イ ン デ ィ ア ン 教 育 へ の 支 出 額 は 、 総 額2,150,000ド ル で あ り 、 そ の 内 訳 は 連 邦 政 府 か ら は 僅 か102,107.14ド ル で あ り 、824,160.61ド ル は 土 地 譲 渡 の 見 返 り と して の 条 約 履 行 の た め の 歳 出 予 算 か ら 、400,000ド ル は イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン 自 身 が 、 更 に830,000ド ル が 私 的 な 団 体 か ら 支 出 さ れ て い
150) る。
1897年 に 至 る ま で宗 教 団 体 は 、 イ ンデ ィ ア ンの 学 校 運 営 に連 邦 か らの 補 助 金 を 受 け取 っ て い るが 、 条 約 履 行 に携 わ っ て いたBIAは 、1870年 代 に 入 る とBIA 自 らの教 育 制 度 の確 立 へ と動 き 出す が 、 この 時期 は 多 くの プ レー ンズ ・イ ン デ ィ ァ ン(PlainsIndian)の 諸 部 族(ス ー、 シ ャイ エ ン、 ア ラバ ホ、カ イオ ワ、 コマ ン チ、 クロ ウ、 ナ ヴ ァホ、北 部 シ ャイ ア ンの各遊 動 部族)が 自 らの故 郷 を 防衛 す べ く 檸 猛 さ を も って 最 後 の戦 い を挑 ん で い た 時 期 に一 致 す る。 政 府 施 設 で 開 化 させ
られ る子 ど もた ち は 、戦 い に 参加 す る部 族 の 若 い戦 士 に入 り きれ ず 、連 邦 の 学 校 に通 う生徒 の 両 親 は 、 子 ど もた ち に対 す る復 仇 を怖 れ 、 政 府 に対 す る敵 対 意 識 を 削が れ た の で あ る。1879年 、 下 院 イ ン デ ィア ン問 題 委 員 会 は、 イ ンデ ィ ア ンの 青 年 向 け の実 業 訓 練学 校 の 設 立 を推 奨 す る報 告 書 を寄 託 す る。 同報 告轡 は 、 12,000人 以 上 の イ ンデ ィ ア ン の児 童 が 諸 条 約 に従 って 教 育 を受 け る資格 を 与 え られ て い るが 、実 際 は1,000人 足 らず の 児 董 しか 条 約 で 規 定 され た 教 育 を受 け て い な い と し、 イ ンデ ィ ア ン の 開化 の た め に 条 約 が 完 全 に履 行 且 つ 執 行 され る よ
151)
う宣 言 して い る。 実 業 訓 練 学 校 は 、 陸 軍 の 兵 舎 を利 用 し、 教 育 の 期 間 の 間 は部 族 の 影 響 下 か ら を 引 き離 す効 果 を有 す る と され 、 イ ン デ ィ ア ン問 題 の 「真 の 解 決」に な る と信 じられ た の で あ る。同年 、ペ ンシ ル ヴ ァニ ア州 カ ー ラ イ ル(Carlisle)
に 合衆 国騎 兵 隊長 プ ラ ッ ト(R.H.Pratt)の 指 揮 下 に カ ー ライ ル ・イ ンデ ィ ア ン 学 校 が 設 立 され 、 多 くの 西 部 部 族 の イ ンデ ィ ア ンの 子 ど も達 が 出席 し、 陸 軍 の
152)
フ ォー マ ッ トが 草 創 期 の 連 邦 寄 宿 学 校 制 度 の モ デ ル とな っ た と され る。
1882年7月31日 、 イ ンデ ィア ン問題 委 員 会 の推 奨 に基 づ い て、 合 衆 国議 会 は 、 陸 軍 長 官 に 、 合 衆 国 に対 して 条 約 に基 づ い て 教 育 の 提 供 を要 求 す る遊 動 部 族 の 正 規 の及 び 実 業 訓 練 学 校 の設 立 の 用 に供 す る た め遊 休 の 陸 軍 郵 便 局 又 は兵 舎 を
153)
確 保 す る権 限 を付 与 す る法 律 を制 定 して い る。 上 記 の カ ー ライ ル に設 立 さ れ た 学 校 は、 特 別 の 条 約 に 基 づ い て設 立 され た そ れ で は な い が 、1882年 法 に基 づ い てBIAが 遊 休 の 陸 軍施 設 を増 築 して設 立 す る学校 は 徐 々 に増 加 し、1921年ll月
2日 制 定 の 「イ ンデ ィ ア ン問題 管 理 の為 の 歳 出予 算 及 び歳 出 を承 認 し及 び そ の
ラ
他 の 目的 の為 の法 律 」、通 称 「1921年ス ナ イ ダ ー 法 」(theSnyderActofl921) は、BIAが 内務 長 官 の監 督 の下 に合 衆 国全 土 の イ ン デ ィ ア ンの為 に合 衆 国議 会 が 認 め た予 算 を 「教 育 を含 む一 般 的 援 助 並 び に開 化 」 目 的 に 充 当 し得 る こ とを 認 め(同 法第1条 第1号)、BIAの 学 校 建 設 の 活 動 を後 押 し して い る。 本 法 の 下 で の BIAの 権 限 は 、条 約 上 の義 務 に明 確 に は影 響 を受 け る もの で はな か っ た が 、条 約 の 文 言 の履 行 に 限 定 され る もの で は な く、 例 え ば 、 ニ ュ ー ・メ キ シ コ州 の プエ ブ ロ ・イ ンデ ィ ア ンや ア ラス カ 先 住 民 が 合 衆 国 との 条 約 を 結 ん で い な い に も拘 わ らず 、BIA設 立 の学 校 に出 席 して い る。1900年 以 降 、 連 邦 の イ ンデ ィ ア ン学 校 制 度 は 急 速 に 発展 し、BIAは 、 引 き続 き寄 宿 学 校 並 び に増 加 の 一 途 を辿 る地 方 の 通 学 学 校 を経 営 し、1906年 に はオ ク ラホ マ 州 の開 化 五 部 族 に よ っ て運 営 され て 来 た数 百 の 通 学 学 校 と幾 つ か の 寄 宿 学 校 が.,の 管 理 下 に お か れ 、 劇 的 に増 加 した登 録者 数 の 需要 に応 え るか た ちで 、1916年 に は 統 一 的 な カ リキ ュ ラム ま
155)
で もが採 用 さ れ て い る。
(b)教 育 行 政 の連 邦 か ら州 へ の 移 管
しか し、1925年 ご ろか ら、 白人 文 化 の 受 容 の た め に企 図 され た 寄 宿 学 校 の 人 気 が 廃 れ て い く(自 分 た ちの言 葉 と慣習 の使用 禁止 、体罰 、逃亡 、連れ 戻 し後 の留 置 等 が その大 きな要 因 とされ る)。 この傾 向 は 、1928年 の メ リア ム報 告 書(第 四節1 (b)参 照)に よ って 加 速 化 され 、 多 額 の金 銭 と注 目が通 学学 校 に 注 が れ る よ うに な り、夜 間 の 子 ど も た ち の 親 元 へ の 帰 宅 が 認 め られ る よ う に な る。 多 くの保 留 地 の家 屋 の 隔 離 も、 多 くの イ ン デ ィ ア ン の子 弟 の 通 学 学 校 へ の 出 席 を妨 げ て い
アメ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法研 究 序 説(六)
73る。 しか し、 少 な く と も遠 く離 れ た 場 所 へ の 通 学 の 改 善 が 試 み られ 、 自分 達 の 言 葉 や 慣 習 を 学 校 内 で使 用 で き る よ う に改 善 され て い く。 こ の よ う な 中 で 、連 邦 政 府 は、 イ ンデ ィ ア ン児 童 を 州 立 学 校 制 度 に 組 み 入 れ る計 画 を 開 始 して い く
Imo)
こ と に な る。
当初 、 連 邦 政 府 は、 保 留 地 内 の 学 校 通 学 を イ ン デ ィア ンの 同意 な く して は 強 制 しな か っ た が 、 保 留 地 の 子 ど も達 が イ ン デ ィ ア ン の保 留 地 に近 在 す る 州 が 設 立 して い た公 立 学 校 に 通 学 して い て い た の も事 実 で あ る。 問 題 は 、 州 が非 イ ン デ ィ ア ン に 出 席 を強 制 す る と同様 に イ ン デ ィ ア ン の 出席 を強 制 し得 る か否 か に
157)
あ っ た。 これ に対 応 す るた め か、1929年2月15E1制 定 の連 邦 法 第1条 は 、 「内 務 長 官 は、 各 々 の 州 の機 関 及 び被 用 者 に保 健 及 び 教 育 環 境 の 検 査 を 行 い 、公 衆 衛 生 及 び 検 疫 規 制 を執 行 す る 目的 で 、 並 び に イ ン デ ィ ア ン生 徒 の 義 務 教 育 出 席 を 執 行 す る為 、 州 法 で規 定 す る場 合 、 当該 規 則 及 び規 制 に 従 っ て 、 並 び に 内 務 長 官 が 定 め る条 件 に従 っ て イ ンデ ィ ア ン部 族 の 土 地 、保 留 地 若 し くは割 当地 に立 ち 入 る こ とを許 可 す る もの とす る。」 と規 定 して い る(尚 、本 法 は1946年8月91≡i に改正 され(Ch.930,60Stat。962)、 州義務 教 育 出席 法 違反 の児 童、 両 親 にペ ナル テ ィーを科 す為 の立 ち入 りを追 加的 に規定 して い る)。 しか し、1934年 イ ン デ ィ ァ ン 再 組織 法(ウ ィー ラー=ハ ワー ド法)に 基 づ き(第 四節3(b)参 照)、 部 族 評 議 会 乃 至 部 族 政 府 を 樹 立 した 部 族 、例 え ば ア イ オ ワ州 の ミ シ シ ッ ピー ・イ ンデ ィ ア ン の サ ック及 び フ ォ ッ クス 部 族 、 フ ロ リダ 州 の セ ミ ノー ル 部 族 、 ネ ブ ラス カ 州 の
し
オ マハ 部 族 は 、 部 族 憲 法 に教 育 に対 す る部 族 の 管 理 を規 定 して い た の で あ る。
この こ とは 、 幾 つ か の イ ン デ ィ ア ン の部 族 政 府 が連 邦 及 び州 の 教 育 関 連 法 に対 す る 同意 を 撤 回 し、 部 族 教 育 の 形 式 に置 き換 え よ う とす る こ と を示 す もの で あ る と、 想 像 に難 くな い と こ ろで あ る。 この 場 合 、 イ ンデ ィア ンの 教 育 及 び 開 化 に とつ て の 合 意 論(consensualtheory)が 、 再 度 厳 し く問 わ れ る こ とに な る。
か か る展 開 は す べ て 経 済 的 理 由 に起 因 す る とす る こ とに は 困 難 性 が 伴 う と考 え られ る が 、 イ ン デ ィ ア ン教 育 を 促 進 し よ う と目論 まれ た す べ て の 計 画 に 含 まれ る相 互 の 和 解 の程 度 に よ る と言 え る の で あ って 、 白人 は イ ンデ ィ ア ンの 勢 力 範 囲 に お い て は、 い まだ 他 国 者 で あ り、訪 間 者 で あ っ た の で あ る。 従 っ て 、 白人 が 一 方 的 に イ ン デ ィ ア ン の教 育 を決 定 す る こ とに は 、 技 術 的 の み な らず 、 道 徳 的 に誤 っ て い た と言 わ ざ る を得 な い で あ ろ う。
州 設 立 の 公 立 学 校 が 保 留 地 の 近 くに あ った と して も、 も う一 つ の 大 き な 障 害 とな っ た の が 、 学 校 が 財 政 難 の た め イ ンデ ィ ア ンの 子 弟 を 入 学 させ 得 なか った こ とが 挙 げ られ よ う。 と ころ で 、1924年6月2日 、 「内務 長 官 に イ ンデ ィ ア ン に
159)
市 民 権 の 証 明 書 を発 行 す る権 限 を付 与 す る法 律 」、 通 称 「1924年市 民 権 法 」(the CitizenshipActofl924)が 制 定 され て い る。 同法 第1条 は、 「合 衆 国 の 領 土 内 で 出 生 した 非 市 民 た るイ ン デ ィ ァ ン は、 本 法 に よ っ て ア メ リカ 合 衆 国 の 市 民 で あ り、 及 び 本 法 に よ り合 衆 国 の 市 民 で あ る こ とを 宣 言 され る。 但 し、 当 該 市 民 権 の 承 認 は 、 如 何 な る方 法 を 以 って しよ う と全 て の個 人 と して の イ ンデ ィ ア ン が 部 族 若 し くは そ の他 の 財 産 に 対 して有 す る権 利 を 殿 損 し、 又 は そ の 他 の 方 法 で 当 該 権 利 に影 響 を及 ぼ す もの で は な い 。」 と規 定 して い る。 本 法 制 定 以 前 は、
政府 の イ ンデ ィ ア ン教 育 に対 す る責 任 は、連 邦 政 府 に 留保 され 、 多 くの イ ンデ ィ ア ン は そ れ まで は市 民 で は な か った ので あ るか ら して 、 州 が 支 援 す る公 立 学 校 へ 出 席 す る市 民 と して の 権 利 は保 持 して い な か っ た こ とに な る。 個 々 の 条 約 、
ヒゆ
例 え ば1817年7月8日 の 「チ ェ ロキ ー ・ネ ー シ ョ ン との 条 約 」 第8条 、1830年 9月30日 の 「チ カ ソー ・ネ ー シ ョン との 恒 久 平 和 、譲 渡 並 び に境 界 に つ い て の
IGqIfi2)
条 約 」 第14条 、 又 は1862年6月28日 の 「キ カ プ ー(Kickappo)部 族 との条 約 」 第3条 、 或 い は1887年 ドー ズ 単 独 土 地 所 有 法 第6条 に よ って 合 衆 国 の 市 民 権 を 取 得 した イ ンデ ィ ア ンの 場 合 で さ え も、 公 的 教 育 制 度 は連 邦 政 府 か らの 財 政 補 助 金 が な い 数 多 くの イ ン デ ィ ア ンの 生 徒 を 受 け入 れ な か っ た の で あ る。
連 邦 に よ る州 へ の公 立 学 校 制 度 へ の イ ンデ ィ ア ン児 童 の 受 け入 れ を 働 き か け る支 援 は 、1890年 に遡 る とされ るが、1900年 以 降 、非 居 住 者 の 授業 料 を イ ンデ ィ ア ンの 子 ど もの 教 育 の た め に 州 立 学 校 へ 支 払 う計 画 が 急 速 に 活 発 化 す るが 、 州 立 学 校 へ 移 管 す る た め の 補 助 金 の 支 給 に とっ て最 も重 要 な連 邦 計 画 が 、1934年
IG3)
の 通 称 ジ ョ ン ソ ンeオ マ リ ー 法(JOM)で あ り(第 四 節2(b)参 照)、1950年 に 可 決 さ れ た 二 つ の 「 連 邦 政 府 財 政 的 支 援 法 」(theImpactAidLaw,IAL)で あ
る(後 述)。
1934年4月16日 制 定 のJOMは 、 連 邦 政 府 が イ ン デ ィ ア ン 児 童 の 州 立 学 校 へ の 移 管 を な し遂 げ た 最 も 重 要 な 計 画 で あ っ た 。 同 法 は 、BIAに イ ン デ ィ ア ン教 育 に つ い て 州 と契 約 す る 権 限 を 付 与 して い る が(第1条 、 第4条)、 同 法 は 既 に 触 れ
し
た よ う に 、1936年6月4日 に 改 正 さ れ 、 第1条 は 「内 務 長 官 は 、 … … す べ て の
ア メ リカ ・イ ンデ ィア ン法 研 究序 説(六)
75州 又 は 準 州 若 し くは 州 ・準 州 の 政 治 的下 部 組 織 、 州 立 大 学 、 カ レ ッジ 、 学 校 又 は適 切 な 州 立 若 し くは私 立 の 法 人 、 機 関 又 は 団体 と… … 州 又 は準 州 若 し くは上 記 法 人 及 び 団体 の 代 理 人 を通 じて 契約 を締 結 し、 又 は約 定 す る権 限 を 付 与 され 、 及 び.ヒ記 契 約 又 は 諸 契 約 に 基 づ い て.ヒ記 州 又 は 準 州 内 の イ ン デ ィ ア ンの 教 育 、 医 療 、 … … の為 に 合 衆 国議 会 に よ っ て 割 当 て られ た 資 金 を歳 出 す る権 限 を 付与 され る。」 と改 め られ 、第2条 で は既 存 の学 校 建 物 の 利用 を認 め る規 定 を置 い て い る。 か か る 法 律 に よ り、 よ り多 くの イ ン デ ィ ア ン の子 弟 が 州 立 学校 に新 た に 入 学 し、 州 が 受 領 で き る金額 が 増 加 した の で あ る。1944年 か ら1969年 の 間 に 合 衆 国議 会 は、JOMの 下 で 州 へ の 支 払 い と して132,200,000ド ル を充 当 し、1969 年 に 充 当 され た見 積 り額ll,552,000ド ル は 、 公 立 学 区 の す べ て の 資 格 あ るイ ン デ ィア ンの 生徒 一 人 当 た りに換 算 す れ ば 、 お お よ そ174ド ル を受 け取 った こ とに な る と され る 。 更 に 、 歳 出 額 は 、1969年 のll,552,000ド ル か ら、1972年 に は
Ifi5)
22,652,000ド ル に膨 れ 上 が っ た とされ る。
(c)管 理 終 結 政 策 時代
管 理 終 結 政 策 を採 っ た 時 期 の 連 邦 の主 た る努 力 目標 は、 これ まで の政 策 と同 様 、 イ ン デ ィ ア ン児 童 の 教 育 責 任 を連 邦 か ら州 に移 管 せ しめ る こ とに あ った 。 1952年 、 アイ ダ ホ 、 ミシガ ン 、 ワシ ン トン及 び ウ ィ ス コ ンシ ン の各 州 に 在 っ た す べ て の連 邦 管 理 の イ ンデ ィ ア ン学 校 が 閉 鎖 され 、 翌1953年 、BIAは19の 連 邦 寄 宿 舎 学校 並 び に通 学 学 校 の責 任 を地 方 の 公 立 学 校 当 局 に移 管 し、BIAの 監 督 下 に あ っ た 残 りの学 校 に お い て は、 教 育 の 力 点 が 、 イ ン デ ィア ンの 児 蛍 を して 優 越 す る文 化 の 中 に 身 を置 くこ とが で き る よ う当該 文 化 の 慣 習 、 知 識 及 び 技 能 を
icc>
身 に付 け させ る こ とに置 か れ た 。 以 下 、 イ ン デ ィア ン教 育 に 関 連 す る この 時 期 の 連 邦 政 府 に よ る州 に対 す る財 政 支 援 法 一 主 と して 連 邦 政 府 の 軍 事 並 び に 防
ロ
衛 活 動 に 起 因 す る 一 を 中 心 に見 て み よ う。
(i)1950年 学 校 用 施 設 建 設 法
1950年9月23日 制 定 の 正 式 名 称 「連 邦 政 府 の 活 動 に よっ て 影 響 を受 け る地 域
ロ
に お け る 学 校 用 施 設 の 建 設 に 関 す る及 び そ の 他 の 目 的 の 為 の 法 律 」(「学 校 用 施 設
建 設 法 」(theSchoolFacilitiesConstructionAct)と も 「 公 法 第81‑815%」(PL
81‑8且5)と も呼 ば れ て い る。)は 、 非 課 税 の 連 邦 財 産 の 上 で 生 活 して い る学 齢 期 の
児 童 の 財 政 負 担 を 軽 減 す る 目 的 で 、 新 た な 施 設 と学 区 に 既 に 設 置 さ れ た 建 物 の
76
増 築 部 分 の 建 設 の た め に公 立 学 区 を財 政 的 に 支援 す る こ とを 内容 と して い る。
これ は 、連 邦 の新 た な諸 活 動 に よ っ て イ ン デ ィ ア ン の登 録 者 数 が 増 加 した こ と に 対 応 す るた め の措 置 と考 え られ る。 以 下 、 公 法 第81‑815号 の 抄 訳 で あ る。
第1編 一 学 校 建 設 の為 の 調 査 及 び 州 計 画
第101条 く予 算 計 上 の承 認 〉 既 存 の学 校 施 設 の 目録 を作 成 し、 就 学 人 口 の配 置 に 関連 す る追 加 施 設 の 建 設 の 必 要 性 を調 査 し、 学 校 建 設 の 為 の 州 計 画 を 発 展 させ 、 並 び に学 校 施 設 の 要 求 に 適 合 す る適 切 な る州及 び 地 方 の 資 源 を 研 究 す る為 に、 州 〔第210条 第14号 は、 「州」 とは、 州、 ア ラスカ、 ハ ワイ、 プ エ ル トリコ、 ヴ ァー ジン諸 島 を意 味 す る と規定 して い る。〕 を援 助 す る 目 的 で 、 消 費 され る まで の 有 効 な 総 額 で3,000,000ド ル が予 算 に計 上 さ れ、 承 認 され
る。 本 条 に従 っ て 計 上 さ れ た 総 額 は 、 当 該 目 的 を 遂 行 す る基 金 の 申 請 が 承 認 され た 州 に対 す る支 払 い に 使 用 さ れ る もの とす る。(但 害、 略)
第102条 〈州 の 申 請 〉 教 育 局 長 官(CommissionerorEducation)は 、 申請 が 以 下 の 各 号 に該 当 す る場 合 は、 第101条 に規 定 す る 目的 遂 行 に必 要 な基 金 の 当 該 申請 を承 認 しな け れ ば な らな い。
(1)州 教 育 機 関(第210条 第13号 〔「州教 育機 関」 とは、公立初 等 学校並 びに中 等 学 校 に 対 す る州 の 監 督 に 主 と して 責 任 を 有 す る吏 員 若 し くは 行 政 機 関 (agency)を 意 味す る。〕 と規 定 され てい る。)が 、 当該 目 的 を遂 行 す る唯 一 の 機 関 に 任 命 され た 場 合 。
(2)長 官 に よっ て 要 請 され る情 報 を含 む 第101条 の 規 定 に基 づ く目録 作 成 並 び に調 査 を備 え て い る場 合 。
(3)州 教 育 機 関 が 、 長 官 が適 宜 、 合 理 的 に要 求 す る形 式 で 且 つ 当該 情 報 を 含 む報 告 書 を作 成 す る こ とを 備 え 、 当 該 報 告 書 の 照 合 に応 え る為 に 長 官 に要 請 に 基 づ い て 当 該 情 報 が 作 成 され た 記 録 の 利 用 の機 会 を与 え る こ と を備 え て い る場 合 。
第103条 く州 へ の割 当及 び 支 払 〉(a)第101条 の規 定 に基 づ い て予 算 に計 上 され た総 額 の うち150,000ド ル は、長 官 に よっ て コ ロ ン ビア地 区、 ア ラス カ 、 ハ ワイ 、 プ エ リ トル コ並 び に ヴ ァー ジ ン諸 島 に相 応 の 必 要 性 と当 該 州 の 教 育機 関 との 合 意 に基 づ い て割 当 て られ 、 残 額 は他 の 州 に学 齢 人 口 と同 一 の 割 合 で 当 該 州 の 全 学 齢 人 口に 見 合 うよ う割 当 て られ る。 各 州(コ ロ ンビア地
ア メ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法研 究 序 説(六)
77区、 ア ラスカ、ハ ワイ、 プエ リ トル コ並び に ヴァージ ン諸 島 を除 く)へ の 当 該 割 当 は、10,000ド ル を 以 って 上 限 とす る。 当該 割 当 の 範 囲 内 で 各 州 は 、 申 請 に基 づ い て 第101条 の 目的 の 遂 行 に 要 す る歳 出 の50パ ー セ ン トに相 等 しい 額 を受 取 る資 格 を 付 与 され る。
(b)長 官 は 、 各 州 が 決 定 され た 期 間 の 間 に 本 条 に従 っ て 付 与 され る総 額 を評 価 し、 … … 当 該 評 価 額 を財 務 長 官 に証 明 す る もの とす る。
第II編 一 連 邦 政 府 に よ っ て影 響 を受 け た 地 域 に お け る学 校 建 設
第201条 〈政 策 の 宣 言 〉 連 邦 活 動 が 遂 行 され て き た 若 し くは遂 行 さ れ て い る 地 域 に於 いて 一 定 の 当 該 連 邦 活 動 が 学 校 建 設 の必 要 性 に もた ら して きた 影 響 を認 め 、 合 衆 国議 会 は 、 当 該 地 域 に於 い て 学 校 施 設 の建 設 に要 す る費 用 を本 編 に 規 定 さ れ る方 法 と程 度 に於 い て 負 う こ とを 合 衆 国 の 政 策 で あ る と 宣 言 す る。
第202条 〈地 方 教 育 機 関 へ の 支 払 〉(a)地 方 教 育 機 関 は 、本 項 の 規 定 に従 っ て 、連 邦 財 産 上 で雇 用 され て い る親 と共 に連 邦 財 産 上 に居 住 す る児 童 〔第210 条第2号 は、 「児 童」 とは適用 州が 出席 自由な公立教 育 を提 供 す る年齢 の範 囲内 に
あ る全 て の児 童 を意 味す る と規定 して いる〕 に関 して 、 当 該 会 計年 度(第210条 第6号)の 期 間 に 当 該機 関 の 学 校 へ 一 日平 均 で 出 席 す る当 該 児 董 の推 定 数 が 少 な くと も15人 で あ り、 且 つ 当該 会 計 年 度 の期 間 に当 該 機 関 の学 校 ヘ ー 日 平 均 で 出 席 す べ き全 児 童 の 推 定 数 の 少 な く と も5パ ー セ ン トで あ る場 合 、 支 払 い を受 け る資 格 を有 す る もの とす る。 各 々 の 当 該 地 方 教 育 機 関 は、 本 項 の規 定 に従 っ て 支 払 い の 資 格 が あ る者 に 関 し、 当 該 機 関 の 学 区 が 位 謄 し
て い る州 内 の 完 全 な る学 校 施 設 建 設 の 生 徒 一 人 当 た りの 費 用 平 均 に95パ ー セ ン トを掛 け て 、 当 該 児 童 の 推 定 数 を 超 え な い 金 額 を受 領 す る資 格 を付 与 さ れ る も の とす る。
(b)州 の 地 方 教 育機 関 は 、本 項 の規 定 に 従 っ て 、 連 邦 財 産 上 に居 住 し若 し く は 当 該 州 内 に位 置 す る一 部 又 は全 部 の 連 邦 財 産 上 で 雇 用 され て い る親 と共 に居 住 す る児 童 に関 し、 当 該 会 計 年 度 の 期 間 に 当 該 機 関 の 学 校 ヘ ー 日平 均 で 出席 す る当 該 児 童 の 推 定 数 が 少 な く とも15人 で あ り、 且 つ 当 該 会 計 年 度 の期 間 に 当該 機 関 の学 校 ヘ ーEI平 均 で 出 席 す べ き全 児 童 の 推 定 数 の 少 な く と も5パ ーセ ン トで あ る場 合 、 支 払 い を受 け る資 格 を有 す る もの とす る。
78
各 々 の 当該 地 方 教 育 機 関 は、 本 項 の 規 定 に 従 っ て 支 払 い の資 格 が あ る者 に 関 し、 当該 機 関 の学 区 が 位 置 して い る州 内 の 完 全 な る学 校 施 設 建 設 の 生 徒 一 人 当 た りの費 用 平 均 に70パ ー セ ン トを掛 けて、 当該 児 童 の 推 定 数 を超 え
な い 金 額 を 受領 す る資 格 を付 与 され る もの とす る。
(c)地 方 教 育 機 関 は 、 本 項 の規 定 に 従 って(直 接 的 に若 し くは契 約者 を通 して) 合 衆 国 の 活 動 に よ っ て 出 席 す る こ とに な っ た 児 董 に 関 して 、 教 育 局 長 官 が 以下 の 各 号 に 該 当 す る と判 断 した場 合 、 支 払 を受 け る資 格 を 付与 され る。
(1)当 該 会 計 年 度 の期 間 に 当該 機 関 の 学 校 へ 一 日平 均 で 出席 す る 当該 児 蛍 の 推 定 数 が少 な く とも20人 で あ り、 且 つ 当 該 会 計 年 度 の 期 間 に 当該 機 関 の学 校 へ 一 日平 均 で 出 席 す べ き全 児 童 の推 定 数 の 少 な くと も10パ ー セ ン
トで あ る場 合 。
(2)合 衆 国 の 当 該 活 動 に よ っ て 出席 す る こ と とな っ た 児 童 を 引 き受 け る為 の増 築 の 学 校 設 備 の建 設 が 、 課 税 へ の 不 当 な 財 政 負 担 及 び機 関 の 権 限 の 借 用 を課 して きた 場 合 、 若 し くは 課 す で あ ろ う場 合 。
各 々 の 当該 地 方 教 育 機 関 は、 本 項 の 規 定 に従 っ て 、 支 払 い の 資 格 が あ る者 に関 し、 当 該 機 関 の 学 区 が位 置 して い る州 内 の 完 全 な る学 校 施 設 建 設 の 生徒 一 人 当 た りの 費 用 平 均 に45パ ー セ ン トを掛 け て 、 当 該 児 童 の推 定 数 を超 え な い 金 額 を 受 領 す る資 格 を付 与 され る もの とす る。 本 項 の規 定 に 従 っ て支 払 を受 け る資 格 及 び 最 大 限 の 支 払 額 を 決 定 す る場 合 、 教 育 局 長 官 は、(A)1939年6月30日 以 降 に遂 行 され た 合 衆 国 の 活 動 の み を勘 酌 し、 及 び(B)第210条 第1号 の最 後 の文 章 に よっ て連 邦 財産 の 定 義 か ら排 除 さ れ て きた 不 動 産 に関 連 して 合 衆 国 に よ っ て 遂 行 さ れ た 活 動 を 劇 酌 しな い もの とす る。
(d)本 条 第a項 、 第b項 及 び第c項 の二 つ 以 上 の 規定 が児 童 に適 用 され る場 合 、 地 方 教 育 機 関 は 、 当 該 児 童 に当 該 規 定 の い ず れ が 適 用 され る か を 選 択 しな
け れ ば な らな い 。
(e)本 条 前 項 まで の 規 定 に も拘 わ らず 、 地 方 教 育 機 関 が 本 編 の 下 で 支 払 い を 受 領 す る資 格 を 付 与 さ れ る全 児 童 数 は、 以 下 の 各 号 の規 定 を超 え る こ とが で きな い も の とす る。
(D最 高 額 の決 定 が 全 体 で あ れ一 部 で あ れ 、第c項 の下 で の資 格 付 与 に 基 づ
ア メ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法 研 究 序説(六)
79く場 合 を 除 いて 、 当 該 会 計 年 度 の 期 間 に 当 該 機 関 の学 校 ヘ ー 日平 均 で 出 席 す る全 児 童 の推 定 数 が 、1939年6月30日 を 以 っ て 終 了 した財 政 年 度 の 間 に 当該 機 関 の 学 校 へ 一 日平 均 で 出席 す る全 児 童 数 以 下 で あ る場 合 。 (2)最 高 額 の決 定 が全 体 で あ れ一 部 で あ れ第c項 の 下 で の 資格 付 与 に基 づ く
場 合 当該 会 計 年 度 の 期 間 に 当 該 機 関 の学 校 ヘ ー 日平 均 で 出席 す る全 児 童 の 推 定 数 が 、1939年6月30日 を 以 っ て終 了 した 財 政 年 度 の 間 に 当該 機 関 の 学 校 へ 一 日平 均 で 出席 す る全 児 童 数 のllOパ ー セ ン ト以 下 で あ る場 合 。
(本条 第f項 以下 略) 上記1950年 学 校 用 施 設 建 設 法 は 、1953年8月8日 、新 た に第m編 並 び に 第iv
169)
編 が 追 加 規 定 され 、 そ れ まで 学 校 が 連 邦 に起 因 す る児 亟 の 登 録 数 の 実 質 的増 加 を 立証 で き な い が た め 、 援 助 資 格 が なか っ た 学 区 の 支 援 が 行 わ れ る こ とに な っ た 。 改 正 規 定 は 、 以 下 の とお りで あ る。
第III編 一 連 邦 に関 連 した学 童 の 実 質 的増 加 に伴 う地 域 に お け る学 校 建 設 支 援
第301条 〈目的 と歳 出配 分 承 認 〉 本 編 の 目的 は、1951年 一1952年 学 年 度 期 に 新 た な 若 し くは増 大 した 連 邦 活 動 の 結 果 と して 、 就 学 児 童 数 の 実 質 的 増 加 が 生 じて きた 学 区 に お け る 緊 急 に必 要 と され る学 校 用 施 設 の 建 設 援 助 を 規 定 す る こ と に あ る 。 以 後 、 合 衆 国 議 会 が 当 該 目 的 に 必 要 と決 定 す る総 額 で 1954年6月30日 を 以 っ て 終 了 す る財 政 年 度 並 び に それ 以 後 の財 政 年 度 の 為
に歳 出配 分 が 承 認 され る。(第302条 以 下略)
第IV編 一 その 他 の連 邦 に よ って 影 響 さ れ た 地 域 に お け る学 校 建 設
第401条(a)教 育 局 長 官 が 、 地 方 教 育 機 関 に 関 して 以 下 の 各 号 に定 め場 合 に 当 た る と決 定 した場 合 、 長 官 は 自 らが公 益 に資 す る と判 断 す る期 間 及 び 総 額 を 以 っ て(本 条 の規定 に従 うこ とを条 件 と して)、 当該 機 関 が 当該 施 設 を提 供 し得 る よ う追 加 援 助 を定 め る こ とが で き る。 当該 追 加 援 助 は、 連 邦 財 産 上 に居 住 す る児 童 に 帰 属 す る と長 官 が判 断 し、 及 び その 他 の 資 源 に よっ て 地 方 教 育機 関 が 再 生 で き な い 当 該 施 設 の 費 用 の 部 分 を超 え て は な らな い 。 支 払 に は 、 本 法 の その 他 の規 定 並 び に そ の 他 の 法律 に基 づ く合 衆 国 に よ る 支 払 を含 む も の とす る。
(D地 方 教 育 機 関 が 、 連 邦 財 産 上 に居 住 し、 当該 機 関 の学 校 の 児 童 数 が 構
80
成 され ず 、 及 び本 法 第II、 第m編 に従 った 支 払 の 基 礎 が形 成 さ れ な い児 童 に対 す る参 加 自由 な 公 教 育 を提 供 し、 又 は 以後 建 設 され る学 校 施 設 の 完 成 に基 づ い て提 供 す る場 合 で 、 当該 児 童 の総 数 が 当 該 機 関 が 参加 自 由 な公 教 育 〔1950年9月23日 法 第210条 第4号 は、 「出席 自由 な公 教 育 」 と は公 費 で提 供 さ れ 、 公 的 監 督 と管 理 の 下 に あ り、 並 び に適 用 州 に於 いて 初 等 若 し くは 中等 学校 教 育 と して 提 供 され る教 育 を意 味 す る と規 定 して
い る。〕 を提 供 す る児 童 の 総 数 の実 質 的 割 合 に相 当 す る場 合 。
(2)当 該 連 邦 財 産 へ の 当 該 機 関 に よ る課 税 の 免 除 が 、 学 校 用 施 設 に必 要 と され る当 該 機 関 の 財 政 能 力 の 実 質 的且 つ 継 続 的 減 殺 の 原 因 とな っ て きて い る場 合 。
(3)当 該 機 関 が 、合 理 的 な課 税 努 力 を行 い、 且 つ 州 の 課 税 努 力 並 び に 目的 に有 効 な その 他 の 財 政 援 助 を 利 用 す る こ とに適 正 な 努 力 を 行 っ て い る場 合 。
(4)当 該 機 関 が 、機 関 の 学 区 に お け る参 加 自 由 な 公 教 育 に必 要 と され る最 小 限 度 の 学 校 用 施 設 を提 供 す る為 に そ の 他 の連 邦 、 州 及 び 地 方 資 源 か ら の 機 関 に とっ て の 充 分 な基 金 を保 有 して い な い場 合 。
(b)以 後 、1954年6月30日 を 以 って 終 了 す る財 政 年 度 並 び に そ の後 の 財 政 年 度 に、 本 条 の規 定 を実 施 す るに 必 要 とさ れ る総額20,000,000ド ル を超 え な い 範 囲 内 で 歳 出配 分 す る こ とが 承 認 され る。 ま た 、 当 該 規 定 の 執 行 に 必 要 とされ る総 額 が 歳 出 配 分 さ れ る こ とが承 認 さ れ る。 執 行 に歳 出 さ れ る以 外 に歳 出 され る総 額 は 、 消 費 され る まで 繰 り越 され る もの と し、1955年6月 30日 以後 の それ を 除 い て 、 如 何 な る合 意 も本 条 の下 で援 助 を拡 大 す る為 に
執 り行 わ れ な い もの とす る。(本 条 第c項 以下 略)
改 正 法 は 、 明 らか に イ ン デ ィ ア ン の土 地 に対 す る課 税 免 除 が 学 校 建 設 に必 要 な 財 政 を逼 迫 して い る学 区 で あ って 、 イ ンデ ィ ア ンの 子 弟 が 多 数 出席 す る学 区 に 財政 支 援 す る もの で あ るが 、公 法 第81‑815号 に よ っ て1950年 代 に歳 出 さ れ た 基 金 はか な り潤 沢 と もい え る額 に 上 っ て い る。 す な わ ち 、1951年 か ら1970年 の 19年 間 に 、 同 法 の 全 て の 規 定 に基 づ いて 受 領 され た 各 州 の 総 額 を 示 せ ば、 例 え ば 、 ア リゾ ナ州 が43,000,000ド ル、 ニ ュ ー メ キシ コ州 が47,000,000ド ル 、 そ し
170)
て モ ン タ ナ 州 が13,000,000ド ル で あ っ た と さ れ る 。
アメ リカ ・イ ンデ ィ ァ ン法 研究 序 説(六) 8i
(ii)1950年 連 邦 人 口急 増 地 区 法
1950年9月30日 、 第81議 会 で 制 定 され た 「連 邦 政 府 の活 動 に よっ て 人 口が 急 増 した 地 区 に お け る地 方 教 育 機 関 に 対 す る財 政 支 援 を規 定 し及 び そ の 他 の 目的
I7D
の為 の 法律 」(「連 邦人 口急増 地 区法」(theFederallyImpactedAreasAct)と も
「公 法 第81‑875号 」(PL8且一874)と も呼称 され る。)は 、 連 邦 財 産 を 「連 邦 政 府 〔の 活 動〕 に よ っ て人 口 が急 増 した地 区」 に お け る学 区 に対 す る運 用 基 金 を提 供 す る
こ とを 認 め る 法律 で あ る。 全 文9ヶ 条 か らな る当 該 法 徳 の 抄 訳 を 以 下 示 す。
第1条 〈政 策 の 宣 言 〉 合 衆 国 が 一 定 の連 邦 活 動 が 遂 行 され る地 域 に於 い て 地 方 教 育 機 関 に 当 該 活動 が 与 え て きた 影 響 に 対 して 責 任 を負 う こ とを認 め 、 合 衆 国 議 会 は 、 以 下 の 各 号 に定 め る事 実 を 理 由 と して 合 衆 国 が 財 政 負 担 を 負 わ しめ て きた 地 方 教 育機 関 に 対 し、 財 政 支援(本 法 の各条 項 に よっ て設 定 され る)を 提 供 す る こ とを合 衆 国 の 政 策 とす る こ とを 宣 言 す る。
(1)地 方 の資 源 か ら当 該機 関 が 利用 し得 る収 入 が 合 衆 国 に よ る 不 動 産 取 得 の 結 果 と して 減 少 して き た こ と、 又 は
(2)当 該 機 関 が 連 邦 財 産 の 上 に居 住 す る児 童 に 教 育 を提 供 して い る こ と、
又 は
(3)当 該 機 関 が 両 親 が 連 邦 財 産 の 上 で 雇 用 され て い る児 童 に教 育 を 提 供 し て い る こ と、 若 し くは
(4)連 邦 活 動 の 結 果 と して 就 学 人数 に 急 激 且 つ 実 質 的増 加 が 起 こっ て き て い る こ と。
第2条 〈連 邦 の 不 動 産 取 得 〉(a)教 育 局 長 官 が 、 地 方 教 育機 関 並 び に相 当 の 州 教 育機 関 と協 議 の 上 、1950年7月lE1を 以 っ て始 ま る財 政 年 度 若 し く
は そ の後 の3年 間 の 財 政 年 度 の 為 に 、 以 下 の 各 号 に 定 め る衷 項 に該 当 す る と決 定 した 場 合 、 地 方 教 育 機 関 は、 連 邦 の 財 産 取 得 に よ っ て 当 該 機 関 に 課 され た経 常 支 出 に 関 し、 当該 財 政 年 度 の 為 に長 官 の 判 断 に於 いて 追 加 的 財 政 負 担 に 対 す る継 続 的 な連 邦 の 責 任 に 匹 敵 す る総 額 を当 該 機 関 が そ の 他 の 連 邦 の 支 払 に よ る 負 担 に よ っ て 補 償 さ れ な い限 度 で 受 領 す る権 限 を 付 与 さ れ る も の とす る。
(D合 衆 国 が 当 該 地 方 教 育 機 関 の 学 区 内 に 連 邦 財 産 を所 有 し、 当 該 財 産 が (A)1938年 に合 衆 国 に よ って 取 得 され て き て い る こ と、(B)合 衆 国 が
82
1939年 以 前 に所 有 した学 区 内 に 在 る そ の他 の連 邦 財 産 との 引 き換 え に よ っ て取 得 され た もの で は な い こ と、 及 び(C)学 区 内 の 全 て の 不 動 産 の 査 定 価 格(当 該 連 邦 財産 が 取 得 さ れ た 当 時 の価 格 を以 っ て決 定 され る) の10パ ー セ ン ト若 し くは そ れ 以 上 の 価 値 総 額 の 査 定 価 格(取 得 され たその 当 時の価 格 を以 って決 定 され る)を 有 す る こ と、 及 び
(2)当 該 取 得 が 、 当該 機 関 に実 質 的 且 つ 継 続 的財 政 負 担 を課 して い る こ と、
並 び に
(3)当 該 機 関 が 、連 邦 の 財 産 取 得 に起 因 す る収 入 の 損 失 に対 し、(A)そ の 他 の連 邦 の 支 払 、 又 は(B)取 得 財 産 に関 す る連 邦 活 動 の 遂 行 か ら 当該 機 関 に 生 じた収 入 の 増 加 に よ っ て 実 質 的 に補 償 が 為 さ れ て い な い こ と。
(第2条 第a項 第2文 略) (b)本 条 に掲 げ る用 語 の意 義 は、 そ れ ぞ れ 当該 各 号 に定 め る と こ ろ に よ る。
(1)「 その 他 の 連 邦 の支 払」 とは 課 税 及 び そ の他 の 支 払 の 代 わ りに本 法 以 外 の合 衆 国 の法 律 に従 っ て 連 邦 財 産 に関 して為 され る支 払 を い う。
(第2条 第b項 第2号 以下 略) 第9条 〈定 義 〉
(2)本 法 に お い て 、 「児 童 」 とは、 適 用 州 が 出席 自由 な 公 教 育 を提 供 す る年 齢 の 範 囲 内 に あ る児 童 を意 味 す る。 当該 用 語 は 、 イ ン デ ィ ア ン問 題 に 関 連 す る合 衆 国 法 律 に従 っ て承 認 され た イ ン デ ィ ア ン部 族 団体 の 成 員 若 し
くは 成 員 の被 扶 養 者 の 児 童 、 及 び合 衆 国 に よ る資 本 譲 与(capitalgrant) に従 っ て 、 又 はBIAの 監 督 の 下 に若 し くはBIAと の契 約 又 は そ の他 の 取 決 め に従 って 提 供 され る教 育 役 務 を受 け る資 格 が あ る児 童 は含 まな い も の とす る。
公 法 第81‑874号 は、当初 、同法 とJOMに よ る資 金 提 供 の重 複 を回 避 す るた め、
明 確 に 連 邦 政 府 との協 定 、 契 約 に 基 づ く 「教 育 役 務 」 を受 け る資 格 を 有 す る イ ンデ ィ ア ン の児 童 を 法律 の 適 用 の外 に 置 い て いた が 、1958年8月12日 制 定 の連
172)
邦 法 で 改 正 され(第zoo条 第b項)、 人 口増 加 地 区が 課 税 に代 わ って 運 営 基 金 を提 供 し、JOMに 基 づ く財 源 が イ ンデ ィア ン に対 す る特 別 の プ ロ グ ラ ム に特 別 助成 に 利 用 で き得 る よ うに す る た め 、 二 重 の 資 金 提 供 を 受 け る こ とが 可 能 で あ る と
した 。
ア メ リカ ・イ ン デ ィァ ン法 研 究序 説(六) 83
(iii)1953年6月4日 法
1953年 制 定 の 「内務 長 官 又 は長 官 に よ り授 権 され た代 理 人 に一 定 の 学 校 用 財
173)
産 を地 方 学 区 若 し くは公 的機 関 に譲 渡 す る権 限 を 付与 す る法 律 」 は 、 イ ン デ ィ ア ン教 育 に 対 す る責 任 を州 に 引 き受 け させ るた め の そ の 他 の措 置 と して 制 定 さ れ た もの で あ る(1957年 改正(Mayl6,1957,Pub.L.85‑31,71Stat.29)、1962年
改正(Mar.16,1962,Pub。L.87‑417,76Stat.33)を 経 て、合衆 国法律集 第25編 第 293a条 に法典編 纂化 され てい る)。 本 法 は1ヶ 条 か ら な る法 律 で あ る。
第1条 内 務 長 官 又 は長 官 に よ り授 権 され た 代 理 人 は、 本 法 に よ っ て 州 又 は 地 方 行 政 機 関 若 し くは地 方 教 育 機 関 に 、 これ ま で イ ン デ ィ ア ン の連 邦 学 校 に使 用 され 又 は 以後 使 用 さ れ 及 び も は や 当 該 目 的 に 必 要 と され な い合 衆 国 の 土 地 及 び 土 地 改 良 並 び に動 産 に有 す る権 利 、 権 原 及 び利 益 を譲 渡 す る権 原 を付 与 され る。 但 し、 使 用 収 益 権 者 の 同 意 が 個 々 の イ ンデ ィ ア ン 又 は イ ンデ ィ ア ン部 族 の為 に合 衆 国 に よ っ て信 託 保 有 さ れ て い た土 地 に対 す る権 原 の 譲 渡 に先 立 ち得 られ な けれ ば な らず 、20エ ー カ ー を超 え る土 地 は 、 本 法 に よ っ て 州 又 は地 方 行 政 機 関 若 し くは地 方 教 育 機 関 に譲 渡 され る単 一 の 学校 用 財 産 と関 連 して移 転 され て は な らな い。 本 法 の下 で の 全 て の譲 渡 は 、 土地 の 全 て の 鉱 床 及 び 当 該 鉱 床 の 試 掘 権 並 び に移 転 権 を 内務 長 官 が 定 め る 規 則 及 び規 制 に従 っ て保 留 し、財 産 が 学 校 若 し くは そ の 他 の公 的 目 的 に 使 用 され る こ と を要 求 し、 並 び に 内 務 長 官 に よ って 承 認 され な い 限 り財 産 が イ ンデ ィ ア ン及 び 非 イ ンデ ィ ア ン に同 一 の条 件 の 下 に 利 用 さ れ る こ とを要 求 す る もの とす る。 如 何 な る時 で あ ろ う と、 内 務 長 官 が 当 該 土 地 、 改 良 並 び に 動 産 の被 譲 与 人 が譲 渡 の 合 意 条 項 を遵 守 せ ず 、 及 び 当 該 不 遵 守 が 少 な く と も1年 の 間 継 続 す る と決 定 した る場 合 、長 官 は、 譲 渡 の 失 効 を宣 言 す る こ とが で き、 譲 渡 さ れ た 権 原 は合 衆 国 に復 帰 す る もの とす る。 内 務 長 官 に よ る当 該 決 定 は、 最 終 的 な もの と見 傲 す 。
BIAは 、 主 と して イ ンデ ィア ンの子 弟 を公 立 学 校 に移 行 させ る こ とに 関 心 を 注 いだ が 、 充 分 な公 立 学 校 の施 設 が 確 保 で き なか っ た が た め に 、 なおイ ンデ ィァ ン教 育 に 対 す る責 任 を担 わ ざ る を得 な か った の で あ る。 例 え ば 、1954年 、BIA は ナ ヴ ァホ 部 族 の保 留 地 の差 し迫 っ た教 育 問 題 に対 処 す る た め に ナ ヴ ァ ホ緊 急 教 育 計 画 を 立 ち上 げ 、 この 計 画 の 下 で 連 邦 の 学 校 施 設 が 拡 張 され 、 ナ ヴ ァ ホ部
84
族 の児童 が公 立学校 に通学 で きるよ うに寄 宿舎用施 設が保 留地 に接 す るタ ウン
ラ
に備 え られ て い る。
(iv)1956年8月3日 法
職 業 教 育 と成 人 教 育 は、 管 理 が 終 結 され た 部 族 、 管 理 が い ま だ終 結 され て い な い部 族 の 両 者 に 対 して行 わ れ て い る。 多 くの 管 理 終 結 の た め の計 画 は、 イ ン デ ィ ァ ンが 「管 理 終 結 後 に 引 き受 け な けれ ば な らな い で あ ろ う責 任 」 を部 族 の 成 員 に 自 覚 させ る た め に特 別 教 育 及 び 訓 練 計 画 を 承 認 して い る 。1955年 、 1,000,000ド ル が オ レ ゴ ン、 ウ ィス コ ン シ ン及 びユ タ州 に お け る計 画 の樹 立 の た め に特 別 に充 当 さ れ 、 翌1956年8月3日 、 合 衆 国議 会 は 内務 長 官 に保 留 地 の 上 とそ の 周 辺 に居 住 す る成 人 の イ ン デ ィ ア ン に職 業 訓 練 を施 す た め の 計 画 を執 り 行 う権 限 を付 与 す る法 律 を 制 定 して い る。
正 式 名 称 「イ ン デ ィ ア ン保 留 地 の 上 若 し くは 周 辺 に居 住 す る一 定 の 成 人 イ ン
175)
デ ィ ア ンの 雇 用 に 関 す る法 律 」 は 、2ヶ 条 か ら な る(数 次 の改 正 を経 て、合 衆 国 法 律集 第25編 第309条 及 び第309a条 に法典 編纂 化 され て い る)。
第1条 イ ンデ ィ ア ン保 留 地 の 上 に若 し くは 周 辺 に居 住 す る成 人 イ ンデ ィ ア ンが 手 ご ろで 且 つ 満 足 の い く雇 用 の機 会 を 得 る こ と を援 助 す る為 、 内務 長 官 は、24ヶ 月 を超 え な い 期 間 で職 業 相 談 又 は 職 業 指 導 、承 認 さ れ た 職 業 若 し くは商 業 に お け る組 織 化 され た 訓 練 、徒 弟 制 度及 び 職 業 訓 練 、 訓 練 場 所 へ の 輸 送 並 び に訓 練 期 間 の最 低 限 の生 活 の 糧 を備 え る職 業 訓 練 計 画 を企 図 す る権 限 を 付与 さ れ る。 当該 計 画 は、 主 と して18歳 以 上35歳 以下 で あ って 、 イ ン デ ィ ア ン の保 留 地 の 上 に 又 は周 辺 に居 住 す るイ ン デ ィ ア ン に 利 用 さ れ
る もの と し、 並 び に 当 該 計 画 は 内務 長 官 が 定 め る規 則 及 び 規 制 に基 づ い て 行 わ れ る もの とす る。 この計 画 の 目的 の 為 に 、 内 務 長 官 は 連 邦 、 州 又 は地 方 行 政 機 関 、 職 業 訓 練 の分 野 に お い て 好 評 を博 し且 つ そ れ ぞれ の 訓 練 の 分 野 で 修 了 者 を雇 用 して い る私 立 学 校 、 若 し くは 既 存 の徒 弟 制 度 又 は技 能 的 職 業 を先 導 す る もの と して産 業 界 及 び 労 働 界 に お い て承 認 され て い る職 業 訓 練 計画 を有 す る組 合 又 は 団 体 と、 契 約 若 し くは取 決 め を締 結 す る権 限 を 付 与 され る
第2条 本 法 の 目的 の為 に、 各 財 政 年 度 毎 に総 額3,500,000ド ル が 歳 出 配 分 さ れ る こ と、 及 び 目 的 の執 行 に利 用 可 能 な総 額 は500,000ド ル を超 えて 歳 出 さ
ア メ リカ ・イ ンデ ィ ア ン法研 究 序説(六) 85
れ て は な らな い こ とが 承 認 さ れ る。
計 画 の 二 つ の 目的 は 、 イ ン デ ィ ア ン再 配 置 計 画 を履 行 す る こ と と私 的 産 業 を 保 留 地 周 辺 に 興 す に あ っ た の で あ り、 法 案 支 持 者 は、 保 留 地 外 の 資 源 へ の依 存 は イ ン デ ィ ア ンの 生 活水 準 を 向上 せ しめ、 特 別 の 連 邦 役務 へ の依 存 を減 少 せ し
ラ
め る もの で あ る と主 張 して い る。
(2)保 健
ヨ ー ロ ッパ 人 との接 触 以 前 、 北 ア メ リカ の イ ン デ ィ ア ン た ち は 極 め て 健 康 な 生 活 様 式 に 従 っ て生 活 して い た とされ る が 、 麻 疹 、 コ レラ 、百 日咳 、 ジ フ テ リ ア、 更 に は 天 然 痘 とい っ た ヨー ロ ッパ 人 が もた ら した 感 染 症 が 瞬 く間 に 蔓 延 し た こ とは よ く知 られ て い る と こ ろで あ る。 流 行 病 に よ っ て全 部 族 に亘 っ て 多 く の 人 々 が 死 に追 い や られ 、 また 、 か か る感 染 症 が 、 特 に 白 人 に よ る ナ ヴ ァ ホ部 族 の 人 々 の 最 終 的 な 征 服 に大 き な役 割 を 演 じた と され る。 ヨー ロ ッパ 人 に よ っ て も た らさ れ た これ ら病 気 に対 して イ ンデ ィア ンた ち は、 全 く免 疫 性 が 無 いか 、 あ っ た と して もそ れ は多 寡 の 知 れ た もの で あ り、 治 療 法 を 知 るi:qもな か っ た の で あ る。
19世 紀 を通 じて 、 新 らた な 科 学 が 保 健 及 び 医 学 の必 要 性 につ い て の 新 た な 知 識 を もた ら し、 急 速 な都 市 化 に よ っ て 刺 激 さ れ 、 衛 生 条 件 と病 気 の 相 互 関 係 に つ いて の 理 解 が 徐 々 に 公 式 化 され て い く。 イ ギ リス の 「1848年公 衆 衛 生 法 」(the PublicHealthActof1848)は 、 伝 染 病 と闘 い、 防 止 す る こ とに公 的 に介 入 す る こ と を定 め て いた が 、 ア メ リカ に お い て も、 公 的 介 入 が 受 け 入 れ られ る よ う に な る と、 大 都 市 で の衛 生 条 件 の 規 制 と維 持 の た め に 委 員 会 が 設 立 され る よ う に な る。 都 市 部 にお い て 衛 生 規 制 の 強 制 が璽 要 と見 倣 され た結 果 、 衛 生 監 督 官 (hea且thinspector)が 地 方 の 警 察 機 構 の 指 図 の下 で 働 くよ うに な り、1800年 代
i≫I
中 葉 に は、 第 一 号 の大 病 院 が 開設 され て い る。
イ ン デ ィ ア ン問題 は、 周 知 の 如 く1789年8月7日 に 第1議 会 で 制 定 され た 合
178)
衆 国 法 律 に よ っ て設 立 され た 陸軍 省 の 管 轄 事 項 で あ った が(第1条)、1800年 代 初 頭 、 保 健 衛 生 の努 力 は 天 然 痘 と い っ た伝 染 病 の 蔓 延 防 止 に 向 け られ て い た 。 特 に、 軍 隊駐 屯 地 に近 在 す る イ ンデ ィ ア ンに 対 して 、 軍 医 に よっ て 注 意 が 注 が れ た こ とは 、 想 像 に難 くな い と ころ で あ る。1819年 、 合 衆 国 議 会 は、 イ ン デ ィ ァ ン を開 化 す る 目的 で 伝 道 協 会 に10,000ド ル の歳 出 を 承 認 す るが 、 これ ら伝 道