性役割認知が達成動機に及ぼす影響 (2) : 大学生 男女を被験者として
その他のタイトル Effects of Gender Role on
Achievementmotivation : Part 2 : As subjects : Male and Female Undergraduates
著者 廣田 君美, 樋口 康彦
雑誌名 関西大学社会学部紀要
巻 26
号 3
ページ 93‑109
発行年 1995‑03‑30
URL http://hdl.handle.net/10112/00022530
関西大学「社会学部紀要」第
2 6
巻第3
号,1 9 9 5 , p p . 9 3 ‑ 1 0 9
性役割認知が達成動機に及ぼす影響
( 2 )
—大学生男女を被験者として一~
廣 田 君 美 ・ 樋 口 康 彦
Effects of Gender Role on Achievementmotivation : Part 2
‑ A s s u b j e c t s : Male and Female Undergraduates ——
Kimiyoshi HIROTA Yasuhiko HIGUCHI
A b s t ra ct
ISSN 0 2 8 7 ‑ 6 8 1 7
I n this study, w e i n v e s t i g a t e d t h e r e l a t i o n s h i p between gender r o l e and achievement motivation.
Factor a n a l y s i s i d e n t i f i e d f o u r f a c t o r s related t o gender r o l e , :
(1)Male d e s i r a b i l i t y , (2)Excessive m a s c u l i n i t y , C3>Female desirability, C4)Excessive f e m i n i n i t y . F i v e other f a c t o r s releted t o achievement motivation were also identified:C1)Engagement i n t h e t a s k , C 2 > I n i t i a t i v e , ( 3 ) Fullness of s e l f , ( 4 ) C o m p e t i t i v e n e s s , ( 5 ) R a t i o n a l i z a t i o n o f act i ons .
A s the r e s u l t o f a n a l y s i s u s i n g canonical discriminant a n a l y s i s o f the relationship between gender r o l e and achievement m o t i v a t i o n , the f o l l o w ‑ i n g r e s u l t s were o b t a i n e d :
1 . M a l e d e s i r a b i l i t y , excessive m a s c u L i n i t y and female d e s i r a b i l i t y are strongly related t o h i g h achievement motivation o f male and female undergraduates.
2.Excess,ve f e m i n i n i t y i s closely r e l e t e d to l o w a c h i e v e m e n t m o t i v a t i o n o f both male and f
紐a l eundergraduates.
3.Female d e s i r a b i l i t y , e x c e p t i o n a l l y , i s c l o s e l y related to h i g h achieve‑
ment m o t i v a t i o n toward r a t i o n a l i z a t i o n o f a c t i o n s .
Key words : Gender R o l e , Achievement M o t i v a t i o n , C a n o n i c a l D i s c r i m i n a n t A n a l y s i s
抄 録本研究では,大学生男女
2 9 3
名(男性1 5 0
名, 女性1 4 3
名)を被験者とし, 性役割に対する認知と,達成動機の関係について調査が行なわれた。因子分析の結果導かれた男性役割の
2
因子(男性的望ま しさ,過度の男性性)と女性役割の2
因子(女性的望ましさ,過度の女性性)の計4
因子が現実の自 己(現実次元)と,理想の自己(理想次元)にどの程度あてはまるかについての得点と達成動機の 5 因子(課題への取り組み,イニシアティブ,自己充実,競争,活動の合理化)の得点との関係を正準 判別分析を用いて男女別に検討した結果,以下のような知見を得た。(1)男女ともに,性役割の3因子(男性的望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさ)を内面化してい ること,およびしたいと思っていることは高い達成動機へとつながる。
(2)男女ともに,性役割の過度の女性性を内面化していること,およびしたいと思っていることは低い 達成動機へとつながる。
(3漣固凛磯の第5因子(活動の合理化に対する動機)についてだけは(1)(2)のことがあてはまらず,性 役割の女性的望ましさが強くその動機と結びついていた。
キーワード:性役割,達成動機,正準判別分析
‑ 9 3 ‑
関西大学『社会学部紀要」第26巻第3号
研 究 目 的
人は生まれながらにして生物学的に男性あるいは女性であるだけでなく,成長する過程で社会 からの期待に従い,それぞれの性にふさわしい役割を内面化していく。
男女それぞれの性に期待される役割は文化によって相違が見られるものの (Mead,1 9 4 9 ) 日 本も含め一般に西洋文化に代表される文化圏においては,男性には競争的,課題志向的であるこ
とが期待されており,一方女性にはやさしさ,従順さ,対人志向的であることなどが期待されて いることが明らかとなっている(伊藤, 1 9 7 8; H o r n e r , 1 9 6 8 , 1 9 6 9 ) 。つまり, 男性そして女性 の達成動機を規定するステレオタイプ的な性役割観が文化の一貫として我々の社会に広く浸透し ており ( M e d n i c k , 1 9 7 5 ) , 女性における低い達成動機はこれまで性役割ステレオタイプのひと つの表れであるとみなされてきたのである。
しかし,性役割と達成動機の関係について従来なされてきた研究を概観すると,ひとつの問題 点が指摘される。それは, Bern( 1 9 7 4 ) の研究により,男性役割・女性役割を同次元の両極に位 置するととらえた 1 次元両極モデルに替わり,それぞれが独立した次元を構成していることを前 提にした 2 次元モデルが提唱されたが,男性・女性役割そのものを多次元的に取り扱おうとする 試みはこれまであまりなされてこなかったことである。各性役割(男性役割,女性役割)自体が 多次元的構成を成しており,その測定にあたっても多次元的にとらえなければ他の変数との関係 について矛盾した結果が示されることになるかもしれない。多次元的構成を成しているものを 1 次元でとらえ,他の変数との関係を論じることは,意味がないばかりでなく,本質を見誤る恐れ がある。そこで,樋口 ( 1 9 9 5 ) においては, 新しい試みとして, 「男性・女性役割」を因子分析 的方法によってとらえ直したうえで,同じく因子分析的方法によってとらえた「達成動機」との 関係について検討がなされた。
その結果,一般に男性が男性役割特性を内面化することは高い達成動機へとつながることが明 らかにされた。男性が,自らの性にふさわしいとされている役割を身に付けていくことは達成動 機に何の障害も与えない。しかし,女性における,性役割と達成動機との関係はもっと複雑で,
女性役割特性の第 1 因子である「女性的望ましさ」は,達成動機と有意な正の相関を示したもの の,女性役割特性第 2 因子である「適度の女性性」は,達成動機と有意な負の相関を示した。こ のことは従来言われてきた,男性は達成志向的であることが望まれるため男性役割を内面化する ことで達成動機が高まるものの,女性は達成志向的であることより親和志向的であることが望ま れるため女性役割を内面化することで非達成志向的となる,という考えに大きな示唆を与える結 果であった。つまり,女性における低い達成動機は性役割ステレオタイプのひとつの表れとされ てきたが,性役割特性を 2 次元に分けて考えた場合,必ずしもそうとは言えないという結果が示 されたのである。
なお,その調査においては,男性が男性役割を取り入れることと達成動機の関係について,そ
‑ 9 4 ‑
性役割認知が達成動機に及ぽす影響
(2) (廣田・樋口)
して女性が女性役割を取り入れることと達成動機の関係について分析が行なわれた。しかし,人 は必ずしも自らの属する性に期待されている役割のみを内面化しているわけではなく,異性にと ってふさわしいとされる役割もまた取り入れている ( B e r o ,1 9 7 4 , 1 9 7 5 ) 。そこで本論では,各性 役割が達成動機に与える影響について総合的にとらえるために,大学生男女が男性役割・女性役 割をそれぞれどのように内面化しているか,あるいはしようとしているかが達成動機にどのよう な影響を与えているかについて,自らが属する性にとって望ましいとされる役割について回答し たデータとともに,前回は用いなかった異性にとってより望ましいとされる役割について回答し たデークをも用いて分析,考察する。
なお,調査は全て1 9 9 4 年 7 月に,私立 K 大学において授業時間を利用して行なわれた。
方 法
予備調査 1
まず最初に,従来この分野で行なわれてきた研究を基に,男性に望ましいとされている役割,
そして女性に望ましいとされている役割について記述した形容詞をできる限り多く収集し,ひと つめのアイテムプールを作成した。次に,大学生6 1 名(男性29 名,女性3 2 名,平均年齢2 0 . 9 歳 ) に対し,性役割に関する概念を説明したうえで男性にとって望ましいとされている特性,女性に とって望ましいとされている特性について形容詞の形で記述するよう求め,ふたつめのアイテム プールを作成した。
そして,これら 2 種類の方法で集められた形容詞を, KJ 法にしたがって分類し,項目の形式 に改めた。またその際,意味的に重複しているもの,生得的な肉体的特徴を表しているものは削 除した。
予備調査 2
予備調査 1 の結果残った8 6 の形容詞について,大学生男女8 6 名(男性4 1 名,女性4 5 名,平均年 齢2 0 . 0 歳)に対し,男性そして女性がこれらの形容詞に表される特性を身に付けていることが世 間一般ではどの程度望まれていると思うかについて, Bern( 1 9 7 4 ) に習い「非常に望まれてい (7 点)〜全く望まれていない (1 点)までの 7 件法で回答するように求めた。都合,被験者は 1 7 2 項目 ( 8 6 項目
X男性についてと女性について)に回答したことになる。
次に,それらの形容詞が男性にとって,あるいは女性にとってどの程度望ましいかの得点差に ついてデークに対応がある場合の t 検定(男女別)を行ない,男女ともに同方向に有意差の見ら れた形容詞をそれぞれ,男性役割項目(男性にとってより望ましいとされた場合, P<O.0 5 ) , 女 性役割項目(女性にとってより望ましいとされた場合, P<O.0 5 ) とした。そして,このような プロセスを経て男性役割とされた項目,女性役割とされた項目に対しそれぞれ因子分析を行なっ
‑ 9 5 ‑
関西大学「社会学部紀要』第
2 6
巻第3
号Table 1 男性役割特性の因子分析結果
項 目 内 容 因子負荷量
I I I 8 3 .
頼もしい8 0 0 ‑ 0 3 9 8 2 .
包容力のある7 8 0 ‑ 0 0 8 6 3 .
勇敢な7 4 0 0 5 2 0 8 .
たくましい7 1 0 ‑ 0 5 1 5 7 .
責任感のある6 4 7 0 0 5 0 2 .
力強い5 9 7 ‑ 2 7 1 2 4 .
決断力のある5 6 4 1 8 6 1 4 .
信念を持った5 3 0 0 7 7 3 6 .
堂々とした 立1 9 2 0 9 .
プライドの高い‑ 2 1 1 齊 8 5 .
気が強い2 0 9 6 6 4 6 9 .
議論を好む‑ 0 8 0 6 1 7 6 1 .
厳しい0 5 8 5 7 4 8 6 .
おおざっぱな1 8 3 5 1 6
(因子名と因子間相関)
1
男性的望ましさ1 0 0 0 2 1 1
n
過度の男性性2 1 1 1 0 0 0 注
1)小数点省賂Table2
女性役割特性の因子分析結果 項 目 内 家8 4 .
きれい好きな3 8 .
愛想の良い6 8 .
よく気のつく7 4 .
言葉づかいのていねいな4 0 .
気持ちの細やかな3 5 .
家庭的な4 2 .
世話好きな5 6 .
こまめな5 2 .
ていねいな7 2 .
愛きょうのある5 9 .
人に尽くす5 0 .
上品な7 6 .
家事の上手な2 1 .
几帳面な6 7 .
かわいらしさのある0 5 .
他人の気持ちを気にする6 0 .
おしゃれな4 8 .
はずかしがりな6 4 .
かよわい1 1 .
気の弱い5 4 .
おっとりした2 5 .
おとなしい5 8 .
のんびりした8 0 .
静かな因子負荷量
I I I
0 5 3 0 2 2 0 3 8 2 4 8 0 4 3 0 1 0 0 9 0 0 9 2 0 7 6 0 6 0 1 0 9 0 9 4 0 5 4 0 4 0 2 8 1 0 5 4 1 8 4 ‑ 7 9 1 7 2 8 6 5 3 6 2 1 6 0 6 6 0 3 6 0 0
7 5 6 7 2 3 7 0 7 7 0 7 7 0 0 6 9 5 6 7 7 6 4 7 6 4 4 6 2 5 5 8 5 5 8 3 5 7 1 5 6 6 5 1 3 4 9 2 4 1 7 0 7 4 0 4 5 0 6 6 1 2 8 1 2 6 0 7 2 1 1 7
I I I ‑
(因子名と因子間相関)
女性的望ましさ
1 0 0 0
過度の女性性4 0 7
4 0 7 1 0 0 0 注
1)小数点省略 た。まず項目間の相関マトリックスを求め,それに基づいて主軸法による因子分析を行なった。スクリーテストの結果を参考に,両役割ともに因子教を
2
に定め(第2
因子までで,男女それぞ れ全分散の46.0
バーセント,5 1 .7
バーセントが説明可能),因子負荷行列をバリマックス法,プ ロマックス法によって回転させた。解釈に当たってはプロマックス解を採用した。項目採用の基 準は,その因子に対する負荷量が0.4
以上で,もう一方の因子に対する負荷量が0.3
以下であることとし, その基準を満たさない項目は削除したうえで再度因子分析を行った
(Table 1• 2 )
。 まず男性役割については,第1
因子に男性役割のポジティブな側面が高い負荷を示し,第2
因 子にはネガティプな側面が高い負荷を示している。そこで第1
因子は, 「男性的望ましさ」の因 子 , 第2
因子は「過度の男性性」の因子と命名した。女性役割についても全く同じ傾向がうかがわれ,第
1
因 子 に は 女 性 役 割 の ポ ジ テ ィ ブ な 側 面‑ 9 6 ‑
性役割認知が達成動機に及ぽす影響
(2)
(廣田・樋口)が,第 2 因子にはネガティプな側面がそれぞれ高い負荷を示している。 そこで第 1 因子は, 「 女 性的望ましさ」の因子,第 2 因子は「過度の女性性」の因子と命名した。
予備調査 3
実際の大学生の達成に対する考えをとらえるために,達成動機に関する概念的説明を行なった うえで,達成動機の高い人の行動特性,逆に達成動機の低い人の行動特性について自由記述形式 によりできるだけ多く記述するように求めた(男性3 0 名,女性3 2 名 , 平均年齢 20.4 歳)。次に,
収集された記述内容を K J 法を用いて分類し, 質問項目の形式に改めた。 その他, Cassidy ら ( 1 9 8 9 ) および Jackson ら ( 1 9 7 6 ) の達成動機の多次元説を参考に,大学生の達成動機を測定 するために重要と思われる,①野心,R自己充実, ⑧挑戦, ④イニシアティプ, ⑥継続, ⑥競 争 , ⑦活動の合理化の 7 次元を選定し, 各次元につきそれぞれ 6 つずつ項目を作成した (5 件 法,計4 2 項目)。
予備調査 4
大学生男女2 9 3 名(男性1 5 0 名,女性1 4 3 名,平均年齢2 0 . 5 歳)に対し予備調査 2 で,男性役割,
女性役割とされた特性が, 現実の(現実次元), そして理想の(理想次元)自分にどの程度あて はまるかについて,予備調査と同様に 7 件法(非常によくあてはまる〜全くあてはまらない)で 回答するよう求めた。また,予備調査 3 で作成した達成動機質問紙への回答も合わせて求めた。
予備調査 5
予備調査 3 において作成した質問項目の構造が当初設定した通りになっているかどうかを確か めるために,予備調査 2 と同様の手続きで実際に因子分析を行なった。結果は Table3 に示す 通りである(第 6 因子までで全分散の 5 0 . 9 バーセントが説明可能)。項目選択の際は,因子負荷 量が0 . 4 以上で他の因子に対する負荷量が0 . 3 以下であることを基準とした。なお,項目内容の後 ろのカッコ内のアルファベットは,その項目の当初の設定が何であったのかを示している。 CA)
は野心, (SE) は自己充実, (CH) は挑戦, (I) はイニシアティプ, CSU) は継続, (CO) は競争, CR) は活動の合理化に対する動機測定項目としてそれぞれ設けられていたことを示し ている。
以下,因子の解釈を行なう。
•第 1 因子
まず第 1 因子についてであるが,これは,「 0 1 .どんなに難しくても,いったんやり 始めた仕事には最後まで取りくみたい。」, 「 1 7 . 難しいことにぶつかると, 努力を続けるより,
『どうでもいい』と簡単にあきらめてしまう。」,「3 7 . 難しいことにぶつかったら,すぐにあきら めてしまう。」等の項目が高い負荷を示している。一見してわかるように, 第 1 因子には継続に 対する動機測定項目として設定されたものと挑戦に対する動機測定項目として設定されたもの,
‑ 9 7 ‑
Table3
達成 動機
因
子分析
結
果
│ 98 1 項目内容1I 因子負荷量1 相係数関
I ill
IV V VI01.
どんなに難しくても,いったんやり始めた仕事には最後まで取りくみたい。
(SU)
可‑087 ‑012 087 053 099 678 17.
難しいことにぶつかると,努力を続けるより,「どうでもいい」と簡単にあきらめてしまう。
(SU) ‑588 ‑102 109 248 ‑069 222 647 37.
難しいことにぶつかったら,すぐにあきらめてしまう。
(SU) ‑549 ‑025 020 053 ‑117 235 722 02.
失敗の可能性が高くても,新しいことにどんどん取りくんでいきたい。
(CH) 539 053 116 201 ‑223 143 724 11.
一度やりはじめたことは,最後までやり通さないと気がすまない。
(SU) 535 ‑168 ‑051 159 118 ‑118 659 26.
他の人が嫌がるような難しいことにでも,根気強く取りくみたい。
(SU) 464 030 158 128 070 134 660 33.
私(CはH
,)複離で困難なことに挑戦するよりも,自信を持って気軽にできることをするほうが好きだ。‑459 ‑112 220 254 029 040 430 20.
私は,いろいろなことに挑戦しようとする意欲にあふれている。
(CH) 450 202 003 164 ‑214 000 652 03.
自分にとって有意義なことであれば,世間では認められないような小さなことにでも全力を尽くした
422 ‑035 266 ‑061 ‑077 126 566
い。(SE) 14.
自分のプラスになるなら,難しいことにでも積極的に挑戦していきたい。
(CH) 421 044 257 030 012 ‑011 651 30.
私は,なにごとにも我慢強く取りくみたい。(SU) 418 ‑088 168 140 277 098 613 07.
私は.自分と同じことを目指す人が多ければ多いほど.より多くの努力をする。
(CO) 281 179 ‑010 252 ‑080 133 06.
いろいろな活動で,リーダーになりたい。(I) ‑075 727 ‑045 131 037 ‑025 690 38.
なにをするときでも,自分がみんなを引っぱっていきたい。
(I) ‑016 683 001 210 093 062 740 19.
私の所属している集団が何か計画を立てるとき,私は他の人に計画を立ててもらうより,自分でリード
070 660 009 072 046 068 696
したい。(I) 29.
先頭に立って集団をまとめなければならないような立場に立つのはいやだ。
(I) ‑059 ‑625 014 162 003 179 568 24.
他の人に命令を下し,自分で物事を推し進めていくのが好きだ。
(I) ‑043 619 ‑011 232 004 098 606 12.
私は自分の責任で仕事を推進していくより,人の指示に従うほうが好きだ。
(I) ‑133
卓‑170 160 103 196 470 40.
将来役に立たないことでも,興味のあることには,がんばって取りくみたい。
(SE) ‑026 ‑008
芦ー107 ‑014 ‑125 630 22.
つまらないことでも,自分にしかできないことがしたい。
(SE) ‑135 ‑035 667 104 104 ‑088 490 34.
人からほめられないような小さなことでも,自分にとって大切なことには一生懸命に取りくみたい。
106 029 634 ‑167 038 005 600 (SE) 15.
将来役に立たないことでも,自分にとって大切なことには納得いくまで取りくみたい。
(SE) 024 091 580 ‑152 ‑002 ‑195 490 16.
私は,出世のことなど気にせず自分の道を行きたい。
(A) 102 ‑142 513 ‑186 ‑097 138 369 23.
自分の能力を向上させるために,今までやったことがないことにでも進んで取りくみたい。
(CH) 232 ‑003 342 271 037 ‑151 41.
簡単にできる課題よりも,他の人にはなかなかできないような難しい課題に挑戦してみたい。
(CH) 256 096 292 194 083 llO
湮岡汁将「#鼎怖蛍裕涸』濾26~ffi3%
10.
たとえ全力を尽くしても,その結果が他人よりも劣っていれば満足できない。
(CO) 08.
世に出て成功した人を見ると,「自分も将来こんな人になりたい」と思う。
(A) 28.
将来,何かの分野で第一人者になりたい。(A) 04.
将来は,人から尊敬されるような立派な地位につきたい。
(A) 21.
他人との競争を避けるような人はだめな人だ,と思う。
(CO) 05.
無駄な時間を過ごしていると,苛々したり不安になったりする。
(R) 35.
社会的地位の低い者として生きていくことは,屈辱的なことだと思う。
(A) 09.
学校の勉強より,自分の興味があることに力をそそぎたい。
(SE)
083 067 106 ‑056 067 028 ‑015 ‑152
‑159 110 135 283 195 023 ‑084 061
‑262 ‑065 119 ‑188 ‑021 002 ‑388 312
554 551 487, 456 428 416 627 405
‑056 ‑011 102 196 ‑074 105 026 ‑175
‑281 ‑109 ‑048 ‑026 ‑018 021 ‑151 ‑007
328 578 498 447 357 348 18.
何かをするときには,計画を立てず行き当たりばったりにする。
(R) 13.
何かをする前には,それをうまくやるための方法についてよく検討する。
(R) 32.
何かをする前には,細かいところまできちんと計画を立てておきたい。
(R) 25.
何かをする前にはまず,どうすればもっとも能率よくできるか,について考える。
(R) 39.
能率よく活動できるように,自分の生活を整えておきたい。(R)
‑064 112 ‑102 ‑018 015
‑039 ‑033 139 039 ‑142
148 ‑002 ‑010 111 165
174 ‑030 043 092 220
‑792 764 726 648 486
632 641 600 542 372
‑ 99 1
36.
人と競争して負けても,あまりくやしいと感じない。
(CO) 31.
私は,楽しむためのゲームをしているときですら,すぐ競争的になってしまう。
(CO) 27.
私は,「他の人にまけたくない」という気持ちが強い。
(CO) 42.
将来,何か価値のあることを成し遂げたい。(A)
‑042 ‑199 205 071
‑032 005 024 ‑033
‑059 111 ‑001 372
‑059 246 415 195
068 032 ‑145 116
000 168 025 ‑067 ‑103 790 ‑541 ‑441 ‑414
(因子名と因子間相関)a係数 第1
因子課題への取り組み1000 392 358 201 132 851
第2
因子イニシアティブ392 1000 150 234 127 846
第3
因子自己充実358 150 1000 219 ‑006 742
第4
因子競争201 234 219 1000 168 700
第5
因子活動の合理化132 127 ‑006 168 1000 782
寄熔唱I蒻酋渋巌 h躙華kn〗否 1B 幽 (2)︵踊田・薗口︶注1)小数点省略
関酉大学『社会学部紀要」第26巻第3号
それから自己充実に対する動機測定項目として設定されたものが混在している。しかし,第 1 因 子に高い負荷を示している項目の内容をよく検討してみると,そこには課題に対して積極的に取 り組むことに関する共通の概念が見て取れる。そこで,第 1 因子は「課題への取り組み」に対す る動機の因子と命名する。
•第 2 因子
第 2 因子には,「 0 6 . いろいろな活動で, リーダーになりたい。」,「 3 8 . なにをする ときでも,自分がみんなを引っばっていきたい。」,「 1 9 . 私の所属している集団が何か計画を立 てるとき,私は他の人に計画を立ててもらうより, 自分でリードしたい。」等の項目が高い負荷 を示している。この因子に高い負荷を示している項目はすぺてイニシアティブに対する動機測定 項目として設定されていたものであり,何かを行なう際には人の指示に従って行なうのではなく
自らの考えで推し進めていきたいという動機を表している。そこで, 「イニシアティプ」に対す る動機の因子と命名する。
•第 3 因子第 3 因子には「40.
将来役に立たないことでも,興味のあることには,がんばって 取りくみたい。」,「 2 2 . つまらないことでも,自分にしかできないことがしたい。」,「 3 4 . 人から ほめられないような小さなことでも, 自分にとって大切なことには一生懸命に取りくみたい。」
等の項目が高い負荷を示している。この因子には自己充実に対する動機測定項目,および野心に 対する動機測定項目として設定されたもの(ただし逆転項目)が混在している。しかし項目の内 容を検討してみると,そこに一貫して流れているのは,世間的なことでは認められなくても自分 の好きなことに一生懸命取り組みたいという概念であり,自己充実に対する動機としてまとめて よいであろう。この因子は「自己充実」に対する動機の因子と命名する。
•第 4 因子
第 4 因子には「1 0 . たとえ全力を尽くしても,その結果が他人よりも劣っていれば 満足できない。」, 「 0 8 . 世に出て成功した人を見ると, 『自分も将来こんな人になりたい』と思 う。」,「 2 8 . 将来,何かの分野で第一人者になりたい。」等の項目が高い負荷を示している。この 因子には競争に対する動機測定項目として設定されたもの,挑戦に対する動機測定項目として設 定されたもの,活動の合理化に対する動機測定項目として設定されたものが混在している。しか し,どの項目からも,他者を凌ぎ優れた存在になることに関する共通の概念が見て取れる。そこ で,第 4因子は「競争」に対する動機の因子と命名する。
•第 5 因子
第 5 因子には「 1 8 . 何かをするときには,計画を立てず行き当たりばったりにす る。」,「1 3 . 何かをする前には,それをうまくやるための方法についてよく検討する。」,「3 2 . 何 かをする前には, 細かいところまできちんと計画を立てておきたい。」等の項目が高い負荷を示 している。この因子に高い負荷を示している項目はすべて活動の合理化に対する動機測定項目と して設定されていたものであり,課題を遂行する際には行き当たりばったりに行なうのではなく 前もって計画を立て,自らの精力を合理的に注ぎ込みたいという動機を表している。そこで,「活 動の合理化」に対する動機の因子と命名する。
それから第 6 因子については,抽出されたものの項目採用の基準を満たしている項目が 2 つし
‑100‑
性役割認知が達成動機に及ぼす影響 (2)
(廣田・樋口)かなく信頼性に問題があるうえ解釈も困難であったことから以後の分析からは削除することにし た 。
その他, T a b l e には「当該の項目の尺度得点」と「その項目以外の尺度得点の総和」との相 関係数の値,および
a係数の値が因子ごとに示されている。例えば,項目番号「0 1 」の 678とい う値は,その項目の得点と第 1 因子に属する他の 1 0 項目の合計得点との相関係数を表している。
またその際,因子負荷量がマイナスの値を示している項目に関しては 5 件法であるため 6 から該 当する項目の得点を減じて計算した。その相関係数の値はどの因子においても高い値を示し,す べて P<O.0001 水準で有意であった。また,
a係数もすぺてがほぽ満足すべき値を示している。
以上の結果から尺度の信頼性は十分に保たれているとした。
次に,各項目がその因子名を正しく反映しているかどうかを確認するため,妥当性の検討を行 なった。具体的には,採用された項目が命名された 5 つの因子名を正しく反映しているかどうか について,社会心理学専攻の 5 人の大学院生に非常によく反映している (5 点)から全く反映し ていない (1 点)までの 5 件法で判定するよう求めた。その結果, 5 人の判定の平均得点はいず れの項目においても 3.8 を超えていたため,構成概念妥当性もまた十分に保たれているとした。
本 調 査
性役割特性と達成動機の正準判別分析結果
性役割特性をどのように内面化しているかが達成動機にどのように影響しているかをとらえる Table4 達成動機3 群における因子得点の平均値, SD およびレンジ(男性)
達成動機第 1 因子高群 達成動機第 1 因子中群 達成動機第 1 因子低群 達成動機第
2因子高群 達成動機第
2因子中群 達成動機第
2因子低群 達成動機第
3因子高群 達成動機第
3因子中群 達成動機第
3因子低群 達成動機第
4因子高群 達成動機第
4因子中群 達成動機第
4因子低群 達成動機第
5因子高群 達成動機第
5因子中群 達成動機第
5因子低群
平 均 値 1 . 0 5 8 9 1 6 0 0 . 1 0 2 5 4 6 0
‑ 1 . 0 1 9 3 9 2 0 1 . 3 1 8 2 2 6 0 0 . 1 5 3 0 4 6 0
‑ 0 . 8 7 9 9 0 4 0 1 . 1 5 1 5 0 0 0
‑ 0 . 0 0 7 7 4 0 0
‑ 1 . 1 4 7 0 2 2 0 1 . 2 3 4 4 7 6 0 0 . 1 8 3 1 1 2 0
‑ 0 . 8 5 6 5 2 6 0 1 . 2 6 4 4 7 8 0 0 . 2 9 3 3 6 2 0
‑ 0 . 7 4 6 9 7 0 0
‑101‑
S D 0 . 4 5 8 6 5 8 2 0 . 2 0 6 8 7 7 3 0 . 6 7 7 5 3 7 9 0 . 5 8 4 1 4 1 6 0 . 1 9 1 6 4 6 7 0 . 6 4 8 1 3 2 5 0 . 6 3 9 9 2 3 9 0 . 2 1 3 5 3 5 1 0 . 7 0 6 9 8 7 0 0 . 5 1 6 8 3 3 1 0 . 2 5 7 5 3 2 4 0 . 5 8 0 4 2 8 7 0 . 4 4 7 6 0 9 1 0 . 2 5 0 3 4 2 5 0 . 4 6 0 3 6 6 1
レ ン ジ 0 . 4 2 8 9 2 . 2 5 7 6
‑ 0 . 2 6 5 5 0 . 4 2 8 2
‑ 2 . 8 3 6 4 ‑0.2798 0 . 5 0 0 9 2 . 4 7 8 4
‑ 0 . 1 2 2 9 0 . 4 9 9 2
‑ 2 . 7 1 4 6 ‑0.1549 0 . 3 3 3 6 2 . 3 5 1 6
‑ 0 . 3 9 6 5 0 . 3 3 2 8
‑ 3 . 8 6 6 8 ‑0.4006 0 . 6 0 9 6 2 . 7 9 2 4
‑ 0 . 2 5 3 4 0 . 6 0 5 8
‑ 3 . 6 1 3 2 ‑0.2684 0 . 7 1 5 1 2 . 3 1 7 3
‑ 0 . 1 5 8 1 0 . 7 0 4 3
‑ 2 . 4 0 9 2 ‑0.1775
関西大学「社会学部紀要」第
2 6
巻第3
号Table5
達成動機3
群における因子得点の平均値,SD
およびレンジ(女性)達成動機第
1
因子高群 達成動機第1
因子中群 達h剋リJ
機第1因子低群 達成動機第 2因子高群 達成動機第 2因子中群 達成動機第 2因子低群 達成動機第 3因子高群達
3因子中群 達成動機第 3因子低群 達成動機第 4因子高群 達成動機第 4因子中群 達成動機第 4因子低群 達成動機第 5因子高群 達hー剋り」機第 5因子中群 達成動機第 5因子低群平 均 値
1 . 0 1 3 5 5 4 2 0 . 0 3 6 6 1 0 6
‑ 1 . 1 9 7 3 9 5 8 0 . 7 9 7 0 7 5 0
‑ 0 . 2 0 1 4 8 5 1
‑ 1 . 2 1 5 8 9 3 7 0 . 9 4 1 5 0 8 3
‑ 0 . 0 1 3 0 6 6 0
‑ 0 . 9 2 5 3 2 2 9 0 . 8 5 0 0 1 8 7
‑ 0 . 1 8 4 9 7 4 5
‑ 1 . 2 5 3 3 4 3 7 0 . 7 8 5 2 3 9 6
‑ 0 . 2 2 1 4 0 8 5
‑ 1 . 4 1 3 0 9 3 7
S D 0 . 4 6 9 0 8 6 0 0 . 2 4 7 8 3 0 2 0 . 6 0 4 7 9 9 1 0 . 5 2 3 3 1 7 1 0 . 2 5 5 6 3 9 7 0 . 3 8 2 9 3 8 1 0 . 5 6 2 5 2 9 9 0 . 1 6 8 0 9 1 8 0 . 5 3 1 8 9 5 2 0 . 5 4 9 6 5 5 2 0 . 2 3 6 7 3 2 2 0 . 5 8 5 8 1 3 6 0 . 4 8 9 2 2 0 2 0 . 2 6 0 1 4 2 6 0 . 5 5 4 8 3 3 0
レ ン ジ
0 . 4 4 4 2 2 . 1 0 1 0
‑ 0 . 4 1 1 6 0 . 4 4 3 2
‑ 3 . 2 9 0 4 ‑0.4181 0 . 1 9 7 9 2 . 0 0 5 9
‑ 0 . 7 2 1 2 0 . 1 9 1 9
‑ 2 . 2 1 9 0 0 . 7 2 8 0 0 . 3 0 1 7 2 . 3 8 2 6
‑ 0 . 2 8 3 8 0 . 2 8 5 6
‑ 2 . 8 1 7 8 ‑0.2971 0 . 2 2 5 8 2 . 3 3 5 0
‑ 0 . 6 4 2 5 0 . 2 0 6 7
‑ 3 . 2 2 2 0 ‑0.6444 0 . 2 4 4 5 2 . 4 7 7 2
‑ 0 . 7 1 7 1 0 . 2 4 2 9
‑ 2 . 9 1 2 4 ‑0.7314
ために,性役割特性を独立変数とし達成動機の高さを従属変数とする正準判別分析を行なった。
性役割特性については男性役割,女性役割の各
2
因子の現実次元における得点,理想次元におけ る得点を用い(男性役割2
因子・女性役割2
因子x
現実次元・理想次元=計8
変数), 達 成 動 機 に関しては,各達成動機の因子得点を基に分けられた3
群(高群=男性においては上位50名,女 性においては上位48名,中群=男性においては中位50名,女性においては中位48名,低群=男性 においては下位50名,女性においては下位47名)を用いた。なお,T a b l e
4•5
には達成動機3
群における因子得点の平均値,SD
およびレンジが示されている。以下,解釈を行なう。
●達成動機第
1
因子(課題への取り組みに対する動機,T a b l e 6 7) Table 8
正準変量と元の変数との相関(達成動機第1
因子)男性サンプル 女性サンプル
CAN 1 CAN 2 CAN 1 CAN 2
①男性的望ましさ (現実次元)
0 . 8 9 8 0 6 5 0 . 1 6 3 0 5 7 0 . 8 4 1 4 8 8 ‑ 0 . 2 1 6 1 0 8
③過度の男性性 (現実次元)
0 . 6 6 1 8 2 5 0 . 1 2 7 0 8 0 0 . 6 5 0 8 2 7 ‑ 0 . 1 4 4 5 1 5
⑧女性的望ましさ (現実次元)
0 . 4 2 0 4 7 5 0 . 2 2 8 3 4 7 0 . 5 2 5 2 0 3 0 . 4 7 1 8 4 9
④過度の女性性 (現実次元)
‑ 0 . 3 1 6 7 0 1 ‑ 0 . 0 3 4 0 1 0 ‑ 0 . 4 4 0 0 4 7 0 . 3 7 4 1 0 6
⑥男性的望ましさ (理想次元)
0 . 5 3 3 6 9 5 ‑ 0 . 5 8 8 7 2 4 0 . 6 4 7 1 0 3 0 . 1 5 8 9 1 3
⑥過度の男性性 (理想次元)
0 . 4 4 0 0 6 8 ‑ 0 . 1 4 7 8 5 4 0 . 4 3 1 5 2 2 0 . 5 3 2 4 6 1
⑦女性的望ましさ (理想次元)
0 . 3 1 9 1 0 9 0 . 2 2 6 4 7 5 0 . 3 6 1 4 5 3 ‑ 0 . 0 6 6 8 1 7
⑧過度の女性性 (理想次元)
‑ 0 . 0 7 6 7 0 4 0 . 4 4 8 4 6 6 ‑ 0 . 1 2 4 6 2 8 ‑ 0 . 3 9 0 1 8 5
‑102‑
性役割認知が達成動機に及ぽす影響
(2)
(廣田・樋口)Table7 3 群における正準変量の平均(達成動機第 1 因子)
~ I CAN 1 男性サンプル CAN 2 CAN 1 女性サンプル CAN 2
達成動機第 1 因子高群 0 . 7 5 4 1 3 8 7 6 6 2 0 . 1 9 2 2 8 6 4 3 0 1 0 . 7 5 1 4 9 3 9 0 9 2 ‑ 0 . 0 5 5 5 0 3 2 1 5 2 達成動機第 1 因子中群 0 . 0 6 5 1 2 0 5 4 6 9 ‑ 0 . 3 4 2 0 9 6 3 2 4 8 ‑ 0 . 0 8 3 5 4 7 4 2 1 1 0 . 1 3 7 4 3 8 9 4 4 7 達成動機第 1 因子低群 ‑ 0 . 8 1 9 2 5 9 3 1 3 1 0 . 1 4 9 8 0 9 8 9 4 7 ‑ 0 . 6 6 9 6 8 7 0 5 9 4 ‑ 0 . 0 7 9 0 7 2 4 1 8 2
男性サンプル 有意な正準変量は第 1 正準変量のみで (P<O. 0 0 1 ) , 全分散 87.58 パーセント が説明可能であった。第 1 正準変量には,①男性的望ましさ(現実次元)R過度の男性性(現実 次元)⑧女性的望ましさ(現実次元)⑥男性的望ましさ(理想次元)⑥過度の男性性(理想次 元)⑦女性的望ましさ(理想次元)が高いプラスの相関を示し,一方,④過度の女性性(現実次 元)が高いマイナスの相関を示している。よって第 1 正準変量は過度の女性性と他の性役割とを 分ける軸であると言える。次に, 3 群における正準変量の平均値を見てみると高群が高いプラス の値を,低群が高いマイナスの値を示している。よって,性役割の男性的望ましさ,過度の男性 性,女性的望ましさを内面化していること,およびそれらを内面化したいと望んでいることは課 題への取り組みに対する動機を高め,一方,過度の女性性を内面化していることは課題への取り 組みに対する動機を低めるという結果が示された。
女性サンプル 有意な正準変量は第 1 準変量のみで (P<O. 0 0 1 ) , 全分散の 97.34 バーセント が説明可能であった。第 1 正準変量には,①男性的望ましさ(現実次元)②過度の男性性(現実 次元)③女性的望ましさ(現実次元)⑥男性的望ましさ (理想次元)⑥過度の男性性(理想次 元)⑦女性的望ましさ(理想次元)が高いプラスの相関を示し,一方,④過度の女性性(現実次 元)が高いマイナスの相関を,⑧過度の女性性(理想次元)が低いマイナスの相関をそれぞれ示 している。よって,女性における第 1 正準変量もまた過度の女性性と他の性役割とを分ける軸で あると言える。次に, 3 群における正準変量の平均値を見てみると高群が高いプラスの値を,低 群が高いマイナスの値を示している。よって,性役割の男性的望ましさ,過度の男性性,女性的 望ましさを内面化していること,そしてそれらを内面化しようとしていることは課題への取り組
TableS 正準変量と元の変数との相関(達成動機第 2 因子)
男性サンプル 女性サンプル CAN 1 CAN 2 CAN 1 CAN 2
①男性的望ましさ (現実次元) 0 . 7 5 9 0 5 7 0 . 2 4 7 1 2 2 0 . 8 7 1 4 2 6 0 . 1 4 1 5 4 3
③過度の男性性 (現実次元) 0 . 6 8 4 3 2 3 ‑ 0 . 1 9 6 9 1 2 0 . 5 4 7 0 0 8 ‑ 0 . 0 4 2 4 0 0
⑧女性的望ましさ (現実次元) 0 . 3 4 4 3 2 4 0 . 4 0 4 0 1 8 0 . 5 1 6 4 5 4 0 . 3 5 3 5 3 8
④過度の女性性 (現実次元) ‑ 0 . 5 6 9 7 3 0 0 . 2 8 1 7 9 0 ‑ 0 . 6 3 9 5 5 3 0 . 1 8 3 5 3 3
⑥男性的望ましさ (理想次元) 0 . 6 6 4 7 4 9 ‑ 0 . 1 6 2 6 3 6 0 . 4 5 3 4 6 0 ‑ 0 . 2 3 1 1 2 9
⑥過度の男性性 (理想次元) 0 . 4 5 3 5 8 1 ‑ 0 . 3 5 2 5 5 6 0 . 4 5 3 7 3 2 ‑ 0 . 1 2 5 9 7 7
⑦女性的望ましさ (理想次元) 0 . 5 5 6 5 2 3 0 . 1 0 2 5 9 9 0 . 1 2 2 9 6 9 0 . 5 7 9 9 7 7
⑧過度の女性性 (理想次元) ‑ 0 . 2 5 7 7 0 5 0 . 8 2 2 5 8 0 ‑ 0 . 2 1 7 3 9 2 ‑ 0 . 1 8 4 2 9 5
‑103‑
関西大学「社会学部紀要」第
2 6
巻第3
号Tableg 3 群における正準変量の平均(達成動機第 2 因子)
男性サンプル 女性サンプル
CAN 1 CAN 2 CAN 1 CAN 2
‑
‑
‑
‑
‑
・
達成動機第 2 因子高群 0 . 8 9 6 9 5 8 8 2 1 1 ‑ 0 . 1 3 3 6 9 2 0 1 8 1 0 . 7 7 3 8 2 4 0 6 3 1 0 . 1 0 6 6 4 8 9 3 0 7 達成動機第 2 因子中群 ‑ 0 . 0 5 6 4 0 1 7 0 6 8 0 . 2 9 6 2 3 2 1 1 1 2 ‑ 0 . 1 8 3 3 8 7 0 3 8 5 ‑ 0 . 3 6 2 6 6 6 0 4 0 1 達成動機第 2 因子低群 ‑ 0 . 8 4 0 5 5 7 1 1 4 2 ‑ 0 . 1 6 2 5 4 0 0 9 3 1 ‑ 0 . 5 9 4 2 5 7 5 8 7 9 0 . 2 4 8 4 6 1 5 6 6 8
みに対する動機を高め,一方,過度の女性性を内面化していること,およびしたいと望んでいる ことは課題への取り組みに対する動機を低めるという結果が示された。
●達成動機第 2 因子(イニシアティブに対する動機, T a b l e 8 9)
男性サンプル 有意な正準変量は第 1 正準変量のみで (P<O.0 0 1 ) , 全分散の 9 1 .98 バーセン トが説明可能であった。第 1 正準変量には,①男性的望ましさ(現実次元)R過度の男性性(現 実次元)⑧女性的望ましさ(現実次元)⑥男性的望ましさ(理想次元)⑥過度の男性性(理想次 元)⑦女性的望ましさ(理想次元)が高いプラスの相関を示し,一方,④過度の女性性(現実次 元)が高いマイナスの相関を,⑧過度の女性性(理想次元)が中程度のマイナスの相関を示して
いる。よって第 1 正準変量は過度の女性性と他の性役割とを分ける軸であると言える。次に, 3 群における正準変量の平均値を見てみると高群が高いプラスの値を,低群が高いマイナスの値を 示している。よって,性役割の男性的望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさを内面化してい ること,そしてそれらを内面化しようとしていることはイニシアティプに対する動機を高め,一 方,過度の女性性を内面化していること,およびしようとしていることはイニシアティプに対す
る動機を低めるという結果が示された。
女性サンプル 有意な正準変量は第 1 正準変量のみで (P<O.0 0 1 ) , 全分散の82.99バーセン トが説明可能であった。第 1 正準変量には,①男性的望ましさ(現実次元)③過度の男性性(現 実次元)⑧女性的望ましさ(現実次元)⑥男性的望ましさ(理想次元)⑥過度の男性性(理想次 元)が高いプラスの相関を,そして,⑦女性的望ましさ(理想次元)が低いプラスの相関をそれ ぞれ示し,一方,④過度の女性性(現実次元)が高いマイナスの相関を,⑧過度の女性性(理想 次元)が中程度のマイナスの相関を示している。よって第 1 正準変量は過度の女性性と他の性役 割とを分ける軸であると言える。次に, 3 群における正準変量の平均値を見てみると高群が高い プラスの値を,低群が高いマイナスの値を示している。よって,性役割の男性的望ましさ,過度 の男性性,女性的望ましさを内面化していること,そしてそれらを内面化しようとしていること はイニシアティプに対する動機を高める一方,過度の女性性を内面化していること, しようとし ていることはイニシアティプに対する動機を低めるという結果が示された。
●達成動機第 3 因子(自己充実に対する動機, T a b l e 10 11)
男性サンプル 有意な正準変量は第 1 正準変量のみで (P<O.0 0 1 ) , 全分散の 7 1 .87 パーセン トが説明可能であった。なお,第 2 正準変量も有意傾向 (P<0.1) を示していた。第 1 正準変
‑104‑
性役割認知が達成動機に及ぽす影響 (2) (廣田・樋口)
TablelQ 正準変量と元の変数との相関(達成動機第 3 因子)
男性サンプル 女性サンプル CAN 1 CAN 2 CAN 1 CAN 2
①男性的望ましさ (現実次元) 0 . 3 9 7 1 8 6 ‑ 0 . 0 4 4 7 5 0 0 . 2 3 7 3 4 0 ‑ 0 . 5 0 8 0 6 6
②過度の男性性 (現実次元) 0 . 4 6 3 0 2 1 ‑ 0 . 3 7 3 2 5 5 0 . 4 4 1 9 5 5 0 . 2 7 8 4 6 3
⑧女性的望ましさ (現実次元) 0 . 2 0 2 1 9 5 0 . 4 3 5 1 8 8 ‑ 0 . 0 1 3 0 9 3 ‑ 0 . 0 4 4 6 8 7
④過度の女性性 (現実次元) ‑ 0 . 0 4 5 7 7 5 0 . 7 8 1 6 1 1 ‑ 0 . 3 3 1 3 6 2 0 . 1 6 9 4 7 9
⑥男性的望ましさ (理想次元) 0 . 7 8 8 9 7 8 ‑ 0 . 1 3 1 8 9 1 0 . 8 9 8 9 3 0 ‑ 0 . 0 2 6 9 1 4
⑥過度の男性性 (理想次元) 0 . 4 7 0 1 1 4 ‑ 0 . 3 6 8 3 3 4 0 . 3 2 4 0 0 5 0 . 1 1 4 7 9 6
⑦女性的望ましさ (理想次元) 0 . 5 8 0 5 5 4 ‑ 0 . 0 3 3 8 6 1 0 . 4 8 1 8 7 4 0 . 2 2 0 9 9 9
⑧過度の女性性 (理想次元) 0 . 0 4 3 6 0 6 0 . 4 0 9 1 1 1 ‑ 0 . 2 3 2 6 5 7 ‑ 0 . 3 7 7 8 2 4
Table 1 1 3 群における正準変量の平均(達h 剋リ」機第 3 因子)
達 ; ; ;
函r ‑ ‑ 竺 門 」 CAN 1 男性サンプル CAN 2 CAN 1 女性サンプル CAN 2
達成動機第 3 因子高群 0 . 4 9 4 8 2 7 4 7 1 4 ‑ 0 . 2 8 8 8 4 4 5 5 8 9 0 . 5 9 0 5 9 8 0 9 7 2 0 . 1 5 7 8 5 4 6 4 0 2 達成動機第 3 因子中群 0 . 1 5 2 4 1 5 1 4 7 0 0 . 4 1 2 5 2 7 3 9 0 6 ‑ 0 . 0 4 9 2 9 8 4 2 1 8 ‑ 0 . 3 7 0 4 5 0 3 1 8 5 達成動機第 3 因子低群
ー0 . 6 4 7 2 4 2 6 1 8 4 ‑ 0 . 1 2 3 6 8 2 8 3 1 7 ‑ 0 . 5 4 2 3 2 6 7 2 5 9 0 . 2 0 4 8 7 7 9 6 3 3
量には,①男性的望ましさ(現実次元)③過度の男性性(現実次女)⑥男性的望ましさ(理想次 元)⑥過度の男性性(理想次元)⑦女性的望ましさ(理想次元)が高いプラスの相関を,⑧女性 的望ましさ(現実次元)が中程度のプラスの相関をそれぞれ示し,一方,④過度の女性性(現実 次元)が低いマイナスの相関を, ⑧過度の女性性(理想次元)が低いプラスの相関を示してい る。この正準変量は男性的望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさを内面化していることおよ びしたいと思っていることと,そうでないこととを分ける軸であると言える。次に, 3群におけ る正準変量の平均値を見てみると高群が高いプラスの値を,低群が高いマイナスの値を示してい る。よって,性役割の男性的望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさを内面化していること,
そしてそれらを内面化しようとしていることは自己充実に対する動機を高め,それらを内面化し ていないこと,およびしたいと思っていないことは自己充実に対する動機を高めないという結果 が示された。
女性サンプル 有意な正準変量は第 1 正準変量のみで (P<O. 0 0 1 ) , 全分散の 76.23 バーセン トが説明可能であった。第 1 正準変量には,③過度の男性性(現実次元)⑥男性的望ましさ(理 想次元)⑥過度の男性性(理想次元)⑦女性的望ましさ (理想次元)が高いプラスの相関を,
①男性的望ましさ(現実次元)が中程度のプラスの相関示し,一方,④過度の女性性(現実次元)
が高いマイナスの,⑧過度の女性性(理想次元)が中程度のマイナスの相関をそれぞれ示してい る。この正準変量もまた基本的には過度の女性性と他の性役割とを分ける軸であると言える。次 に , 3 群における正準変量の平均値を見てみると高群が高いプラスの値を,低群が高いマイナス の値を示している。よって,性役割の男性的望ましさ,過度の男性性を内面化していること,ぉ
‑105‑
関西大学「社会学部紀要」第
2 6
巻第3
号Table 1 2 正準変量と元の変数との相関(達成動機第 4 因子)
‑ ‑ 性役割~ 門 三 」 CAN 男性サンプル 1 CAN 2 CAN 女性サンプル 1 CAN 2
①男性的望ましさ (現実次元) 0 . 4 2 1 2 8 6 0 . 1 0 5 2 1 4 0 . 2 3 1 8 3 3 ‑ 0 . 0 8 3 8 7 7 R過度の男性性 (現実次元) 0 . 6 4 3 8 7 5 ‑ 0 . 4 5 9 3 1 0 0 . 5 3 5 4 8 2 0 . 0 0 3 7 2 1
③女性的望ましさ (現実次元) 0 . 3 4 9 3 8 0 0 . 7 0 7 0 3 2 0 . 2 5 9 0 9 0 ‑ 0 . 1 0 6 8 8 9
④過度の女性性 (現実次元) ‑ 0 . 3 0 1 7 6 0 0 . 0 6 4 0 8 3 ‑ 0 . 3 9 1 8 4 0 0 . 4 4 5 9 1 5
⑥男性的望ましさ (理想次元) 0 . 7 8 9 2 7 3 0 . 1 5 9 9 8 6 0 . 7 1 4 1 0 5 0 . 2 6 5 2 1 7
⑥過度の男性性 (理想次元) 0 . 5 4 8 5 6 7 ‑ 0 . 1 2 5 9 5 6 0 . 5 9 3 1 4 5 0 . 3 3 1 1 6 0
⑦女性的望ましさ (理想次元) 0 . 5 0 0 9 7 6 0 . 6 2 4 7 2 0 0 . 2 5 1 0 8 5 0 . 5 0 1 4 0 6
⑧過度の女性性 (理想次元) ‑ 0 . 5 2 0 4 3 2 0 . 1 6 8 9 0 2 ‑ 0 . 6 4 7 2 7 8 0 . 3 7 8 9 6 6 Table 1 3 3 群における正準変量の平均(達成動機第 4 因子)
達 ; ; 正 祠 ‑ ‑ ‑ ! 竺 I CAN 1 男性サンプル CAN 2 CAN 1 女性サンプル CAN 2
達成動機第 4 因子高群 0 . 6 6 7 2 5 5 7 0 2 6 ‑ 0 . 2 0 5 3 8 7 8 9 2 9 0 . 8 1 8 2 7 1 1 5 8 0 ‑ 0 . 0 2 8 4 8 4 1 7 6 0 達成動機第 4 因子中群 0 . 1 0 4 2 4 9 8 6 2 1 0 . 3 3 7 4 2 7 7 0 6 5 ‑ 0 . 3 4 1 6 1 5 7 7 1 6 0 . 2 6 6 4 4 3 7 2 0 3 達成動機第 4 因子低群
ー0 .7 7 1 5 0 5 5 6 4 7 ‑ 0 . 1 3 2 0 3 9 8 1 3 6 ‑ 0 . 4 8 3 7 7 2 3 8 1 6 ‑ 0 . 2 3 2 4 0 8 6 3 3 4
よび男性的望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさを内面化しようとしていることは自己充実 に対する動機を高め,過度の女性性を内面化していること,そしてしようとしていることは自己 充実に対する動機を低めるという結果が示された。
●達成動機第 4 因子(競争に対する動機, T a b l e 12 13)
男性サンプル 有意な正準変量は第 1 正準変量のみで (P<O. 0 0 1 ) , 全分散の 85.84 バーセン トが説明可能であった。第 1 正準変量には,①男性的望ましさ(現実次元)R過度の男性性(現 実次元)⑧女性的望ましさ(現実次元)⑥男性的望ましさ(理想次元)⑥過度の男性性(理想次 元)R女性的望ましさ(理想次元)が高いプラスの相関を示し,一方,④過度の女性性(現実次 元 ) , ⑧過度の女性性(理想次元)が高いマイナスの相関を示している。 この正準変量は男性的 望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさと過度の女性性とを分ける軸であると言える。次に,
3 群における正準変量の平均値を見てみると高群が高いプラスの値を,低群が高いマイナスの値 を示している。よって,性役割の男性的望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさを内面化して いること,そしてそれらを内面化しようとしていることは競争に対する動機を高め,一方,過度 の女性性を内面化していること,およびしようとしていることは競争に対する動機を低めるとい う結果が示された。
女性サンプル 有意な正準変量は第 1 正準変量のみで (P<O. 0 0 1 ) , 全分散の 8 9 . 1 1 バーセン トが説明可能であった。第 1 正準変量には,③過度の男性性(現実次元)⑥男性的望ましさ(理 想次元)⑥過度の男性性(理想次元)が高いプラスの相関を,①男性的望ましさ(現実次元)⑧ 女性的望ましさ(現実次元)⑦女性的望ましさ(理想次元)が中程度のプラスの相関をそれぞれ
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性役割認知が達成動機に及ぼす影響
(2)
(廣田・樋口)Table14
正準変量と元の変数との相関(達成動機第5
因子)‑ ‑ ‑
性役割~-- ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 門 戸 三 l CAN 1
男性サンプルCAN 2 CAN 1
女性サンプルCAN 2
①男性的望ましさ (現実次元)
0 . 0 3 2 7 8 0 ‑ 0 . 5 7 8 9 4 4 0 . 2 4 2 5 1 2 0 . 1 6 0 9 8 2
R過度の男性性 (現実次元)‑ 0 . 1 0 0 8 4 4 ‑ 0 . 1 2 3 3 1 7 ‑ 0 . 1 5 9 3 5 1 ‑ 0 . 1 6 1 2 3 9
③女性的望ましさ (現実次元)
0 . 8 1 5 8 5 4 0 . 0 1 8 3 4 5 0 . 9 2 6 6 2 0 ‑ 0 . 1 4 2 5 4 5
④過度の女性性 (現実次元)
0 . 0 7 0 1 2 6 0 . 5 7 5 5 1 7 0 . 1 7 3 5 2 7 ‑ 0 . 0 4 1 9 5 3
⑥男性的望ましさ (理想次元)
0 . 4 0 1 1 5 8 ‑ 0 . 6 2 0 1 1 2 0 . 1 4 9 7 0 5 ‑ 0 . 2 6 2 9 7 1
⑥過度の男性性 (理想次元)
‑ 0 . 0 5 7 4 3 1 ‑ 0 . 0 0 7 3 9 0 0 . 3 7 1 9 6 1 0 . 5 8 3 8 6 2
⑦女性的望ましさ (理想次元)
0 . 6 3 3 2 9 0 ‑ 0 . 2 1 0 9 5 9 0 . 2 6 0 4 7 1 ‑ 0 . 2 9 8 4 2 6
⑧過度の女性性 (理想次元)
0 . 0 1 9 7 7 1 0 . 1 5 2 1 1 5 0 . 0 5 1 5 7 3 0 . 4 7 9 9 8 2
Table 1 5 3
群における正準変量の平均(達成動機第5
因子)達 ; ; ; ふ面~
一CAN 1
男性サンプルCAN 2 CAN 1
女性サンプルCAN 2
達成動機第
5
因子高群0 . 4 9 9 8 2 4 8 5 3 9 ‑ 0 . 1 7 9 1 0 0 8 8 7 3 0 . 4 2 0 0 2 5 9 8 1 1 ‑ 0 . 1 9 1 3 5 1 0 5 1 3
達成動機第5
因子中群0 . 0 7 8 2 0 1 3 3 5 8 0 . 2 9 4 1 7 2 4 7 9 5 0 . 0 9 3 1 2 6 6 2 3 9 0 . 3 0 1 1 3 0 2 9 0 8
達成動機第5
因子低群 ー0 .5 7 8 0 2 6 1 8 9 7 ‑ 0 . 1 1 5 0 7 1 5 9 2 2 ‑ 0 . 5 1 1 2 1 2 4 6 7 1 ‑ 0 . 1 0 3 5 0 5 6 9 1 7
示し,一方,④過度の女性性(現実次元)⑧過度の女性性(理想次元)が高いマイナスの相関を 示している。第
1
正準変量は過度の女性性と他の性役割とを分ける軸であると言える。次に,3
群における正準変量の平均値を見てみると高群が高いプラスの値を,中群,低群が高いマイナス の値を示している。よって,性役割の男性的望ましさ,過度の男性性,女性的望ましさを内面化 していること,そしてそれらを内面化しようとしていることは競争に対する動機を高め,一方,
過度の女性性を内面化していること,およびしたいと望んでいることは競争に対する動機を低め る,あるいは高めないという結果が示された。
●達成動機第
5
因子(活動の合理化に対する動機,Table14 15)
男性サンプル 有意な正準変量は第
1
正準変量のみでC P < O . 0 0 1 ) ,
全分散の8 1 .74
バーセン トが説明可能であった。第1
正準変量には, ⑧女性的望ましさ (現実次元)⑥男性的望ましさ(理想次元)R女性的望ましさ(理想次元)が高いプラスの相関を示している。第
1
正準変量に は,とりわけ現実次元・理想次元両方における女性的望ましさが高い相関を示し,これと他の性 役割を分ける軸であると言えるだろう。次に,3
群における正準変量の平均値を見てみると高群 が高いプラスの値を,低群が高いマイナスの値を示している。よって,性役割の女性的望ましさ を内面化していること,および内面化しようとしていることは活動の合理化に対する動機を高めるという結果が示された。
女性サンプル 第
1
正準変量が有意傾向を示すのみで,有意な正準変量はひとつもなかったも のの,⑧女性的望ましさ(現実次元)を内面化していることが活動の合理化に対する動機を高め る傾向があるという結果が示された。なお,第1
正準変量のみで全分散の76.63
バーセントが説‑107‑
関西大学「社会学部紀要」第26巻第3号
明可能であった。
考 察
全体的に見て,男性にとっても,女性にとっても,性役割特性のうち男性的望ましさ,過度の男 性性,女性的望ましさを内面化していること,あるいは内面化したいと望んでいることは高い達 成動機につながった。しかし,過度の女性性を内面化していること,あるいは内面化したいと望 んでいることは低い達成動機へとつながった。このことは,前回の研究結果で明らかにされた男 性は達成志向的であることが望まれるため男性役割を内面化することで達成動機が高まる,しか し,女性における女性役割と達成動機との関係はそのように単純なものではなく女性が女性役割 特性の第 1 因子(女性的望ましさ)を内面化していることは高い達成動機につながるが,第 2 因 子(過度の女性性)を内面化していることは逆に低い達成動機につながる,という結果が,性別 を抜きにしてもあてはまるということを示したものと言える。
しかし,達成動機第 5 因子(活動の合理化に対する動機)においてはそのような結果は示され ず,性役割の女性的望ましさが強くそれと結びついているという結果が示された。このことは,
達成動機の他の 4 因子が主に男性にとって望ましいとされる性役割と強く結びついているのに対 し,この因子だけは女性にとって望ましいとされる性役割と結びついているからであろう。つま り活動を合理化し, きちんとした生活を送ることは,女性にとってより望ましいことなのであ る 。
ま と め
本研究では,大学生男女2 9 3 名(男性1 5 0 名 , 女性1 4 3 名)を被験者とし, 性役割に実する認知 と達成動機の関係について調査が行なわれた。因子分析の結果導かれた男性・女性役割の計 8因 子と達成動機の 5因子との関係を正準判別分析を用いて男女別に検討した結果,以下のような知 見を得た。
(1)