103
不 変 量 表 示 の 応 力 ひ ず み 関 係 式
一 砂 の 場 合 一
間 叫
'φ sn
1
橋 由 彦*
Stress‑Strain Relationship interms of lnvariants
‑ for Toyoura Sand ‑
Y oshihiko T ANABASHI by
(Civil Engineering)
OIle of the main objects of soil engineering is the prediction of the behaviour of soil structures subjected to arbitraly loading. To make this prediction it is required to know the relationship between loading and deformation which is described by some constitutive equations. Some investigetors pro‑ posed their constitutive equations of soil materials based on both elasto・plastic theory and visco・plastic one. But, to author's knowledge, they have never succeeded in applying them to solve the field problems under both heterogeneous stress distribution and complex geometrical condition. So nonlinear elastic conヨtitutiveequ'ltions in terms of Invariants (i. e; octahedral stress and strain compornents) is proposed, whih is easely applied to solve the field problems by Finite Element Method of nonlinear elastic model.
Obtaining the constitutive equations of Toyoura Sand by the experimental studies (i. e; Isotropic comp. test and Mean principal stress const. test) , the calculated Stress‑strain cUrves are compared with the experImental values for Lateral pressure const. comp. test. And some. of the deformation characteristics of Toyoura Sand under axisymmetric stress conditions is discussed. Furthermore, stress dependancy of coefficient of earth pressure at rest K 0 is discussed theoreticaIly, which is important in soil engineering design.
1.緒
土質工学の主な目的の1つは任意荷重下における土 構造物の変形を予測することにある.そのためには,
土構造物を構成する土質材料の構成関係を知る必要が ある.既に Roscoe& Burlandll (1968)や,橋口2)
(1974)らは,弾塑性理論に基づく構成則を提案して,
おり,赤井(1974)らおは粘塑性理論に基づく構成則 の研究を進めている. しかしそれらの構成則を用いて 不均一な応力系と, 複雑な境界条件下にある Field Problemを解くまで、には至ってし・ない. 著者はこの 現状を鑑み,非線形弾性モデルの有限要素解析を用い
*土木工学科
て容易に FieldProblemを解くことができる心5)構 成関係として非線形弾性仮定による不変量表示の応力 ひ子み関係式を提案する.
試料として豊浦標準砂を用い,まず簡単な径路試験 を行ない,豊浦砂の応力径路依存性を確かめた後,室 内軸対称試験 (i.e.等方圧縮試験と平均主応力一定試 験)結果から豊浦砂の不変量表示の応力ひずみ関係式 を確立した.また本関係式から導かれる2,3の軸対 称室内試験における豊浦砂の変形挙動,および,静止 土庄係数 Koの応力依存性を論じた.なお側圧一定圧 縮試験について実測値と計算値の比較もあわせ行なっ Tこ.
ユ04 長崎大学工学部研究報告第6号 昭和50年12月 2.正八面体応力ひずみ理論
2−1不変量
正八面体応力ひずみ理論は(1),(2)式に示さ早うよ うに応力ひずみテンソルを偏差テンソルと球テンソル』
の和で表わそうとするものである.
ε乞ン==θ¢ブ十(εK1ζ/3)δ乞ブ (1)
σ∬=5乞ブ+(σKK/3)δが (2)
ここに吻,砺はそれぞれ応力ひずみテンソル,
堀,鋤はそれぞれ偏差応力,偏差ひずみテンソル,
δσはクロネッカーのデルタである.
また正八面体応力ひずみ成分,不変量,および主応 力主ひずみ間には次の関係が成り立つ.
・・c・一・副3=・鵬一」1/3一(・・+・2+r3)∠3(3)
。。c、_{、、ゴ、調}一{2」・2/3}参一{2(」、2
−3」,)}旬3一{(。,一・,)・+(。、一・、)・
+(・、一・、)・画3 (4)
ε。,FεKK/3=ετ・/3=11/3こ(εi+ε2+ε3)/3一
一 ・ ・ (5)
エ
アoo /2・={θ名ブ●θ宙ブ/3}2ヒ={212 /3}={:2(112 −31,)}一券/3一{(ε,一ε,)・千(ど、一ε、)・
ヂ+(・、一・,)・}旬3『『.幽(6)
ここにる,ムは応力およびひずみテンソルのη次
ノ ノ
不変量,J弛,1ηは偏差応力および偏差ひずみテンソ ルのπ次不変量であり,正八面体応力ひずみ成分は 不変量に他ならない.
2−2,等方性Hook材料の場合・ ・ 一・般化されたHook則はテンソル記号を用いて(7>.
式に示される.
σ・乞ブqλε1ζ1( δ乞ブ十2Gε盛ブ . , . (7) ・
ここにλはラメの定数,Gはセン断弾性係数である.
(7)式の両辺に砺を作用させると σKK=(3λ+2G)
εKK.(5)式εKK=ε7=3×ε。c より上式は直ちに
(8)式とな;る.
・盈/3=・・炉(λ+2σ/3)ε・=κεプ (8>
ただしKは体積弾性係数.一方偏差応力テンソル,鋤
をま (2)式より ∫zゴ=σ面一(σ1ζK/3)δ山
上式に(7)(8) ョを代入し,(1)式とK=λ十2G/3 の関係式を用いると(9)式を得る.
5乞ブ=〔λεKKδ乞ゴ+2σε切一(λ+・2σ/3)εKKδ奄ブ =2G{=ε乞ゴー(εK1ぐ/3)δ葱ブ}=2σθ乞ブ (9)
また(6)式の両辺を平方した後(9)式を代入すると (γoc古2)2−6学ブー÷(蓄一諾)
_ 1 ∫留3乞ブ
4G2 3
上式の平方根をとり(4)式を代入し,(10)式を得る.
γ。,42一{、、、.、調去/2σ一。。,、/2G (10)
したがって等方性Hook材料の正八面体応力ひずみ 関係式ほ(11)式で与えられる.
ε7ニ=σoc /1(, γo〔ヲε==70c若/G! (11)
2−3 一般土質材料の場合
土質材料は周知のように非線形な応力ひずみ挙動を 示しかっダィレタンシー現象の顕著な材料である.し たがってその一般的な応力ひずみ関係式は,応力の3 次の不変量がひずみに与える影響を無視すると.,非甲 形弾性仮定の立場からは正八面体成分を用いて(12)式 で与えられる.
ε7=3×ε。。 =五(σ。。彦,τ。。己,の,
γ・・F9・、(σoc ,70c疹,孟), . (12)
ここにσ。, は全応力である. =。。;すなわち過剰間 隙水圧が完全に消散した段階では上式は有効応力で
表わせ(13)式となる.・
ε7rκσOC〆,,τOC )ヲγOC6=9(σOC〆,70C )
(13)
上式の全微分はそれぞれ(14),(15)式で与えられる.
4ε7=②7∂σ。C・ )4σ。,〆一ト⑥7∂τ。, )47。。・
(14)
4γOC =(∂9/∂σOC〆) 4σ㏄〆十(∂9/∂70C )470Cε
(15)
(14),(15)式の右辺各頂のi)物理的な意味 ii)呼 称 iii)記号をまとめてTable二1に示す.. 幽 1 Table 1
term physical m奄anin9 11ami1,91パ symbol
the lst term of
@ eq.(14)
翫晦・
tlle寸01umetric strain hlcrement@ due to hydroStatic stress inbremellt compressiQn dεやc th←2nd term of
@ eq.(14)
・激♂d質・c・1 tlle volurηetric gtf.ain incren㌔e11で ・
@ due to deviatoric stress {ncrement
dilatancv 「 dεvd
†he!s†、teml of
@ eq.(15)
∂γoct
繧Vd娠・
the、 OCtahe4ral Shear Strain i11Cremellt@ due ζo llydrostatic、stress increment
di、t。,li。。* 「
d%c.tc the 2hd term of
@ eq.(15)
∂γoct dτ。ct騙
the octahedral 忌11ear strain incrernellt
@ due to deviatoric stress increment shear忌traih d%,td
L 『
*contemporary naming of autllor!s
,不変量表示の応力びずみ関係式 105 Fig.1を参照し(14)メ(15)式から明らかなように,
.等方圧縮試験(4τoc古=0)からは,, 圧密頂とディストー 享ジゴン頂が得られ,平均有効主応力臨時試験(d¢・。〆
=・0)からはダィレタソシー頃とセン断ひずみ頂が得ら れる.刻々のひずみ(current strain)は負荷された応 力増分により生じたひずみ増分の積和(summation)
で与えられるものとすると,上記の2つめ室内試験に より(13)式の関数!,gを得ることができる.
.、2−4 応力径路
応力径略の表示は従来ベクトルカーブによるか,
Rendricの応力平面によるのが通例であるが,著者 の立場からは正八面体応力平面(σ。ポ,τ。c )上で表 示するのが都合がよい.一軸対称応力、4σ2=4σ3の場 合,(3),(4)式より容易に(16)式が導かれる.
46。♂裳(と2σ1冗十26Zσ3,)/3,
砺・F〆3L4・・孔一4・3 1/3 (16)
一例として側圧一定圧縮試験の応力径路を求める.
応力条件4σ3 =0,and 4σユ >0より(16)式は 4σ。〆=4σ1ノ/3,・議。。F/24σ1,/3となる.むたが
って正八面体応力平面での勾配(砺,1/4σ。。〆)は〆2 となる.
各種軸対称試験の径路をFig.ユに示しておく.
量は供試体から排出まだは流入した水の量をビュレッ
/ト・《容量5cc,精度0.0166)で読み取らた.各荷重増 分に対しひずみ増分速度が。.05%/fhin以下 になる まで充分時間をかけたので以下の整理はすべて有効応 力で行なえるものとみなす.以後繁雑のため有効応力
.を示すダッシュ記号は省略・応力,◎ずみ.とも圧縮を 正と約束する.
4・り 応力径路試験 . −4−1 試験概要
豊浦砂の脚騨締性の撫を御・噸ため,・
Fig・2に示す3種ρ径路試験を行なったト,六『だし試 料ゼ閉ト時の乱也(θo、の不均一7性,,供試体ζ宗一ラ スストーン間の初期空隙etc)による影響を除くため B点を初期点とした. 0点におけるθoは,0.70〜
o.76の範囲に収めた.選んだ3つめ径路はFig.2 に示すように1と皿は圧縮とセン断を独立に負荷する 径路であり,」は圧縮とセ ン断を同時に負荷する径路 1・であり側圧一定圧縮試験の径路(Fig.1の④)・ に他
/ならない.これらの径路の交わるE,H:点でのひずみ 増分値が一致すれば,豊浦砂のひずみは径路に依存し ないものとしてゴ重ね合わせの法則を認めることがで
きる、
℃
ド
廻
レ2翠\①
⑤
④ ⑦ 1 ⑥.
ピ /至『 1阪レ
③
1 1tl。t..㎝。.1(温②
まeSt condltion
[①uniqxid c。mp.之est (兎。 O l
i8翻鷲掴患__,雛鰍、 !
④σ;一。。nsし。。mp. test σき・c。nst.σ1≧σ3 i
邊騨i{熱湯1騰劃
Fig.1
難燃「 ・
叶潔:灘σ893』
//
譜stle r「egi.nρA
}「
F
e。・075
E
B D
㌧
/引
Gi
」
Axisymmetrlc stress paths on the octahedral stress Plane、
3.試料,試験方法および条件
試料は豊浦標準砂(Gs=2,65,砿=1「.46,伽αの=
0.96,θ編η=0.64)を用いた.試験機はN.G. I typeの3軸試験機を使用;1供試体は直径5.Ocm,高
さ約12.5cmの円柱である.全試験を通して試験は 応力制御,排水条件で行ない,試料ぱ完全飽和させ,
軸変位は1/1000m血の精度のdial gage,体積変化
,∠玉.(丑t;σ424 ㎏たrn≧1 ∠r石)ct二〇60 kg!cm2
O 1.0 2・0
σ6ct
30
(kg/cm2)
4.o
Fig.2 Stree paths and stress points used to compare th6 values of strain;ncreme・
nts, and failure and dilatancy initia・
ted criterion
4−2 試験結果と考察
各径路のE,H点におけるひずみ増分値をTable−
2に示す.Table−2より径路IJの値ぽ坊較的一一 致しているが,径路皿の値が1,Hり値とかなり異な る、こ・とがわかる・これは皿が他の2径路に較べて罫 線に近い径路をたどるため塑性ひずみが卓越すること
による.特に径路皿の体積ひずみ増分∠ε7の値が負 になっているのが注目されるが,これた対する考察は
106 長崎大学工学部研究報告第6号』昭和50年12月 後に§5−3で行なう.,破壊線に近づくにつれて,ひ
ずみの応力径路依存性が顕著になる事実は,塑性理論 に立脚する構成則の優位性を示唆しているが,§1で 述べた観点からあえて著者の立場で本研究を進める、
1Table 2
5tress path5 at point E at point H 1 PATH工:BウD・EりG・H 陸δv(%)1 0.042 △6。・・(%)0,118 1t
亜△凸面
0.042」.0.499 」PATH工・B−E−H 0,047 0,229
一i o・0431」幽
}PATH皿・B−C−E・F−H 一〇,124
0,550 一〇.290 0.651 1
5.豊浦砂の正八面体応力ひずみ関係式
今後,等方圧縮試験より得たひずみにはサフィヅク ス。を付し,平均主応カー定試験より得たひずみには,
サフィックス4を付す.
5−1 等方圧縮試験
本試験からは本来圧密頂ε・。と ディストーショソ 頂γ。廊が得られる.Parkinら(6)、(1968)によると,
静水圧下においてFine sandの側方ひずみε3,が軸 ひずみε1,より大きく実測され,ディストーション頂
γ。, ,=2↓/百1εi,一一ε3。[/3はゼロではないようである.
しかしN.G.I typeの3軸試験機の機能上,等方圧 縮における軸ひずみε1の測定が困難で,止むを得ず 等方性仮定ε1。=ε2,=ε3,=ε・,/3を設けた. したが
ってディストーション頂γ。面はゼロとみなす。
試験は初期間隙比θoを種々変化させ,各荷重増分 4σ。。FO.5kg/cm2で行なった.
:豊浦砂のε吻一σ幅関係(図省略)を双曲関数,対 数関数,指数関数で近似し,各々に対して後の§6に 示す計算,考察を行なったが,砂の場合一般に圧密頂 ε eは,ダィレタンシ一三ε堀やセソ断ひずみ頂γo碗 に較べてその絶対量が小さい(高々2%)ため,工学 的にはいつれを採用しても問題にならないと判断し,
本報告では式の展開が簡単な双曲関数(17)式で近似し
た.
圧密頂:砺=σoc4@1十ン2σoσ6) (17)
Kondner(1963)(7)にならい上式を変形し(18)式を
得る.
(σ。。 /ε。c)=〃1+ン2σ。c (18)
(18)式により,ε・一σ幅関係を縦軸に(σ。,6/ε・,),横
軸にσ協をとりプロットすると勾配がμ2,切片が り1の直線となる.(Fig.3).種々の初期間隙比θo に対する〃1,ン2の値を最小自乗法を用いて計算し,
Table−3に示す.〃1一θo,ン2一θo関係を図示すると Fig.4のようであり,ほぼ次と)1次式で近似できそ
うである.
ノ ノ
ツ1(θo)==・ん1θo一}一々2,y2(θo)=ん θo一ト々 (19)
1, 2
ただし初期間隙比θ0のとり得る範囲はθ編雇θO∠;
伽礁(17)式よりμ1,〃2は次式で定義され,・hは 初期体積弾性係数,ツ21はσ幅→∞でのεむ,の極限 値の逆数である.
・・=(4σ。C /4ε。,)ε。,=0,
りr・/{1im ε σσOCε→OO} (2・)
宅 9.95・0
[1.0 一一・
3.∩L一.
_冒p
ユ.ol I }
鷹騨9・碍軒
.一
k
/εい )=O.引0σ。ct÷1.716一び i /
l O
l I /
ロ ノ ゆ
「/:/:ζ二
蝪老イ峰町
レ 1 1 ・1
0二θo=0,884(【oose)
ユ.0 『2・0 3。0 11.0−@ 5.0 6.0 7.D
σ』t (㎏1cm2)
Fig.3 Transformed hyperbolic volumetric StreSS Straln CUrVeS
2.0
illii
1二一L
Table 3
功 ソ2
1,720 0,678 1,609 0,673 1.8]6 0,656 1,フ16 0,510 1,274 0,494
・ミ,
」 1.0
「 一 一}一「一 〇〇 〇
〇
ユ41=一〇・885e。+1・252
コ
〜
0〜(b
一。
4ニー・1・826e。+2・967
O Q.6
Fig.4
Q・7 e。 0・8 0・9
Relationships betwe6b material para・
皿eters and initial void ratio
5−2平均主応カー定試験
試験はσ。。 =2.Okg/cm2,4.Okg/cm2,その各々 に対して初期間隙比を大中小3種で計6ケース行なっ
た.
i)セン断ひずみ頂γo面
4γ。,彦=4γ。, ,+4γ。, d(15式参照)であるが先に設
:不変量:表示の応力ひずみ関係式 107
けた仮定4γ。。 ,.=0よりγ。,Fγ。,古 ,以後サフィッ クス4は略す.
セン断ひずみ層γ。。 やダィレタンシーε堀が正八面 体応力比R幅=τ。。 /σ。。ポにより一義的に規定される
ことは,既に多くの研:究者により明らかにされている.
本試験結果を§5−1(ii)と同様の趣旨で,縦軸に
(γ。c/R。cの,横軸にγ。c古をとり, θ。・をパラメータ ーどしてプロットした結果(図省略)各初期間隙比に
対し,・・(γ。。 /R。C )一γ。,古関係は,それぞれ直線で近
似できる. このことはγ幅がR協により一義的に 決まり,かつγ。。 の関数形としては.1R顔の双曲関 数(21)式が妥当であることを示唆している,
セン断ひずみ頂:
γ。c彦=λ1R。,ホ/(1一λ2R。, ) (21)
各初期間隙比θoに対するλ1,λ2の値をTable−4 に示す.表よりλ1とθ0には相関が認められず,λ2 1』はほぼθoの1次式で近似できるのがわかる.
λ1=β λ2(θ6)=αノθo十β . (22)
λ1,λ2ばそれぞれ次式で定義され,λ1はγ6,ε一 R・・め・曲線の初期立ち上がり勾配,λ2は破壊時の正八 面体応力比R∫の逆数という物理的意味を持つ.ト λ・=(4γ…/4R・・のR。,、=0,
λ・一1/{鴇一あ祠一・/R・. (23)
Table 4
e。 λ1 λ2
0,660 O,665
0,781 P,688
1,016 O,830
、0,726 O,760
1,204 P,024
1,084 P,113 0,846
O,865
0,787 P,514
1.3Z1
y 1・139 ii)ダィレタソシー頂ε堀
平均主応カー定試験結果を縦軸にダィレタンシー,
横軸にセン断ひずみをとりプロットすると,ほぼ直線 上にのることが岩崎(1973)(8)により確かめられてい
る. 豊浦砂の試験結果を縦軸に一ε掘,横軸にγoc をとりプロットした結:果Fig.5を得た. Fig.5は γ幅の小さい範囲を除けばほぼ直線となり 一ε曜が γ幅の1次式(24)式で近似できることを示している.
ダィレタンシー項:一ε堀=μ1γoc6十μ2 (24)
上式に(21)式を代入して次式を得る.
.一εわ〔諺=μ1λ1 1〜oc /(1一λ,2 Roc ) →一μ2 (25)
ダィレタンシ」発生時の正八面体セン断ひずみγ。,
をγ。.,そのときの正八面体応力比R6。 を.R。.と定 義すれば,γ。。,R。。と材料パラメーターの間には,
(24),(25)式より次の2式が成り立つ.
.γ・・=(γ・・の・。1−0=一μ・/・・ .(26)
R・・=(R・・のε炉0一・・/(・・λ・一・・λ・)(27)
各初期間隙比θoに対するμ1,μ2の値(Table−5)
から,μ1,μ2も60の1次式で近似できる,
μ1(θo)=cθo+・4,μ2(θo)=6 θo+4 (28)
Tabl夢「3,4,5の数値を用いてr最小自乗法により,
ノ ノ
豊浦砂の材料定数々1,ん2,々,ん,β,α ,β ,c,4,
1 2
〆,4,を決定した(Table−6).
5−3.豊浦砂の応力ひずみ関係式 i)不変量表示の関係式
体積ひずみの重ね合わせ則ε・=εり。+ε掘が成り立 「一一舳}一一一 一 一「{「一『
§陰腎響二・1:騨〆
… 聴∴/
ド
ロ エ む コ ヨゆ ロむ ヨコむ のむ アコ
甑t 『ω Fis.5 Relationship between dilatancy and octahedral shear strain : σoct−cons.
tant teSt,S reSUItS
Table 5
[dense sand
〔 e. ceρ}r肥qR
lmiddy sand
ヒ ヂア ロ
「、.。、e,㎝d
0 660
0 663
、P・一665 ,.
・・726 P。.743
・1
十
0.540 −0.408
」_.
0.846
一・..・豆・」
一1…1・「・・L
Table 6
}「 一}一}一_
@ kI
@ 一
k2 k11 kピ β α軍 β7 C d可・・ d「
一1.826 2,967 一〇.885 1,252 1.094 1.979 一〇.365 一1.420 1・41711・473 一1.490
108 長崎大学工学部研究報告第6号 昭和50年12月 つことは松岡ら(9)(1975)により実験的に検証されて
いる。したがって豊浦砂の不変量表示の応力ひずみ関 係式は§与一ユ,5「2で得られた結果は整理して次の
ように与えられる.
ε容=ε c+ε 己= σθ屈 一
り1十レ2 σoc6
{μ・!杢畿滋+μ・}
λ1Roσ古
γoc 〒γoc =了=λ2 R。,ε
y1(θo)= 一‡.826 θo 十 2.967,
μ2(θo)= 一〇.885 θo 十 1.252 λ,1(θo)= 1.094,
λ;2(θo)= 1.979 θo − 0.365 μ1(θQ)= 一1.420 θQ 十 1.417,
μ2(θo)= 1.473 θo − 1,490
(29)
(30)
(31)
ただし,R。c孟く.Rc。のときは(29)式のμ1=μ2=0と おく.
ii) 主応力主ひずみ表示の関係式
次に上に与えられた不変量表示の応力ひずみ関係式 を軸対称条件下で主応力主ひずみ表示の関係式に変換 すると,ε・=ε1一←2ε3,γ。c 、=2/2iε1一ε31/3の関係 式を用いて(32),(33)式で与えられる.
ε1=(ε1) c十(ε1)り(Z十(ε1) γoc d
一告{ .σOC古z/1十ン2σ oc古}一去{・r鴇線様
+μ・}+{ 1 λ,1R。c孟1//一百 1一フ㌧2Rooε}
(32)
ε3=¢3),,+(ε3)昭+(ε3)γ。,・α
〒÷{。、舞鯨B{・手、≧矯簑乱、・
+μ・}一吉{毒、≧畿、},1(33!
ただし,
σ。。F(σ1+2σ3)/3,R。。茜=(7。,ε/σ。,ε)
=〜/百(σ1』σ3)/(σ1十2σ3) (34)
であり,R。c妊R,。のとき(32),(33)式のμ1=μ2=0 とおく.(32),(33)式の右辺第1頂は圧密頂,第2頂 はダィレタソシー頂,第3頂はセン断ひずみ頂がそれ ぞれ主ひずみに寄与する式であり,上式から各種軸対 称試験の応力ひずみ挙動が導ける.
iii)破壊,およびダィレタンシーの発生規準 R。α一γ。C , R。C 一(一ε・診関係の模式図はそれぞれ
(21),(25)式からFig.6のように描ける..R∫, Rc。
は§5−2でふれたように次式で定義され図中黒丸で示
される.
R・㍉,}琉砺・・&・一(ROo )辱。(35)
.定義式よりR∫,R,。はそれぞれ破壊時およびダィレ タンシー発生時の正八面体応力比(τ。。 /σ。,のである.
また正八面体面上の合応力ベクトルPと面法線nが それぞれ破壊時になす角度をφ∫,ダィレタンシー発生 時になす角度をφ・。と定義するとFig.6からも明ら かなよう,に次式が成り立つ. ← ・,
R/=(τ。,彦/σ。。の∫=緬ηφア,・ド
Rcγ二=(70¢ /σoeのoγ= απφcγ (36)
さらにR∫,Rc.はθoの関数として次式で与えられ
る.
R/=1ノλ,2=1ノ(α θ0十β ) , Rcγ=μ2/(μ2λ2一μ]:λ 1) (37)
=(Cノθ0→一4ノ)/{(C θ0十4 )(α1θ0十βノ)
一β(oθo十4)}
上の2式は,本関係式より導かれ.る,.初期間隙比、θo をパラメ』ターとした豊浦砂の破壊規準およびダィレ タンシー発生規準とみなすことができる.主応力空間 では,原点に頂点があり,空間対角線を軸とする円錐 であり,いわゆる拡張されたMises則に対応する.
切り口が円になるのは,3次の応力不変量を考慮に入 れていない本関係式の当然の帰結である.一方正八面 体応力平面ではFig.2に示した原点を通る2本の直 線となる.Fig.2のσOc 軸と破線のダィレタンシ ー発生線に挾まれる応力域εではダィレタンシ・一が生 じず,ほぼ弾性的な挙動を示し,ダィレタンシー発生 線と破壊線で囲まれる応力域ρでは:負のダィレタンシ
ーが生じ,破壊線に近づくにつれて塑性ひずみが卓越 するものと考えられる. §4−2の径路皿で生じた負の ダィレタ呪シーは,他の2径路が応力域θにほぼとど まっているのに対し,皿のみ応力域ヵをたどることか
ら説明できる.(36),(37)式より.R∫,R,.,φ∫,φ。。が
θoの関数として与えられ,θoとの相関を図示すると
σ3
re只ulta=、t 3tre53 vector on O⊂t暫PI3no
Fig.6 Failure and dilatancy In茸tiated crlterlon
不変量表示の応力ひずみ閾係式 109 Fig.7のようであり,密な砂(θo小)ほどRノ,R,。
ともに大きくなる R/が最密砂でも1.1,一方1軸試 験の勾配R幅は,γ/2=1.414(Fig.1),これから 豊浦砂に1軸試験を施せないことが説明されうる.
100
よ§
§
8.O
60
4,
10
茎 ゴ 05
φcr
一一嚠齊M̀ 『一一「
(σ1(殉)f
Rcr Rf
φf 50。
40
ぜ
30。
20。
0.65 0!天〕 075 080 0.B5
e。
Fig.7 Rf, Rcr,φf,φcr, and (σ1/σ3)f due to initial void ratioθ。
6.豊浦砂の応力ひずみ挙動
(32),(33)式に示した豊浦町の応力ひずみ関係式か ら,i)側圧一定圧縮試験, ii)主応力比一・定試験,
iii)側方拘束試験における豊浦砂の応力ひずみ挙動を 導き,考察を加える.なおi)の側圧一定圧縮試験に 関しては,実測値と計算値の比較を行なった. また iii)の側方拘束試験の関係式から,静止土圧係数Ko の応力依存性を示す式を導いた
ノ 6−1側圧一定圧縮試験(σ=const.)
3 i)試験概要と計算式
初期間隙比θo=・0.764の供試体にσ1=σ3=1.Okg
/cm2の静水圧で圧密完了後,軸圧増分∠σ1=0。5kg
/cm2で負荷した。
計算式は§5−3の(32),(33),(34)式がそのまま援 用できる.ただしR。。彦∠R。。,すなわちσ14(1+〆万 R,。)/(1−R,。//2)のとき,(32)式のμ1=μ2=0と おく.
る傾向が読み取れる これは本関係式が,ひずみの応 力依存性が顕著な塑性域(Fig.2の応力域ρ)まで,
重ね合わせ則を適用していることに起因するものであ り,非線形弾性仮定に基づく本関係式の限界を示して
いる.
iii)応力ひずみ挙動の考察 」
Fig.8(a)から,(σ1一σ3)∠(σ1一σ3)c7の範囲で は,セン断ひずみ頂の寄与(ε1)7。c6,(ε3)γ幅が支 配的であり,(σ1一σ3)〉(σ1一σ3)。,で負のダィレタ ンシーが生じ始めると側方の伸びひずみε3は更に伸 びが助長され,軸方向の圧縮ひずみε1は,圧縮を妨 げられる傾向にある.Fig.8(b)の計算曲線は周知 の側圧一定試験における体積ひずみの挙動をよく表現 している.Fig.9に軸差応力(σ1一σ3)に対する主
、
へ
ε3
一:εi,ε3 calculated b
!l
ll}2.。
ll I
堰
1
b
聖
、
1.o
/
o
/
!
○
ノ
ii)計算値と実測値の比較
(σ1一σ3)一ε1,ε3,ε・一ε1関係の計算値と実測値を Fig.8(a),(b)に示す.図中の点線 1点鎖線およ び2点鎖線は(32),(33)式の:右辺を各頂毎に計算した 値であり,それぞれ圧密頂,ダィレタンシー頂,セン 断ひずみ頂が,主ひずみに寄与する量である,Fig.8
(a)から,ダィレタンシー発生時の軸差応力(σ1一 σ3),。=1.5kg/cm2(33,27式より求まる)以内では,
実測値と計算値は良好な一致を示しているが,(び1一 σ3)>1。5kg/cm2では,次第に両者のズレが大きくな
,/ 1
/句一一一一・(ε・・γ3;
0 1st terrn Qf e(柔(32);
一一一 G(ε》(D/3
2劇te・m・f・α(32)1 …
一1.0 0
ε・(%)」
1.0
LO
0.5
市
0
(b)
caしcUはted curves ・
/
○ :observ∈ゼ >a〔ues 一一一一一:εVC
一・一:ε祠
/
/
/
/
/
/
o
/
!
O
仁.o
O ε1(。ん
O\
O\o、、
\一一一一_一
2.O
e。ニ0764 σ葱=1・Okg!cm2
Fig.8 Calculated curves and experimental results forσ3−const, comp, test:(a)
relationships between principal strains and principal stress difference乳(b)
relationship between volumetric and maximum principal strain
110 長崎大学工学部研究報告第6号 昭和50年12月 ひずみε1,ε3の計算曲線を示す 図中太い実線はσ3
をパラメーターとした計算曲線であり,『側圧σ3が 大ぎくなるにしたがい,初期勾配4(σエーσ3)/4ε1,破 壊時の軸差応ガ(σ1一σ3)∫がともに大きくなる』周知 の応力ひずみ挙動と一致している.図譜細い実線はθo をパラメーターとした計算曲線であり,密な砂ほど 4(σ1一σ3)/4ε1,(σrσ3)/ともに大きくなる傾向が 読み取れる.また(37)式から,破壊点の主応力比(σ1
/σ3)∫と初期間隙比θoの関係が次式に導かれる.
(σ1/σ3)∫=(1+γ/2R∫)/(1−R∫/〆2)
=(レ/2λ,2一ト2)/(1/2λ,2−1) (38)
(σ1/σ3)∫とθoの相関を図示したFig.6を用いて,
任意のθ0,σ3に対する破壊時の軸応力σ1∫が得られる.
ただし.Rκ∠R。。すなわち々≦≦(〆2−R。。)/(2R,。+
/2)のとき上式にμ1=μ2=0を代入する.
ii)応力ひずみ挙動の考察
主応力比一定試験におけるεザσ。, 関係は(39)式 から直接導け,次式で与えられる.
砺一・・+2・・一伝鍔%十
ε3
耳 印
・ミ5
(
ほ
δ
)
∈も=075 (}=0.65 q=4・O σ三=2,0
τ0.0
50
.ε1
砺・2.oa=275
σ;=2.0 (島=0・85
σ乙=1・0 ∈お:=0・75
(01。)
一50 0 5・0 10,0
Fig.9 Calculated curves forσ3−const. comp.
test;Relationships between prihcipal strains and principal stress difference.
6−2主応力比一定試験σ3/σ1=const.
i)計算式
応力条件はσ3/σ1=々=const.だからσ。,F(1+
2々)σ1/3,τOcF1/2(1一々)・σ1/3.故にROcFγ/2
(1一ん)/(1十2ん)=・RK=const.したがって(32),(33)
式から試験中ダィレタンシー頂とセソ断ひずみ頂が一 定となるのが導かれる.
・・一
l{。、舞鯨}一き{μ・畿蚤K +・・}+{汚職舞τ}(39)
・・一氏o診、調尉一去{・・、≧幾袋K
呵一器{ 1 )し1RK1/万 1・一λ,2RK}
{μ・、≧懸+μ・} (4・)
次に体積ひずみε。と軸ひずみεユの関係は(39),(40)
式から
翻一3・・一ヘ、≧一一3・・一
(、+2ん)腎誉1(、一々) (4・)
上式にん=1(σ1=σ3)を代入すると定数頂がゼロとな り,ε1=ε・/3となるが,これは§5−1で設けた等方 性仮定ε1。ニε2。=ε3。=ε。/3の当然の結果である.
(41)式から,主応力比一定試験のεザε1関係は一般 に原点を通らない勾配3の直線とな:り,ε1軸との切片 座標をε1たで定義するとε1んは次式で与えられる.
…一(、+2々)≒1鴇(、一々)
Fig.10にε一ε1関係の計算曲線を示す. Fig.10 から主応力比ん=σ3/σ1が小さくなるほど,また初期 間隙比θoが大きく(ゆるい砂に)なるほど,ε簸の 値が大きくなるのが読み取れる.Fig.10はELSohby
ユ.
1.
審
灘
0.5
0
F玉g.10
/
/
0.5a (oん) 1,0 1.5 Calculated curves foy constant stress ratio tests:Relationships between volumetric and maximum principal strain
不変量表示の応力ひずみ関係式 t
ら(1973)(10)により行なわれたFine sand(G,=
2.65,伽儲=0.46,θ幅π=0.39)の主応力比一定試験 の実測結果をよく説明している.ただし彼らの報告に よると,たく0.3では勾配が3より小さくなってくる が,これは本関係式で考慮できなかったディストーシ
ョソ頂の影響によるものと考えられる.
6−3 側方拘束試験 ε3=O i)計算式
試験条件ε3=0を(33),(35)式に代入して次式を得る
砺一・・一
・o 1 )㌧1Rocめγ/至『 1一λ,2ROc古}一
{。、轟鴇。、}一{・・一三畿。、
+μ・} (42)
ε3=0における主応力比(σ3/σ1)は静止土圧係i数Ko に他ならないから次式が成り立つ.
Rocめ/茎/2=(σ1一σ圏3)/(σ1十2σ3)
=(1−1(o)/(1十21(o)=んノ (43)
上式を(42)式に代入し
んノ=2ε1/(3λ,1一{一2y/2λ,2ε1) (44)
(43),(44)式より次式を得る.
舞K・一義茅一1突綴綜鼻;ll
=ξ(ε1) (45)
一・禛ミ。。ε=(σ1十2σ3)/3=(1十2Ko)σ1/3より σoc _ (1十2Ko)σ1 レ1+ツ2σ。,孟 3・1+レ2(1+21(o)σ1
ただし 1(o=ξ(ε1) (46)
また、会1無、一、≦際虻
〆2入1(1−Ko)
=η(ε1) (47)
(1十・21(b)一レ/至一入2(1−1ζ0)
上の2式を(42)式に代入し {1+2ξ(ε1)}σ1 _ 3z/1十z・2{1十2ξ(ε1)}σ1
ε1一日目1η(ε1)十μ2=ζ(ε1) (48)
上式をσ1で整理して
lll裁練1ギ司㈹
(49)式が側方拘束試験の応力ひずみ関係式である.
ii)静止土圧係数KO
(45)式に基づいて考察を加えると,κoはε1=0の とき1,ε1→。。におけるKOをKo∫と定義すると
K・・一
激ネ・一跨1舞一三譲,
111
(50)
上式は1(o∫がRア,またはθoにより決まる定数であ ることを示している.Table 7に示した豊浦砂の1(oノ ーθo関係から,密な砂ほど1ζo!の値が大きくなる.
工学上,地中構造物(矢板,地下擁i壁,杭etc)の 設計と関連して重要なのはKoとσ1の関係である.
次にKo一σ1関係を側方拘束の関係式より導く.
(42)式から
{ 、舞≒,、}一( 3μi+2〆万)・
λ1Rocε 十μ2 1一λ2Roc
(46),(47)式を用い上式は次のように書ける.
翫、綴鞍1)。、一( 3μ1+2ゾ・百)・
{ 1/2λ1(1−Ko)(1+2Ko)一/一7λ2(1−Ko)}
十μ2ニ=)己(Ko) (51)
上式をσ1で整理すると,
3レ1 X(1(o)
(52)
σ1=
(1−1−21ζ0){工一z/2κ(Ko)}
上式の関係を図示したFig.11から静止土圧係数1(o は,有効応力の増加とともに1から次第に減少し,一・
定値Ko∫に近づくことがわかる.
暖橿需
1.0
Table 7
鉦号三厩飛瓢
£
σ5
eo=0.650
o 1。0
α.
2.0 3・0
.、(kglcm2)
Fig.11 Stress・dependancy of coefficient of earth pressure at rest Ko
7.結 語
ここでは本研究により明らかになった事柄を列記す るのは止めて,本研究(非線形弾性則に基づく構成関
112 長崎大学工学部研究報告第6号 昭和50年12月 係)の是非について総括的に論じ,結語にかえる.
1.準静的でかつ単調増加な負荷:除荷は生じない.
2.応力の3次の不変量がひずみに与える影響は無
視.
3.等方性仮定ε10=ε2c=ε3c=ε /3:したがって γoc古。=0.
4.ひずみの重ね合わせ則砺=Σ」ε〃.ε・=ε・。+勉.
上に掲げた4つの仮定の下に室内軸対称試験により 得られた本関係式(32),(33)式から§5,§6に述べた ように各種室内試験における豊:等等の変形特性の多く を説明することができた.また地中構造物の設計値と して重要な静止土圧係数と最:大主応力σ1との関係
(52)式を初めいくつかの新しい知見が得られた.その 他,初期間隙比θ0を本関係式のパラメーターに加え たことは,本関係式にある程度の普遍性を与えたと言 えよう.§5,§6にみたように圧密,ダィレタソシー,
セン断ひずみ頂がそれぞれ主ひずみに寄与する量を定 量的に把握できるのは本関係式の大きな利点の1つで あり,室内試験結果の解釈に非常に有用であると考え る.また§1にふれたようにFEMを用いて本関係式 が容易に現場問題の解析に適用できるのも利点の1つ に掲げられよう.(これは別途報告の予定).しかし仮 定2により,本関係式は2軸応力,ひずみ状態(軸対 称,平面ひずみ条件etc)の挙動し:か表現できず,そ の意味では構成則の資格を有していないといえる.ま た仮定1は本関係式の適用範囲を著るしく狭めてい
る.仮定2,3は本学試験機の制約から止むを得ず 用いたもので本関係式にとって本質的な仮定ではない が,仮定4は非線形弾性則に基づく本関係式の骨子で ある.しかるに§4でみたように,ひずみの応力径路依 存性は(特に応力域ρにおいて)無視できず,塑性理 論に立脚する構成則(1)(2)(3)の優位性は明らかであ
る.したがって塑性構成則を用いてField problem を解かれたとき,本研究の価値の大半は消失すると考 える.ただし,応力域θの範囲では§5,§6で行なっ た論義は依然として有効性を保つだろう.
終りに本研究をともに熱心に押し進めてくれた,田 村良一・氏(現不動建設),小笹俊郎氏(現大林道路)
の両氏に心から感謝の意を表する。なお計算は本学,
FACOM 270−30を使用した.エラーメッセージの御 指導を仰いだ電算機室の方々にも深く感謝の意を表す
る.
8.引用文献
1) Roscoe. K. H and Burland.」. B; On the Generalized Stress−Strain Behaviour of/Wet/
Clay l Engineering Plasticity. Cambridge Univ.
Press.(1968)
2)橋口公一;粒状体に関する等方硬化理論:土木学 会論文報告集第227号,pp.45−60(1974)
3)赤井浩一,足立途惑,安藤信夫;飽和粘土の応力 ひずみ時間関係:土木学会論文報告集第225号,pp.
53−61 (1974)
4) 伊勢田哲也,棚橋由彦,田村良一・,小笹俊郎;土 の応力変形特性とFEM解析:昭和49年度土木学会 西部支部講演概要集,pp.273−274(1975)
5)伊勢田哲也,棚橋由彦;河川堤防の安定および変 形解析:第10回土質工学研究発表会講演集,pp.421 −424 (1975)
6)Parkin. A. K, Gerrard. C. M and Willow−
ghby. D. R;Discussion on Deformation of Sand in Shear:proc. of A. S.C. E. vo1.94,
No. SMI pp.336−340(1968)
7) Kondher. R. L;H:yperbolic Stress・S重rain Response:Cohesive Soils:proc. of A. S. C,
E.vol 89. No. SM1, pp.115−143(1963)
8)岩崎峯夫;砂の応カーひずみ関係についての一考 察;土木学会論文報告集第209号,pp.95−101 (1973)
9) 松岡元,稲葉力;任意応力径路下の土の応同一ヒ ズミ関係:第10回土質工学研究発表会講i演集,pp.
145−148
10)E1・Sohby.M. A. and Andrawes. K. Z;Ex・
perimental Examination of Sand Anisotropy :
proc. of the 8th Int. conf. on S. M. F.E. pp.
103−109(1973)Moscow