長崎大学総合環境研究 第
2巻 第
1号
(1999)被虐待児保護のための親子関係への公的援助・介入と親権との関係 : 児童相談所における対応を中心に
(‑)
OnRelationbetweenParenta一RightandPubliclnterventionin Parent‑Chi一dRelationshipforProtectionofAbusedChild(Ⅰ)
生 野 正 剛
IKUNO,MasakataⅠ
は じめに
これまで子 どもの保護 は基本的に親 ・家庭に委 ねておけばよかったが、今 日、家族機能弱化 のな かで、親によって放任 ・虐待 ・遺棄 されたり、非 行、虞犯、怠学などに陥る子 どもが増加傾向にあ る。 この状況の中で、子 どもの福祉を守 る立場か ら、親子関係、家族関係への公的な援助や介入 の 必要性 も高 くなっている。子 どもの権利条約 も親 がその養育責任を果た し得 るように積極的に援助 すべ きことを国の責務 として強 く打ち出している。
しか し、現行法では、子 どもの福祉は親を信頼 して子の監護教育責任を第 1次的に親に委ねた親 権制度によって確保 されることになっている。現 在 この親権 は権利 としてよりも親義務 と観念 され ているが、それは子 どもとの関係に於いての義務 であり、家族外 との関係では、親権 は子 どもの監 護教育に他か ら干渉 されない親の権限 ということ
になる
。ここにおいて、子 どもの福祉の確保 のた めの親子関係への公的援助 ・介入が親権や家族 の 自治 ・自律性 と衝突することになる。特に、児童 虐待ケースの場合、親権 と公的介入 とが正面か ら 衝突することが多い。
子 どもの権利の観点か らは、親権を尊重す るあ まり子 どもの福祉がおろそかにされてはならない。
だが、他方では、子 どもの福祉の擁護のためとは いえ、公的介入が親権 ・家族の私的自治を必要以 上に侵害するものであってはならない。 ここに、
公的介入権限と親権 ・家族の私的自治 との調整が 課題 となる。 このことは従来の親権制度、親権概 念の転換 ・見直 しをも意味する。
そこで、本稿 は、このような視点の下 に、児童
虐待に焦点をあて、それに対する児童相談所 ( 以 下児相 と略称)等の対応のなかで、子 どもの保護 のための公的介入がいかに親権 と衝突 し、親権 の 壁によって子 どもの保護のための援助が後退 させ られているか、公的介入 と親権 とがいかに調整 さ れているのか等の実態を調査 し、検討するもので ある。さらに、そのことを通 じて現行親権制度お よび現行児童擁護 システムの限界およびそれ らの 見直 しを究明 していきたい。
本稿は、児童虐待をめ ぐる実情 とそれに対す る 援助の実態を報告 ・分析することか らはじまり、
ついで、公的援助 ・介入の親権 との衝突 ・調整の 実態に触れ、それを通 じて現行親権制度および現 行児童保護 システムの再検討に至るものである
。なお、実態把握のために、平成
8‑9年度 にお いて、文部省科学研究費の助成を得て、次 の各機 関において児童虐待に対する援助の実態を調査 し
た 。
調査対象機関
東京都世田谷区児童相談所、大阪府子ども家庭 センター、大阪市中央児童相談所、福岡県中央相 談所、福岡市児童相談所、北九州市児童相談所、
長崎県中央児童相談所、福岡県家庭児童相談室、
東京育成園 ( 東京都) 、二葉学園 ( 東京都)、子 ど もの虐待防止センター ( 夷嘉都)、児童虐待防止 協会 ( 大阪市)
Ⅱ
児童虐待の定義と実態 一 児童虐待の定義
児童虐待 とはいかなる行為を指すのか。
我が国における児童虐待の定義 としては、 日本
児童問題調査会が昭和
58 (1983)年度 に全 国
164の児童相談所を対象に実施 した家族内児 童虐待調査の際に用いたもの1 ) が,虐待 の認定、
各種調査 ・統計に比較的広 く利用されている。 こ の定義は、国際児童虐待常任委員会
(GSCCA,
International Standing Committee on ChildAbuse)が、 児童 の不 当な扱 い
(child maltreatment)についてその型 と程度を定義 し
たもののうち、「 家族 内における不当な扱 い」 に はぼ準拠 した ものである。
それによれば、虐待 とは、親、または親 に代 わ る保護者により、非偶発的に ( 単なる事故で はな い、故意を含む) 、児童 に加え られた次 の行為 を いう。
① 身 体 的 虐 待
(Interfamilialphysical violence)子 どもに身体的暴行によって苦痛を与えたり、
外傷を加えた り、さらには生命に危険を及ぼす行 為である。暴行の形態 としては、殴る、たた く、
蹴 る、首を しめる、毒物を飲 ませる、熱湯をかぶ せる、熱湯につける、溺れさせる、投げ落 とす、
ふ とん蒸 しにする、狭いところに閉 じ込める、 タ バコの火やアイロンなどを押 しつける、ロープな どで縛 って監禁する、冬、戸外にしめだす、 など があげられる。身体的虐待で起 こる傷害は、打撲 傷、骨折、内出血、頭蓋内出血、頭部外傷、
素腹火傷、皮膚の外傷などがある。
② 保護 の怠慢 な い し拒 否
(Interfamilial childneglect)遺棄あるいは衣食住や清潔 さについての健康状 態を損なう放置など、子どもにとって必要な養育 ・ 保護を怠 ることをいう。たとえば、棄児 ・置 き去
り、食事を与えない、長期にわたって入浴 をさせ ない、健康を損 うような不潔な状態で子 どもを放 置 している、生命にかかわるような状態で も病院 に連れて行かない、登校 させない、家のなかに監 禁するなどの行為をいう。
③ 性的虐待
(Interfamilialsexualabuse)親による近親相姦、または親に代わる保護者 に よる性的暴行である。
④ 心理的虐待
(Interfamilialpsychological /emotionalabuse)上記の①、②、③を含まない、その他 の極端な 心理的外傷を与えたと思われる行為がこれにあた る。その心理的外傷 とは、子 どもの不安 ・怯 え、
うつ状態、氷 りつ くような無感動や無反応、強 い 攻撃性、習癖異常など、 日常生活に支障を きたす 精神症状が現れるものである。具体例 として は、
子 どもの声かけを無視すること、大声で子 ど もに 恐怖感をもたせること、「おまえなんかいない方 がいいんだ 」 「 死んで しまえ ! 」 「 男 ( 女) の子が 欲 しか ったのに、がっか りだよ」などの言葉 を繰 り返 し子 どもに投 げつける行為などがあてはまる。
この児童虐待の定義 は、現在児相の実務におい てほぼ定着 してお り、後述の全国の児相による厚 生省への業務報告や全国児相所長会による虐待調 査、および今回調査 した各児相 において も、 この 定義に準拠 して虐待を分類 している。
なお、児童虐待 に関連する児童福祉施設入所措 置承認申立および親権喪失宣告請求事件に関す る 家庭裁判所の審判事例では、親権者等の行為を必 ず しも 「 虐待」 と認定せず、「 児童 の福祉 を著 し
く害する場合に該当する 」 としているものも多 い が、この虐待の定義に したがえば、「 身体的虐待⊥
「 保護の怠慢ないし拒否」、「 性的虐待」が姐上 に のぼっているといえる。 しか し、その審判例で は
「 心理的虐待」の事例はまだ挙が っていない。
しか し、児童虐待は、予防、事後的介入、児童 福祉法 ( 以下児福法 と略称)上での通告や各種措 置、刑法での虐待者の処罰、民法上の親権喪失宣 告など、それぞれの目的 ・趣 旨に応 じて異な って 定義 され得 るし、またそうであるべきであるから、
上記の定義がすべての場合に杓子定規に適用 され るものではないことは勿論である。
注
1
)児童虐待調査研究会報告 「 児童虐待一昭和
58年度 ・全国児童相談所における家族内児童虐 待調査 を中心 と して』 日本 児童 問題調査会 、
1985
年、
1真 二 児童虐待の実態
1
把握された児童虐待件数
最近のい くつかの調査や児相 ・厚生省の統計で も児童虐待は明 らかに増加傾向にある。
1989
( 平成元)年に発表 された、全国児相 所長会の 「 子 どもの人権侵害例の調査及び子 ども の人権擁護のための児童相談所の役割についての 意見調査
」 2)( 以下で は
1988年全児相調査 と 略称)では、
1988( 昭和
63)年
4月か ら同 年
9月
30日までの
6か月間に全国の児相で新規 に受理 された児童虐待相談件数 は
1,
039件
‑ 52‑
被虐待児保護のための親子関係‑の公的援助 ・介入と親権との関係 :児童相談所における対応を中心に ( 人)である。 これ は半年間の受理件数であ るか
ら、単純 に年間に概算すると
2,
100件 とい う ことにな る
。しか し、同所長会 による
1996( 平成
8)年同調査 (1996年
4月か ら同年
9月
30日までの
6か月間に全国の児相での新規受 理件数、以下では
1996年全児相調査 と略称) では、
2,061件 とされてお り、 これを年間 に 概算す ると4, 120件 にあたり、 8年間で倍増
していることになる ( 表
1) 。
また、厚生省 も、
1990年か ら全国
175の 児相で受理 した虐待相談件数を全国的に集約 して いるが、
1997年度ではその件数 は
5,352 件 となってお り、 これを
1990年度 と比較す る
と7 年間で、約
5倍強 となっている ( 図
1) 。 このような統計か らみれば、わが国で現在、児 童虐待 として把握 され る数 は年間
5,300件程 度 ということになる。
また、今回調査 した各児相で も、以下の各児相 での説明のように、虐待相談処理件数 は平成
7年 頃より顕著に増加 している ( 表
2)。
東京都児相 ・虐待相談受理件数 は平成
7年度か ら 急増 し、以後増加傾向にある ( 表 2・
表7)
0
大阪府児相 ・受理件数 については同様の傾向であ り ( 表
2)、 したが って年間の児童
虐待取 り扱い件数 ( 前年か らの継続 ケースを含む) も平成
6年度
470件、
7年度
617件、 平成
8年度
700
件 と増加 している ( 表
3)。 大阪市児相 ・平成
8年度で虐待 についての通告 は
従来の
2.5か ら
3倍になっている。
福岡県児相 ・虐待相談 は平成
7年度には急増 し、
例年の
3倍近い件数で過去最高となっ た。以後、
8,9年度 もさ らに増加
している ( 表
4)0
福岡市児相 ・平成
5‑ 7年度には受理件数 は
20件前後で推移 していたが、平成
8年 度 は41 件に倍増 し、
9年度 もさ ら
に増加 している ( 表 9)
北九州市児相 ・平成
7年以前 は、虐待相談受付件 数 も毎年
10件程度であったが、
平成
7年度からその件数が急増 し ている ( 表
2)。
長崎県児相 ・虐待処理件数は、平成
7年度から徐々 に増加 し、平成
9年度 は平成
5年度 の
2倍 となっている ( 表
2)図1全国児童相談所における養護相談(虐待)処理件数推移
97 96 9594 93 92 91 1990
年度
5,352 00 4,102
2 I ,961
●
I 1,372 1.171 1,101
1.000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,0
( 各年度 「 社会福祉行政業務報告
」〔厚生省報告例 )よ り作成) 表
1内容別主たる虐待件数 ( 全国児童相談所長会 「 全国児童相談所における家庭内虐待調査
」)得 の 内 容 身体的虐待 不適切な保護ないし拒否 性的虐待 心理的虐待 合計 棄児 . 置去り
保護の怠慢登校禁止
1988(
昭和63) 調査 年
275 229 391 28 48 68 1,039( 全国児相所長会 r 調査結果報告書
J〔 「全児相」62 号別冊 〕よ り作成
表2 各児童相談所 にお ける虐待相談処理件数の推移
年 度
1993 1994 1995 1996 1997児 相
(平5)
(平6)
(平7) (平8)
(平9)
東京都 児相
195 217 428 489大 阪府児相
204 ‑227 249 258大 阪市児相
56 70 83福 岡 県児相
21 36 116 140 162福 岡市児 相
19 19 12 33 49北 九州市 児相
8 ll 27 67長崎 県児相
24 18 26 35 48表3 処遇内容別虐待 ケース取扱 い件数 (大阪府子 ども家庭セ ンター)
在宅指導 施設入所 計
平成6
年度
230 240 4707
年度
322 295 6178 年度
359 341 700※施設入所とは、施設へ措置中及び措置 した件数
( 大阪府子 ども家庭センター各年度事業概要 より作成)
2 児相で取 り扱 う虐待件数の増加の原因 このように児相で取 り扱われる児童虐待件数 は 増加傾向にある。その原因 としては、家族機能 の 低下、家族問題の深刻化による児童虐待その もの の増加があるであろう。 すなわち、さまざまな児 童虐待に関する実態調査では、虐待の主たるの原 因の一つ として以下に夕脂己するような家族的背景 ・ 虐待親の特徴が指摘 されている3)0
多 くの調査において挙げられる虐待事例での家 族像 とは、
① 家族内に様々なス トレス (夫婦や家族関係 の不和、経済的問題、アルコール依存 など) を抱えている、
② 実父母のそろっていない家庭あるいは複雑 な家族構成である場合が多い、
‑54‑
( 各児童相談所の業務 ( 事業) 概要よ り作成)
表4
虐待相談処理件数(福岡県児童相談所) 虐 待 相 畝 処 理 件 数
平成5
年度
216
年度
367
年度
1138 年度
1369
年度
162( 福岡県児童相談所各年度事業概要よ り作成)
③ 失業中あるいは不安定な職業 に従事 してい る親が多い、
④ 経済的に困窮状態にある家庭が比較的に多 い、
⑤ 近隣や親族か ら孤立 し、地域社会の支 えが ない家族が多い、
⑥ 親準備性の不足や子育ての孤立化 により養 育能力が未熟であったり、子育て不安を抱 え ている、
⑦ 乳幼児期に親子の分離体験があり、親子 の 情緒的結びつ きが希薄である、
⑧ 児童についての理解が十分でな く、過剰 な 期待をかけたり、放置 したり、自己本位 に操 作 しようとす る、
⑨ 虐待
親
には 「親 の責任 の欠如」
「衝動的」被虐待児保護のための親子関係‑の公的援助 ・介入と親権との関係 :児童相談所における対応を中心に
「 攻撃的」 という特性がある、
というものが主な ものである。
このような児童虐待の家族的背景をみれば、児 童虐待 は家族病理の
1つであ り、家族が一つ の機 能障害を引 き起 こした状態 として把えることがで きる。 しか も、その機能障害 は単 に個人的問題 と して処理す ることがで きない社会的背景を有 して いるのである。 したが って、近年のわが国での経 済的低迷、社会関係の閉塞状況、家族規模の縮
/J\地域社会の崩壊などが もた らした家族の機能障害 の進行や家族問題の深亥
TyLはたまた育児ノイロー ゼの増加が児童虐待その ものを増加 させ、その こ とが児相での児童虐待取扱件数の増大 に反映 して いるといえる
。しか し、近年の児童虐待取扱件数の増加 は、上 記のような児童虐待その ものの増加 によるとい う よりも、む しろ、次のような要因によって、今 ま で放置 され、発見 されなか った虐待が表面化す る ようになったことに帰することが大 きい。すなわ ち、① 全国の児相で、虐待 の発見 ・通告体制が 整備 されて きた、② 関係者間 において虐待 の定 義について共通理解が高 ま って きた、③ 発見 ・ 通告体制の整備のなかで、その虐待の定義 につ い て、学校教育現場、医療機関、警察、民生 ・児童 委員等の関係機関に周知 されるとともに、保護者、
児童 自身、地域 にも啓発が進 め られた、④ 虐待 報道が積極化 した、( 参 保護 の怠慢 ・拒否や心理 的虐待などの場合について も虐待 としての認定 を 積極化 したために、従来 は潜在化 していた児童虐 待が一般 に虐待として発見 ・認知されるようになっ た、等々が要因 となって児相での児童虐待の取扱 件数が増加 したのである
。発見 ・通告体制の整備 としては、平成元年度か ら、相談 ・通告体制整備のため、平 目の夜間、休 日に も電 話 で相談 を受 け付 け る子 ど も ・家 庭
110番電話相談が全国の中央児相 に整備 されつ つあり、また、
1994( 平成
6)年
1月か ら、
発見 ・通告及び予防的機能を果たす ことを期待 し て、主 として児童問題に専門的に関わる民生 ・児 童 委 員 で あ る主 任 児 童 委 員 が 全 国 に
1万 4,
000人配置 された。さらに、
1994( 辛 成
6)年度か ら、特 に都市部の虐待 に早期 に対応す るため、養護施設等に相談 ・援助を行 うホ ッ ト
ライ ンを設 けた り、専門職員を配置する都市家庭 在宅支援事業 も開始 され、また、
1996( 平成
8)
年度か らの全国モデル自治体における児童虐 待ケース ・マネージメン トモデル事業をうけて、
全国の児相において関係機謁のネットワーク体制 ・ 連携体制が整備 されるとともに、関係機関や地域
‑の児童虐待 についての啓発が図 られつつある
。今回調査 した各児相で も取扱件数の増加理由に 関 しては同 じ認識を示 している。
東京都児相 ・虐待その ものが増加 しているので は な く、関係機関の間で児童虐待への 対処 についての連携が多 くなった こ とも大 きな理由である。福祉局 ・衛 生局 ・教育局の三者合同で 『 子 ど も
の虐待防止 マニュアル』を発行 した し、児相、学校、保育園、保健所、
警察、児童委員等の関係機関による
「 実務者会議」 を開催 し、平成
8年 度 には 「 児童虐待 ケースマネー ジメ
ント事業」を開始 した。
また、子 ども自身か らの相談 を増 やすために、「 話 してみないか カー
ド」 も配布 している。
大阪府児相 ・一つは虐待の捉え方 に大 きな変化 が 生 じたことにも増加の要因がある
。昭和四
〇年代 はほとんど身体的虐待 のみに注 目し、その数を虐待 と して 計上 したために虐待相談は少 なか っ た。平成
2年以降は身体的虐待 だけ ではな く、放任 ・拒否 といった不適 切な養育 も虐待 として捉え定義を拡 げたこと、また関係機関 との連携 が 深 まり、相談が増えたことが増加 の 大 きな要因であろう。平成
2年 に医 師、弁護士の協力でマニュアルを作 成 した。平成
4年 には被虐待児地域 モデル事業を開始 し、関係機関の連 携のためのネットワーク体制を整備 するとともに、親向けの リーフ レッ
ト、関係機関向けのハ ンドブックも 発行 した。平成
8年
1月か らは子 ど
ものフリー電話体制を開始 した。
大阪市児相 ・最近 はいろいろ宣伝 しているので、
通告が増えて
いる。最近 は警察 も積 極的に通告 して くれるようになった。
福岡県児相 ・児童虐待についてのカウントの取 り
方が変わ ったことや、ネットワー ク
の整備により通報や虐待相談が増加 したことによって、虐待取扱件数が 増加 している。
福岡市児相 ・平成
9年
8月、虐待に関する早期発 見 ・早期対応を目指 して、民生委員、
弁護士、区福祉事務所、保健所 など
15
団体で構成 される 「 子 どもの虐 待防止連絡会議」をスター トさせ、
関係機関の有機的な連携を図るとと もに、全市的なパ ンフレットも侮 ‰ 一方、親 としての自覚がない未熟 な 親による虐待が増加 している。親 は 子への関わり方がわか らな くなって いることにより、虐待が増加 し、再 生産 されている。
北九州市児相 ・①関係機関のネットワークが整備 され、関係機関か らの相談や通報が 増えた、②児相の虐待への認識が変 わり今まで見逃 していた部分 も虐待 と捉えるようになった、③当事者か らの相談が急激に増えた、などの理 由で、虐待相談が増加 した。
平成
7年
1月に 「 児童虐待 と子育て を考える会」を発足 させ、年
1回 レ ポー トをまとめた。 この成果として、
平成
8年
6月に厚生省の 「 児童虐待 ケースマネージメントモデル事業」
に指定され、北九州市では、地域 の 実情や取 り組みの体制作 りの観点か ら厚生省の通知を一部修正 して、独 自の 「 北九州市児童虐待防止事業」
に取 り組んでいる。その事業の一環 として、児童虐待に対 して早期発見 ・ 早期対応する体制作 りのために、弁 護士会、医師会、警察、家庭裁半臥 保育所連盟、教育機関、養護施設協 議会、民生委員児童委員協議会等 に より構成 される 「 児童虐待防止連絡 会議」を開催 している。 この会議 は 単なる地域 ネットワークではな く、
事業全体の実施母胎であり、研修会 の開催や事例対応のためのマニュア ルの発行、パ ンフレットの作成 ・配 布などの直接的な活動を行 う機関で ある。実践的なマニュアルを作成 し、
ー56‑
保育所、幼稚園、小中学校、児童福 祉機関、医療機関、民生委員、児童 委員など直接子 どもの援助に関わ る 機関の職員に配布 した。本事業では、
各種専門家による児童相談所のバ ッ クアップ機関 として 「 事例検討委員 会」 も開催 している。
長崎県児相 ・テレビ、新聞等による虐待報道 によ り近隣や虐待者本人に虐待の認識が 高まったことや、平
8年度か らネ ッ トワーク事業を開始 し、福祉事務所 単位でモデル事務所を設け、地域 に 虐待についての認識を広げているこ
とが増加の原因 と思われる。
3
まだまだ把撞される虐待事例の少なさとそ の理由
以上のように、児相で把握 される児童虐待 の件 数 は増加傾向にあり
、1997年度には
5,300件に達 している。 この数値 自体で も深刻な事態で
あることがわかる。 しか し, この数字 はあ くまで 児相に持ち込 まれた件数であり、それは、比較的 重篤で明白な虐待ケースに限 られ気味である。 し
たがって、その数値 は氷山の一角にすぎず、実際 に親か ら虐待を受けている子 どもたちは, この数 十 倍 もい る と推 測 され る。 ア メ リカで は、
1972
年に
6万件の虐待 ・放任があったと推定 されていたが、その後の報告 ・発見 システムの整 備により、
1986年には
220万件が報告 され たことか らみて も、報告 ・発見 システムの整備や、
児童虐待の定義 しだいではまだまだ把握 される虐 待数は増加すると思われか らである。
このように、児童虐待の実態が把握 されに くい 理由としては、( D 家庭 とい う密室内の出来事で あるために、外部か らは発見が容易ではないばか りか、虐待ケースでは社会的に孤立 した家庭が多 いこと、② 虐待や体罰 が族 の一環 としてみなさ れやす く、また親権者等 もそれとして正当化 しが ちであること、などの虐待の発見 ・認知の困難性 と子 どもの人権についての国民の意識の不十分さ、
③ 後述のような虐待の通告制度 の不十分性や児 童虐待についての虐待を発見する可能性のある関 係者や一般市民‑の周知 ・啓発がまだまだ不十分 であること、などの法 ・制度 の未整備状況、④ 国家の家族への介入 はなるべ く控えるべ きである
とする考え方、などが挙げられるであろう。
被虐待児保護のための親子関係への公的援助 ・介入と親権との関係 :児童相談所における対応を中心に 4 行われた虐待の種別
前述の児童虐待の定義に基づ くいかなる種類 の 虐待が発生 しているのであろうか。
虐待の種別 としては、1988年全児相調査で は、「保護の怠慢や拒否」が最 も多 く、391件 で全体 の37. 9%、 次 いで 「身体 的暴行」
175件 (26.5%)、「棄児 ・置 き去 り」22 4件 (22.0%)、「性的暴行」48件 (4.6
%) と続いてお り、また、心理的虐待 は6.6%、 登校禁止は2.7%となっている。
しか し、1996年全児相調査 (表1・従 た る 虐待 については表5)では、主たる虐待 と して、
「身体的虐待」が1
,
007件 (48.9%)で 最 も多 くな り、次いで 「保護の怠慢 ・拒否」が8
39件 (40.4%)、「心理的虐待」122件 (5. 9%)、「性的虐待」100件 (4. 9%) となっている。 このように、1988年調査で は 主たる虐待の中心 は不作為の虐待である 「保護 の 怠慢 や拒否」であ ったが、1996年調査で は
「身体的虐待」が半数を占めるまでになっている。 このように、身体的虐待 という、場合によ って は 子 どもの生命にも危険を及ぼす可能性のある、積 極的な虐待の割合が増加 したということが両調査
8年間の大 きな変化である。
以上 は、主たる虐待 についてであるが、 これに 従たる虐待を加えると、虐待総件数 は約 1. 5倍 とな り、ことに 「心理的虐待」は、従 と して挙 げ られる数が多 く、従を入れると4. 5倍 にな り、
全体 に占める割合 も18.0%と大幅に増加する。
児童虐待が、子どもの身体や健康の面のみな らず に精神的側面 に至 るまで、広範囲の被害を及ぼ し ていることが うかがえる。
また、厚生省の全国児相での処理件数の集約で も、平成9年 (1997)度では、身体的虐待 が
2,780件 (51.9%)、保護 の怠慢 ・拒否 および登校拒否が 1, 804件 (33. 7%)、
心理的虐待458件 (8.6%)、性的虐待75
件 (1.4%) となってお り、1996年全児相 調査 と同様の傾向を示 している (表6)。
各児相での傾向は以下の通 りである。
東京都児相 ・平成6年度 は身体的暴行が139件 (39. 6%) と一番多 く、次 いで 保護の怠慢 ・拒否38件 (17. 5
%)、性的暴行24件 (11.1%)、 心理的虐待15件 (6・9%)となっ
ている。7年度 は全体428件のな かで身体的暴行267件 (62.4
%)、保護 の怠慢 ・拒否等 101件 (23. 6%)、心 理 的虐待 35件
(8.2%)、性的暴行22件 (5.
1%)の順になっている。 8年度 も 全体489件の うち、身体的暴行が 315件 (64. 4%)、保護 の怠 慢 ・拒否が92件 (18. 8%)、
心理的虐待53件 (10. 8%)、
性的暴行が27件 (5.5%)となっ ている (表7)。
大阪府児相 ・図2‑5のとお りであり、3歳か ら 就学前 までの児童、次いで小学校低 学年で身体的虐待が多いのが特徴で ある。
福岡県児相 ・平成9年度 にはネグレク トおよび登 校禁止76件 (46.9%) が最 も 多 く、次いで身体的虐待45件 (2
7.8%)、心理的虐待36件 (2 2.2%)、性的虐待5件 (3. 1
%)、とな ってお り、 ネグ レク トを 積極的に認定 している (表8)。 福岡市児相 ・平成8年度 は身体的虐待17件が最
も多 く、次いで放任 ・拒否13件 と なっている。
9
年度 は身体的虐待2
0件、放任 ・拒否26件、性的虐待 3件である。9年度 には放任が倍増 し、全体件数を押 し上げている。親 としての自覚がない未熟な親 による 虐待が増加 している (表9)。 なお、平成元年〜4年度の虐待の種別をみ れば、保護の怠慢が ・拒否が50.
6%と最 も多 く、次いで身体的虐待 が36. 1%である。保護の怠慢 ・ 拒否 は、保護者の夜間の不在や極端
な放任、食事を与えないなどである。
そのために、子 どもは発達の遅 れを 呈 していたり、栄養失調をお こした りしている。なかには、脱水症状、
心拍数の低下等生命 に危険を生 じる 恐れの ものまである。また、身体的 暴行 は、煙草を押 しっける、やけど を負わす、水風呂につける、バ ッ ト で殴 り内出血をおこすなどかなり深
刻なものが多い。性的暴行は、実父、
継父による
10‑ 15歳の女子に対 してのものである。心理的虐待 は、
主たる虐待 としてよりも身体的暴行、
保護の怠慢 ・拒否に伴 っている場合 が多い。
北九州市児相 ・平成 8年度では、虐待の種類 とし て、ネグレク ト
25件、身体的虐
待
23件 と、この両者が多いが、
性的虐待の実数はもっと多いと予 想 され、まだまだ隠されている事 例が多いと推測される。心理的虐 待は
16件であるが、それへの対 応は困難で長期化する傾向がある
( 表
10)0 表5従たる虐待の種別 ( 複数回答)
〔
「 全国児童相談所 における家庭内虐待調査」〕
たる虐待 不適切な保護 心理的虐̀ 合 一 計
従た
る . 身体的虐̀ないし拒否 性的虐待身体的虐待
1 08 1 6 35 1 59
不適切な保護
ないし拒否
349 1 0 20 379
性的虐待
1 9 6 25
心理的虐待
298 11 7 1 2 427
従たる虐待なし
458 625 76 73 1, 232 ( 前掲全国児柏所長会r 調査結果報告雷」) 表
6平成
9年度全国児童相談所 における虐待内容別相談件数
待 内 容 総 数
身体的暴行 保護の怠慢 .拒否 性的暴行 心理的虐待 登校拒否%
1 00% 51 . 90% 32. 30% 5. 81 % 8. 60% 1 . 40%
( 平成
9年度「 社会福祉行政業務報告 〔厚生省報告例
〕」) 表7東京都児童相談所 ・虐待相談 における虐待の内容 と処遇状況
処
遇年 女 . 一
得の 内 容
合 計乳児院未読施 設X設教護炭入 所 4棄児Xその他地殻推 t 児暮福祉司#8#t *扶持書 他機BI紹介 助言指専 その他の処理 未処理 計 法件数
申立て2時?&64&身休的義行保護怠慢等 13389 274 40 03 31 00 122 7281 131 8 12 3398 7
性的曇行 24 2 0 0 1 0 2 16 2 1 24
心苛的一待 15 0 0 0 0 0 3 ー2 0 015
登校♯止 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
計 217 33 4 3 5 0 19 127 川 10 2ー7
7*& *体的義行保護怠糧等 218071 4380 0 I2 0 241 00 4l4l ー2389 1ー30 13 28 16071 17
性的I行 22 5 0 0 2 0 2 12 0 1 22
心理的一待 35 1 0 0 1 0 ll 19 2 I 35
圭牧禁止 3 ′ー 0 0 0 0 0 1 0 1 3
計 428 83 2 1 28 0 68 199 25 22 428
84& 身体的義行色濃怠儀等 39152 2l6l 0 00 0 72 174 346 柑565 02 42 38 1952 15
性的暴行 27 4 1 0 0 2 3 18 0 1 27
心理的一律 53 5 0 0 1 1 5 34 0 7 53
圭枚#止 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2
( 東京都児童相談所各年度事業概要より作成)
‑ 58‑
被虐待児保護のための親子関係‑の公的援助 ・介入 と親権 との関係 :児童相談所 における対応 を中J L、 に
図
2在宅指導の児童状況 〔大阪府子 ども家庭センター 〕 ( 年齢 は
H8.3.31現在 の年齢 で記 入)
0 10 20 30 40 50 60 7 0 80
0 歳‑
3 歳未満
3 歳〜
就 学 前
小 1 ‑小 3 小 4‑小 6
中 卒 以 上
8至 享 : : i i 身体的虐待 N 守 H 養育拒否 、放任や心理的虐待
S
I 性 的虐待
B+N□ B+S妻
( 大阪府子 ども家庭 セ ンター事業概要平成
8年度版 よ り転載)
図
3在宅指導児の虐待の状況 〔大阪府子 ども家庭センター 〕 ( 年 齢 は
H 9.3.31現在 の年 齢 で記 入)
0 10 20 30 40 50 60 70 80
B
匹 ヨ身体 的 虐 待
N匿忽 養 育 拒 否 、放 任 や心 理 的虐 待 S■』性的虐待
B+N[ =
]B+S∈∃
( 大阪府子 ども家庭 セ ンター事業概要平成
9年度版 よ り転載)
図
4施設在籍児の虐待種類別入所理由 〔大阪府子 ども家庭 セ ンター 〕
(H8.3.31現在施設在籍児童)
0 20 40 60 80 100 120 140
男
女
B葦
妻 身体 的虐 待
N… 童 . i 享 喜 養 育拒 否 、放任 、心 理 的虐 待
S ■ 性 的虐待 B†N□ BIS= =
B+N+Sl川l
( 大阪府子 ども家庭センター事業概要平成
8年度版 よ り転載)
図
5施設在籍児の虐待種類別入所理由 〔大阪府子 ども家庭 セ ンター 〕
(H9.3.31現在施設在籍児童)
0 20 40 60 80 100 120 140 160(件)
男
女
B
E ≡ ≡ ヨ身体的虐待
N□ 養育拒否、放任や心理的虐待 S‑ 性的虐待
B+N[ =コ B
+S∈∃( 大阪府子 ども家庭セ ンター事業概要平成
9年度版 よ り転載)
‑60‑
被虐待児保護 のための親子関係 へ の公的援助 ・介入 と親権 との関係 :児童相談所 における対応 を中心、 に
表8
虐待相談 における虐待の内容 ( 福岡県児童相談所 ・平成
9年 度 )
虐待の種 件数
身体的虐待 45 ネグレクト 71性的虐待 5
心理的虐待 36
登校禁止 5
表
9虐待 の内容およびその処遇状況 ( 福岡市児童相談所)
処遇内容虐待内容 ,年 又
総 数
施設入所助 言 指 導
士日
乳 児院
養護施設 その他平成
6年度 身体的虐待放 任
1540
1 220 0
05 81
性的虐待
0 0 0 0 0 0
遺 棄置 去
5 1 40 0 0
小
計
24 2 80
5 9平成
7年度 身体的虐待放 任
470 0 1
20 0
230
3性的虐待 1
0 1 0 0
0遺 棄置 去
5 30 0 0
2小
計
17 51 1
5 5平成 8
年度 身体的虐待放 任
17130
30 1
40
52 87性的虐待 3 0 2
1 0 0
遺 棄置 去
8 2 4 10 1
小
計
41 5 10 3 7 16平成
9年度 身体的虐待 20 0 2 1 2 15放 任
26 0 90
3 14性的虐待 3 0
0 0
1 2遺 棄置 去
5 1 3 10 0
( 各年度福岡市児童相談所 「児童相談 のあ らま し」よ り作成)
蓑10
虐待相談 における虐待の内容 と主たる虐待者 ( 平成
8年度)
〔北九州市児童相談所 〕
虐 待 者
虐 待 の 内 容 実母 義母 実父 内縁の 夫
両親祖母 義兄 計 ( %)
身体的虐待
3 2 13 30
20
23 (34.3)心理的虐待
130 1 0
20 0
16 (23.9)性的虐待 0 0 1 1 0 0
1 3 (4.5)ネグレクト
180
20
50 0
25 (37.3)合
計
34 2 17 4 7 2 1 67( 北九州市児童相談所 ・ r 平成
8年度北九州市児童虐待防止事業報告雷」
)5 虐待を行 った者
1996
年全児相調査では、主たる虐待者 とし て最 も多いのは 「 実母
」50. 8%で、次 いで
「 実父
」28. 5%、「 継父
」4. 8%、「 養父」
4. 3%
、「 継母
」3. 1%の順 にな って いる ( 表
11・従たる虐待者については表
12)。前回 の
1988年全児相調査より 「 実母」の率が
1%高 く、「 実父」は約
2%低 くなっている。虐待種 別でみれば、「 身体的虐待」で は、
1988年全 児相調査の 「 実父 」
38. 5%、「 実母 」
28.7%
が逆転 して、「 実母
」43. 2%、「 実父」
30.8%
となり、「 性的虐待」以外 のすべてで
「 実母」が 「 実父」を上回 っている。 とりわけ、
「 不適切な保護ない し拒否」 と 「 心理的虐待」 と で 「 実母」が圧倒的に多いことが、主たる虐待者 全体で 「 実母」の占める割合を最 も多 くしている。
「 性的虐待」 で は、 「実父」 が ほぼ半数 を 占め
(49.5%)、
1988年全児相調査の
41. 7%よりさらに高率になっている。 なお、「 継父」
は
15.8%、「 養父」 は
12. 6% となってい る。
また、「 児童相談所で扱 った児童虐待の実態調 査
」 4)( 愛知県、大阪府、大阪市、鹿児島県、静 岡県、埼玉県の
5県
27の児相で、
1992年
1月か ら
94年
3月末 までに扱われた事例中、
「社会福祉行政業務報告 (厚生省報告例)」に報告
された虐待事例
419件に関する分析、以下では、
「 岩井等児童虐待実態調査」 と略称) によれば、
児相事例では、虐待はその
95%が親によって行 われており、虐待者 としては、「 実父
」29%、
「 継父
」13%、「 実母
」46%、「 継母
」6% と なっている。全体的には虐待者 として父親よりも 母親の占める割合が多いが、「 身体的虐待」 の場 合その
54%、「 性的虐待」 の場合その
91%が 父親によって行われている。虐待の内容が暴力的 傾向の強いものでは父親の、保護の怠慢 ・拒否 と いった養育に関する内容を含む虐待種別では母親 の占める割合が多 くなっている。性的虐待 は殆 ど 父親によって、保護の怠慢 ・拒否は母親によって 行われる確率が高い。
各児相での虐待者は次のようになっている。
東京都児相 ・主たる虐待者 としては、平成
6、
7、
8年度 ともに、「 実母」が最 も多 く、
次いで 「 実父」が多い ( 表
13)0 虐待種別 との関係では、平成
6年度 は、「身体 的暴行」 で は 「 実父」
57
件
(41.0%) 、「 実母
」47件
(33. 8%) と、 「実父」 が
「 実母」を上回 っているが、「 保護 の 怠慢 ・拒否」では、「 実母
」30件
‑ 62‑
被虐待児保護のための親子関係への公的援助 ・介入と親権との関係 :児童相談所における対応を中心に
(70.9%)に対 し、「 実父」 は
6件
(15.8%) と大 きな差がある。
しか し、平成 7年度 は、「 身体的暴 行」全体
267件のなかで 「 実母」
が
125件
(46. 8%) 、「 実父」
が
82件 (30. 7%) とな り、
「 保護怠慢 ・拒否」で は、やはり全 体
101件中 「 実母
」54件
(53.6%)
、「 実父
」14件
(13.9%)と 「 実母」の占める割合が高 くな っ ている。
8年度で も、「 身体的暴行」
全体
315件中 「 実母」が
140件
(44.4
%)、「 実父」が
102件
(32.4
%)となり、「 保護怠慢 ・ 拒否」で は、全体 92件 中 62件
(67.4
%)が 「 実母」で、「 実父」
によるのは
27件 (29.3%)で ある ( 表
7・表13参照) 0
大阪府児相 ・在宅指導ケースでは、平成
7年度は、
全体
415人 ( 重複回答あり)のな か で 、 「実 母 」 が
2 3 7人
(57. 1
%)、「 実父」が
114人
(27. 5%)、
8年 度 は、 全 体
433